JP4055071B2 - 両面離型フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は両面離型フィルムに関し、詳しくはプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する場合がある。)製造工程において、誘電体層あるいは隔壁形成用部材として使用される、グリーンシート成形用の両面離型フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムがプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する場合がある)製造工程において、誘電体層あるいは隔壁形成用部材に用いるグリーンシート成形用として使用されている。当該製造工程は、セラミック粉体あるいはガラス粉体およびバインダー、添加剤等から構成されるスラリーを離型フィルムの離型面に塗布・乾燥後、グリーンシート表面に保護フィルムを貼り合わせて、積層体を得る工程等からなる。その後、保護フィルムあるいは支持体の一方を剥離しながら、加熱ローラーによる熱プレス処理により、ガラス基板上にグリーンシートを転写させる製造方法等からなる(特許文献1〜特許文献3に記載例がある)。
【0003】
当該用途においては、離型フィルムの離型面からグリーンシート表面へのシリコーン移行が極力少ないことが必要とされる。離型フィルムの離型面から、貼り合わせる相手方グリーンシート表面へのシリコーン移行が多い場合、シリコーン自体が他の有機樹脂バインダーとの相溶性に乏しいため、グリーンシート表面に転着した場合、当該グリーンシートを例えば誘電体層として用いる場合には誘電特性のバラツキが大きくなる等の不具合を生じる場合がある。
【0004】
一方、上記製造工程においては、グリーンシートを介して両面に離型フィルムが貼り合わされた積層体構成のため、離型フィルムの使用量も面積換算で表裏2倍の離型フィルムを使用する必要がある。近年、コストダウンあるいはISO14000シリーズの取得等、環境問題に配慮した産業廃棄物量の低減等を目的として、離型フィルムの使用量を低減する傾向にある。
さらに成形後のグリーンシート表面に保護用離型フィルムを貼り合わせる、あるいはガラス基板にグリ−ンシートを転写する際には離型フィルムを剥離する等の製造工程を有するため、更なる生産性向上が望まれる状況にある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−102273号公報
【特許文献2】
特開平11−185603号公報
【特許文献3】
WO 00/42622号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、プラズマディスプレイパネル製造工程において誘電体層あるいは隔壁形成用部材として使用されるグリーンシート成形用として、グリーンシートに対して適度な離型性を有し、高温雰囲気下におけるグリーンシート表面へのシリコーン移行が極力少なく、従来必須であった保護用離型フィルムを使用する必要がなく、生産性向上に寄与することが可能な離型フィルムを提案するものである。
【0007】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの両面に硬化型シリコーン樹脂を含有する離型層を有する離型フィルムであり、下記式(1)〜(3)を同時に満足することを特徴とするプラズマディスプレイパネル製造用両面離型フィルムに存する。
P−V(A)≦700 …(1)
Si(A)(80℃)≦3.0 …(2)
F(A)≧F(B) …(3)
(上記式中、P−V(A)は、一方の離型面(A面)の最大粗さ(nm)、Si(A)(80℃)は、A面と未処理PETフィルムとを積層後、80℃で熱プレス処理した後のA面から未処理PETフィルム表面へのシリコーン移行量(kcps)、F(A)は、A面とアクリル系粘着テープとの剥離力(mN/cm)、F(B)は、もう一方の離型面(B面)とアクリル系粘着テープとの剥離力(mN/cm)を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。一方、共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0010】
何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエステルを指す。
【0011】
本発明におけるポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらにポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
【0012】
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等の何れを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
【0013】
使用する粒子の平均粒径は0.1〜5μmを満足するのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分となることがあり、一方、5μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を設ける場合等に不具合を生じることがある。
【0014】
さらにポリエステル中の粒子含有量は、0.01〜5重量%を満足するのが好ましく、さらに好ましくは0.01〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.01重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分になる場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルム表面の平滑性が不十分になる場合がある。
【0015】
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
【0016】
本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、通常20〜125μm、好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは20〜75μmの範囲から選択される。
【0017】
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常130〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、同時二軸延伸を行うことも可能である。
【0018】
同時二軸延伸法としては前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で縦方向(あるいは機械方向)および横方向(あるいは幅方向)に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を使用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。「スクリュー方式」とは、スクリューの溝にクリップを乗せてクリップ間隔を広げていく方式である。「パンタグラフ方式」とは、パンタグラフを用いてクリップ間隔を広げていく方式である。「リニアモーター方式」とは、リニアモーター原理を応用し、クリップを個々に制御可能な方式でクリップ間隔を任意に調整することができる利点を有する。さらに同時二軸延伸に関しては二段階以上に分割して行ってもよく、その場合、延伸場所は一つのテンター内で行ってもよいし、複数のテンターを併用してもよい。
【0019】
また、上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。それは以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。上述の塗布延伸法にてポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
【0020】
本発明の両面離型フィルムを構成する離型層は貼り合わせる相手方グリーンシートに対する離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有する必要がある。用いる樹脂は、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
【0021】
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じてアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。また、離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
【0022】
本発明において、離型層の塗布量(Si)(乾燥後)は、通常0.005〜2g/mの範囲であり、0.005〜1g/m、さらには0.005〜0.5g/mの範囲が好ましい。離型層の塗布量が0.005g/m未満の場合、塗工性の面での安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難な場合がある。一方、塗工量が2g/mを超える場合、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
【0023】
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、バーコート、ダイコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
【0024】
また、本発明における離型フィルムを構成するポリエステルフィルムには予めコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。さらに本発明における両面離型フィルムを構成するポリエステルフィルムには予め接着層、帯電防止層等の塗布層が設けられていてもよい。
【0025】
本発明のフィルムの一方の離型層(A面)をスラリー塗布面として通常使用し、スラリー塗布後、乾燥工程を経てグリーンシートを得る。その際、もう一方の離型面(B面)は成形後のグリーンシートの保護、あるいはグリーンシート巻出し時において背面にグリーンシートが貼り付くのを防止する、いわゆるブロッキング防止層等の役目をする。
【0026】
本発明のフィルムの一方の離型面(A面)の最大粗さ(P−V(A))は、700nm以下である必要があり、好ましくは400(nm)以下である。P−V(A)が700(nm)を超える場合には、成形するグリーンシート表面の平坦性が不十分になる。P−V(A)の下限に関しては、両面離型フィルムの巻き取り性、あるいは搬送性等を考慮し、100nmとするのがよい。
【0027】
本発明の離型フィルムは、高温雰囲気下におけるグリーンシート表面へのシリコーン移行量(Si(A)(80℃))が3.0kcps以下である必要がある。Si(A)(80℃)は、一方の離型面(A面)と未処理PETフィルムを積層後、80℃で熱プレス処理した後の離型面(A面)から未処理PETフィルム表面へのシリコーン移行量を表す。Si(A)(80℃)は、好ましくは2.5kcps以下である。Si(A)(80℃)が3.0kcpsを超える場合、離型面(A面)から貼り合わせる相手方グリーンシート表面へのシリコ−ン移行あるいは転着により、例えば、当該グリーンシートをPDP用誘導体層として使用した場合、得られるPDPにおいて、輝度むら等の不具合を生じるようになる。
【0028】
さらに、本発明の離型フィルムのもう一方の離型面(B面)についても、上記と同様、Si(B)(80℃)が3.0kcps以下、さらには2.5kcps以下であることが好ましい。
【0029】
本発明における両面離型フィルムの剥離力はグリーンシートに対する剥離性を良好とするために10〜100mN/cmの範囲、さらには10〜80mN/cmの範囲が好ましい。グリーンシートに対する剥離力が上述の範囲を外れる場合、本来剥離する必要のない場面において、両面離型フィルムよりグリーンシートが容易に剥離する場合があったり、グリーンシート剥離時に剥離困難になったりする場合がある。
【0030】
また、本発明における両面離型フィルムに関して、離型面(A面)とアクリル系粘着テープとの剥離力(F(A))は、もう一方の離型面(B面)とアクリル系粘着テープとの剥離力(F(B))の値以上である必要がある。F(A)がF(B)よりも小さい場合には、両面離型フィルムからグリーンシートを巻き出す際にスムーズに巻き出せない等の不具合を生じるようになる。
【0031】
具体的には、F(A)は10〜100mN/cm、さらには15〜80mN/cmの範囲が好ましく、F(B)10〜50mN/cm、さらには10〜30mN/cmの範囲が好ましい。さらに、F(A)/F(B)は、2.0以上であることが好ましい。上記剥離力比率(F(A)/F(B))を満足することにより、両面離型フィルムからグリーンシートを剥離させる際にスムーズに剥離(あるいは巻出)することが可能になる。
【0032】
また、本発明における両面離型フィルムにおいては用途上、外部からPDP用グリーンシートへの異物混入防止等を目的として、両面離型フィルムの何れか一方のフィルム面の表面固有抵抗(R)が1×1012Ω以下、さらには1×1010Ω以下であることが好ましい。Rが1×1012Ωを超える場合、PDP製造工程中において、両面離型フィルムをグリーンシート成形用として使用する際、何らかの作用により、離型フィルムが帯電した場合には除電が不十分になる等の不具合を生じる場合がある。
【0033】
Rが上述の範囲を満足するための具体的手法として、例えば、両面離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの少なくとも片面に帯電防止剤を含有する塗布層を設けるのが好ましい。なお、塗布層に含有される帯電防止剤に関して、好ましくは第四級アンモニウム塩基含有カチオン系帯電防止剤がさらに好ましく、中でもイオン化された窒素元素またはピロリジウム環の何れかを主鎖に含有するポリマーを使用することによれば、特に帯電防止性が良好になるのでよい。
【0034】
主鎖にイオン化された窒素元素を含有するポリマーとして、その一例としてアイオネンポリマーが挙げられる。具体例として、特公昭53−23377号公報、特交昭54−10039号公報、特開昭47−34581号公報、特開昭56−76451号公報、特開昭58−93710号公報、特開昭61−18750号公報、特開昭63−68687号公報等の記載例が挙げられる。
詳細はALAN D.WILSON and HAVARD J.PROSSER(Ed.) DEVELOPMENTS IN IONIC POLYMERS−2ELSEVIER APPLIED SCIENCE PUBLISHER、1986年)、IONENE POLYMERS:、PROPERTIES AND APPLICATIONSに記載されている。
【0035】
一方、主鎖にピロリジウム環を含有するポリマーとして、下記構造(A)、(B)を有するポリマーが挙げられる。
【0036】
【化1】
Figure 0004055071
【0037】
【化2】
Figure 0004055071
上記式(I)および(II)中、R1 、R2 は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基等であり、これらのアルキル基、フェニル基が以下に示す基で置換されていてもよい。
【0038】
置換可能な基は、例えば、ヒドロキシル基、アミド基、カルボ低級アルコキシ基、低級アルコキシ基、チオフェノキシ基、シクロアルキル基、トリ−(低級アルキル)アンモニウム低級アルキル基等であり、ニトロ基はアルキル基上でのみ、またハロゲン基はフェニル基上でのみ置換可能である。また、R1 、R2 は化学的に結合していてもよく、例えば、( CH2m (m=2〜5の整数)、−CH(CH3 )−CH(CH3 )− 、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−CH=N−、−CH=CH−N=CH−、 (CH22O(CH22 、(CH22 O(CH22 等が挙げられる。上記式中のX- は、Cl- 、Br- 、1/2SO4 2- 、または1/3PO4 3-等の無機酸残基、CH3SO4 -、C25SO4 -のスルホン酸残基を示す。
【0039】
本発明における(I)のポリマーは、例えば、下記式(III )で表される化合物をラジカル重合触媒を用いて環化重合させることにより得られる。
【0040】
【化3】
Figure 0004055071
【0041】
また、前記(II)式のポリマーは、上記(III )式の化合物を二酸化イオウを溶媒とする系で環化重合させることにより得られる。重合は、溶媒として水あるいはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ホルムアミド、ジオキサン、アセトニトリル、二酸化イオウなどの極性溶媒中で過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、第3級ブチルパーオキサイド等の重合開始剤により、公知の方法で実施できるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
本発明における主鎖にピロリジウム環を有するポリマーは、上記(III )式の化合物と重合性のある炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を共重合成分としてもよい。
【0043】
本発明における主鎖にピロリジウム環を有するポリマーの分子量は、好ましくは500〜1000000、さらに好ましくは1000〜500000である。ポリマーの分子量が500未満の場合は、帯電防止効果はあるものの、塗膜の強度が弱かったり、ブロッキングしやすかったりする傾向がある。ポリマーの分子量が1000000より高い場合は、塗布液の粘度が高くなり、取扱い性や塗布性が悪化する傾向がある。
【0044】
さらに本発明における離型フィルムを構成する塗布層中には塗布層の塗膜耐久性、造膜性等を考慮して、バインダーポリマーを含有するのが好ましい。塗布層に含有されるバインダーポリマーの具体例として、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリレート、塩素系ポリマー(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリオレフィン等が挙げられる。それらの中でも、塗布層を塗布延伸法により塗設する場合には、ノニオン系、カチオン系、両性系の水溶液または水分散体として使用可能な有機ポリマーが好ましい使用形態として挙げられる。
【0045】
塗布層中に含有されるバインダーポリマーの含有量は特に限定されるものではないが、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは10〜80重量%の範囲がよい。バインダーポリマーの含有量が10重量%未満では、塗布層の造膜性が不十分になる等の不具合を生じる場合がある。
【0046】
さらに塗布層には架橋剤を併用してもよく、具体例としては、メチロール化またはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋成分はバインダーポリマーと予め結合していてもよい。
【0047】
また、塗布層の固着性、滑り性改良を目的として、無機系粒子を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。さらに必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
【0048】
本発明における離型フィルムを構成する塗布層の塗布量(乾燥後)は通常0.005〜1g/m、好ましくは0.01〜0.5g/m、さらに好ましくは0.03〜0.5g/mの範囲である。塗布量が0.005g/m未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合があり、一方、1g/mを超えて塗布した場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合がある。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
【0050】
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0051】
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置((株)島津製作所(製)SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
【0052】
(3)両面離型フィルムの剥離力(F(A)、F(B))の評価
試料フィルムの離型層に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
【0053】
(4)離型面の最大粗さ(P−V)評価
直接位相検出干渉法、いわゆるマイケルソンの干渉を利用した2光束干渉法を用いた、非接触表面計測システム「マイクロマップ社製Micromap512)」により、試料フィルムの離型面の最大粗さ(P−V)を計測した。なお、測定波長は554nmとし、対物レンズは20倍を用いて、20°視野計測し、その平均値を採用した。
【0054】
(5)離型層の塗布量(Si)の測定
蛍光X線測定装置((株)島津製作所(製)型式「XRF−1500」)を 用いてFP(Fundamental Parameter Method)法により、下記測定条件下、試料フィルムの離型層が設けられた面および離型層がない面の珪素元素量を測定し、その差をもって、離型層中の珪素元素量とした。次に得られた珪素元素量を用いて、−SiO(CHのユニットとしての塗布量(Si)(g/m)を算出した。
《測定条件》
分光結晶:PET(ペンタエリスリトール)
2θ:108.88°
管電流:95mA
管電圧:40kv
【0055】
(6)両面離型フィルムの離型面からのシリコーン移行性評価(Si(A)(80℃)、Si(B)(80℃))
試料フィルムの離型面と未処理PETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製ダイアホイル「T100タイプ−50μm」)を積層後、80℃、10kg/cm、30分間熱プレス処理をした。その後、(5)項の要領にて試料フィルムと接する側の離型面から未処理PETフィルム表面へのシリコーン量を測定した。なお、測定前に使用する試料フィルムおよび未処理PETフィルムの両面の珪素元素量は予め測定しておく。
【0056】
(7)両面離型フィルムの帯電防止性(R)評価
日本ヒューレット・パッカード社製の測定電極であるHP16008B(商品名)を23℃、50%RH雰囲気下にて測定試料を設置し、100Vの電圧を印加し、同社高抵抗計HP4339B(商品名)で表面固有抵抗を測定した。
【0057】
(8)両面離型フィルムを用いた加工適性評価(実用特性代用評価)
試料フィルムの離型面(A面)に下記組成からなるスラリーを塗布し、塗布量(乾燥後)が60g/mのグリーンシ−トを成形した。その後、グリーンシート付き試料フィルムを巻き取った。次にグリーンシート付き試料フィルムを巻き出し、グリーンシートを下記転写条件により、ガラス基板に転写させた。その後、グリーンシート付きガラス基板を380℃、10分間焼成後、誘電体層表面(測定対象面積:2m)を非接触の走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社製)にて表面観察を行い、下記判定基準により判定を行った。
【0058】
《誘電体層組成》
・ガラス粉体(PbO−B−SiO=70重量%:10重量%:20重量%) 100部
・バインダー樹脂(ポリメチルメタアクリレート:GPC分析による重量平均分子量(Mw)=4万) 30部
・粘着付与剤(エチレングリコールジアクリレート) 5部
・酢酸エチル/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 60部
【0059】
《グリーンシートの転写条件》
・加熱ロール表面温度:80℃
・ロール圧:3kg/cm
・加熱ローラー移動速度:1m/分
【0060】
《判定基準》
▲1▼深さ10μm以上のクレーター(凹み)発生状況
○:誘電体層表面に深さ10μm以上のクレーター(凹み)が2個/m以下
△…誘電体層表面に深さ10μm以上のクレーター(凹み)が3〜5個/m
×…誘電体層表面に深さ10μm以上のクレーター(凹み)が6個/m以上
○および△は実用上問題のないレベルである。
▲2▼深さ3μm以上10μm未満のクレーター(凹み)発生状況
○…少ない(全クレーター数の1割未満)
×…多い(全クレーター数の1割以上)
【0061】
製造例1(ポリエチレンテレフタレートA)
テレフタル酸86部、エチレングリコール70部を反応器にとり、約250℃で4時間エステル交換反応を行った。三酸化アンチモンを0.03部およびリン酸0.01部、平均粒径1.5μmの二酸化珪素粒子を0.1部加え、250℃から285℃まで徐々に昇温すると共に圧力を徐々に減じて0.5mmHgとした。 4時間後、重合反応を停止し、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートAを得た。
【0062】
製造例2(ポリエチレンテレフタレートB)
製造例1において、平均粒径1.5μmの二酸化珪素粒子を0.1部添加する代わりに平均粒径0.5μmの二酸化珪素粒子を0.1部添加する以外は製造例1と同様にして製造し、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートBを得た。
【0063】
製造例3(ポリエチレンテレフタレートC)
製造例1において、平均粒径1.5μmの二酸化珪素粒子を0.1部添加する代わりに平均粒径1.5μmの二酸化珪素粒子を6部添加する以外は製造例1と同様にして製造し、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートCを得た。
【0064】
製造例4(PETフィルムF1)
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートBを180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られたシートを85℃でテンターに導き、100℃で3.5倍縦方向、3.8倍横方向に同時二軸延伸した後、230℃にて熱固定を行い、厚さ50μmのPETフィルムF1を得た。
【0065】
製造例5(PETフィルムF2)
製造例4において、フィルム厚みが異なる以外は製造例4と同様にして製造し、厚さ75μmのPETフィルムF2を得た。
【0066】
製造例6(PETフィルムF3)
製造例4において、フィルム厚みが異なる以外は製造例4と同様にして製造し、厚さ38μmのPETフィルムF3を得た。
【0067】
製造例7(PETフィルムF4)
製造例4において、フィルムをテンターに導く前に下記塗布剤組成からなる塗布層を塗布量(乾燥後)が0.05(g/m)になるように塗布する以外は製造例4と同様にして製造し、塗布層が設けられた、厚さ50μmのPETフィルムF4を得た。
《塗布剤組成》
帯電防止剤(第一工業製薬社製:シャロールDC−303P) 85重量%:PVA系樹脂(けん化度=88モル%、重合度=500のポリビニルアルコール) 10重量%:粒子(平均粒径0.05μmのシリカゾル) 5重量%
【0068】
製造例8(PETフィルムF5)
製造例7においてフィルム厚みが異なる以外は製造例7と同様にして製造し、塗布層が設けられた、厚さ75μmのPETフィルムF5を得た。
【0069】
製造例9(PETフィルムF6)
製造例7においてフィルム厚みが異なる以外は製造例7と同様にして製造し、塗布層が設けられた、厚さ38μmのPETフィルムF6を得た。
【0070】
製造例10(PETフィルムF7)
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートBを180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。ついで、得られたシートを3.5倍縦方向に延伸した後、テンターに導き、3.8倍横方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、厚さ50μmのPETフィルムF7を得た。
【0071】
製造例11(PETフィルムF8)
製造例10において、ポリエチレンテレフタレートBの代わりにポリエチレンテレフタレートAを用いる以外は製造例10と同様にして製造し、厚さ50μmのPETフィルムF8を得た。
【0072】
製造例12(PETフィルムF9)
製造例10において、ポリエチレンテレフタレートBの代わりにポリエチレンテレフタレートCを用いる以外は製造例10と同様にして製造し、厚さ50μmのPETフィルムF9を得た。
【0073】
実施例1
製造例7で得られたPETフィルムF4に下記離型剤組成からなる離型層を塗布量(乾燥後)が0.1(g/m)になるように設けて、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
*A面離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:X−62−9201A) 100部
硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:X−62−9201B) 25部
硬化剤(信越化学製:PL−50T) 5部
トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1) 2000部
*B面離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:X−62−5508) 100部
硬化剤(信越化学製:PL−5000) 5部
トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1) 2000部
【0074】
実施例2
実施例1において、PETフィルムF4の代わりにPETフィルムF5を使用する以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0075】
実施例3
実施例1において、B面側の離型層を塗布層上に設ける以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/PET/塗布層/離型層(B面)であった。
【0076】
実施例4
実施例1においてPETフィルムF4の代わりに三菱化学ポリエステルフィルム(株)社製「ダイアホイルT100G(G01)タイプ−50μm」を使用し、塗布層上に離型層(A面)を設ける以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0077】
実施例5
実施例1において、PETフィルムF4の代わりに三菱化学ポリエステルフィルム(株)社製「ダイアホイルT100タイプ−50μm」を使用する以外は 実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/PET/離型層(B面)であった。
【0078】
実施例6
実施例1において、B面の離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
*B面離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:KS−847H) 100部
硬化剤(信越化学製:PL−50T) 5部
トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1) 2000部
【0079】
実施例7
実施例1において、PETフィルムF4の代わりにPETフィルムF6を使用する以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0080】
実施例8
実施例1において、PETフィルムF4の代わりにPETフィルムF1を使用する以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0081】
実施例9
実施例1において、PETフィルムF4の代わりにPETフィルムF2を使用する以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0082】
実施例10
実施例1において、PETフィルムF4の代わりにPETフィルムF3を使用する以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0083】
実施例11
実施例1において、A面の離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
*A面離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:X−62−5508) 100部
硬化剤(信越化学製:PL−5000) 5部
トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1) 2000部
【0084】
実施例12
実施例1において、PETフィルムF4の代わりにPETフィルムF7を使用する以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0085】
実施例13
実施例1において、PETフィルムF4の代わりにPETフィルムF8を使用する以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0086】
実施例14
実施例1において、PETフィルムF4の代わりに三菱化学ポリエステルフィルム(株)社製「ダイアホイルT300タイプ−38μm」を使用する以外は 実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
【0087】
比較例1
実施例1において、A面の離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
*A面離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:KS−778) 100部
硬化剤(信越化学製:PL−50T) 5部
トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1) 2000部
【0088】
比較例2
実施例1において、スラリー塗布面がB面と異なる以外は同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
【0089】
比較例3
実施例1において、PETフィルムF4の代わりにPETフィルムF9を使用する以外は実施例1と同様に製造し、両面離型フィルムを得た。フィルム構成は離型層(A面)/塗布層/PET/離型層(B面)であった。
以上、上記実施例および比較例で得られた各フィルムの特性を下記表1〜3にまとめる。
【0090】
【表1】
Figure 0004055071
【0091】
【表2】
Figure 0004055071
【0092】
【表3】
Figure 0004055071
【0093】
【発明の効果】
本発明の両面離型フィルムは、離型性良好でかつ高温雰囲気下におけるグリーンシート表面へのシリコーン移行が極力少ないものであり、従来工法において必須の保護用離型フィルムを使用する必要がなく、生産性向上にも寄与することができ、本発明の工業的価値は非常に高い。

Claims (1)

  1. ポリエステルフィルムの両面に硬化型シリコーン樹脂を含有する離型層を有する離型フィルムであり、下記式(1)〜(3)を同時に満足することを特徴とするプラズマディスプレイパネル製造用両面離型フィルム。
    P−V(A)≦700 …(1)
    Si(A)(80℃)≦3.0 …(2)
    F(A)≧F(B) …(3)
    (上記式中、P−V(A)は、一方の離型面(A面)の最大粗さ(nm)、Si(A)(80℃)は、A面と未処理PETフィルムとを積層後、80℃で熱プレス処理した後のA面から未処理PETフィルム表面へのシリコーン移行量(kcps)、F(A)は、A面とアクリル系粘着テープとの剥離力(mN/cm)、F(B)は、もう一方の離型面(B面)とアクリル系粘着テープとの剥離力(mN/cm)を表す)
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