JP2009082858A - 濾過膜の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】濾過水への汚染物質の混入を安価、簡便且つ充分に抑制できる膜洗浄方法を提供すること。
【解決手段】被処理水が一次側33から供給されて濾過水が二次側34へと導出される膜モジュール31の濾過膜を洗浄する膜洗浄方法は、二次側34から一次側33へと第一薬液含有水を流通させ、この第一薬液含有水中に濾過膜を浸漬することを1回以上行う洗浄浸漬手順と、二次側34から一次側33へと第二薬液含有水を流通させる逆洗手順と、一次側33に流出した通過水の被処理水導入系20及び濾過系30の外への排出を所定時間内に開始するリンス手順と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、濾過膜の洗浄方法に関し、特に、精密濾過膜(MF膜)、限外濾過膜(UF膜)の洗浄方法に関する。
MF膜及びUF膜は、被処理水中の粒子状物質を除去する能力に優れ、しかも比較的簡易な操作で使用できることから、被処理水を除濁、除菌する手段として工業的に広く利用されている。MF膜及びUF膜の工業的用途としては、逆浸透膜(RO膜)による水処理の前段階、医薬用無菌水の製造、及び超純水中の微粒子状物質の除去等が挙げられる。
上記のような用途に使用される場合、MF膜及びUF膜は、一般に、任意のケーシングに格納された膜モジュールの状態で被処理水の流路に設置される。ここで被処理水を膜モジュールの一次側から供給すると、粒子状物質が除去された濾過水が二次側から導出される。かかる水処理を継続すると、やがて膜面に汚れが付着して堆積し始め、膜の目詰まりが発生する。そこで一定の濾過水流量を保持するべく、操作圧を昇圧する必要がある。
しかし、操作圧の昇圧には、膜やケーシングの耐圧性、昇圧ポンプの能力等に基づく限界が存在するし、高い操作圧での運転はエネルギーコストの増大に繋がる。そこで、低い操作圧を維持しつつ一定の濾過水流量を保持するために、定期的に膜を洗浄して膜面の汚れを除去することが行われている。
従来の膜洗浄方法は、例えば、膜モジュールの二次側から一次側へと塩素水を逆流させた後、所定時間保持して膜を浸漬させる保持手順と、膜モジュールの一次側に滞留する水を系外に排出する手順と、を有する(特許文献1参照)。
この膜洗浄方法によれば、水が逆流する過程で汚れが膜から物理的に除去されるとともに、残存する汚れ(特に有機系汚濁物質)は塩素水中の遊離塩素によって、浸漬される間に膜から剥離される。そして、除去又は剥離された汚れは、一次側に滞留する水とともに系外に排出される。
特開平10−15365号公報
しかし、前述した膜洗浄方法では、膜面に付着、堆積した汚れ成分の中に塩素水に溶解する物質が存在する場合、この物質は、保持手順において、塩素水に溶解して、膜の二次側へと拡散して移行する。このため、濾過処理を再開すると、二次側に移行した物質が濾過水中に混入するので、水質悪化が懸念される。
そこで、二次側に移行した物質を除去するべく、保持手順を複数回繰り返す対策が考えられる。この対策では、保持手順を繰り返すに従って、二次側に移行する物質量は徐々に減衰する。しかし、膜浸漬時における二次側への物質の拡散が依然として生じるため、工程数が増加することによるコスト増加と見合うだけの物質除去効果を得ることは困難である。
そこで、濾過処理の再開後、膜モジュールの二次側から導出された所定量の濾過水を系外に排出したり、被処理水に戻したりすることで、RO膜等の後処理系統への汚染物質の流入を予防する対策も考えられる。しかし、この対策を行うためには、系外への排出配管や、被処理水への戻し配管を新設する必要があるので、設置コストが嵩むのみならず、配管切換の制御が煩雑になる。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、濾過水への汚染物質の混入を安価、簡便且つ充分に抑制できる膜洗浄方法を提供することを目的とする。
(1) 被処理水が一次側から供給されて濾過水が二次側へと導出される膜モジュールの濾過膜を洗浄する膜洗浄方法であって、
二次側から一次側へと第一薬液含有水を流通させ、この第一薬液含有水中に前記濾過膜を浸漬することを1回以上行う洗浄浸漬手順と、
二次側から一次側へと第二薬液含有水を流通させる逆洗手順と、
一次側に流出した通過水の系外への排出を所定時間内に開始するリンス手順と、を有する膜洗浄方法。
(1)の発明によれば、濾過膜に付着した汚れが洗浄浸漬手順で剥離されて一次側へと移送される。また、濾過膜が浸漬される間に二次側に拡散した汚れは、逆洗手順において溶解状態を保持しながら、一次側へと再移送される。続いて、一次側に流出した通過水の系外への排出を所定時間内に開始することで、再移送された汚れが二次側に拡散する前に系外へと排出される。よって、濾過水への汚染物質の混入を充分に抑制できる。
また、逆洗手順及びリンス手順を設けたので、残留する汚れを低減するために洗浄浸漬手順を必要以上に行う必要がない。また、薬液含有水を二次側に導入する手段と、通過水を系外に排出する手段とを設けるだけの少数の配管で膜洗浄を行うことができるので、設置コストを低減でき、簡便に配管制御を行うことができる。
(2) 第一薬液含有水及び第二薬液含有水が有するpHの差を所定値以下にする(1)記載の膜洗浄方法。
汚れ成分の中に水溶解度がpHに依存する汚染物質が存在する場合、第二薬液含有水が第一薬液含有水と異なるpHを有すると、上記汚染物質が析出する。このため、汚染物質は膜モジュールの二次側に残留し、結局、濾過処理再開後の濾過水中に混入することになる。
そこで、(2)の発明によれば、第一薬液含有水及び第二薬液含有水が有するpHの差を所定値以下としたので、汚染物質がpH依存性の溶解度を有していたとしても、二次側に残留することは抑制される。よって、濾過水への汚染物質の混入をより充分に抑制できる。
(3) 第二薬液含有水は、第一薬液含有水よりも少ない量の酸化剤又は還元剤を含有する(1)又は(2)記載の膜洗浄方法。
薬液含有水には、汚染物質を分解するべく、種々の酸化剤又は還元剤が含有されていることが好ましい。しかし、酸化剤又は還元剤の含有量が多いと、濾過処理再開後における濾過水に酸化剤又は還元剤が混入し、後処理(RO膜等)を劣化することが懸念される。
そこで(3)の発明によれば、第二薬液含有水が第一薬液含有水よりも少ない量の酸化剤又は還元剤を含有する構成としたので、濾過水への酸化剤又は還元剤の混入が抑制され、後処理への悪影響を低減できる。なお、汚染物質は、洗浄浸漬手順において、第一薬液含有水が含有する酸化剤又は還元剤によって分解されるため、第二薬液含有水における酸化剤又は還元剤の含有量が第一薬液含有水より少なくても、汚染物質を、その溶解状態を保持しながら一次側に移送できる。よって、濾過水への汚染物質の混入の抑制は保持できる。
(4) 第一薬液含有水及び第二薬液含有水は、前記濾過水を実質的に含有する(1)から(3)いずれか記載の膜洗浄方法。
(4)の発明によれば、濾過水と任意成分とで薬液含有水を構成するので、系外から水を導入する必要が必ずしもない。このため、配管数が低減され、安価且つ簡便に膜洗浄を行うことができる。なお、「濾過水を実質的に含有する」とは、極少量の濾過水が意図せずに混入するような場合を除く趣旨である。
本発明によれば、濾過膜に付着した汚れが洗浄浸漬手順で剥離されて一次側へと移送される。また、濾過膜が浸漬される間に二次側に拡散した汚れは、逆洗手順において溶解状態を保持しながら、一次側へと再移送される。続いて、一次側に流出した通過水の系外への排出を所定時間内に開始することで、再移送された汚れが二次側に拡散する前に系外へと排出される。よって、濾過水への汚染物質の混入を充分に抑制できる。
また、逆洗手順及びリンス手順を設けたので、残留する汚れを低減するために洗浄浸漬手順を必要以上に行う必要がない。また、薬液含有水を二次側に導入する手段と、通過水を系外に排出する手段とを設けるだけの少数の配管で膜洗浄を行うことができるので、設置コストを低減でき、簡便に配管制御を行うことができる。
以下、本発明の一実施形態について説明するが、本発明はこれに特に限定されるものではない。
<水処理系>
図1は、本発明に係る膜洗浄方法が行われる水処理系10の一例を示す概略構成図である。水処理系10は、被処理水を処理して精製水を生成する系であり、被処理水導入系20と、濾過系30と、洗浄系40と、排出系50と、を備える。各系について、以下詳細に説明する。
被処理水導入系20は、被処理水を収容する被処理水槽21を有し、この被処理水槽21は導入路23を介して後述の膜モジュール31に連通する。導入路23の途中には、上流から順に、給水ポンプP1、給水弁24が設けられている。これにより、給水弁24が開いた状態で給水ポンプP1を稼動させると、被処理水槽21に収容された被処理水が導入路23を通じて膜モジュール31へと導入される。
濾過系30は膜モジュール31を有し、この膜モジュール31にはMF膜やUF膜等の濾過膜が格納されている。被処理水槽21からの被処理水が膜モジュール31の一次側33に導入されると、膜モジュール31の二次側34から濾過水が導出される。二次側34には導出路35が設けられており、この導出路35は二次側34及び濾過水槽37を連通する。これにより、導出路35の途中に設けられた導出弁36を開くと、二次側34から導出された濾過水が濾過水槽37へと流入する。濾過水槽37に収容された濾過水は、RO膜等の後処理によって更に精製される。
一次側33には気体導入部(図示せず)が設けられており、この気体導入部は気体を一次側33に供給する。これにより、一次側33を通過する水と気体とが混合された流体が形成され、この流体によって濾過膜が揺動されるため、より高い洗浄効果が得られる。なお、供給された気体が排出される気体排出部が二次側34に設けられていてもよい。
膜モジュール31としては、例えば、平膜モジュール、中空糸膜モジュール、スパイラル膜モジュール、キャピラリーモジュール、モノリス型モジュールが挙げられる。これらの中でも、断面円形で耐圧強度が高い点、及び単位体積当たりの膜面積が大きいために省スペース化できる点で、中空糸膜モジュールが好ましい。
中空糸膜モジュールは、被処理水を中空糸膜の内側から外側に濾過する内圧方式、中空糸膜の外側から内側に濾過する外圧方式のいずれであってもよいが、被処理水中に濁質成分が存在する場合にも比較的安定に濾過処理できる点、濾過膜の二次側ホールドアップが小さいために洗浄浸漬手順及び逆洗手順で用いる薬液量を削減できる点で、外圧方式が好ましい。
通水方式としては、一般に、循環水に必要な動力を削減できる点で、全量濾過(デッドエンド方式)が好ましい。ただし、濁質成分濃度が極めて高い等の場合には、膜表面への汚れ成分の付着及び堆積量を低減できて、運転動力を削減できる点で、少量(膜濾過量の0.5〜10%)の循環水を循環するセミデットエンド方式が好ましい。
濾過膜の素材としては、特に限定されず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリルにトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリオレフィン、酢酸セルロース等の高分子素材や、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の無機系素材が挙げられる。これらの中でも、薬液に含有され得る塩素系酸化剤への耐薬品性の面では、ポリスルホン、ポリエーテルスホン、ポリフッ化ビニリデン等が好ましい。
洗浄系40は、薬液槽41と、酸槽45と、アルカリ槽47と、を有する。
薬液槽41には給薬路43が設けられ、この給薬路43の途中には給薬ポンプP3が配置されている。この給薬ポンプP3が稼動すると、薬液槽41に収容された薬液が給薬路43へと供給される。なお、本実施形態では、薬液槽41が1つのみ設けられている構成であるが、薬液槽が複数設けられ、各薬液槽に異なる組成の薬液が収容されている構成であってもよい。
本発明で使用できる薬液は、従来使用されているものであってよく、通常、酸化剤又は還元剤を含有する。被処理水が工水である場合、汚染物質に有機成分及びアルミニウムが含有される場合が多いため、有機成分を酸化、改質して、膜からの剥離を容易化できる酸化剤(次亜塩素酸ナトリウム等)が添加されていることが好ましい。また、膜の汚染物質が酸化マンガン等の酸化金属成分を含有する場合、酸化金属を還元及びイオン化して溶解し、汚染物質の剥離を容易化できる点で、還元剤が添加されていることが好ましい。
酸槽45には酸供給路46が設けられ、この酸供給路46に配置された酸ポンプP5が稼動すると、酸槽45に収容された酸性水が酸供給路46へと供給される。同様に、アルカリ槽47にはアルカリ供給路48が設けられ、このアルカリ供給路48に配置されたアルカリポンプP6が稼動すると、アルカリ槽47に収容されたアルカリ性水がアルカリ供給路48へと供給される。アルカリ性水は、両性金属であるアルミニウムを溶解して効率的に洗浄できる点で、水酸化ナトリウム等を含有することが好ましい。
洗浄系40は、濾過水槽37に設けられた逆流路44を更に有しており、この逆流路44に配置された逆流ポンプP2が稼動すると、濾過水槽37に収容された濾過水が逆流路44に供給される。この濾過水には、前述した薬液、酸性水、及びアルカリ性水が適宜混合され、薬液含有水が生成される。この薬液含有水は二次側34へと導入され、二次側34から一次側33へと流通する。
排出系50は排出路51を有し、この排出路51は一次側33から系外へと延出する。ここで、排出路51の途中には排出弁53が設けられている。これにより、排出弁53を開くと、一次側33に流出した通過水(逆洗排水)等が系外へと排出される。
<膜洗浄方法>
以上の水処理系10を用いた膜洗浄方法の一例を説明する。
[洗浄浸漬手順]
給水ポンプP1を停止して水処理系10が被処理水の濾過を停止している状態で、給水弁24及び導出弁36を閉じ、更に排出弁53を開く。次に、給薬ポンプP3を稼動させるとともに、逆流ポンプP2、酸ポンプP5、又はアルカリポンプP6を適宜稼動させる。すると、薬液、濾過水と酸性水、又は薬液、濾過水とアルカリ性水との混合液(これらを第一薬液含有水と総称する)が二次側34に導入され、一次側33へと流通し、逆洗排水が排出弁53を介して排出される。すると、第一薬液含有水が逆流する過程で汚れが膜モジュール31の濾過膜から物理的に除去される。
前述したように、被処理水がアルミニウムを含有する場合、第一薬液含有水が塩素水及び水酸化ナトリウムを含有するよう、アルカリポンプP6を稼動させることが好ましい。また、被処理水が酸化金属を含有する場合、第一薬液含有水が還元剤を含有して酸性となるよう、酸ポンプP5を稼動させることが好ましい。
第一薬液含有水を導入する時間は、薬液濃度及び送液流速に応じ、必要量の第一薬液含有水が一次側33の表面まで到達するよう適宜設定されてよく、通常数10秒以上である。
ここで、第一薬液含有水の排出量を流通量以下に設定することで、濾過膜を第一薬液含有水中に浸漬する。一般的には、逆流ポンプP2、給薬ポンプP3、酸ポンプP5、及びアルカリポンプP6を停止させることで、排出量及び流通量の双方をゼロとする。すると、残存する汚れが第一薬液含有水中の薬液によって、浸漬される間に濾過膜から剥離される。
浸漬の時間は、除去すべき汚れの種類や量、濾過膜の素材等に応じ、充分な洗浄効果が得られる時間となるように適宜設定されてよく、通常1分以上60分以下である。
なお、第一薬液含有水の流通と、濾過膜の浸漬とは、順次行うことが一般的であるが、同時並行で行ってもよい。また、以上の手順は、必要に応じて、複数回繰り返してもよい。これにより、より多量の汚れを濾過膜から除去できることが期待される。
[逆洗手順]
再び、給薬ポンプP3を稼動させるとともに、逆流ポンプP2、酸ポンプP5、又はアルカリポンプP6を適宜稼動させる。すると、薬液、濾過水と酸性水、又は薬液、濾過水とアルカリ性水との混合液(これらを第二薬液含有水と総称する)が二次側34に導入され、一次側33へと流通する。この結果、通過水が一次側33に流出し、逆洗排水が排出弁53を介して系外へと排出される。これにより、膜が浸漬される間に第一薬液含有水に溶解し膜モジュール31の二次側34に拡散した汚染物質が、溶解状態を維持しながら一次側33へと移動し、系外へと排出される。
第一薬液含有水に酸化剤(次亜塩素酸ナトリウム等)又は還元剤が添加されていた場合、充分な洗浄効果を保持しつつ、酸化剤又は還元剤の使用量を低減できる点で、第二薬液含有水は第一薬液含有水よりも少ない量の酸化剤又は還元剤を含有することが好ましい。汚染物質の成分が洗浄浸漬手順で既に部分的に分解され、低分子化されているため、二次側34に拡散した成分を更に酸化又は還元しなくとも、第二薬液含有水をアルカリ性又は酸性とするだけで、一次側33に移動できるものと推測される。
第二薬液含有水を導入する時間は、一次側33に移動させられた成分の非許容量が二次側34への拡散しないよう適宜設定されてよく、通常1分以上10分以下であり、第一薬液含有水を導入する時間よりも短くてよい。
[pH調節手順]
本発明の膜洗浄方法では、第一薬液含有水及び第二薬液含有水が有するpHの差を所定値以下に制限することが好ましい。所定値とは、濾過膜に付着した汚れが第一薬液含有水及び第二薬液含有水の双方に可溶であるような差であり、通常1.0以下であり、好ましくは0.5以下である。
pHの差を所定値以下に制限するためには、第一薬液含有水及び第二薬液含有水を実質的に同じ組成で構成するか、逆流ポンプP2、給薬ポンプP3、酸ポンプP5、アルカリポンプP6の各々の稼動の程度を適宜設定すればよい。なお、本実施形態では、第一薬液含有水及び第二薬液含有水に含有される薬液を同一としたが、異なっていてもよい。
以上の手順において、膜モジュール31の二次側34から一次側33に、薬液含有水を流通させる際の流通速度は、大規模なポンプを必要とせずに充分且つ均一な洗浄効果が得られる点で、膜濾過処理時における濾過速度の0.5倍以上2倍以下であることが好ましい。
[リンス手順]
逆洗手順の後所定時間内に、排出弁53を開くとともに、逆流ポンプP2及び必要に応じて給水ポンプP1を稼動させる。これにより、一次側33に流出した通過水の被処理水導入系20及び濾過系30の外への排出が開始される。ここで「所定時間」とは、逆洗手順で二次側34から一次側33へと移動させられた汚染物質の非許容量が再び二次側34へと拡散するのにかかる時間を指し、通常短ければ短い方が好ましく、通常1分未満である。
このようなリンス手順を通じ、一次側33に移動させられた汚染物質及び膜モジュール31に残留する薬液含有水が被処理水導入系20及び濾過系30の外へと排出されるので、濾過処理再開後の濾過水への汚染物質及び薬液含有水の混入を充分に抑制できる。これにより、薬液含有水が被処理水導入系20及び濾過系30の内部に残留すると、濾過水のpHが変動したり、酸化剤や還元剤が混入して後処理に悪影響(例えば、RO膜やイオン交換樹脂の劣化)が及んだりすることを抑制できる。
本実施形態では、濾過水槽37に収容された濾過水を二次側34に導入したが、これに特に限定されるものではない。
また、本実施形態では、一次側33への気体導入によるエアスクラビングを行っていないが、洗浄前及び/又は第一薬液導入工程、第一薬液浸漬工程、第二薬液導入工程、第二薬液排出工程のうちの1以上の工程でエアスクラビングを行ってよい。これにより、膜の洗浄効果をより向上できる。
なお、膜濾過処理を長期間に亘って安定化できる点で、本発明の膜洗浄方法に加えて、濾過水のみを二次側34から一次側33へと流通させる逆洗を定期的に行うことが好ましい。例えば、濾過水での逆洗を1回/10〜60分の頻度で行うとともに、本発明の膜洗浄方法を1回/1日〜1週間の頻度で行ってよい。
実施例及び比較例について、前述した水処理系10を参照しながら説明する。
工業用水を膜濾過処理する場合、工業用水に含まれる濁質や有機成分によって膜が急激に閉塞する。そこで、次の手順からなる約10分間の前処理を行うことにした。まず、被処理水槽21及び膜モジュール31の間に、撹拌機を備える反応槽(図示せず)を設置した。この反応槽内に導入された工業用水(平均アルミニウム濃度:0.09mg/L)に、工業用ポリ塩化アルミニウム(三恵化成社製)を50mg/Lの濃度で添加し、硫酸をpH6.0となるように添加するとともに、撹拌機にて撹拌を行った。凝集フロックが生成した後、被処理水としての混合液(平均アルミニウム濃度:3.5mg/L)を膜モジュール31に導入した。なお、膜モジュール31としては、外圧中空糸膜モジュール「MU−6302」(クラレ社製)を用いた。
<実施例>
膜モジュール31の一次側33に導入した混合液を、全量濾過方式にて膜濾過速度3m/m/日で濾過した。また、濾過水を二次側34から一次側33に逆流させる濾過水逆洗洗浄を1回/30分の頻度で繰り返し行うとともに、第一薬液含有水を二次側34から一次側33に流通させる膜洗浄を1回/日の頻度で行った。
濾過水逆洗洗浄は、約29分間の通水工程の後、濾過水を二次側34から一次側33に逆流させて被処理水導入系20及び濾過系30の外に排出する工程を6m/m/日の速度で30秒間行い、その後、被処理水を一次側33に導入し、膜内に残存する汚れ成分を二次側34から被処理水導入系20及び濾過系30の外に排出することによって行った。
膜洗浄では、まず、1回/日の頻度にて、有効塩素濃度1000mg/L、pH12の第一薬液含有水を6m/m/日の速度で60秒間に亘り、二次側34から一次側33に流通させた後、濾過膜を第一薬液含有水中に約26分間浸漬させた(洗浄浸漬手順)。ここで、第一薬液含有水は、逆流ポンプP2、給薬ポンプP3、アルカリポンプP6を稼動させることで、濾過液、塩素水(次亜塩素酸ナトリウムが添加された水)、及び水酸化ナトリウム水溶液が混合された混合水であった。
次に、一次側33の下部から10NL/分の流量で30秒間に亘って空気を導入し、膜モジュール31内を撹拌し、中空糸膜を揺動した(エアスクラビング手順)。その直後に、pH12の第二薬液含有水を、6m/m/日の速度で30秒間に亘り、二次側34から一次側33に流通させた(逆洗手順)。ここで、第二薬液含有水は、逆流ポンプP2及びアルカリポンプP6を稼動させることで、濾過液及び水酸化ナトリウム水溶液が混合された混合水であった。
その直後に、濾過水を6m/m/日の速度で90秒間に亘り二次側34から一次側33に逆流させ、一次側33に流出した通過水を被処理水導入系20及び濾過系30の外へと排出した(リンス手順)。
なお、上記逆洗手順及びリンス手順を通じて、一次側33の下部から10NL/分の流量で空気を導入し続けた。
(比較例)
実施例における逆洗手順を行わなかった点を除き、実施例1と同様の手順で膜洗浄を行った。
[評価]
実施例及び比較例の膜洗浄の完了後、濾過処理を再開した。導出路35に導出された濾過水を種々の時点で採取し、各濾過水中のアルミニウム濃度を測定した。この結果を表1に示す。
Figure 2009082858
表1に示されるように、比較例では、膜洗浄直前では0.01未満であったアルミニウム濃度が、濾過処理の再開後では0.01以上に上昇し、濾過水中へのアルミニウムの混入が確認された。これに対し、実施例では、膜洗浄の前後を通じて0.01未満のアルミニウム濃度が維持されていた。従って、実施例の膜洗浄方法によれば、濾過水へのアルミニウム(汚染物質)の混入を充分に抑制できることが分かった。
本発明の一実施形態に係る膜洗浄方法が行われる水処理系の概略構成図である。
符号の説明
20 被処理水導入系(系)
30 濾過系(系)
31 膜モジュール
33 一次側
34 二次側

Claims (4)

  1. 被処理水が一次側から供給されて濾過水が二次側へと導出される膜モジュールの濾過膜を洗浄する膜洗浄方法であって、
    二次側から一次側へと第一薬液含有水を流通させ、この第一薬液含有水中に前記濾過膜を浸漬することを1回以上行う洗浄浸漬手順と、
    二次側から一次側へと第二薬液含有水を流通させる逆洗手順と、
    一次側に流出した通過水の系外への排出を所定時間内に開始するリンス手順と、を有する膜洗浄方法。
  2. 第一薬液含有水及び第二薬液含有水が有するpHの差を所定値以下にする請求項1記載の膜洗浄方法。
  3. 第二薬液含有水は、第一薬液含有水よりも少ない量の酸化剤又は還元剤を含有する請求項1又は2記載の膜洗浄方法。
  4. 第一薬液含有水及び第二薬液含有水は、前記濾過水を実質的に含有する請求項1から3いずれか記載の膜洗浄方法。
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