JP3561928B2 - 歩行型田植機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、歩行型田植機の操作部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
操縦ハンドルの左右グリップの下側にサイドクラッチレバーが設けられ、両手でグリップを握りながら操縦するとともに、旋回時にはグリップに手をかけたままサイドクラッチレバーを操作する構成の歩行型田植機がある。この種の歩行型田植機には、サイドクラッチレバーに機体昇降用の油圧装置が連動し、左右いずれかのサイドクラッチを切ると自動的に機体が上昇するようになっているものが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、畝際等で旋回する場合は、必ずしも機体を上昇させるとは限らないので、機体昇降用のレバーを適当な位置に設けて、サイドクラッチレバーの操作とは別に機体を昇降操作できるようにしておくのが便利である。また、畝際での機体旋回時に、枕地を適切な幅に残すためには、植付クラッチレバーを適切なタイミングで入切操作する必要があるので、走行しながらこの操作を簡単に行うことができるようにしておくのが好ましい。
【0004】
本発明は上記事情に鑑み、旋回時等に、サイドクラッチレバーの操作を行いながら、該サイドクラッチレバーの操作とは別に、グリップを握った手で植付クラッチレバーの入切操作や、機体の昇降又は機体下降規制操作を行うことができるようにすることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成とした。すなわち、本発明にかかる歩行型田植機は、両手で操縦ハンドルの左右グリップを握りながら操縦する歩行型田植機において、前記左右グリップのうちの一方のグリップ近傍に植付クラッチレバーを設けるとともに、他方のグリップ近傍に握り操作により機体を上昇するか又は機体の下降を規制する機体昇降用のレバーを設け、さらに前記機体を上昇する状態と、機体の下降を規制する状態とを切り替える切替手段として、前記機体昇降用レバーに連結されて該レバーの操作を機体昇降用の油圧切替弁に連結するワイヤを設け、該ワイヤの前記レバーに対する連結位置を切り替えることにより、前記機体を上昇する状態と、機体の下降を規制する状態とを切り替えるように構成したことを特徴としている。
【0006】
【作用】
植付クラッチレバーと機体昇降用のレバーが操縦ハンドルの左右グリップの近傍に振り分けて設けられ、該グリップを握ったままこれら植付クラッチレバーと機体昇降用のレバーを操作することができるので、畝際での旋回時に両手の指を使ってそれぞれを所望のタイミングで操作することにより旋回が容易となる。また、畝際での機体旋回時にサイドクラッチレバーを調節しながらこれらのレバーを操作することにより、次行程のための条合わせをすることが可能である。前記機体昇降用のレバーは、握り操作により機体の昇降操作又は機体の下降規制操作を行うものであるが、機体の昇降操作状態と機体の下降規制状態との切替を、該レバーの握り具合等で行わず、該レバーとは別の切替手段、すなわち、前記機体昇降用レバーに連結されて該レバーの操作を機体昇降用の油圧切替弁に連結するワイヤの前記レバーに対する連結位置を切り替えることにより行うように構成したので、操作が簡単であり、誤操作のおそれがない。
【0007】
【実施例1】
以下、本発明の1例として、図1乃至図13にあらわされる4条植歩行型田植機について説明する。
【0008】
この歩行型田植機1は、機体の前部にミッションケース2、エンジン3、油圧ユニット4、油圧ポンプ5等を配し、前記ミッションケースの側面部より側方に突設した筒部2a,2aの端部に伝動ケース6,6が上下に回動可能に後向きに設けられ、該伝動ケースの後端部に走行推進体である水田用車輪7,7が軸支されている。ミッションケース2の後部にはメインフレーム9がその基部側で固着連結されている。このメインフレーム9は、機体の下部を通って後方に延び、その中間部で上に湾曲し、後部が斜め上方に跳ね上がった形状となっている。そして、上記湾曲部よりも若干前側の位置に内部に伝動機構を有する植付部フレーム12が固着して設けられ、これに苗載台13と植付装置14,…が装着されている。また、メインフレーム9の後端部にはハンドル17とレバーガイド18が取り付けられている。
【0009】
植付部フレーム12は、左右中央部に位置する中央ケース20と、該中央ケースの左右両側に位置するチエンケース21(L,R)と、中央ケース20の上部とチエンケース21(L,R)の上部を連結する伝動パイプ22(L,R)とで構成され、中央ケース20の下部左右外側部とチエンケース21(L,R)の下部内側部に1組づつ、計4組の植付装置14,…が設けられている。
【0010】
苗載台13は、側面視においてメインフレーム9の後部とほぼ平行に設けられ、前部が低位となるよう傾斜させられている。そして、その前面側が苗を載せる苗載面となり、該苗載面は等分な4面の苗載部13a,…に仕切られている。各苗載部13a,…には台上の苗を間欠的に下方へ送る苗送り装置24,…が設けられている。この苗載台13は、左右方向に横架した支持枠26によって下端裏面部が摺動自在に支持されているとともに、上部裏面部に固定して設けたレール27にメインフレーム9に取り付けたローラ28が係合しており、左右に往復動可能となっている。前記支持枠26には側面視でL形の苗受板29が一体成形されており、該苗受板によって苗載台13の最下段の苗を受け止めるようになっている。この苗受板29の適所に、凹状に切り欠かれた苗取出口30,…が形成されている。
【0011】
植付部フレーム12の中央ケース20には、軸方向に摺動自在に支持された横移動棒32と、該横移動棒に取り付けたリードメタル33の爪33aが係合する螺旋状の溝34aが外周面に形成されたリードカム軸34とが設けられている(図3参照)。横移動棒32のケース外に突出する左右両端部に苗載台支持アーム35,35が固着され、その先端部が苗載台13の下端側面部に連結されている。リードカム軸34が回転すると、リードメタル33の爪33aがリードカム軸34の溝34aに沿って移動し、それによって横移動棒32が左右に往復動する。横移動棒32と一体に苗載台13も左右に往復動し、苗載台13の最下段の苗を苗取出口30,…に順次供給する。
【0012】
また、リードカム軸34と平行に苗送りアーム軸37が周方向に回転自在かつ軸方向に移動自在に設けられ、リードカム軸の駆動カム38と苗送りアーム軸の一対の従動カム39,40とがそれぞれ個別に係合可能となっている。従動カム39,40は、苗送りアーム軸37に沿って移動可能であるが、ロールピン41,42によってその移動範囲が規制され、さらに両者の間に介装したスプリング43によって互いに離間させられている。ケース外に突出する苗送りアーム軸37の端部には苗送り装置24,…を作動させるための苗送りアーム45が固着され、これに対応させ横移動棒32の適所に固定メタル46が取り付けられている。苗載台13が左右行程の右端に到達すると、固定メタル46が苗送りアーム軸37を右に押すことにより駆動カム38と従動カム39が係合して苗送りアーム軸37が1回転し、苗送り装置24,…を所定量だけ作動させる。また、苗載台13が左右行程の左端に到達すると、リードメタル33が苗送りアーム軸37を左に押すことにより駆動カム38と従動カム40が係合して苗送りアーム軸37が同方向に1回転し、苗送り装置24,…を所定量だけ作動させる。
【0013】
植付装置14は、クランク50とリンク51によって支持された植込杆52を備え、クランク50が回転することにより、植込杆52の先端部に設けた植込爪52aが所定の軌跡を描いて上下運動を行い、前記苗取出口30に供給された苗載台13の苗を圃場面に植え付けてゆくようになっている(図4参照)。
【0014】
機体の下部には、前後に長く大きいセンターフロート54と比較的小さな左右一対のサイドフロート55,55が設けられている。植付部フレーム12に回動自在に支承されたフロート支持棒56にアーム57,…を一体に取り付け、該アームの前端部と各フロート54,55,55の後部に固着した取付部材58,…とが回動自在に枢着されている。したがって、植付深さ調節レバー60によってフロート支持棒56を回動させることによりフロートの支持高さを調節できるようになっている。センタフロート54の前部は拡縮リンク61に吊られ、またサイドフロート55,…の先端部は揺動リンク62,…に吊られている。
【0015】
機体の上部はボンネット64で覆われている。ボンネット64の上方には、予備の苗を載せておく予備苗載台65が、メインフレーム9に固定した支柱66,67によってほぼ水平に支持されている。また、植付部3の両側には、次行程における機体中心位置を圃場面に線引きするためのマーカ68,68が設けられている(図16参照)。このマーカ68,68は、機体側方に突出した線引き状態(鎖線で示す)と機体幅内に納まるよう引き上げられ収納状態(実線で示す)に切り替わる。
【0016】
次に、この歩行型田植機1の伝動構成について説明する(図4参照)。
【0017】
エンジン出力軸70に取り出されたエンジン出力は、該出力軸のギヤ71より2連ギヤ72を介してクラッチ軸73のギヤ74に伝えられる。ギヤ74はクラッチ軸73に回転自在に取り付けられており、主クラッチ75によってギヤ74からクラッチ軸73への伝動を入切できるようになっている。主クラッチ75を切り替える切替アーム76は、ワイヤ77を介して後記主クラッチレバー162に結ばれている
【0018】
クラッチ軸73には2枚の走行変速ギヤ80,81とバックギヤ82が取り付けられている。走行変速ギヤ80,81は走行ギヤ軸84のギヤ85,86と選択的に噛み合うようになっており、高速および低速の前進2段の変速比が得られる。植付ギヤ軸88のカウンタギヤ89を経由させてバックギヤ82とギヤ85を間接的に噛み合わせると後進速となる。この主変速操作は後記チェンジレバー166で操作する。
【0019】
走行ギヤ軸84の回転はギヤ91,92によって車輪駆動軸93に伝えられる。伝動ケース6,6内に突出する車輪駆動軸93の左右両端部にはサイドクラッチ95,95が設けられ、走行推進体である左右車輪7,7の駆動を個別に入切できるようになっている。サイドクラッチ95,95を切り替える切替アーム96,96はワイヤ97,97を介して後記サイドクラッチレバー142L,142Rによって操作する。伝動ケース6内には、伝動用チエン98,99が設けられている。
【0020】
また、クラッチ軸73には、前記ギヤ80,81,82とは別に、2枚の株間変速ギヤ102,103が取り付けられている。株間変速ギヤ102,103に植付ギヤ軸88の2連ギヤ104を選択的に噛み合わせることにより、苗植付の株間が2段階に切り替えられるようになっている。植付出力は、ユニバーサルジョイント105,105によって連結された第1、第2、第3植付伝動軸106,107,108を介して植付部フレーム12内の伝動機構へ伝動される。
【0021】
植付部フレーム12内に入力された植付出力は、まず植付駆動軸110に伝えられる。この伝動部には植付クラッチ111が設けられている。植付クラッチ111は定位置停止クラッチであり、植付部伝動軸106,107,108の回転が停止すると、植付駆動軸110が所定の回転位置で停止させられる。植付クラッチ111のクラッチピン112はワイヤ113を介して後記植付クラッチレバー147によって操作する。植付駆動軸110の回転は、中央ケース20の後部およびチエンケース21(L,R)内に張架したチエン115,…によって、前記クランク50,…が取り付けられているクランク軸116,…に伝えられる。
【0022】
植付駆動軸110からリードカム軸34へは、ギヤ117,118とギヤ119a,119bの組み合わせからなるギヤ列式の苗取り量調節装置を介して伝動されており、これらギヤの組み合わせを変えることにより苗取り量を2段階に切り替えられるようになっている。
【0023】
この田植機1は油圧によって機体の昇降制御およびローリング制御を行う。その機体制御装置の構成は以下のようになっている(図5参照)。
【0024】
油圧ユニット4の後部から機体昇降用のピッチングシリンダ120が後方に延出させて設けられ、そのピストンロッド先端部に、スプリング121によって後向きに付勢されたリンク板122が左右水平に取り付けられている。リンク板122の左右端部は、伝動ケース6,6の筒部6a,6aから上向きに突設したスイングアーム124,124の上端部に連結杆125(L,R)を介して連結されている。左側の連結杆125(L)には、該連結杆を伸縮させるローリングシリンダ126が介装されている。
【0025】
油圧ユニット4には制御バルブとして、ピッチングシリンダ120の切替弁130、ローリングシリンダ126の切替弁131、ポンプ5から送られてくる油をこれら切替弁130,131に分配して供給する分流弁132等が設けられている。ピッチング切替弁130は、センタフロート54に取り付けた検出ロッド135の上下動に連動して作動する。また、ローリング切替弁131は、揺動リンク62,62を回動中心軸137,137の回動に連動して動作する。
【0026】
検出ロッド135によって圃場面の高さが検出され、それに応じてピッチング切替弁130が切り替わり、ピッチングシリンダ120が伸縮動作を行う。すると、連結杆125(L,R)を介してスイングアーム124,124が前後に回動させられ、左右の車輪7,7が同時に同量だけ機体に対し上下動するので、その結果機体が適当量だけ昇降し、苗の植付深さが一定に維持されるのである。
【0027】
また、左右回動中心軸137,137に機体の左右傾斜が検出され、それに応じてローリング切替弁131が切り替わり、ローリングシリンダ126が伸縮作動を行う。すると、左側のスイングアーム124が回動させられ、左側の車輪7(L)のみが機体に対し上下動することにより、機体の左右傾斜を修正する。
【0028】
ピッチング切替弁130の油圧操作部は図6および図7に示す構造となっている。すなわち、ピッチング切替弁130の弁軸170は基部側の角軸部170aと先端側の丸軸部170bとからなり、角軸部170aには操作プレート171が回動不能に取り付けられ、丸軸部170bには第1油圧アーム172と第2油圧アーム173が回転自在に取り付けられている。操作プレート171の円弧状長穴175に遊嵌するフック176と後記第1油圧レバー161が第1油圧アーム177で結ばれている。第1油圧アーム172の一端部には、前記上下動検出ロッド135の上端部がバネ179を介して連結されている。また、第2油圧アーム173の一端部には、後記第2油圧レバー155と結ぶ第2油圧ワイヤ180が連結されている。そして、操作プレート171には弁軸170の先端方向に屈曲する係合部181が設けられており、この係合部181が第1、第2油圧アーム132,133の下面に係合し得るようになっている。操作プレート171がU方向に回動すると機体上げ、D方向に回動すると機体下げである。
【0029】
なお、図中の183は操作プレート171の戻しスプリング、184は第1油圧アームの戻しスプリング、185は第2油圧アームの戻しスプリング、186はフック176の引張りスプリングである。
【0030】
この油圧操作部は以下の挙動を示す(図8参照)。
【0031】
(1) 第1油圧レバー161および第2油圧レバー155が「植付位置」にある時は、フック176が長穴175のA端に位置し、センターフロート54の上下動に基づく自動昇降制御状態となっている。この状態では、第1油圧アーム172によって操作プレート171のD方向への回動が拘束されている。
【0032】
(2) (1)の状態からセンターフロート54が下動すると、第1油圧アーム172が反時計回りに回動することにより操作プレート171の拘束が解かれるので、戻しスプリング183に引かれて操作プレート171がD方向に回動し、機体下げとなる。
【0033】
(3) (1)の状態からセンターフロート54が上動すると、第1油圧アーム172が時計回りに回動し、それに押されて操作プレート171がU方向に回動し、機体上げとなる。
【0034】
(4) 第1油圧レバー161を「上げ位置」まで操作すると、フック176が長穴175のB端壁面に係合し、操作プレート171をU方向に大きく回動させるので、機体が非作業位置まで上昇する。
【0035】
(5) 第1油圧レバー161を「固定位置」に操作した場合は、フック176が長穴175のB端まで移動しそこで静止する。このため、操作プレート171は回動せず機体が上昇しない。また、操作プレート171がD方向に回動するのを拘束するので、機体が現状高さに固定される。
【0036】
(6) 第2油圧レバー155を「固定位置」に操作すると、第2油圧アーム173が操作プレート171に係合し、操作プレート171のD方向への回動を拘束するので、(5)の場合と同様に機体固定になる。
【0037】
(7) 第2油圧レバー155を「上げ位置」まで操作すると、第2油圧アーム173が操作プレート171をU方向に大きく回動させ、機体が非作業位置まで上昇する。
【0038】
ハンドル17は、メインフレーム9の後端部に基部が固定され、該基部から左右後方に延ばしたハンドル杆17L,17Rの後端部にグリップ140L,140Rが嵌着されている。
【0039】
グリップ140L,140Rの前側位置に取付部材141L,141Rが固着して設けられ、それにサイドクラッチレバー142L,142Rが支持軸143,143によって上下に回動自在に取り付けられている。右側のサイドクラッチレバー142Rを上に引くと、右側のサイドクラッチ95Rが切になり、左側のサイドクラッチレバー142Lを上に引くと、右側のサイドクラッチ95Lが切になる。
【0040】
右側のハンドル杆17Rの内側には植付クラッチレバー147が設けられている。この植付クラッチレバー147は、ハンドル杆17Rの内面部から内向きに突出する回動軸148に後向きに取り付けられており、グリップ140を握った状態で親指により下向きに回動操作可能となっている。先端部にピン149が一体形成されたアーム150が前記取付部材141Rに回動自在に支持され、ピン149に嵌合する筒部材152が植付クラッチレバー147の中間部下面に固着されているプレート153の長穴153aに遊嵌しているとともに、ピン149に前記植付クラッチ操作用ワイヤ113の端部が繋着されている。
【0041】
植付クラッチレバー147が回動すると、それに応じてピン149が長穴153aに沿って移動し、ワイヤ113が引かれたり戻されたりし、レバー上げ(図10において実線で示す)でクラッチ入となり、レバー下げ(図10において鎖線で示す)でクラッチ切となる。植付クラッチレバー147のストロークは、アーム150の折曲げ部分150aが係合するよう設けた取付部材141Rのストッパ部分141a,141bによって規制されている。
【0042】
左側のハンドル杆17Lの内側には第2油圧レバー155が設けられている。この第2油圧レバー155は、第2油圧ワイヤ180の一端が繋着された取付プレート157と共に、取付部材141Lに支承されている回動軸158に取り付けられている。第2油圧レバー155もグリップ140Lを握った状態で握り操作により下向きに回動操作可能である。なお、場合によっては、図12に示すように、この第2油圧レバーを3段階操作式とすることもできる。同図の例では、上から順に「植付位置」L2−1、「固定位置」L2−2、「上げ位置」L2−3の各操作位置が設定されている。しかしながら、このようにすると、誤操作するおそれがあるので、図14に示すように、機体の昇降と固定(下降防止)の切替を別の切替手段、すなわち、機体昇降用レバーの操作を機体昇降用の油圧切替弁130に連結するワイヤ180の前記レバーに対する連結位置を切り替えることにより行うようにするのが好ましい。
【0043】
レバーガイド18には、エンジンを起動および停止させるメインスイッチ160と、前記第1油圧レバー161と、主クラッチ75を入切操作する主クラッチレバー162と、昇降制御およびローリング制御の感度を調節する感度調節レバー163,164とが設けられている。第1油圧レバー161の操作位置は、ガイド溝161aに沿って「植付位置」L2−3、「上げ位置」L2−2、「固定位置」L2−3が設定されている。
【0044】
このように、機体昇降用の油圧レバーとして、メインとなる第1油圧レバー161と、グリップを握りながらの操作が可能な第2油圧レバー155とが設けられている。これら両油圧レバー155,161の操作位置と油圧挙動の関係は前述の通りである。
【0045】
また、ボンネット64の背面部には、チェンジレバー166、チョークノブ167、リコイルノブ168が設けられている。
【0046】
図14は、上記と若干異なる第2油圧レバーの例を表すもので、この図示例では、第2油圧レバー155′をハンドル杆17Lと苗載台13のガイド部13aとの間に設け、上から握って操作するように構成している。この第2油圧レバー155′は第2油圧ワイヤ180の金具180aを止着する穴190が湾曲状の長穴に形成され、該穴の一方の端部に金具180aをピン191で止着する(実線で図示)と、レバーを握った時機体上げとなり、他方の端部に金具180aをピン191で止着する(鎖線で図示)と、レバーを握った時機体固定状態(機体下降規制状態)となる。すなわち、機体昇降状態と機体固定状態(下降規制状態)との切替を第2油圧レバー155′自体の操作で行わず、別の切替手段(穴190、金具180a、ピン191等を利用して、レバー155’に対するワイヤ180の連結位置を切り替える手段)により切り替えるようになっている。
【0047】
この歩行型田植機1の使用に際し、メインスイッチ160をオンにしてエンジン3を起動する。植付作業時は、第1油圧レバー161を植付位置L1−1にするとともに、植付クラッチレバー147を入にする。そして、主クラッチレバー162を入にすると、車輪7,7が駆動されて走行を開始するとともに、植付部が駆動されて植付を開始する。操縦者はハンドル17のグリップ140L,140Rを両手で握って機体を操縦する。
【0048】
圃場の端部等で機体を旋回させる時は、まず植付クラッチレバー147を切にして植付部3の駆動を停止させ、続いて第2油圧レバー155を上げ位置まで操作して機体を上昇させ、次いで旋回内側のサイドクラッチレバー142を引いて内側の車輪7の駆動を停止させる。機体が適当高さまで上昇したならば、第2油圧レバー155を固定位置まで戻し、機体をその高さに固定する。各レバー147,155,142はグリップ140を握ったまま操作できるので、操縦性が良い。旋回中、旋回半径の大きさに合わせて、適宜サイドクラッチレバー142を戻して、内側の車輪7も駆動させる。サイドクラッチレバー142を戻しても機体が下降することがないので、ハンドル操作だけに専念することができる。
【0049】
また、路上走行時は、第1油圧レバー161を上げ位置L1−3にして機体を非作業位置まで上昇させた後、第1油圧レバー161を固定位置L1−2に操作して機体を非作業位置に固定する。第2油圧レバー155には触れず、植付位置L2−1のままにしておく。また、植付クラッチレバー147を切位置に操作し、そのままレバーから指を離し、植付部の駆動を停止させておく。
【0050】
【実施例2】
図15に示す田植機は、ハンドル17の左側に設けられているレバーがマーカリセットレバー200になっている。マーカリセットレバー200にはマーカリセットワイヤ201と第2油圧ワイヤ180が繋着され、当該レバーを少し押えると、マーカリセットワイヤ201が引かれ、図16に示す如くマーカ68が圃場面から引き上げられて収納状態となる。このレバー操作によって第2油圧ワイヤ180も少し引かれるが、ここまでは遊びの範囲内であるので油圧は作動しない。さらにマーカリセットレバー200を押えると、油圧が作動して機体上げになる。マーカ68を線引き状態に下ろす操作はマーカセットレバー202で行う。
【0051】
なお、マーカ68の線引き具68a、マーカセットレバー202のノブ202a、マーカリセットワイヤ201のアウタ201a、マーカリセットレバー200のノブ200a等のマーカ関係の部品を同一色(例えばオレンジ色)に統一しておくとメンテナンスが容易である。
【0052】
【実施例3】
図17に示す田植機は、右側のハンドル杆17Rに植付・油圧レバー203が設けられ、左側のハンドル杆17Lに主クラッチ・マーカレバー204が設けられている。植付・油圧レバー203には植付クラッチ操作用ワイヤ113と第2油圧ワイヤ180が繋着され、当該レバーを1段階押し下げると植付クラッチ111が「切」になり、2段階押し下げると油圧が「上げ」になる。また、主クラッチ・マーカレバー204には主クラッチワイヤ77とマーカリセットワイヤ201が繋着され、当該レバーを1段階押し下げるとマーカ68が収納され、2段階押し下げると主クラッチ75が「切」になる。
【0053】
【実施例4】
図18はマーカセットを自動的に行わせるようにした構成をあらわす。206は左右いずれかのグリップ140の内側に設けられたマーカ自動セットレバーで、支点ピン207を中心に上下に回動可能である。208は回動アームで、軸209回りに回動可能であるとともに、支点ピン210を中心に前後に回動可能である。回動アーム208はスプリング211によって下向きに引っ張られている。212は苗載台13の裏面に取り付けた押し板である。
【0054】
マーカ自動セットレバー206を下向きに押すと、該レバーの端部206aによって回動アーム208が押され、スプリング211が支点越えして回動アーム208が鎖線で示す位置で静止する。この状態で待機している時、苗載台13が左方向に横移動してくると、押し板212に押されて回動アーム208が左に回動し、該回動アームに連結されたマーカ68が線引き状態になる。サイドクラッチレバー142を引くと、出ているマーカ68が収納される。
【0055】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明にかかる歩行型田植機は、ハンドルのグリップを握ったまま操作できる植付クラッチレバーと機体昇降用レバーとが左右のサイドクラッチレバーの内側近傍に振り分けて設けられているので、畝際での機体旋回時に両手の指を使ってそれぞれを所望のタイミングで操作することができ、旋回操作を容易に行える。また、機体昇降用のレバーは、複数の操作位置を設けておくと誤操作を誘発するおそれがあるが、本発明では、機体昇降レバーは握り操作するだけなので、操作が簡単であり、誤操作のおそれもない。なお、機体昇降状態と機体の下降規制状態(固定状態)とを機体昇降用レバーに対する昇降連動用のワイヤの連結位置の切替によって切り替えるので、機体旋回時等での切替状態をオペレータの好みで選択することができる結果、操作性の良いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例である歩行型田植機の側面図である。
【図2】図1に示す歩行型田植機の平面図である。
【図3】植付部フレームの要部の断面図である。
【図4】伝動系統図である。
【図5】油圧回路図である。
【図6】油圧操作部の側面図である。
【図7】油圧操作部の一部断面平面図である。
【図8】油圧操作部の挙動説明図である。
【図9】機体後部の斜視図である。
【図10】植付クラッチレバー取付部の側面図である。
【図11】植付クラッチレバー取付部の一部断面底面図である。
【図12】第2油圧レバー取付部の側面図である。
【図13】第2油圧レバー取付部の一部断面底面図である。
【図14】第2油圧レバーの変形実施例の取付部の側面図である。
【図15】実施例2の機体後部の斜視図である。
【図16】マーカ操作部の構成をあらわす図である。
【図17】実施例3の機体後部の斜視図である。
【図18】実施例4の機体後部の斜視図である。
【符号の説明】
1 歩行型田植機
2 ミッションケース
3 エンジン
7 車輪(走行推進体)
13 苗載台
14 植付装置
17 ハンドル
140 グリップ
142 サイドクラッチレバー
147 植付クラッチレバー
155 第2油圧レバー(機体昇降用レバー)
161 第1油圧レバー(機体昇降用レバー)
Claims (1)
- 両手で操縦ハンドルの左右グリップを握りながら操縦する歩行型田植機において、前記左右グリップのうちの一方のグリップ近傍に植付クラッチレバーを設けるとともに、他方のグリップ近傍に握り操作により機体を上昇するか又は機体の下降を規制する機体昇降用のレバーを設け、さらに前記機体を上昇する状態と、機体の下降を規制する状態とを切り替える切替手段として、前記機体昇降用レバーに連結されて該レバーの操作を機体昇降用の油圧切替弁に連結するワイヤを設け、該ワイヤの前記レバーに対する連結位置を切り替えることにより、前記機体を上昇する状態と、機体の下降を規制する状態とを切り替えるように構成したことを特徴とする歩行型田植機。
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JPH0716008A JPH0716008A (ja) | 1995-01-20 |
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Family Applications (1)
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1993
- 1993-06-30 JP JP18873893A patent/JP3561928B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0716008A (ja) | 1995-01-20 |
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