JP3221536B2 - ダブルカバリング弾性糸 - Google Patents
ダブルカバリング弾性糸Info
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- JP3221536B2 JP3221536B2 JP02544494A JP2544494A JP3221536B2 JP 3221536 B2 JP3221536 B2 JP 3221536B2 JP 02544494 A JP02544494 A JP 02544494A JP 2544494 A JP2544494 A JP 2544494A JP 3221536 B2 JP3221536 B2 JP 3221536B2
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- denier
- elastic yarn
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタン弾性糸等
を芯糸として、そのまわりに下糸、上糸を同一方向に巻
き付けてなるダブルカバリング弾性糸に関する。
を芯糸として、そのまわりに下糸、上糸を同一方向に巻
き付けてなるダブルカバリング弾性糸に関する。
【０００２】
【従来の技術】ポリウレタン弾性糸等にポリアミド系合
成繊維マルチフイラメントを巻き付けたカバリング弾性
糸は、ストッキング、パンティストッキングなどに広範
に用いられている。ストッキングにおいては、該カバリ
ング弾性糸の糸使いとして、一般には、ポリアミド系合
成繊維マルチフイラメントを一本おきに用いたいわゆる
交編タイプが主流であり、消費者に多く受け入れられて
いる。ところで、前記カバリング弾性糸には、被覆用糸
としてポリアミド系合成繊維マルチフイラメントを弾性
糸のまわりに一重に巻き付けたシングルカバリング弾性
糸と、ポリアミド系合成繊維マルチフイラメントを下
糸、上糸に用いて巻付方向を異にして弾性糸のまわりに
巻き付けたダブルカバリング弾性糸とがある。
成繊維マルチフイラメントを巻き付けたカバリング弾性
糸は、ストッキング、パンティストッキングなどに広範
に用いられている。ストッキングにおいては、該カバリ
ング弾性糸の糸使いとして、一般には、ポリアミド系合
成繊維マルチフイラメントを一本おきに用いたいわゆる
交編タイプが主流であり、消費者に多く受け入れられて
いる。ところで、前記カバリング弾性糸には、被覆用糸
としてポリアミド系合成繊維マルチフイラメントを弾性
糸のまわりに一重に巻き付けたシングルカバリング弾性
糸と、ポリアミド系合成繊維マルチフイラメントを下
糸、上糸に用いて巻付方向を異にして弾性糸のまわりに
巻き付けたダブルカバリング弾性糸とがある。
【０００３】シングルカバリング弾性糸を用いたストッ
キングは、被覆用糸が片側巻であるため、芯糸の弾性糸
との間に空隙があり、カバリング弾性糸が太く見え、透
明感が低下し、かつ、被覆性が低いため着用時の芯糸の
弾性糸の摩耗性が大きく、耐久性が悪いという欠点があ
った。ダブルカバリング弾性糸を用いたストッキング
は、被覆用糸として内側に用いた下糸、外側に用いた上
糸を巻付方向を異にして二重に巻き付けている構造のカ
バリング弾性糸を用いているために、芯糸の弾性糸との
間に空隙が少なく、そのため伸縮性に乏しく、また、被
覆用糸としての下糸、上糸とが巻付方向を異にして重な
っているため、肌触りがシングルカバリング弾性糸に比
べて悪く、かつ、被覆性を上げるために撚数を非常に大
きくしており、そのために生産コストが非常にかかると
いう欠点があった。
キングは、被覆用糸が片側巻であるため、芯糸の弾性糸
との間に空隙があり、カバリング弾性糸が太く見え、透
明感が低下し、かつ、被覆性が低いため着用時の芯糸の
弾性糸の摩耗性が大きく、耐久性が悪いという欠点があ
った。ダブルカバリング弾性糸を用いたストッキング
は、被覆用糸として内側に用いた下糸、外側に用いた上
糸を巻付方向を異にして二重に巻き付けている構造のカ
バリング弾性糸を用いているために、芯糸の弾性糸との
間に空隙が少なく、そのため伸縮性に乏しく、また、被
覆用糸としての下糸、上糸とが巻付方向を異にして重な
っているため、肌触りがシングルカバリング弾性糸に比
べて悪く、かつ、被覆性を上げるために撚数を非常に大
きくしており、そのために生産コストが非常にかかると
いう欠点があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ストッキン
グやパンティストッキング等の素材として、有用な耐久
性、透明感、肌触り、伸縮性に優れ、生産コストを従来
より大幅に低減することのできるダブルカバリング弾性
糸を提供することを課題としている。
グやパンティストッキング等の素材として、有用な耐久
性、透明感、肌触り、伸縮性に優れ、生産コストを従来
より大幅に低減することのできるダブルカバリング弾性
糸を提供することを課題としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段、即ち本発明の第１は、弾性糸からなる芯糸に、
巻付方向を同一にして上糸及び下糸を巻き付けてなるダ
ブルカバリング弾性糸であって、前記上糸及び下糸を夫
々構成する単糸の太さが０．３〜２．０デニールの範囲
にあり、前記上糸の巻付撚数：Ｔ1（ｔ／ｍ）に対する
前記下糸の巻付撚数：Ｔ2（ｔ／ｍ）の比（Ｔ2／Ｔ1）
が０．５〜１．０の範囲にあり、該上糸の巻付撚数Ｔ1
（ｔ／ｍ）が下式１を満足することを特徴とするダブル
カバリング弾性糸であり、 （式１） ６０００／〔（Ｄ1／ＤＦ）＋１．３Ｄ2＋Ｄ3〕1/2≦Ｔ1≦１３０００／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2＋Ｄ3〕1/2 式１において、弾性糸の太さＤ1（デニール）は１０デ
ニール≦Ｄ1≦７０デニールの範囲にあり、巻付時の弾
性糸ドラフト率ＤＦ（倍）は、２．０倍≦ＤＦ≦４．０
倍の範囲にあり、下糸の太さＤ2（デニール）は５デニ
ール≦Ｄ2≦２０デニールの範囲にあり、上糸の太さＤ3
（デニール）は５デニール≦Ｄ3≦２０デニールの範囲
にある。その第２は、上糸及び下糸がポリアミド系合成
繊維マルチフィラメントである請求項１に記載のダブル
カバリング弾性糸であり、その第３は、上糸及び下糸が
１０デニール以下で繊度が同一である請求項１または２
に記載のダブルカバリング弾性糸であり、その第４は、
上糸及び下糸をそれぞれ構成する単糸の太さが同一であ
る請求項１，２または３に記載のダブルカバリング弾性
糸である。
の手段、即ち本発明の第１は、弾性糸からなる芯糸に、
巻付方向を同一にして上糸及び下糸を巻き付けてなるダ
ブルカバリング弾性糸であって、前記上糸及び下糸を夫
々構成する単糸の太さが０．３〜２．０デニールの範囲
にあり、前記上糸の巻付撚数：Ｔ1（ｔ／ｍ）に対する
前記下糸の巻付撚数：Ｔ2（ｔ／ｍ）の比（Ｔ2／Ｔ1）
が０．５〜１．０の範囲にあり、該上糸の巻付撚数Ｔ1
（ｔ／ｍ）が下式１を満足することを特徴とするダブル
カバリング弾性糸であり、 （式１） ６０００／〔（Ｄ1／ＤＦ）＋１．３Ｄ2＋Ｄ3〕1/2≦Ｔ1≦１３０００／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2＋Ｄ3〕1/2 式１において、弾性糸の太さＤ1（デニール）は１０デ
ニール≦Ｄ1≦７０デニールの範囲にあり、巻付時の弾
性糸ドラフト率ＤＦ（倍）は、２．０倍≦ＤＦ≦４．０
倍の範囲にあり、下糸の太さＤ2（デニール）は５デニ
ール≦Ｄ2≦２０デニールの範囲にあり、上糸の太さＤ3
（デニール）は５デニール≦Ｄ3≦２０デニールの範囲
にある。その第２は、上糸及び下糸がポリアミド系合成
繊維マルチフィラメントである請求項１に記載のダブル
カバリング弾性糸であり、その第３は、上糸及び下糸が
１０デニール以下で繊度が同一である請求項１または２
に記載のダブルカバリング弾性糸であり、その第４は、
上糸及び下糸をそれぞれ構成する単糸の太さが同一であ
る請求項１，２または３に記載のダブルカバリング弾性
糸である。
【０００６】
【０００７】
【０００８】
【０００９】
【００１０】
【００１１】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、芯糸たる弾性糸のまわりに、被覆用糸として下
糸、上糸とが巻付方向を同方向にして巻き付いているわ
けであるが、弾性糸としてはスパンデックス繊維と一般
に云われているポリウレタン弾性糸が好適であるが、ポ
リエステル系、ポリアクリル系弾性糸であってもよい。
おいて、芯糸たる弾性糸のまわりに、被覆用糸として下
糸、上糸とが巻付方向を同方向にして巻き付いているわ
けであるが、弾性糸としてはスパンデックス繊維と一般
に云われているポリウレタン弾性糸が好適であるが、ポ
リエステル系、ポリアクリル系弾性糸であってもよい。
【００１２】本発明において、下糸、上糸はともに巻付
方向を同方向にして芯糸の弾性糸のまわりに巻き付けら
れており、これによって、上糸、下糸が芯糸の弾性糸の
まわりに巻付方向を異にして巻き付いて締め付け、その
ために伸縮の回復性を阻害し、肌触りが悪い従来のダブ
ルカバリング弾性糸の欠点を解消するものである。従来
のダブルカバリング弾性糸のように上糸と下糸を異方向
に巻き付けたのではストッキングとして求められる伸縮
性と肌触り感を得ることができないのである。
方向を同方向にして芯糸の弾性糸のまわりに巻き付けら
れており、これによって、上糸、下糸が芯糸の弾性糸の
まわりに巻付方向を異にして巻き付いて締め付け、その
ために伸縮の回復性を阻害し、肌触りが悪い従来のダブ
ルカバリング弾性糸の欠点を解消するものである。従来
のダブルカバリング弾性糸のように上糸と下糸を異方向
に巻き付けたのではストッキングとして求められる伸縮
性と肌触り感を得ることができないのである。
【００１３】また、本発明における上糸の巻付撚数Ｔ1
（ｔ／ｍ）は数２の式を満足することが重要である。こ
こで、Ｔ1 が６０００／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2
＋Ｄ 3 〕1/2 未満であると、ストッキングの伸縮性が劣
り、肌触り感が悪くなり、耐久性が劣ると共に透明感が
低下する。この大きな理由は、芯糸の弾性糸に対する被
覆性が小さくなるためである。他方、Ｔ1 が１３０００
／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2 ＋Ｄ3 〕1/2 をこえる
と、ダブルカバリング弾性糸のトルクが大きくなるため
にキンクが発生し、編立性が著しく不良になり、さらに
ストッキングの肌触りも悪くなり、場合によっては二重
撚りが発生し、カバリング弾性糸が太くなって透明感が
低下してしまい、また、コストが大きくなるので好まし
くない。
（ｔ／ｍ）は数２の式を満足することが重要である。こ
こで、Ｔ1 が６０００／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2
＋Ｄ 3 〕1/2 未満であると、ストッキングの伸縮性が劣
り、肌触り感が悪くなり、耐久性が劣ると共に透明感が
低下する。この大きな理由は、芯糸の弾性糸に対する被
覆性が小さくなるためである。他方、Ｔ1 が１３０００
／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2 ＋Ｄ3 〕1/2 をこえる
と、ダブルカバリング弾性糸のトルクが大きくなるため
にキンクが発生し、編立性が著しく不良になり、さらに
ストッキングの肌触りも悪くなり、場合によっては二重
撚りが発生し、カバリング弾性糸が太くなって透明感が
低下してしまい、また、コストが大きくなるので好まし
くない。
【００１４】なお、上記弾性糸の太さＤ1 は１０デニー
ル未満になるとカバリング工程での糸切れが多発すると
共にストッキングにしたときの耐久性が非常に悪くなっ
て好ましくなく、他方７０デニールをこえるとストッキ
ングにしたときの求める透明感が悪くなって好ましくな
い。それ故、Ｄ1 は、１０デニール≦Ｄ1 ≦７０デニー
ルを満足しなければならない。
ル未満になるとカバリング工程での糸切れが多発すると
共にストッキングにしたときの耐久性が非常に悪くなっ
て好ましくなく、他方７０デニールをこえるとストッキ
ングにしたときの求める透明感が悪くなって好ましくな
い。それ故、Ｄ1 は、１０デニール≦Ｄ1 ≦７０デニー
ルを満足しなければならない。
【００１５】また、巻付時の弾性糸のドラフト率ＤＦが
２．０倍未満になるとカバリング工程での糸切れが非常
に多くなり、ストッキングにしたときの製品の伸縮性が
劣り、他方、４．０倍をこえると同じくカバリング工程
での糸切れが多くなり、その上、編立時にびりが入り、
編地が不均一となり好ましくない。また、下糸の太さＤ
2 が５デニール未満であるとカバリング弾性糸の被覆性
が劣り、且つストッキングにしたときの製品の耐久性が
悪くなり、２０デニールをこえるとストッキングにした
ときの透明感が悪くなって好ましくない。さらに、上糸
の太さＤ3 が５デニール未満になるとカバリング弾性糸
の被覆性が劣り、且つ、ストッキングとしたときの耐久
性が悪くなって好ましくなく、Ｄ3 が２０デニールをこ
えるとストッキングにしたときの透明感が悪くなって好
ましくない。また、下糸の太さＤ2 の１．３倍すなわ
ち、１．３Ｄ2 を用いるのは、上糸に比べて下糸が巻き
付けられた状態ではカバリング弾性糸の径が約１．３倍
小いためである。
２．０倍未満になるとカバリング工程での糸切れが非常
に多くなり、ストッキングにしたときの製品の伸縮性が
劣り、他方、４．０倍をこえると同じくカバリング工程
での糸切れが多くなり、その上、編立時にびりが入り、
編地が不均一となり好ましくない。また、下糸の太さＤ
2 が５デニール未満であるとカバリング弾性糸の被覆性
が劣り、且つストッキングにしたときの製品の耐久性が
悪くなり、２０デニールをこえるとストッキングにした
ときの透明感が悪くなって好ましくない。さらに、上糸
の太さＤ3 が５デニール未満になるとカバリング弾性糸
の被覆性が劣り、且つ、ストッキングとしたときの耐久
性が悪くなって好ましくなく、Ｄ3 が２０デニールをこ
えるとストッキングにしたときの透明感が悪くなって好
ましくない。また、下糸の太さＤ2 の１．３倍すなわ
ち、１．３Ｄ2 を用いるのは、上糸に比べて下糸が巻き
付けられた状態ではカバリング弾性糸の径が約１．３倍
小いためである。
【００１６】さらに、下糸の巻付撚数Ｔ2 （ｔ／ｍ）は
上糸の巻付撚数Ｔ1 （ｔ／ｍ）に対して、０．５≦Ｔ2
／Ｔ1 ≦１．０の関係になければならない。下糸の巻付
撚数Ｔ2 を上糸の撚数Ｔ1 以下にすることで上糸が下糸
を多く被覆し、芯糸の弾性糸と被覆用糸である上糸、下
糸との間の空隙を無くし、ダブルカバリング弾性糸自身
を細く見えさせ、透明感を向上させるためである。
上糸の巻付撚数Ｔ1 （ｔ／ｍ）に対して、０．５≦Ｔ2
／Ｔ1 ≦１．０の関係になければならない。下糸の巻付
撚数Ｔ2 を上糸の撚数Ｔ1 以下にすることで上糸が下糸
を多く被覆し、芯糸の弾性糸と被覆用糸である上糸、下
糸との間の空隙を無くし、ダブルカバリング弾性糸自身
を細く見えさせ、透明感を向上させるためである。
【００１７】また、上糸の方が下糸よりも被覆度が大き
いために、着用中の摩耗が上糸から先に起こるために芯
糸の弾性糸の摩耗が起こりにくくなり、ストッキングに
したときの耐久性が向上するのである。なお、Ｔ2 ／Ｔ
1 が０．５未満になると下糸での被覆性が小さくなり、
弾性糸の摩耗性が悪くなって好ましくない。さらに、Ｔ
2 ／Ｔ1 は、０．７≦Ｔ2 ／Ｔ1 ≦０．９の範囲にある
のが好ましい。また、上糸の巻付撚数Ｔ1 は、８０００
／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2 ＋Ｄ3 〕1/2≦Ｔ1 ≦
１００００／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2 ＋Ｄ3 〕
1/2 を満足することが好ましい。
いために、着用中の摩耗が上糸から先に起こるために芯
糸の弾性糸の摩耗が起こりにくくなり、ストッキングに
したときの耐久性が向上するのである。なお、Ｔ2 ／Ｔ
1 が０．５未満になると下糸での被覆性が小さくなり、
弾性糸の摩耗性が悪くなって好ましくない。さらに、Ｔ
2 ／Ｔ1 は、０．７≦Ｔ2 ／Ｔ1 ≦０．９の範囲にある
のが好ましい。また、上糸の巻付撚数Ｔ1 は、８０００
／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2 ＋Ｄ3 〕1/2≦Ｔ1 ≦
１００００／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2 ＋Ｄ3 〕
1/2 を満足することが好ましい。
【００１８】また、被覆用糸である上糸、下糸を夫々構
成する単糸は、０．３〜２．０の範囲になければならな
い。この条件を満たすことにより他の条件と相俟って、
伸縮性、肌触り、透明性、耐久性が揃って満たされるの
である。ここで、単糸の太さが０．３デニール未満であ
ると、単糸一本一本のねじれモーメントが小さいため伸
縮性が不良となり、また、摩耗等による耐久性が全く満
たされなくなり好ましくなく、他方、２．０デニールを
こえると肌触りが不良となり、また、透明性が低下して
しまい好ましくない。特に０．７〜１．５デニールが好
ましい。
成する単糸は、０．３〜２．０の範囲になければならな
い。この条件を満たすことにより他の条件と相俟って、
伸縮性、肌触り、透明性、耐久性が揃って満たされるの
である。ここで、単糸の太さが０．３デニール未満であ
ると、単糸一本一本のねじれモーメントが小さいため伸
縮性が不良となり、また、摩耗等による耐久性が全く満
たされなくなり好ましくなく、他方、２．０デニールを
こえると肌触りが不良となり、また、透明性が低下して
しまい好ましくない。特に０．７〜１．５デニールが好
ましい。
【００１９】また、被覆用糸である上糸、下糸は、好ま
しくは１５デニール以下であるが、さらに、好ましくは
１０デニール以下が良い。透明感を出すためである。ま
た、上糸と下糸とは同一デニールであることが好まし
い。これは、カバリング弾性糸の耐久性と透明性をバラ
ンス良く良好にするとともに生産管理をしやすくなるた
めである。さらに、上糸及び下糸を夫々構成する単糸の
太さは同一とするこが好ましい。これは、ストッキング
にしたときの肌触り感と耐久性をバランス良く良好にす
るためである。
しくは１５デニール以下であるが、さらに、好ましくは
１０デニール以下が良い。透明感を出すためである。ま
た、上糸と下糸とは同一デニールであることが好まし
い。これは、カバリング弾性糸の耐久性と透明性をバラ
ンス良く良好にするとともに生産管理をしやすくなるた
めである。さらに、上糸及び下糸を夫々構成する単糸の
太さは同一とするこが好ましい。これは、ストッキング
にしたときの肌触り感と耐久性をバランス良く良好にす
るためである。
【００２０】なお、上糸及び下糸としては、ポリアミド
系合成繊維マルチフイラメントが好ましく、艶消し剤と
しての酸化チタン等や逆に透明感を向上させる添加物を
含んだものであっても良く、さらに断面形状は非円形で
あっても良く、下糸と上糸で異なったものを用いても良
い。
系合成繊維マルチフイラメントが好ましく、艶消し剤と
しての酸化チタン等や逆に透明感を向上させる添加物を
含んだものであっても良く、さらに断面形状は非円形で
あっても良く、下糸と上糸で異なったものを用いても良
い。
【００２１】芯糸のまわりに、被覆用糸を巻き付けるカ
バリング糸の製造方法は、芯糸のまわりに被覆用糸を順
次巻付方向と同じにして二重に巻き付けるダブルカバリ
ングする方法などを利用して行なわれる。
バリング糸の製造方法は、芯糸のまわりに被覆用糸を順
次巻付方向と同じにして二重に巻き付けるダブルカバリ
ングする方法などを利用して行なわれる。
【００２２】
実施例１〜２、比較例１〜４、従来例１ ２８デニールのスパンデックス繊維を３．３倍にドラフ
ト（伸張）しつつ、通常のカバリング機（最高スピンド
ル回転数３００００ＲＰＭ）でダブルカバリングを行っ
た。このときの生産スピードについては上下のスピンド
ル回転の大きいほうを３００００ＲＰＭで統一した。こ
のとき用いた被覆用糸はナイロン６繊維を用い、デニー
ルとフイラメント数及び上糸と下糸の撚数、撚り方向は
表１の通りである。
ト（伸張）しつつ、通常のカバリング機（最高スピンド
ル回転数３００００ＲＰＭ）でダブルカバリングを行っ
た。このときの生産スピードについては上下のスピンド
ル回転の大きいほうを３００００ＲＰＭで統一した。こ
のとき用いた被覆用糸はナイロン６繊維を用い、デニー
ルとフイラメント数及び上糸と下糸の撚数、撚り方向は
表１の通りである。
【００２３】
【表１】
【００２４】そして得られたダブルカバリング弾性糸と
１５デニール５フイラメントのナイロン６繊維を１コー
ス毎に４本給糸でダブルカバリング弾性糸の巻き方向が
交互になるようにストッキングを編成し、染色仕上げを
実施した。そして出来上がったストッキングを１０人の
モニターにより着用テストを実施した。
１５デニール５フイラメントのナイロン６繊維を１コー
ス毎に４本給糸でダブルカバリング弾性糸の巻き方向が
交互になるようにストッキングを編成し、染色仕上げを
実施した。そして出来上がったストッキングを１０人の
モニターにより着用テストを実施した。
【００２５】各々の実施例と比較例と従来例との評価に
ついては、主にモニターによるアンケート方式での結果
である。耐久性については、１０人のモニターが通常の
オフイス作業において毎日着用できなくなるまでの平均
日数を示す。
ついては、主にモニターによるアンケート方式での結果
である。耐久性については、１０人のモニターが通常の
オフイス作業において毎日着用できなくなるまでの平均
日数を示す。
【００２６】コア切れについても同様の着用テストにお
いて、６日間の着用時点でのかかと部分とダブルカバリ
ング弾性糸の芯糸であるスパンデックス繊維が切れてい
る状態を次の状態で点数化し、平均したものである。 発生なし：１級 少し発生：２級 発生する：３級 多く発生：４級 コア切れ原因で破れる：５級
いて、６日間の着用時点でのかかと部分とダブルカバリ
ング弾性糸の芯糸であるスパンデックス繊維が切れてい
る状態を次の状態で点数化し、平均したものである。 発生なし：１級 少し発生：２級 発生する：３級 多く発生：４級 コア切れ原因で破れる：５級
【００２７】透明性については着用状態と包装した状態
とを目視判定し、伸縮性、光沢、肌触り感についても同
様にモニターに判定してもらい、以下の状態で点数化
し、平均したものである。 非常に優れている：１点 やや優れている：２点 どち
らともいえない：３点 やや劣っている：４点 非常に劣っている：５点
とを目視判定し、伸縮性、光沢、肌触り感についても同
様にモニターに判定してもらい、以下の状態で点数化
し、平均したものである。 非常に優れている：１点 やや優れている：２点 どち
らともいえない：３点 やや劣っている：４点 非常に劣っている：５点
【００２８】また、キングの個数についてはパンティス
トッキングの編立後、パンティ部とレッグ部の切り換る
部分でのスナールの個数について、１０足分を数え、平
均化したものである。
トッキングの編立後、パンティ部とレッグ部の切り換る
部分でのスナールの個数について、１０足分を数え、平
均化したものである。
【００２９】被覆性については、ダブルカバリング弾性
糸を伸張した状態し、ストッキングを製品としたときの
置寸状態での表面状態を共に拡大鏡で観察し、ダブルカ
バリング弾性糸の上糸、下糸の被覆状態を１０人のモニ
ターに以下の基準で判定してもらい、平均化したもので
ある。 非常に優れている：１点 やや優れている：２点 どち
らもいえない：３点 やや劣っている：４点 非常に劣っている：５点
糸を伸張した状態し、ストッキングを製品としたときの
置寸状態での表面状態を共に拡大鏡で観察し、ダブルカ
バリング弾性糸の上糸、下糸の被覆状態を１０人のモニ
ターに以下の基準で判定してもらい、平均化したもので
ある。 非常に優れている：１点 やや優れている：２点 どち
らもいえない：３点 やや劣っている：４点 非常に劣っている：５点
【００３０】また、ダブルカバリング弾性糸の生産コス
トについてはカバリング糸の生産巻取スピード１ｍ／ｍ
ｉｎを１カウントとし、計算した。以上についての評価
の結果を表２に示す。
トについてはカバリング糸の生産巻取スピード１ｍ／ｍ
ｉｎを１カウントとし、計算した。以上についての評価
の結果を表２に示す。
【００３１】
【表２】
【００３２】表２の結果から分かるように実施例１及び
２では、カバリングコストが従来の上糸と下糸のより方
向を変え、撚数を大きくした従来例１に対してカバリン
グコストが約６０〜７０％で済むという高生産性が実現
でき、耐久性についても全く遜色なく、むしろ向上する
という素晴らしい結果であった。コア切れ、透明性、伸
縮性、光沢、肌触りについても、従来のダブルカバリン
グ弾性糸である従来例１に対して優れている。被覆性も
少ない撚数で従来例１と同程度にすることができた。
２では、カバリングコストが従来の上糸と下糸のより方
向を変え、撚数を大きくした従来例１に対してカバリン
グコストが約６０〜７０％で済むという高生産性が実現
でき、耐久性についても全く遜色なく、むしろ向上する
という素晴らしい結果であった。コア切れ、透明性、伸
縮性、光沢、肌触りについても、従来のダブルカバリン
グ弾性糸である従来例１に対して優れている。被覆性も
少ない撚数で従来例１と同程度にすることができた。
【００３３】比較例１では、撚数が小さすぎるため、耐
久性が劣り、コア切れも多く、伸縮性、光沢、肌触りも
若干劣るものとなった。
久性が劣り、コア切れも多く、伸縮性、光沢、肌触りも
若干劣るものとなった。
【００３４】比較例２では、上糸より下糸の撚数が大き
かったため、耐久性が劣り、また、透明性が劣るものと
なってしまう。
かったため、耐久性が劣り、また、透明性が劣るものと
なってしまう。
【００３５】比較例３では、一方の糸の単糸デニールが
２．０デニールを越える大きなものであるため、透明性
と肌触りが特に悪くなってしまう。
２．０デニールを越える大きなものであるため、透明性
と肌触りが特に悪くなってしまう。
【００３６】比較例４では、上糸と下糸の撚方向が逆で
あるため、伸縮性と、肌触りが悪くなってしまう。
あるため、伸縮性と、肌触りが悪くなってしまう。
【００３７】
【発明の効果】本発明によるダブルカバリング弾性糸
は、上糸と下糸の巻付方向を同一にし、単糸デニールが
０．３〜２．０であることにより、従来より少ない撚数
で被覆性を得ることができ、耐久性、コア切れと伸縮
性、肌触りを従来のダブルカバリング弾性糸以上とする
ことができ、透明性、光沢をも向上させることができ
る。また、本発明のダブルカバリング弾性糸は、好まし
くは、上糸と下糸が同一デニールでありかつ１５デニー
ル以下であること、更には単糸デニールが同一であるこ
とにより、従来のシングルカバリング弾性糸とダブルカ
バリング弾性糸の欠点が更に解消され、上記の効果が更
に優れたものとなる。
は、上糸と下糸の巻付方向を同一にし、単糸デニールが
０．３〜２．０であることにより、従来より少ない撚数
で被覆性を得ることができ、耐久性、コア切れと伸縮
性、肌触りを従来のダブルカバリング弾性糸以上とする
ことができ、透明性、光沢をも向上させることができ
る。また、本発明のダブルカバリング弾性糸は、好まし
くは、上糸と下糸が同一デニールでありかつ１５デニー
ル以下であること、更には単糸デニールが同一であるこ
とにより、従来のシングルカバリング弾性糸とダブルカ
バリング弾性糸の欠点が更に解消され、上記の効果が更
に優れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) D02G 3/00 - 3/48
Claims (4)
- 【請求項１】弾性糸からなる芯糸に、巻付方向を同一に
して上糸及び下糸を巻き付けてなるダブルカバリング弾
性糸であって、前記上糸及び下糸を夫々構成する単糸の
太さが０．３〜２．０デニールの範囲にあり、前記上糸
の巻付撚数：Ｔ1（ｔ／ｍ）に対する前記下糸の巻付撚
数：Ｔ2（ｔ／ｍ）の比（Ｔ2／Ｔ1）が０．５〜１．０
の範囲にあり、該上糸の巻付撚数Ｔ1（ｔ／ｍ）が下式
１を満足することを特徴とするダブルカバリング弾性
糸。 （式１） ６０００／〔（Ｄ1／ＤＦ）＋１．３Ｄ2＋Ｄ3〕1/2≦Ｔ1≦１３０００／〔（Ｄ1 ／ＤＦ）＋１．３Ｄ2＋Ｄ3〕1/2 式１において、弾性糸の太さＤ1（デニール）は１０デ
ニール≦Ｄ1≦７０デニールの範囲にあり、巻付時の弾
性糸ドラフト率ＤＦ（倍）は、２．０倍≦ＤＦ≦４．０
倍の範囲にあり、下糸の太さＤ2（デニール）は５デニ
ール≦Ｄ2≦２０デニールの範囲にあり、上糸の太さＤ3
（デニール）は５デニール≦Ｄ3≦２０デニールの範囲
にある。 - 【請求項２】上糸及び下糸がポリアミド系合成繊維マル
チフィラメントである請求項１に記載のダブルカバリン
グ弾性糸。 - 【請求項３】上糸及び下糸が１０デニール以下で繊度が
同一である請求項１または２に記載のダブルカバリング
弾性糸。 - 【請求項４】上糸及び下糸をそれぞれ構成する単糸の太
さが同一である請求項１，２または３に記載のダブルカ
バリング弾性糸。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02544494A JP3221536B2 (ja) | 1994-02-23 | 1994-02-23 | ダブルカバリング弾性糸 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02544494A JP3221536B2 (ja) | 1994-02-23 | 1994-02-23 | ダブルカバリング弾性糸 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07238429A JPH07238429A (ja) | 1995-09-12 |
| JP3221536B2 true JP3221536B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=12166182
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP02544494A Expired - Lifetime JP3221536B2 (ja) | 1994-02-23 | 1994-02-23 | ダブルカバリング弾性糸 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3221536B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010138512A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-24 | Yoshioka Webbing Kk | カバリング糸、カバリング糸の製造方法、カバリング糸の製造装置及びカバリング糸を用いた高伸縮性衣料 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE69802499T2 (de) * | 1997-01-29 | 2002-06-27 | Du Pont-Toray Co. Ltd., Tokio/Tokyo | Stabiles, doppelt umwundenes garn, verfahren zu dessen herstellung und dieses enthaltende gewebe |
| JP2007518892A (ja) * | 2003-12-30 | 2007-07-12 | ミン ジェオング、チャング | ダブルカバーリングされたライクラーソフト原糸 |
| IL228197B (en) | 2013-08-29 | 2018-02-28 | Nilit Ltd | Double coated glitter dyed yarn and method of making it |
-
1994
- 1994-02-23 JP JP02544494A patent/JP3221536B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010138512A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-24 | Yoshioka Webbing Kk | カバリング糸、カバリング糸の製造方法、カバリング糸の製造装置及びカバリング糸を用いた高伸縮性衣料 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07238429A (ja) | 1995-09-12 |
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