JP3829971B2 - ダブルカバリング弾性糸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン糸等の弾性糸にポリアミド系合成繊維中空糸及びマルチフィラメント糸を巻き付けてなるダブルカバリング弾性糸に関し、更にソックスやストッキング等の靴下用素材として薄地で且つ保温性、ストレッチ性に優れたダブルカバリング弾性糸に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン糸等の弾性糸にポリアミド系合成繊維マルチフィラメント糸を巻き付けたカバリング弾性糸を用いて編成し、靴下、ストッキング、パンティストッキングとすることが広範に行われている。
【0003】
特に、保温性を目的とするストッキング等に用いられているカバリング弾性糸の巻き付け糸には仮撚加工糸が一般的に多く用いられている。その場合、保温性を向上させる為に、糸条繊度を大きくすることが行われているが、生地の厚みもアップし外観を損なう要因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生地が薄く、外観が美しく、さらに保温性、ストレッチ性にも優れた特性を発揮するソックスやストッキング等の靴下用素材を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、弾性糸に内側被覆糸(A)及び外側被覆糸(B)を同一方向に捲回してなるダブルカバリング弾性糸であって、内側被覆糸(A)は、単糸3.3dtex以下で、中空率が10〜30%のポリアミド系合成繊維中空フィラメントであることを特徴とする上記記載のダブルカバリング弾性糸である。具体的には、外側被覆糸(B)は、単糸1.1dtex以下のポリアミド系合成繊維マルチフィラメントであることを特徴とする上記記載のダブルカバリング弾性糸、被覆糸(A)と被覆糸(B)の糸条繊度の和が27.7〜111dtexであることを特徴とする上記記載のダブルカバリング弾性糸、及び被覆糸(A)の被覆糸(B)に対する繊度比率は20〜50%であることを特徴とする上記記載のダブルカバリング弾性糸である。
【0006】
以下、本発明を詳述する。
先ず本発明で使用する弾性糸は、スパンデックス繊維と一般にいわれるポリウレタン弾性糸が好適であるが、ポリエステルエラストマー、等の弾性糸であってもよい。被覆糸(A)、(B)の素材としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等が例示できる。
【0007】
本発明は、従来採用されていた仮撚加工糸の糸条繊度を単に大きくすることにより保温性を向上させるのではなく、弾性糸に内側に配置される内側被覆糸(A)及び外側に配置される外側被覆糸(B)を同一方向に捲回たダブルカバリング弾性糸を使用する際に被覆糸の少なくとも一方を中空フィラメント糸とすることにより保温性に優れたものとする。
【0008】
ここで被覆糸を同一方向に捲回するのは、編地の触感を柔らかくするためである。従って異方向に捲回すると伸縮性が低下し、ひいては編地とした際のソフト触感に乏しいものとなる。
更に、中空フラメント糸を内側被覆糸に配することにより以下の理由から保温性がより効果的に発揮される。その際内側被覆糸(A)の単糸繊度を3.3dtex以下、好ましくは2.2〜2.8dtexのフィラメントとすることで中空フィラメントによるエアー層ができ、保温性の優れた糸とすることが出来る。また被覆糸(A)の中空率は10〜30%、更には20〜30%であることが好ましい。10%未満であるとエアー層が少なく保温性の優れたものとすることが困難となるからである。また、30%を超えると強度が低下したり、紡糸時に断面破裂が発生しエアー層が保持できなくなる、等の問題が生じる。
【0009】
一方、外側被覆糸(B)は、単糸繊度1.1dtex以下のマルチフィラメントを用いると肌触り感が優れたものとすることができる。即ち、単糸繊度が1.1dtexを超える場合は、生地としたときの滑らかさに欠け、肌触りに欠けたものとなる。さらに、繊維間でのエアー層も保持しやすくなるという特徴を有する。
【0010】
なお、中空率(%)とは、繊維断面の最外周部面積に対し中空部面積比率を求めたものである。
【0011】
また、これら被覆糸(A)、(B)の糸条繊度の和が27.7〜111dtex、更に好ましくは33〜99dtexであることが望ましい。27.7dtex未満であると保温性を要求するストッキングに於いてその性能を発揮することが困難となり、一方111dtexを超えると地厚感が大きくなり過ぎファッション指向的な用途に使われているストッキングの要求を満たすことが困難となるからである。
【0012】
また、被覆糸(A)の被覆糸(B)に対する糸条繊度比率は20〜50%、好ましくは25〜40%であれば本発明の目的とする保温性を有効に発揮させることが可能となる。
【0013】
被覆糸(A)の糸条繊度比率が20%未満であると内側被覆糸の中空糸がもつ作用を充分発揮することが困難となる。一方、被覆糸(B)の糸条繊度比率が50%未満であると、外側被覆糸が有するマルチフィラメントの効果である肌触り感が損なわれてしまう。
【0014】
本発明の弾性糸の製造法については、芯糸の回りに被覆糸を巻き付けるカバリング糸製造は、通常のカバリング糸製造手段、すなわち芯糸の回りに2本の被覆糸を順次外側に撚り方向を同一に二重に巻き付けるダブルカバリングによって行えばよい。なお、これら被覆糸の断面形状は非円筒形であってもよく、内側と外側で異なったものを用いてもよい。
【0015】
【実施例】
(実施例1〜8、比較例1〜3)
30dtexモノフィラメントのスパンデックス繊維を3.1倍に伸張しつつ、通常のカバリング機でダブルカバリングを行った。その際用いた被覆糸及びカバリング条件は、表1の通りである。被覆糸には中空糸とマルチフィラメントである2種のナイロン6フィラメント糸条を組み合わせて用いそれらの糸条繊度、単糸繊度、フィラメント数、糸条繊度比率等を種々変えて行った。
【0016】
得られたダブルカバリング弾性糸の保温性については、サーモグラフィーにより評価した。試料は得られたダブルカバリング弾性糸を靴下編機(4口編み、針本数400本)でチューブ編地を作成し、染色加工を同一にして行い、サンプリング方法としては標準足型と同寸の枠にサンプルを伸張装着し、ふくらはぎ部を切り出して評価したものである。測定条件として測定環境条件は5℃×50%RH設定(無風)で行った。評価方法は、一定温度(36℃)の熱板上にサンプル(伸張)設置し、5分後の表面温度をサーモグラフィーにより計測した。表面温度の低いものほど保温性が高いといえる。
【0017】
また得られたダブルカバリング弾性糸の肌触りは、前記同様に編みたて染色加工を行ったチューブ編地を官能評価で次の基準で評価した。
◎:優良 ○:良好 △:やや不良 ×:不良
【0018】
この結果からわかるように本発明にかかる実施例1,2,3のダブルカバリング弾性糸では、保温性も良く、肌触りについても良くストッキングとして要求される性能が優れたものを得ることができた。また実施例4,5では外側の被覆糸の単糸繊度が大きいため肌触りにやや欠けたものであった。また、実施例6では内側の被覆糸の繊度比率が低いため保温性にやや乏しいものであった。また、実施例7では外側の繊度比率が低いため肌触りにやや欠けたものであった。また、実施例8では内側の被覆糸の中空率が低いため保温性にやや乏しいものであった。これに対し比較例1,2,3ではシングルカバリング弾性糸であり中空糸を使用していないので保温性に乏しいものであった。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】
本発明によるとソックスやストッキング等の靴下用素材として好適な薄地で保温性及びストレッチ性に優れたダブルカバリング弾性糸を提供し得る。
Claims (4)
- 弾性糸に内側被覆糸(A)及び外側被覆糸(B)を同一方向に捲回してなるダブルカバリング弾性糸であって、内側被覆糸(A)は、単糸3.3dtex以下で、中空率が10〜30%のポリアミド系合成繊維中空フィラメントであることを特徴とするダブルカバリング弾性糸。
- 外側被覆糸(B)は、単糸1.1dtex以下のポリアミド系合成繊維マルチフィラメントであることを特徴とする請求項1記載のダブルカバリング弾性糸。
- 被覆糸(A)と被覆糸(B)の糸条繊度の和が27.7〜111dtexであることを特徴とする請求項1に記載のダブルカバリング弾性糸。
- 被覆糸(A)の被覆糸(B)に対する繊度比率は20〜50%であることを特徴とする請求項1記載のダブルカバリング弾性糸。
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