JP3227094B2 - 新規な結晶変態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー及びこれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

新規な結晶変態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー及びこれを用いた電子写真感光体

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JP3227094B2 JP24338196A JP24338196A JP3227094B2 JP 3227094 B2 JP3227094 B2 JP 3227094B2 JP 24338196 A JP24338196 A JP 24338196A JP 24338196 A JP24338196 A JP 24338196A JP 3227094 B2 JP3227094 B2 JP 3227094B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導電性材料に有
用な新規な結晶変態を有するμ−オキソ−ガリウムフタ
ロシアニンダイマーおよびそれを電荷発生材料として用
いた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、電子写真技術を応用
した複写機、プリンターなどに広く適用されている。従
来、この電子写真感光体としては、白色光に光感度を有
する無定形セレン等に代表される無機感光体が使用され
てきた。しかしこの無機感光体は、人体に有害なセレン
や硫化カドミウムを用いており廃棄のコストが高くなる
問題があった。また、一般に蒸着法により製造するため
生産コストが高くなり、小型・低価格機への適用が不利
であるという問題を有していた。
【0003】現在では、半導体レーザーの発信波長域で
ある800nm前後に感度を有する有機光導電物質が電荷発
生材として注目されている。このような有機光導電性物
質を有効成分とする有機光導電性材料も多数提案されて
おり、例えば、スクエアリウム系、アズレニウム系、フ
タロシアニン系の化合物を電荷発生材として含む負帯電
型の有機感光体が挙げられる。この種の有機感光体は、
導電性基体上に電荷発生材と電荷輸送材を構成成分とし
て含む感光層を備え、単層構造のものと、機能が分離し
た二層構造のものとがある。
【0004】しかし、これらの有機感光体は、帯電およ
び露光を繰返す使用状況においては帯電性、暗減衰およ
び残留電位のような電気特性及び耐久性が不十分であ
る。
【0005】そこで、機能分離型感光体の電荷発生層に
用いられる電荷発生材として、可視光〜長波長の光に対
して高感度と高耐久性を有する有機光導電性物質が望ま
れている。
【0006】フタロシアニンは、無金属フタロシアニ
ン、金属フタロシアニンの中心金属種などにより様々な
電気特性を有し、製造方法、処理方法の違いによって、
或いは同じ構造のフタロシアニンであってもスタッキン
グ状態の違いによって、電気特性が大きく変化すること
はよく知られている。
【0007】特に、有機化合物のスタッキング状態は、
化合物の結晶変態で決まるので、結晶変態は電子状態、
とりわけΠ電子系の摂動を変え、有機感光材等の電子材
料としての特性を有効に変える要因となる。このために
チタニルやバナジル等の金属フタロシアニン、或いはX
型無金属フタロシアニン等の電子写真感光体への適用が
提案がされ、一部実用化されている。
【0008】クロロガリウムフタロシアニンやヒドロキ
シガリウムフタロシアニンについても、種々の結晶変態
が研究され、電子写真感光体への適用が提案されてい
る。例えば、特開平5-98181号、同5-194523号、同5-247
361号、同6-11873号、同6-73303号ではクロロガリウム
フタロシアニンが提案されている。また、ヒドロキシガ
リウムフタロシアニンの新規な結晶変態に関しては、特
開平5-249716号、同5-263007号、同5-279591号等があ
る。
【0009】しかしながら、有機感光体の電荷発生材料
に用いた場合の光感度と耐久性においては、まだ不十分
で、改善の余地があり、このような用途に適した新規な
フタロシアニンの結晶変態の開発が強く望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の問題を
解決するものであり、その目的とするところは、実用レ
ベルの感光体及びハイガンマー感光体のような有機光導
電性材料に用いた場合にも、安定で、電気特性が良好で
ある(例えば、帯電性が良好で、暗減衰が小さく、残留
電位が小さい。)新規な結晶変態を有するμ−オキソ−
ガリウムフタロシアニンダイマーおよびそれを電荷発生
材料として用いた耐久性に優れる電子写真感光体を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、CuKα線によ
るX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±
0.2゜)の:
【0012】(1)6.8゜、12.9゜、19.0゜、
19.6゜、20.3゜、25.5゜、25.9゜及び2
6.9゜に回折ピークを示す結晶変態を有するA型μ−
オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー(以下、「A
型ダイマー」又は単に「A型」と言う。); (2)7.1゜に回析ピークを示し、7.1゜以外に明確
な回析ピークを示さないアモルホス型μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマー(以下、「アモルホス型ダ
イマー」又は単に「アモルホス型」と言う。); (3)8.1゜、8.7゜、9.2゜、10.4゜、15.
1゜、15.9゜、17.0゜、21.7゜、22.3゜、
22.9゜、24.3゜、28.8゜、29.4゜及び3
0.5゜に回折ピークを示す結晶変態を有するB型μ−
オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー(以下、「B
型ダイマー」又は単に「B型」と言う。); (4)7.7゜、16.0゜、24.9゜及び26.3゜に
回折ピークを示す結晶変態を有するC型μ−オキソ−ガ
リウムフタロシアニンダイマー(以下、「C型ダイマ
ー」又は単に「C型」と言う。); (5)7.3゜、8.8゜、22.6゜、25.5゜及び2
7.8゜に回折ピークを示す結晶変態を有するD型μ−
オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー(以下、「D
型ダイマー」又は単に「D型」と言う。); (6)7.7゜、16.3゜、24.2゜及び27.6゜に
回折ピークを示す結晶変態を有するE型μ−オキソ−ガ
リウムフタロシアニンダイマー(以下、「E型ダイマ
ー」又は単に「E型」と言う。); (7)7.7゜、8.2゜、11.1゜、12.4゜、1
3.3゜、15.3゜、18.5゜、18.8゜、22.1
゜、22.5゜、25.5゜、27.0゜、28.7゜、2
9.1゜及び29.4゜に回折ピークを示す結晶変態を有
するF型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー
(以下、「F型ダイマー」又は単に「F型」と言
う。); (8)7.4゜、9.9゜、12.5゜、12.9゜、1
6.1゜、18.5゜、21.9゜、22.2゜、24.0
゜、25.1゜、25.8゜及び28.2゜に回折ピーク
を示す結晶変態を有するG型μ−オキソ−ガリウムフタ
ロシアニンダイマー(以下、「G型ダイマー」又は単に
「G型」と言う。); (9)7.6゜、16.4゜、25.1゜及び26.6゜に
回折ピークを示す結晶変態を有するH型μ−オキソ−ガ
リウムフタロシアニンダイマー(以下、「H型ダイマ
ー」又は単に「H型」と言う。);及び (10)6.5゜、13.1゜、19.0゜、19.7゜、
25.4゜及び26.3゜に回折ピークを示す結晶変態を
有するI型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマ
ー(以下、「I型ダイマー」又は単に「I型」と言
う。); を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成
できる。μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー
についての上記A〜I型の結晶変態は新規である。本発
明はこれらの製造方法も提供する。
【0013】更に、本発明は、上記のμ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーを電荷発生材として用いた
電子写真感光体を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】μ−オキソ−ガリウムフタロシア
ニンダイマーは、式
【0015】
【化1】
【0016】で示す化合物である。μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーは、一般に、以下に説明する
方法により得られる。
【0017】まず、1-クロロナフタレン及びキノリンの
ような高沸点有機溶媒中、フタロニトリルもしくは1,3-
ジイミノイソインドリンを塩化ガリウムと共に反応さ
せ、クロロガリウムフタロシアニンを得る。反応物の精
製は、熱時濾過後、熱DMFおよびDMFにより洗浄し
て行う。
【0018】得られたクロロガリウムフタロシアニンを
加水分解することによりヒドロキシガリウムフタロシア
ニンを得る。具体的な操作は公知である。
【0019】例えば、クロロガリウムフタロシアニンを
酸性もしくはアルカリ性溶液中で加水分解するか、濃硫
酸によりアシッドペースティングを行うことにより、ヒ
ドロキシガリウムフタロシアニンを得る。これらの方法
は、例えば、特開平1−221459号公報及び特開平
5−279591号公報に記載されている。
【0020】濃硫酸を用いるアシッドペースティングと
は、顔料を濃硫酸、好ましくは濃度90%以上の硫酸に
溶解し、溶解物を氷水中に投入して、顔料を微細化及び
精製する操作をいう。
【0021】次に、得られたヒドロキシガリウムフタロ
シアニンを水不混和性の高沸点有機溶媒中で加熱脱水す
ることにより、μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダ
イマーを得ることができる。例えば、o-ジクロロベンゼ
ンのような溶媒中、還流撹拌して、生成する水を反応系
内から除去し、反応生成物を濾取し、DMFで洗浄し、
DMFをメタノール等で置換後、乾燥、粉砕する。
【0022】但し、本発明では、以下のスキームに示す
ように、クロロガリウムフタロシアニン(Cl-GaPc)を
濃硫酸を用いてアッシドペースティングを行い、その
後、得られた青色固体を水不混和性の有機溶媒(例えば
o-ジクロロベンゼン)中で加熱脱水する方法によってμ
−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー(PcGa-O-G
aPc)を得る。
【0023】
【化2】
【0024】上記の方法によれば、本発明のA型ダイマ
ーが得られる。A型ダイマーの特異な結晶変態は新規で
ある。
【0025】上記のA型ダイマーを乾式粉砕することに
より、アモルホス型ダイマーが得られる。
【0026】本発明において、「乾式粉砕」とは、溶媒を
用いないで粉砕する操作をいう。「粉砕」とは、固体に機
械的な力を加えて細分化することをいう。粉砕は、一般
にボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、アト
ライターおよび自動乳鉢のような粉砕装置を用いて行
う。必要に応じてガラスビーズ、スチールビーズ、ジル
コニアビーズおよびアルミナビーズのような粉砕媒体を
用いうる。
【0027】乾式粉砕は、結晶変態の変化が進行しなく
なるまで行う。一般に、室温で20〜100時間、好ま
しくは48〜72時間行われる。乾式粉砕工程が20時
間を下回ると結晶変態の形成が不十分となり、100時
間を上回って行っても一般に有意な効果が得られない。
【0028】例えば、試験用分散器(所謂ペイントシェ
ーカー)を用い、試料7gに5mmφガラスビーズ80
gを充填するような場合は、48〜72時間乾式粉砕を
行う。
【0029】本発明の他のμ−オキソ−ガリウムフタロ
シアニンダイマーの新規な結晶変態は、上記の方法で得
られたアモルホス型ダイマーを、所定の溶媒中で、湿式
粉砕、又は加熱もしくは室温下で単純分散して得られ
る。
【0030】本発明において、「湿式粉砕」とは、溶媒の
存在下に粉砕する操作をいう。一般に上記「乾式粉砕」
と同様な粉砕装置を用いて行う。必要に応じてガラスビ
ーズ、スチールビーズおよびアルミナビーズのような粉
砕媒体を用いうる。「単純分散」とは、粉体を溶媒の存在
下に撹拌して溶媒中に細粒として浮遊させることをい
う。
【0031】湿式粉砕もしくは単純分散で用いる溶媒
は、μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマーを溶
解しないものである。所望の結晶変態に応じて、ケトン
系、アルコール系、グリコール系、(ホルム)アミド
系、ピロリドン系、エーテル系、酢酸エステル系及び芳
香族系から選ばれる。
【0032】ケトン系溶媒としては、例えば、シクロヘ
キサノン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン
(MEK)及びメチルイソブチルケトン(MIBK)等;アル
コール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノールおよびイソプロパノールのような低級
アルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール及
びオクチルアルコールのような一価のアルコール;グリ
コール系溶媒としては、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びプ
ロピレングリコールのようなアルキレングリコール;エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル及びプロピレングリコールモノ
メチルエーテルのようなアルキレングリコールモノアル
キルエーテル(セロソルブ類);モノグライム、ジグラ
イム、トリグライム及びテトラグライムのようなエチレ
ングリコールジアルキルエーテル;(ホルム)アミド系
溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチ
ルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等;エーテル系
溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサ
ン、エチルエーテル及びブチルエーテルのような鎖状ま
たは環状のエーテル系溶媒;酢酸エステル系溶媒として
は、酢酸エチル及び酢酸ブチル等;芳香族系溶媒として
は、トルエン、o-キシレン及びテトラリンのような炭化
水素系溶媒、o-ジクロロベンゼン、クロロナフタレン、
ブロモナフタレン及びキノリンのような高沸点の芳香族
炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
【0033】本発明のB型ダイマーを製造する際に用い
る溶媒としては、グリコール系溶媒、好ましくはエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、特にエチレングリコールが挙げられる。
【0034】本発明のC型ダイマーを製造する際に用い
る溶媒としては、ケトン系溶媒、好ましくはシクロヘキ
サノン、ジイソプロピルケトン、特にシクロヘキサノン
が挙げられる。
【0035】本発明のD型ダイマーを製造する際に用い
る溶媒としては、炭素数5以上のアルコール系溶媒、好
ましくはアミルアルコール、ヘキシルアルコール、オク
チルアルコール、特にアミルアルコールが挙げられる。
【0036】本発明のE型ダイマーを製造する際に用い
る溶媒としては、(ポリ)エチレングリコールジアルキ
ルエーテル系溶媒、好ましくはジグライム、トリグライ
ム、テトラグライム、特にジグライムが挙げられる。
【0037】本発明のF型ダイマーを製造する際に用い
る溶媒としては、アルキレングリコールモノアルキルエ
ーテル系溶媒、好ましくはエチレングリコールモノメチ
ルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコール
モノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、特にメチルセロソルブ
が挙げられる。
【0038】本発明のG型ダイマーを製造する際に用い
る溶媒としては、DMF、トルエン、酢酸エチル、トリ
グライム、特に好ましくはDMFのようなアミド系溶媒
が挙げられる。
【0039】本発明のH型ダイマーを製造する際に用い
る溶媒としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン、メチルアルコールやエチルアルコールのような炭素
数4以下の低級アルコール、N-メチル-2-ピロリドン、
好ましくは低級アルコール系又はケトン系溶媒が挙げら
れる。
【0040】本発明のI型ダイマーを製造する際に用い
る溶媒としては、o-ジクロロベンゼン、クロロナフタレ
ン、ブロモナフタレン、キノリンのような高沸点の芳香
族炭化水素系溶媒、好ましくは1−クロロナフタレンが
挙げられる。
【0041】湿式粉砕は、上述の特定の溶媒を用いて結
晶変態の変化が進行しなくなるまで行う。一般には、室
温〜溶媒の還流温度で5〜50時間、好ましくは10〜
20時間行われる。湿式粉砕工程が5時間を下回ると結
晶変態の形成が不十分となり、50時間を上回って行っ
ても一般に有意な効果が得られない。
【0042】例えば、用いる溶媒がエチレングリコール
の場合、アモルホス型ダイマーを室温で、約16時間湿
式粉砕することにより本発明のB型ダイマーが得られ
る。
【0043】単純分散は、上述の特定の溶媒を用いて結
晶変態の変化が進行しなくなるまで行う。一般には、室
温〜溶媒の還流温度で5〜50時間、好ましくは10〜
20時間行われる。単純分散工程が5時間を下回ると結
晶変態の形成が不十分となり、50時間を上回って行っ
ても一般に有意な効果が得られない。
【0044】例えば、用いる溶媒がシクロヘキサノンの
場合、アモルホス型ダイマーを還流下、約30〜40時
間単純分散させることによりC型ダイマーが得られる。
用いる溶媒がアミルアルコールの場合、アモルホス型ダ
イマーを還流下、約10時間単純分散させることにより
D型ダイマーが得られる。用いる溶媒がジグライムの場
合、アモルホス型ダイマーを還流下、約24時間単純分
散させることによりE型ダイマーが得られる。用いる溶
媒がメチルセロソルブ(エチレングリコールモノメチル
エーテル)の場合、アモルホス型ダイマーを還流下、約
13時間単純分散させることによりF型ダイマーが得ら
れる。用いる溶媒がDMF(ジメチルホルムアミド)の
場合、アモルホス型ダイマーを室温で10〜12時間、
単純分散させることによりG型ダイマーが得られる。用
いる溶媒が1−クロロナフタレンの場合、アモルホス型
ダイマーを還流下、約15〜30時間単純分散させるこ
とによりI型ダイマーが得られる。
【0045】また、用いる溶媒がシクロヘキサノンや低
級アルコールの場合、アモルホス型ダイマーを室温で、
約8時間、単純分散または湿式粉砕することにより、H
型ダイマーが得られる。
【0046】本発明の新規な結晶変態を有するμ−オキ
ソ−ガリウムフタロシアニンダイマーは、電子写真技術
を応用した複写機などに広く適用されている電子写真感
光体のような光導電性材料として有用である。本発明の
ガリウムフタロシアニンダイマーを有効成分とする光導
電材料は、電子写真感光体の電荷発生層に適用された場
合に、帯電性が良好で、高感度、高耐久性の感光体を提
供する。
【0047】次に、本発明の光導電材料の適用例につい
て説明する。
【0048】μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイ
マーのような有機光導電材料の少なくとも1種及び樹脂
を備えてなる電子写真有機感光体は、感光層が電荷発生
層と電荷輸送層とに分離した積層型のものであってもよ
く、単層型のものであってもよい。しかし、ガリウムフ
タロシアニンダイマーの結晶変態の電気特性を有効に発
揮させるためには、発生した電荷が捕獲される可能性が
小さく、各層がそれぞれの機能を阻害することなく効率
よく感光体表面に輸送される二層構造の機能分離型感光
体に適用することが好ましい。
【0049】このような機能分離型感光体は、例えば、
導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを薄膜状に
積層して形成される。導電性支持体の基材としては、ア
ルミニウム、ニッケル等の金属、金属蒸着フィルム等用
いることができ、ドラム状、シート状又はベルト状の形
態で作製される。
【0050】電子写真用有機感光体への適用は、まず本
発明のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマーを
電荷発生材料として含む電荷発生層を導電性支持体上に
薄膜状に形成する。この際の電荷発生層は、ガリウムフ
タロシアニンダイマーを導電性支持体上に蒸着させ薄膜
を形成することもできるが、一般には、結着樹脂を溶媒
に溶解した溶液に電荷発生材料を分散させた塗布液を調
製して、それを支持体上に塗布することによって形成す
る。
【0051】μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイ
マーを分散させる方法としては、ボールミル、サンドミ
ル、ペイントシェイカー等用いる通常の分散法を採用す
ることができる。
【0052】電荷発生層の塗工手段としては、特に限定
されることはなく、例えば、バーコーター、ディップコ
ーター、スピンコーター、ローラーコーター、カレンダ
ーコーター等を適宜使用することができる。乾燥は、30
〜200℃の温度で5分〜2時間、静止又は送風下で行う
ことができる。
【0053】塗布液用の溶媒としては、ガリウムフタロ
シアニンダイマーを溶解することなく、均一に分散さ
せ、必要に応じて用いられる結着樹脂を溶解するもので
あれば特に限定されない。例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコー
ル系溶媒;トルエン、キシレン、テトラリンのような芳
香族系溶媒;ジクロルメタン、クロロホルム、トリクロ
ルエチレン、四塩化炭素のようなハロゲン系溶媒;酢酸
エチル、酢酸プロピルのようなエステル系溶媒;エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフランのようなエーテル系溶媒;ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0054】結着樹脂は、広範な絶縁性樹脂から選択す
ることができる。好ましい樹脂としては、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート等の
縮合系樹脂;ポリスチレン、ポリアクリレート、スチレ
ン-アクリル共重合体、ポリアクリルアミド、ポリメタ
クリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル-ブタジエ
ン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル
共重合体等の付加重合体;ポリ-N-ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルアントラセン等の有機光導電性樹脂;ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、シリコン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらは適
宜混合して用いることができる。
【0055】上記結着樹脂の使用量は、電荷発生材料に
対して、0.1〜3重量比であり、3重量比よりも大であ
ると、電荷発生層における電荷発生材料濃度が小さくな
り感度が悪くなる。電荷発生層の膜厚は、0.05〜5.0μm
であり、5μmより大きくなると電荷が捕獲される確立が
大きくなり感度の低下の原因となるため好ましくない。
【0056】次に電荷発生層の上部に、電荷輸送材料を
含む電荷輸送層を薄膜状に形成する。この薄膜形成法と
しては、電荷発生層と同様な塗工法が用いられ、電荷輸
送材料を、必要に応じて結着樹脂と共に溶媒に溶解し、
電荷発生層の上部に均一に塗布し、その後乾燥させれば
よい。
【0057】電荷輸送材料としては、公知のオキサジア
ゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、
トリアジン誘導体、キナゾリン誘導体、トリアリールア
ミン系化合物、スチリルトリフェニールアミン系化合
物、ブタジエン系化合物、カルバゾール系化合物など挙
げられる。
【0058】電荷輸送層を形成する結着樹脂及び溶媒と
しては、前記電荷発生層に使用されるものと同様なもの
が使用できる。
【0059】上記結着樹脂の使用量は、電荷輸送材料に
対して、0.1〜5重量比であり、5重量比よりも大であ
ると、電荷輸送層における電荷輸送材料濃度が小さくな
り感度が悪くなる。電荷発生層の膜厚は、5〜50μmで
あり、50μmより大きくなると電荷の輸送に、より多く
の時間を要するようになり、又、電荷が捕獲される確率
が大きくなり感度の低下の原因となるため好ましくな
い。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。尚、本発明のCu
Kα線によるX線回折スペクトルは、マックスサイエン
ス社製の自動X線回折システム「MXP3」を用いて測定し
た。
【0061】合成例1 クロロガリウムフタロシアニンの合成 撹拌器、塩化カルシウム管などの必要器具を備えた1000
mlのガラス製4口フラスコにフタロニトリル177.2gと1-
クロルナフタレン820ml及び塩化ガリウム50.0gを仕込
み、10時間還流下撹拌した。その後、還流を停止し、20
0℃程度まで放冷後熱時濾過して、熱ジメチルホルムア
ミド(DMF)3500ml、DMF3000mlを用いて振りかけ
洗浄した。得られたウエットケーキをDMF800mlに再
度分散し、5時間撹拌還流した後、熱濾過後、熱DMF2
500ml、DMF2000mlを用いて振りかけ洗浄し、メタノ
ール置換後乾燥して青色固体のクロロガリウムフタロシ
アニン125.0g(収率73.5%)を得た。この化合物のX線
回析スペクトル分析による結晶変態を図12に示す。ま
た、元素分析結果を表1に示す。
【0062】
【表1】 C H N Cl Ga 理論値% 62.22 2.61 18.14 5.74 11.29 実測値% 62.23 2.52 18.02 6.04 10.39
【0063】実施例1 A型ダイマーの合成 合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン1
0.0gを濃硫酸300gに温度を0〜5℃に保ちなが
ら徐々に溶解させ、この温度で1時間撹拌した。これを
氷水1500mlへ、温度が5℃を越えないように撹拌
しながら注加し、注加終了後さらに2時間撹拌した。濾
過、水洗後、1500mlのイオン交換水へ再分散し、
再度濾過した。水洗後ウエットケーキを4%アンモニア
水600mlに再分散して、6時間還流下撹拌した。濾
過後、ケーキをイオン交換水で念入りに洗浄した後、減
圧下、50℃で乾燥し、粉砕して8.72g(収率89.
8%)の青色固体を得た。
【0064】次いで、o-ジクロロベンゼン130mlに
得られた青色固体7.7gを加え、170〜180℃で
撹拌した。予め付属させたリービッヒコンデンサーか
ら、生成する水を煮沸により反応系内より除去した。水
の生成が少なくなったらリービッヒコンデンサーを空冷
コンデンサーに替え、3時間還流下、撹拌した。熱時濾
過し、DMFによる振りかけ洗浄に引続き、メタノール
によってケーキ中のDMFを置換した。乾燥、粉砕し
て、X線回析スペクトルにおいて、図1に示すA型結晶
変態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイ
マー7.1g(収率93.6%)を得た。
【0065】得られたものがμ−オキソ−ガリウムフタ
ロシアニンダイマーであることを確認するために、赤外
吸収スペクトル、FD-MSスペクトル及び元素分析の
測定を行った。赤外吸収スペクトルを図13、FD-M
Sスペクトルを図11に示す。また、元素分析の結果を
表2に示す。
【0066】
【表2】 C H N Cl Ga 理論値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 65.07 2.64 18.80 - 10.75
【0067】なお、FD-MS(電界脱離イオン化法)
の測定は、下記の条件で測定した。
【0068】
【表3】(1)測定法 測定機器 MS:JVS−DX303HF(JEOL社
製) 測定条件 FD法、カーボンエミッタ使用 分離能:1500又は500、35〜1700 M/Z 加速電圧:2.5kV イオンマルチプライヤ: 1.6〜1.8kV エミッタ電流:0〜40mA カソード電圧:5.0kV 試料:DMF溶液
【0069】(2)測定結果:図11 図中、横軸はM/Z[質量/電荷]、縦軸はRelative Abu
ndance[存在比]を示す。M/Z=1180[M+H]+
に、μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマーのピ
ークが確認される。
【0070】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.2
゜)の6.8゜、12.9゜、19.0゜、19.6゜、2
0.3゜、25.5゜、25.9゜及び26.9゜に回折ピ
ークを示す本発明のA型結晶変態であることが確認され
た。
【0071】実施例2 アモルホス型ダイマーの合成 実施例1で得られたA型μ−オキソ−ガリウムフタロシ
アニンダイマー7.0gと5mmφガラスビーズ80g
を広口瓶に仕込み、試験用分散器(所謂ペイントシェー
カー)を用いて2〜3日間乾式粉砕を行った。一部サン
プリングし、結晶変態の変化が止まったところで、ふる
いを用いてガラスビーズを分離し、6.8gのアモルホ
ス型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマーを青
色固体として得た。
【0072】この化合物のX線回析スペクトルを図2
に、赤外吸収スペクトルを図14に、FD-MSの結果
を図11に示す。また、この化合物の元素分析の結果を
表4に示す。
【0073】
【表4】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 64.68 2.71 18.58 - 10.80
【0074】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回折スペクトルから、得られたアモルホス型ダ
イマーは、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.1゜に回
析ピークを示し、7.1゜以外に明確な回析ピークを示
さない、本発明のアモルホス型結晶変態であることが確
認された。
【0075】実施例3 B型ダイマーの合成 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー1.0gにエチレングリコール
30mlを加え、室温で、16時間、ペイントシェーカ
ーにて湿式粉砕した。フタロシアニンダイマーを濾取
し、メタノール置換後減圧下乾燥し、0.96gのB型
μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマーを青色固
体として得た。この化合物のX線回析スペクトルを図3
に、FD-MSの結果を図11に示した。また、この化
合物の元素分析の結果を表5に示す。
【0076】
【表5】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 63.90 3.54 16.90 - 9.89
【0077】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.2
゜)の8.1゜、8.7゜、9.2゜、10.4゜、15.
1゜、15.9゜、17.0゜、21.7゜、22.3゜、
22.9゜、24.3゜、28.8゜、29.4゜及び3
0.5゜に回折ピークを示す本発明のB型結晶変態であ
ることが確認された。
【0078】実施例4 C型ダイマーの合成 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー1.0gにシクロヘキサノン3
0mlを加え、還流下、30〜40時間撹拌分散した。
放冷後、フタロシアニンダイマーを濾取し、メタノール
置換後減圧下乾燥し、0.61gのC型μ−オキソ−ガ
リウムフタロシアニンダイマーを青色固体として得た。
この化合物のX線回析スペクトルを図4に、FD-MS
の結果を図11に示した。また、この化合物の元素分析
の結果を表6に示す。
【0079】
【表6】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 62.72 3.48 14.97 - 10.64
【0080】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.2
゜)の7.7゜、16.0゜、24.9゜及び26.3゜に
回折ピークを示す本発明のC型結晶変態であることが確
認された。
【0081】実施例5 D型ダイマーの合成 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー1.0gにアミルアルコール3
0mlを加え、還流下、10時間撹拌分散した。放冷
後、フタロシアニンダイマーを濾取し、メタノール置換
後減圧下乾燥し、0.91gのD型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーを青色固体として得た。この
化合物のX線回析スペクトルを図5に、FD-MSの結
果を図11に示した。また、この化合物の元素分析の結
果を表7に示す。
【0082】
【表7】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 66.15 4.03 16.97 - 9.90
【0083】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.2
゜)の7.3゜、8.8゜、22.6゜、25.5゜及び2
7.8゜に回折ピークを示す本発明のD型結晶変態であ
ることが確認された。
【0084】実施例6 E型ダイマーの合成 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー1.0gにジグライム30ml
を加え、還流下、24時間撹拌分散した。放冷後、フタ
ロシアニンダイマーを濾取し、メタノール置換後減圧下
乾燥し、0.60gのE型μ−オキソ−ガリウムフタロ
シアニンダイマーを青色固体として得た。この化合物の
X線回析スペクトルを図6に、FD-MSの結果を図1
1に示した。また、この化合物の元素分析の結果を表8
に示す。
【0085】
【表8】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 66.60 2.87 18.50 - 10.60
【0086】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.2
゜)の7.7゜、16.3゜、24.2゜及び27.6゜に
回折ピークを示す本発明のE型結晶変態であることが確
認された。
【0087】実施例7 F型ダイマーの合成 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー1.0gにメチルセロソルブ
(エチレングリコールモノメチルエーテル)30mlを
加え、還流下、13時間撹拌分散した。放冷後、フタロ
シアニンダイマーを濾取し、メタノール置換後減圧下乾
燥し、0.88gのF型μ−オキソ−ガリウムフタロシ
アニンダイマーを青色固体として得た。この化合物のX
線回析スペクトルを図7に、FD-MSの結果を図11
に示した。また、この化合物の元素分析の結果を表9に
示す。
【0088】
【表9】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 67.07 3.29 17.76 - 10.35
【0089】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.2
゜)の7.7゜、8.2゜、11.1゜、12.4゜、1
3.3゜、15.3゜、18.5゜、18.8゜、22.1
゜、22.5゜、25.5゜、27.0゜、28.7゜、2
9.1゜及び29.4゜に回折ピークを示す本発明のF型
結晶変態であることが確認された。
【0090】実施例8 G型ダイマーの合成 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー1.0gにDMF30mlを加
え、室温で、10〜12時間撹拌分散した。フタロシア
ニンダイマーを濾取し、酢酸エチルで置換後、減圧下乾
燥し、0.84gのG型μ−オキソ−ガリウムフタロシ
アニンダイマーを青色固体として得た。この化合物のX
線回析スペクトルを図8に、FD-MSの結果を図11
に示した。また、この化合物の元素分析の結果を表10
に示す。
【0091】
【表10】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 63.76 2.85 18.65 - 10.07
【0092】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.2
゜)の7.4゜、9.9゜、12.5゜、12.9゜、1
6.1゜、18.5゜、21.9゜、22.2゜、24.0
゜、25.1゜、25.8゜及び28.2゜に回折ピーク
を示す本発明のG型結晶変態であることが確認された。
【0093】実施例9 H型ダイマーの合成 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー1.0gにシクロヘキサノン3
0mlを加え、室温で、8時間撹拌分散した。フタロシ
アニンダイマーを濾取し、メタノール置換後、減圧下乾
燥し、0.97gのH型μ−オキソ−ガリウムフタロシ
アニンダイマーを青色固体として得た。この化合物のX
線回析スペクトルを図9に、FD-MSの結果を図11
に示した。また、この化合物の元素分析の結果を表11
に示す。
【0094】
【表11】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 64.56 3.20 17.95 - 10.39
【0095】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.
2゜)の7.6゜、16.4゜、25.1゜及び26.6゜
に回折ピークを示す本発明のH型結晶変態であることが
確認された。
【0096】実施例10 I型ダイマーの合成 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー1.0gに1−クロロナフタレ
ン30mlを加え、還流下、10〜15時間撹拌分散し
た。放冷後、フタロシアニンダイマーを濾取し、メタノ
ール置換後減圧下乾燥し、0.86gのI型μ−オキソ
−ガリウムフタロシアニンダイマーを青色固体として得
た。この化合物のX線回析スペクトルを図10に、FD
-MSの結果を図11に示した。また、この化合物の元
素分析の結果を表12に示す。
【0097】
【表12】 C H N Cl Ga 計算値% 65.12 2.73 18.98 - 11.81 実測値% 64.68 2.71 18.58 - 10.80
【0098】以上より、本化合物は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマーであることを確認した。ま
た、X線回析スペクトルから、ブラッグ角度(2θ±0.2
゜)の6.5゜、13.1゜、19.0゜、19.7゜、2
5.4゜及び26.3゜に回折ピークを示す本発明のI型
結晶変態であることが確認された。
【0099】実施例1〜10の操作を表13に要約し
た。
【0100】
【表13】 実施例 原料フタロシアニン/溶媒 結晶変換条件 変換法 結晶変態 温度(℃) 時間 1 Cl-GaPc − − − A型 2 A型タ゛イマー 約室温 2〜3日 乾式粉砕 アモルホス型 3 Pc-Am/エチレンク゛リコール 室温 16時間 湿式粉砕 B型 4 Pc-Am/シクロヘキサノン 還流 30〜40時間 単純分散 C型 5 Pc-Am/アミルアルコール 還流 10時間 単純分散 D型 6 Pc-Am/シ゛ク゛ライム 還流 24時間 単純分散 E型 7 Pc-Am/メチルセロソルフ゛ 還流 13時間 単純分散 F型 8 Pc-Am/DMF 室温 10〜12時間 単純分散 G型 9 Pc-Am/シクロヘキサノン 室温 8時間 単純分散 H型 10 Pc-Am/1-クロロナフタレン 還流 10〜15時間 単純分散 I型 表中、Pc-Amは、実施例2で得られたアモルホス型ダイ
マーを示す。Cl-GaPcは、クロロガリウムフタロシアニ
ンを示す。
【0101】実施例11〜30 これらの実施例では、本発明の新規な結晶変態を有する
μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマーを積層型
電子写真感光体に応用した例を説明する。
【0102】実施例11 実施例1で得られたA型結晶変態を有する電荷発生材
(CG材)としてのμ−オキソ−ガリウムフタロシアニ
ンダイマー0.2g、ポリビニルブチラール樹脂[積水化学
社製のエレックスBH-3]0.2g、シクロヘキサノン59.6g
及び3mmφガラスビーズ50gを広口瓶に入れ、ペイントシ
ェーカーで1時間撹拌後、これをアルミニウム板上に膜
厚が0.5μmになるようバーコーターを用いて製膜し、風
乾させ電荷発生層を形成した。次に、電荷輸送材(CT
材)として1,1-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-4,
4'-ジフェニル-1,3-ブタジエン[高砂香料社製のT-40
5]1.5g、ポリカーボネート樹脂[帝人社製のパンライ
トL-1250]1.5g及び塩化メチレン57.0gを広口瓶に入
れ、超音波分散により均一な溶液を調製した。これを電
荷発生層の上に、バーコーターを用いて塗布し、室温で
乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した積層型電
子写真感光体を作製した。
【0103】実施例12 実施例11において用いたCT材:1,1-ビス(p-ジエチ
ルアミノフェニル)-4,4'-ジフェニル-1,3-ブタジエン
を、4-ベンジルアミノ-2-メチルベンズアルデヒド-1,1'
-ジフェニルヒドラゾン[高砂香料社製のCTC-191]に代
えた他は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作
製した。
【0104】実施例13 実施例11において用いたCG材:A型μ−オキソ−ガ
リウムフタロシアニンダイマー(A型ダイマー)を、ア
モルホス型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマ
ー(アモルホス型ダイマー)に代えた他は、実施例11
と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0105】実施例14〜30 実施例11で用いたCG材及びCT材を表12に示すも
のに代え、実施例11と同様にして本発明の電子写真感
光体を作製した。
【0106】比較例1 実施例12において用いたCG材としてのA型μ−オキ
ソ−ガリウムフタロシアニンダイマー(A型ダイマー)
の代りに、特公平3−35064号公報記載の方法によ
り合成したY型チタニルフタロシアニンを用いた以外は
実施例12と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0107】比較例2 実施例12において用いたCG材としてのA型μ−オキ
ソ−ガリウムフタロシアニンダイマー(A型ダイマー)
の代りに、特公平3−78872号公報記載の方法によ
り合成したX型無金属フタロシアニンを用いた以外は、
実施例12と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0108】比較例3 実施例12において用いたCG材としてのA型μ−オキ
ソ−ガリウムフタロシアニンダイマー(A型ダイマー)
の代りに、合成例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニンを用いた以外は実施例12と同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0109】感光体特性評価 上記実施例11〜30及び比較例1〜3において作製し
た感光体を用いて、電子写真特性の測定を行った。測定
は、静電気帯電試験装置EPA−8200[川口電気社
製]を用い、−8.0kVでSTAT3モードで帯電
し、2.0秒間暗所放置後、5.0luxの白色光を1
0.0秒間照射して、帯電電位(Vo)、半減露光量感度
(E1/2)、残留電位(Vr)について測定し評価し
た。以上の測定結果を表14にまとめた。
【0110】
【表14】 CG材 CT材 帯電電位 半減露光量 残留電位実施例 結晶変態/処理溶媒 V0(V) E1/2(Lux・sec) Vr(V) 11 A型/ − T-405 -196 4.97 -4.3 12 A型/ − CTC-191 -259 6.40 -6.7 13 アモルホス型/ − T-405 -120 2.04 -4.7 14 アモルホス型/ − CTC-191 -160 4.09 -1.3 15 B型/エチレンク゛リコール T-405 -175 4.06 -5.0 16 B型/エチレンク゛リコール CTC-191 -237 - -8.3 17 C型/シクロヘキサノン T-405 -189 7.46 -5.3 18 C型/シクロヘキサノン CTC-191 -239 18.55 -38.0 19 D型/アミルアルコール T-405 -139 1.94 -5.3 20 D型/アミルアルコール CTC-191 -194 6.05 -4.0 21 E型/シ゛ク゛ライム T-405 -234 5.89 -4.7 22 E型/シ゛ク゛ライム CTC-191 -248 9.54 -12.3 23 F型/メチルセロソルフ゛ T-405 -195 5.47 -3.7 24 F型/メチルセロソルフ゛ CTC-191 -234 - -12.7 25 G型/DMF T-405 -132 0.82 -5.7 26 G型/DMF CTC-191 -218 1.51 -1.3 27 H型/シクロヘキサノン T-405 -185 3.56 -5.0 28 H型/シクロヘキサノン CTC-191 -232 8.42 -5.0 29 I型/1-クロロナフタレン T-405 -137 2.18 -5.0 30 I型/1-クロロナフタレン CTC-191 -184 3.13 0.0 比較例 1 チタニルフタロシアニン CTC-191 -173 1.09 -2.0 2 X型無金属フタロシアニン CTC-191 -195 4.09 -2.0 3 クロロカ゛リウムフタロシアニン CTC-191 -240 8.29 -7.7 DMF :ジメチルホルムアミド T-405 :1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4'−ジフェニ ル−1,3−ブタジエン[高砂香料社製] CTC-191:4−ベンジルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド−1,1'−ジ フェニルヒドラゾン[高砂香料社製] − :評価不能
【0111】実施例31 実施例26のG型ダイマー、実施例30のI型ダイマ
ー、比較例1のY型チタニルフタロシアニン及び比較例
2のX型無金属フタロシアニンをCG材として用いて、
実施例11と同様にして積層型電子写真感光体をそれぞ
れ作製した。
【0112】バンドパス干渉フィルターを用いて450
〜900nmの間において50nm間隔で照射光の波長
を変化させること以外は上述の感光体特性評価と同様に
して、電子写真感光体を帯電させた。露光エネルギーは
1.00μWとした。それぞれの波長における初期帯電
量(Vmax[V])及び半減露光感度(E1/2[μJ/c
2])を測定した。結果を図15に示す。
【0113】次いで、実施例26のG型ダイマー、比較
例1のY型チタニルフタロシアニン及び比較例2のX型
無金属フタロシアニンをCG材として用いて、実施例1
1と同様にして積層型電子写真感光体をそれぞれ作製し
た。
【0114】静電気帯電試験装置EPA−8200を耐
久性測定モードとし、感光体特性評価と同様の条件で、
電子写真感光体を帯電させた。耐久性測定モードでは、
帯電する操作を約100回繰り返した。そして、それに
伴う帯電電位(Vo)、半減露光量感度(E1/2)の変化
を測定した。結果を図16及び図17に示す。
【0115】
【発明の効果】特にD型、E型、F型、G型及びI型ダ
イマーを用いた電子写真感光体は、感光特性が良好であ
った。なかでもG型、I型ダイマーを用いたものは再現
性もよく、優れた感光体特性を示した。
【0116】Y型チタニルフタロシアニンやX型無金属
フタロシアニンについて同じ条件で評価した結果と比較
すると、本発明のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン
ダイマーは、感光体の電荷発生材として実用し得ること
が解る。なお、バインダーや電荷輸送材等とのマッチン
グに関しては、鋭意研究中である。
【0117】本発明のμ−オキソ−ガリウムフタロシア
ニンダイマーは、半減露光量感度に於いてはX型無金属
フタロシアニン以上の感度を有し、また、繰り返し耐久
性についてはチタニルフタロシアニンに比べ格段に優れ
るものであって、電子写真感光体の電荷発生剤として有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたA型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルであ
る。
【図2】 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキソ
−ガリウムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクト
ルである。
【図3】 実施例3で得られたB型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルであ
る。
【図4】 実施例4で得られたC型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルであ
る。
【図5】 実施例5で得られたD型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルであ
る。
【図6】 実施例6で得られたE型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルであ
る。
【図7】 実施例7で得られたF型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルであ
る。
【図8】 実施例8で得られたG型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルであ
る。
【図9】 実施例9で得られたH型μ−オキソ−ガリウ
ムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルであ
る。
【図10】 実施例10で得られたI型μ−オキソ−ガ
リウムフタロシアニンダイマーのX線回折スペクトルで
ある。
【図11】 本発明のμ−オキソ−ガリウムフタロシア
ニンダイマーのFD-MSスペクトルである。
【図12】 合成例1で得られたクロロガリウムフタロ
シアニンのX線回折スペクトルである。
【図13】 実施例1で得られたA型μ−オキソ−ガリ
ウムアルミニウムフタロシアニンダイマーの赤外吸収ス
ペクトルである。
【図14】 実施例2で得られたアモルホス型μ−オキ
ソ−ガリウムアルミニウムフタロシアニンダイマーの赤
外吸収スペクトルである。
【図15】 本発明の感光体の分光感度を示すグラフで
ある。
【図16】 本発明の感光体の電位耐久性を示すグラフ
である。
【図17】 本発明の感光体の感度耐久性を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−328621(JP,A) 特開 平9−217020(JP,A) 特開 平8−269356(JP,A) 特開 平7−295259(JP,A) 特開 平7−292270(JP,A) 特開 平7−292269(JP,A) 特開 平7−292268(JP,A) 特開 平4−362653(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 67/50 C07D 519/00 G03G 5/06

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の6.8゜、12.9
    ゜、19.0゜、19.6゜、20.3゜、25.5゜、2
    5.9゜及び26.9゜に回折ピークを示す結晶変態を有
    するμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー[A
    型]。
  2. 【請求項2】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.1゜に回析ピ
    ークを示し、7.1゜以外に明確な回析ピークを示さな
    いμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー[アモ
    ルホス型]。
  3. 【請求項3】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の8.1゜、8.7
    ゜、9.2゜、10.4゜、15.1゜、15.9゜、1
    7.0゜、21.7゜、22.3゜、22.9゜、24.3
    ゜、28.8゜、29.4゜及び30.5゜に回折ピーク
    を示す結晶変態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシ
    アニンダイマー[B型]。
  4. 【請求項4】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.7゜、16.0
    ゜、24.9゜及び26.3゜に回折ピークを示す結晶変
    態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマ
    ー[C型]。
  5. 【請求項5】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.3゜、8.8
    ゜、22.6゜、25.5゜及び27.8゜に回折ピーク
    を示す結晶変態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシ
    アニンダイマー[D型]。
  6. 【請求項6】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.7゜、16.3
    ゜、24.2゜及び27.6゜に回折ピークを示す結晶変
    態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマ
    ー[E型]。
  7. 【請求項7】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.7゜、8.2
    ゜、11.1゜、12.4゜、13.3゜、15.3゜、1
    8.5゜、18.8゜、22.1゜、22.5゜、25.5
    ゜、27.0゜、28.7゜、29.1゜及び29.4゜に
    回折ピークを示す結晶変態を有するμ−オキソ−ガリウ
    ムフタロシアニンダイマー[F型]。
  8. 【請求項8】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.4゜、9.9
    ゜、12.5゜、12.9゜、16.1゜、18.5゜、2
    1.9゜、22.2゜、24.0゜、25.1゜、25.8
    ゜及び28.2゜に回折ピークを示す結晶変態を有する
    μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー[G
    型]。
  9. 【請求項9】 CuKα線によるX線回折スペクトルにお
    いて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.6゜、16.4
    ゜、25.1゜及び26.6゜に回折ピークを示す結晶変
    態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマ
    ー[H型]。
  10. 【請求項10】 CuKα線によるX線回折スペクトルに
    おいて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の6.5゜、13.
    1゜、19.0゜、19.7゜、25.4゜及び26.3゜
    に回折ピークを示す結晶変態を有するμ−オキソ−ガリ
    ウムフタロシアニンダイマー[I型]。
  11. 【請求項11】 クロロガリウムフタロシアニンを得る
    工程、得られたクロロガリウムフタロシアニンを濃硫酸
    を用いてアシッドペースティングする工程、及び水不混
    和性有機溶媒中で加熱脱水する工程、を包含する請求項
    1記載のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー
    [A型]の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の方法で得られたμ−
    オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー[A型]を乾
    式粉砕する工程を包含する請求項2記載のμ−オキソ−
    ガリウムフタロシアニンダイマー[アモルホス型]の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の方法で得られたμ−
    オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマーを有機溶媒中
    単純分散もしくは湿式粉砕する工程を包含する請求項3
    〜10のいずれか記載のμ−オキソ−ガリウムフタロシ
    アニンダイマーの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜10いずれか記載の結晶変
    態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマ
    ーを電荷発生材として用いた電子写真感光体。
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