JP3608944B2 - 熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱可塑性樹脂フィルムの表面に特定の酸化処理を行った後、表面改質剤の塗布皮膜を形成せしめ、ついで少なくとも一方向に延伸を行った後、更に塗布面に特定の酸化処理を行うことにより、水性染料による捺染の着色性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを得るための表面処理方法に関するものである。
本発明により得られる熱可塑性樹脂フィルムは、捺染による着色や印画、ポスター用紙、ステッカーや装飾品の用紙として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品用容器に貼着されるラベルとしては、該ステッカーやラベル用紙であるコート紙は耐水性が乏しいので、それを補強するために、該コート紙の表面を更にポリエステルフィルムで被覆したものが用いられていた。
近年、この様なラベル用紙として耐水性が良好な熱可塑性樹脂フィルム、なかでもポリオレフィン系合成紙が上記ポリエステルフィルム被覆コート紙に代替する有望な素材として注目されている。
この様な樹脂フィルムは、公知のものであり、その詳細については、例えば特公昭46−40794号、特公昭49−1782号、特開昭56−118437号、特開昭57−12642号及び特開昭57−56224号の各公報等を参照することができる。
【0003】
しかし、この様なポリオレフィン系合成紙は、その原料であるポリオレフィンが無極性であることから、印刷性及び加工性において必ずしも満足すべきものでなく、そのために、適当な表面処理を施してから使用するのが普通である。
この様な表面処理の一つとして、ポリオレフィン合成紙の製造時に延伸前のフィルム表面にコロナ放電処理などの酸化処理を施し、更に表面に表面改質剤塗被液を塗布した後延伸し、さらに表面にコロナ放電処理等の酸化処理を施す方法が知られている。
【0004】
特公昭57−48587号公報には乾時延展可能な糊料の水溶液を塗被し、実質的に乾燥後延伸を実施することを特徴とする紙粉トラブルの点で改良された合成紙の製造方法が記載されており、また特開平7−266417号公報には縦延伸したフィルムに30〜100w・分/mのコロナ処理を行い、処理面にエチレン含量が20〜45モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体の塗液をコーティングし、乾燥後テンターで横方向に延伸し、さらに30〜100w・分/mのコロナ処理を行う積層樹脂フィルムの製造方法が開示されているが、捺染や染色液の塗布により全面が薄く着色される場合には、着色の微妙な斑が目立って商品価値が損なわれるケースがあり、改善が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性樹脂フィルムの表面着色剤塗工において、表面着色剤が均一に塗工でき、かつ着色表面が耐水性を有する熱可塑性樹脂フィルムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂フィルム(i )表面に前段の酸化処理を行い、特定の表面改質剤を塗布し、次いで延伸し、更に前記表面改質剤を塗布した熱可塑性樹脂フィルム(i )表面に後段の酸化処理を行うことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム(i )の表面処理方法を提供するものである。
【0007】
【作用】
延伸前の熱可塑性樹脂フィルム(i )表面に前段の酸化処理を行い、その後表面改質剤を塗布することにより、延伸後の後段の酸化処理効果を向上させ、表面処理がより均一となるため、該表面処理方法により得られた熱可塑性樹脂フィルム(i )は、塗布する表面着色剤の濡れ性、接着性が向上する為、表面処理の微少な斑が減少し、着色の均一性、耐水性が良好となり、さらに高温多湿下に保管後も均一な着色を可能とすることができたと推測される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法は、熱可塑性樹脂フィルム(i )表面に前段の酸化処理を行い、表面改質剤を塗布し、次いで延伸し、更に前記表面改質剤を塗布した熱可塑性樹脂フィルム(i )表面に後段の酸化処理を行うものであり、以下に詳細に説明する。
(1)熱可塑性樹脂フィルム(i )
本発明の熱可塑性樹脂フィルム(i )において、使用される熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−6,T等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これら樹脂は2種以上混合して用いることもできる。
【0009】
これらの熱可塑性樹脂の中でも、本発明の効果をより一層発揮するためには非極性のポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。更にポリオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が、耐薬品性、コストの面などから好ましい。
かかるプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体でありアイソタクティックないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。この共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0010】
また、プロピレン単独重合体を用いる場合は、延伸性を良好とするためポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のプロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂を2〜25重量%配合することが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム(i )は、単層であっても、基材層(ii)と表面層(iii )の2層構造であっても、基材層(ii)の表裏面に表面層(iii )が存在する3層構造であっても、基材層(ii)と表面層(iii )間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造であっても良く、また無機微細粉末や有機フィラーを含有していないもの、含有しているものでも良い。
【0011】
熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムであり、(i )が単層であって、無機微細粉末を含有する場合は、通常ポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%、無機微細粉末60〜0.5重量%を含有し、好ましくは基材層(ii)がポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機微細粉末50〜3重量%を含有する。熱可塑性樹脂フィルム(i )が多層構造であって基材層(ii)及び表面層(iii )が無機微細粉末を含有する場合は、通常基材層(ii)がポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%、無機微細粉末60〜0.5重量%を含有し、表面層(iii )がポリオレフィン系樹脂25〜100重量%、無機微細粉末75〜0重量%を含有し、好ましくは基材層(ii)がポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機微細粉末50〜3重量%を含有し、表面層(iii )がポリオレフィン系樹脂30〜97重量%、無機微細粉末70〜3重量%を含有する。
【0012】
単層構造、又は多層構造の基材層(ii)に含有される無機微細粉末が60重量%を越えては、縦延伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィルムが破断し易い。表面層(iii )に含有される無機微細粉末75重量%を越えては、横延伸後の表面層の表面強度が低く紙剥けが起こりやすい。
無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等であって、その平均粒径が0.01〜15μm、好ましくは0.2〜8μmのものが使用される。平均粒径が0.01μm未満では、熱可塑性樹脂との混合時に分級や二次凝集等のトラブルが生じやすく、15μm超では、着色斑の原因となりやすい。
【0013】
熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである場合には、有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,T、環状オレフィンの重合体等のポリオレフィン樹脂の融点よりは高い融点(例えば170〜300℃)ないしはガラス転移温度(例えば、170℃〜280℃)を有するものが使用される。
更に必要により、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を配合してもよい。安定剤として、立体障害フェノール系やリン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安定剤として、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤、例えばシランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合してもよい。
【0014】
[樹脂フィルムの成形]
熱可塑性樹脂フィルムの成型方法は特に限定されず、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としてはスクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物のキャスト成形またはカレンダー成形後の溶剤やオイルの除去、熱可塑性樹脂の溶液からの成形と溶媒除去など、を挙げることができる。
延伸する場合には、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としてはロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸などを挙げることができる。
【0015】
[樹脂フィルム]
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂を用い、延伸されたものでも、延伸されていないものでも良いが、前段の表面処理の後に延伸することが可能なものであることが必要である。また、無機微細粉末や有機フィラーを含有していないものであっても、含有しているものでも良い。また、延伸された基材層の少なくとも片面に延伸されていない樹脂層を設けてなるものであっても良い。
熱可塑性樹脂フィルム(i )がポリオレフィン系樹脂フィルムであり、単層であって、無機微細粉末を含有する場合は、ポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%と、無機微細粉末60〜0.5重量%を含有する樹脂組成物より成る樹脂フィルムを上記成分のポリオレフィン系樹脂の融点より低い温度、好ましくは3〜60℃低い温度で一軸方向、又は二軸方向に延伸することにより、フィルム表面に微細な亀裂が、フィルム内部に微細な空孔(ボイド)を有する微多孔性の延伸樹脂フィルムが得られる。
【0016】
また、熱可塑性樹脂フィルム(i )が多層構造であって基材層(ii)のポリオレフィン系樹脂40〜100重量%と、無機微細粉末60〜0重量%を含有する樹脂組成物より成る樹脂フィルムを基材層(ii)のポリオレフィン系樹脂の融点より低い温度、好ましくは3〜60℃低い温度で縦方向に延伸し、次いで表面層(iii )がポリオレフィン系樹脂25〜100重量%と、無機微細粉末75〜0重量%を含有する樹脂組成物より成る樹脂フィルムの表面層(iii )を基材層の(ii)の少なくとも片面に積層して前段の表面処理に使用できる。
【0017】
上記フィルムの中でより好ましいのは、焼成クレイ、重質ないしは軽質の炭酸カルシウム、酸化チタン及びタルク等の微細無機粉末を5〜60重量%含有するポリオレフィン樹脂フィルムを一軸延伸して、この微細無機粉末粒子を中心として表面に無数の亀裂を生じさせて半透明或いは不透明化せしめたものや、その表面に更に上記微細粉末を含有する樹脂組成物を積層形成したフィルムや、特公平1−60411号、特開昭61−3748号の各公報等に記載されているような、表面層に無機微細粉末を実質的に含有しないポリオレフィン樹脂フィルム層を形成した積層体である合成紙の製造に用いられる延伸前の原反シートや逐次二軸延伸の縦延伸後シート等を挙げることができる。
本発明に使用する前段の表面処理に使用する樹脂フィルムの肉厚は、延伸倍率と延伸後に必要とされるフィルムの厚さに併せて適宜選択することができ、一般に20〜4000μm、好ましくは100〜3000μmの範囲のものが用いられる。
【0018】
[前段の表面酸化処理]
上記基材の前段の表面酸化処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理より選ばれた処理方法で、好ましくはコロナ処理、フレーム処理である。処理量はコロナ処理の場合、600〜12,000J/m2 (10〜200W・分/m2 )、好ましくは1200〜9000J/m2 (20〜150W・分/m2 )である。600J/m2 (10W・分/m2 )未満では、コロナ放電処理の効果が不十分で、その後の表面改質剤の塗工時にはじきが生じ、12,000J/m2 200W・分/m2 )超では処理の効果が頭打ちとなるので12,000J/m2 200W・分/m2 )以下で十分である。フレーム処理の場合、8,000〜200,000J/m2 、好ましくは20,000〜100,000J/m2 が用いられる。8,000J/m2 未満では、フレーム処理の効果が不十分で、その後の表面改質剤の塗工時にはじきが生じ、200,000J/m2 超では処理の効果が頭打ちとなるので200,000J/m2 以下で十分である。
【0019】
[前段の表面改質剤]
前段の表面改質剤は主として下記のプライマーより選ばれたもので、単独あるいは2成分以上の混合物である。必要に応じて下記の架橋剤や帯電防止性ポリマーより選ばれるものと併用してもよい。
▲1▼プライマー
プライマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12のアルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物及びポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドの誘導体、オキサゾリン基含有アクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール樹脂等の水溶性樹脂、また、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の水分散性樹脂等を用いることができる。
【0020】
これらの内で好ましくは、ポリエチレンイミン系重合体及びウレタン樹脂、ポリアクリル酸エステル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重合体であり、更に好ましくは重合度は20〜3,000のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加体、ないしはこららに炭素数が1〜24のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性された変性ポリエチレンイミンである。
【0021】
▲2▼架橋剤
上記のプライマーに、架橋剤を添加することにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上させることができる。架橋剤としては、グリシジルエーテル、グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマリン系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂を挙げることができる。架橋剤の添加量は、通常、上記のプライマー100重量部に対して1〜500重量の範囲である。
【0022】
▲3▼帯電防止ポリマー
上記のプライマーに帯電防止ポリマーを加えることにより、ほこりの付着や印刷時の帯電によるトラブルを低減することができる。
帯電防止ポリマーとしては、水溶性の窒素含有アクリル系ポリマーやスチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられ、特に窒素含有アクリル系ポリマーが好ましい。
【0023】
(A)窒素含有アクリル系ポリマー
上記、帯電防止性を付与する水溶性の窒素含有ポリマーは、第三級窒素又は第四級窒素含有アクリル系ポリマーであっても良く、具体的には単量体として次の(イ)〜(ニ)の化学式で表されるものを挙げることができる。
化学式(イ)
【化1】
Figure 0003608944
【0024】
化学式(ロ)
【化2】
Figure 0003608944
[式中、−CH基は−CR=CH基に対して、芳香環上のオルト、メタ位又はパラ位にあり、好ましくはパラ位に結合しているものである。]
【0025】
化学式(ハ)
【化3】
Figure 0003608944
【0026】
化学式(ニ)
【化4】
Figure 0003608944
(ニa)、(ニb)ないしは(ニc)より選ばれる少なくとも一種であり、好ましくは(二a)である。
【0027】
上記(イ)〜(ニ)の各化学式の中で、R1 は水素原子又はメチル基、R2 及びR3 はそれぞれ低級アルキル基(特に炭素数が1〜4、就中炭素数が1〜2)、R4 は炭素数1〜22の飽和又は不飽和アルキル若しくはシクロアルキル基、X- は四級化されたN+ の対アニオン〔例えばハライド(特にクロライド)〕、Mはアルカリ金属イオン(特にナトリウム、カリウム、又はリチウム)、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を表す。
上記化学式(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)で表される四級窒素含有単量体の重合体は、その前駆体の級窒素含有単量体を重合させてから、アルキルハライド、ジメチル硫酸、モノクロロ酢酸エステル等のカチオン化剤により四級化することによって重合体に存在させることができることはいうまでもない。
本発明では帯電防止剤は水溶性であることが必要であるが、過度に水溶性であることは望ましくない。従って、(A)成分の四級窒素含有重合体は、疎水性単量体との共重合体であることが望ましい。疎水性単量体としては、スチレン又はその核ないし側鎖置換体、アクリルないしメタクリル酸エステル、ハロゲン化ビニルその他がある。
【0028】
好適な帯電防止剤重合体
本発明において、特に好ましい(A)成分の帯電防止剤重合体は、下記の(a)〜(c)成分の共重合体からなるものである。
(a)成分:化学式(イ)〜(ニ)で表される四級窒素含有単量体
20〜40重量%
(b)成分:一般式
【化5】
Figure 0003608944
で表される単量体 40〜80重量%
[式中、R1 は水素原子又はメチル基、R5 は炭素数が1〜22のアルキル基、炭素数が7〜22のアラルキル基、若しくは炭素数5〜22のシクロアルキル基を表す。]
(c)成分:他の疎水性ビニル単量体 0〜20重量%
【0029】
最も好適な帯電防止剤重合体
本発明において、最も好適な(A)成分の帯電防止剤重合体は、(a)成分の四級窒素含有単量体が前記の単量体(イ)においてXがClであるものである。
また、(A)成分は特開平6−25447号公報に記載されるように、
(a’)下記の一般式で表される単量体 30〜70重量%
【化6】
Figure 0003608944
[式中、Aは−O−若しくは−NH−を表し、Rは水素原子若しくはメチル基を表し、Rは炭素数が2〜4のアルキレン基若しくは−CH−CH(OH)−CH−を表し、R、R、R、R10は同一であっても、異なっていても良い炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R11は炭素数が1〜10アルキル基若しくは炭素数が7〜10のアラルキル基を表し、Xは塩素原子、臭素原子又は沃素原子を表す。]
【0030】
(b)一般式下記の一般式で表される単量体 30〜70重量%
【化7】
Figure 0003608944
[式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数が1〜22のアルキル基、炭素数が7〜22のアラルキル基、若しくは炭素数5〜22のシクロアルキル基を表す。]
(c)成分:他の疎水性ビニル単量体 0〜40重量%
を共重合させて得られた第四級アンモニウム塩型共重合体も好ましい。
【0031】
上記(a’)の単量体の具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、及びこれらのメタクリレート相当物、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、及びこれらのメタクリレート相当物等の下記一般式(IV)で示される第三級アミン含有単量体を、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等の下記一般式(VI)で表される変性剤で、重合前に若しくは重合後に変性することによって得ることができる。
【0032】
一般式(IV)
【化8】
Figure 0003608944
[式中、Aは−O−若しくは−NH−を表し、Rは水素原子若しくはメチル基を表し、Rは炭素数が2〜4のアルキレン基若しくは−CH−CH(OH)−CH−を表し、R、Rは同一であっても、異なっていても良い炭素数が1〜3のアルキル基を表す。]
【0033】
一般式(VI)
【化9】
Figure 0003608944
[式中、R、R10は同一であっても、異なっていても良く、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R11は炭素数が1〜10アルキル基若しくは炭素数が7〜10のアラルキル基を表し、nは1〜3の整数で、Xは塩素原子、臭素原子又は沃素原子を表す。]
【0034】
上記(b)成分の疎水性単量体単位としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
また、必要によって使用される上記の(a)又は(a’)及び(b)成分と共重合可能な(c)成分の他の単量体単位としては、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等の疎水性単量体やビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド等の親水性単量体を挙げることができる。
【0035】
(A)成分の水溶性帯電防止剤である共重合体を得るための重合方法としては、ラジカル開始剤を用いた、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公知の重合方法を採用する事ができる。これらの中で好ましい重合方法としては、溶液重合であり、該重合は各単量体を溶媒に溶解し、ラジカル重合開始剤を添加して、窒素気流下において加熱攪拌することにより実施される。溶媒は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類等が好ましく、また、これらの溶媒を混合使用して実施しても良い。重合開始剤は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ化合物が好適に用いられる。単量体濃度は通常10〜60重量%であり、重合開始剤の濃度は単量体に対して通常0.1〜10重量%である。
【0036】
第四級アンモニウム塩型共重合体の分子量は、重合温度、重合開始剤の種類及び量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件により任意のレベルとすることができる。一般には得られる重合体の分子量は1,000〜1,000,000であるが、中でも1,000〜500, 000の範囲が好ましい。
帯電防止ポリマーの量は、通常上記のプライマー100重量部にたいして、10〜500重量部、好ましくは30〜250重量部である。10重量部未満では帯電防止効果が不十分であり、500重量部超では印刷インキの密着が不十分となるケースがある。
本発明の前段の表面改質剤は、必要に応じて以下の任意成分を含有するものであってもよい。任意成分の量は、通常上記プライマー100重量部に対して50重量部以下である。
【0037】
▲4▼任意成分1:アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩として、水溶性の無機塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性塩、及び塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、アンモニウム明礬等を挙げることができる。
▲5▼任意成分2:表面改質剤は、更に、界面活性剤、消泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他の助剤を含む事もできる。
【0038】
[前段の表面改質層の形成]
上記表面改質層の各成分は、水或いはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に溶解させてから用いるのであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが普通である。溶液濃度は通常0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%程度である。0.05重量%未満では、水分の乾燥量が多く、乾燥時間が長くなり、20重量%超では塗工斑が生じやすい傾向となる。
塗工方法としては、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等が挙げられ、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤が除去される。
塗工量は乾燥後の固形分として0.005〜10g/m、好ましくは0.05〜1g/mより好ましくは0.1〜0.5g/mである。0.005g/m未満ではプライマーの効果が不十分であり、10g/m超では塗工斑が目立って着色の均一性が悪化する場合がある。
【0039】
[延伸]
延伸には、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としては、非結晶樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下のそれぞれの熱可塑性樹脂に好適な公知の温度範囲で行うことができ、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸などを挙げることができる。
延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例を挙げると、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンないしはその共重合体を使用する時には一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用する時には一方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜20倍、好ましくは4〜12倍である。更に、必要に応じて高温での熱処理が施される。
【0040】
延伸温度は使用する熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)のときは152〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)のときは104〜115℃である。また、延伸速度は20〜350m/分である。
熱可塑性樹脂フィルムが、無機微細粉末を含有する場合、フィルム表面に微細な亀裂が、フィルム内部には微細な空孔が生じる。
延伸後の熱可塑性樹脂フィルム(i )の肉厚は、20〜500μm、好ましくは35〜300μmである。
【0041】
(延伸後のフィルムの物性)
この延伸後の無機微細粉末含有熱可塑性樹脂フィルムは、基材部分の次式で示される空孔率が10〜60%、密度0. 650〜1. 20g/cm、不透明度75%以上、ベック平滑度が50〜25,000秒である物性を有する。
【式2】
Figure 0003608944
【0042】
[後段の表面酸化処理]
上記基材の後段の表面酸化処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理より選ばれた処理方法で、好ましくはコロナ処理、フレーム処理であり、より好ましくはコロナ処理である。
処理量はコロナ処理の場合、600〜12,000J/m2 (10〜200W・分/m2 )、好ましくは1200〜9000J/m2 (20〜150W・分/m2 )である。600J/m2 (10W・分/m2 )未満では、コロナ放電処理の効果が不十分で、その後の表面改質剤の塗工時にはじきが生じ、12,000J/m2 200W・分/m2 )超では処理の効果が頭打ちとなるので12,000J/m2 200W・分/m2 )以下で十分である。フレーム処理の場合、8,000〜200,000J/m2 、好ましくは20,000〜100,000J/m2 が用いられる。8,000J/m2 未満では、フレーム処理の効果が不十分で、その後の表面改質剤の塗工時にはじきが生じ、200,000J/m2 超では処理の効果が頭打ちとなるので200,000J/m2 以下で十分である。
【0043】
(7)着色
この様にして得られる熱可塑性樹脂フィルム(i )の表面に着色剤受容層が形成された印刷用紙は表面に均一に着色する事が可能である。着色の方法は、スプレーブラシ、スプレーコーターによる塗工、シルクスクリーン、捺染、浸漬、水性グラビア、ロール転写など公知の種々の方法が使用でき、中でも、捺染が好適である。
これらの着色方法については、有機合成化学協会編「染料便覧」1970年丸善株式会社発行79〜248頁、高分子学会編集「化学繊維の染色と加工」1966年株式会社地人書館発行337〜359頁に示されている方法を使用することができる。
着色された熱可塑性樹脂フィルムは、色による用紙毎の識別が容易となる、染色による絵柄を付与できる等の利点がある。
また、着色以外にも、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印刷は勿論のこと、紫外線硬化型オフセット印刷にも使用できる。
【0044】
【実施例】
以下に示す実施例によって、本発明を更に具体的に説明するが、これら実施例において使用した原料素材及び評価方法は、以下に示すものを採用した。また、成分配合比における「部」は、「重量部」を示す。
[I]表面改質剤
(1)前段の表面改質剤(G1〜G3)の調製
変性エチレンイミン系重合体の合成
アルキル変性エチレンイミン系重合体(F1)
攪拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、日本触媒(株)製ポリエチレンイミン“エポミン P−1000”(商品名;重合度1600)の25重量%水溶液100部、n−ブチルクロライド10部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル10部を入れて窒素気流下で攪拌し、80℃の温度で20時間変性反応を行ってブチル変性ポリエチレンイミン水溶液を得た。このものに水を加えて、ブチル変性ポリエチレンイミン25重量%濃度の溶液とした(以下、F1と略記する。)。
【0045】
(G1)
水100部に対して上記水溶液(F1)5部を加えて攪拌混合し、前段に塗工する表面改質剤(G1)を調製した。
(G2)
水100部に対して、ポリエチレンイミン系重合体を主成分とする水溶液ポリミンSN(BASF社製、商品名、固形分:24重量%、以下F2と略記する。)6部を加えて攪拌混合し、前段に塗工する表面改質剤(G2)を調製した。
【0046】
(G3)
環流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管、及び、攪拌装置を取り付けた4つ口フラスコに、ジメチルアミノエチルメタクリレート35部、エチルメタアクリレート20部、シクロヘキシルメタアクリレート20部、ステアリルメタアクリレート25部、エチルアルコール150部と、アゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、窒素気流下に80℃の温度で6時間重合反応を行った。
ついで、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドの60%溶液70部を加え、更に80℃の温度で15時間反応させた後、水を滴下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形分として30%の第4級アンモニウム塩型共重合体(略号H1)を得た。このものは、次の一般式で示される基を分子鎖内に含むアクリル酸アルキルエステル系重合体である。
【0047】
【化10】
Figure 0003608944
水100部に対して、上記水溶液(F1)5部と上記の第4級アンモニウム塩型共重合体(H1)3部を加えて混合攪拌し、前段に塗工する表面改質剤(G3)を調製した。
【0048】
II ]熱可塑性樹脂フィルムの製造
<実施例1>
(1)樹脂シート
製造例1(P1)
メルトフローレート(MFR)1.5g/10分のポリプロピレン79重量%に、190℃におけるメルトフローレートが10g/10分、密度0.95g/cm3 の高密度ポリエチレン6重量%、平均粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム15重量%を配合した組成物(C’)を、240℃に設定した押し出し機にて混練した後、シート状に押し出し、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。 尚、上記のシート状に押し出した組成物及び以下の押出や積層に使用する組成物には、使用するポリプロピレンと炭酸カルシウムの合計量100部に対して−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05部とフェノール系安定剤であるイルガノックス1010(チバガイキー社製、商品名)0.05部、リン系安定剤であるウエストン618(ボーグワーナー(株)製、商品名)0.05部を配合した。
このシートを140℃の温度に加熱して、縦方向に5倍延伸した。
【0049】
MFRが4.0g/10分のポリプロピレン50重量%とマレイン酸変性ポリプロピレン5重量%と平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%とを混合した組成物(A’)を250℃に設定した押し出し機により溶融混練したものと、MFRが4.0g/10分のポリプロピレン55重量%と平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%を混合した組成物(B’)を250℃に設定した別の押し出し機で溶融混練したものをダイ内で積層し、この積層物を(A’)が外側となるように、上記で得られた縦5倍延伸シートの両面に共押し出しして5層積層物(A’/B’/ C’/B’/A’)を得た。
【0050】
(2)前段の酸化処理
上記5層積層物(P1)の表の面に以下のようなコロナ放電処理を行った。
コロナ放電処理機は春日電気(株)製コロナ放電処理機HFS400Fを用い、アルミ電極、トリータロールにはシリコーン被覆ロールを用い、電極とロールとのギャップを2mmとし、ライン速度約30m/分、印加エネルギー密度100W・分/mにて処理を行った。
(3)前段の表面改質剤の塗布
ついで、上記のコロナ放電処理を行った表面に、上記「表面改質剤の調製」の項に示した表面改質剤(G1)を、乾燥時の塗工量は約0.2g/mになるように塗布し、下記のテンターオーブンに導いた。
【0051】
(4)延伸
上記、酸化処理、塗工を施した5層積層物をテンターオーブンにて155℃に加熱した後、横方向に8.5倍の延伸を行って、厚さ130μmの5層積層フィルム(各層の厚さ6μm/26μm/66μm/26μm/6μm)を得た。
(5)後段の酸化処理
上記延伸を施した5層積層フィルムの両面に、再度以下の条件でコロナ放電処理を行った。コロナ放電処理機は春日電気(株)製コロナ放電処理機HFS400Fを用い、アルミ電極、トリータロールにはシリコーン被覆ロールを用い、電極とロールとのギャップを1.5mmとし、ライン速度約30m/分、印加エネルギー密度100W・分/m2 にて処理を行い、熱可塑性樹脂フィルムを得た。 このものの着色剤塗工の均一性、着色面の色濃度、等の評価を、以下に示す方法で行った。
【0052】
[III]評価
(1)着色剤の塗工時の均一性
着色剤を以下の方法により調製し、着色塗工時の均一性の評価に使用した。
水40gに水酸化ナトリウム(和光純薬(株)製、試薬グレード)0.1gを完全に溶解し、湯浴上で50℃とし、更にエタノール1gを加え、ついで攪拌しながら染料としてテトラブロモフェノールスルフォンフタレイン(和光純薬(株)製、試薬グレード)0.5gを少量づつ溶解し、添加し終わってから、50℃にて4時間攪拌し染料原液を調製した。
【0053】
水1060gに、湯浴上で80℃にて攪拌しながら、糊としてポリビニルアルコール500(和光純薬(株)製、完全けん化型、平均重合度約400〜600、けん化度96モル%以上)94.4g及びポリビニルアルコール1000(和光純薬(株)製、完全けん化型、平均重合度約900〜1000、けん化度96モル%以上)23.6gを少しづつ溶解し、添加し終わってから90〜95℃に昇温し、2時間攪拌し、糊溶液を作製した。
この糊溶液を室温まで放冷し、攪拌しながら、水230g、2−ブトキシエタノール(和光純薬(株)、試薬グレード、純度98%以上)2.5g、界面活性剤としてスルホコハク酸ビス(2−エチルヘキシル)エステルナトリウム塩3.5gを加えて2時間攪拌した後、更に攪拌しながら上記染料原液を徐々に加え、そのまま30分攪拌して着色剤を調製した。
【0054】
この染色液をメイヤーバーコーター(#8)を使用し、実施例1のフィルム表面に約18.3μmの厚さに塗工し、室温にて1時間乾燥し、表面に着色剤が塗工されたフィルムを得た。
目視にて、塗工面の色ムラを観察し、次の段階で評価した。
4;着色ムラは殆ど目立たない(実用に足る)
3;着色ムラが部分的に僅かにあるが目立たない。
2;着色ムラが部分的にあり、目立つ。
1;着色ムラが全面にひどく目立つ。
実施例1は、4のレベルであった。結果を表1に示した。
(2)着色面色濃度
上記の着色表面の色濃度をマクベス濃度計(米国コルモーゲン社製)にて光反射濃度(マクベス濃度)として測定した。実施例1の着色面のマクベス濃度は0.23であった。
【0055】
<比較例1>
実施例1にて作製したフィルムに着色剤を塗工せず、未着色のままのマクベス濃度を測定した。マクベス濃度は、0.02であった。
<比較例2>
表面改質剤の塗工を行わないほかは、実施例1と同様の操作によりフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
<比較例3>
後段の表面酸化処理を行わないほかは、実施例1と同様の操作によりフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
<比較例4>
前段の表面酸化処理と表面改質剤の塗工を行わないほかは、実施例1と同様の操作によりフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
【0056】
<実施例2〜3>
前段の表面改質剤を(G2)、ないしは(G3)とし、それらの乾燥後の塗工量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にフィルムを製造し、表面処理、評価を行った。実施例の要点と評価結果を表2に示した。
<実施例4>
前段の酸化処理をコロナ処理量40W・分/mに変更し、表面改質剤(G1)の乾燥後の塗工量を0.4g/mとする以外は実施例1と同様にフィルムを製造し、表面処理、評価を行った。結果を表2に示した。
【0057】
<実施例5>
前段の酸化処理をコロナ処理量180W・分/mとし、表面改質剤をG1とし、乾燥後の塗工量は約0.3g/mに変更する以外は実施例1と同様にフィルムを製造し、表面処理、評価を行った。結果を表2に示した。
<実施例6>
延伸前の5層積層物(P1)の両表面をフリンバーナー社(FLYNN BURNER社)製フリンF3000ダイレクトフレームプラズマ処理機を用いて、燃焼ガスにプロパンを使用し、ライン速度40m/分、印加エネルギー37, 700J/mにてフレーム処理を行った点以外は実施例1と同様にフィルムを製造、表面処理、評価を行った。このものの評価結果を表3に示した。
【0058】
<実施例7>
前段のフレーム処理の印加エネルギーを28000J/mとし、後段の酸化処理をコロナ放電処理(処理量を60W・分/m)とする以外は、実施例6と同様の操作にてフィルムを作製した。評価結果を表3に示した。
<実施例8>
前段のフレーム処理の印加エネルギーを60600J/m、ライン速度70m/分とする以外は、実施例6と同様の操作にてフィルムを作製した。評価結果を表3に示した。
【0059】
<実施例9>
樹脂シートの製造を以下の製造例2に示すように変更し、前段のコロナ処理量を90W・分/mとし、前段の表面改質剤をG3(乾燥後の塗工量0.3g/m)、後段のコロナ放電処理量を80W・分/mとする以外は、実施例1と同様にフィルムを製造し、評価を行った。
下記のものを延伸前の樹脂シートとして用いた。
樹脂シートの製造例2(P2)
横延伸前樹脂シートの製造例1におけるA’の組成中のMFRが4.0g/10分のポリプロピレンをMFRが10g/10分のエチレン−プロピレンランダム共重合体に変更する以外は、製造例1(P1)と同様にして5層積層物を得た。このものの評価結果を表3に示した。
【0060】
<実施例10>
下記のものを延伸前の樹脂シートとして用いた。
横延伸前樹脂シートの製造例3(P3)
メルトインデックス(MFR)1.5g/10分のポリプロピレン79重量%に、190℃におけるメルトフローレートが10g/10分、密度0.95g/cmの高密度ポリエチレン6重量%、平均粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム15重量%を配合した組成物(C’)を、250℃に設定した押し出し機にて混練した後、シート状に押し出し、冷却装置にて冷却して単層の無延伸シートを得た。このものを140℃の温度に加熱し、縦方向にロール間の周速差を利用して4.5倍延伸し、実施例1と同様の条件で表面改質剤G1を乾燥後の塗工量0.2g/mとなるよう塗工し、テンターオーブンにて155℃に加熱した後、横方向に9倍の延伸を行って、厚さ95μmの二軸延伸フィルムを得た。このフィルムに80W・分/mの条件でコロナ放電処理を行った。このものの評価結果を表3に示した。
【0061】
<実施例11>
下記のものを延伸前の樹脂シートとして用いた。
横延伸前樹脂シートの製造例4(P4)
横延伸前樹脂シートの製造例3(P3)におけるC’のみの無延伸シートにコロナ放電処理(処理量を90W・分/m)を施した後、前段の表面改質剤G2を乾燥後の塗工量が0.3g/mとなるよう塗工し、乾燥炉を通して乾燥した後140℃の温度に加熱し、縦方向にロール間の周速差を利用して5倍延伸し、単層の縦1軸延伸シートを得た。このものに100W・分/mの条件でコロナ放電処理を行った。このものの評価結果を表3に示した。
【0062】
<比較例5>
前段の酸化処理と表面改質剤の塗布を行、後段の表面酸化処理を行わない以外は、実施例2と同様にフィルムを製造し、表面処理、評価を行った。結果を表4に示した。
<比較例6>
前段の酸化処理と表面改質剤の塗布を行、後段の表面酸化処理を行わない以外は、実施例3と同様にフィルムを製造し、表面処理、評価を行った。結果を表4に示した。
<比較例7>
実施例1と同様に積層樹脂シートを製造し、前段のコロナ処理量を5W・分/m2 に変更したのち前段の表面改質剤を塗布したが、はじきが生じて均一な塗布面が得られなかったのでその後の評価は行なわなかった。結果を表に示した。
【0063】
<比較例
後段の酸化処理を行わない以外は、実施例9と同様の操作によりフィルムを製造し、評価を行った。結果を表5に示した。
<比較例
後段の酸化処理を行わない以外は、実施例10と同様の操作によりフィルムを製造し、評価を行った。結果を表5に示した。
<比較例10
後段の酸化処理を行わない以外は、実施例11と同様の操作によりフィルムを製造し、評価を行った。結果を表5に示した。
【0064】
【表1】
Figure 0003608944
【0065】
【表2】
Figure 0003608944
【0066】
【表3】
Figure 0003608944
【0067】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、水性染料による着色均一性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを提供することができた。

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂フィルム(i )表面に前段の酸化処理を行い、表面改質剤を塗布し、次いで延伸し、更に前記表面改質剤を塗布した熱可塑性樹脂フィルム(i )表面に後段の酸化処理を行うことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム(i )の表面処理方法。
  2. 熱可塑性樹脂フィルム(i )が熱可塑性樹脂より成る基材層(ii)を縦延伸後、基材層(ii)の少なくとも片面に熱可塑性樹脂より成る表面層(iii )を積層して得られた多層樹脂フィルムであって、多層樹脂フィルムの表面に前段の酸化処理をした後、表面改質剤を塗布し、次いで横延伸を行い、更に前記表面改質剤を塗布した面に後段の酸化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 熱可塑性樹脂フィルム(i )が熱可塑性樹脂より成る基材層(ii)と、基材層(ii)の少なくとも片面に熱可塑性樹脂より成る表面層(iii )を積層して得られた多層樹脂フィルムであって、多層樹脂フィルムの表面に前段の酸化処理をした後、表面改質剤を塗布し、次いで縦延伸を行い、更に前記表面改質剤を塗布した面に後段の酸化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  4. 基材層(ii)が熱可塑性樹脂40〜100wt%、無機微細粉末60〜0wt%を含有し、表面層(iii )が熱可塑性樹脂25〜100wt%、無機微細粉末75〜0wt%を含有する多層樹脂フィルムより成る請求項2または3に記載の表面処理方法。
  5. 熱可塑性樹脂フィルム(i )が、次式で示される空孔率が10〜60%のものである請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理方法。
    【式1】
    Figure 0003608944
  6. 熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理方法。
  7. ポリオレフィン系樹脂が、プロピレン系樹脂である請求項6に記載の表面処理方法。
  8. 酸化処理がコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理より選ばれた処理である請求項1〜7のいずれかに記載の表面処理方法。
  9. 酸化処理が10〜200W・分/m2 で行われるコロナ処理、又は8,000〜200,000J/m2 で行われるフレーム処理である請求項に記載の表面処理方法。
  10. 表面改質剤が、ポリエチレンイミン系プライマーである請求項1〜9のいずれかに記載の表面処理方法。
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