JPH1160760A - 印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルム

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JPH1160760A
JPH1160760A JP22442997A JP22442997A JPH1160760A JP H1160760 A JPH1160760 A JP H1160760A JP 22442997 A JP22442997 A JP 22442997A JP 22442997 A JP22442997 A JP 22442997A JP H1160760 A JPH1160760 A JP H1160760A
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Japan
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surfactant
thermoplastic resin
resin film
film
surfactants
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JP22442997A
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English (en)
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Kazuhisa Kitamura
和久 北村
Koichi Asami
耕一 浅見
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Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M1/00Inking and printing with a printer's forme
    • B41M1/26Printing on other surfaces than ordinary paper
    • B41M1/30Printing on other surfaces than ordinary paper on organic plastics, horn or similar materials

Abstract

(57)【要約】 【課題】 給排紙性に優れ、オフセット印刷インキの転
移性、インキ密着性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを提
供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの表面に、8,0
00〜200,000ジュール/m2 のエネルギーでフ
レーム(火炎)処理を施した後、アニオン系界面活性
剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、ノニオ
ン系界面活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種
の界面活性剤からなる塗工層を設けた熱可塑性樹脂フィ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給排紙性に優れ、
オフセット印刷インキの転移性、インキ密着性に優れた
熱可塑性樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】無機微細粉末を含有するポリオレフィン
フィルムの単層又はこの無機微細粉末含有ポリオレフィ
ンフィルム層を少なくとも片面に有する積層構造体から
なる不透明ないし半透明フィルム、特に、この層が少な
くとも一軸方向に延伸された微細空洞含有フィルムであ
るものは合成紙として有用なものである(特公昭46−
407994号公報、米国特許第3,765,999号
明細書)。
【0003】かかる無機微細粉末又は有機フィラー含有
熱可塑性樹脂フィルムをベースとする合成紙は、その耐
水性、強靱性、表面平滑性等に優れた物性を示すことか
ら、ポスター用紙、地図用紙、バーコード用紙、プリペ
イドカード基紙、インモールドラベル、トランプ用紙、
熱転写記録用紙等の支持体等、非常に幅広い分野にまで
使用されるに至った。その結果、従来にも増してより優
れた帯電防止性、及びオフセット印刷適性、又は紫外線
硬化型インキを用いての印刷適性が求められるようなっ
てきた。合成紙、特にポリオレフィン系合成紙は、その
原料樹脂であるポリオレフィンが無極性で疎水性である
ことから、帯電防止性やオフセット印刷性において必ず
しも満足できるものではなく、コロナ放電処理、プラズ
マ処理、オゾン処理等の適当な表面処理を施してから使
用するのが普通であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような表面処理の
中でもフィルム表面に、コロナ放電処理を施した後に、
ポリエチレンイミン等のプライマーを塗工する方法が一
般的である(米国特許第4,906,526号明細書、
同4,420,536号明細書、特公昭43−6676
号公報)。この場合、コロナ放電処理の親水化能力が低
いためか、均一にプライマー塗工することができない、
あるいはコロナ放電によりポリオレフィン系樹脂の分子
切断が生じて低分子量酸化物が生成するためか、オフセ
ットインキのフィルムへの密着が悪いという問題点があ
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
フィルム表面に、8,000〜200,000ジュール
/m2 のエネルギーでフレーム(火炎)処理を施した
後、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両
性系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤からなる群から
選ばれた少なくとも1種の界面活性剤よりなる塗工層を
設けたことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムを提供す
るものである。
【0006】
【作用】フレーム処理により界面活性剤のフィルムへの
密着性、インキの転移性、密着性を向上させることがで
き、塗工した界面活性剤層により、印刷機での給排紙性
を良好とすることができた。
【0007】
【発明の実施の形態】
〔I〕 構造 本発明の印刷性の良好な熱可塑性樹脂フィルムは、その
基材である熱可塑性樹脂フィルム、特にポリオレフィン
系合成紙の表面にフレーム処理(火炎処理)を施した熱
可塑性樹脂フィルム層と、そのフレーム処理した表面に
アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両面界
面活性剤、ノニオン系界面活性剤よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の塗工剤を塗工し、乾燥して皮膜とし
た塗工層とから構成されるものである。
【0008】〔II〕 熱可塑性樹脂フィルム層 本発明において基材として使用されるフィルム素材の熱
可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、
プロピレン・エチレン共重合体等のポリオレフィン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリスチレン、ナイロン‐6等の熱可塑性樹脂が挙
げられ、それらのフィルム、或いは、該熱可塑性樹脂と
無機微細粉末又は有機フィラーとから形成されるフィル
ム層を表面に有するフィルムを挙げることができる。
【0009】このような熱可塑性樹脂フィルム、特に合
成紙自体は公知のものであり、その詳細については、特
公昭49−1782号、特開昭56−118437号、
特開昭57−12642号及び特開昭57−56224
号の各公報等を参照することができる。具体的には、粒
径が0.05〜10μmの無機微細粉末、例えば、焼成
クレー、珪藻土、酸化チタン、パーミキュライト、重質
炭酸カルシウム、タルクなどを8〜65重量%含有する
ポリオレフィンフィルムを1軸延伸することによってこ
のフィルムの表面に無機微細粉末粒子を中心とした微細
な亀裂を生じさせると共に、フィルム内部には微細なボ
イドを多数(5個/mm2 以上)形成した微多孔フィル
ムを表面層(紙状層)とし、この表面層を無機微細粉末
を5〜40重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの二軸
延伸物よりなるコア層の片面又は両面に積層した構造の
積層フィルムからなるもの(特公昭46−40794号
公報参照)や、前記積層フィルムの表面層側に、更に無
機微粉末を実質的に含有しない肉厚0.5〜50μmの
ポリオレフィンのフィルム層を形成した高光沢の合成紙
(特公平5−57110号公報)、或いは、無機微細粉
末を10〜40重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの
二軸延伸物よりなるパール調の合成紙(米国特許第3,
773,608号明細書)、等を挙げることができる。
【0010】フレーム処理(火炎処理) 本発明においてはこのような熱可塑性樹脂フィルムの表
面に後述する塗工剤の塗工を施す前に、フレーム処理
(火炎処理)を施すことが重要である。該フレーム処理
(火炎処理)は、8,000〜200,000ジュール
/m2、好ましくは10,000〜150,000ジュ
ール/m2 、特に好ましくは20,000〜100,0
00ジュール/m2 のエネルギーのフレーム(火炎)を
上記熱可塑性樹脂フィルムの表面に直接当てることによ
り行う。
【0011】具体的には、熱可塑性樹脂フィルムの表面
を、可燃焼ガスとしてメタン、プロパン等を使用し、フ
リンバーナー社(FLINN BURNER社)製フリ
ンF3000ダイレクトフレームプラズマ処理機(商品
名)等の火炎処理装置を用いて、1〜200m/分のラ
イン速度で1.0×10-5〜10秒間の火炎処理を行
う。このフレーム処理(火炎処理)によって、熱可塑性
樹脂フィルムの表面が劣化せずに親水化できる。それに
よってオゾン処理、プラズマ処理等の他の表面処理した
ものと異なり、優れたオフセット印刷インキの転移性及
びインキ密着性を備えるものとなる。
【0012】〔III 〕 塗工層 (1)構成成分 上記塗工層は、(A)アニオン系界面活性剤、(B)ノ
ニオン系界面活性剤、(C)カチオン系界面活性剤、
(D)両性系界面活性剤より選ばれた界面活性剤を単独
もしくは併用し、これを基材フィルムの表面に塗布し、
乾燥して皮膜としたものである。
【0013】界面活性剤の併用例としては、アニオン系
界面活性剤とノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活
性剤とノニオン系界面活性剤、両性系界面活性剤とノニ
オン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤と両性系界面
活性剤、カチオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤
と両性系界面活性剤、などが挙げられ、アニオン系界面
活性剤とカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤
と両性系界面活性剤のような併用は凝集やゲル化が起こ
るために好ましくない。
【0014】(A)アニオン系界面活性剤 アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸エ
ステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩、ジチオ燐酸
エステル塩などが挙げられる。好適なアニオン系界面活
性剤の具体例としては、例えば、カルボン酸塩としては
下記の(1)〜(2)の化学式で表される化合物を挙げ
ることができ、スルホン酸塩としては下記の(3)〜
(5)の化学式で表される化合物を挙げることができ
る。
【0015】
【化1】R1 COOM (1) 〔式中、R1 は炭素数4〜30のアルキル基又はアルケ
ニル基を、Mはアルカリ金属イオン(特にリチウム、ナ
トリウム、カリウム)を示す。〕 具体的には、ラウリル酸ナトリウム、ステアリル酸ナト
リウム、オレイン酸ナトリウムが挙げられる。
【0016】
【化2】 〔式中、R2 は水素、メチル基、エチル基、カルボキシ
ル基、カルボキシル基中和塩を、Mはアルカリ金属イオ
ン(特にリチウム、ナトリウム、カリウム)を示し、m
は4〜10000の数を示す。〕 具体的には、マレイン酸ナトリウム共重合体、マレイン
酸カリウム共重合体、アクリル酸ナトリウム共重合体、
アクリル酸カリウム共重合体が挙げられる。共重合モノ
マーとしては、スチレン、アクリル酸アルキルエステ
ル、マレイン酸等が挙げられる。また、スチレン等の共
重合可能なモノマーとフマル酸塩とを共重合したもので
あっても良い。
【0017】
【化3】R3 −φ−SO3 M (3) 〔式中、R3 は炭素数4〜30、好ましくは10〜20
のアルキル基またはアルケニル基であり、φはC6 4
の芳香族環を、Mはアルカリ金属イオン(特にリチウ
ム、ナトリウム、カリウム)を示す。〕 具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0018】
【化4】R4 −SO3 M (4) 〔式中、R4 は炭素数4〜30のアルキル基またはアル
ケニル基を、Mはアルカリ金属イオン(特にリチウム、
ナトリウム、カリウム)を示す。〕 具体的には、ステアリルスルホン酸ナトリウム、オクチ
ルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウ
ム等が挙げられる。
【0019】
【化5】 〔式中、Mはアルカリ金属イオン(特にリチウム、ナト
リウム、カリウム)を示し、mは4〜10000の数
を、φはC6 4 の芳香族環を示す。〕 具体的には、スルホン酸ナトリウム塩基含有スチレン重
合体が挙げられる。上記のものはスルホン酸金属基含有
スチレンと他の共重合可能なビニルモノマー、例えば、
エチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル等と共重合したものでも良い。
【0020】(B)ノニオン系界面活性剤 ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリエチレン
グリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤
が挙げられる。ポリエチレングリコール型界面活性剤の
具体例としては、下記の(6)〜(14)の化学式で表
せるものが挙げられる。多価アルコール型界面活性剤の
具体例としては、下記の(15)〜(18)の化学式で
表せるものが挙げられる。
【0021】
【化6】 R−O(C2 4 O)n R’ (6)
【0022】
【化7】 R−O(C2 4 O)m ・(C3 6 O)n −H (7)
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】 R”−φ−(C2 4 O)m −H ‥‥(14) 〔上記(6)〜(14)式中、RとR’は水素、または
炭素数が1〜30のアルキル基、R”は炭素数が4〜3
0のアルキル基で、オクチル基、ラウリル基、セチル
基、ステアリル基が好ましい。mとnはそれぞれ独立し
て3〜100の整数を表す。〕
【0030】
【化15】 具体的には、グリセロールモノステアレート、グリセロ
ールモノオレエート等が挙げられる。
【0031】
【化16】 具体的には、グリセロールモノステアレート、グリセロ
ールモノオレエート等のエチレンオキシド付加物が挙げ
られる。
【0032】
【化17】 具体的には、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエ
ート、ポリオキシエチレンソルビタントリラウレート、
ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等が挙
げられる。
【0033】
【化18】 具体的には、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ
ート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノパルミテ−ト等が挙げられ
る。〔上記式(15)〜(18)中、Rは炭素数4〜3
0のアルキル基またはアルケニル基を、l、mおよびn
はそれぞれ独立して3〜100の整数を示す。〕(C)カチオン系界面活性剤 カチオン系界面活性剤の具体例としては、第4級アンモ
ニウム塩型界面活性剤、アミン塩型カチオン界面活性剤
等が挙げられ、下記の化学式(19)で表せる第4級ア
ンモニウム塩型界面活性剤が好ましい。
【0034】
【化19】 〔式中、R5 は炭素数4〜30のアルキル基、アルケニ
ル基、またはアミド結合含有基を、R6 、R7 およびR
8 は同一であっても異なっていても良く、炭素数1〜3
のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基またはベンジル
基を示す。X- はCl- 、I- 、CH3 SO4 - 、C12
25−φ−SO3 - を示す。〕 具体的には、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムク
ロライド、ステアリルトリメチルベンジルアンモニウム
クロライド、セチルトリメチルベンジルアンモニウムク
ロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、サパミンMS、サパミンBCH(以上2品チバガイ
ギー社製:商品名)、キャタナック(ACC社製:商品
名)等が挙げられる。
【0035】カチオン系界面活性剤の分子量は、150
以上1,000未満が好ましい。150未満では、イン
クの密着性が低下する。(D)両性系界面活性剤 両性系界面活性剤の具体例としては、硫酸エステル型両
性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤、燐酸エ
ステル型両性界面活性剤が挙げられ、カルボン酸塩型両
性界面活性剤が好適である。カルボン酸塩型両性界面活
性剤の具体例としては、下記の化学式(20)で表せる
ベタイン型両性界面活性剤が好適である。
【0036】
【化20】 〔式中、R9 は炭素数4〜30のアルキル基またはアル
ケニル基を、R10は炭素数1〜3のアルキル基、メトキ
シ基またはエトキシ基を、R11は炭素数1〜3のアルキ
ル基、メトキシ基またはエトキシ基を示す。〕 具体的には、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジ
ヒドロキシベタイン、ラウリルジメチルベタイン等が挙
げられる。上記構造を持つ両性系界面活性剤は、分子量
が150以上1000未満であることが好ましい。15
0未満の場合はインクの密着性が低下する。
【0037】(E)その他の成分 塗工剤は、界面活性剤の他に更に、水性溶媒、水溶性或
いは水分散性重合体、粘度調整剤、消泡剤、その他の補
助剤を含むことができる。 (2)塗工剤層の形成 上記塗工層形成成分の各塗工剤は、界面活性剤を水、或
いは、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等の親水性溶媒に溶解させてから用いら
れるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが普
通である。溶液濃度は通常0.1〜10重量%、好まし
くは0.3〜5重量%程度である。
【0038】塗工は、バーコーター、ロールコーター、
ブレードコーター、エアーナイフコーター、サイズプレ
スコーター等により行なわれる。塗布量は、固形分とし
て一般に0.005〜10g/m2 、好ましくは0.0
2〜5g/m2 である。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、例中の部及び%は、重量部及び重量%をそ
れぞれ意味する。 〔I〕 評 価 表面固有抵抗、紫外線硬化型オフセット印刷インク及び
紫外線硬化型オフセット印刷インク、それぞれのインキ
転移性及びインキ密着性については以下の測定方法によ
って評価した。
【0040】(1) 表面固有抵抗 得られたフィルムを23℃の温度、50%の相対湿度の
条件下で、三菱化学(株)製表面抵抗計“HIREST
A MODEL HT−250(商品名)”を用いて測
定した。 (2) 23℃、相対湿度50%保管後のオフセット印刷
密着性 塗工剤が塗布されたフィルムを温度23℃、相対湿度5
0%の雰囲気下で3日間保管した後、紫外線硬化型オフ
セットインク((株)T&K Toka製「ベストキュ
アー161 墨」)をRIテスター(明製作所製)で約
2g/m2 の固型分量となるように印刷し、アイグラフ
ィック(株)製メタルハイドライド灯(80w/cm)
1灯の下で10cmのところを10m/分の速度で1回
通過させて照射した後、その印刷面にニチバン(株)製
粘着テープ“セロテープ”(商品名)を貼り付け、十分
密着させた後に素早くテープを剥離してインキ接着性を
次の5段階で評価した。
【0041】 5:全くインキが剥離してこない。 4:僅かな部分(1〜5%未満)のインキが剥離した。 3:剥離部分が5〜25%未満であった。 2:剥離部分が25%〜50%であった。 1:剥離部分が50%超過であった。
【0042】(3) 紫外線硬化型インキ(UVインキ)
転移性の測定 塗工剤の塗布されたフィルムを温度23℃、相対湿度5
0%の雰囲気下で3日間保管した後、明製作所製RIテ
スターにより前記ベストキュアー−161インキ(ス
ミ)を通常で1.5g/m2 の固型分量となるように印
刷し、印刷面を米国コルモーゲン社のマクベス濃度計を
用いて光反射濃度(マクベス濃度)を測定した。マクベ
ス濃度が1.5以上のものを合格とする。
【0043】〔II〕 基材フィルムの製造 合成紙の製造 例1 合成紙 (1) メルトフローレート(MFR)0.8g/10分
のポリプロピレン(融点164℃)88重量部に、平均
粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム12重量部を混合
した組成物(C′)を、270℃に設定した押出機にて
混練した後、シート状に押し出してから、冷却装置によ
り冷却して、無延伸シートを得た。このシートを140
℃の温度に加熱した後、縦方向に5倍延伸させた。
【0044】(2) MFR4.0g/10分のポリプロ
ピレン49重量部とマレイン酸含量0.5%のマレイン
酸(改質単量体)グラフト変性ポリプロピレン5重量部
と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量部と
を混合した組成物(A′)(炭酸カルシウム100部当
たりの改質単量体であるマレイン酸含量は0.05部)
を270℃に設定した押出機により溶融混練したもの
と、MFR4.0g/10分のポリプロピレン55重量
部と平均粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム45重量
部とを混合した組成物(B′)を270℃に設定した別
の押出機で溶融混練したものとを一台の共押出ダイに供
給し、このダイ内で積層し、この積層物を改質ポリプロ
ピレンを含む層(A′)が外側になるように、上記
(1)で得られた縦方向5倍延伸シートの両側に共押出
して5層積層物(A′/B′/C′/B′/A′)を得
た。次いで、この5層の積層物を155℃に加熱した
後、横方向に7.5倍の延伸を行なって、5層の延伸積
層物である微多孔性合成紙を得た(肉厚5/20/50
/20/5μm)。
【0045】〔III 〕 塗工剤の調製 (A)アニオン系界面活性剤 アニオン系界面活性剤として以下のものを使用した。 三菱化学(株)製 サフトマーST6000(商品名)
(マレイン酸塩系界面活性剤) 三菱化学(株)製 サフトマーAP134(商品名)
(マレイン酸塩系界面活性剤) 三洋化成工業(株)製 ケミスタットSA9(商品名)
(ポリスチレンスルホン酸塩系界面活性剤) 三洋化成工業(株)製 ケミスタット6120(商品
名) (ポリスチレンスルホン酸塩系界面活性剤)
【0046】(B)カチオン系界面活性剤 カチオン系界面活性剤として以下のものを使用した。 花王(株)製 コータミン86W(商品名) (ステア
リルトリメチルアンモニウムクロライド) 花王(株)製 コータミン60W(商品名) (セチル
トリメチルアンモニウムクロライド) (C)両性系界面活性剤 両性系界面活性剤として以下のものを使用した。 花王(株)製 アンヒトール20BS(商品名) (ラ
ウリルベタイン)
【0047】(D)ノニオン系界面活性剤 ノニオン系界面活性剤として以下のものを使用した。 三洋化成工業(株)製 PEG1000(商品名)
(分子量1000のポリエチレングリコール) 和光純薬(株)製 ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル (オキシエチレン重合度 23) 和光純薬(株)製 ポリオキシエチレンソルビタントリ
オレエート (オキシエチレン 重合度 20)
【0048】(実施例1)アニオン系界面活性剤として
固型分濃度が30重量%のサフトマーST6000水溶
液を固型分濃度が0.2重量%になるように水で希釈
し、充分攪拌して塗工液を調製した。一方、例1で得た
合成紙の両表面をフリンバーナー社(FLYNN BU
RNER社)製フリンF3000ダイレクトフレームプ
ラズマ処理機を用い、可燃焼ガスとしてプロパンを使用
し、ライン速度40m/分、印加エネルギー37,70
0J/m2 にてフレーム処理を行なった後、上記塗工液
をフレーム処理した合成紙の両表面に、固型分量で0.
1g/m2 となるようにバーコーターで塗布した後、6
5℃の温度で乾燥して皮膜を形成せしめた。得られた塗
工層を有する合成紙の物性、即ち表面固有抵抗、オフセ
ット印刷適正、インキ転移性及びインキ密着性を評価し
た。その結果を表1に示す。
【0049】(実施例2〜11)表1に示す条件で表面
処理し、表1に示す組成の塗工剤を実施例1と同様にフ
レーム処理した合成紙の両表面に塗布し、塗工合成紙を
得た。得られた塗工合成紙は表1に示すように優れた帯
電防止性及び印刷適正を有するものであった。 (比較例1〜6)表1、2に示す表面処理、塗工剤組成
物、合成紙を用いる他は実施例1と同様にして評価し
た。但し、コロナ処理機は春日電機(株)製コロナ処理
装置HFS400Fを用い、長さ0.8mのアルミニウ
ム製電極、トリーターロールには、シリコ−ン被覆電極
を用い、電極とロールとのギャップを5mmとし、ライ
ン処理速度15m/分、印加エネルギー密度70W/m
2 /分にてコロナ処理を行った。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの表面に、8,0
    00〜200,000ジュール/m2 のエネルギーでフ
    レーム(火炎)処理を施した後、アニオン系界面活性
    剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、ノニオ
    ン系界面活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種
    の界面活性剤からなる塗工層を設けたことを特徴とする
    熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 アニオン系界面活性剤が、カルボン酸塩
    型界面活性剤、スルホン酸塩型界面活性剤より選ばれた
    少なくとも1種である請求項1記載の熱可塑性樹脂フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 ノニオン系界面活性剤が、ポリエチレン
    グリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤
    より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の熱可
    塑性樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 アニオン系界面活性剤及びノニオン系界
    面活性剤が分子量150〜1,000,000の界面活
    性剤である請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 カチオン系界面活性剤が、第4級アンモ
    ニウム塩型界面活性剤である請求項1記載の熱可塑性樹
    脂フィルム。
  6. 【請求項6】 両性系界面活性剤が、ベタイン型両性界
    面活性剤である請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  7. 【請求項7】 カチオン系界面活性剤及び両性系界面活
    性剤が分子量150〜1,000未満の界面活性剤であ
    る請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007505207A (ja) * 2003-06-09 2007-03-08 ソリユテイア・インコーポレイテツド 二機能性表面変性剤を含むポリビニルブチラールシート
JP2008045077A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Univ Of Fukui 合成樹脂成形品表面の親水性疎水性制御法

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