JP3228346B2

JP3228346B2 - 田植機の植付クラッチスイッチ

Info

Publication number: JP3228346B2
Application number: JP12345492A
Authority: JP
Inventors: 隆史山田
Original assignee: Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
Current assignee: Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
Priority date: 1992-05-15
Filing date: 1992-05-15
Publication date: 2001-11-12
Anticipated expiration: 2016-11-12
Also published as: JPH05316835A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、田植機の植付クラッチ
の切換操作の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、田植機の操作レバーとしては、移
動走行と植付作業の設定を行う主変速レバーと、圃場に
おいて、主変速レバーが植付作業に設定されている時
に、植付速度を設定する植付変速レバーがある。該植付
変速レバーは作業クラッチ操作及び昇降操作を一本のレ
バーにて操作可能とし、作業時の植え付け速度を変更可
能としていたのである。

【０００３】例えば、図４及び図５に示すように、図４
は主変速レバーＬ１の平面図、図５は植付変速レバーＬ
２の平面図である。主変速レバーＬ１は、図４の如きガ
イド板を具備している。路上等における移動走行時には
Ｔ位置にレバーをシフトすると、植付変速レバーＬ２の
操作と関わりなく、植付クラッチは切れており、植付装
置を上昇させた状態にて移動走行を行うものである。そ
して、圃場において植付作業を行う時に、植付位置Ｐに
レバーをシフトするのである。なお、ＳＰは苗継ぎ位
置、即ち、植付装置の苗載台に不足した苗を補充するた
めに、全走行機能を停止するシフト位置であり、Ｎは中
立位置、Ｒは後進位置である。

【０００４】図５にて植付変速レバーＬ２について説明
する。該植付変速レバーＬ２用のガイド板にガイド溝を
設けているが、まず植付速度の設定位置として、低速位
置１、中速位置２、高速位置３を設けている（低速位置
１の左右のＭＬ，ＭＲは、それぞれ左マーカー下降位
置、及び右マーカー下降位置である）。該植付変速レバ
ーＬ２が、低速位置１より高速位置３の間にある間は、
植付状態であり、即ち、植付クラッチが「入」の状態で
ある。そして、植付装置の昇降操作時等には、植付クラ
ッチを切る必要があるので、低速位置１の後方位置に植
付クラッチ「切」位置Ｄがあり、該シフト位置は、同時
に植付機の下降位置となっている。さらにレバーを後方
にシフトすることによって、植付クラッチが切れた状態
にて、植付装置を上昇させることができるのであり、Ｕ
位置は、その最上位置となっている。なお、Ｎ’は、植
付変速レバーＬ２により制御される油圧装置の中立位置
である。このように、植付変速レバーＬ２のシフト位置
によって、変速操作と植付装置のクラッチ操作及び昇降
操作を行っていたのである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の従来技
術においては、植付クラッチは、植付変速レバーＬ２が
低速位置から植付部を下降させたＤ位置にまで回動しな
いと切ることができない。これは、枕地等で植付装置を
上昇させて低速状態（低速植付速度）にしておいて回行
するようにして、植付装置の破損等の危険性を避けるた
めだったのである。ところが、圃場内で植付開始場所ま
での移動や圃場の変形で生じる植付余剰条部での植付位
置までの移動等では低速でしか移動できなかったのであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決する為に次の如く構成したものである。田植機におい
て、変速操作と、植付装置のクラッチ切換操作と、植付
部の昇降操作を行う植付変速レバーを設け、該植付変速
レバーに、変速操作と別個に独立して操作可能な植付ク
ラッチ切換用のスイッチを付設すると共に、該植付クラ
ッチ切換用のスイッチを「切」操作すると植付部が上昇
すべく、植付クラッチ切換用のスイッチの「切」操作
と、植付部の上昇動作を連動したものである。

【０００７】

【作用】植付クラッチ操作モーターＭは、植付クラッチ
スイッチＳの切換操作によって一定時間に「入」「切」
それぞれ逆方向に回転させるものであり、植付クラッチ
スイッチＳを「入」にすると、アーム８が植付クラッチ
が入る向きに半回転し、「切」にすると、該アーム８が
植付クラッチが切れる向きに半回転するものである。

【０００８】

【実施例】本発明の解決すべき課題及び構成は以上の如
くであり、次に添付の図面に示した本発明の実施例を説
明する。図１は田植機の全体側面図、図２は本発明の植
付クラッチスイッチＳ付設の植付変速レバーＬ３の斜視
図、図３は植付クラッチ操作モーターＭによる植付クラ
ッチ制御の構造を示す平面図である。

【０００９】先ず、図１にて田植機の全体構成を説明す
る。走行部Ａの後部にリンク４を介し、油圧シリンダー
等にて昇降可能に植付部Ｂを介し、該植付部Ｂは苗載台
５に苗を載せ、下端部の植付爪６にて圃場に植え付ける
のである。マーカー７は、植付機Ｂの左右に取り付けら
れており、通常は上昇位置にて固定されており、植付作
業時に次行程側のマーカーを下降し、次行程の進路を示
す目印を圃場上に描くものであり、枕地では、旋回作業
のために植付部Ｂを上昇させ、その際、ともにマーカー
７も上昇させるのである。走行部Ａにおいては、運転席
の左右各側に主変速レバーＬ１、植付変速レバーＬ３を
設けている。

【００１０】本発明は、図２に示す運転席横に設けた植
付クラッチスイッチＳを付設した植付変速レバーＬ３の
構成に関する。レバーガイド板には、植付変速位置とし
て、低速位置１、中速位置２、高速位置３を設けてお
り、低速位置１の左右には、マーカー下降位置としてＭ
Ｌ，ＭＲを配置している。植付クラッチスイッチＳは、
押込状態の時にクラッチを「入」に、突出状態の時に
「切」にするものとする。但し、一回押すと「入」、次
にもう一度押すと「切」となるスイッチであっても、
「入」と「切」の二つスイッチを設ける構成としても構
わない。そして、該スイッチにて植付クラッチを切るこ
とによって、植付部Ｂも自動的に上昇するように構成
し、手動による植付部Ｂの昇降作業の手間を省くもので
ある。このことによって、植付変速レバーＬ３が、変速
位置１〜３のどの位置にあっても植付クラッチスイッチ
Ｓの操作によって植付クラッチを切り、かつ植付機を上
昇させることができるのである。なお、低速時や停止時
にて手動による植付部の昇降をできるように、ガイド溝
において、低速位置１の後方に、植付クラッチ「切」、
及び植付部下降位置であるＤを、更に後方に植付部上昇
位置であるＵを設けているのである。

【００１１】植付クラッチスイッチＳの操作による植付
クラッチ部の構成を、図３にて説明する。植付クラッチ
スイッチＳを「切」より「入」にすると、該モーターＭ
が一定時間回転して、アーム８をＹ位置よりＸ位置に半
回転して停止する。逆に、「入」より「切」にすると、
アーム８はＸ位置よりＹ位置に半回転して停止する。但
し、Ｘ位置とＹ位置にそれぞれリミットスイッチＬＭ１
・ＬＭ２を配置してそれぞれの位置にアーム８が位置す
るとモーターＭの回転を停止するように構成することも
可能である。

【００１２】該アーム８よりバネ９がベルクランク１０
に連結され、該ベルクランク１０より戻しバネ１４が反
対方向に配設されている。該ベルクランク１０の他端に
は、ミッションケースＭＣに嵌挿したロッド１１上端に
係合され、該ロッド１１の下端は摺動体１２にカム部１
２ａに嵌挿可能であり、該摺動体１２は伝動軸１４にス
プライン嵌合されて一端に爪部を形成し、伝動軸１４に
遊嵌した歯車１５の爪部と前記爪が噛合してクラッチＣ
を形成し、該摺動体１２はスプリング１３にて噛合方向
に付勢されている。このような構成において、前記ロッ
ド１１が押し込まれると、伝動軸１４の回転にともなっ
てロッド１１先端がカム部１２ａ内を摺動して摺動体１
２はスプリング１３側へ摺動し、爪部が離れて動力の伝
達が絶たれ、植付クラッチが「切」の状態となる。逆
に、該ロッド１１が引き上げられると、スプリング１３
のバネ力にてクラッチＣが噛合され動力の伝達が行わ
れ、植付クラッチが「入」の状態となるのである。該ロ
ッド１１は、アーム８がＸ位置にある時はベルクランク
１０にて引き上げられ、植付クラッチＣが入り、アーム
８がＹ位置の時にはベルクランク１０によって押し込ま
れ、植付クラッチＣを切るのである。このように、植付
クラッチスイッチＳのスイッチ操作によって、植付クラ
ッチ操作モーターＭを駆動し、植付クラッチＣを切換え
るものである。但し、前記植付クラッチスイッチＳをソ
レノイドと接続して直接クラッチをＯＮ・ＯＦＦすべく
構成することも可能であり、植付クラッチのＯＮ・ＯＦ
Ｆのための手段は限定しない。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成することに
より、次のような効果を奏するものである。第１に、植
付速度の制御と植付クラッチの切換制御が、植付変速レ
バー１本で操作できるようになったのである。第２に、
植付クラッチ切換用のスイッチにて、植付クラッチを切
ることによって、植付部も自動的に上昇するように構成
しているため、植付変速レバーが変速位置のどの位置に
あっても、植付クラッチ切換用のスイッチの「切」操作
によって植付クラッチを切り、かつ植付部を上昇させる
ことができることにより、圃場内で高速走行が可能とな
り、植付速度が高速の時でも植付クラッチを切って植付
部を上昇させることができるようになったのである。第
３に、高速時に植付クラッチを入れて、即座に高速度の
植付作業に入ることができ、作業効率が向上することが
できるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】田植機の全体側面図である。

【図２】植付クラッチスイッチＳを付設した植付変速レ
バーＬ３の斜視図である。

【図３】植付クラッチ操作モーターＭによる植付クラッ
チ１２の制御構造を示す平面図である。

【図４】主変速レバーＬ１の平面図である。

【図５】従来の植付変速レバーＬ２の平面図である。

【符号の説明】

Ｌ３植付変速レバーＳ植付クラッチスイッチＭ植付クラッチ操作モーターＣ植付クラッチ８アーム１１ロッド

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】田植機において、変速操作と、植付装置
のクラッチ切換操作と、植付部の昇降操作を行う植付変
速レバーを設け、該植付変速レバーに、変速操作と別個
に独立して操作可能な植付クラッチ切換用のスイッチを
付設すると共に、該植付クラッチ切換用のスイッチを
「切」操作すると植付部が上昇すべく、植付クラッチ切
換用のスイッチの「切」操作と、植付部の上昇動作を連
動したことを特徴とする田植機の植付クラッチスイッ
チ。