JP3235680B2 - ダブルカバリング弾性糸 - Google Patents
ダブルカバリング弾性糸Info
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Description
性糸にポリアミド系合成繊維マルチフィラメント糸を巻
きつけてなるダブルカバリング弾性糸に関し、更にソッ
クスやストッキング等の靴下用素材として保温性、耐久
性及び肌触り、光沢感に優れたダブルカバリング弾性糸
に関する。
系合成マルチフィラメント糸を巻きつけたカバリング弾
性糸を用いて編成し、靴下、ストッキング、パンティス
トッキングとすることが広範に行われている。
られているカバリング弾性糸の捲付糸には仮撚加工糸が
一般的に多く用いられている。その場合に肌触り感を高
めるため単糸デニールを小さくしたものを用いることが
行なわれているが、単に単糸デニールを小さくした仮撚
加工糸を用いると、単糸の引っかかりにより耐久性が悪
くなり、また、外観の美しさを求められるストッキング
においては光沢感がなくなってしまうという欠点があっ
た。
を大きくしたものも知られているが、布帛としての滑ら
かさが失なわれてしまい、肌触り感が悪くなり、光沢感
も無くなってしまうという欠点があった。
のみを巻き付けたものも知られてるが、捲縮のない糸条
のため、光沢感に優れるものの、繊維間の空隙がないた
め保温性に乏しく、その上、肌触りもヌメリ感も強く必
ずしも優れているとは言えないものであった。
ストッキング等の靴下用素材として有用な保温性、耐久
性、及び肌触り、光沢感に優れたダブルカバリング弾性
糸を提供することを課題とする。
解決するために次の手段をとるものである。即ち本発明
は、弾性糸のまわりに被覆糸(A)が巻き付けられ、さ
らにその上に被覆糸(B)が同一の撚方向に巻き付けら
れてなるダブルカバリング弾性糸であって、被覆糸
(A)は1.5デニール以下の単糸からなるポリアミド
系合成繊維マルチフィラメントの捲縮堅牢度10%以上
の仮撚加工糸からなり、被覆糸(B)は1.5デニール以
下の単糸からなるポリアミド系合成繊維マルチフィラメ
ントフラットヤーンよりなり、被覆糸(A)と被覆糸
(B)の糸条繊度DA,DBの和が40デニール以上10
0デニール以下の範囲にあり、被覆糸(A)と被覆糸
(B)との糸条繊度比が30:70〜70:30の範囲
にあり、被覆糸(A)の撚数(TA)と被覆糸(B)の
撚数(TB)とが下記の関係を有することを特徴とする
ダブルカバリング弾性糸である。 (1)TA(T/M)≦6000/DA 1/2 (2)3000/DB 1/2≦TB(T/M)≦6000/
DA 1/2
M)であり、DA は被覆糸(A)の糸条繊度(デニー
ル)である。
M)であり、DB は被覆糸(B)の糸条繊度(デニー
ル)である。
における弾性糸は、スパンデックス繊維と一般に云われ
るポリウレタン弾性繊維が好適であるが、他の種類の弾
性繊維であってもよい。被覆糸(A)、(B)の素材と
しては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等が
好ましい。
ただ単に用いることにより保温性、肌触りを向上させる
のでなく、又、マルチフィラメントフラットカーンのみ
を用いることにより光沢感を向上させるのではなく、被
覆糸(A)として単糸繊度の小さな仮撚加工糸を内側に
巻き付け、外側に被覆糸(B)として単糸繊度の小さな
マルチフィラメントフラットヤーンを同方向にポリウレ
タン糸等の弾性糸に巻き付けることにより、保温性、耐
久性及び肌触り、光沢感に優れたものにすることを特徴
とするものである。
グ弾性糸としては、被覆用糸として一般に50〜100
デニールの仮撚加工糸がシングルカバリング弾性糸とし
て用いられている。従来の被覆用糸である仮撚加工糸を
用いて、保温性及び肌触り感を優れたものとするため、
単糸繊度を1.2デニール以下とすることが行なわれて
いる。又、光沢感及び耐久性を優れたものにするために
マルチフィラメントフラットヤーンを用いることも行な
われている。本発明では、単糸繊度の小さな仮撚加工糸
を内側に巻き付け、外側にマルチフィラメントフラット
ヤーンを巻き付けることにより内側巻付け糸による保温
性、外側巻き付け糸による耐久性、光沢感が優れたもの
になるという知見に基づき、本発明に至ったものであ
る。一方、外側にマルチフィラメントフラットヤーンを
用いないカバリング弾性糸は本発明の目的を得ることが
出来ない。内側、外側共にフラットヤーンでない仮撚加
工糸を用いると、保温性は優れたものとなるが、耐久
性、肌触り、光沢感を優れたものとすることができな
い。更に、内側にマルチフィラメントフラットヤーン、
外側に仮撚加工糸を用いると、保温性は優れたものとす
ることが出来るが、耐久性、肌触り、光沢感を優れたも
のとすることができない。
度が1.5デニール以下の仮撚加工糸を使っているので
空隙が多く、保温性の優れた糸とすることができる。こ
の被覆糸(A)の捲縮堅牢度は10%以上であることが
必要で、10%未満であると、仮撚加工糸としての空隙
が少なく保温性の優れたものとすることが難しい。外側
の被覆糸(B)は単糸繊度1.5デニール以下のマルチ
フィラメントフラットヤーンを用いているので捲縮糸に
多いひっかかりがなく耐久性に優れ、更に光沢感に優れ
るものとすることができる。
ラップリールにて8巻の綛をつくり、糸条1デニール当
たり0.005グラムの荷重下にて15分間沸水処理を
施した後、糸条1デニール当たり0.2グラムの荷重下
にて糸長を測定したものをl 0とし、その綛を無荷重状
態にて60℃雰囲気下で30分間乾燥させたのち、糸条
1デニール当たり0.002グラムの初荷重をかけ糸長
を測定したものをlとし、以下の式にて捲縮堅牢度
(%)を求めるものである。 捲縮堅牢度(%)=〔(l0 −l)/l〕×100 本発明のこれら効果を満たすために、被覆糸(A),
(B)の単糸繊度は1.5デニール以下であることが必
要で、被覆糸Aは1.5デニールを超えるものを用いる
と、捲縮堅牢度が10%以上であっても逆に単糸間の空
隙が大きくなり過ぎ、又、フィラメント数が少なくなる
ため、保温性を高めることができない。又、被覆糸
(B)は1.5デニールを超えるものを用いると、布帛
としたときの滑らかさに欠け、肌触りに優れたものとす
ることができない。更に、滑らかさに欠けるため、光沢
感に優れたものとすることもできない。さらに、被覆糸
(A)の単糸繊度は1.0デニール以下であり、捲縮堅
牢度は25%以上であることが好ましい。また、これら
被覆糸(A),(B)の糸条繊度DA ,DB の和が40
デニール以上、100デニール以下が本発明を満たすた
めに必要な条件であり、40デニール未満であると保温
性を要求するストッキングに於いてその性能を発揮する
ことができず一方100デニールを超えると地厚感が大
きくなり過ぎファッション志向的な用途に使われつつあ
るストッキングの要求を満たすことができない。
は、前記糸条繊度和を満たした上で、30:70〜7
0:30の関係を有することが本発明の効果を有効に引
き出す上で必要であり、好ましくは40:60〜60:
40程度が本発明の効果を充分発揮することができる。
被覆糸(A)の糸条繊度比率が30%未満であると内側
の仮撚加工糸の働きである保温性を充分に発揮すること
ができない。一方、被覆糸(B)の糸条繊度比率が30
%未満であると、外側のマルチフィラメントフラットヤ
ーンの効果である光沢感がそこなわれてしまう。さら
に、被覆糸(A),(B)のカバリング撚数TA ,TB
は次の式を満たすことが重要である。 TA (T/M)≦6000/DA 1/2 3000/DB 1/2≦TB (T/M)≦6000/DB 1/2
れば本発明の効果である保温性を充分満たすことが可能
である。しかし、6000/DA 1/2を超えてしまうと、
本来のストッキングに求められる柔軟さ、即ち、肌触り
が硬い感じとなり好ましくない。又、TB は3000/
DA 1/2以上6000/DB 1/2以下であることが必要であ
る。ここでいうTB は本発明の効果として出てくる耐久
性、肌触り、光沢感に重要な役割を持っている。外側巻
き付け被覆糸の撚数TB が3000/DB 1/2未満ある
と、内側巻付被覆糸(A)を充分被覆することが出来
ず、耐久性に劣り、又、光沢感が乏しくなり、更に、本
発明の2種類の糸条の組合わせから成る肌触り感の優れ
たダブルカバリング弾性糸とすることができない。一
方、TB が6000/DB 1/2を超えてしまうと、外側巻
付被覆糸のみによる被覆率が大きくなり、ダブルカバリ
ング弾性糸使いのストッキングに編成した場合、生地が
硬い感じとなる。更に肌触りが優れたものとなり得な
い。
A (T/M)≦4000/DA 1/2であり、また4000
/DB 1/2≦TB (T/M)≦5000/DB 1/2を満たす
ことが本発明の効果を充分引き出すことができる。
ング糸製造は、通常のカバリング糸製造手段、すなわち
芯糸の回りに2本の被覆糸を順次外側に撚り方向を同一
に二重に巻きつけるダブルカバリングによって行えばよ
い。なお、これら被覆用糸の断面形状は非円形であって
もよく、内側と外側で異ったとものを用いてもよい。
3.2倍に伸長しつつ、通常のカバリング機でダブルカ
バリングを行った。その際用いた被覆糸およびそのカバ
リング条件は表1の通りである。被覆糸には仮撚加工糸
とフラットヤーンである2種のナイロン6フィラメント
糸条を組合せて用いそれらの糸条繊度、単糸繊度、フィ
ラメント数、糸条繊度比率、撚数等を種々変えて行っ
た。
についてはJIS−L−1096A法及びASTMD−
1518−57Tにより評価した。試料布帛は得られた
ダブルカバリング弾性糸を靴下編機(4口編、針本数3
58本)でチューブ編地を作成し、染色加工を同一にし
て行ない、同一目方に換算して評価したものである。測
定条件として、測定環境条件は20℃×65%RH、熱
源板温度を36℃とし、測定時間を2時間とする。 評価法は、保温率:Q=(1−b/a)×100 Q:
保温率(%) a:試料板上に試料のない場合の放熱量(sec)
b:試料板上に試料を置いた場合の放熱量(sec)と
して計算する。
久性については、前記同様に編立、染色加工を行ったチ
ューブ編地を腕への着用テストを行い、10人のモニタ
ーにランダムに試料を与え、通常オフイス作業において
5日間着用し、グレースケールにて評価したものであ
り、1級が耐久性悪く5級は未使用状態を示す。また、
得られたダブルカバリング弾性糸の肌触りは前記同様に
編立、染色加工を行ったチューブ編地を官能評価で次の
基準で評価した。 ◎:優良 △:やや不良 ○:良好 ×:不良 また得られたダブルカバリング弾性糸の光沢感について
は、前記同様に評価し、同様の記号で記した。
実施例1,2,3のダブルカバリング弾性糸では、保温
性もよく、耐久性に優れ、更に肌触り、光沢感について
もバランスよく、ストッキングとして要求される性能が
優れたものを得ることができた。これに対し、比較例1
では、内側の被覆糸の単糸繊度が大きいため、保温性に
乏しく肌触りに欠けたものであった。又、比較例2で
は、内側被覆糸の捲縮堅牢度が低いため保温性に乏しい
ものであった。又、比較例3では外側被覆糸の単糸繊度
が大きく、糸条繊度比率が小さいため保温性に乏しく、
かつ肌触り、光沢感にも欠けたものであった。又、比較
例4では外側被覆糸の撚数が低いため内側被覆糸をカバ
ーしきれず、保温性、耐久性、および肌触り、光沢感に
も欠けたものであった。又、比較例5では外側被覆糸が
仮撚加工糸であるため、耐久性に欠け、肌触り、光沢感
にも欠けたものであった。又、比較例6では、従来のフ
ラットヤーンのシングルカバリング弾性糸であり、保温
性に欠ける上に耐久性、肌触り感にも欠けたものであっ
た。又、比較例7では従来の仮撚加工糸を用いたシング
ルカバリング弾性糸であり、保温性には優れるものの、
耐久性、光沢感に欠けたものであった。比較例8では、
内側被覆糸にフラットヤーン、外側に仮撚加工糸を用い
ているため、保温性はあるものの、耐久性、肌触り、光
沢感に欠けたものであった。
は、保温効果の高い被覆糸を内側に用い、耐久性、光沢
感に優れたフラットヤーンを外側に用い、同一撚方向で
巻き付けているので、肌触りにも優れ、かつ、各々の被
覆糸の効果がバランスよく優れたダブルカバリング弾性
糸を得ることができた。
Claims (1)
- 【請求項1】弾性糸のまわりに被覆糸(A)が巻き付け
られ、さらにその上に被覆糸(B)が同一の撚方向に巻
き付けられてなるダブルカバリング弾性糸であって、被
覆糸(A)は1.5デニール以下の単糸からなるポリア
ミド系合成繊維マルチフィラメントの捲縮堅牢度10%
以上の仮撚加工糸からなり、被覆糸(B)は1.5デニ
ール以下の単糸からなるポリアミド系合成繊維マルチフ
ィラメントフラットヤーンよりなり、被覆糸(A)と被
覆糸(B)の糸条繊度DA,DBの和が40デニール以上
100デニール以下の範囲にあり、被覆糸(A)と被覆
糸(B)との糸条繊度比が30:70〜70:30の範
囲にあり、被覆糸(A)の撚数(TA)と被覆糸(B)
の撚数(TB)とが下記の関係を有することを特徴とす
るダブルカバリング弾性糸。 (1)TA(T/M)≦6000/DA 1/2 (2)3000/DB 1/2≦TB(T/M)≦6000/
DA 1/2
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29517492A JP3235680B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | ダブルカバリング弾性糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29517492A JP3235680B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | ダブルカバリング弾性糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06146127A JPH06146127A (ja) | 1994-05-27 |
JP3235680B2 true JP3235680B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=17817191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29517492A Expired - Lifetime JP3235680B2 (ja) | 1992-11-04 | 1992-11-04 | ダブルカバリング弾性糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3235680B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1109784C (zh) * | 1997-01-29 | 2003-05-28 | 杜邦-东丽株式会社 | 稳定的双包覆弹性纱、它的加工方法和包含这种纱的织物 |
JP5066068B2 (ja) * | 2008-12-10 | 2012-11-07 | 吉岡ウェビング株式会社 | カバリング糸 |
IL228197B (en) * | 2013-08-29 | 2018-02-28 | Nilit Ltd | Double coated glitter dyed yarn and method of making it |
-
1992
- 1992-11-04 JP JP29517492A patent/JP3235680B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06146127A (ja) | 1994-05-27 |
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