JP3599158B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粘着テープに関するものである。さらに詳しくは、重ね貼り性、マジックでの筆記性(印字性)、ノンスリップ性のいわゆる3機能性に優れ、かつ耐熱性に優れた粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に粘着テープは、基材の片面に粘着剤層を設け、もう一方の面に長鎖アルキル基含有化合物もしくはシリコーン系剥離剤層を設けたものが用いられている。シリコーン系剥離層を有する粘着テープは、テープの展開力が軽く作業性が良好であり、安価であることから、特に包装用テープの中では最も生産量が多く、主としてダンボールの封緘に使用されている。
【0003】
しかし、上記構成のうち、シリコーン系剥離剤を用いた粘着テープは、重ね貼りができない、テープ背面が滑りやすいため荷崩れを起こしやすい、テープ背面に字を書くことができない等の欠点があった。
【0004】
これらの欠点を解決するために、長鎖アルキル基含有化合物を剥離剤として塗工したものがある。この長鎖アルキル基含有化合物を剥離剤とした粘着テープは、剥離面の摩擦係数が高いため滑りにくく、剥離面に重ねて貼ることができ、油性マジック等で字が書けるという特徴がある。しかしながら、長鎖アルキル基含有化合物は、シリコーン系の剥離剤と比較した場合に耐熱性が悪く、高温で重剥離化して剥離異常を起こし、例えばポリオレフィン系樹脂を押し出しラミネートしたクラフト紙基材を用いたものでは、基材の層間割れを起こすという問題がある。特に合成ゴムや天然ゴムを主成分とする粘着剤との組み合わせでは剥離が重く、高温での重剥離化による層間割れ現象が比較的低い温度で生じていた。また、基材にポリプロピレン、ポリエチレン等のフィルムを用いた場合でも耐熱処理後に重剥離化し、作業者が巻き戻すのに大変な力を必要としたり、あるいは巻き戻せずにテープとして使用できなくなる問題がある。
【0005】
また、特公昭51−20205号公報では低密度ポリエチレン樹脂による剥離剤層とポリアクリル酸エステル系粘着剤との組み合わせにより、さらに特公昭57−45789号公報、特公昭57−45790号公報ではエチレン/プロピレン共重合体樹脂及びまたはエチレン−1−ブテンランダム共重合体を主成分とした低密度樹脂による剥離剤層とポリアクリル酸エステル系粘着剤との組み合わせにより、上記長鎖アルキル基含有化合物を用いた場合の高温での層間割れを解決したクラフト粘着テープが提供されている。
【0006】
しかしながら、上記低密度樹脂による剥離剤層とポリアクリル酸エステル系粘着剤との組み合わせでは、ゴム系粘着剤と比較して、接着力に乏しいため、段ボール封緘性、重ね貼り性などの実用面でやや劣ることや、コストが高い等の欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の如き欠点を解決し、特定の剥離剤層と粘着剤とを組み合わせた粘着テープによって、重ね貼り性、ノンスリップ性、筆記性などに安定して優れ、しかも耐熱性に優れた粘着テープを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、上記課題を解決するために、テープ基材の片面に下記A成分およびB成分の2成分を主体とし、さらにC成分を必須成分として含有する剥離剤層を設け、前記基材のもう一方の面に粘着剤層を設けてなる粘着テープにおいて、前記A成分およびB成分の重量比率が、A:B:30:70〜80:20の範囲にあることを特徴とする粘着テープを提供するものである。
A成分:(1)または(2)から選択される。
(1)下記(i)〜(ii)を主成分とする付加反応型シリコーン、(i)
【化3】
Figure 0003599158
式中、R:CH3または(CH2)yCH=CH2
ただし(CH2)yCH=CH2は0.4〜5.0モル%含み、y=0または4の整数を示す。m+nは100以上の整数を示す。(ii)分子中に3個以上のけい素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(iii)白金系硬化触媒、(2)(iv)〜(vi)を主成分とする縮合反応型シリコーン、(iv)
【化4】
Figure 0003599158
式中、R1〜R4の少なくとも1つがオキシアルキレン基であり、m+nは10以上の整数を示す。(v)分子中に3個以上のけい素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(vi)有機酸金属塩系硬化触媒、
B成分:ガラス転移点(Tg)が300°K〜450°Kである有機樹脂。
C成分:下記(ハ)単位を有する反応性有機レジン系剥離コントロール剤。
CH 2 =CH(CH 2 )x(CH 3 2 SiO 1/2 ・・・(ハ)
ただし、式中x=0または4の整数を示す。
【0009】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、粘着テープ基材の片面にシリコーン系剥離剤層を設け、該剥離剤層が(a)付加反応型シリコーン、(b)ガラス転移点(Tg)が300〜450°Kであるセルロース誘導体、(c)下記(ハ)単位を有する反応性有機レジン系剥離コントロール剤の3成分を必須成分とし、剥離剤層中に含まれる(a)成分が20〜80重量%、(b)成分が15〜45重量%、(c)成分が2〜35重量%であり、前記基材のもう一方の面に粘着剤層を設けてなることを特徴とする粘着テープを提供するものである。
CH2=CH(CH2)x(CH32SiO1/2…(ハ)
ただし、式中x=0または4の整数を示す。
【0010】
また、上記剥離剤層の構成において、メラミンクルパックを基材とし、基材上に剥離剤層を設けた剥離剤層面の接触角(水とエタノールの重量比が1:1である溶液を用い、滴下量5μlで30秒後に測定)が55〜75度の範囲にあり、剥離剤層面に対する前記粘着剤層のJIS Z0237に基づく剥離力が100〜500gf/25mmであることがより好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着テープは基材の片面上に特定のシリコーンと特定の有機樹脂の2成分を主体とし、さらに特定の反応性有機レジン系剥離コントロール剤を必須とする剥離剤層または特定のシリコーンとセルロース誘導体及び特定の有機レジン系剥離コントロール剤を必須とする剥離剤層を設け、基材のもう一方の面に粘着剤を設けてなることを特徴とする。粘着テープとしては主に紙、布、フィルムを用いたものがあるが、本発明の剥離剤層を設ける基材は紙を基材とした場合に特に有効であるため、紙を基材とした粘着テープについて説明する。
【0012】
本発明者らは、前記の諸問題を解決するために、既に特願平9−192481号で縮合反応型シリコーン系剥離剤に特定のセルロース誘導体を特定量導入することによって、特願平9−223537号では付加反応型シリコーン系剥離剤にセルロース誘導体を特定量導入することによって、耐熱性に優れるだけでなく、重ね貼りが可能で、ノンスリップ性に優れ、かつ筆記性も良好な粘着テープとして、特にクラフト粘着テープを提供した。
【0013】
上記提案したクラフト粘着テープは、目的とする耐熱性に優れ、しかも重ね貼り性、ノンスリップ性、筆記性の3機能性に優れたクラフト粘着テープを提供することができる。しかし、使用するシリコーンの種類とセルロース誘導体の組み合わせによっては、上記耐熱性及び/または3機能性に大きなバラツキが生じる。
【0014】
本発明では、これらの諸問題を解決するため、特定のシリコーンと特定範囲のガラス転移点を有する有機樹脂の重量比を限定し、さらに反応性有機レジン系剥離コントロール剤を必須成分とすること、あるいは特定のシリコーンとセルロース誘導体及び反応性有機レジン系剥離コントロール剤の3成分を必須成分とし、重量比を限定することによって、さらに上記3成分を主体とした剥離剤を塗布した剥離剤層面の接触角及び剥離剤層面に対する粘着剤層の剥離力が特定範囲に限定された剥離剤層を設けることによって安定した品質を備える粘着テープを得ることができ、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明において、基材は特に限定されないが、例えばクラフト紙、グラシン紙、上質紙、コート紙、クレープ紙、合成紙、含浸紙等が挙げられる。例えば安価の割に基材強度が比較的高いという点でメラミンクルパック処理したクラフト紙が用いられ、シリコーン系剥離剤塗工液のしみ込みを防ぐためには、シリコーン系剥離剤を形成する面に、目止め層が設けられているのが好ましい。例示すれば、比較的安価なポリオレフィン系樹脂を押し出しラミネートしたものや、リサイクルして再利用し易くするためにポリオレフィン系樹脂を使用せずに顔料、接着剤等からなる塗液を用いたものが挙げられる。
【0016】
基材に用いられる目止め層としては特に限定されないが、例えばクラフト紙を用いた場合、比較的安価で平滑な面が得られるという点ではポリエチレン樹脂(以下単にポリラミと言う)が好適に用いられ、ポリラミ層の厚みは5〜30μmが好ましく、さらには10〜25μmがより好ましい。
【0017】
剥離剤としては、粘着テープの耐熱性を向上させるために、シリコーン系剥離剤が用いられ、その反応型には付加型と縮合型とがある。反応型には特に制限はないが、近年では低エネルギー(低温、短時間)での硬化反応が可能な付加反応型シリコーンが主に使用されている。付加反応型シリコーンを用いた場合、一般的にシリコーンポリマーの架橋密度によって硬化塗膜強度が変化し、例えば架橋密度が低いと比較的柔らかい塗膜となり、一方架橋密度が高くなると硬い塗膜となる。
【0018】
例えば式(イ)において(CH2)yCH=CH2が0.4モル%未満では硬化性が低下したり、粘着テープの巻き戻し力が重剥離化するため好ましくない。
一方5.0モル%を越えると剥離剤のポットライフが短くなるため好ましくない。また、官能基の種類が変わることによってシリコーンの硬化性(反応性)、密着性が変化する。例えば、特公平5−23308号公報にあるようにビニル基を用いたものよりもヘキセニル基を導入したシリコーンの反応性は高く低温短時間で硬化可能であり、生産性を向上させるため、基材へのダメージを抑えるためには有用である。一方、密着性は未だ明らかになっていない事も多いが、一般的に反応性が高すぎると基材との密着性が低下する傾向も見受けられるため、一概にビニル基とヘキセニル基のどちらの官能基を用いた方が良いとは言及しにくい。
【0019】
さらには重ね貼り性、ノンスリップ性、筆記性を付与するために該シリコーン系剥離剤にはガラス転移点(Tg)が300°K〜450°Kの有機樹脂が特定量含有され、塗膜を形成させるため架橋剤であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び触媒が添加される。さらに基材との密着を向上させるためにシランカップリング剤、あるいは粘着テープとの剥離力を制御するためにレジン系剥離コントロール剤、シリカ等の助剤を添加しても良い。
【0020】
ただし、請求項1に記載したように、本発明の剥離剤層はシリコーン成分と特定のガラス転移点を有する有機樹脂とを主体とするものであり、上記助剤の添加量は剥離剤の総重量に対し50%を越える量ではない。また、助剤のうちレジン系剥離コントロール剤の添加量は剥離剤の総重量に対し、35%以下であることが好ましい。35%を越えると剥離剤の硬化性が低下したり、巻き戻し性において熱処理後に重剥離化するため好ましくない。
【0021】
特定のガラス転移点を有する有機樹脂をシリコーンに含有せしめることにより、剥離剤の塗膜形成が有機樹脂とシリコーンとのウミシマ構造となり、有機樹脂部分での重剥離化および油性インク吸収性、摩擦性(摩擦係数の上昇)を発揮するものと考えられる。
【0022】
上記有機樹脂は、該シリコーンもしくはシリコーン溶液に分散もしくは溶解可能でガラス転移点が300〜450°Kの範囲にあるものであれは特に限定はないが、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、アミノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸イソプロピル等のポリメタクリル酸エステル、またはポリメタクリル酸誘導体からなる樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂が挙げられ、シリコーンもしくはシリコーン溶液との分散性、剥離剤の硬化性、重ね貼り性を遜色なく発揮させる点ではセルロース誘導体がより好ましい。
【0023】
ガラス転移点は、DSC(示差走査型熱量計)により実験的に求めることが可能であり、また下記Foxの式(1/Tgm:Σwi/Tgi、Tgm:複合成分のガラス転移点、wi:各成分の重量分率、Tgi:各成分のガラス転移点)により求めることもできる.ガラス転移点Tgが300°K未満の有機樹脂を用いると剥離剤の耐熱性が悪化し、テープの重剥離化または基材の層間割れ等を生じるため好ましくない。一方、ガラス転移点が450°Kを越えた有機樹脂を用いると、シリコーンもしくはシリコーン溶液との分散性が悪化したり、剥離剤が形成する塗膜がもろくなったりする場合があるため好ましくない。さらに好ましいガラス転移点は300〜400°Kである。
【0024】
上記A成分とB成分の重量比はA:B=30:70〜80:20であり、好ましくはA:B=40:60〜80:20である。B成分がA成分とB成分の総重量の20%に満たないと上記剥離剤層と粘着剤層との剥離力が十分に得られず、重ね貼り性が不十分となり、またノンスリップ性、筆記性も乏しくなるため好ましくない。
【0025】
一方、B成分がA成分とB成分の総重量の70%を越えると剥離剤溶液の粘度が高くなって塗工性が悪化したり、剥離力が高く重剥離化して粘着テープ巻き戻し時に自背面からテープを剥がしにくくなり、ポリラミ部の浮きを生じたり、または層間割れとなる場合があるため好ましくない。
【0026】
請求項2の付加反応型シリコーンには、官能基であるビニル基またはヘキセニル基が含まれ、また該官能基と反応し、該シリコーン系剥離剤を硬化(キュアー)させるための架橋剤(SiH)が含まれる。
【0027】
架橋剤の量は官能基1に対し、1〜10が好ましい。1未満になると該シリコーン系剥離剤の硬化反応が完全に進行せず、硬化不良(スミアー)となる。
また、10を越えると架橋剤が未反応で残存し、結果として本来の剥離性を損ない、剥離が重くなるといった剥離異常となるため好ましくない。
【0028】
また、重ね貼り性、ノンスリップ性、筆記性を付与するために該シリコーン系剥離剤にはセルロース誘導体が特定量含有され、上記セルロース誘導体が増えすぎるとシリコーンの硬化性や密着性、剥離剤の塗工性等が悪化することがあり、添加量が制限され.その結果、不足する重ね貼り性を補うため、反応性有機レジン系剥離コントロール剤が添加される。
【0029】
一般に有機レジン系剥離コントロール剤には、官能基を含まない非反応性のものと官能基を含む反応性のものとがある。前者は、重剥離効果は高いが硬化反応しないためシリコーン移行量が多く、粘着剤の残留接着力の低下、または速度依存性が大きく、粘着テープを巻き戻す速度で剥がしにくくなる等の欠点を有する。
【0030】
一方、後者は反応するため、シリコーン移行が少なく、また速度依存性も小さいため、粘着テープを巻き戻す際に必要以上の力を必要としない。該反応性有機レジン系剥離コントロール剤は、反応に寄与する官能基としてビニル基もしくはヘキセニル基を含む下記(ハ)単位を有するものである。
CH2=CH(CH2)x(CH32SiO1/ 2・・・(ハ)
ただし、式中x=0または4の整数を示す。
【0031】
さらに該シリコーン系剥離剤には、塗膜を形成させるため架橋剤であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び触媒が添加される。また、基材との密着を向上させるためにシランカップリング剤、あるいは粘着テープとの剥離力を制御するためにシリカ等の助剤を添加しても良い。
【0032】
特定のセルロース誘導体を剥離剤中に含有せしめることにより、剥離剤の塗膜形成が有機樹脂とシリコーンとのウミシマ構造となり、セルロース誘導体部分での重剥離化および油性インク吸収性、摩擦性(摩擦係数の上昇)を発揮するものと考えられる。
【0033】
上記セルロース誘導体は、該シリコーンもしくはシリコーン溶液に分散もしくは溶解可能なものであれば特に限定はないが、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、アミノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等が挙げられ、シリコーンとの相溶性、剥離剤の硬化性、重ね貼り性を遜色なく発揮させる点ではエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースがより好ましい。
【0034】
また、有機レジン系剥離コントロール剤は、シリコーンと同様に耐熱性が良好であるが、シリコーンが剥離性を発揮する表面上にあるメチル基を部分的に覆うことによって、または部分的に自己架橋を行い架橋密度を高くすることによって本来もつシリコーンの離型性を減少(喪失)させ重剥離化するものであるとされており、シリコーンの硬化性や密着性、剥離剤の塗工性を保つために該セルロース誘導体添加量が制限され、不足する重ね貼り性を補うために用いられる。
【0035】
また、上記各剥離剤層面の接触角(水とエタノールの重量比が1:1の溶液を使用し、滴下量5μlで30秒後に測定)は、本発明における剥離剤層面の濡れの尺度とすることが可能で、接触角を55〜75度にすることにより、3機能性である剥離剤層と粘着剤層との剥離力(重ね貼り性)、剥離剤層の摩擦係数(ノンスリップ性)、筆記性が良好で巻き戻し時の作業性及び耐熱性に優れた粘着テープを得ることができる。
【0036】
すなわち、製造される粘着テープの3機能性及び巻き戻し性、耐熱性は、接触角を55〜75度にすることによってバランス良く保たれ、55〜75度の範囲内であれば本発明の各成分の種類、各成分の配合比等を変化させることによって自由にコントロールすることが可能である。請求項1の剥離剤層では、例えば巻き戻しをスムーズ(軽剥離化)にした粘着テープを得るためにはA/Bを80/20に近い比率にし、75度に近い接触角に設計すれば良く、重ね貼り性、筆記性を重視した粘着テープを得るためにはA/Bを30/70に近い比率にし、55度に近い接触角に調整すればよい。
【0037】
さらに、請求項2の剥離剤層中に含まれる(a)成分が20〜80重量%、(b)成分が15〜45重量%、(c)成分が2〜35重量%とすることが必要である。(a)付加型シリコーンが20重量%未満になると上記性能のうち、剥離力の重剥離化、または耐熱性悪化、または硬化性低下、または残留接着率低下のうちいずれかの現象が発生するため好ましくない。一方、80重量%を越えると重ね貼り性、筆記性、ノンスリップ性の3機能性のいずれかが十分に発揮されないため好ましくない。各成分と接触角との関係は、表面張力の低い(濡れにくい)(a)または(c)成分が増えるにつれ接触角は上昇する。ただし、その効果は一般的に分子量が高い(a)成分の方が高い。一方、表面張力が高い(濡れやすい)(b)成分が増えるにつれて接触角は低下する。このような各成分と接触角との関係から、各成分が占める重量%を変えることによって接触角を制御することができる。
【0038】
接触角が55度未満では剥離剤層の濡れ性が高くなり(濡れ易くなり)すぎるため、粘着剤が必要以上に剥離剤層面と接着してしまうことがある。その効果は特に粘着テープを熱処理した場合に顕著であり、粘着テープが重剥離化(耐熱性悪化)し、テープを巻き戻しにくくなったり、あるいは巻き戻すことができなくなったりするため好ましくない。
【0039】
一方、75度を越えると剥離剤層の濡れ性が低くなり(濡れにくくなり)すぎるため、粘着剤が剥離剤層に接着しにくくなって重ね貼り性が不十分となる。また同様の理由から剥離剤層表面への吸油性も乏しくなって、筆記性も劣るため好ましくない。
【0040】
また、請求項2の剥離剤層中の(b)有機樹脂が15重重%未満ではノンスリップ性、筆記性が乏しく、一方45重量%を越えると剥離剤溶液の粘度が高くなって塗工性が悪化したり、剥離力が重剥離化して粘着テープ巻き戻し時に自背面からテープを剥がしにくくなり、ポリラミ部の浮きを生じたり、または層間割れとなる場合があるため好ましくない。
【0041】
さらに、(c)有機レジン系剥離コントロール剤添加量が2重重%に満たないと有機樹脂添加量が比較的多く(45重量%近く)含まれた場合でも重ね貼り性が不十分となることがあるため好ましくなく、一方、35重量%を越えると剥離剤の硬化性が低下したり、残留接着力が低下したりするため好ましくない。具体的にこの条件に該当する反応性有機レジン系剥離コントロール剤としては、東レダウコーニング社製:SD−7292が挙げられる。
【0042】
架橋剤としては一分子中に3個以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであれば特に制限されることはないが、例えばトリメチルシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等が挙げられる。
【0043】
一方、付加反応の触媒としては、公知の白金系触媒もしくは白金系触媒を導入した化合物であれば特に制限されないが、塩化白金酸及び塩化白金酸とオレフィン類との錯塩、アルコール類との化合物等が挙げられる。前記触媒の添加量は基材の種類、硬化条件(乾燥温度、乾燥時間、乾燥風量)によって異なるが、ポリエチレンラミネート層を目止め層として用いた場合の添加量は、前記シリコーン系剥離剤100重量部に対して0.5〜10重量部である。
【0044】
また、縮合反応型の触媒としては、公知の有機酸金属塩であれば特に制限されないが、例えばジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジウラレート、亜鉛ナフトェート、鉄オクトェートが挙げられる。前記触媒の添加量は基材の種類、硬化条件(乾燥温度、乾燥時間、乾燥風量)によって異なるが、ポリエチレンラミネート層を目止め層として用いた場合の添加量は、前記シリコーン系剥離剤100重量部に対して1〜10重量部である。
【0045】
尚、付加反応型シリコーンを用いた場合、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンとアルケニル基との比はオルガノハイドロジェンポリシロキサン/アルケニル基=1以上であることが好ましい。因みに1未満であると硬化性が低下するため好ましくない。前記A成分を構成する(i)(ii)(iii)または(iv)(v)(vi)成分の配合比率は、特に制限するものではないが、(i)または(iv)成分100重量部に対し、(ii)または(v)成分0.5〜20重量部、(iii)または(vi)成分0.2〜20重量部とするのが好ましい。(i)(ii)を主成分とする付加反応型シリコーンの具体例としてはシリコーン系剥離剤:BY24−312,東レダウコーニング社製、BY24−400東レダウコーニング社製、KS−3703,信越化学工業社製、などが、(iv)(v)を主成分とする縮合反応型シリコーンの具体例としてはシリコーン系剥離剤:BY24−036,東レダウコーニング社製、などが例示される。
【0046】
該シリコーン系剥離剤は、例えばトルエン、n−ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の単独もしくは混合有機溶剤に溶解し、塗布乾燥される。剥離剤の塗布量は0.05〜2.0g/m2が好ましく、0.1〜1.5g/m2がより好ましい。0.05g/m2未満ではテープとしての均一な剥離性能は得られず、重剥離化して部分的に層間割れすることがあり、他方2.0g/m2を超えるとシリコーンの硬化性が悪くなるので好ましくない。
【0047】
尚、該剥離剤の塗工方式は何ら限定されることはないが、例えばグラビアダイレクト法、グラビアリバース法、バー塗工、3本ロール塗工などが挙げられる。また硬化させる温度は塗布されるシリコーンの種類、乾燥装置によって異なるが、70〜140℃が望ましい。
【0048】
粘着剤としては、何ら限定されないが、例えばエラストマー成分として天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤などが使用され、粘着付与樹脂、そして必要に応じて適宜、軟化剤.老化防止剤、更に架橋剤、顔料等の添加剤が配合される。
【0049】
特に重ね貼り性を重視した場合には接着力が高くて安価な天然ゴム系粘着剤を用いることがより好ましく、粘着テープの巻戻し力をよりスムーズにしたい場合には一般的にゴム系粘着剤よりも接着力の比較的低いアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
【0050】
本発明において、所望とする重ね貼り性を有し、粘着テープを巻き戻す際のポリ浮きあるいは層間割れ等がなく、スムーズな剥離を有する粘着テープを得るため、粘着テープと前記シリコーン系剥離剤塗布面との剥離力は、100〜500gf/25mmであれば目的である重ね貼りが可能で、粘着テープを巻き戻す際のポリ浮きあるいは層間割れ等のない粘着テープを得ることができる。100gf/25mm未満となると自背面への接着力が弱く、重ね貼り性が悪くなり、経時で自背面からテープが浮き上がってしまうことがあり、他方500gf/25mmを超えると巻き戻し時の剥離異常が起こる場合があり、自背面からテープを剥がしにくくなり、ポリラミネート部の浮きを生じたり、または層間割れとなる場合がある。ここで、剥離力とは、JIS Z 0237に基づいて得られる値である。
【0051】
また、粘着テープが貼り付けられた段ボール箱を積み重ねて運ぶ際、荷崩れを防ぐために、該シリコーン系剥離剤層表面同士の動摩擦係数が0.20以上であれば目的のノンスリップ性を付与した粘着テープを得ることができる。0.20未満になると該シリコーン系剥離剤層表面同士が滑りやすく、荷崩れを起こしやすくなるので好ましくない。ここで、動摩擦係数とは、JIS P 8147に基づいて得られる値である。
【0052】
さらに、本発明の粘着テープのシリコーン系剥離剤表面は、油性マジックでの筆記性を有することを特徴とする。これは上記の動摩擦係数と共に、本発明の剥離剤層とすることで達成されるものである。
【0053】
また、粘着剤の塗布量は、粘着剤の種類によって異なるが、20〜70g/m2が好ましく、30〜60g/m2がより好ましい。塗布量が20g/m2未満の場合には、段ボールなどの封かん性が悪くなることがあり、また70g/m2を超えると粘着剤の投錨性が悪くなり、テープ端面からの粘着剤のはみ出しが起こったり、段ボール等の被着体に対して粘着剤の糊残りが生じるなどの問題が起こることがある。
【0054】
尚、粘着剤の塗工方式は何ら限定されないが、例えばコンマコート法、リバースコート法、グラビアコート法、リバースグラビア法、キスコート法、ナイフコート法、バーコート法及び工程紙にこれらの方式で塗布したものを転写させる転写法等が挙げられる。
【0055】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、もちろん本発明はこれによって制限されるものではない。尚、実施例、参考実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断りのない限り「重量部」および「重量%」を示す。
【0056】
参考実施例
基材にポリエチレンラミネートクラフト紙(メラミンクルパック73g/m2に20μmのポリエチレンフィルムをラミネートしたもの)を用い、ポリエチレン面に剥離剤として、A成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%、官能基:ビニル基、分子量(m+n):103〜106)40部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25°℃)を60部加えた混合物(A:B=40:60)を溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系硬化触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾繰し、接触角63.3度の剥離層を得た。剥離剤塗工面と反対面に塗工する粘着剤として、天然ゴム(RSS#3)100部、粘着付与剤として石油系樹脂90部[クイントンS−100、軟化点94℃、日本ゼオン(株)製]、軟化剤としてテルベン系液状軟化樹脂25部[ダイマロン、ヤスハラケミカル(株)製]、架橋剤0.8部[ミリオネートMR−100、日本ポリウレタン(株)製]、老化防止剤1部[ノクラックNS−5、大内新興化学工業(株)製]からなる組成物をトルエンに溶解し、これを固形分40g/m2となるように塗工・乾燥したものを巻取り、粘着テープとした。
【0057】
参考実施例
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)60部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)40部加えた混合物(A:B=60:40)をトルエンで溶解した。該混合物100部に対し白金系硬化触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)2部加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角68.5度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0058】
参考実施例
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)75部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)25部を加えた混合物(A:B=75:25)を溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系硬化触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角73.0度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0059】
参考実施例
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(KS−3703,信越化学工業社製、固形分濃度30%、官能基:ビニル基、分子量(m+n):103〜106)60部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)40部を加えた混合物(A:B=60:40)を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系硬化触媒(PL−50T、信越化学工業社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角72.0度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0060】
参考実施例
剥離剤としてA成分:縮合反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−036,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%、分子量102〜105)60部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)40部を加えた混合物(A:B=60:40)を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して錫系硬化触媒(SRX−67、東レダウコーニング社製)を5部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角73.8度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0061】
実施例
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)60部に、B成分:Tgが約364°Kのアクリロニトリル/スチレン共重合体樹脂(AS)を20部、さらに反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)20部を加えた混合物(A:B=75:25)を、溶剤としてトルエン/DMF/MEKで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角60.2度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0062】
実施例
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)70部に、B成分:Tgが約378°Kのポリメタクリル酸メチル樹脂を20部、さらに反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部を加えた混合物(A:B=78:22)を、溶剤としてトルエン/THF/MEKで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角64.8度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0063】
参考実施例6
粘着剤として.ポリアクリル酸エステルを主成分とする汎用のエマルジョン型アクリル系粘着剤(HVC−6280,東亜合成社製)を固形分40g/m2となるように塗工・乾燥したものを使用した以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0064】
参考実施例7
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)60部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)30部、添加剤として剥離コントロール剤(BY24−843,東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度50%)10部を加えた混合物(A:B=66.7:33.3)を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系硬化触媒(PL−50T、信越化学工業社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角69.9度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0065】
実施例
基材にポリエチレンラミネートクラフト紙(メラミンクルパック73g/m2に20μmのポリエチレンフィルムをラミネートしたもの)を用い、ポリエチレン面に剥離剤として、(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)60部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)を30部、(C)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部加えた混合物を溶剤としてトルエンで溶解した。
【0066】
該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥し、接触角58.6度の剥離層を得た。剥離剤塗工面と反対面に塗工する粘着剤として、天然ゴム(RSS#3)100重量部、粘着付与剤として石油系樹脂90重量部[クイントンS−100、軟化点94℃、日本ゼオン(株)製]、軟化剤としてテルペン系液状軟化樹脂25重量部[ダイマロン、ヤスハラケミカル(株)製]、架橋剤0.8重量部[ミリオネートMR−100、日本ポリウレタン(株)製]、老化防止剤1重量部[ノクラックNS−5、大内新興化学工業(株)製]からなる組成物をトルエンに溶解し、これを固形分40g/mlとなるように塗工・乾燥したものを巻取り、粘着テープとした。
【0067】
実施例
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)75部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)を15部、(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部加えた混合物をトルエンで溶解した。該混合物100部に対し白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)2部加えた混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角62.4度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0068】
実施例
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコ一二ング社製、固形分濃度30%)50部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製.45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)40部、(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角55.2度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0069】
実施例
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400.東レダウコーニング杜製、固形分濃度30%)40部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)30部、(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)30部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角57.0度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0070】
実施例
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥40離剤(BY24−400,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)75部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)20部、(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)5部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角60.9度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0071】
実施例
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)70部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)20部、(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製〉を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角72.0度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0072】
実施例
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニング社製、固形分湛度30%)60部に、(b)成分:エチルヒドロキシエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製)30部、(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角59.0度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0073】
実施例10
粘着剤として、ポリアクリル酸エステルを主成分とする汎用のエマルジョン型アクリル系粘着剤(HVC−6280,東亜合成社製)を固形分40g/m2となるように塗工・乾燥したものを使用した以外は実施例と同様に粘着テープを作製した。
【0074】
比較例1
剥離剤として長鎖アルキルペンダント型ポリマー[ピーロイル1010、一方社油脂工業(株)製]をトルエンに溶解し、これを固形分0.1g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角55.0度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0075】
比較例2
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度30%)20部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)80部を加えた混合物(A:B:20:80)を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系硬化触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角57.4度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0076】
比較例3
剥離剤として、A成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度30%)90部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)10部を加えた混合物(A:B:90:10)を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系硬化触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角76.7度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0077】
比較例4
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312.東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度30%)45部に、B成分:Tgが約316°Kのエチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)5部、添加剤として剥離コントロール剤(BY24−843,東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度50%)50部を加えた混合物(A:B=90:10)を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系硬化触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角64.1度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0078】
比較例5
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)70部に、B成分:Tgが約265°Kのポリプロピレン樹脂20部、さらに反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部を加えた混合物(A:B=78:22)を、溶剤としてトルエン/THF/MEKの混合溶剤で溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角74.8度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0079】
比較例6
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−312,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)70部に、B成分:Tgが約502°Kのポリメタクリル酸樹脂20部、さらに反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部を加えた混合物(A:B:78:22〕を溶剤としてトルエン/THF/MEKの混合溶剤で溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角72.2度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0080】
比較例7
剥離剤としてA成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(SD−7220,東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度30%、官能基:ビニル基、分子量〔(m+n):103〜106〕100部を、溶剤としてトルエンで溶解し、さらに白金系硬化触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加し、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角79.8度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0081】
比較例8
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度30%)20部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)80部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角52.7度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0082】
比較例9
剥離剤として、(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−162,東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度30%)90部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)10部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角72.9度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0083】
比較例10
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニングシリコーン社製、固形分濃度30%)80部に、(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製.固形分濃度70%)20部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角76.9度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0084】
比較例11
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)85部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)5部(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング社製、固形分濃度70%)10部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角75.2度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0085】
比較例12
剥離剤として(a)成分:付加反応型のシリコーン系剥離剤(BY24−400,東レダウコーニング社製、固形分濃度30%)50部に、(b)成分:エチルセルロース(粉末試薬、東京化成工業社製、45〜55cps 5% in Toluene+Ethanol(80:20)Sol.at25℃)5部、(c)成分:反応性有機レジン系剥離コントロール剤(SD−7292,東レダウコーニング杜製、固形分濃度70%)45部を加えた混合物を、溶剤としてトルエンで溶解した。該混合物100部に対して白金系触媒(SRX−212、東レダウコーニング社製)を2部添加した混合溶液を剥離剤塗工液とし、これを固形分0.3g/m2となるように塗工・乾燥して得た接触角76.1度の剥離層を用いた以外は参考実施例1と同様に粘着テープを作製した。
【0086】
上記各参考実施例、実施例、および比較例で得られた粘着テープについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、それらの結果を表−1、表−2に示した。
<硬化性>
シリコーン系剥離剤の硬化性は上記シリコーン系剥離剤を基材に塗布乾燥し、指の腹で擦って硬化性が良好な乾燥条件を評価した。
◎;120℃×30秒(基材温度85℃)以下で硬化性 良好
○;130℃×30秒(基材温度90℃)以下で硬化性 良好
△;140℃×30秒(基材温度95℃)以下で硬化性 良好
×;140℃×30秒(基材温度95℃)でも硬化性 不良
【0087】
<残留接着率>
粘着テープの剥離剤層面に粘着テープ(日東電工(株)製ポリエステルテープNo.31B)を貼り付けし、ゴムロールで密着させてから、25g/cm2の荷重を掛けたまま70℃で20時間放置した後、剥離層面から粘着テープを引き剥がし、常温に1時間以上放置した後、ステンレス版の研磨面に貼り付け、0.3m/分にて180°剥離したときの粘着力(A)と、テフロンシートに粘着テープ(日東31B)を貼り付けし、ゴムロールで密着させてから、25g/cm2の荷重を掛けたまま70℃で20時間放置した後、剥離層面から粘着テープを引き剥がし、常温に1時間以上放置した後ステンレス版の研磨面に貼り付け、0.3m/分にて180°剥離したときの粘着力(B)を測定し、(A)と(B)との比率(A/B)×100を残留接着率(%)として求めた。
【0088】
<接触角>
基材のポリラミネート処理面側に施した剥離剤塗布面に、水とエタノールの重量比を1:1に調整した溶液を5μl滴下し、30秒後に接触角を測定した。(測定装置:協和界面科学(株)、CA−X型接触角計)
【0089】
<相溶性>
各(a)、(b)、(c)成分を有機溶剤に溶かしたシリコーン系剥離剤溶液を良く攪拌した後、ビーカーに300ml取り、樹脂相とシリコーン相とが分離する時間を測定し評価した。
O:1時間以上分離しない。
×:1時間以上分離しないが、塗工性が悪く実用に適さない。
××:1時間以内に相分離し、実用に適さない。
【0090】
<背面剥離力>
JIS Z 0237に準じて粘着テープの粘着剤塗布面を剥離剤塗布面に貼付け30分後、0.3m/分にて180°剥離力を引張り試験にて測定した。
【0091】
<動摩擦係数>
JIS P 8147に準じる摩擦係数試験方法にて、粘着テープの剥離剤処理面と同じ剥離剤処理面との水平方向での動摩擦係数を測定した。
【0092】
<筆記性>
油性マジックを剥離剤塗布面に筆記した後、キムワイプにて拭き取ったときにマジックが落ちなくなるまでの時間を測定し評価した。
◎:マジックで筆記後0〜10秒に拭き取った場合にマジックが落ちない
○:マジックで筆記後11〜30秒に拭き取った場合にマジックが落ちない
△;マジックで筆記後31〜60秒に拭き取った場合にマジックが落ちない
×;マジックで筆記後61秒以上に拭き取った場合にマジックが落ちない
【0093】
<重ね貼り性>
JIS P 3902に規定する外装用段ボール箱(K−7強化段ボール)に対し、枯着テープを貼付け、さらに該粘着テープ背面上に粘着テープを貼付けた後に重ね貼りした粘着テープが剥がれるまでの時間を測定した。サンプル数は20枚で行い、時間ごとの剥がれた枚数を測定値として評価した。
◎;1日経過後1枚も剥がれることがない
○;1日経過後5枚以下の剥がれがある
△;1日経過後10枚以下の剥がれがある
×;3時間以内にすべてはがれる
【0094】
<封緘性>
JIS P 3902に規定する外装用段ボール(K−7強化段ボール)に対し、粘着テープを貼付けた時の作業性を評価した。
○;作業性良好
△;作業性やや良好(実用上使用可能)
×;作業性不良(実用上間題あり)
【0095】
<粘着テープの巻き戻し性>
作製した粘着テープを巻き戻す際の作業性を評価した。
○;作業性良好
△;作業性やや不良(実用上問題なし)
×;作業性不良(実用上問題あり)
【0096】
<粘着テープの耐熱性>
粘着テープの耐熱性については、得られた粘着テープを80℃の環境下に2日間放置後、変角連続剥離試験機(テスター産業製)を用いて、剥離速度30m/ninで剥離させた時の巻き戻し性について、ラミネート層の浮き、および基材の層間割れの有無を目視により観察した。ここで、ポリオレフィン系樹脂層の浮き(ポリ浮き)は、剥離力が重剥離化したためにラミネート部が引っ張られて表面に凹凸を生じる状態を示し、また基材の層間割れは、剥離剤塗布面と粘着剤塗布面とで正常に剥離されず、基材の層間で割れが生じる現象であり、下記の基準で評価した。
○;ポリ浮き、層間割れともになく、実用上適している
×;層間割ればないが、ポリ浮きが生じ.実用上適さない
××;層間割れが生じ、実用上適さない
【0097】
【表1】
Figure 0003599158
【0098】
【表2】
Figure 0003599158
【0099】
表1、2から明らかなように、実施例1〜10の様な本発明の構成では、シリコーンの硬化性に優れ、重ね貼りが可能で、ノンスリッブ性に優れ、かつ筆記性が良好で、さらに巻き戻し評価において耐熱性も優れていた。
【0100】
表1における比較例1、2では、巻き戻しの際の剥離力が重いために比較例1では層間割れ、比較例2ではポリ浮きが生じる。また、比較例2は粘度が高く塗工性に難がある。比較例3、7では重ね貼り性(背面剥離力)、筆記性、ノンスリップ性の3機能性が劣る。比較例4では背面剥離力が高いため巻き戻し性が悪く、耐熱性でも層間割れが生じる。比較例5では、B成分のTgが低いため、耐熱性でポリ浮きが生じる。比較例6では、剥離剤溶液の相溶性が悪く、1時間以内に相分離してしまうため、実用には適さない。
【0101】
表2における比較例8では、耐熱処理前から巻き戻し性が劣り、比較例9、11では、重ね貼り性(背面剥離力)、筆記性、ノンスリップ性の3機能性が劣る。比較例10では重ね貼り性は良好だが、筆記性、ノンスリップ性に劣る。比較例12では、筆記性、巻き戻し性がやや劣り、耐熱性ではポリ浮きが生じる。
【0102】
【発明の効果】
本発明により、重ね貼り性、ノンスリップ性、および筆記性などに優れ、しかも耐熱性に優れた作業性の良い粘着テープを提供することが可能となり、産業界に寄与するところが大である。

Claims (5)

  1. テープ基材の片面に、下記A、Bを主成分とし、さらにC成分を必須成分として含有する剥離剤層を設け、前記基材のもう一方の面に粘着剤層を設けてなる粘着テープにおいて、前記A成分およびB成分の重量比率が、A:B=30:70〜80:20の範囲にあることを特徴とする粘着テープ。
    A成分:(1)下記(i)〜(iii)を主成分とする
    付加反応型シリコーン、(i)
    Figure 0003599158
    式中、R:CH3または(CH2)yCH=CH2
    ただし(CH2)yCH=CH2は0.4〜5.0モル%含み、y=0または4の整数を示す。m+nは100以上の整数を示す。(ii)一分子中に3個以上のけい素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(iii)白金系硬化触媒、または、
    (2)下記(iv)〜(vi)を主成分とする縮合反応型シリコーン、(iv)
    Figure 0003599158
    式中、R1〜R4の少なくとも1つがオキシアルキレン基であり、m+nは10以上の整数を示す。(v)一分子中に3個以上のけい素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(vi)有機酸金属塩系硬化触媒、
    B成分:ガラス転移点(Tg)が300°K〜450°Kである有機樹脂。
    C成分:下記(ハ)単位を有する反応性有機レジン系剥離コントロール剤。
    CH 2 =CH(CH 2 )x(CH 3 2 SiO 1/2 ・・・(ハ)
    ただし、式中x=0または4の整数を示す。
  2. 粘着テープ基材の片面にシリコーン系剥離剤層を設け、該剥離剤層が(a)付加反応型シリコーン、(b)ガラス転移点(Tg)が300〜450°Kであるセルロース誘導体、(c)下記(ハ)単位を有する反応性有機レジン系剥離コントロール剤の3成分を必須成分とし、剥離剤層中に含まれる(a)成分が20〜80重量%、(b)成分が15〜45重量%、(c)成分が2〜35重量%であり、前記基材のもう一方の面に粘着剤層を設けてなることを特徴とする粘着テープ。
    CH2=CH(CH2)x(CH32SiO1/2…(ハ)
    ただし、式中x=0または4の整数を示す。
  3. 該剥離剤層面の接触角(水とエタノールの重量比が1:1である溶液を用い、滴下量5μlで30秒後に測定)が55〜75度の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 剥離剤層面に対する前記粘着剤層のJIS Z0237に基づく剥離力が100〜500gf/25mmであることを特徴とする請求項1、2または3に記載の粘着テープ。
  5. 目止め処理を施したメラミンクルパックを基材とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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