JP2015020081A - 膜モジュールの洗浄方法および膜モジュールの洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薬品添加逆洗を行う精密ろ過膜装置または限外ろ過膜装置において、少量の薬液で効率的に膜に付着、堆積した汚濁物質等を除去することができる膜モジュールの洗浄方法および膜モジュールの洗浄装置を提供する。【解決手段】処理水の少なくとも一部に酸化剤が添加された逆洗水を膜モジュール40の二次側より導入し、膜モジュール40の一次側から排出する逆洗工程と、逆洗工程後、薬液循環槽である循環槽32または酸循環槽33に貯留した、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つを添加した薬液を膜モジュール40の一次側より導入して膜モジュール40の二次側から排出し、排出した薬液を循環槽32または酸循環槽33に戻す循環工程と、を含む膜モジュールの洗浄方法である。【選択図】図1
Description
本発明は、精密ろ過膜または限外ろ過膜を備える膜モジュールの洗浄方法および洗浄装置に関する。
濁質、微粒子、微生物等の除去を目的とした精密ろ過膜装置または限外ろ過膜装置において、精密ろ過膜または限外ろ過膜を備える膜モジュールの洗浄方法として、処理水を処理水側(二次側)から被処理水側(一次側)に供給して逆洗する方法や、精密ろ過膜装置または限外ろ過膜装置を停止させ、あるいは膜モジュールを取り外して高濃度の薬液に浸漬して洗浄する大規模洗浄を数ヶ月に一度行う方法等が知られている。
しかしながら、この大規模洗浄は、水酸化ナトリウム水溶液や硫酸等の薬液を用いて、薬液タンクと膜モジュールとの間で数時間以上にわたり循環または浸漬させる作業であり、通常、薬液循環後または薬液浸漬後の洗浄も含めて数日にわたって行われるため、労力および時間の浪費につながっていた。
これに対して、オンラインで低濃度の薬品を逆洗水に添加して膜モジュールの洗浄を行う方法として、簡易薬品洗浄が知られている。この簡易薬品洗浄は、例えば、数時間に一度、膜の付着物の蓄積が少ないうちにこまめに除去することで、大規模洗浄の頻度を低減すべく行われている。この簡易薬品洗浄は、通常、膜の処理水を二次側から加圧して一次側へ逆洗する通常逆洗と、処理水に酸やアルカリや酸化剤等を添加して逆洗する薬品添加逆洗との工程に分かれ、例えば24〜48回程度の通常逆洗の後、薬品添加逆洗が行われる。
また、簡易薬品洗浄において、被処理水に薬品を添加して微生物による閉塞を抑制する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、膜モジュール内を硫酸の添加によってpH4以下にすることで中性〜アルカリ性で生息する一般の好気性細菌を除去する方法である。
ところで、簡易薬品洗浄において、コスト削減のために薬品使用量の低減が望まれており、例えば、連続的に通薬するのではなく、薬液を膜モジュール内に保持して静置する時間を設ける方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法は、塩素水を膜の二次側から一次側へ逆流させた後、所定時間保持することにより膜に付着、堆積した汚濁物質等を塩素水にさらし、酸化反応により剥離しやすくする方法である。
また、洗浄液を循環することで、薬品使用量を削減する方法が知られている(特許文献3参照)。これは、酸性領域に調整された還元剤を含む洗浄液を膜モジュールの原水側(被処理水側)から供給し、再度直接、膜モジュール外へ排出した洗浄水、または膜ろ過したそのろ液を再度膜モジュールの原水側に循環させながら膜洗浄を行う方法である。この方法では、高濃度の薬液を原水ラインに添加し、配管内で希釈するので薬液の混合が不十分になりやすく、膜の洗浄が十分に行われなかったり、原水変動により薬効成分の濃度が変化したりするため、安定した洗浄を行うことが困難である。
しかし、簡易薬品洗浄において、膜面上の汚濁物質等を十分に除去するためには大量の薬液を使い捨てる場合が多い。洗浄液を膜モジュール内で保持する時間を設けることにより、ろ過水および薬品使用量を削減することができるが、膜表面に付着、堆積した汚濁物質等を十分に取り除くためには接触効率が悪く、さらなる効率化が望まれる。また、薬品洗浄排水は中和処理等の適切な処置を行う必要があるため、排水処理のための薬品が別途必要となり、排水処理のための薬品の使用量削減も望まれている。また、薬品洗浄に用いる薬液の濃度ができるだけ一定であり、安定した洗浄を行うことができることが望まれている。
本発明の目的は、薬品添加逆洗を行う精密ろ過膜装置または限外ろ過膜装置において、少量の薬液で効率的に膜に付着、堆積した汚濁物質等を除去することができる膜モジュールの洗浄方法および膜モジュールの洗浄装置を提供することにある。
本発明は、精密ろ過膜または限外ろ過膜に被処理水を通水して処理水を得るための膜モジュールを洗浄する膜モジュールの洗浄方法であって、前記処理水の少なくとも一部に酸化剤を添加した逆洗水を前記膜モジュールの二次側より導入し、前記膜モジュールの一次側から排出する逆洗工程と、前記逆洗工程後、薬液循環槽に貯留した、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つを添加した薬液を前記膜モジュールの一次側より導入して前記膜モジュールの二次側から排出し、前記排出した薬液を前記薬液循環槽に戻す薬液循環工程と、を含む膜モジュールの洗浄方法である。
また、前記膜モジュールの洗浄方法において、前記逆洗工程と前記薬液循環工程との間に、前記膜モジュールに滞留した逆洗水を排出する逆洗水ドレン工程をさらに含むことが好ましい。
また、前記膜モジュールの洗浄方法において、前記薬液循環工程後、前記膜モジュールに滞留した薬液を排出する薬液ドレン工程をさらに含むことが好ましい。
また、本発明は、精密ろ過膜または限外ろ過膜に被処理水を通水して処理水を得るための膜モジュールを洗浄する膜モジュールの洗浄装置であって、前記処理水の少なくとも一部に酸化剤が添加された逆洗水を前記膜モジュールの二次側より導入し、前記膜モジュールの一次側から排出する逆洗手段と、薬液を貯留するための薬液循環槽と、前記薬液循環槽に貯留した、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つが添加された薬液を前記膜モジュールの一次側より導入して前記膜モジュールの二次側から排出し、前記排出した薬液を前記薬液循環槽に戻す薬液循環手段と、を備える膜モジュールの洗浄装置である。
また、前記膜モジュールの洗浄装置において、前記膜モジュールに滞留した逆洗水を排出する逆洗水ドレン手段をさらに備えることが好ましい。
また、前記膜モジュールの洗浄装置において、前記膜モジュールに滞留した薬液を排出する薬液ドレン手段をさらに備えることが好ましい。
本発明では、薬品添加逆洗を行う精密ろ過膜装置または限外ろ過膜装置において、少量の薬液で効率的に膜に付着、堆積した汚濁物質等を除去することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る膜モジュールの洗浄方法および洗浄装置が適用される水処理装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、水処理装置100は、原水槽30と、処理水槽31と、膜モジュール40とを備える。そして、水処理装置100は、膜モジュールの洗浄装置として、薬液循環槽としての循環槽32および酸循環槽33と、アルカリ貯槽34と、酸化剤貯槽35と、酸貯槽36と、酸化剤貯槽37と、逆洗排水槽38と、薬品排水槽39とを備える。
水処理装置100において、原水槽30の下部出口と膜モジュール40の被処理水側(一次側)とは、原水をろ過する際に起動されるポンプ20と、その際に開状態となるバルブ1とを介して配管等により接続されている。
膜モジュール40の処理水側(二次側)と処理水槽31とは、原水をろ過する際に開状態となるバルブ2,3,4,5を介して配管等により接続されている。処理水槽31の下部出口は、逆洗工程の際に起動されるポンプ21と、その際に開状態となるバルブ6とを介して配管等によりバルブ4とバルブ5との間の配管等に接続されている。酸化剤貯槽37の下部出口は、逆洗工程の際に起動されるポンプ24を介して配管等によりポンプ21とバルブ6との間の配管等に接続されている。逆洗工程の際には、逆洗手段としてのポンプ21,24が起動され、その際にバルブ2,3,4,6が開状態となる。
アルカリ貯槽34はポンプ25を介して配管等により循環槽32に接続されており、酸化剤貯槽35はポンプ26を介して配管等により循環槽32に接続されている。酸貯槽36はボンプ27を介して配管等により酸循環槽33に接続されている。循環槽32には同槽内のpHを計測するpH計測手段としてのpH計50が設けられており、酸循環槽33には同槽内のpHを計測するpH計測手段としてのpH計51が設けられている。
循環槽32の下部出口と膜モジュール40の一次側とは、アルカリ循環工程、酸化剤循環工程、およびアルカリ/酸化剤循環工程のうち少なくとも1つ(以下、単に「アルカリ循環工程等」と呼ぶ場合がある)の際に起動する薬液循環手段としてのポンプ22と、その際に開状態となるバルブ9,16とを介して配管等により接続されている。バルブ9とバルブ16との間の配管等と循環槽32とは、アルカリドレン工程、酸化剤ドレン工程、およびアルカリ/酸化剤ドレン工程のうち少なくとも1つ(以下、単に「アルカリドレン工程等」と呼ぶ場合がある)の際に開状態となるバルブ15を介して配管等により接続されている。バルブ15と循環槽32との間の配管等には、酸化剤濃度測定手段としての酸化剤濃度測定装置52が設けられている。アルカリドレン工程等の際には、バルブ9,15が開状態となる。膜モジュール40の二次側と、循環槽32とは、アルカリ循環工程等の際に開状態となるバルブ2,10を介して、配管等により接続されている。
酸循環槽33の下部出口と膜モジュール40の一次側とは、酸循環工程の際に起動する薬液循環手段(酸循環手段)としてのポンプ23と、その際に開状態となるバルブ11,18を介して配管等により接続されている。バルブ11とバルブ18との間の配管等と酸循環槽33とは、酸ドレン工程の際に開状態となるバルブ17を介して配管等により接続されている。酸ドレン工程の際には、バルブ11,17が開状態となる。膜モジュール40の二次側と、酸循環槽33とは、酸循環工程の際に開状態となるバルブ2,3,12を介して、配管等により接続されている。
膜モジュール40の一次側の下部と、逆洗排水槽38とは、逆洗工程のうち下部排水工程の際に開状態となるバルブ8を介して配管等により接続されている。膜モジュール40の一次側の下部と、薬品排水槽39とは、アルカリ循環工程等または酸循環工程後に行われる逆洗工程のうち下部排水工程の際に開状態となるバルブ14を介して配管等により接続されている。膜モジュール40の一次側の上部と、逆洗排水槽38とは、逆洗工程のうち上部排水工程の際に開状態となるバルブ7を介して配管等により接続されている。膜モジュール40の一次側の上部と、薬品排水槽39とは、アルカリ循環工程等または酸循環工程後に行われる逆洗工程のうち上部排水工程の際に開状態となるバルブ13を介して配管等により接続されている。膜モジュール40の一次側の上部には、逆洗水ドレン工程、アルカリドレン工程等および酸ドレン工程の際に起動する逆洗水ドレン手段および薬液ドレン手段としてのコンプレッサ60が、その際に開状態となるバルブ19を介して配管等により接続されている。
<洗浄工程の説明>
[ろ過工程]
処理対象となる原水は、必要に応じて原水槽30に貯留される。まず、バルブ1〜5が開状態とされ、ポンプ20が起動され、原水槽30から膜モジュール40に原水が供給され、膜モジュール40においてろ過処理されて処理水が処理水槽31に得られる(ろ過工程)。
[ろ過工程]
処理対象となる原水は、必要に応じて原水槽30に貯留される。まず、バルブ1〜5が開状態とされ、ポンプ20が起動され、原水槽30から膜モジュール40に原水が供給され、膜モジュール40においてろ過処理されて処理水が処理水槽31に得られる(ろ過工程)。
このようなろ過工程を継続すると、原水中の汚濁物質等が膜モジュール40の膜の表面や内部等に付着、堆積し、ろ過水量の低下や膜問差圧の上昇等が引き起こされるため、以下に説明するように、膜モジュールを洗浄する洗浄工程が行われる。
本実施形態に係る膜モジュールの洗浄方法は、逆洗工程後に、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つを添加した薬液を膜モジュール40の膜の一次側から二次側へ通水し、膜を透過した薬液を薬液循環槽へ返送し、再度膜の一次側へ供給する循環工程で膜を洗浄した後、膜モジュール40内の薬液を薬液循環槽へ引き抜き、薬液を回収する方法である。
[逆洗工程]
逆洗工程では、処理水の少なくとも一部に酸化剤を添加した逆洗水を膜モジュール40の二次側より導入し、膜モジュール40の一次側から排出する。
逆洗工程では、処理水の少なくとも一部に酸化剤を添加した逆洗水を膜モジュール40の二次側より導入し、膜モジュール40の一次側から排出する。
膜洗浄は、まず上述のろ過工程において用いられていたポンプ20が停止され、バルブ1,5が閉状態とされ、バルブ2,3,4,6,7が開状態とされて、ボンプ21,24が起動され、処理水の少なくとも一部に酸化剤貯槽37内の酸化剤が添加され、酸化剤添加処理水が膜モジュール40における膜の二次側から一次側へ逆流され、膜モジュール40の上部から剥離したケーキ等を含む逆洗排水が排出され、逆洗排水槽38へ移送される(逆洗工程)。続けて、ポンプ21,24が停止され、バルブ7が閉状態とされ、バルブ2,3,4,6,8が開状態とされて、再度ポンプ21,24が起動されることで、上述の逆洗が行われ、膜モジュール40の下部から逆洗排水が排出され、逆洗排水槽38へ移送される(逆洗工程)。これらの逆洗工程を行うので、膜表面に付着、堆積された汚濁物質等が物理的に剥離される。
[逆洗水ドレン工程]
逆洗水ドレン工程では、逆洗工程と薬液循環工程との間に、膜モジュール40に滞留した逆洗水を排出する。
逆洗水ドレン工程では、逆洗工程と薬液循環工程との間に、膜モジュール40に滞留した逆洗水を排出する。
逆洗水ドレン工程は、重力を利用する方法と加庄空気を利用する方法等があり、装置形状によって適宜選択されればよい。加圧空気を利用する方法を例にすると、ポンプ21,24が停止され、バルブ2,3,4,6が閉状態とされ、バルブ8,19が開状態とされて、コンプレッサ60が起動されることで、コンプレッサ60からのエアが膜モジュール40の一次側に供給され、膜モジュール40の一次側に残った逆洗水が逆洗排水槽38に排出される(逆洗水ドレン工程)。膜モジュール40の一次側がほとんど空とされるので、次に行われる薬液循環工程における薬品濃度の低下を防ぐことができる。
[薬液循環工程(アルカリ循環工程等)]
薬液循環工程では、逆洗工程後、薬液循環槽(循環槽32または酸循環槽33)に貯留した、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つが添加された薬液を膜モジュール40の一次側より導入して膜モジュール40の二次側から排出し、排出した薬液を薬液循環槽(循環槽32または酸循環槽33)に戻す。
薬液循環工程では、逆洗工程後、薬液循環槽(循環槽32または酸循環槽33)に貯留した、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つが添加された薬液を膜モジュール40の一次側より導入して膜モジュール40の二次側から排出し、排出した薬液を薬液循環槽(循環槽32または酸循環槽33)に戻す。
薬液循環工程は、アルカリ循環工程、酸化剤循環工程、アルカリ/酸化剤循環工程および酸循環工程のうち少なくとも1つを含む。薬液循環工程は、アルカリ循環工程等(アルカリ循環工程、酸化剤循環工程、およびアルカリ/酸化剤循環工程のうち少なくとも1つ)の後、酸循環工程が行われる場合と、酸循環工程の後、アルカリ循環工程等が行われる場合と、アルカリ循環工程等および酸循環工程のどちらか一方のみが行われる場合とがあり、原水と膜の開塞物質等に応じて適宣選択される。
アルカリ循環工程等の後、酸循環工程を行う場合を例にして説明すると、上述のドレン工程の後、コンプレッサ60が停止され、バルブ8,19が閉状態とされ、バルブ2,9,10,16が開状態とされて、ポンプ22が起動され、循環槽32と膜モジュール40の間で薬液(ここではアルカリ単独、酸化剤単独、またはアルカリ/酸化剤(アルカリと酸化剤との混合薬液))が循環される(アルカリ循環工程等)。アルカリ単独による「アルカリ循環工程」の場合には、循環槽32内に予めアルカリ貯槽34からアルカリが供給されればよく、酸化剤単独による「酸化剤循環工程」の場合には、循環槽32内に予め酸化剤貯槽35から酸化剤が供給されればよく、アルカリと酸化剤との混合薬液による「アルカリ/酸化剤循環工程」の場合には、アルカリ貯槽34から供給された循環槽32内のアルカリに、予め酸化剤貯槽35から酸化剤が所定の濃度となるように添加されればよい。循環時間としては、特に制限はないが、数十秒〜数分程度、例えば60秒〜10分程度が好ましく、適切な洗浄効果と装置の稼働率となるように適宜設定されればよい。循環流束としては、例えば、例えば10%〜400%程度とすればよい。
[薬液ドレン工程(アルカリドレン工程等)]
薬液ドレン工程は、アルカリドレン工程、酸化剤ドレン工程、アルカリ/酸化剤ドレン工程および酸ドレン工程のうち少なくとも1つを含む。薬液ドレン工程では、薬液循環工程(アルカリ循環工程等または酸循環工程)後、膜モジュール40に滞留した薬液(アルカリ、酸化剤、アルカリ/酸化剤または酸)を排出する。
薬液ドレン工程は、アルカリドレン工程、酸化剤ドレン工程、アルカリ/酸化剤ドレン工程および酸ドレン工程のうち少なくとも1つを含む。薬液ドレン工程では、薬液循環工程(アルカリ循環工程等または酸循環工程)後、膜モジュール40に滞留した薬液(アルカリ、酸化剤、アルカリ/酸化剤または酸)を排出する。
アルカリドレン工程等は、重力を利用する方法と加圧空気を利用する方法があり、装置形状等によって適宜選択されればよい。加圧空気を利用する方法を例にすると、ポンプ22が停止され、バルブ2,10,16が閉状態とされ、バルブ9,15,19が開状態とされてコンプレッサ60が起動され、コンプレッサ60からのエアにより膜モジュール40内部から薬液が押し出され、循環槽32に返送される(アルカリドレン工程等)。薬液が循環槽32に返送されるので、水回収率の維持と薬品使用量の削減等ができ、膜モジュール40内がほとんど空にされるので、膜モジュール40内に残った薬品の洗浄に用いる水量が削減される。また、酸化剤、または酸化剤を含むアルカリが循環される場合は、膜表面に付着、堆積した汚濁物質等のうち、特に有機物等が酸化剤により分解され、剥離されるか、または剥離しやすい状態にすることができる。
[洗い工程]
アルカリ循環工程等の後、コンプレッサ60が停止され、バルブ9,15,19が閉状態とされ、バルブ2,3,4,6,13が開状態とされて、ボンプ21が起動され、膜モジュール40において逆洗が行われ、膜モジュール40の上部から逆洗排水が排出され、薬品排水槽39へ移送される(洗い工程)。続けて、ポンプ21が停止され、バルブ13が閉状態とされ、バルブ2,3,4,6,14が開状態とされて、再度ポンプ21が起動され、逆洗が行われ、膜モジュール40の下部から逆洗排水が排出され、薬品排水槽39へ移送される(洗い工程)。アルカリ循環工程等の後の逆洗であるので、薬液により剥離されやすくなったケーキが剥離されるとともに、膜モジュール内の薬液が洗い流される。
アルカリ循環工程等の後、コンプレッサ60が停止され、バルブ9,15,19が閉状態とされ、バルブ2,3,4,6,13が開状態とされて、ボンプ21が起動され、膜モジュール40において逆洗が行われ、膜モジュール40の上部から逆洗排水が排出され、薬品排水槽39へ移送される(洗い工程)。続けて、ポンプ21が停止され、バルブ13が閉状態とされ、バルブ2,3,4,6,14が開状態とされて、再度ポンプ21が起動され、逆洗が行われ、膜モジュール40の下部から逆洗排水が排出され、薬品排水槽39へ移送される(洗い工程)。アルカリ循環工程等の後の逆洗であるので、薬液により剥離されやすくなったケーキが剥離されるとともに、膜モジュール内の薬液が洗い流される。
[ドレン工程]
ドレン工程は、重力を利用する方法と加圧空気を利用する方法があり、装置形状等によって適宜選択されればよい。加圧空気を利用する方法を例にすると、ポンプ21が停止され、バルブ2,3,4,6が閉状態とされ、バルブ14,19が開状態とされて、コンプレッサ60が起動され、コンプレッサ60からのエアが膜モジュール40の一次側に供給され、膜モジュール40の一次側に残った逆洗水が薬品排水槽39へ押し出される(ドレン工程)。この際、押し出された逆洗排水中の薬品濃度が所定の値以下であれば、バルブ14が閉状態とされ、代わりにバルブ8が開状態とされ、逆洗排水が逆洗排水槽38へ移送されてもよい。
ドレン工程は、重力を利用する方法と加圧空気を利用する方法があり、装置形状等によって適宜選択されればよい。加圧空気を利用する方法を例にすると、ポンプ21が停止され、バルブ2,3,4,6が閉状態とされ、バルブ14,19が開状態とされて、コンプレッサ60が起動され、コンプレッサ60からのエアが膜モジュール40の一次側に供給され、膜モジュール40の一次側に残った逆洗水が薬品排水槽39へ押し出される(ドレン工程)。この際、押し出された逆洗排水中の薬品濃度が所定の値以下であれば、バルブ14が閉状態とされ、代わりにバルブ8が開状態とされ、逆洗排水が逆洗排水槽38へ移送されてもよい。
[薬液循環工程(酸循環工程)]
酸循環工程は、上述のドレン工程の後、バルブ19,14,8が閉状態とされ、コンプレッサ60が停止され、バルブ2,3,11,12,18が開状態とされて、ポンプ23が起動され、酸循環槽33と膜モジュール40との間で薬液(ここでは酸)が循環される(酸循環工程)。循環時間としては、特に制限はないが、数十秒〜数分程度、例えば60秒〜10分程度が好ましく、適切な洗浄効果と装置の稼働率となるように適宜設定されればよい。循環流束としては、例えば、例えば10%〜400%程度とすればよい。
酸循環工程は、上述のドレン工程の後、バルブ19,14,8が閉状態とされ、コンプレッサ60が停止され、バルブ2,3,11,12,18が開状態とされて、ポンプ23が起動され、酸循環槽33と膜モジュール40との間で薬液(ここでは酸)が循環される(酸循環工程)。循環時間としては、特に制限はないが、数十秒〜数分程度、例えば60秒〜10分程度が好ましく、適切な洗浄効果と装置の稼働率となるように適宜設定されればよい。循環流束としては、例えば、例えば10%〜400%程度とすればよい。
[薬液ドレン工程(酸ドレン工程)]
酸ドレン工程は、重力を利用する方法と加庄空気を利用する方法があり、装置形状等によって適宣選択されればよい。加庄空気を利用する方法を例にすると、ポンプ23が停止され、バルブ2,3,12,18が閉状態とされ、バルブ11,17,19が開状態とされてコンプレッサ60が起動され、コンプレッサ60からのエアにより膜モジュール40内部から薬液が押し出され、酸循環槽33に返送される(酸ドレン工程)。薬液が酸循環槽33に返送されるので、水回収率の維持と薬品使用量の削減等ができ、膜モジュール40内がほとんど空にされるので、膜モジュール40内に残った薬品の洗浄に使われる水量が削減される。また、酸が循環されるので、膜表面に付着、堆積した汚濁物質等のうち、特に金属由来の物質が分解され、剥離される、または剥離しやすい状態にすることができる。
酸ドレン工程は、重力を利用する方法と加庄空気を利用する方法があり、装置形状等によって適宣選択されればよい。加庄空気を利用する方法を例にすると、ポンプ23が停止され、バルブ2,3,12,18が閉状態とされ、バルブ11,17,19が開状態とされてコンプレッサ60が起動され、コンプレッサ60からのエアにより膜モジュール40内部から薬液が押し出され、酸循環槽33に返送される(酸ドレン工程)。薬液が酸循環槽33に返送されるので、水回収率の維持と薬品使用量の削減等ができ、膜モジュール40内がほとんど空にされるので、膜モジュール40内に残った薬品の洗浄に使われる水量が削減される。また、酸が循環されるので、膜表面に付着、堆積した汚濁物質等のうち、特に金属由来の物質が分解され、剥離される、または剥離しやすい状態にすることができる。
[洗い工程]
最後に、コンプレッサ60が停止され、バルブ11,17,19が閉状態とされ、バルブ2,3,4,6,13が開状態とされて、上述の洗い工程が行われる。
最後に、コンプレッサ60が停止され、バルブ11,17,19が閉状態とされ、バルブ2,3,4,6,13が開状態とされて、上述の洗い工程が行われる。
以上の洗浄工程を終了させた後、必要に応じてろ過工程が再開される。
[循環槽薬液濃度調製工程]
循環槽32のpHがpH計50により例えば10〜13の範囲外、好ましくは11〜12の範囲外になったことが確認された際は、バルブ15,16が開状態にされてポンプ22が起動されるとともにポンプ25が起動され、アルカリ貯槽34からアルカリが添加され、循環槽32のpHが例えば10〜13の範囲、好ましくは11〜12の範囲になるように制御されてもよい(アルカリ濃度調整工程)。循環槽32の酸化剤濃度が、酸化剤濃度測定装置52により例えば1〜1000ppmの範囲、好ましくは10〜500ppmの範囲になったことが確認された際は、バルブ15,16が開状態にされて、ポンプ22が起動されるとともにボンプ26が起動され、酸化剤貯槽35から酸化剤が添加され、循環槽32に酸化剤濃度が例えば1〜1000ppmの範囲、好ましくは10〜500ppmの範囲になるよう制御される(酸化剤濃度調整工程)。
循環槽32のpHがpH計50により例えば10〜13の範囲外、好ましくは11〜12の範囲外になったことが確認された際は、バルブ15,16が開状態にされてポンプ22が起動されるとともにポンプ25が起動され、アルカリ貯槽34からアルカリが添加され、循環槽32のpHが例えば10〜13の範囲、好ましくは11〜12の範囲になるように制御されてもよい(アルカリ濃度調整工程)。循環槽32の酸化剤濃度が、酸化剤濃度測定装置52により例えば1〜1000ppmの範囲、好ましくは10〜500ppmの範囲になったことが確認された際は、バルブ15,16が開状態にされて、ポンプ22が起動されるとともにボンプ26が起動され、酸化剤貯槽35から酸化剤が添加され、循環槽32に酸化剤濃度が例えば1〜1000ppmの範囲、好ましくは10〜500ppmの範囲になるよう制御される(酸化剤濃度調整工程)。
循環槽32内の洗浄液は膜の洗浄を繰り返すことにより汚染されることがあるので、例えば数回〜数十回のアルカリ循環工程等が行われ、アルカリドレン工程等が行われた後、バルブ9,14,16が開状態とされて、ポンプ22が起動され、薬品排水槽39へ循環槽32から洗浄液の一部または全部が排出されてもよい。その後、ろ過工程中にバルブ10が開状態とされ、膜ろ過処理水が循環槽32に導入され、上記アルカリ濃度調製工程または酸化剤濃度調整工程が行われてもよい。
[酸循環槽薬液濃度調整工程]
また、酸循環槽33のpHがpH計51により例えば1〜4の範囲外、好ましくは2〜3の範囲外になったことが確認された際は、バルブ17,18が開状態にされてポンプ23が起動されるとともにポンプ27が起動され、酸貯槽36から酸が添加され、酸循環槽33のpHが例えば1〜4の範囲、好ましくは2〜3の範囲になるように制御されてもよい(酸濃度調整工程)。
また、酸循環槽33のpHがpH計51により例えば1〜4の範囲外、好ましくは2〜3の範囲外になったことが確認された際は、バルブ17,18が開状態にされてポンプ23が起動されるとともにポンプ27が起動され、酸貯槽36から酸が添加され、酸循環槽33のpHが例えば1〜4の範囲、好ましくは2〜3の範囲になるように制御されてもよい(酸濃度調整工程)。
酸循環槽33内の洗浄液は膜の洗浄を繰り返すことにより汚染されることがあるので、例えば数回〜数十回の酸循環工程が行われ、酸ドレン工程が行われた後、バルブ11,14,18が開状態にされてポンプ23が起動され、薬品排水槽39へ酸循環槽33から洗浄液の一部または全部が排出されてもよい。その後、ろ過工程中にバルブ12が開状態にされ、膜ろ過処理水が酸循環槽33に導入され、上記酸濃度調製工程が行われてもよい。
膜モジュール40における分離膜としては、孔型が0.01〜10μm程度の精密ろ過膜または孔径が数nm〜数十nm(例えば、1nm〜10nm)程度の限外ろ過膜が用いられ、ろ過膜の素材としては、ポリブッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンスルホン酸(PES)、ポリエーテルスルホン、塩化ビニル(PVC)等が好ましく、薬品濃度や種類等に応じて適宣選択されればよい。
酸化剤濃度測定装置52としては、例えば、通水タイプの酸化剤濃度測定装置を用いることができる。
アルカリ貯槽34内のアルカリとしては、特に制限はないが、数%〜数十%(例えば、10wt%〜30wt%)程度の水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。pH計50で測定された循環槽32内のpHが例えば10〜13の範囲、好ましくは11〜12の範囲になるようにポンプ25が制御されて、アルカリが添加されることが好ましい。
酸化剤貯槽35と酸化剤貯槽37内の酸化剤としては、特に制限はないが、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素および過酸化水素のうちの少なくとも1つが好ましく、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。酸化剤の濃度としては、腐食等の可能性の少ない数百ppm〜数%(例えば、1ppm〜1000ppm)程度が好ましい。酸化剤貯槽35においては、循環槽32内の酸化剤濃度が例えば1〜1000ppmの範囲、好ましくは10〜500ppmの範囲となるようにポンプ35が制御されて、酸化剤が添加されることが好ましい。
酸貯槽36内の酸としては、特に制限はないが、硫酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸が好ましい。pH計51で測定された酸循環槽33内のpHが例えば1〜4の範囲、好ましくは2〜3の範囲になるようにポンプ27が制御されて、酸が添加されることが好ましい。
このように、本実施形態に係る膜モジュールの洗浄方法において、洗浄により消費された有効成分を添加し、酸循環槽33をpH1〜4の範囲、好ましくは2〜3の範囲に制御し、循環槽32をpH10〜13の範囲、好ましくは11〜12の範囲に制御し、酸化剤濃度を1〜1000mg/Lの範囲、好ましくは10〜500ppmの範囲になるように制御することが好ましい。
本実施形態に係る膜モジュールの洗浄方法において、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つが添加された薬液を膜モジュール40の一次側から二次側へ循環させることで、回収される薬液は膜を透過しているため汚濁物質等が除去されて回収することができ、再利用に際し、膜の一次側を汚染することがほとんどない。また、循環による物理的効果により、膜表面や膜内部等に付着、堆積した汚濁物質等を薬液に効率よく接触させることができる。したがって、大量の薬液を使用したり、保持時間を設けたりしなくても、膜表面や膜内部等の汚濁物質等を効率的に酸化、分解、溶解させ、除去することができる。さらに、回収した薬液を再利用することができるので、排水処理を含む薬品使用量の低減が成し遂げられる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1の水処理装置を用いて、中空糸型の膜モジュールとしてポリエーテルスルホン製の限外ろ過膜モジュール(分画分子量15万、有効膜面積4m2)を用いて、湖沼水の内圧式ろ過運転を行った。なお、ろ過流束は1.7m/日に設定し、定流量ろ過で運転した。運転は60分間の処理水を得るろ過工程の後に、1分間の逆洗工程を行い、1日に1回、逆洗工程の後に10分間の薬液循環工程を行った。逆洗工程では、処理水に酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを注入し、濃度5mg/Lに調製した水溶液を逆洗水として用いた。薬液循環工程では、循環槽に酸化剤として12%次亜塩素酸ナトリウムを注入し、濃度100mg/Lに調製した水溶液を循環水として用い、循環工程の後、循環槽に回収した。ところで、循環槽内の次亜塩素酸ナトリウムの濃度を80〜100g/Lの範囲内に保つために、10日に1回上記循環槽薬液濃度調製工程(酸化剤濃度調整工程)を行った。循環流束は3.4m/日(ろ過流速の2倍)に設定した。
図1の水処理装置を用いて、中空糸型の膜モジュールとしてポリエーテルスルホン製の限外ろ過膜モジュール(分画分子量15万、有効膜面積4m2)を用いて、湖沼水の内圧式ろ過運転を行った。なお、ろ過流束は1.7m/日に設定し、定流量ろ過で運転した。運転は60分間の処理水を得るろ過工程の後に、1分間の逆洗工程を行い、1日に1回、逆洗工程の後に10分間の薬液循環工程を行った。逆洗工程では、処理水に酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを注入し、濃度5mg/Lに調製した水溶液を逆洗水として用いた。薬液循環工程では、循環槽に酸化剤として12%次亜塩素酸ナトリウムを注入し、濃度100mg/Lに調製した水溶液を循環水として用い、循環工程の後、循環槽に回収した。ところで、循環槽内の次亜塩素酸ナトリウムの濃度を80〜100g/Lの範囲内に保つために、10日に1回上記循環槽薬液濃度調製工程(酸化剤濃度調整工程)を行った。循環流束は3.4m/日(ろ過流速の2倍)に設定した。
<比較例1>
実施例1と同じ中空糸型の膜モジュールを用いる運転中の循環工程において、実施例1のように循環槽にあらかじめ洗浄液を調製するのではなく、酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムを原水ラインに添加し、配管内で希釈して循環水として用いた。次亜塩素酸ナトリウムの添加量は通水0日目の時点で配管内での濃度が100mg/Lとなるように設定し、以降、定量注入を行った。
実施例1と同じ中空糸型の膜モジュールを用いる運転中の循環工程において、実施例1のように循環槽にあらかじめ洗浄液を調製するのではなく、酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムを原水ラインに添加し、配管内で希釈して循環水として用いた。次亜塩素酸ナトリウムの添加量は通水0日目の時点で配管内での濃度が100mg/Lとなるように設定し、以降、定量注入を行った。
<比較例2>
実施例1と同じ中空糸型の膜モジュールを用いて、比較例1と同様に酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムを原水ラインに添加し、配管内で希釈して循環水として用いた。次亜塩素酸ナトリウムの添加量は通水0日目の時点で配管内での濃度が100mg/Lとなるように設定し、濁度が20度以上になった場合、注入最を2倍にして運転した。
実施例1と同じ中空糸型の膜モジュールを用いて、比較例1と同様に酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムを原水ラインに添加し、配管内で希釈して循環水として用いた。次亜塩素酸ナトリウムの添加量は通水0日目の時点で配管内での濃度が100mg/Lとなるように設定し、濁度が20度以上になった場合、注入最を2倍にして運転した。
実施例1、比較例1および比較例2の運転データをそれぞれ図2,3,4に示す。
図2,3,4より次のことが明らかである。比較例1のように次亜塩素酸ナトリウムを原水に定量注入する方法では、原水の濁度が上昇した場合に差圧が上昇する。比較例2のように濁度が20度以上になった場合、次亜塩素酸ナトリウムの注入量を2倍にすると、安定した運転が継続する。
これに対して、実施例1では、循環槽に酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを注入して循環液をあらかじめ調製しておくことで、原水の濁度が高くなっても安定した運転が継続する。
実施例1、比較例1および比較例2で使用した次亜塩素酸ナトリウムから算出したコストの比較データを図5示す。
図5より次のことが明らかである。前述したように、安定した運転が継続するのは実施例1と比較例1であり、これらを比較すると、実施例1は循環工程の後、循環槽に洗浄液を回収するので、使用する次亜塩素酸ナトリウムの量が少なく、コストが節約できる。
実施例1、比較例1および比較例2の循環工程における膜モジュール内の次亜塩素酸ナトリウムの濃度の経時変化を図6に示す。
図6より次のことが明らかである。比較例1は原水に次亜塩素酸ナトリウムを定量注入しているので、高濁度の時には一部が消費され、膜モジュール内の次亜塩素酸ナトリウムの濃度が低下する。比較例2は定量注入の2倍量を添加するので、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は維持できるが、前述したようにコストの面で好ましくない。これに対して、実施例1では速やかに膜モジュール内の次亜塩素酸ナトリウムの濃度が100mg/Lに達し、高濁度の時においてもそれが低下することはほとんどない。
このように、実施例1の膜モジュールの洗浄方法によれば、膜ろ過された処理水の少なくとも一部を膜の二次側から一次側へ逆流させる逆洗工程と、酸化剤を添加した薬液を薬液循環槽から膜モジュールへ供給し、膜の一次側から二次側へ通水し、膜ろ過された薬液を薬液循環槽する薬液循環工程とを、行うことにより、少量の薬液で効率的に膜に付着、堆積した汚濁物質等を除去することができた。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19 バルブ、20,21,22,23,24,25,26,27 ポンプ、30 原水槽、31 処理水槽、32 循環槽、33 酸循環槽、34 アルカリ貯槽、35,37 酸化剤貯槽、36 酸貯槽、38 逆洗排水槽、39 薬品排水槽、40 膜モジュール、50,51 pH計、52 酸化剤濃度測定装置、60 コンプレッサ、100 水処理装置。
Claims (6)
- 精密ろ過膜または限外ろ過膜に被処理水を通水して処理水を得るための膜モジュールを洗浄する膜モジュールの洗浄方法であって、
前記処理水の少なくとも一部に酸化剤を添加した逆洗水を前記膜モジュールの二次側より導入し、前記膜モジュールの一次側から排出する逆洗工程と、
前記逆洗工程後、薬液循環槽に貯留した、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つを添加した薬液を前記膜モジュールの一次側より導入して前記膜モジュールの二次側から排出し、前記排出した薬液を前記薬液循環槽に戻す薬液循環工程と、
を含むことを特徴とする膜モジュールの洗浄方法。 - 請求項1に記載の膜モジュールの洗浄方法であって、
前記逆洗工程と前記薬液循環工程との間に、前記膜モジュールに滞留した逆洗水を排出する逆洗水ドレン工程をさらに含むことを特徴とする膜モジュールの洗浄方法。 - 請求項1または2に記載の膜モジュールの洗浄方法であって、
前記薬液循環工程後、前記膜モジュールに滞留した薬液を排出する薬液ドレン工程をさらに含むことを特徴とする膜モジュールの洗浄方法。 - 精密ろ過膜または限外ろ過膜に被処理水を通水して処理水を得るための膜モジュールを洗浄する膜モジュールの洗浄装置であって、
前記処理水の少なくとも一部に酸化剤が添加された逆洗水を前記膜モジュールの二次側より導入し、前記膜モジュールの一次側から排出する逆洗手段と、
薬液を貯留するための薬液循環槽と、
前記薬液循環槽に貯留した、酸化剤、アルカリおよび酸の少なくともいずれか1つが添加された薬液を前記膜モジュールの一次側より導入して前記膜モジュールの二次側から排出し、前記排出した薬液を前記薬液循環槽に戻す薬液循環手段と、
を備えることを特徴とする膜モジュールの洗浄装置。 - 請求項4に記載の膜モジュールの洗浄装置であって、
前記膜モジュールに滞留した逆洗水を排出する逆洗水ドレン手段をさらに備えることを特徴とする膜モジュールの洗浄装置。 - 請求項4または5に記載の膜モジュールの洗浄装置であって、
前記膜モジュールに滞留した薬液を排出する薬液ドレン手段をさらに備えることを特徴とする膜モジュールの洗浄装置。
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- 2013-07-16 JP JP2013147374A patent/JP2015020081A/ja active Pending
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