JP2003089169A - 剥離性フィルム - Google Patents

剥離性フィルム

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JP2003089169A
JP2003089169A JP2001285181A JP2001285181A JP2003089169A JP 2003089169 A JP2003089169 A JP 2003089169A JP 2001285181 A JP2001285181 A JP 2001285181A JP 2001285181 A JP2001285181 A JP 2001285181A JP 2003089169 A JP2003089169 A JP 2003089169A
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layer
film
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JP2001285181A
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Seiichiro Iida
誠一郎 飯田
Mitsuhiro Ashikaga
光洋 足利
Akira Iwai
昭 岩井
Hisashi Tani
寿 谷
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Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離性、裏面印刷性、帯電防止性、粘着加工
性に優れた剥離性フィルムを提供する。 【解決手段】 熱可塑性フィルムを支持体として表面に
無溶剤シリコーン樹脂を主成分とする剥離層を有し、か
つ裏面に高分子バインダーを主成分とするインキ定着層
を有する剥離性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムの表面に無溶剤型シリコーン樹脂からなる剥離層を
有することで優れた粘着性フィルムとの剥離性を有し、
かつ高分子バインダーを主成分とするインキ定着層を有
する、すぐれた意匠性を有する剥離性フィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】紙やプラスチックフィルム表面に剥離性
に優れるシリコーン樹脂を塗工し硬化させることでシリ
コーン皮膜を形成した剥離性シートは剥離紙またはセパ
レーターと呼ばれ、粘着剤をさらに塗工することで粘着
加工製品となり、数多く販売されている。中でも、プラ
スチックフィルムを基材とした剥離性フィルムは優れた
寸法安定性や防水性から幅広く使用されている。しか
し、従来の剥離性フィルムは、プラスチックフィルム製
造工程に加えて剥離性シリコーンの塗工およびシリコー
ン硬化工程を必要とするため、剥離紙に比べて非常に高
価なものとなっていた。
【0003】そこで、特公昭60−30265号公報に
は、プラスチックフィルム製造工程内で剥離性シリコー
ンの塗工および硬化を行うことを特徴とする安価な剥離
性フィルムの製造方法が開示されている。しかし、上記
方法で製造した剥離性フィルムを使用して粘着加工した
場合、塗工時のロール上でフィルムが滑るといった基材
の蛇行がおこったり、基材の帯電防止性不足により塗工
時に基材に埃が付着するといった等の粘着加工適性に問
題があった。加えて、剥離性シートは剥離層の裏面に意
匠性を与えるために各種印刷を行うことが多いが、上記
剥離性フィルムは、各種インキとの密着性が低いため印
刷性が悪いといった欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粘着剤との
剥離性を有し、かつ裏面印刷性、帯電防止性、粘着加工
適性に優れた安価な剥離性フィルムの提供を目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の剥離性フィルム
は 熱可塑性樹脂フィルムを支持体として表面に無溶剤
型シリコーン樹脂を主成分とする剥離層を有し、かつ裏
面に高分子バインダーを主成分としたインキ定着層を有
することを特徴とするものである。熱可塑性樹脂フィル
ムが無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含有するも
のが好ましく、さらに無機微細粉末が粒径0.1〜15
μmの炭酸カルシウムであることが好ましい。熱可塑性
樹脂フィルムが延伸されたものが好ましく、剥離層の平
滑度(JISP−8119)が2000秒以上、インキ
定着層の平滑度(JIS P−8119)が2000秒
以下であることが好ましい。シリコーン樹脂が熱硬化型
シリコーン樹脂であることが好ましい。
【0006】インキ定着層の高分子バインダーが下記一
般式(I)で表されるポリエチレンイミン系重合体また
はポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物(b)
を含有していることが好ましい。
【化2】
【0007】(式中、R1 とR2 はそれぞれ独立して水
素原子または炭素数1〜10の範囲の直鎖または分岐状
のアルキル基、脂環式構造を有するアルキル基、アリー
ル基であり、R3 は水素原子または炭素数1〜20の範
囲のアルキル基、アリル基、脂環式構造を有するアルキ
ル基、アリール基ないしはこれらの水酸化物であり、m
は2〜6の範囲の整数であり、nは20〜3000の範
囲の整数であり、これらを単独または数種類複合させて
も良い。) インキ定着層が無機フィラーを含有し、さらにポリマー
型帯電防止剤を含有することが好ましい。インキ定着層
が水溶性のエポキシ系、イソシアネート系、ホルマリン
系、オキサゾリン系、ポリアミンポリアミドのエピクロ
ルヒドリン付加物からなる架橋剤のいずれか1つを含有
することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は熱可塑性樹脂フィルムか
らなる支持体の表面に無溶剤型シリコーン樹脂を主成分
とした剥離層を有し、かつ裏面に高分子バインダーを主
成分とするインキ定着層を有するものであり、以下詳細
に説明する。 [支持体] (1)熱可塑性樹脂フィルム 本発明で使用する支持体は、熱可塑性樹脂フィルムであ
り、この支持体はパルプ抄造紙、平織織布(ポンジー)
または不織布(スパンボンド)との積層品であってもよ
い。用いる熱可塑性樹脂フィルムの種類は特に制限され
ない。例えば、高密度ポリエチレンや中密度ポリエチレ
ン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポ
リメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共
重合体等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン−6、ナイ
ロン−6,6等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレ
フタレートやその共重合体、ポリブチレンテレフタレー
トやその共重合体、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポ
リエステル系樹脂;ポリカーボネート、アタクティック
ポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン等を
使用することができる。中でも、防水性や適度の腰があ
るといった点からポリオレフィン系樹脂を用いることが
好ましい。
【0009】さらにポリオレフィン系樹脂の中でも、耐
薬品性およびコスト等の面からポリプロピレン系樹脂を
用いることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂として
は、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重
合体およびシンジオタクティック重合体を例示すること
ができる。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−
オレフィンとプロピレンとを共重合体させた様々な立体
規則性を有するポリプロピレンを主成分とする共重合体
を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系
以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロ
ック共重合体でもよい。ポリプロピレン系樹脂には、プ
ロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂を2〜25重
量%配合して使用することが好ましい。そのような融点
が低い樹脂として、高密度ないしは低密度のポリエチレ
ンを例示することができる。
【0010】支持体の熱可塑性樹脂としては、上記の熱
可塑性樹脂の中から1種を選択して単独で使用してもよ
いし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよ
い。支持体の熱可塑性樹脂には、無機微細粉末、有機フ
ィラーの他に必要に応じて安定剤、光安定剤、分散剤、
滑剤などを添加することができる。無機微細粉末の具体
例としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チ
タン、硫酸バリウム、アルミナなどが挙げられる。これ
らの中でもコストの面から炭酸カルシウムが好ましい。
【0011】無機微細粉末の平均粒子径は、通常0.0
1〜15μm、好ましくは0.1〜10μm、より好ま
しくは0.5μm〜5μmのものを使用する。平均粒子
径が0.01μm未満では熱可塑性樹脂との溶融混練に
おいて均一に無機微細粉末が分散しなかったり、無機微
細粉末への吸着水分の影響によりフィルムを成形した際
に発泡を起こす恐れがある。また平均粒子径が15μm
超ではフィルムの強度が低下する。本発明に使用する無
機微細粉末の粒径は、一例として粒子計測装置、例え
ば、レーザー回折式粒子計測装置「マイクロトラック」
(株式会社日機装社製、商品名)により測定した累積で
50%にあたる粒子径(累積50%粒径)により測定す
ることが出来る。
【0012】有機フィラーを添加する場合は、主成分で
ある熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂からなるフィラ
ーを選択することが好ましい。例えば熱可塑性樹脂フィ
ルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである場合には、
有機フィラーとしてポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン
−6、ナイロン−6,6、環状オレフィン、ポリスチレ
ン、ポリメタクリレート等の重合体であって、ポリオレ
フィン系樹脂の融点よりも高い融点(例えば170〜3
00℃)ないしはガラス転移温度(例えば170〜28
0℃)を有するものを使用することができる。
【0013】剥離層に用いる無溶剤シリコーン樹脂の硬
化を妨げない範囲であれば安定剤を使用することが可能
であり、通常0.001〜1重量%の範囲内で添加す
る。具体的には、立体障害フェノール系、リン系、アミ
ン系の安定剤などを使用することができる。光安定剤を
添加する場合は、通常0.001〜1重量%の範囲内で
添加する。具体的には、立体障害アミン系、ベンゾトリ
アゾール系、ベンゾフェノン系の光安定剤などを使用す
ることができる。分散剤や滑剤は、例えば無機微細粉末
を分散させる目的で使用する。使用量は通常0.01〜
4重量%の範囲内にする。具体的には、シランカップリ
ング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金
属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸およびこれ
らの塩などを使用することができる。
【0014】熱可塑性樹脂フィルムからなる支持体の成
形方法は特に限定されないため、公知の方法の中から適
宜選択して成形することができる。例えば、スクリュー
型押出機に接続された単層または積層のTダイやIダイ
を使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成
形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成
形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物をキャ
スト成形またはカレンダー成形した後に溶媒やオイルを
除去する方法などを用いて成形することができる。支持
体に用いる熱可塑性樹脂フィルムは一軸または二軸延伸
してあるものが好ましい。延伸は、通常用いられている
種々の方法のいずれかによって行うことができる。具体
例としては、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テン
ターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブ
ンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸な
どを用いることができる。
【0015】延伸の温度は、非結晶性樹脂の場合は使用
する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂
の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶
部の融点以下の熱可塑性樹脂に好適な公知の温度範囲内
で行うことができる。具体的には、延伸温度は使用する
熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度が好まし
く、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167
℃)のときは152〜164℃、高密度ポリエチレン
(融点121〜134℃)のときは110〜120℃、
ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)
のときは104〜115℃に設定するのが好ましい。ま
た、延伸速度は20〜350m/分にするのが好まし
い。
【0016】延伸倍率は特に限定されず、用いる熱可塑
性樹脂の特性等を考慮して適宜決定する。例えば、熱可
塑性樹脂としてプロピレン単独重合体ないしはその共重
合体を使用するときには、一方向に延伸する場合は約
1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延
伸の場合は面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは10
〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用するとき
には、一方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好まし
くは2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で
1.5〜20倍、好ましくは4〜12倍である。
【0017】無機微細粉末や有機フィラーを含有する熱
可塑性樹脂を延伸すれば、内部に微細な空孔を有する多
孔性樹脂延伸フィルムを得ることができる。このとき、
次式で定義される空孔率は、5〜60%の範囲内である
のが好ましい。
【式1】 また、延伸した熱可塑性樹脂フィルムの物性は、密度が
0.65〜1.20g/cm3 、不透明度が20%以
上、白色度が80%以上であるのが好ましい。
【0018】本発明の支持体を形成する熱可塑性樹脂フ
ィルムは、単層であっても、ベース層と表面層の2層構
造であっても、ベース層の表裏面に表面層が存在する3
層構造であっても、ベース層と表面層間に他の樹脂フィ
ルム層が存在する多層構造であっても良く、少なくとも
1軸方向に延伸されていても良い。また、この多層構造
が延伸されている場合その延伸軸数は、3層構造では1
軸/1軸/1軸、1軸/1軸/2軸、1軸/2軸/1
軸、2軸/1軸/1軸、1軸/2軸/2軸、2軸/2軸
/1軸、2軸/2軸/2軸であっても良く、それ以上の
層構造の場合、延伸軸数は任意に組み合わされる。
【0019】熱可塑性樹脂フィルムが単層のポリオレフ
ィン系樹脂フィルムであり、無機微細粉末及び/又は有
機フィラーを含有する場合には、通常ポリオレフィン系
樹脂40〜99.5重量%、無機微細粉末及び/又は有
機フィラー60〜0.5重量%からなり、好ましくはポ
リオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機微細粉末及
び/又は有機フィラー無機50〜3重量%からなる。熱
可塑性樹脂フィルムが多層構造であってベース層及び表
面層が無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含有する
場合は、通常基材層がポリオレフィン系樹脂40〜9
9.5重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー6
0〜0.5重量%からなり、表面層がポリオレフィン系
樹脂25〜100重量%、無機微細粉末及び/又は有機
フィラー75〜0重量%からなり、好ましくはベース層
がポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機微細粉
末及び/又は有機フィラー50〜3重量%からなり、表
面層がポリオレフィン系樹脂30〜97重量%、無機微
細粉末70〜3重量%からなる。
【0020】単層構造、又は多層構造のベース層に含有
される無機微細粉末及び/又は有機フィラーが60重量
%を越えては、縦延伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィ
ルムが破断し易い。表面層に含有される無機微細粉末及
び/又は有機フィラーが75重量%を越えては、横延伸
後の表面層の表面強度が低く、使用時の機械的衝撃等に
より表面層が破壊されやすくなり好ましくない。本発明
に使用する支持体の厚さは、通常20〜350μmの範
囲内、好ましくは35〜300μm範囲内である。これ
ら合成紙やフィルムは、その表面に剥離層やインキ定着
層を形成する前に、コロナ処理等の酸化処理を行うこと
が必要である。
【0021】(2)酸化処理 上記支持体の表面酸化処理としては、コロナ放電処理、
フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン
処理より選ばれた少なくとも一種の処理方法であり、好
ましくはコロナ処理、フレーム処理である。処理量はコ
ロナ処理の場合、600〜12, 000J/m2 (10
〜200W・分/m2 )、好ましくは1200〜900
0J/m2 (20〜150W・分/m2 )である。60
0J/m 2 (10W・分/m2 )未満では、コロナ放電
処理の効果が不十分で、その後の表面改質剤の塗工時に
はじきが生じ、12, 000J/m2 (200W・分/
2 )超では処理の効果が頭打ちとなるので12, 00
0J/m2 (200W・分/m2 )以下で十分である。
フレーム処理の場合、8,000〜200,000J/
2 、好ましくは20,000〜100,000J/m
2 が用いられる。8,000J/m2 未満では、フレー
ム処理の効果が不十分で、その後の表面改質剤の塗工時
にはじきが生じ、200,000J/m2 超では処理の
効果が頭打ちとなるので200,000J/m2 以下で
十分である。
【0022】[剥離層]本発明では、剥離層に安全衛生
性および剥離性能等の点から無溶剤型シリコーン樹脂を
使用する。無溶剤型シリコーンは、シリコーンハンドブ
ック (日刊工業新聞社発行、伊東邦男編)P.518〜
530にも詳しく記載されている。無溶剤シリコーンと
しては、熱硬化型シリコーン樹脂、紫外線硬化型シリコ
ーン樹脂、電子線硬化型シリコーン樹脂に大別でき、本
発明ではいずれのタイプの無溶剤シリコーンが使用可能
ではあるが、工業生産性等の点から、熱硬化型シリコー
ンを使用することが好ましい。
【0023】熱硬化型シリコーン樹脂としては、縮合反
応型シリコーン樹脂と付加反応型シリコーン樹脂に大別
されるが、本発明では反応速度やブロッキング性といっ
た点から付加反応型シリコーン樹脂を使用することが好
ましい。付加反応型シリコーン樹脂としては、両末端、
あるいは両末端および鎖中にビニル基を有する直鎖状メ
チルビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェンシロ
キサンに白金系の硬化触媒を加えた混合物を使用する。
さらに、これらの混合物に反応制御剤、剥離調整剤、ス
リップ改良剤等を適時添加することができる。
【0024】無溶剤シリコーン樹脂の支持体への塗布量
は、固形分量で0.03〜5g/m 2 、好ましくは0.
1〜1.0g/m2 である。0.03g/m2 未満では
粘着フィルムとの剥離性が不十分であり、5g/m2
では剥離層と支持体との密着性が低下するため好ましく
ない。塗布装置としては、ロールコーター、ブレードコ
ーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズ
プレスコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リ
ップコーター、スプレーコーター等を利用した塗布装置
を使用することができる。本発明では無溶剤シリコーン
樹脂を塗工後、加熱装置を使用してシリコーン硬化を行
う。
【0025】熱硬化型シリコーンを使用した場合、加熱
装置によりシリコーン硬化を行うが、支持体が延伸フィ
ルムである場合、支持体フィルムの延伸後に無溶剤シリ
コーンを塗工し、加熱オーブンで硬化をおこなってもよ
いが、工業生産性から、フィルム延伸前の未延伸フィル
ムに無溶剤シリコーンを塗工し、フィルム延伸時に使用
するテンターオーブン内で硬化させるのが好ましい。加
熱温度はシリコーンの種類、触媒配合量の等によって異
なるが、110〜180℃の範囲が好ましい。また本発
明の剥離層の平滑度(JIS P−8119)は200
0秒以上であることが好ましい。平滑度が2000秒未
満の場合は、粘着加工後の粘着剤と剥離層の剥離性が凹
凸部により不均一になりやすいため剥離性能が低下する
傾向があるので好ましくない。
【0026】[インキ定着層]本発明では裏面印刷性お
よび帯電防止性を付与するため、裏面に高分子バインダ
ーを主成分とするインキ定着層を設ける。高分子バイン
ダーの具体例としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル酸エステル系
樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合
体等の水系エマルジョンやポリビニルアルコール、シラ
ノール基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合体、
ポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミド、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルピロリドン、メチルエチルセ
ルロース、ポリアクリル酸ソーダ、各種でんぷん、各種
ゼラチン等の水溶性ポリマーが挙げられる。
【0027】上記の高分子バインダーの中で、インキ定
着性向上および支持体との密着性の点から下記一般式
(I)で表されるポリエチレンイミン系重合体またはポ
リアミンポリアミドのエチレンイミン付加物が好まし
い。
【化3】 (式中、R1 とR2 はそれぞれ独立して水素原子または
炭素数1〜10の範囲の直鎖または分岐状のアルキル
基、脂環式構造を有するアルキル基、アリール基であ
り、R3 は水素原子または炭素数1〜20の範囲のアル
キル基、アリル基、脂環式構造を有するアルキル基、ア
リール基ないしはこれらの水酸化物であり、mは2〜6
の範囲の整数であり、nは20〜3000の範囲の整数
であり、これらを単独または数種類複合させても良
い。)
【0028】インキ定着層に、支持体との密着性が低下
しない範囲であればインキ定着成分としてフィラー成分
を含有させることも可能である。フィラー成分の具体例
として、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナヒド
ロゾル、水酸化アルミニウム、タルク、炭酸カルシウ
ム、クレイ、硫酸バリウム、二酸化チタン、プラスチッ
クピグメント等が挙げられるが、炭酸カルシウム、シリ
カ、クレイ、硫酸バリウム等の無機フィラーを使用する
ことが好ましい。インキ定着層には帯電防止性のため、
ポリマー型帯電防止剤を含有させることが好ましい。
【0029】ポリマー型帯電防止剤としては、カチオン
型、アニオン型、両性型、ノニオン型などが使用可能で
ある。カチオン型としては、アンモニウム塩構造やホス
ホニウム塩構造を有するものが挙げられる。アニオン型
としては、スルホン酸、リン酸、カルボン酸等のアルカ
リ金属塩、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無
水)マレイン酸などのアルカリ金属塩(例としてはリチ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)構造を分子構造
中に有するものが挙げられる。
【0030】両性型としては、上記のカチオン型とアニ
オン型の両方の構造を同一分子中に含有するもので、例
としてベタイン型が挙げられる。ノニオン型としては、
アルキレンオキシド構造を有するエチレンオキシド重合
体や、エチレンオキシド重合成分を分子鎖中に有する重
合体が挙げられる。その他、ホウ素を分子構造中に有す
るポリマー型帯電防止剤も例として挙げることができ
る。これらの中で好ましくは窒素含有ポリマー型帯電防
止剤であり、より好ましくは第三級窒素または第四級窒
素含有アクリル系ポリマーである。また上記インキ定着
層には、架橋剤としてエポキシ系、イソシアネート系、
ホルマリン系、オキサゾリン系の水溶性の樹脂を加える
と印刷インキとの耐水密着性を更に改良することができ
る。
【0031】架橋剤としては、特にビスフェノールA−
エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンポリアミドのエピ
クロルヒドリン樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、エポキシノ
ボラック樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹
脂が好ましく、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒド
リン付加物、あるいは単官能乃至多官能のグリシジルエ
ーテル、グリシジルエステル類が特に好ましい。尚、本
発明の易印刷層には、必要に応じて消泡剤、その他の助
剤等を印刷性が損なわない範囲で添加しても良い。上記
易印刷層の混合量比としては高分子バインダー20〜9
0重量%、フィラー成分0〜60重量%、ポリマー型帯
電防止剤0〜60重量%、架橋剤0〜40重量%であ
る。
【0032】上記塗布剤の各成分は、水或いはメチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トル
エン、キシレン等の溶媒に溶解もしくは分散させてから
用いるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが
普通である。溶液濃度は通常0.5〜40重量%、好ま
しくは1〜20重量%程度である。塗布剤の支持体への
塗布量は、固形分量で0.03〜10g/m2 、好まし
くは0.05〜5g/m2 である。0.03g/m2
満では印刷インキの転写、密着性が不十分であり、10
g/m2 超の場合はコストアップになるだけで実用的で
はない。
【0033】インキ定着層の平滑度は2000秒以下で
あることが好ましい。平滑度が2000秒を上回る場合
は、印刷時の表面凹凸部が少ないためかインキ密着性や
インキ耐水性が劣る傾向があるため好ましくない。塗布
装置としては、ロールコーター、ブレードコーター、バ
ーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコー
ター、グラビアコーター、ダイコーター、リップコータ
ー、スプレーコーター等を利用した塗布装置を使用する
ことができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例などを用いて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限
定されるものではない。 [高分子バインダー(a)] (a−1)ポリエチレンイミン系重合物の製造例〔グリ
シドール変性ポリイミン系重合体〕 攪拌機、環流冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備え
た四つ口フラスコにポリエチレンイミン「エポミン P
−1000(重合度1600)」(日本触媒(株)社
製、商品名)の25重量%水溶液100部、グリシドー
ル10部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル
10部を入れて窒素気流下で攪拌し、80℃の温度で1
6時間変性反応を行ってグリシドール変性ポリエチレン
イミン水溶液を得た。このものを乾燥した後、赤外分光
分析、 1H−核磁気共鳴分光分析( 1H−NMR)、及
び13C−核磁気共鳴分光分析(13C−NMR)により、
グリシドールのエポキシ基がポリエチレンイミンの窒素
に付加して生成した構造、及びポリエチレンイミンの窒
素の23%がグリシドールと反応した生成物であること
を確認した。
【0035】(a−2)ポリエチレンイミン系重合体の
製造例〔ブチル変性ポリイミン系重合体〕 攪拌機、環流冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備え
た四つ口フラスコに、ポリエチレンイミン「エポミン
P−1000(重合度1600)」(日本触媒(株)社
製、商品名)の25重量%水溶液100部、n−ブチル
クロライド10部及びプロピレングリコールモノメチル
エーテル10部を入れて窒素気流下で攪拌し、80℃の
温度で20時間変性反応を行って20重量%のブチル変
性ポリエチレンイミン水溶液を得た。 (a−3)エチレン・酢酸ビニルポリマーエマルジョン
である「ポリゾールAD−2」(昭和高分子社(株)
製、商品名)を使用した。
【0036】[フィラー(b)]炭酸カルシウム「Br
illiant−15」(白石工業(株)社製、商品
名)の水中分散液(固形分濃度15%)を使用した。 [ポリマー型帯電防止剤(c)] ポリマー型帯電防止剤の製造例 環流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管、及び攪拌装
置を取り付けた四つ口フラスコに、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート35部、エチルメタアクリレート20
部、シクロヘキシルメタアクリレート20部、ステアリ
ルメタアクリレート25部、エチルアルコール150部
と、アゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、窒素気
流下に80℃の温度で6時間重合反応を行った。次い
で、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム
クロリドの60重量%エチルアルコール溶液70部を加
え、更に80℃の温度で15時間反応させた後、水を滴
下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形分30
%の第4級アンモニウム塩型共重合体を得た。
【0037】この共重合体は、次の一般式で示される基
を分子鎖内に含むアクリル酸アルキルエステル系重合体
である。
【化4】 [架橋剤(d)]ポリアミンポリアミドのエピクロルヒ
ドリン付加物「WS−570(固形分12.5重量
%)」(日本PMC(株)社製、商品名)を用いた。
【0038】[支持体]表1に、各支持体の製造にあた
って使用した材料の種類をまとめて示した。 (支持体の製造例1)表1に示したPP1;85重量%
に、表1に示した無機微細粉末1;15重量%を配合し
た組成物(c’)を、240℃に設定した押し出し機に
て混練した後、シート状に押し出し、冷却装置にて冷却
して無延伸シートを得た。尚、上記のシート状に押し出
した組成物及び以下の押出や積層に使用する組成物に
は、使用するプロピレン単独重合体と炭酸カルシウムの
合計量100部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−
ブチルフェノール0.05部とフェノール系安定剤であ
るイルガノックス1010(チバガイキー社製、商品
名)0.05部、リン系安定剤であるウエストン618
(ボーグワーナー(株)製、商品名)0.05部を配合
した。このシートを140℃の温度に加熱して、縦方向
に5倍延伸した。
【0039】さらに表に示したPP2;100重量%か
らなる樹脂組成物(a’)を250℃に設定した押し出
し機により溶融混練したものと、PP2;55重量%と
無機微細粉末1;45重量%を混合した組成物(b’)
を250℃に設定した別の押し出し機で溶融混練したも
のをダイ内で積層し、この積層物を(a’)が外側とな
るように上記にて得られた縦5倍延伸シートの表面に共
押し出し、さらにPP2;50重量%とMP1;5重量
%と無機微細粉末1;45重量%とを混合した組成物
(d’)を250℃に設定した押し出し機により溶融混
練したものと、PP2;55重量%と無機微細粉末1;
45重量%を混合した組成物(b’)を250℃に設定
した別の押し出し機で溶融混練したものをダイ内で積層
し、この積層物を(d’)が外側となるように上記にて
得られた縦5倍延伸シートの表面に共押し出して、5層
積層物(表側:a’/b’/c’/b’/d’:裏側)
を得た。
【0040】次いで、この5層積層物を、更に155℃
の温度にまで加熱してテンターを用いて横方向に8.5
倍延伸して厚さ110μm、密度(ρ)0.70g/c
3、空孔率41%、不透明度92%、白色度96%、
表側の平滑度13000秒、裏側の平滑度200秒の5
層積層フィルム(各層の厚さ6μm/23μm/52μ
m/23μm/6μm)を得た。さらに上記5層積層フ
ィルムの両面に以下のようなコロナ放電処理を行った。
コロナ放電処理機は春日電気(株)製コロナ放電処理機
HFS400Fを用い、アルミ電極、トリータロールに
はシリコーン被覆ロールを用い、電極とロールとのギャ
ップを2mmとし、ライン速度約30m/分、印加エネ
ルギー密度100W・分/m2 にて処理を行った。
【0041】(支持体の製造例2)製造例1と同様の5
層積層物(表側:a’/b’/c’/b’/d’:裏
側)を使用し、テンターによる横延伸を行うことなく、
製造例1と同様のコロナ放電処理を行った。 (支持体の製造例3)製造例1の5層積層物の表裏を逆
転させた以外は、製造例1と同様にして厚さ110μ
m、密度(ρ)0.70g/cm3 、空孔率41%、不
透明度92%、白色度96%、表側の平滑度200秒、
裏側の平滑度13000秒の5層積層フィルム(各層の
厚さ6μm/23μm/52μm/23μm/6μm)
を得た。
【0042】
【表1】
【0043】
【実施例1】支持体の製造例1で得た積層延伸樹脂フィ
ルムの表面に、熱硬化型無溶剤シリコーン樹脂「TPR
−6605」(GE東芝シリコーン(株)社製、商品
名)を99重量%、硬化触媒「CM674」(GE東芝
シリコーン(株)社製、商品名)を1重量%で配合した
塗工液を、ロールコーターを使用にて塗布した後、15
0℃設定の乾燥オーブン内に2分間投入して、シリコー
ン硬化を行い、塗工量1.0g/m2 の剥離層を有する
積層フィルムを得た。さらに本積層フィルムの裏面に、
再度製造例1と同様のコロナ処理を実施した後、表2に
示した配合からなる塗工液をロールコーターにて塗布し
た後、70℃設定の乾燥オーブン内に2分間投入して、
塗工量0.1g/m2 の帯電防止層を有する積層フィル
ムを得た。
【0044】本フィルムの剥離性、印刷適性等の評価を
以下に示す方法で行った。 [評価] (1)剥離力 得られたフィルムの剥離層上に粘着剤「BPS−817
0」(東洋インキ(株)社製、商品名)を膜厚125μ
mで塗布し、100℃3分間乾燥後、粘着剤塗布面に密
度65g/m3 のコピー紙を貼合した。本サンプルを2
5mm幅に切断して20℃、50%RH条件にて20時
間放置し剥離層と粘着剤の間の剥離抵抗(gf/25m
m)を0.3m/分の引っ張り速度にて測定した。
【0045】(2)残留接着率 テフロン(登録商標)シートの表面に粘着テープ「ニッ
トー31B」(日東電工(株)社製、商品名)を貼合
し、本サンプルを20g/cm2 の荷重下で、70℃設
定の乾燥オーブン内で20時間放置してから粘着テープ
を剥離して、さらに該粘着テープをステンレス板に貼合
し、1時間放置後粘着テープとステンレス板との間の剥
離抵抗を、0.3m/分の引っ張り速度にて測定した値
を(I)とした。さらに本発明の実施例、比較例で得ら
れた剥離性フィルムの剥離層に上述の粘着テープを貼合
し、以下テフロンシートと同様に操作して測定した剥離
抵抗値を(II)として、以下の式により計算した。 残留接着率(%)=(II)/(I)×100
【0046】(3)インキ転移性 剥離性フィルムを23℃の温度、相対湿度50%の雰囲
気下で3日間保管した後、フィルムの帯電防止層面に印
刷機「RI- III型印刷適性試験機」((株)明製作
所社製、商品名)にて印刷インキ「ベストキュアー16
1(墨)」((株)T&K TOKA社製、商品名)を
1.5g/m2 の厚さとなるように印刷し、アイグラフ
ィック(株)製メタルハライド灯(80W/cm)下で
UV照射強度0.04W/cm2 でUV照射した後、印
刷面を「マクベス濃度計」((株)コルモーゲン社製
(米国)、商品名)にてマクベス濃度を測定した。マク
ベス濃度が1.4以上のものを合格とする。
【0047】(4)インキ密着性 上記インキ転移性試験と同様な方法で印刷したサンプル
の印刷面を、密着強度測定機「インターナルボンドテス
ター」(熊谷理機工業(株)社製、商品名)にて密着強
度を測定した。密着強度が1.4kg・cm以上のもの
を合格とする。 (5)インキ耐水性 上記インキ転移性評価と同様な方法で印刷したサンプル
を23℃の水中に24時間漬け込んだ後取り出し、印刷
面の水分をかるくウエスにて拭き取り、10分後に上記
密着強度測定機にて密着強度を測定した。密着強度が
1.2kg・cm以上のものを合格とする。
【0048】(6)帯電防止性 剥離性フィルムを23℃の温度、相対湿度50%の雰囲
気下で2時間以上状態調節した後、フィルムの帯電防止
層側を絶縁計「DSM−8103」(東亜電波工業
(株)社製、商品名)にて表面固有抵抗値を測定した。
表面固有抵抗値が1E+12(Ω)以下のものを合格と
する。 (7)粘着加工性 武蔵野機械(株)製450mmテストコーターを使用し
て粘着加工を行った。すなわち、上記剥離性フィルムを
アンワインダー部に設置し、剥離層上にバーコーターに
て粘着剤「BPS−8170」(東洋インキ(株)社
製、商品名)を膜厚125μmで塗布し、乾燥ゾーンに
て100℃1分間乾燥後、粘着剤塗布面に密度65g/
3 のコピー紙を貼合加工し、ワインダー部で粘着加工
紙を巻き取った。粘着加工性を以下の判定基準にて判定
した。 ○ 粘着加工時にフィルム蛇行等のトラブル全くなし × 粘着加工時フィルム蛇行等のトラブル発生
【0049】
【実施例2〜6】裏面の帯電防止層の塗工液を表2に示
す成分に変更した以外は、実施例1と同様な操作で剥離
性フィルムを作成し、性能評価を行った。塗布剤の配合
比および性能評価結果を表2に示す。
【0050】
【実施例7】支持体の製造例2で得た5層積層物の表面
に、熱硬化型無溶剤シリコーン樹脂「TPR−660
5」(GE東芝シリコーン(株)社製、商品名)を99
重量%、硬化触媒「CM674」(GE東芝シリコーン
(株)社製、商品名)を1重量%で配合した塗工液を、
ロールコーターを使用にて塗布した後、155℃設定の
テンターオーブン内にて8.5倍横延伸およびシリコー
ン硬化を同時に行い、塗工量1.0g/m2 の剥離層を
有する積層フィルムを得た。さらに支持体の製造例1と
同様のコロナ処理を再度実施した後、本積層フィルムの
裏面に、表2に示した配合からなる塗工液をロールコー
ターにて塗布した後、70℃設定の乾燥オーブン内に2
分間投入して、塗工量0.1g/m2 の帯電防止層を有
する積層フィルムを得た。塗布剤の配合比および性能評
価結果を表2に示す。
【0051】
【比較例1】裏面の帯電防止層の塗工を実施しなかった
以外は、実施例1と同様な操作で剥離性フィルムを作成
し、性能評価を行った。性能評価結果を表2に示す。
【比較例2】製造例3の積層延伸フィルムを支持体とし
た以外は、実施例1と同様にして剥離性フィルムを作成
し、性能評価を行った。性能評価結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明により、剥離性、裏面印刷性、帯
電防止性、粘着加工性に優れた剥離性フィルムを提供す
ることができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 179/00 C09D 179/00 C09K 3/00 C09K 3/00 R G09F 3/10 G09F 3/10 J // C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 岩井 昭 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 株式会 社ユポ・コーポレーション鹿島工場内 (72)発明者 谷 寿 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 株式会 社ユポ・コーポレーション鹿島工場内 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA15 AA35 AA36 AA38 AB39 BA11 CA00 DA04 EA03 4F100 AA01A AA01C AA08A AA08H AH00A AK01A AK01C AK04C AK04J AK31C AK31J AK52B AK53C AL01C AL05A AR00B AS00C BA03 BA07 BA10B BA10C CA02C CA22C DE01A DE01C EJ37A HB31C JB13B JB16A JG03 JK20B JK20C JL14B 4J038 CK002 DB002 DF022 DG002 DH001 DJ001 HA156 HA216 HA246 HA286 HA416 HA446 HA526 HA536 JB01 JC14 JC29 KA03 KA08 KA12 KA20 MA08 NA01 PA19 PB03 PC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムからなる支持体の
    表面に無溶剤型シリコーン樹脂を主成分とした剥離層を
    有し、かつ裏面に高分子バインダーを主成分とするイン
    キ定着層を有することを特徴とする剥離性フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムが無機微細粉末及
    び/又は有機フィラーを含有するものである請求項1記
    載の剥離性フィルム。
  3. 【請求項3】 無機微細粉末が粒径0.1〜15μmの
    炭酸カルシウムである請求項1又は2記載の剥離性フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂フィルムが延伸されたもの
    である請求項1〜3のいずれかに記載の剥離性フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 剥離層の平滑度(JIS P−811
    9)が2000秒以上である請求項1〜4のいずれかに
    記載の剥離性フィルム。
  6. 【請求項6】インキ定着剤層の平滑度(JIS P−8
    119)が2000秒以下である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の剥離性フィルム。
  7. 【請求項7】 無溶剤シリコーン樹脂が熱硬化型シリコ
    ーン樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の剥離性
    フィルム。
  8. 【請求項8】 高分子バインダーが下記一般式(I)で
    表されるポリエチレンイミン系重合体またはポリアミン
    ポリアミドのエチレンイミン付加物(b)である請求項1
    〜7のいずれかに記載の剥離性フィルム。 【化1】 (式中、R1 とR2 はそれぞれ独立して水素原子または
    炭素数1〜10の範囲の直鎖または分岐状のアルキル
    基、脂環式構造を有するアルキル基、アリール基であ
    り、R3 は水素原子または炭素数1〜20の範囲のアル
    キル基、アリル基、脂環式構造を有するアルキル基、ア
    リール基ないしはこれらの水酸化物であり、mは2〜6
    の範囲の整数であり、nは20〜3000の範囲の整数
    であり、これらを単独または数種類複合させても良
    い。)
  9. 【請求項9】 インキ定着層が無機フィラーを含有して
    いる請求項1〜8のいずれかに記載の剥離性フィルム。
  10. 【請求項10】 インキ定着層がポリマー型帯電防止剤
    を含有する請求項1〜9のいずれかに記載の剥離性フィ
    ルム。
  11. 【請求項11】 インキ定着層が水溶性のエポキシ系、
    イソシアネート系、ホルマリン系、オキサゾリン系、ポ
    リアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物からな
    る架橋剤のいずれか1つを含有する請求項1〜10のい
    ずれかに記載の剥離性フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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