JP3215167B2 - 印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents
印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルムInfo
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Description
ット印刷性に優れた熱可塑性樹脂フィルムに関する。
の単層またはこの無機微細粉末配合ポリオレフィン層を
少なくとも片面に有する積層構造体からなる不透明ない
し半透明フィルム、特にこの層が少なくとも一軸方向に
延伸されたものであるもの、は合成紙として有用なもの
である。かかる無機微細粉末または有機フィラー含有熱
可塑性樹脂フィルムをベースとする合成紙は、その耐水
性、強靭性、表面平滑性等に優れた物性であることから
非常に幅広い分野にまで使用されるに至った。その結
果、従来にも増してより優れた帯電防止性、およびオフ
セット印刷適性、又は紫外線硬化型インキを用いての印
刷適性が求められるようなってきた。合成紙、特にポリ
オレフィン系合成紙はその原料樹脂であるポリオレフィ
ンが無極性で疎水性であることから、帯電防止性やオフ
セット印刷性において必ずしも満足できるものではな
く、適当な表面処理を施してから使用するのが普通であ
った。
塗布剤を塗布する方法が知られている。このような表面
処理に使用される塗布剤として、特開昭50−1614
78号、特公昭59−27769号、特公平2−291
0号の各公報にはカチオン性帯電防止剤、両性系帯電防
止剤を用いることが記載されている。例えば、特公平2
−2910号公報には、CH2=CR1−COOANR
3R4と、CH2=CR−COOR2と、他の疎水性ビ
ニル単量体とから形成された重合体〔ただし、各式中、
R1はHまたはCH3、R2は炭素数1〜18のアルキ
ル基、R3および 4はそれぞれHまたは炭素数1〜2
のアルキル基、Aは炭素数2〜6のアルキレン基であ
る。〕中の三級窒素原子をカチオン化剤で四級化して両
性化物とした水溶性の重合体と水溶性ポリアミンポリア
ミド‐エピクロルヒドリン付加物とポリエチレンイミン
化合物からなる水溶性塗布剤が開示されている。一方、
特開昭53−8380号公報には、下記一般式(III)で
表わされる繰り返し単位を有する重合体からなる帯電防
止能を有する導電性剤が知られている。
びR2はメチル基又はエチル基、R3及びR4はメチル
基、エチル基、−(−CH2−CH2−O−)m−H
(mは1〜4の整数)又はベンジル基、R4は炭素数1
〜18のアルキル基、アルケニル基又は−(−CH2C
H2−O−)p−H(pは1〜4の整数)、X+ はハロ
ゲンイオン、Aは置換されていてもよいアルキレン基及
びnは通常101〜104の整数を示す。)
電防止剤を使用すれば、通常の帯電防止されたオフセッ
ト印刷を行なうことは可能であるが、非常に高速な印刷
や、過酷な条件下での帯電防止効果については不十分な
ものであった。すなわち、帯電防止性を向上させようと
してイオン量を増加させれば、帯電防止剤が過度に親水
性となって、オフセット印刷性が不可能となる。また、
オセフット印刷性を重視すれば、イオン量が制限され
て、帯電防止性能の向上が伴なわない。それ故、両性能
を満足することができるものは無かった。従って本発明
は、これら相反する性能を合わせ持ち、更に優れた帯電
防止性とオフセット印刷適性とを付与した合成紙を提供
することを目的とするものである。
究を重ねた結果、合成紙、特にポリオレフィン系合成紙
の表面に特定の構造の第四級アンモニウム塩型の共重合
体を含有する塗布剤を塗工して塗布剤層を形成すること
により、低湿度下においても帯電防止効果に優れ、且
つ、優れたオフセット印刷適性を付与することが可能で
あるとの知見を得て本発明を完成するに至ったものであ
る。すなわち、本発明の印刷性の良好な熱可塑性樹脂フ
ィルムは、下記一般式(I)で示される構造単位
(a)、下記一般式(II)で表される構造単位(b)及
び上記(a)及び(b)成分と共重合可能な単量体から
得られた構造単位(c)を含有し、それらの重量割合が
(a):(b):(c)=30〜70:30〜70:0
〜40の範囲である第四級アンモニウム塩型共重合体の
塗工層を有することを特徴とするものである。一般式
わし、R1は水素原子若しくはメチル基を表わし、R2
は炭素数が2〜4のアルキレン基若しくは−CH2−C
H(OH)−CH2−を表わし、R3、R4、R5及び
R6は炭素数が1〜3のアルキル基を表わし、これらは
同一であっても、異なっていても良く、R7は炭素数が
1〜10のアルキル基若しくは炭素数が7〜10のアラ
ルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わし、Xは塩
素原子、臭素原子、又は沃素原子を表わす。)一般式
を表わし、R9は炭素数が1〜22のアルキル基、炭素
数が7〜22のアラルキル基、若しくは炭素数が5〜2
2のシクロアルキル基を表わす。)
基材である熱可塑性樹脂フィルム、特にポリオレフィン
系合成紙層と、その表面に塗工され乾燥して皮膜が形成
された、第四級アンモニウム塩型共重合体を含有する塗
布剤層とから構成されるものである。
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン・エチ
レン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレ
ン、ナイロン‐6等の熱可塑性樹脂のフィルム、或い
は、該熱可塑性樹脂と無機微細粉末又は有機フィラーと
から形成されるフィルム層を表面に有するものを挙げる
ことができる。このような熱可塑性樹脂フィルム、特に
合成紙自体は公知のものであり、その詳細については、
特公昭49−1782号、特開昭56−118437
号、特開昭57−12642号および特開昭57−56
224号の各公報などを参照することができる。具体的
には、無機微細粉末、例えば、粒径が0.05〜10μ
mの焼成クレー、珪藻土、酸化チタン、パーミキュライ
ト、重質炭酸カルシウム、タルクを8〜65重量%含有
するポリオレフィンフィルムを1軸延伸し、それによっ
てこのフィルムの表面に無機微細粉末粒子を中心として
微細の亀裂を生じさせると共に、フィルム内部に微細な
ボイドを多数(5個/mm2 以上)有する層を表面層とし
て形成し、この表面層に無機微細粉末を5〜40重量%
含有する熱可塑性樹脂フィルムの二軸延伸物よりなる基
層が積層された構造の積層フィルムからなるもの(特公
昭46−40794号参照)や、特開昭61−0037
48号公報や特公平1−6041号公報で述べられてい
るような、前記積層フィルムの表面に、更に無機微粉末
を実質的に含有しない肉厚0.5〜3μmのポリオレフ
ィンのフィルム層を形成した複層の合成紙、或いは、無
機微細粉末を10〜40重量%含有する熱可塑性樹脂フ
ィルムの二軸延伸物よりなるパール調の合成紙、等を挙
げることができる。表面処理 このような熱可塑性樹脂フィルムは、その表面に塗布剤
を施す前に、コロナ放電処理、その他の表面処理を付す
ことができる。
する第四級アンモニウム塩型共重合体は、 (a)下記一般式(I)で表される第四級アンモニウム
塩型単量体単位、 (b)一般式(II)で表される疎水性単量体単位、並び
に、 (c)共重合可能な他の単量体から得られる構造単位 を含有し、それらの重量割合が(a):(b):(c)
=30〜70:30〜70:0〜40の範囲である第四
級アンモニウム塩型共重合体である。 (a)第四級アンモニウム塩型単位 上記構造単位(a)を形成する第四級アンモニウム塩と
しては、一般式
5、R6、R7、X、及びnはそれぞれ下記の意味を持
つ。Aは−O−若しくは−NH−;R1はH若しくはC
H3;R2は炭素数が2〜4のアルキレン基若しくは−
CH2−CH(OH)−CH2−;これらR3、R4、
R5およびR6は同一であっても、異なっていても良く
炭素数が1〜3のアルキル基;R7は炭素数が1〜10
のアルキル基若しくは炭素数が7〜10のアラルキル
基;nは1〜3の整数;Xは塩素原子、臭素原子又は沃
素原子を表わす)で表わされるものである。前記一般式
(I)で表される構造単位を形成する単量体としては、
ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエ
チルアクリレート、及びこれらのメタクリレート相当
物、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、及びこれ
らのメタクリレート相当物等の下記一般式(IV)で示さ
れる第四級アミン含有単量体を、3‐クロロ‐2‐ヒド
ロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等の下
記一般式(VI)の変性剤で、重合前に若しくは重合後に
変性することによって得ることができる。一般式
れぞれ下記の意味を持つ。Aは−O若しくは−NH−で
表わされるもの、R1は−H若しくは−CH3で表わさ
れるもの、 R2は炭素数が2〜4のアルキレン基若し
くは
っても、異なっていても良く、炭素数が1〜3のアルキ
ル基で表わされるもの、Xは塩素原子、臭素原子又は沃
素原子で表わされるものである。)一般式
下記の意味を持つ。R5、R6は同一であっても、異な
っていても良く炭素数が1〜3のアルキル基で表わされ
るもの、R7は炭素数が1〜10のアルキル基もしくは
アラルキル基で表わされるもの、nは1〜3の整数、X
は塩素原子、臭素原子又は沃素原子で表わされるもので
ある。)
は、一般式
されるもの、R9は炭素数が1〜22のアルキル基、炭
素数が7〜22のアラルキル基、もしくは炭素数が5〜
22のシクロアルキル基で表わされるものである。)で
表わされるものである。上記一般式(II)で表される構
造単位を形成する単量体としては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ト
リデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを挙げる
ことができる。
分と共重合可能な他の単量体単位としては、スチレン、
ビニルトルエン、酢酸ビニル等の疎水性単量体や、ビニ
ルピロリドン、(メタ)アクリルアミド等の親水性単量
体を挙げることができる。これら単量体は第四級アンモ
ニウム塩共重合体中に構造単位(c)として組み込まれ
る。具体的には、例えば、
量割合は(a):(b):(c)=30〜70:30〜
70:0〜40、好ましくは35〜65:35〜65:
0 〜20、特に好ましくは40〜60:40〜60:
0 〜10である。 (a)成分は帯電防止性に寄与する成分であり、30重
量%より少ないと、十分な帯電防止効果を与えることが
出来ない。また、70重量%を超えると過度に水溶性と
なり、オフセット印刷時の連続印刷性、特に2色目の印
刷インキの転移性が悪くなる。 (b)成分はインキのにじみ防止及び転移性に寄与する
成分であり、30重量%より少ないと、この効果が低下
する。また、70重量%を超えると相対的に帯電防止効
果が低下する。
開始剤を用いた、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公
知の重合方法を採用することができる。これらの中で好
ましい重合方法としては溶液重合法であり、該重合は各
単量体を溶媒に溶解し、ラジカル重合開始剤を添加して
窒素気流下において加熱攪拌することにより実施され
る。溶媒は水、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール等のアルコール類等が好まし
く、またこれらの溶媒を混合使用して実施しても良い。
重合開始剤は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の
過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレ
ロニトリルなどのアゾ化合物が好適に用いられる。単量
体濃度は通常10〜60重量%であり、重合開始剤の濃
度は通常単量体に対し、0.1〜10重量%である。第
四級アンモニウム塩型共重合体の分子量は、重合温度、
重合開始剤の種類及び量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の
重合条件により任意のレベルとすることができる。一般
には得られる重合体の分子量は1,000〜1,00
0,000であるが、中でも1,000〜500,00
0の範囲が好ましい。特に、オフセット印刷を良好とす
るには、この第四級アンモニウム塩型共重合体の塗工層
で十分であるが、紫外線硬化型インキを用いる場合は、
後記するポリエチレンイミン系共重合体、必要によりポ
リアミンポリアミドエピクロルヒドリン付加物を加え
る。
B) 塗布剤層には、上記第四級アンモニウム塩型共重合体に
加えてインキの密着性、特に紫外線硬化型インクの密着
性に寄与する成分として、ポリエチレンイミン系重合体
を添加することが好ましい。このようなポリエチレンイ
ミン系重合体としては、ポリエチレンイミン又はポリア
ミンポリアミドのポリエチレンイミン付加体、ポリエチ
レンイミンのアルキル(C1〜C8)化物等を挙げるこ
とができる(特開平1−141736号公報参照)。中
でも、ポリエチレンイミン或いはポリアミンポリアミド
のポリエチレンイミン付加体に炭素数1〜24のハロゲ
ン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シク
ロアルキル、ハロゲン化ベンジルによって変性した変性
ポリエチレンイミンを使用することが、オフセットイン
キとの密着性、転移性の点から好ましい。ここで、ポリ
エチレンイミンの重合度は任意のものが使用されるが、
好ましくは20〜300である。
り、従って、成分Aを含む限り、そして本発明の効果が
達成される限り、前記Bを、或いはこれら成分にその他
の任意成分C、Dを含むことはさしつかえない。成分C このような任意成分の一つとして、ポリアミンポリアミ
ドエピクロルヒドリン変性体(成分C)を挙げることが
できる。この成分Cはインキとの耐水接着性に寄与す
る。該ポリアミンポリアミド・エピクロルヒドリン付加
物としては、炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸
とポリアルキレンポリアミンとからのポリアミドをエピ
クロルヒドリンと反応させて得た水溶性で陽イオンの熱
硬化性樹脂である。このような樹脂の詳細については特
公昭35−3547号公報などに詳細に述べられてい
る。
分(D)を挙げることができる。この成分Dは本発明の
塗布剤が無機塩を含んでいるときは、帯電防止性が向上
し、またオフセットインキの乾燥速度が大きくなる。た
だし、水溶性の無機塩の存在はインキの耐水密着性を低
下させるので、過度に多く存在させることは好ましくな
い。好ましい水溶性無機塩を挙げれば、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリ
ウム、その他のアルカリ性塩、及び塩化ナトリウム、硫
酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、その他の中性塩があ
る。このような水溶性無機塩の他に、界面活性剤、水溶
性あるいは水分散性重合体、微細粉末物質、その他の補
助資材を含むことが出来る。
成分Dの使用の量比は、それぞれ単独、または2種以上
混合して、下記の割合で混合することが好ましい。 成分A:100重量部 成分B:5〜300重量部、好ましくは20〜100重
量部 成分C:0〜300重量部、好ましくは20〜100重
量部 成分D:0〜50重量部、好ましくは5〜20重量部
ルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に溶
解してから用いられるものであるが、中でも水溶液の形
態で用いるのが普通である。溶液濃度は普通、0.5〜
3重量%、好ましくは1 〜2 重量%程度である。塗
工方法は、ロールコーター、ブレードコーター、エアー
ナイフコーター、サイズプレスコーター等により行なわ
れ、乾燥されて皮膜が形成される。固形分の塗布量は一
般に0.01〜8g/m2 、好ましくは0.05〜3g
/m2 である。
する。なお、例中の部及び%は、重量部及び重量%をそ
れぞれ意味する。 〔I〕基層の製造合成紙−1の製造 (1) メルトフローレート(MFR)0.8g/10
分のポリプロピレン(三菱化成(株)製「三菱ポリプロ
4100B」、融点164℃)に、平均粒径1.5μ
mの重質炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製「ソフ
トン 1500」)12%(ポリプロピレンとの合計重
量基準)を混合した組成物(C′)を、270℃に設定
した押出機にて混練した後、シート状に押し出してか
ら、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。こ
のシートを再度140℃の温度に加熱した後、縦方向に
5倍延伸させた。 (2) MFR4.0g/10分のポリプロピレン(三
菱化成(株)製「三菱ポリプロ 4200Y」)49%
とマレイン酸含量0.5%のマレイン酸(改質単量体)
変性ポリプロピレン(三菱油化(株)製「モディック
MMPP」5%と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウ
ム(備北粉化工業(株)製「ソフトン 1500」)4
6%とを混合した組成物(A′)(充填剤100部当た
りの改質単量体含量0.05部)を、270℃に設定し
た押出機により溶融混練したものと、MFR4.0g/
10分のポリプロピレン(三菱化成(株)製「三菱ポリ
プロ4200Y」)55%と平均粒径1.5μmの重質
炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製「ソフトン 1
500」グレード)45%とを混合した組成物(B′)
を270℃に設定した別の押出機で溶融混練したものと
をダイ内で積層し、この積層物を改質ポリプロピレンを
含む層が外側になるように、上記(1)で得られた縦方
向5倍延伸シートの両側に共押し出しして5層積層物
(A′/B′/C′/B′/A′)を得た。次いで、こ
の5層の積層物を155℃に加熱した後、横方向に7.
5倍の延伸を行なって、5層の延伸積層物である合成紙
−1を得た(肉厚5/20/50/20/5μm)。
0分のポリプロピレン(三菱化成(株)製「三菱ポリプ
ロ 4200Y」)に変更する以外は実施例1と同様に
して5層の積層物である合成紙を得た。
ポリプロピレン(三菱化成(株)製「三菱ポリプロ 1
500F」)50重量%とMFR20g/10分の高密
度ポリエチレン(三菱化成(株)製「三菱ポリエチ J
T200」)50重量%を混合した組成物に変更する以
外は実施例1と同様にして5層の積層物である合成紙を
得た。
置を取り付けた4つ口フラスコに、ジメチルアミノエチ
ルメタアクリレート:35部、エチルメタアクリレー
ト:20部、シクロヘキシルメタアクリレート20部、
ステアリルメタアクリレート:25部、エチルアルコー
ル150部と、アゾビスイソブチロニトリル1部を添加
し、窒素気流下に80℃の温度で6時間重合反応を行な
った。次いで、3‐クロロ‐2‐ヒドロキシプロピルト
リメチルアンモニウムクロリドの60%水溶液:70部
を加え、更に80℃の温度で15時間反応させた後、水
を滴下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形分
として20%の第四級アンモニウム塩型共重合体(A−
1)を得た。
アクリルアミド:30部、メチルメタアクリレート:3
0部、ブチルメタアクリレート:40部、エチルアルコ
ール150部と、アゾビスイソブチロニトリル1部を添
加し、窒素気流下に80℃の温度で6時間重合反応を行
なった。次いで、3‐クロロ‐2‐ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロリドの60%水溶液:55
部を加え、更に80℃の温度で15時間反応させた後、
水を滴下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形
分として20%の第四級アンモニウム塩型共重合体(A
−2)を得た。
クリレート:35部、メチルメタアクリレート:30
部、エチルメタアクリレート:40部、エチルアルコー
ル150部と、アゾビスイソブチロニトリル1部を添加
し、窒素気流下80℃で6時間重合反応を行なった。次
いで、3‐クロロ‐2‐ヒドロキシプロピルジメチルベ
ンジルアンモニウムクロリドの40%水溶液:147部
を加え、更に80℃の温度で15時間反応させた後、水
を滴下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形分
として20%の第四級アンモニウム塩型共重合体(A−
3)を得た。
メチルアンモニウムクロリド80%水溶液:50部、メ
チルメタアクリレート:30部、エチルメタクアリレー
ト:30部、エチルアルコール150部と、アゾビスイ
ソブチロニトリル1部を添加し、窒素気流下80℃の温
度で6時間重合反応を行なった。次いで、水を滴下しな
がらエチルアルコールを留去し、最終固形分として20
%の第四級アンモニウム塩型共重合体(A−4)を得
た。
た。 B−1:BASF社製“ポリミンSN” (ポリアミドアミンのポリエチレンイミン付加体) B−2:塩化ブチル変性ポリエチレンイミン (三菱油化(株)製「サフトマー AC72」)
ヒドリン付加物 ポリアミンポリアミド・エピクロルヒドリン付加物とし
て以下のものを使用した。 C−1:荒川化学(株)社製“アラフィックス100” C−2:ディック・ハーキュレス社製“カイメン557
H”
インキ密着性については以下の測定方法によって評価し
た。 (1)表面固有抵抗 得られた合成紙を23℃の温度で30%、60%の各相
対湿度の条件下で、三菱油化(株)製表面抵抗計“HIRE
STA MODEL HT-250(商品名)”を用いて測定した。
刷機“ダイヤ1F−2(商品名)”を用いてオフセット
印刷インキ(東華色素化学工業(株)製“合成紙用No
2”)を使用して連続で印刷を行なった際の、給紙性及
びインキの転移性を以下の5段階にて評価した。 (a)給紙性 5:全く問題無し。 4:ほぼ問題無し。 3:二枚差し(同時に2枚紙を供給)が発生するが、実
用上支障無し。 2:二枚差しが発生し、実用上問題有り。 1:二枚差しが多発し、枚葉印刷が困難である。 (b)インキ転移性 5:全く問題無し。 4:湿し水の使用量によらず転移性良好である。 3:湿し水の使用量により転移性はやや悪いが実用上支
障が無い。 2:湿し水の使用量により転移性が悪く実用上問題有
り。 1:湿し水の使用量にかかわらずインキの転移性が悪
い。
紫外線硬化型インキ(東華色素化学工業(株)製“ベス
トキュアー161”)を、約1.5g/m2 になるよう
に印刷し、印刷されたインキ面の塗布筋、白抜け等の転
移不良がないかどうかを目視にて観察し次の5段階にて
評価した。 5:大変良い。 4:良い。 3:転移インキの色が薄いが実用上支障がない。 2:転移インキの色が薄く塗布筋が見える。 1:ほとんど転移しない。
ターにより前述のベストキュアー161を約3g/m2
の厚さとなるように印刷し、80w/cmの高圧水銀灯1
本の下で10cmのところを、25m/分の速度で10回
通過させて照射した後、その面にセロテープを貼りつ
け、充分密着させた後に、素早くテープを剥離してイン
キ接着性を次の5段階で評価した。 5:全くインキが剥離してこない。 4:僅かな部分のインキが剥離した。 3:剥離部分が25%以下であった。 2:剥離部分が25〜50%であった。 1:剥離部分が50%以上であった。
に配合し、各成分の有効成分量が下記の配合組成になる
ように水で希釈し、充分攪拌して塗布液を調製した。 成分A:A−1 0.5部 成分B:B−1 0.5部 成分C:C−1 0.4部 成分D:D−1 0.1部 一方、上記装置の製造において、合成紙−1の製造にて
得た合成紙−1の両表面をコロナ放電した後、上記塗布
液を両表面に、固形分で0.05g/m2 となるように
ロールで塗布した後、65℃の温度で乾燥して皮膜を形
成せしめ、これを巻き取った。得られた合成紙の物性、
即ち表面固有抵抗、オフセット印刷適性、インキ転移性
及びインキ密着性は上記評価方法によって評価し、それ
を表1に示す。
に塗布し、塗工合成紙を得た。得られた合成紙は表1に
示すように優れた帯電防止性及び印刷適性を有するもの
であった。
重合体を使用しない場合には帯電防止性が不足すること
から、オフセット印刷適性に劣るといった問題点があっ
た。
れた帯電防止性を持つと同時に、オフセット印刷性に優
れ、実用上に於いて幅広い要求を満足することが可能と
なった。
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(I)で示される構造単位
(a)、下記一般式(II)で表される構造単位(b)及
び上記(a)及び(b)成分と共重合可能な単量体から
得られた構造単位(c)を含有し、それらの重量割合が
(a):(b):(c)=30〜70:30〜70:0
〜40の範囲である第四級アンモニウム塩型共重合体の
塗工層を有することを特徴とする印刷性の良好な熱可塑
性樹脂フィルム。 【化1】 (式中、Aは−O−若しくは−NH−を表わし、R1は
水素原子若しくはメチル基を表わし、R2は炭素数が2
〜4のアルキレン基若しくは−CH2−CH(OH)−
CH2−を表わし、R3、R4、R5及びR6は炭素数
が1〜3のアルキル基を表わし、これらは同一であって
も、異なっていても良く、R7は炭素数が1〜10のア
ルキル基若しくは炭素数が7〜10のアラルキル基を表
わし、nは1〜3の整数を表わし、Xは塩素原子、臭素
原子、又は沃素原子を表わす。) 【化2】 (式中、R8は水素原子若しくはメチル基を表わし、R
9は炭素数が1〜22のアルキル基、炭素数が7〜22
のアラルキル基、若しくは炭素数が5〜22のシクロア
ルキル基を表わす。) - 【請求項2】塗工層が第四級アンモニウム塩型共重合体
とポリエチレンイミン若しくはポリエチレンイミン変性
体とを含有する請求項1に記載の印刷性の良好な熱可塑
性樹脂フィルム。
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