JP2014081277A - 放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置 - Google Patents

放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いを容易にすることができる、放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置を提供する。
【解決手段】放射性セシウム含有水の処理方法は、吸着材4を内部に収容する吸着装置1に放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水Aを供給して、放射性セシウムを吸着材4に吸着させることにより、放射性セシウム含有水Aを処理する方法において、吸着材4として、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、この第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを混合して、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を制御することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置に関する。
放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水を処理する方法として、例えば特開2004−45371号公報(特許文献1)が挙げられる。この特許文献1には、原子力発電プラント内で発生する放射性核種を含有する液体の処理方法において、該液体を、液体中に含まれる放射性核種を吸着し得る1種以上の吸着材に通水処理することが開示されている。また、特許文献1の処理方法によれば、放射性核種を効率よく除去し、プラント内の放射能レベルを低減できることが開示されている。
特開2004−45371号公報
上記特許文献1に開示された処理方法では、吸着材に放射性セシウムを吸着させることにより、放射性セシウム含有水から放射性セシウムを除去することができる。しかし、本発明者は、上記特許文献1には開示されていない、以下の要望が近年生じていることに着目した。
上記特許文献1のように、原子力発電プラントにおいては、放射性核種を効率よく除去することが考えられていたので、吸着材に吸着させる放射性核種が高濃度となり、放射線量率も上昇し、放射性核種を除去する作業員は防護服を着用して特殊な対応を要していた。しかしながら、近年、放射性セシウム含有水を処理する作業員が増えてきているので、作業員がこの処理を取り扱いやすくすることが要望されている。
吸着材において放射性セシウムを吸着させた濃度に応じて、吸着剤の最終処分の方法が異なる。上記特許文献1は原子力発電プラントでの放射性核種の処理方法であるので、吸着材に吸着させる放射性セシウムの吸着濃度が高いため、取り扱いが困難になる。このため、所望の最終処分をして、放射性セシウムが吸着された吸着材を取り扱いやすくすることが要望されている。
本発明は、上記問題点に鑑み、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いを容易にすることができる、放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置を提供することを課題とする。
本発明の放射性セシウム含有水の処理方法は、吸着材を内部に収容する吸着装置に放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水を供給して、放射性セシウムを該吸着材に吸着させることにより、放射性セシウム含有水を処理する方法において、該吸着材として、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、該第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを混合して、該吸着材に吸着させる放射性セシウムの量を制御することを特徴とする。
本発明の吸着装置は、内部に収容された吸着材を含み、放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水が供給されて、放射性セシウムを該吸着材に吸着させる吸着装置において、該吸着材として、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、該第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とが混合されて、該吸着材に吸着させる放射性セシウムの量を制御するように構成されていることを特徴とする。
本発明の放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置によれば、吸着材として、放射性セシウムを相対的に多く吸着する第1の物質と、第1の物質よりも放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを混合して、吸着材に吸着させる放射性セシウムの量を制御している。このため、作業員が放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いやすい吸着量に制御すること、及び、放射性セシウムを吸着させた吸着材の最終処分をする際に取り扱いやすい吸着量に制御することができる。このように、本発明は、吸着材に放射性セシウムを吸着させる量を制御することができるので、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いを容易にすることができる放射性セシウム含有水の吸着方法及び吸着装置を提供することができる。
上記放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置において好ましくは、上記第1の物質として、フェロシアン化物を用いることを特徴とする。
フェロシアン化物は、放射性セシウムを効率良く吸着できるので、吸着材としてフェロシアン化物を多く含む場合には、吸着量が多くなるように制御できるので、吸着量の制御を容易にすることができる。
なお、フェロシアン化物としては、例えば、フェロシアン化鉄、フェロシアン化コバルト、フェロシアン化ニッケルなどが挙げられる。この中でもフェロシアン化鉄が、取扱い及び費用の観点から好ましい。
上記放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置において好ましくは、上記第2の物質として、ガラスビーズ及び/またはプラスチックビーズを用いることを特徴とする。
ガラスビーズ及びプラスチックビーズは放射性セシウムを吸着しないので、吸着能力の高いフェロシアン化物とガラスビーズ及び/またはプラスチックビーズとを混合することで、吸着材で放射性セシウムを吸着させる量をより制御しやすくなる。また、ガラスビーズ及びプラスチックビーズは安価であるので、コストを低減することもできる。
さらに、ガラスビーズ及びプラスチックビーズは、フェロシアン化物の比重(見かけ比重)及び/または粒子径との差を小さく加工し易いので、吸着装置内において第1及び第2の物質を均一性を高めて混合することができる。このため、吸着材において吸着された放射性セシウムの均一性を高めることができる。したがって、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いをより容易にすることができる。
上記放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置において好ましくは、上記第2の物質として、活性炭を用いることを特徴とする。
活性炭は有機物を吸着することができるので、放射性セシウム含有水が有機物をさらに含有している場合には、放射性セシウムの吸着量を制御するとともに、有機物を処理することもできる。
上記放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置において好ましくは、上記第2の物質として、キレート樹脂を用いることを特徴とする。
キレート樹脂は重金属を吸着することができるので、放射性セシウム含有水が重金属をさらに含有している場合には、放射性セシウムの吸着量を制御するとともに、重金属を処理することもできる。
上記放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置において好ましくは、上記第2の物質として、ゼオライト及び/または砂を用いることを特徴とする。
フェロシアン化物は放射性セシウムを効率良く吸着でき、ゼオライト及び砂は、フェロシアン化物よりも放射性セシウムの吸着能力は低いものの、放射性セシウムを少し吸着することができる。このため、このような構成においても、吸着材全体としては、放射性セシウムの吸着量を制御することができるので、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いを容易にすることができる。また、ゼオライト及び砂を用いることにより、ガラスビーズ等を使用する場合と比較して、吸着装置内の吸着量のムラを小さくすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いを容易にすることができる、放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1における吸着装置及び放射性セシウム含有水の処理方法を示す模式図である。 紺青の吸着等温線を示す図である。 本発明の実施の形態2の放射性セシウム含有水の処理装置及び処理方法を示す模式図である。 本発明の実施の形態2の放射性セシウム含有水の処理装置及び処理方法を示す別の模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態における吸着装置1は、吸着塔とも呼ばれ、供給部2と、排出部3と、吸着材4とを含む。供給部2は、放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水Aを内部に供給する。排出部3は、吸着材4により放射性セシウムを低減した処理水Bを外部に排出する。本実施の形態では、供給部2は上方に形成され、排出部3は下方に形成されているが、この構成に特に限定されず、供給部2は下方に形成され、排出部3は上方に形成されていてもよい。
吸着材4は、吸着装置1の本体部の内部に収容され、放射性セシウム含有水中の放射性セシウムを吸着する。
吸着材4は、第1の物質と、第2の物質とを含んでいる。第1の物質は、放射性セシウムを吸着する。第2の物質は、第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低い、または、放射性セシウムを吸着しない。
ここで、放射性セシウムの吸着能力とは、放射性セシウムの吸着量が高いものである。
吸着材4は、第1の物質と第2の物質とが混合されて、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を制御するように構成されている。このような構成は、例えば、第1及び第2の物質の放射性セシウムの吸着能力を鑑みて、吸着装置1の本体部内に収容する第1及び第2の物質の量を制御することで実現できる。
ここで、吸着材4、第1及び第2の物質が吸着する量(吸着量)とは、単位重量当たりの放射性セシウムの量を意味し、Bq/kgの単位で表されるものである。
例えば、第1の物質としてフェロシアン化物を用い、第2の物質としてガラスビーズ及び/またはプラスチックビーズを用いる。別の例として、第1の物質としてフェロシアン化物を用い、第2の物質として活性炭を用いる。さらに別の例として、第1の物質としてフェロシアン化物を用い、第2の物質としてキレート樹脂を用いる。さらに別の例として、第1の例としてフェロシアン化物を用い、第2の物質としてゼオライト及び/または砂を用いる。
なお、吸着材4は、放射性セシウムの吸着能力が異なる2種類以上の物質が、放射性セシウムの吸着量(Bq/kg)を制御するように混合されていれば特に限定されず、放射性セシウムの吸着能力がそれぞれ異なる3種類以上の物質が混合されていてもよい。また、第1及び第2の物質の各々は、吸着能力が同程度の2種類以上の物質を含んでいてもよい。
続いて、本実施の形態における吸着装置1の製造方法について説明する。
まず、吸着材4に放射性セシウムを吸着させる吸着量を決定する。この工程では、経済的、放射線量率などの、種々の理由から、所望の吸着量を任意に決定できる。また、吸着装置本体部の壁の厚さ等を考慮して、所望の吸着量を決定してもよい。
ただし、この工程では、吸着材4を構成する物質のうち、放射性セシウムの吸着能力が最も高い物質が100%の割合で充填された場合の放射性セシウムの吸着量よりも低い量を、吸着量として決定する。
次に、第1の物質と第2の物質とで、決定した吸着量を担う割合を算出する。つまり、吸着材4で吸着する吸着量のうち、第1の物質で吸着する量と、第2の物質で吸着する量との割合を算出する。
この工程において、第2の物質として放射性セシウムを吸着しない物質を用いる場合には、第1の物質が放射性セシウムを吸着する吸着量を求める工程と、決定する工程で決定した吸着量に対する第1の物質の吸着量の割合を算出する工程とを含む。つまり、決定する工程で決定した吸着量に対する第1の物質の吸着量を算出することにより、吸着材4中の第1の物質の割合(=第1の物質の吸着量/決定した吸着量)を算出する。
次に、算出する工程で算出した割合で、第1の物質と第2の物質とを混合して、吸着装置本体部の内部に第1及び第2の物質を充填する。
以下、吸着装置1の製造方法の一例を説明する。第1の物質として紺青を用いるとともに、第2の物質として放射性セシウムを吸着しない物質を用いるとする。
まず、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を決定する工程について説明する。
始めに、吸着装置の材質及び厚みから、遮蔽効果を決定する。例えば、吸着装置の本体部が鉄製で、壁の厚さが5cmとする。鉄の減衰率C2/C1は、C2/C1=1/EXP(μt)の式から求められる。ここで、tは鉄の厚みであり、μは遮蔽体の減衰係数であり、この場合は以下の表1のように求められる。
Figure 2014081277
したがって、鉄の減衰率C2/C1は、約0.14(=1/(EXP(0.393×5))と求められる。
次に、吸着材4の許容放射線量率を求める。例えば、吸着装置1の外表面で許容される時間当たりの放射線量が250μSv/hとすると、吸着材4の許容放射線量率は、1/0.14×250=1.79mSv/hとなる。
次に、吸着材に吸着させる許容吸着量を、吸着装置の形状及び吸着材の性質から決定する。吸着装置内に吸着される放射性セシウムは装置内で吸着材自体や周囲に存在する水、放射線の放射される方向の影響を受け、装置内から装置外へ放出される放射線量は減衰した状態で放出される(例えば装置中心部に位置する放射性セシウムから放出される放射線はそのほとんどが周囲の水や吸着装置の壁で減衰し、装置外へは放出されない。一方で、吸着装置の内壁面近傍に位置する放射性セシウムから放出される放射線は一部が吸着装置の壁を透過し装置外へと放出される)。そのため、上記で求めた許容放射線量率と吸着装置の形状及び吸着材の性質から吸着材に吸着させる放射性セシウムの量を決定する。本実施の形態においては、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を、例えば200万Bq/kgと設定する。
続いて、第1の物質と第2の物質とを含む吸着材4において、決定する工程で決定した吸着量を担う第1の物質及び第2の物質の割合を算出する工程について説明する。
始めに、放射性セシウム含有水中の非放射性セシウムと放射性セシウムとの濃度を測定する。例えば、非放射性セシウムの濃度は1mg/Lで、放射性セシウムの濃度は1万Bq/L(放射性セシウムの濃度/非放射性セシウムの濃度=1万Bq/mg)とする。
次に、放射性セシウム含有水に含有される非放射性セシウムの濃度に対する非放射性セシウムの平衡吸着量を求める。具体的には、図2に示すように、紺青の非放射性セシウムの吸着等温線を求め、紺青への非放射性セシウム吸着量(=7.3087×(1mg/L)0.4743=7.3mg/g−紺青=7300mg/kg−紺青)を求める。なお、図2において、qは平衡時における非放射性セシウムの吸着量を意味し、Csは非放射性セシウムの濃度を意味する。
なお、図2に示す吸着等温線は、次のようにして求めた。
純水に10mg/Lとなるように塩化セシウムを溶解させた原液を、500mLフラスコに200mL入れた。この原液に、紺青を0.01、0.1、1、10g/Lとなるように添加した。紺青を添加してフラスコを恒温振盪器で20℃、160rpmで24時間振盪した。24時間振盪後、原液を0.1μmのフィルターでろ過してセシウムの濃度をICP−MSで測定した。この測定値を、セシウムの平衡時の濃度とした。また、原液のセシウム濃度から平衡時の濃度を引いた値を添加した吸着材の濃度で除すことにより、平衡吸着量を算出した。
放射性セシウム含有水中の放射性セシウムと非放射性セシウムとの割合と、吸着する割合とは同じなので、吸着材への放射性セシウムの吸着量を算出する。具体的には、紺青1kg当たりの放射性セシウムの吸着量は、7300mg/kg−紺青×1万Bq/mg=7300万Bq/kgとなる。
次に、第1の物質の割合を、200万Bq/kg÷7300万Bq/k=2.74%と算出する。これにより、吸着材4において、第1の物質としての紺青の割合は2.74%であり、第2の物質として放射性セシウムを吸着しない非吸着材の割合は97.26%であることが算出される。
次に、第1の物質2.74%と第2の物質97.26%とを混合して、吸着装置の本体部の内部に充填する。これにより、吸着装置1を製造することができる。
なお、第1の物質と第2の物質とは、吸着装置1内で均一に混合されていることが好ましい。吸着装置1内における第1の物質と第2の物質との混合の偏りが低減されると、吸着装置1内で放射性セシウム吸着量が多い部分が出ることが抑制される。この場合、吸着装置1全体としては吸着される放射性セシウム濃度が制御されており、かつ部分的に放射線量が多い場所が形成されることを抑制できるので、作業員による取扱いを困難にならしめる可能性を低減できる。そこで、吸着材を均一に混合することによって、吸着装置1全体としても放射線量を制御しつつ、吸着装置1の各部分においても放射線量の偏りを極力低減させることで、取扱いをより容易にすることができる。
続いて、本実施の形態における放射性セシウム含有水の処理方法について説明する。本実施の形態では、図1に示す吸着装置1を用いて、放射性セシウム含有水A中から放射性セシウムを吸着することで、放射性セシウム含有水を処理する。
まず、吸着装置1の供給部2から放射性セシウム含有水Aを供給する。放射性セシウム含有水Aは、放射性セシウムを含有していれば特に限定されず、有機物、重金属など、他の成分をさらに含有していてもよい。
次に、放射性セシウム含有水Aを吸着材4に吸着させる。この工程では、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを混合して、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を制御する。
次に、放射性セシウムが吸着材4に吸着されることにより、放射性セシウムが低減された処理水Bを排出部3から排出する。これにより、吸着材4において放射性セシウムの吸着量が制御された状態で、放射性セシウム含有水Aを処理することができる。
以上説明したように、本実施の形態における放射性セシウム含有水Aの処理方法は、吸着材4を内部に収容する吸着装置1に放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水Aを供給して、放射性セシウムを吸着材4に吸着させることにより、放射性セシウム含有水Aを処理する方法において、吸着材4として、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、この第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを混合して、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を制御することを特徴とする。
本実施の形態の吸着装置1は、内部に収容された吸着材4を含み、放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水Aが供給されて、放射性セシウムを吸着材4に吸着させる吸着装置1において、吸着材4として、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、この第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とが混合されて、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を制御するように構成されていることを特徴とする。
本実施の形態の吸着装置1の製造方法は、放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水Aが供給されて、放射性セシウムを吸着させる吸着材4を内部に収容した吸着装置1の製造方法であって、吸着材4に放射性セシウムを吸着させる吸着量を決定する工程と、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、この第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを含む吸着材4において、決定する工程で決定した吸着量を担う第1の物質及び第2の物質の割合を算出する工程と、この算出する工程で算出した割合で、第1の物質と第2の物質とを混合して、本体部の内部に充填する工程とを備えている。
本実施の形態の放射性セシウムの吸着量の制御方法は、吸着材4として、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、この第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを混合して、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を制御することを特徴とする。
本実施の形態の放射性セシウム含有水の処理方法、吸着装置1、吸着装置1の製造方法及び放射性セシウムの吸着量の制御方法によれば、放射性セシウムを相対的に多く吸着する第1の物質と、第1の物質よりも放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを混合して、吸着材4に吸着させる放射性セシウムの量を制御している。このため、作業員が放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いやすい吸着量に制御すること、及び、放射性セシウムを吸着させた吸着材の最終処分をする際に取り扱いやすい吸着量に制御することができる。したがって、吸着量が多いため吸着装置自体が高濃度汚染物になり、取り扱いが困難になることを抑制できる。原子力発電プラントにおいては、吸着装置でできるだけ多くの放射性セシウムを吸着するということが考えられていたのに対し、本実施の形態では、吸着材4に放射性セシウムを吸着する量を制御することができるので、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いを容易にすることができる。
本実施の形態の放射性セシウム含有水の処理方法、吸着装置1及び放射性セシウムの吸着量の制御方法において好ましくは、上記第1の物質として、フェロシアン化物を用いることを特徴とする。なお、フェロシアン化物は紺青であることが好ましい。紺青とは、フェロシアン化鉄(C18Fe718)やプルシアンブルーとも呼ばれ、紺青の担持物、紺青の造粒物などの紺青に由来した物を含む。
フェロシアン化物は放射性セシウムを効率良く吸着できるので、吸着材4としてフェロシアン化物を多く含む場合には、吸着量が多くなるように制御できるので、吸着量の制御を容易にすることができる。
上記放射性セシウム含有水の処理方法、吸着装置1及び放射性セシウムの吸着量の制御方法において好ましくは、第1の物質として、フェロシアン化物を用い、第2の物質として、ガラスビーズ及び/またはプラスチックビーズを用いることを特徴とする。
フェロシアン化物は放射性セシウムを効率良く吸着でき、ガラスビーズ及びプラスチックビーズは放射性セシウムを吸着しない。このため、吸着能力の高いフェロシアン化物とガラスビーズ及び/またはプラスチックビーズとを混合することで、吸着材4での吸着量をより制御しやすくなる。また、ガラスビーズ及びプラスチックビーズは安価であるので、コストを低減して吸着量の制御をより容易にすることができる。
さらに、ガラスビーズ及びプラスチックビーズは、フェロシアン化物の比重及び/または粒子径との差を小さく加工しやすいので、吸着装置1内において第1及び第2の物質を均一性を高めて混合することができる。このため、吸着材4において吸着された放射性セシウムの均一性を高めることができる。したがって、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いをより容易にすることができる。
ここで、第1の物質として紺青を用い、第2の物質としてガラスビーズ及び/またはプラスチックビーズを用いたときの比率による放射線量率を下記の表2に示す。
Figure 2014081277
表2に示すように、紺青の比率を変更することで、吸着材に吸着させる放射性セシウムの量を制御できるので、放射線量率を制御することができる。なお、紺青の割合が5%の場合は、ゼオライトのみを用いたときと同程度の放射線量率になる。
本実施の形態の放射性セシウム含有水の処理方法、吸着装置1及び放射性セシウムの吸着量の制御方法において好ましくは、第1の物質としてフェロシアン化物を用い、第2の物質として活性炭を用いることを特徴とする。
フェロシアン化物は放射性セシウムを効率良く吸着でき、活性炭は有機物を吸着することができる。このため、放射性セシウム含有水が有機物をさらに含有している場合には、放射性セシウムの吸着量を制御するとともに、有機物を処理することもできる。
本実施の形態の放射性セシウム含有水の処理方法、吸着装置1及び放射性セシウムの吸着量の制御方法において好ましくは、第1の物質としてフェロシアン化物を用い、第2の物質としてキレート樹脂を用いることを特徴とする。
フェロシアン化物は放射性セシウムを効率良く吸着でき、キレート樹脂は重金属を吸着することができる。このため、放射性セシウム含有水が重金属をさらに含有している場合には、放射性セシウムの吸着量を制御するとともに、重金属を処理することもできる。
本実施の形態の放射性セシウム含有水の処理方法、吸着装置1及び放射性セシウムの吸着量の制御方法において好ましくは、フェロシアン化物を用い、第2の物質として、ゼオライト及び/または砂を用いることを特徴とする。
フェロシアン化物は放射性セシウムを効率良く吸着でき、ゼオライト及び砂は、フェロシアン化物よりも放射性セシウムの吸着能力は低いものの、放射性セシウムを少し吸着することができる。このため、このような構成においても、吸着材4全体としては、放射性セシウムの吸着量を制御することができるので、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いを容易にすることができる。また、ゼオライト及び砂を用いることにより、ガラスビーズ等を使用する場合と比較して、吸着装置内の吸着量のムラを小さくすることができる。
さらに、ゼオライト及び砂は、フェロシアン化物として紺青を利用した場合に比重(見かけ比重)及び粒子径との差が小さい(例えば、比重の差が0.2、粒子径の差が0.4〜3mm)ので、吸着装置内において第1及び第2の物質を均一性を高めて混合することができる。このため、吸着材において吸着された放射性セシウムの均一性を高めることができる。したがって、放射性セシウム含有水を処理する際に取り扱いをより容易にすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置1を用いて、飛灰を処理する際に排出される放射性セシウム含有水を処理する方法及び装置について説明する。
図3に示すように、本実施の形態における処理装置10は、混合槽7と、固液分離装置8と、調整槽11と、沈殿槽12と、除濁装置13と、加圧部14と、逆浸透(RO)膜装置15と、吸着装置1と、捕獲部17と、遮蔽部18と、処理水槽19と、固化装置20とを備えている。
混合槽7は、放射性セシウムを含有する飛灰Cと、水Dとが供給され、飛灰Cと水Dとを混合してスラリーを形成する。混合槽7は、飛灰C中の放射性セシウムを水Dに溶解する。なお、水Dは、特に限定されないが、例えば、水道水、工水、純水、地下水、各種排水の再処理水などを利用できる。
混合槽7は、供給される飛灰Cと水Dとを混合及び撹拌するための撹拌部材を有していてもよい。また、混合槽7は、複数の槽を含んでいてもよい。
固液分離装置8は混合槽7と接続され、混合槽7で得られるスラリーを固液分離する。固液分離装置8は、スラリーを、洗浄された飛灰(洗浄飛灰E)と、放射性セシウムを含む分離水とに分離するように構成されている。固液分離装置8は、例えば、フィルタープレスまたはベルトプレスを含む。
混合槽7と固液分離装置8との間には、洗浄装置、分級装置などの機器が配置されていてもよい(図示せず)。
調整槽11は、固液分離装置8の分離水排出部と接続され、固液分離装置8で生成される放射性セシウムを含有する分離水を貯留する。調整槽11は、複数の槽を含んでいてもよい。
沈殿槽12は、調整槽11と接続され、分離水に固形物が混じっている場合に、分離水中の粗い固形物(除濁装置13で分離するよりも粗い固形物)を凝集沈殿させる。沈殿槽12により、分離水中の粗い固形物が低減される。沈殿槽12は、複数の槽を含んでいてもよい。
除濁装置13は、沈殿槽12と接続され、粗い固形物が低減された分離水をろ過するためのものであり、RO膜よりも粗いろ過、即ち、RO膜で分離するよりも粗い不純物(例えば沈殿槽12で除去できなかった固形物等)を除去するためのものであり、RO膜装置15の前処理装置である。除濁装置13は、例えば、砂ろ過である。
加圧部14は、除濁装置13と接続され、除濁装置13から排出される粗い不純物が除去された分離水を浸透圧以上に加圧する。加圧部14は、例えば高圧ポンプである。
RO膜装置15は、加圧部14と接続され、加圧された分離水が供給され、RO膜処理により透過水F及び濃縮水を生成する。透過水Fは、RO膜を透過した水であり、濃縮水は、RO膜を透過せず、放射性セシウムを含有する水である。このRO膜装置15において、RO膜によるろ過処理により、放射性セシウムが除去された透過水Fと、飛灰に含有されていた放射性セシウムが残留する濃縮水とが得られる。
RO膜装置15は、例えば、RO膜と、このRO膜を収容する圧力容器とを有している。RO膜は、放射性セシウムを透過させないように構成されている。
なお、処理装置10は、1組の加圧部14及びRO膜装置15を備えていてもよく、複数組の加圧部14及びRO膜装置15を備えていてもよい。処理装置10が複数組の加圧部14及びRO膜装置15を備えている場合には、並列に配置されていても直列に配置されていてもよいが、直列に配置されることが好ましい。
RO膜装置15により得られる透過水Fの用途は特に限定されないが、固液分離装置8に供給されるように構成されることが好ましい。例えば、図3において透過水Fと固液分離装置8とを結ぶ点線で示されるように、RO膜装置15の透過水排出部と固液分離装置8とを配管等で接続する。固液分離装置8がフィルタープレスまたはベルトプレスを含む場合、透過水Fは飛灰Cの洗浄に用いられる。また、透過水Fは、例えば飛灰Cを洗浄する水Dとして用いてもよい。このように、処理装置10は、処理装置10で発生する水を処理装置10内で循環させるように構成されていることが好ましい。
吸着装置1は、図1に示す実施の形態1で説明したものであり、RO膜装置15の濃縮水排出部と接続されている。吸着装置1により、濃縮水中の放射性セシウムが吸着材に吸着されるので、処理水を生成する。
捕獲部17は、吸着装置1の出口側に配置され、吸着装置1から漏出されるフェロシアン化物などの吸着材4を捕獲する。捕獲部17は、特に限定されないが、例えば、UF膜装置、MF膜装置などのフィルタを有する装置、沈殿装置などを用いることができ、捕獲性が高い観点からUF膜装置及びMF膜装置の少なくともいずれか一方を用いることが好ましい。UF膜装置またはMF膜装置は、例えば、吸着材4を捕獲可能なUF膜またはMF膜と、このUF膜またはMF膜を収容する圧力容器とを有している。
また、処理装置10は、捕獲部17において捕獲された非透過水を排出する排出部と、調整槽11とを接続する配管が配置されていることが好ましい。この配管により、捕獲部17により得られた非透過水を調整槽11へ返送することができるので、放射性セシウムを吸着した吸着材4を処理装置10の外部に流出することを防止できる。
遮蔽部18は、吸着装置1及び捕獲部17を取り囲む。遮蔽部18は、例えばコンクリートであり、内部から外部へ放射性セシウムが漏れ出ないように構成されている。より具体的には、遮蔽部18により、放射性セシウムが濃縮された吸着装置1及び捕獲部17から放出される放射線を遮断するとともに、万が一、放射性セシウムを含有する濃縮水が流出した場合でも、処理装置10の外部に放射線が漏れ出ることを防止する。
処理水槽19は、捕獲部17と接続され、捕獲部17で吸着材4が除去された処理水を収容する。処理水槽19に収容された処理水は、放射性セシウムが低減されているが、塩分を有している。
固化装置20は、処理水槽19と接続され、塩分が低減された処理水Gと、塩分Hとに分離する。固化装置20は、例えば蒸発装置である。得られた処理水Gは、透過水Fと同様に、飛灰Cの洗浄として、固液分離装置8に供給してもよく、水Dとして利用してもよい。
続いて、本実施の形態における飛灰の処理方法について説明する。本実施の形態における飛灰の洗浄方法及び処理方法は、図3に示す飛灰の処理装置10を用いて行う。
まず、放射性セシウムを含有する飛灰Cと、水Dとを混合槽7に供給し、混合槽7において飛灰Cと水Dとを混合してスラリーを形成する。この工程では、飛灰C中の放射性セシウムを水Dに溶解する。
次に、スラリーを固液分離して、分離水を形成する。この工程では、フィルタープレスまたはベルトプレスを用いて、スラリーを固液分離することが好ましい。この工程により、固形分としての洗浄された飛灰(洗浄飛灰E)と、液体分としての放射性セシウムを含む分離水とに分離される。
なお、スラリーを形成する工程と分離水を形成する工程との間に、分級工程、脱水工程などの他の工程を実施してもよい。
以上の工程を実施することにより、飛灰C中の放射性セシウムを低減することができるので、飛灰Cを洗浄することができる。
次に、固液分離により得られた放射性セシウムを含有する分離水を、調整槽11に移送する。
次に、調整槽11に貯留された分離水を沈殿槽12に移送して、分離水中に固形分が含まれている場合には、分離水中の固形物を凝集沈殿する。
次に、沈殿槽12で沈殿処理された分離水を除濁装置13でろ過する。このろ過により、沈殿槽12で取り除かれなかった分離水中の固形物質等の粗い不純物を除去することができる。
なお、沈殿槽12及び除濁装置13は省略されてもよい。この場合には、固液分離装置8で得られた分離水をそのまま加圧部14を介してRO膜装置15に供給する。
次に、除濁装置13で粗い不純物が除去された分離水を加圧部14で加圧する。分離水に加える圧力は特に限定されないが、RO膜装置15で放射性セシウムを除去した透過水Fを得るために必要な圧力を加える。
次に、加圧部14で加圧した分離水を、RO膜装置15に供給して、RO膜を用いたRO膜処理により透過水Fと濃縮水とに分離する。この工程により、放射性セシウムが除去された透過水Fと、飛灰Cに含有されていた放射性セシウムが残留する濃縮水とを生成する。
なお、加圧部14及びRO膜装置15は、1段であってもよく、複数段であってもよい。2段の場合には、1段目の加圧部14で加圧された分離水を1段目のRO膜装置15でろ過処理し、得られる透過水を2段目の加圧部で加圧し、加圧された透過水を2段目のRO膜装置でろ過処理し、2段目のRO膜装置を透過した水を透過水Fとすることが好ましい。
透過水Fは処理装置10の外部に放流してもよいが、処理装置10で発生する水を処理装置10内に循環させるクローズドシステムを採用することが好ましい。クローズドシステムでは、固液分離装置8がフィルタープレスまたはベルトプレスの場合、透過水Fを、洗浄液としてフィルタープレスまたはベルトプレスに供給してもよく、水Dとして利用してもよい。
次に、固液分離装置8で形成された濃縮水を、吸着装置1に供給して、濃縮水中の放射性セシウムを吸着材に吸着する。つまり、放射性セシウムを含有する濃縮水を吸着装置1に供給して、吸着装置1内に収容された吸着材4に放射性セシウムを吸着させる。この工程により、飛灰Cに含有されていた放射性セシウムを吸着材4に吸着させることができる。この工程では、吸着材4に吸着される放射性セシウムの量が制御されているので、吸着量に応じた所定の廃棄物処理(予め想定していた最終処分)が行われる。
次に、吸着装置1から漏出したフェロシアン化物などの吸着材4を捕獲する。この工程では、フェロシアン化物などの吸着材4は、粒子径が小さい微粉あるいは粒子となって吸着装置1から漏出する場合があるが、放射性セシウムを吸着した吸着材4が吸着装置1から漏出された場合には、捕獲部17で吸着材4を捕獲する。捕獲部17で捕獲された放射性セシウムを吸着した吸着材は、所定の廃棄物処理が行われる。
この捕獲する工程では、捕獲部17としてUF膜装置及びMF膜装置の少なくともいずれか一方を用いて吸着材を捕獲することが好ましい。この場合、UF膜及びMF膜は、例えばクロスフロー方式で使用される。
この工程において捕獲部17としてUF膜装置及びMF膜装置の少なくともいずれか一方を用いる場合、UF膜及びMF膜は、耐圧付近まで使用し、使用後のUF膜及びMF膜は再生(洗浄)せずに、焼却処理、産業廃棄物処理、中間貯蔵施設への受入れ等によって処分をすることが好ましい。
捕獲部17で捕獲された非透過水は、調整槽11へ返送することが好ましい。これにより、放射性セシウムを吸着した吸着材4を処理装置10の外部に流出することを防止できる。
上記吸着材4に吸着する工程及び吸着材4を捕獲する工程は、放射線を内部に遮蔽する遮蔽部18内で実施する。これにより、上記工程の実施中に、外部へ放射性セシウムが漏れることを抑制できる。
以上の工程を実施することにより、飛灰Cに含有されていた放射性セシウムを洗浄して得られる濃縮水(放射性セシウム含有水)を処理することができる。
次に、捕獲部17で吸着材が除去された処理水を処理水槽19に収容する。処理水槽19に収容された処理水は、放射性セシウムが低減されているが、塩分を有している。
次に、処理水中の塩分を蒸発装置などの固化装置20で分離する。これにより、塩分が低減された処理水Gと、塩分Hとを生成することができる。なお、処理水Gを、固液分離装置8に供給してもよく、水Dとして利用してもよい。
以上説明したように、本実施の形態における放射性セシウム含有水の処理装置10は、放射性セシウムを含有する飛灰Cと水Dとを混合してスラリーを形成する混合槽7と、このスラリーを固液分離して分離水を形成する固液分離装置8と、この分離水が供給され、RO膜処理により透過水F及び濃縮水を生成するRO膜装置15と、この濃縮水が放射性セシウム含有水として供給される図1に示す実施の形態1の吸着装置1とを備えている。
また、本実施の形態における放射性セシウム含有水の処理方法は、放射性セシウムを含有する飛灰Cと水Dとを混合して、スラリーを形成する工程と、このスラリーを固液分離して、分離水を形成する工程と、この分離水をRO膜装置15に供給して、RO膜処理により透過水F及び濃縮水を生成する工程と、この濃縮水を放射性セシウム含有水として、図1に示す実施の形態1の処理方法により処理する工程とを備えている。
本実施の形態における放射性セシウム含有水の処理方法及び処理装置10によれば、吸着装置1において、吸着材に放射性セシウムを吸着する量を制御することができるので、放射性セシウムとして飛灰Cに付着していた放射性セシウムを洗浄した水を処理する際に取り扱いを容易にすることができる。本実施の形態のように、実施の形態1の処理方法及び吸着装置1は、飛灰の洗浄にも適用することができる。
なお、本実施の形態では、加圧部14及びRO膜装置15は、吸着装置1の前段に配置されているが、捕獲部17の後段に配置されていてもよい(図示せず)。この場合、捕獲部17で吸着材を捕獲する工程を実施した後に、加圧部14で処理水を加圧する工程を実施し、その後に、RO膜装置15において、RO膜を用いたRO膜処理により透過水と濃縮水とに分離する。なお、RO膜装置15から排出される濃縮水は、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどが濃縮された水である。この工程順の場合、加圧部14及びRO膜装置15は放射性セシウムに汚染されないため、汚染機器を低減することができる。
ここで、本実施の形態では、放射性セシウム含有水として、飛灰Cを洗浄した濃縮水を例に挙げて説明したが、本発明の放射性セシウム含有水の処理方法及び吸着装置1は、飛灰Cの洗浄水に特に限定されない。本発明の放射性セシウム含有水として、例えば、ごみ処理場、ごみ埋立地等から発生する放射性セシウムを含有する浸出水や、放射性セシウムを含有する土壌の処理によって得られる排水などを用いることができる。この場合、図4に示すように、調整槽11を受け槽として用い、調整槽11に浸出水が供給される。また、透過水Fは、調整槽11に返送されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 吸着装置、2 供給部、3 排出部、4 吸着材、7 混合槽、8 固液分離装置、10 処理装置、11 調整槽、12 沈殿槽、13 除濁装置、14 加圧部、15 RO膜装置、17 捕獲部、18 遮蔽部、19 処理水槽、20 固化装置、A 放射性セシウム含有水、B,G 処理水、C 飛灰、D 水、E 洗浄飛灰、F 透過水、H 塩分。

Claims (12)

  1. 吸着材を内部に収容する吸着装置に放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水を供給して、放射性セシウムを前記吸着材に吸着させることにより、放射性セシウム含有水を処理する方法において、
    前記吸着材として、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、前記第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とを混合して、前記吸着材に吸着させる放射性セシウムの量を制御することを特徴とする、放射性セシウム含有水の処理方法。
  2. 前記第1の物質として、フェロシアン化物を用いることを特徴とする、請求項1に記載の放射性セシウム含有水の処理方法。
  3. 前記第2の物質として、ガラスビーズ及び/またはプラスチックビーズを用いることを特徴とする、請求項2に記載の放射性セシウム含有水の処理方法。
  4. 前記第2の物質として、活性炭を用いることを特徴とする、請求項2に記載の放射性セシウム含有水の処理方法。
  5. 前記第2の物質として、キレート樹脂を用いることを特徴とする、請求項2に記載の放射性セシウム含有水の処理方法。
  6. 前記第2の物質として、ゼオライト及び/または砂を用いることを特徴とする、請求項2に記載の放射性セシウム含有水の処理方法。
  7. 内部に収容された吸着材を含み、放射性セシウムを含有する放射性セシウム含有水が供給されて、放射性セシウムを前記吸着材に吸着させる吸着装置において、
    前記吸着材として、放射性セシウムを吸着する第1の物質と、前記第1の物質よりも放射性セシウムの吸着能力が低いまたは放射性セシウムを吸着しない第2の物質とが混合されて、前記吸着材に吸着させる放射性セシウムの量を制御するように構成されていることを特徴とする、吸着装置。
  8. 前記第1の物質として、フェロシアン化物を用いることを特徴とする、請求項7に記載の吸着装置。
  9. 前記第2の物質として、ガラスビーズ及び/またはプラスチックビーズを用いることを特徴とする、請求項8に記載の吸着装置。
  10. 前記第2の物質として、活性炭を用いることを特徴とする、請求項8に記載の吸着装置。
  11. 前記第2の物質として、キレート樹脂を用いることを特徴とする、請求項8に記載の吸着装置。
  12. 前記第2の物質として、ゼオライト及び/または砂を用いることを特徴とする、請求項8に記載の吸着装置。
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