JP2000062096A - 印刷性の優れた熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

印刷性の優れた熱可塑性樹脂フィルム

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JP2000062096A
JP2000062096A JP10247728A JP24772898A JP2000062096A JP 2000062096 A JP2000062096 A JP 2000062096A JP 10247728 A JP10247728 A JP 10247728A JP 24772898 A JP24772898 A JP 24772898A JP 2000062096 A JP2000062096 A JP 2000062096A
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carbon atoms
hydroxy
alkyl
thermoplastic resin
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JP10247728A
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English (en)
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Fumiko Shibata
文子 柴田
Sanehiro Shibuya
修弘 渋谷
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Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性、耐水性を有し、且つ酸化重合型
インキによる両面オフセット印刷を行う際の裏ゴースト
の発生のない印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルムを提
供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表される繰り返し単
位を繰り返し単位の合計に対して10%以上含むヒドロ
キシ変性イミン系重合体を表面に有する印刷性の優れた
熱可塑性樹脂フィルム。 【化1】 【効果】 本発明による熱可塑性樹脂フィルム、特に合
成紙は、屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品用容器のラベ
ルや工業製品のネーマー(使用方法、注意書を記したラ
ベル)の用紙として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂フィル
ムに関し、酸化重合型のインキを使用したオフセット印
刷を両面に施した際、裏ゴーストの良好な、印刷性に優
れた熱可塑性樹脂フィルムに関するものである。本発明
により得られる熱可塑性樹脂フィルム、特に合成紙は、
屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品用容器のラベルや工業
製品のネーマー(使用方法、注意書を記したラベル)の
用紙として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品
用容器に貼着されるラベルとしては、該ステッカーやラ
ベル用紙であるコート紙が用いられているが、これらコ
ート紙は耐水性に乏しいので、それを補強するために、
該コート紙の表面を更にポリエステルフィルムで被覆し
たものが用いられていた。近年、この様なラベル用紙と
して耐水性が良好なポリオレフィン系合成紙が上記ポリ
エステルフィルム被覆コート紙に代替する有望な素材と
して注目されている。
【0003】しかし、この様なポリオレフィン系合成紙
は、その原料であるポリオレフィンが無極性であること
から、印刷性及び加工性において必ずしも満足すべきも
のでなく、そのために、適当な表面処理を施してから使
用するのが普通である。この様な表面処理の一つとし
て、樹脂シート表面に酸化処理を施した後、塗布剤を塗
布する方法が知られている。該酸化処理方法としては、
コロナ放電処理、フレーム処理などの方法が知られてい
る。
【0004】該塗布剤としては、具体的には、特開昭5
0−161478号、特公昭59−27769号、特公
平2−2910号の各公報記載のカチオン性帯電防止
剤、両性系帯電防止剤を用いることが知られている。例
えば、特公平2−2910号公報には、CH2 =CR1
−COOANR3 4 と、CH2 =CR1 −COOR2
と、他の疎水性ビニル単量体とから形成された重合体
[但し、各式中のR1 は水素原子又はメチル基、R2
炭素数1〜8のアルキル基、R3 及びR4 はそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、Aは炭素数2〜
6のアルキレン基である。]中の三級窒素原子をカチオ
ン化剤で四級化して両性化物とした水溶性の重合体と水
溶性ポリアミンポリアミド−エピクロルヒドリン付加物
とポリエチレンイミン化合物からなる水溶性塗布剤が開
示されている。一方、特開昭53−8380号公報に
は、下記一般式で表される繰り返し単位を有する重合体
からなる帯電防止性能を有する導電剤が記載されてい
る。
【0005】
【化2】 〔式中、Rは水素原子又はメチル基、R1 及びR2 はメ
チル基又はエチル基、R3 及びR4 はメチル基、エチル
基、−(−CH2 −CH2 −O−)m−H(mは1〜4
の整数)又はベンジル基、R4 は炭素数1〜18のアル
キル基、アルケニル基又は−(−CH2 −CH2 −O
−)p−H(pは1〜4の整数)、X- はハロゲンイオ
ン、Aは置換されても良いアルキレン基及びnは通常1
1 〜104の整数を示す。〕
【0006】又、特公昭40−12302号、特公昭5
3−6676号、特開昭57−149363号の各公報
には、ポリエチレンイミンやエチレンイミン・エチレン
尿素共重合体をプライマー(塗工剤)塗布することが開
示されており、特に特開平1−141736号公報に
は、紫外線硬化型インキの長期に渡る転移安定性を得る
為にポリエチレンイミン変性体を塗布することが開示さ
れている。ここでポリエチレンイミン変性体とは、下記
の一般式で表される化合物である。
【0007】
【化3】 (式中、Aは−NHR4 、又はポリアミンポリアミド残
基を表し、R1 〜R4 はそれぞれ独立にH、炭素数1〜
24のアルキル基若しくはアルケニル基、脂肪族環状炭
化水素基又はベンジル基であるが、少なくとも1つはH
以外の基である。又、mは0〜300、n,p,qは1
〜300である。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な表面
の酸化処理や、帯電防止剤やプライマー、特に上記アル
キル、アルケニル及び脂肪族炭化水素、又はベンジル変
性ポリエチレンイミンの塗布では紫外線硬化型インキを
使用した印刷においては十分実用に耐え得る印刷物が得
られるが、酸化重合型のインキを使用したオフセット印
刷を両面に施した場合には、表面印刷後、数日経って裏
面の印刷を行うと、裏面の絵柄中に表面の絵柄模様状に
匹敵するインキ転移不良が発生し、裏面の絵柄に実用性
に耐え難いほどの影響を与えることがある。この現象を
裏ゴーストと呼ぶ。本発明は、帯電防止性、耐水性を有
し、且つ酸化重合型インキによる両面オフセット印刷を
行う際の裏ゴーストの発生のない印刷性の良好な熱可塑
性樹脂フィルムの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は、熱可塑性樹脂フ
ィルムの表面に特定のヒドロキシ変性イミン系重合体を
形成せしめることにより、前記オフセット印刷時の裏ゴ
ーストの発生が改良されることを見いだし、該知見に基
づき本発明を完成した。即ち本発明は、下記の一般式
(I)で表される繰り返し単位を繰り返し単位の合計に
対して10%以上含むヒドロキシ変性イミン系重合体を
表面に有することを特徴とする印刷性の良好な熱可塑性
樹脂フィルムである。
【0010】
【化4】 [式中、RとR は、それぞれ独立して、水素原子ま
たは炭素数1〜10の範囲の直鎖または分岐状のアルキ
ル基、脂環式構造を有するアルキル基、アリ−ル基であ
り、R3 とR4 は、それぞれ独立して、水素原子または
炭素数1〜18の範囲の直鎖または分岐状のアルキル
基、脂環式構造を有するアルキル基、またはR5 ないし
はR6 と結合して炭素数1〜12の範囲の脂環式構造を
形成する基であり、R5 とR6 は、それぞれ独立して、
水素原子または炭素数1〜20の範囲のアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキラ
ル基、互いに結合して脂環式構造を形成、R3 またはR
4 と結合して炭素数1〜12の範囲の脂環式構造を形
成、ないしは、R5 とR6 の少なくとも一方が、炭素数
1〜20の範囲の直鎖、分岐状または脂環式構造を有す
るアルキルオキシアルキル基、アリールオキシアルキル
基、アラルキルオキシアルキル基、アルキラルオキシア
ルキル基であり、iは、2〜6であり、kは、1〜12
であり、mは、20〜3000である。]
【0011】
【作用】この様な特定のヒドロキシ変性イミン重合体を
表面に有するフィルムは、前記従来のアルキル変性ポリ
エチレンイミンを含有する水溶液を塗布、乾燥して得た
フィルムと比較して酸化重合型インキを使用したオフセ
ット印刷を行う際、表面印刷後インキの乾燥過程に発生
する揮発成分のシート裏面への吸着が少なく、裏面印刷
時に均一なインキ転移性を有し、裏ゴーストの発生がな
く良好な印刷物を提供することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 (I)熱可塑性樹脂フィルム層(基材層) (1)原料素材 本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、高密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、プ
ロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、あるいは
エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン
系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−
6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−6,T等の
ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその
共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエス
テル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネー
ト、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティッ
クポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑
性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いる
こともできる。
【0013】これらの熱可塑性樹脂の中でも、本発明の
効果をより一層発揮するためには非極性のポリオレフィ
ン系樹脂を用いることが好ましい。更にポリオレフィン
系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が、耐薬品性、コス
トの面などから好ましい。かかるプロピレン系樹脂とし
ては、プロピレン単独重合体であってアイソタクティッ
クないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体
規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分と
し、これとエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプ
テン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィン
との共重合体が使用される。この共重合体は、2元系で
も3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体で
もブロック共重合体であってもよい。
【0014】また、プロピレン単独重合体を用いる場合
は、延伸性を良好とするためポリエチレン、エチレン・
酢酸ビニル共重合体等のプロピレン単独重合体よりも融
点が低い樹脂を2〜25重量%配合することが好まし
い。熱可塑性樹脂フィルム(i )は、単層であっても、
基材層(ii)と表面層(iii )の2層構造であっても、
基材層(ii)の表裏面に表面層(iii )が存在する3層
構造であっても、基材層(ii)と表面層(iii )間に他
の樹脂フィルム層が存在する多層構造であっても良く、
また、無機微細粉末や有機フィラーを含有していないも
の、含有しているものでも良い。
【0015】熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系
樹脂フィルムであり、(i )が単層構造で無機微細粉末
を含有する場合は、通常ポリオレフィン系樹脂40〜9
9.5重量%、無機微細粉末60〜0.5重量%を含有
し、好ましくはポリオレフィン系樹脂50〜97重量
%、無機微細粉末50〜3重量%を含有する。熱可塑性
樹脂フィルム(i )が多層構造であって基材層(ii)及
び表面層(iii )が無機微細粉末を含有する場合は、通
常基材層(ii)がポリオレフィン系樹脂40〜99.5
重量%、無機微細粉末60〜0.5重量%を含有し、表
面層(iii )がポリオレフィン系樹脂25〜100重量
%、無機微細粉末75〜0重量%を含有し、好ましくは
基材層(ii)がポリオレフィン系樹脂50〜97重量
%、無機微細粉末50〜3重量%を含有し、表面層(ii
i )がポリオレフィン系樹脂30〜97重量%、無機微
細粉末70〜3重量%を含有する。
【0016】単層構造、又は多層構造の基材層(ii)に
含有される無機微細粉末が60重量%を越えては、縦延
伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィルムが破断し易い。
表面層(iii )に含有される無機微細粉末75重量%を
越えては、横延伸後の表面層の表面強度が低く印刷イン
クの展色時に表面層が材料破壊してしまう。無機微細粉
末としては、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、け
いそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミ
ナ等であって、その平均粒径が0.01〜15μmのも
のが使用される。
【0017】熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系
樹脂フィルムである場合には、有機フィラーとしては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−
6,6、ナイロン−6,T、環状オレフィンの重合体等
のポリオレフィン樹脂の融点よりは高い融点(例えば1
70〜300℃)ないしはガラス転移温度(例えば、1
70℃〜280℃)を有するものが使用される。更に必
要により、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を配合し
てもよい。安定剤として、立体障害フェノール系やリン
系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安
定剤として、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量
%、無機微細粉末の分散剤例えば、シランカップリング
剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石
鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれら
の塩等を0.01〜4重量%配合してもよい。
【0018】(2)樹脂フィルムの成形 熱可塑性樹脂フィルムの成形方法は特に限定されず、公
知の種々の方法が使用できるが、具体例としてはスクリ
ュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやI
ダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト
成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成
形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物のキャ
スト成形またはカレンダー成形後の溶剤やオイルの除
去、熱可塑性樹脂の溶液からの成形と溶媒除去などが挙
げられる。延伸する場合には、公知の種々の方法が使用
できるが、具体例としてはロール群の周速差を利用した
縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸などが挙げ
られる。
【0019】延伸は具体的に、非結晶樹脂の場合は使用
する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂
の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶
部の融点以下のそれぞれの熱可塑性樹脂に好適な公知の
温度範囲で行うことができ、ロール群の周速差を利用し
た縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、
テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる
同時二軸延伸などを挙げることができる。
【0020】延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用
する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例を挙
げると、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンないしはそ
の共重合体を使用する時には一方向に延伸する場合は約
1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延
伸の場合には面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは1
0〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用する時
には一方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましく
は2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.
5〜20倍、好ましくは4〜12倍である。更に、必要
に応じて高温での熱処理が施される。
【0021】延伸温度は使用する熱可塑性樹脂の融点よ
り2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重
合体(融点155〜167℃)のときは152〜164
℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のと
きは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート
(融点246〜252℃)のときは104〜115℃で
ある。また、延伸速度は20〜350m/分である。熱
可塑性樹脂フィルムが、無機微細粉末ないしは有機フィ
ラーを含有する場合、延伸後のフィルム表面には微細な
亀裂が、フィルム内部には微細な空孔が生じる。延伸後
の熱可塑性樹脂フィルム(i )の肉厚は、20〜350
μm、好ましくは35〜300μmである。
【0022】(3)延伸後のフィルムの物性 この延伸後の熱可塑性樹脂フィルムは、基材部分の次式
で示される空孔率が5〜60%、密度0. 6〜1. 20
g/cm3 、不透明度20%以上、好ましくは75%以
上、ベック平滑度が50〜25,000秒である物性を
有する。
【式1】
【0023】(II)表面酸化処理 上記基材の表面酸化処理としては、コロナ放電処理、フ
レーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処
理より選ばれた処理方法で、好ましくはコロナ処理、フ
レーム処理であり、処理量はコロナ処理の場合、10〜
200W・ 分/m2 (600〜12, 000J/
2 )、好ましくは20〜180W・ 分/m2(1, 2
00〜9, 000J/m2 )、フレーム処理の場合、
8, 000〜200, 000J/m2 、好ましくは2
0,000〜100,000J/m2 が用いられる。
【0024】(III)表面処理剤 (1)ヒドロキシアルキル変性イミン系重合体{(A)
成分} 本発明に於いて使用するヒドロキシ変性イミン系重合体
とは、下記の一般式(I)により示される構造を繰り返
し単位の合計に対して10%以上含むものである。
【0025】
【化5】 [式中、RとR は、それぞれ独立して、水素原子ま
たは炭素数1〜10の範囲の直鎖または分岐状のアルキ
ル基、脂環式構造を有するアルキル基、アリ−ル基であ
り、R3 とR4 は、それぞれ独立して、水素原子または
炭素数1〜18の範囲の直鎖または分岐状のアルキル
基、脂環式構造を有するアルキル基、またはR5 ないし
はR6 と結合して炭素数1〜12の範囲の脂環式構造を
形成する基であり、R5 とR6 は、それぞれ独立して、
水素原子または炭素数1〜20の範囲のアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキラ
ル基、互いに結合して脂環式構造を形成、R3 またはR
4 と結合して炭素数1〜12の範囲の脂環式構造を形
成、ないしは、R5 とR6 の少なくとも一方が、炭素数
1〜20の範囲の直鎖、分岐状または脂環式構造を有す
るアルキルオキシアルキル基、アリールオキシアルキル
基、アラルキルオキシアルキル基、アルキラルオキシア
ルキル基であり、iは、2〜6であり、kは、1〜12
であり、mは、20〜3000である。]
【0026】一般式(I)RとR2 として、好まし
いものは、それぞれ独立して水素原子、メチル基、エチ
ル基、フェニル基であり、より好ましいのは水素原子で
ある。R3 とR4 として、好ましいものは、それぞれ独
立して水素原子、メチル基、エチル基であり、より好ま
しくは、水素原子である。R5 として、好ましいもの
は、水素原子、メチル基、エチル基、1−プロピル基、
2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、t−ブ
チル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチ
ル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル
基、1−オクチル基、2−オクチル基、3−オクチル
基、4−オクチル基、1−ノニル基、2−ノニル基、3
−ノニル基、1−デシル基、2−デシル基、3−デシル
基、1−ウンデシル基、2−ウンデシル基、1−ドデシ
ル基、2−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル
基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−プロポ
キシメチル基、2−プロポキシメチル基、1−ブトキシ
メチル基、2−ブトキシメチル基、t−ブトキシ基、1
−ペンチルオキシメチル基、2−ペンチルオキシメチル
基、3−ペンチルオキシメチル基、1−ヘキシルオキシ
メチル基、2−ヘキシルオキシメチル基、3−ヘキシル
オキシメチル基、1−ヘプチルオキシメチル基、2−ヘ
プチルオキシメチル基、1−オクチルオキシメチル基、
2−オクチルオキシメチル基、3−オクチルオキシメチ
ル基、4−オクチルオキシメチル基、1−ノニルオキシ
メチル基、2−ノニルオキシメチル基、3−ノニルオキ
シメチル基、4−ノニルオキシメチル基、1−デシルオ
キシメチル基、2−デシルオキシメチル基、3−デシル
オキシメチル基、4−デシルオキシメチル基、5−デシ
ルオキシメチル基、1−ウンデシルオキシメチル基、1
−ウンデシルオキシメチル基、2−ウンデシルオキシメ
チル基、3−ウンデシルオキシメチル基、4−ウンデシ
ルオキシメチル基、1−ドデシルオキシメチル基、2−
ドデシルオキシメチル基、3−ドデシルオキシメチル
基、4−ドデシルオキシメチル基、1−トリデシルオキ
シメチル基、1−トリデシルオキシメチル基、2−トリ
デシルオキシメチル基、3−トリデシルオキシメチル
基、4−トリデシルオキシメチル基、5−トリデシルオ
キシメチル基、6−トリデシルオキシメチル基、ステア
リルオキシメチル基、フェノキシメチル基、ベンジルオ
キシメチル基、p−エチルフェノキシメチル基、トリル
オキシメチル基、シクロペンチルオキシメチル基、シク
ロヘキシルオキシメチル基、ノルボルニルオキシメチル
基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチ
ル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル
基、2−ブチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、
3−ヘキシル基、1−オクチル基、2−オクチル基、3
−オクチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、
1−プロポキシメチル基、2−プロポキシメチル基、1
−ブトキシメチル基、2−ブトキシメチル基、1−ヘキ
シルオキシメチル基、2−ヘキシルオキシメチル基、3
−ヘキシルオキシメチル基、1−オクチルオキシメチル
基、2−オクチルオキシメチル基、3−オクチルオキシ
メチル基、4−オクチルオキシメチル基、1−ノニルオ
キシメチル基、2−ノニルオキシメチル基、1−デシル
基、1−ウンデシル基、1−ドデシル基、1−トリデシ
ル基である。R6 として、好ましいものは、水素原子、
メチル基、エチル基であり、より好ましいのは、水素原
子である。R3 とR4 の少なくとも一方が、R5 とR6
の少なくとも一方と結合して環状構造を形成する場合、
好ましくは1,2−エチレン基、1,3−プロピレン
基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,
6−ヘキシレン基、1,4−ペンチレン基、2−メチル
−1,4−ブチレン基、1,3−シクロペンチレン基、
1,4−シクロヘキシレン基である。R3 とR4 がとも
に結合して環状結合を形成する場合の具体例として、
1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,5−
ヘキシレン基が挙げられる。R5 とR6 がともに結合し
て環状構造を形成する場合の具体例として、1,4−ブ
チレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン
基、1,4−メチレン−1,5−ペンチレン基などが挙
げられる。iは、2〜6の整数であり、好ましくは、2
と3、さらに好ましくは2である。kは、1〜12整数
であり、好ましくは、1と2であり、さらに好ましくは
1である。mは、20〜4000の整数であり、好まし
くは500〜3000の整数である。
【0027】以下、(A)成分と略記する。一般式
(I)における、−( CR3 4 )k −C( OH) R5
6 、の具体例としては、2−ヒドロキシエチル基、2
−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、2−ヒドロキ
ブチル基、3−ヒドロキブチル基、4−ヒドロキブチル
基、2−ヒドロキシ−2−ブチル基、2−ヒドロキシ−
ペンチル基、2−ヒドロキシ−ヘキシル基、2−ヒドロ
キシ−オクチル基、2−ヒドロキシ−ラウリル基、2−
ヒドロキシ−ステアリル基、2−ヒドロキシ−シクロヘ
キシル基、2−ヒドロキシ−シクロペンチル基、2−ヒ
ドロキシ−シクロオクチル基、2−ヒドロキシ−2−フ
ェニルエチル基、2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピ
ル基、2−ヒドロキシ−2−p−トリルエチル基、2−
ヒドロキシ−2−(4−エチルフェニル)エチル基、
【0028】2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル
基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプロピル基、2−ヒ
ドロキシ−3−プロポキシプロピル基、2−ヒドロキシ
−2−プロポキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−
(2−ブトキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3−ブ
トキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−ペンチルオキ
シプロピル基、2−ヒドロキシ−3−(2−ペンチルオ
キシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3−(3−ペンチ
ルオキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3−ヘキシル
オキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−オクチルオキ
シプロピル基、2−ヒドロキシ−3−ラウリルオキシプ
ロピル基、2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロ
ピル基、2−ヒドロキシ−3−シクロペンチルオキシプ
ロピル基、
【0029】2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキ
シプロピル基、(4−ヒドロキシメチル−1−シクロヘ
キシル)メチル基、2−ヒドロキシ−3−シクロヘプチ
ルオキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−シクロオク
チルオキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−ベンジル
オキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−(p−トリル
メチルオキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3−(2
−フェニルエチルオキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ
−3−(1−フェニルエチルオキシ)プロピル基などが
挙げられる。
【0030】これらのうちで、好ましくは、2−ヒドロ
キシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロ
キシプロピル基、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル
基、2−ヒドロキブチル基、3−ヒドロキブチル基、4
−ヒドロキブチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプ
ロピル基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプロピル基、
2−ヒドロキシ−3−プロポキシプロピル基、2−ヒド
ロキシ−2−プロポキシプロピル基、2−ヒドロキシ−
3−(2−ブトキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3
−ブトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−ペンチル
オキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−(2−ペンチ
ルオキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3−(3−ペ
ンチルオキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3−ヘキ
シルオキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−オクチル
オキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−ラウリルオキ
シプロピル基、2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシ
プロピル基である。
【0031】本発明のヒドロキシアルキル変性イミン系
重合体中に、一般式(I)で示される繰り返し単位が占
める割合は10%以上、好ましくは50%以上90%以
下、更に好ましくは70%以上90%以下である。本発
明のヒドロキシアルキル変性イミン系重合体は、その繰
り返し単位の中に、一般式(I)に加えて、次の一般式
(II)の構造の繰り返し単位を含んでいても良い。
【0032】
【化6】 (式中、R1 とR 2 は、それぞれ 一般式(I)における
1 とR 2 と同じものであり、R7 は、水素原子または
炭素数1〜20の範囲の直鎖または、分岐状のアルキル
基、脂環式構造を有するアルキル基であり、jは、2〜
6、好ましくは、2〜3であり、nは、0〜3000、
好ましくは、0〜1000、であり、mとnの合計10
0%に占める繰り返し単位の数mの比率は10〜100
%、好ましくは、40〜100%である。) R7 の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリ
ル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基な
どが挙げられる。これらのうちで、好ましくは、水素原
子、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、ベンジル基であ
る。
【0033】これらの(A)成分の具体例としては、直
鎖または分岐状のポリエチレンイミン、ポリエチレンイ
ミンとマロン酸、コハク酸、アジピン酸、オクタンジカ
ルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸
などのジカルボン酸との共重合体すなわちポリアミンポ
リアミドのエチレンイミン付加物、ポリ(エチレンイミ
ン−尿素)、ポリエチレンイミン−ポリエチレングリコ
ール共重合体などのエチレンイミン系重合体を出発物質
として、環状エーテル化合物や、ハロゲン化飽和炭化水
素基とこれと異なる炭素原子上にヒドロキシ基を併せ持
つ炭化水素化合物(以下「ハロヒドロキシ化合物」と略
記する。)により変性して得られるものが挙げられる。
出発物質として好ましくは、直鎖または、分岐状のポリ
エチレンイミンである。変性に使用されるポリエチレン
イミン系重合体の重合度は20〜50,000、好まし
くは100〜25,000、より好ましくは1,000
〜3, 000のものである。
【0034】変性に使用する環状エーテル化合物として
は、エポキシ化合物、すなわち、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ブテンオキサイド、オクテンオ
キサイド、ビニルシクロペンタンオキサイド、ビニルシ
クロヘキサンオキサイド、シクロペンテンオキサイド、
シクロヘキセンオキサイド、などの炭素数2〜36の範
囲の直鎖状、分岐状または、脂環式構造を含むオレフィ
ンオキサイド、スチレンオキサイド、ビニルトルエンオ
キサイド、ビニルキシレンオキサイド、スチルベンオキ
サイド、p−エチルスチレンオキサイド、p−イソプロ
ピルスチレンオキサイド、などのo−、m−、またはp
−位にアルキル基が置換された置換スチレンオキサイ
ド、アリルベンゼンオキサイド、ブテニルベンゼンオキ
サイド、などの炭素数8〜36の範囲の芳香族構造を有
するアルケニルベンゼンより誘導される単官能ないしは
多官能のエポキシ化合物、ブチルグリシジルエーテル、
ヘキシルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエー
テル、ラウリルグリシジルエーテルなどの炭素数2〜3
0の範囲のアルキルグリシジルエーテル、ベンジルグリ
シジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、4−ブ
チルフェニルグリシジルエーテルなどのアリールグリシ
ジルエーテル、あるいは単官能ないしは多官能のアラル
キルグリシジルエーテル、アルキラルグリシジルエーテ
ル、ビスフェノール型エポキシ化合物、オキサシクロブ
タン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0035】これらの環状エーテル化合物のなかで好ま
しくは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
及び、炭素数1〜20の範囲の直鎖または分岐状のアル
キルグリシジルエーテル、具体的には、エチルグリシジ
ルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルシジ
ルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ラウリルグ
リシジルエーテルなどであり、更に好ましくは、エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイドである。
【0036】変性に使用するハロヒドロキシ化合物は、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子より選ばれるハロゲン
原子により置換された炭化水素基とこれと異なる炭素原
子上にヒドロキシ基を有する炭素数2〜30の範囲、好
ましくは、2〜16の範囲の直鎖状、分岐状、脂環式、
芳香族構造、ないしはアルキルエーテル構造とヒドロキ
シ基を併せ持つ炭化水素化合物であり、具体例として
は、2−クロロエタノール、2−ないしは3−クロロプ
ロパノール、2−クロロ−2−メチルプロパノール、3
−クロロ−2−メチルプロパノール、2−、3−、ない
しは4−クロロブタノール、3−クロロヘキサノール、
8−クロロオクタノール、12−クロロラウリルアルコ
ール、2−クロロシクロヘキサノール、4−クロロシク
ロヘキサノール、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−メ
トキシプロパン、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−エ
トキシプロパン、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−ブ
トキシプロパン、3−クロロ−2−ヒドロキシ−1−ヘ
キシルオキシプロパン、3−クロロ−2−ヒドロキシ−
1−オクチルオキシプロパン、3−クロロ−2−ヒドロ
キシ−1−ラウリルオキシプロパン、3−クロロ−2−
ヒドロキシ−1−ステアリルオキシプロパン、3−クロ
ロ−2−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルオキシプロパ
ン、及びこれらの塩素原子が、臭素原子ないしはヨウ素
原子に置き換わった化合物である。
【0037】出発物質として使用するポリエチレンイミ
ン系重合体中のエチレンイミン繰り返し単位に対する、
環状エーテル化合物ないしはハロヒドロキシ化合物によ
る変性度は10〜100%、好ましくは、40〜100
%、更に好ましくは、50〜98%である。変性度が1
0%未満では、これを使用して得られるフィルムの両面
印刷時の、裏ゴーストのレベルが不十分である。これら
のうちで、更に好ましくは、下記の一般式で示される、
直鎖状ないしは分岐構造を有するヒドロキシ変性ポリエ
チレンイミンである。
【0038】
【化7】 [式中、R3 〜R6 とmは、前記一般式(I)における
3 〜R6 とmと同様であり、R8 は、水素原子、炭素
数1〜20の範囲のアルキル基、シクロアルキル基、ア
リ−ル基、アラルキル基、アルキラル基より選ばれるも
のであり、nは、一般式(II)におけるnと同様であ
り、R9 とR10 は、それぞれ独立に、一般式(I)に
おける−(CR3 4)k −C(OH)R5 6 ないしは
一般式(II)におけるR7 より選ばれるものであり、
pとqはそれぞれ独立に0〜500の範囲の整数であ
る。] これらのうちでとりわけ好ましいのは、2−ヒドロキシ
エチル化ポリエチレンイミン、2−ないしは3−ヒドロ
キシプロピル化ポリエチレンイミンであり、最も好まし
いのは2−ヒドロキシエチル化ポリエチレンイミンであ
る。このヒドロキシ変性イミン系重合体を含む表面処理
剤は他の成分、例えば帯電防止剤、架橋剤、塩等を含ん
でも良い。
【0039】(2)帯電防止剤{(B)成分} 本発明に使用するフィルム表面の処理剤に使用する帯電
防止剤としては、窒素含有帯電防止ポリマーであり、好
ましくは、第三級窒素又は第四級窒素含有アクリル系ポ
リマーでる。具体的には単量体として次の(イ)〜
(ニ)の化学式で表されるものを挙げることができる。
【0040】
【化8】 [式中、−CH2 + 2 3 4 - 基は−CR=C
2 基に対して、芳香環上のオルト、メタ位又はパラ位
にあり、好ましくはパラ位に結合しているものであ
る。]
【0041】
【化9】 [上記(イ)〜(ニ)の各化学式の中で、R1 は水素原
子又はメチル基、R2 及びR3 はそれぞれ低級アルキル
基(特に炭素数が1〜4、就中炭素数が1〜2)、R4
は炭素数1〜22の飽和又は不飽和アルキル若しくはシ
クロアルキル基、X- は四級化されたN+ の対アニオン
(例えばハライド(特にクロライド)、Mはアルカリ金
属イオン(特にナトリウム、カリウム、又はリチウ
ム)、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を表す。]
【0042】上記化学式(イ)、(ロ)、(ハ)、
(ニ)で表される四級窒素含有単量体の重合体は、その
前駆体の四級窒素含有単量体を重合させてから、アルキ
ルハライド、ジメチル硫酸、モノクロロ酢酸エステル等
のカチオン化剤により四級化することによって重合体に
存在させることができることはいうまでもない。本発明
では帯電防止剤は水溶性であることが必要であるが、過
度に水溶性であることは望ましくない。従って、(B)
成分の四級窒素含有重合体は、疎水性単量体との共重合
体であることが望ましい。疎水性単量体としては、スチ
レン又はその核ないし側鎖置換体、アクリルないしメタ
クリル酸エステル、ハロゲン化ビニルその他が挙げられ
る。
【0043】〔好適な帯電防止剤重合体〕本発明におい
て、特に好ましい(B)成分の帯電防止剤重合体は、下
記の(a)〜(c)成分の共重合体からなるものであ
る。 (a)成分:化学式(イ)〜(ニ)で表される四級窒素
含有単量体20〜40重量% (b)成分:一般式
【化10】 [式中、R1 は水素原子又はメチル基、R5 は炭素数が
1〜22のアルキル基、炭素数が7〜22のアラルキル
基、若しくは炭素数5〜22のシクロアルキル基をそれ
ぞれ表す。]で表される単量体 6
〜80重量% (c)成分:他の疎水性ビニル単量体
0〜20重量%
【0044】〔最も好適な帯電防止剤重合体〕本発明に
おいて、最も好適な(B)成分の帯電防止剤重合体は、
(a)成分の四級窒素含有単量体が前記の単量体(イ)
においてX- がCl- であるものである。また、(B)
成分は、特開平6−25447号公報に記載されるよう
に、(a’)一般式
【化11】 [式中、Aは−O−若しくは−NH−を表し、R1 は水
素原子若しくはメチル基を表し、R6 は炭素数が2〜4
のアルキレン基若しくは−CH2 −CH(OH)−CH
2 −を表し、R7 、R8 、R9 、R10は同一であって
も、異なっていても良い炭素数が1〜3のアルキル基を
表し、R11は炭素数が1〜10アルキル基若しくは炭素
数が7〜10のアラルキル基を表し、Xは塩素原子、臭
素原子又は沃素原子を表す。]で表される単量体
30〜70重量%
【0045】(b)一般式
【化12】 [式中、R1 は水素原子又はメチル基、R5 は炭素数が
1〜22のアルキル基、炭素数が7〜22のアラルキル
基、若しくは炭素数5〜22のシクロアルキル基を表
す。]で表される単量体
30〜70重量%
【0046】(c)成分:他の疎水性ビニル単量体
0〜40重量%を共重合させて得られ
た第四級アンモニウム塩型共重合体も好ましい。上記
(a’)の単量体の具体例としては、例えば、ジメチル
アミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアク
リレート、及び、これらのメタクリレート相当物、ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド、及びこれらのメタ
クリレート相当物等の下記一般式(IV)で示される第
三級アミン含有単量体を、3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピルトリメチルアンモニウムクロリド等の下記一般
式(VI)で表される変性剤で、重合前に若しくは重合
後に変性することによって得ることができる。
【0047】
【化13】 [式中、Aは−O−若しくは−NH−を表し、R1 は水
素原子若しくはメチル基を表し、R6 は炭素数が2〜4
のアルキレン基若しくは−CH2 −CH(OH)−CH
2 −を表し、R7 、R8 は同一であっても、異なってい
ても良い炭素数が1〜3のアルキル基を表す。]
【0048】
【化14】 [式中、R9 、R10は同一であっても、異なっていても
良く、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R11は炭素
数が1〜10アルキル基若しくは炭素数が7〜10のア
ラルキル基を表し、nは1〜3の整数で、Xは塩素原
子、臭素原子又は沃素原子を表す。]
【0049】上記(b)成分の疎水性単量体単位として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)
アクリレートを挙げることができる。また、必要によっ
て使用される上記の(a)又は(a’)及び(b)成分
と共重合可能な(c)成分の他の単量体単位としては、
スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等の疎水性単量
体やビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド等の親
水性単量体を挙げることができる。
【0050】(B)成分の水溶性帯電防止剤である共重
合体を得るための重合方法としては、ラジカル開始剤を
用いた、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公知の重合
方法を採用することができる。これらの中で好ましい重
合方法としては、溶液重合であり、該重合は各単量体を
溶媒に溶解し、ラジカル重合開始剤を添加して、窒素気
流下において加熱攪拌することにより実施される。溶媒
は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール類等が好ましく、ま
た、これらの溶媒を混合使用して実施しても良い。重合
開始剤は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸
化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニ
トリル等のアゾ化合物が好適に用いられる。単量体濃度
は通常10〜60重量%であり、重合開始剤の濃度は単
量体に対して通常0.1〜10重量%である。第四級ア
ンモニウム塩型共重合体の分子量は、重合温度、重合開
始剤の種類及び量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条
件により任意のレベルとすることができる。一般には得
られる重合体の分子量は1,000〜1,000,00
0であるが、中でも1,000〜500, 000の範囲
が好ましい。
【0051】(3)架橋剤{(C)成分} 架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、ホル
マルン系、オキサゾリン系の水溶性の樹脂が挙げられ
る。特に、ビスフェノールA−エピクロルヒドリン樹
脂、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン樹脂、
脂肪族エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、脂環式
エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂が好ましく、最も好
ましくは、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン
付加物、あるいは単官能から多官能のグリシジルエーテ
ル、グリシジルエステル類が挙げられる。
【0052】(4)アルカリ金属塩又はアルカリ土類金
属塩{(D)成分} アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩として、水溶性
の無機塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、その他のアルカ
リ性塩、及び塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナ
トリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウ
ム、アンモニウム明礬等を挙げることができる。上記、
任意成分(B)、(C)及び(D)成分以外に界面活性
剤、消泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他
の助剤を含有させることもできる。
【0053】(IV)量比 本発明に使用する表面処理剤(A)成分を単独で使用す
る場合、また(A)成分に対して、(B)、(C)及び
(D)成分をそれぞれ単独で、又は2種以上併用する場
合、それぞれの量比は(A)成分100重量部に対し
て、下記の割合である。 (A) 100重量部 (B) 10〜800重量部、好ましくは20〜500重量部 (C) 10〜800重量部、好ましくは20〜500重量部 (D) 5〜500重量部、好ましくは10〜200重量部
【0054】(V)塗工用表面改質剤(塗工剤)の形態 上記表面改質剤の各成分は、水或いはメチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キ
シレン、等の溶媒に溶解させてから用いるが、中でも水
溶液の形態で用いるのが普通である。溶液濃度は,通常
0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%程
度である。
【0055】(VI)塗工方法 塗工は、ロールコーター、ブレードコーター、エアーナ
イフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコータ
ー、リバースコーター、ダイコーター、スプレーコータ
ー、浸漬等の方法により行われる。塗布量は、固形分と
して0.005〜10g/m2 、好ましくは0.01〜
5g/m2 、更に好ましくは0.01〜1g/m2 であ
る。塗工は、成形されたフィルムの少なくとも片面に行
い、フィルムの成形ライン中ないしは既に成形されたフ
ィルムに別ラインにて実施する。延伸行程を含む場合に
は、その前や後に延伸を実施しても良い。必要に応じ
て、乾燥工程を経て、余分な溶媒を除去する。
【0056】(VII)印刷 この様にして得られる表面処理された熱可塑性樹脂フィ
ルムは、種々の印刷に適しており、酸化重合型(溶剤
型)オフセット印刷は勿論、紫外線硬化型オフセット印
刷、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷も可能であ
る。
【0057】
【実施例】以下に示す実施例によって、本発明を更に具
体的に説明するが、これら実施例において使用した原料
素材及び評価方法は、以下に示すものを採用した。又、
配合比における「部」は「重量部」を示す。 [1]塗布剤 (A)ヒドロキシアルキル変性イミン系重合体 (A−1)エチレンオキサイド変性ポリエチレンイミン 「Lupasol SC−61B」(販売者ビー・エー
・エス・エフ ジャパン(株)、商品名、固形分37重
量%)を用いた。 (A−2)プロピレンオキサイド変性ポリエチレンイミ
ン 「エポミンPP−061」(販売者日本触媒(株)、商
品名、固形分50重量%)を用いた。 (O)アルキル変性ポリエチレンイミン (O−1)ブチル変性ポリエチレンイミン 攪拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備え
た四つ口フラスコに、日本触媒(株)製ポリエチレンイ
ミン“エポミン P−1000”(商品名;重合度16
00)の25重量%水溶液100部、n−ブチルクロラ
イド10部及びプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル10部を入れて窒素気流下で攪拌し、80℃の温度で
20時間変性反応を行って20.8重量%のブチル変性
ポリエチレンイミン水溶液を得た。
【0058】(B)帯電防止剤 (B−1)第四級窒素含有アクリル系樹脂 環流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管、及び攪拌装
置を取り付けた4つ口フラスコに、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート35部、エチルメタアクリレート20
部、シクロヘキシルメタアクリレート20部、ステアリ
ルメタアクリレート25部、エチルアルコール150部
と、アゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、窒素気
流下に80℃の温度で6時間重合反応を行った。つい
で、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム
クロリドの60重量%エチルアルコール溶液70部を加
え、更に80℃の温度で15時間反応させた後、水を滴
下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形分とし
て30%の第4級アンモニウム塩型共重合体(略号B
1)を得た。
【0059】この共重合体は、次の一般式で示される基
を分子鎖内に含むアクリル酸アルキルエステル系重合体
である。
【化15】
【0060】(B−2)第四級窒素含有アクリル系樹脂 三菱化学(株)製商品名「サフトマー・ST−1100
B」(固形分8重量%)を用いた。このものは、次の一
般式で示される基を分子鎖内に含むアクリル酸アルキル
エステル系重合体である。
【化16】 [式中、M+ はLi、Na、ないしはKなどのアルカリ
金属原子の陽イオンやアンモニウム陽イオンを示す。]
【0061】(C)架橋剤 (C−1)ポリアミン・ポリアミドのエピクロルヒドリ
ン付加物 日本PMC(株)製、商品名「WS−570」(固形分
12.5重量%)を用いた。 (C−2)ポリグリシジルエーテル 長瀬化成工業(株)製、商品名「EX−512」(固形
分100重量%)を用いた。
【0062】(C−3)ソルビトール系ポリグリシジル
エーテル 長瀬化成工業(株)製、商品名「EX−614」(固形
分100重量%)を用いた。 (C−4)ジグリシジルエーテル 長瀬化成工業(株)製、商品名「EX−810」(固形
分100重量%)を用いた。
【0063】(D)無機塩の水溶液 (D−1)炭酸ナトリウム(和光純薬工業製、試薬グレ
ード) (D−2)トリポリ燐酸ナトリウム(和光純薬工業製、
試薬グレード)
【0064】[2]表面酸化処理 (a)コロナ放電処理 コロナ放電処理機は春日電気(株)製コロナ放電処理機
HFS400Fを用い、幅0.8mのアルミ電極、トリ
ータロールにはシリコーン被覆ロールを用い、電極とロ
ールとのギャップを1.3mmとし、ライン速度約30
m/分、表1〜3に示す印加エネルギーにてコロナ放電
処理を行った。 (b)フレーム処理 フレーム処理機はフリンバーナー社(FLYNN BU
RNER社)製フリンF3000ダイレクトフレームプ
ラズマ処理機を用いて、燃焼ガスにプロパンを使用し、
ライン速度40m/分、表1〜3に示す印加エネルギー
にてフレーム処理を行った。
【0065】[3]基材樹脂フィルム(合成紙) 製造例1(P−1) メルトインデックス(MFR)0.8g/10分の
ポリプロピレンに、平均粒径1.5μmの重質炭酸カル
シウム15重量%を配合した組成物(C')を、250℃
に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出
し、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。得られ
たシートを140℃の温度に加熱した後、縦方向に5倍
延伸した。
【0066】 MFRが10g/10分のエチレン−
プロピレンランダム共重合体50重量%とマレイン酸変
性ポリプロピレン5重量%と平均粒径1.5μmの炭酸
カルシウム45重量%とを混合した組成物(A')を24
0℃に設定した押出機により溶融混練したものと、MF
Rが4g/10分のポリプロピレン55重量%と平均粒
径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%を混合した組
成物(B')を240℃に設定した別の押出機で溶融混練
したものをダイ内で積層し、この積層物を(A')が外側
となるように上記にて得られた縦5倍延伸シートの両
面に共押し出しして5層積層物(A'/B'/C'/B'/C')
を得た。この5層積層物を155℃に加熱した後、横方
向に7〜9.5倍の延伸を行って、5層積層フィルム
(肉厚、4μm/28μm/66μm/28μm/4μ
m)を得た。
【0067】製造例2(P−2) 製造例1における(A')の組成中のMFRが10g/1
0分のエチレンープロピレンランダム共重合体を、MF
Rが4g/10分のポリプロピレンに変更する以外は、
製造例1と同様にして5層積層物を得た。 製造例3(P−3) 製造例1における(A')の組成をMFRが4g/10分
のポリプロピレンに変更する以外は製造例1と同様にし
て5層積層物を得た。
【0068】製造例4(P−4) 製造例1における5倍延伸シートを155℃に加熱し
た後、テンターオーブンを使用し横方向に7〜9.5倍
の延伸を行って、単層2軸延伸フィルム(65μm)を
得た。 製造例5(P−5) 製造例1における縦方向5倍延伸シートの単層1軸延
伸シート(約570μm)を使用した。
【0069】[4]評価 得られた熱可塑性樹脂フィルム(合成紙)の酸化重合型
インキによるオフセット印刷性(裏ゴースト)の評価、
インクの転移性及び密着性、帯電防止性能の評価は以下
の測定方法によって評価した。 (a)オフセット印刷性(裏ゴースト)の評価 得られた合成紙を、三菱重工(株)製ダイヤ0F−4
(菊四裁、横通し)にて合成紙用酸化重合型インキ
〔(株)T&K TOKA製、ベストSP、墨、藍、
紅、黄の4色〕を使用し、図柄のオフセット印刷を行
い、積層したまま1週間保管した後、裏面を同様インキ
(藍、1色)を使用し、50%平網の刷版にてオフセッ
ト印刷を行った。インキ乾燥した後、裏面を目視にてゴ
ーストの評価を次の4段階で行った。 4;全く転移ムラがない(実用上問題なし)。 3;僅かに転移ムラが認められる(実用上ほぼ問題な
し)。 2;表面の絵柄模様に薄く濃度ムラが認められる(実用
上やや問題あり)。 1;表面の絵柄模様ががはっきり認められる(実用上問
題あり)。
【0070】(b)インキ転移性の評価 得られた合成紙を、三菱重工(株)製ダイヤ0F−4
(菊四裁、横通し)にて合成紙用酸化重合型インキ
〔(株)T&K TOKA製、ベストSP、墨、藍、
紅、黄の4色〕を使用し、図柄のオフセット印刷を行
い、インキ転移濃度を測定し、更に全面のインキの転移
状態を塗布筋、白抜け等の転移不良がないかどうかを目
視にて観察し次の5段階にて評価した。 5;大変良い(実用上問題なし)。 4;良い(実用上問題なし)。 3;転移インキの色が薄いが実用上支障がない(実用上
ほぼ問題なし)。 2;転移インキの色が薄く塗布筋が見える(実用上やや
問題あり)。 1;ほとんど転移しない(実用上問題あり)。
【0071】(c)インク密着性の評価 得られた合成紙を、三菱重工(株)製ダイヤ0F−4
(菊四裁、横通し)にて合成紙用酸化重合型インキ
〔(株)T&K TOKA製、ベストSP、墨、藍、
紅、黄の4色〕を使用し、図柄のオフセット印刷を行
い、1日後100%網点部にセロテープ(ニチバン
(株)製の粘着テープ:商品名)を貼り付け十分密着さ
せた後、素早く剥離してインクの密着性を次の5段階で
評価した。 5;全くインクが剥離しない(実用上問題ない)。 4;僅かな部分のインクが剥離した(実用上問題な
い)。 3;剥離部分が25%以下であった(実用上ほぼ問題な
い)。 2;剥離部分が25〜50%程度であった(実用上やや
問題あり)。 1;剥離部分が50%以上であった(実用上問題あ
り)。
【0072】(d)表面固有抵抗 得られた合成紙の表面固有抵抗を23℃の温度、50%
の相対湿度の条件下で、東亜電波工業(株)製絶縁計
“DSM−8103(商品名)”を用いて測定した。表
面固有抵抗値が1.0E+12Ω/□以下のものは印刷
時の給排紙性が良好と判断する。
【0073】<実施例1>前記「塗布剤」成分を、各成
分の有効成分量が下記の配合組成になるように水で希釈
し、十分攪拌して、塗布液を得た。 (A−1)Lupasol SC-61B 約1.0部 (B−1) 約1.0部 (C−1)WS−570 約1.5部 一方、上記基材樹脂シートの製造例1で得た基材(P−
1)の両表面を春日電機(株)製コロナ放電処理機HF
S400Fを用いて、ライン速度約30m/分、印加エ
ネルギー密度100W・分/m2 にて表面処理を行っ
た。その後、上記塗布剤をロールコーターにて乾燥後の
塗工量が片面で0.06g/m2 となるように両面塗工
し、約65℃の温度で数十秒乾燥させたものを巻き取
り、表面改質された合成紙を得た。このもののオフセッ
ト印刷性(裏ゴースト、インク転移及び密着性)、及び
帯電防止性等の評価を、以下に示す方法で行った。得ら
れた合成紙のオフセット印刷性(裏ゴースト)は3のレ
ベルであり、インキ転移性は5のレベルであり、インク
密着性は5のレベルであり、表面固有抵抗は2.5E+
10 Ω/□であった。結果を表1に示す。
【0074】<比較例1>塗布剤中のヒドロキシ変性ポ
リエチレンイミンをアルキル変性ポリエチレンイミンに
変更した以外は実施例1と同様にフィルムを作成、評価
を行った。結果を表1に示す。 <実施例2〜5>塗布剤中の帯電防止剤、架橋剤の種類
を表1に記載の如く変更する以外は実施例1と同様にフ
ィルムを作成、評価を行った。結果を表1に示す。
【0075】<実施例6、7>塗布剤中に無機塩の水溶
液を添加する以外は実施例1と同様にフィルムを作成、
評価を行った。結果を表2に示す。 <実施例8〜13>表面処理方法、基材樹脂フィルムを
変更する以外は実施例1と同様にフィルムを作成、評価
を行った。結果を表2に示した。
【0076】<実施例14>塗布剤をヒドロキシ変性ポ
リエチレンイミンのみの水溶液とする以外は実施例1と
同様にフィルムを作成、評価を行った。結果を表2に示
す。 <比較例2〜11>塗布剤、表面処理方法、基材樹脂フ
ィルムを変更する以外は実施例1と同様にフィルムを作
成、評価を行った。結果を表3に示す。 <比較例12>塗布剤をアルキル変性ポリエチレンイミ
ンのみの水溶液とする以外は実施例1と同様にフィルム
を作成、評価を行った。結果を表3に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、帯電防止性、耐水性を
有し、且つ酸化重合型インキによる両面オフセット印刷
を行う際の裏ゴーストの発生のない印刷性の良好な熱可
塑性樹脂フィルムを提供でき、該熱可塑性樹脂フィル
ム、特に合成紙は、屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品用
容器のラベルや工業製品のネーマー(使用方法、注意書
を記したラベル)の用紙として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA12 AA15 AA35 AA36 AA38 AA40 AB24 AB32 AB33 AB34 AB37 BA01 CA07 4F100 AK01A AK25B AK25H AK31B AL06B BA02 CA02B CA22B DG10 EH46 EJ55 GB90 JB07 JB16A JG03 4J043 PA02 PA04 QA03 QA04 RA05 RA08 SA33 SB01 TA12 TB01 UA122 UA262 UA762 VA012 VA042 VA052 VA082 VA092 YB08 YB18 YB19 YB22 YB29 ZA02 ZA44 ZB11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される繰り返し単
    位を繰り返し単位の合計に対して10%以上含むヒドロ
    キシ変性イミン系重合体を表面に有する印刷性の優れた
    熱可塑性樹脂フィルム。 【化1】 [式中、RとR 2は、それぞれ独立して、水素原子ま
    たは炭素数1〜10の範囲の直鎖または分岐状のアルキ
    ル基、脂環式構造を有するアルキル基アリ−ルであり、
    3とR4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数
    1〜18の範囲の直鎖または分岐状のアルキル基、脂環
    式構造を有するアルキル基、またはR4 ないしはR5
    結合して炭素数1〜12の範囲の脂環式構造を形成する
    基であり、R4 とR5 は、それぞれ独立して、水素原子
    または炭素数1〜20の範囲のアルキル基、シクロアル
    キル基、アリール基、アラルキル基、アルキラル基、互
    いに結合して脂環式構造を形成、R3 またはR4 と結合
    して炭素数1〜12の範囲の脂環式構造を形成、ないし
    は、R5 とR6 の少なくとも一方が、炭素数1〜20の
    範囲の直鎖、分岐状または脂環式構造を有するアルキル
    オキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、アラル
    キルオキシアルキル基、アルキラルオキシアルキル基で
    あり、iは、2〜6であり、kは、1〜12であり、m
    は、20〜3000である。]
  2. 【請求項2】 ヒドロキシ変性イミン系重合体と第四級
    窒素含有ポリマーよりなる帯電防止剤を表面に有する請
    求項1記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 水溶性のエポキシ系、イソシアネート
    系、ホルマリン系、オキサゾリン系架橋剤、ポリアミン
    ポリアミドのエピクロルヒドリン樹脂から選ばれた架橋
    剤を表面に有する請求項1または2に記載の熱可塑性樹
    脂フィルム。
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