JP2008279669A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 オリゴマー析出量が極めて少なく、例えば、各種ディスプレイ構成部材製造用のほか、各種光学用途等に好適な離型フィルムを提供する。
【解決手段】 アクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、γ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有アセトキシシランおよびアルキル基含有オルガノアルコキシシランから選ばれる1種または2種以上の有機ケイ素化合物を含有し、当該有機ケイ素化合物の合計量100重量部に対し0.1〜1.0重量部のスズを含有する塗布液をポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布した後、100〜150℃の温度条件下で加熱処理を行って形成された塗布層上に、付加反応型シリコーンを含有する塗布液を塗布してなることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に付加反応型シリコーン離型層を設けた離型フィルムに関するものである。
ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムは、ポリエステルフィルム表面の少なくとも片面に離型性シリコーン皮膜が形成された構造を有し、このものは、フィルム表面に、離型性皮膜形成性シリコーン組成物を塗布し、これらを加熱硬化させることにより製造されている。しかし、離型性皮膜形成性シリコーン組成物は、ポリエステルフィルム基材と強固に密着、接着しないものである。この理由は、シリコーン樹脂の低表面張力とシリコーン樹脂とポリエステル樹脂の非相溶性による。よって、離型性シリコーン皮膜とポリエステルフィルムが強固に密着した離型性フィルムを得ることは困難である。
この欠点を克服するために、離型性皮膜形成性シリコーン組成物に接着性促進剤としてエポキシ基含有有機ケイ素化合物を添加配合することで、樹脂基材に対する接着性を向上させる方法が提案されている(特許文献1および2)。
しかし、これらの方法は有機ケイ素化合物を添加するため、剥離特性が変化してしまうという問題が生じる。また、剥離特性が変化しない程度の微量では効果は発揮しない。そこで、これを解決する手段として、離型性皮膜形成性シリコーン組成物をポリエステルフィルムに塗布する前に、あらかじめ、ポリエステルフィルム表面に、ポリエステルフィルムおよび離型性シリコーン皮膜とも密着性の高い塗布層を設けることが提案されている。塗布層としては有機ケイ素化合物が提案されている(特許文献3および4)
塗布層および離型性シリコーン皮膜を形成する際、塗布層を塗工した後に乾燥させ、続いて、離型性シリコーン組成物を塗工して乾燥する工程を経るが、塗布層の塗工から離型性シリコーン皮膜塗工までの時間間隔は、コストの関係から短いほどよい。さらに、塗布層形成後、一度巻き上げて、改めて離型性シリコーン皮膜を形成するのでなく、塗布層形成後、連続して離型性シリコーン皮膜を塗布することが適している。これは、加工コストを下げるだけでなく、加工工程を軽減できることから、離型性フィルムに求められている異物削減に繋がる。特許文献3や特許文献4の方法で連続塗工、または塗布層を設けた後直ちにシリコーン樹脂層を塗工した場合、塗布層の硬化が不十分であり、有機溶媒を用いて離型性皮膜形成性シリコーン組成物を塗工する際に、塗布層が溶媒によって脱離したり、離型性シリコーン皮膜を形成した直後、指で擦ると、塗布層の硬化不足からシリコーン層も含めて脱離したりするという欠点がある。また、塗布層の硬化が不十分であると、工程中のガイドロールとの接触により塗布層が脱落する恐れもある。よって、シリコーン樹脂層を形成する前に、あらかじめ、硬化性のよい塗布層を形成する必要がある。
特公平2−53466号公報 特公昭52−9469号公報 特開2006−110945号公報 特許3540340号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、シリコーン層の密着性を向上させて、工程内のガイドロールとの接触によるシリコーンの脱離を抑制し、安定した剥離力を有する離型フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、アクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、γ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有アセトキシシランおよびアルキル基含有オルガノアルコキシシランから選ばれる1種または2種以上の有機ケイ素化合物を含有し、当該有機ケイ素化合物の合計量100重量部に対し0.1〜1.0重量部のスズを含有する塗布液をポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布した後、100〜150℃の温度条件下で加熱処理を行って形成された塗布層上に、付加反応型シリコーンを含有する塗布液を塗布してなることを特徴とする離型フィルムに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
一方、共重合ポリエステルの場合は30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
いずれにしても本発明でいうポリエステルとは、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明におけるポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。
さらにポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等の何れを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
使用する粒子の平均粒径は0.1〜5μmを満足するのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分となり、一方、5μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を設ける場合等に不具合を生じる様になる。さらにポリエステル中の粒子含有量は、0.01〜5重量%を満足するのが好ましく、さらに好ましくは0.01〜3重量%の範囲である。
粒子含有量が0.01重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分になる場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルム表面の平滑性が不十分になる場合がある。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは特に限定される訳ではないが、通常、9〜188μm、好ましくは9〜75μmの範囲がよい。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、押出し機を用いて、ダイより押し出された溶融シートを用いて冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法がよい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。
次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常130〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、同時二軸延伸を行うことも可能である。同時二軸延伸法としては前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で縦方向(或いは機械方向)および横方向(或いは幅方向)に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。
上述の延伸方式を使用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。「スクリュー方式」はスクリューの溝にクリップを乗せてクリップ間隔を広げていく方式である。「パンタグラフ方式」はパンタグラフを用いてクリップ間隔を広げていく方式である。「リニアモーター方式」はリニアモーター原理を応用し、クリップを個々に制御可能な方式でクリップ間隔を任意に調整することができる利点を有する。
さらに同時二軸延伸に関しては二段階以上に分割して行ってもよく、その場合、延伸場所は一つのテンター内で行ってもよいし、複数のテンターを併用してもよい。同時二軸延伸法としては、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。
また、上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。
それは以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。上述の塗布延伸法にてポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明の離型フィルムを構成に関しては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、塗布により塗布層を設け、当該塗布層には有機ケイ素化合物および有機スズ触媒を含有する必要がある。塗布層が含有する有機ケイ素化合物の具体例として、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が例示される。
また、本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布層にはバインダーポリマーを併用してもよく、具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクルレート、ポリオレフィン等が挙げられる。
また、塗布層には有機スズを含有していることも必要である。スズは、付加型シリコーン組成物の不可反応のための白金触媒の触媒毒と知られているが、本発明者らは鋭意検討した結果、有機スズ触媒を添加することで課題を解決することを見出した。有機スズ触媒の具体例として、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジオレート、ジフェニルスズジアセテート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジブチルスズベンジルマレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウリレート等を例示できる。
塗布層中の有機スズの量は、有機ケイ素化合物の0.2〜5重量%であり、好ましくは、0.5〜3重量%の範囲にある。有機スズ触媒の量が、0.2重量%以下では、添加による反応性の向上はほとんどないため硬化が不十分となり、シリコーン樹脂層を連続塗工することが困難である。一方、5重量%以上では、反応性は著しく向上するが、スズが付加反応型シリコーンの触媒毒として働くため、付加反応の進行が妨げられ、安定した剥離特性が得られない。
また、塗布層中に有機アルミニウム化合物を含有しているとさらに好適である。有機アルミニウム化合物の具体例として、アルミニウムトリス(アセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−イソ−プロポキシド−n−モノメチルアセトアセテート等が例示される。有機アルミニウム化合物を含有することで、ポリエステルフィルム中に含有しているオリゴマーの析出を抑制することができる。本発明において「オリゴマー」とは、熱処理後、結晶化してフィルム表面に析出する低分子量物のうちの環状三量体と定義する。
また、塗布層は、100〜150℃の加熱処理を行って形成される必要があり、加熱処理温度は、好ましくは110〜140℃であり、さらに好ましくは115〜130℃である。加熱処理温度が100℃未満では、硬化が不十分であり、硬化性を確保するためにスズを増量すると触媒毒として働いてしまう。一方、150℃を超えると、ポリエステルフィルムに熱シワが発生してしまい、次工程のシリコーン含有の離型層を均一に塗布することが困難となる。
本発明における離型フィルムを構成する付加型シリコーン樹脂層に関して、当該層中に含有する硬化型シリコーン樹脂の含有量は通常70重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。離型層中における硬化型シリコーン樹脂の含有量が70重量%未満の場合、所望している耐溶剤剥離力を発現することができない場合がある。
離型性皮膜形成性シリコーン組成物の具体例を挙げると、信越化学工業社製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H,KS−847T,東芝シリコーン社製TPR−6700,TPR−6710、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング社製SD7220、SD7226等が挙げられる。本発明における離型フィルムを構成する離型層の塗布量(Si)(乾燥後)は、通常0.01〜2g/m、好ましくは0.01〜1g/m、さらに好ましくは0.01〜0.5g/mの範囲である。離型層の塗布量(Si)(乾燥後)が0.01g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難な場合がある。一方、塗布量(Si)が2g/mを超える場合、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
本発明において、ポリエステルフィルムに有機ケイ素化合物を含有する塗布層および付加型シリコーン樹脂層を設ける方法として、リバースグラビアコート、バーコート、ダイコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、120〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのがよい。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。
本発明における離型フィルムに関して、離型層が設けられていない面には本発明の主旨を損なわない範囲において、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよい。
また、離型フィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明において塗布層上に離型層を設ける場合、塗布層を設けた後にフィルムを一旦巻き取り、あらためて離型層を設けてもよく、また、塗布層を設けた後、連続して、離型層を塗布層上に設けてもよく、何れの方法を採用してもよい。
本発明によれば、シリコーン層の密着性を向上させ、工程内のガイドロールとの接触によるシリコーンの脱離を抑制し、安定した剥離力を有する離型フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)離型フィルムの塗膜密着性促進評価(実用特性代用評価)
試料フィルム加工後1時間以内に、恒温恒湿槽中、25℃、50%RH雰囲気下、6時間放置した後に試料フィルムを取り出した。その後直ちに、試料フィルムの離型面を触手により5回擦り、離型層の脱落程度を下記判定基準により判定を行った。
《判定基準》
○:塗膜の脱落が見られない(実用可能なレベル)
△:塗膜が白くなるが脱落はしていない(実用可能なレベル〉
×:塗膜の脱落が確認された(実用困難なレベル)
(4)溶剤処理前後における離型フィルムの剥離力上昇率(ΔF)測定
あらかじめ試料フィルムをトルエン溶媒中に10分間浸漬させた後に自然乾燥させた。次に試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。(F1)さらに溶剤処理を行なわない以外は同様にして剥離力(F2)を測定した。得られた各剥離力値を用いて、溶剤処理前後における剥離力の変化率(ΔF:(%))を求めた後、下記判定基準により、判定を行った。
ΔF=(溶剤処理後の剥離力―溶剤処理前の剥離力)÷溶剤処理前の剥離力×100
《判定基準》
○:ΔFが20%未満(実用可能なレベル)
△:ΔFが20%以上、50%未満(実用困難な場合があるレベル〉
×:ΔFが50%以上(実用困難なレベル)
(5)離型フィルムの離型層表面から抽出されるオリゴマー量(OL)の測定
あらかじめ、未熱処理の離型フィルムを空気中、180℃で10分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。標準試料の作成は、あらかじめ分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエチレンテレフタレートA1)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチレングリコールスラリーエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートA1を得た。
実施例1:
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA1を180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートにまず、95℃で延伸倍率をMD方向に3.6倍延伸し、テンターに導き、TD方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定し、厚さ38μmのPETフィルムを得た。次に下記塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.05g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布した後、120℃、5秒間熱処理した。塗布層を構成する化合物は実施例1以外で用いたものを含め、以下のとおりである。
(化合物例)
・有機ケイ素化合物(A1):2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
・有機ケイ素化合物(A2):3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
・有機スズ化合物(B1):ジブチルスズジアセテート
・有機スズ化合物(B2):ジオクチルスズジアセテート
・アルミニウム元素を有する有機化合物:(C1):アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)
《塗布剤組成:塗布層1》
・有機ケイ素化合物(A1):100重量部
・触媒(B1):1重量部
上記の重量部の化合物をトルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:5)にて希釈し、濃度1重量%とした。塗布層を塗工、次いで、熱処理した後30秒以内に、塗布層上に下記離型剤組成からなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗設し、120℃、30秒間熱処理した後に離型フィルムを得た。
《離型剤組成》
・硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):99重量%
・硬化剤(PL−50T:信越化学製):1重量%
上記の重量部の化合物をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)で希釈し、濃度2重量%の塗布液を作成した。
実施例2〜9および比較例1〜3:
実施例1において、塗布剤組成を下記表1に示す塗布剤組成、表2に示す加熱処理温度、処理時間に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
上記実施例および比較例で得られた各離型フィルムの特性をまとめて下記表1および表2に示す。
Figure 2008279669
Figure 2008279669
比較例2は、塗布層を設けた段階でフィルムの平面性が悪く、シリコーン樹脂層の厚みを均一に塗布することができなかった。
本発明の離型フィルムは、工程中のガイドロールとの接触によるシリコーン樹脂層の脱離を防ぎ、安定した剥離力を有する離型フィルムを提供することができ、例えば、LCD、PDP、有機EL等、表示部材製造用等の光学用途で、安定した剥離力が必要な用途に好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. アクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、γ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有アセトキシシランおよびアルキル基含有オルガノアルコキシシランから選ばれる1種または2種以上の有機ケイ素化合物を含有し、当該有機ケイ素化合物の合計量100重量部に対し0.1〜1.0重量部のスズを含有する塗布液をポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布した後、100〜150℃の温度条件下で加熱処理を行って形成された塗布層上に、付加反応型シリコーンを含有する塗布液を塗布してなることを特徴とする離型フィルム。
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