JP6623504B2 - 離型ポリエステルフィルム - Google Patents

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本発明は、粘着シートの粘着剤保護や、セラミックグリーンシート成形用に好適に用いることができる離型ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、セルロース誘導体をシリコーン離型層に含有する離型フィルムは筆記性を有することが知られており、またこのセルロース誘導体の含有量を調整することによって特に重剥離な離型フィルムを得ることができるものである。
しかしながら、このようにセルロース誘導体を含有して得られた重剥離な離型フィルムは、離型層中でシリコーン成分の再配列を生じやすく、経時で軽剥離化する問題を抱えている。
一方、付加型シリコーンによる離型層を有する離型フィルムにおいては、離型層を重剥離化する処方として、RSiO1/2(式中Rは1価の炭化水素基)およびSiO4/2で示されるシロキサン単位からなるMQレジンをシリコーン組成物に配合することが知られている。
しかし、このMQレジンを付加型シリコーンに添加するだけでは極めて剥離が重たい領域の離型フィルムを得ることは難しく、また過剰にMQレジンを添加した際には経時変化で離型層が重剥離化する問題を生じたり、離型層の外観が悪いものが得られたりする問題がある。
近年、粘着シートにおいても微粘着用の他、両面粘着シートの用途が広がりつつあり、片面ずつ異なる剥離力を有する離型フィルムの必要性が増えている。
セラミックグリーンシート用においても、厚膜のもののほか、有機成分を少なくしたタック性をあまり有しないグリーンシート用としても要求が増えており、安定した重剥離の離型フィルムは非常に必要されるところである。
特開平1−215857号公報 特開平9―87594号公報
信越シリコーン剥離紙用シリコーンカタログ(信越化学工業株式会社)
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、経時で剥離力の変化が小さい重剥離の離型ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成の離型層を有する離型ポリエステルフィルムによれば、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、セルロース誘導体(A)、付加反応型シリコーン(B)、MQレジン(C)、および触媒を含む離型層をフィルムの一方の面に有し、当該離型層中のセルロース誘導体(A)の割合が20重量%以上であり、付加反応型シリコーン(B)とMQレジン(C)との重量比率((C)/(B))が0.6〜1.0であることを特徴とするセラミックグリーンシート成形用離型ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、経時で剥離力の変化が小さい重剥離の離型ポリエステルフィルムを得ることができ、粘着シート用、セラミックグリーンシート用として安定した材料を提供するものであり、本発明の工業的価値は高い。
本発明における離型ポリエステルフィルムを構成する基材ポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、例えば、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を超えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において離型ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明において、ポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、本発明の主旨を損なわない範囲において、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程においてコート層を設ける場合等に不具合が生じる場合がある。
さらに、ポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明において、離型ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム中には上記の粒子、蛍光増白剤以外に、本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じて、従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等を添加し併用することができる。
本発明の離型ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムの厚さは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、用途上、通常9〜300μm、好ましくは12〜250μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明におけるポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上記の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等の延伸方式を採用することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すこともできる。それは以下に限定するものではないが、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良、耐候性および表面硬度の向上等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等によるコーティング処理を施すことができる。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としてはインラインコーティングの場合は水系が好ましい。
次に離型ポリエステルフィルムの離型層を設ける方法について説明するが、本発明の離型層には、セルロース誘導体(A)、付加反応型シリコーン(B)、MQレジン(C)、および触媒が含まれることが必須の要件となる。
これらは、一旦トルエンやトルエン/MEKなどの溶剤組成物として配合された後、コーティングによって基材ポリエステルフィルム上に設けられることが一般的であり、本発明においても好ましい。
セルロース誘導体(A)としては、筆記性を発現させると同時に離型層を重剥離化させるものとして、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース誘導体を適宜使用することができる。
付加反応型シリコーン(B)としては、分子中にアルケニル基を含有するポリオルガノシロキサン、分子中にヒドロシリル基(Si−H)を含有するポリオルガノシロキサンであるが、いずれも1分子中に少なくとも2個以上のアルケニル基、ヒドロシリル基を有するものである。ポリオルガノシロキサンの主鎖または骨格を形成しているものとしては、特に限定されないが、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルセイロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどが上げられる。アルケニル基としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが上げられるが、中でもビニル基、ヘキセニル基が好ましい。
MQレジン(C)は、M単位[RSiO1/2(式中Rは1価の炭化水素基)]で示されるシロキサン単位およびQ単位[SiO4/2]で示されるシロキサン単位を含むシリコーンレジンである。MQレジンは単独または2種以上組み合わされて用いられてもよく、D単位[RSiO2/2(式中Rは1価の炭化水素)]やT単位[RSiO3/2(式中Rは1価の炭化水素)]を含んでいてもよい。また、分子中にアルケニル基などの官能基を有していてもよい。
MQレジン(C)は、全構成単位(100%)のうち、M単位およびQ単位の合計の割合が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。またM単位とQ単位との割合は特に限定されないが、M単位:Q単位(モル比で)、0.1:1.0〜1.3:1.0であることが好ましく、より好ましくは0.5:1.0〜1.0:1.0である。
MQレジン(C)の具体的な市販品の例としては、例えば、商品名「KS−3800」(信越化学工業株式会社製)、商品名「X−92−183」(信越化学工業株式会社製)、商品名「SD7292」(東レ・ダウコーニング株式会社製)、商品名「BY24−843」(東レ・ダウコーニング株式会社製)などが上げられる。
本発明においては、セルロース誘導体(A)は離型層全体に対して20重量%以上含有されることが好ましいが、これは20重量%以上含有されないと十分な重剥離の離型層を得ることができないことがあり、本発明の効果が発揮されない恐れがあるからである。
また、初期の常態剥離力は常態剥離力が400mN/cm以上であることが好ましいが、400mN/cm未満では、同様に本発明の効果が得られにくいことがあるからである。
付加反応型シリコーン(B)とMQレジン(C)の重量比率((C)/(B))は0.2〜2の範囲あることが好ましく、さらに好ましく0.25〜1.5である。(C)/(B)が0.2未満である場合、経時での軽剥離化を十分抑制することができないことがある。一方、(C)/(B)が2より大きい場合は経時での重剥離化がみられ、またMQレジン(C)の増膜性が悪いことに起因し、得られる離型層の外観が非常に悪いものとなってしまうことがある。
本発明の離型層に用いられる触媒は、付加反応用触媒が通常用いられ、それであれば特に限定はされないが、例えば付加反応型シリコーン用の触媒として白金系触媒が一般的に用いられており、好ましく上げられる。白金系触媒としては、塩化白金酸、白金のオレフィン錯体、塩化白金酸のオレフィン錯体から選ばれた少なくとも1つの白金系触媒が好ましい。その中でもシロキサン構造部分を含む白金のオレフィン錯体が好ましく、さらにKarstedt触媒(米国特許第3715334号明細書、第3775452号明細書参照)がシリコーンの硬化性に優れる点で好ましい。
離型層中における触媒の量は特に限定されないが、白金系触媒である場合、全固形分に対して白金換算で10〜1000重量ppmであることが好ましい。10未満では反応が遅く硬化不足になりやすく、1000より多いと溶剤組成物のポットライフが短くなるおそれがある。
本発明において、離型層が設けられていない面には、接着層、帯電防止層、塗布層等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、100〜200℃で15秒〜1分間、好ましくは120〜180℃で20〜40秒間を目安として熱処理を行うのがよい。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、従来から公知の装置,エネルギー源を用いることができる。離型層の塗工量は塗工性の面から、通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.2g/m範囲である。塗工量が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/mを超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
次に、実施例を挙げて本説明をさらに説明する。ただし、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方法は以下のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)離型層の外観
離型層外観を蛍光灯下反射にて目視で全幅(1m)×2m長さを観察し、評価を行った。外観が良好なものを○、若干ムラがあるものを△、全面にムラがあるものを×として評価した。
(3)離型ポリエステルフィルムの常態剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
なお、離型ポリエステルフィルムを製造後、室温で1日経過後のものを初期値(F0)とし、同じく6か月経過後の値(F1)と比較し、次式によって常態剥離力の変化率を求めた。
変化率%=(F1−F0)/F0×100
実施例および比較例において使用した基材ポリエステルフィルムは、以下のようにして準備した。
[基材ポリエステルフィルムの製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.4μmのシリカ粒子を0.07部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。
一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。
得られたポリエチレンテレフタレートを180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートにまず、95℃で延伸倍率をMD方向に3.6倍延伸し、テンターに導き、TD方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定し、厚さ38μm、幅1mのポリエステルフィルムフィルムを得た。
[離型層]
ポリエステルフィルムの製造で得られた二軸配向ポリエステルフィルムに、下記に示す離型層組成からなる塗料(MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)で調整)を、乾燥温度150℃、乾燥時間30秒で、塗布量が0.1g/m(乾燥後)になるように設けて離型ポリエステルフィルムを得た。
実施例1:
・離型層組成
(A)エチルセルロース(X−62−9201A、固形分10%:信越化学工業製) 100部
(B)ポリジメチルシロキシジフェニルシロキサンを主成分とする付加反応シリコーン(X−62−9201B、固形分30%:信越化学工業製) 100部
(C)MQレジン(KS−3800、固形分30%、信越化学工業製) 100部
(D)白金系触媒(PL−50−T、信越化学工業製) 0.6部
実施例2〜6、比較例1〜5:
実施例1の離型層組成を下記表1のようにした以外は、実施例1と同様に離型ポリエステルフィルムを得た。
各実施例、比較例で得られたフィルムの評価結果を同じくまとめて表1に示す。
Figure 0006623504
本発明の離形ポリエステルフィルムは、セルロース誘導体を離型層に含有しながら安定した重剥離性能を得られるものであって、粘着シートの粘着剤保護用や、セラミックグリーンシート用として好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. セルロース誘導体(A)、付加反応型シリコーン(B)、MQレジン(C)、および触媒を含む離型層をフィルムの一方の面に有し、当該離型層中のセルロース誘導体(A)の割合が20重量%以上であり、付加反応型シリコーン(B)とMQレジン(C)との重量比率((C)/(B))が0.6〜1.0であることを特徴とするセラミックグリーンシート成形用離型ポリエステルフィルム。
  2. 初期の常態剥離力が400mN/cm以上であり、常態剥離力の6か月経時後の変化率が±15%以内である請求項1に記載のセラミックグリーンシート成形用離型ポリエステルフィルム。
  3. 請求項1または2に記載のセラミックグリーンシート成形用離型ポリエステルフィルムを有するセラミックグリーンシート。
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