JP2009214346A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコーンの脱離を抑制し、LCD、PDP、有機EL等、表示部材製造用等の光学用途で、安定した剥離力が必要な用途に好適に利用することができる離型ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 コロナ処理が施されたポリエステルフィルムの当該処理面に、トルエンで30重量%となるように希釈した状態での粘度が3000mPa・S以下であるフェニル基含有付加反応型シリコーン樹脂を塗布してなることを特徴とする離型ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に付加反応型シリコーン離型層を設けた離型フィルムに関し、さらに詳しくは、シリコーン離型層とポリエステルフィルムの密着性を向上させてシリコーンの脱離を抑制し、安定した剥離力を有する離型フィルムに関するものである。
ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムとしては、ポリエステルフィルム表面の少なくとも片面にシリコーン離型層が形成された構造を有するものが挙げられる。かかる離型フィルムは、フィルム表面に、離型性を与える皮膜形成性シリコーン樹脂を塗布し、これらを加熱等の手段を用いて硬化させることにより製造される。しかし、シリコーン樹脂を、ポリエステルフィルム基材と強固に密着、接着させることは通常は難しい。その理由は、シリコーン樹脂が低表面張力であることおよびシリコーン樹脂とポリエステル樹脂とが非相溶性であることによる。このため、シリコーン離型層とポリエステルフィルムが強固に密着した離型性フィルムを得ることは困難である。
この欠点を克服するために、シリコーン樹脂にエポキシ基含有オルガノシロキサンを添加配合することで、樹脂基材に対する接着性を向上させる方法が提案されている(特許文献1)。しかし、当該方法は、剥離特性が変化しない程度の微量では効果を発揮できず、また、適切量のエポキシ基含有オルガノシロキサンを添加しても効果は限定的である。そこで、これを解決する手段として、シリコーン樹脂をポリエステルフィルムに塗布する前に、あらかじめ、ポリエステルフィルム表面に、ポリエステルフィルムおよびシリコーン樹脂ともに密着性の高い下引き層を設けることが提案されている。塗布層としては有機ケイ素化合物が提案されている(特許文献2)。
これらの方法は、2回の塗布(下引き層とシリコーン離型層の塗布)を前提としている。シリコーン離型層とポリエステルフィルム間に下引き層塗工し、乾燥し、続いて、離型性シリコーン組成物を塗工し、乾燥する。さらに、下引き層形成後、一度巻き上げて、改めてシリコーン離型層を形成するのでなく、下引き層形成後、連続してシリコーン離型層を塗布することが適している。しかし、これらの方法は、材料コストの増加、加工工程数の増加、連続塗工できる装置でのみ加工可能という装置の限定の観点から、コスト、汎用性から不利益がある。また、加工工程の増加は異物混入の面からも不利益である。よって、材料コストが上昇せず、加工工程数を増やさずに、シリコーン離型層とポリエステルフィルムの密着性を向上させることが必要である。
特公平2−53466号公報 特開2006−110945号公報 特許3540340号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、シリコーン離型層とポリエステルフィルムの密着性を向上させてシリコーンの脱離を抑制し、安定した剥離力を有する離型フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、コロナ処理が施されたポリエステルフィルムの当該処理面に、トルエンで30重量%となるように希釈した状態での粘度が3000mPa・S以下であるフェニル基含有付加反応型シリコーン樹脂を塗布してなることを特徴とする離型ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
一方、共重合ポリエステルの場合は30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明におけるポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。
さらにポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等の何れを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
使用する粒子の平均粒径は0.1〜5μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5〜3μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分となり、一方、5μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を設ける場合等に不具合を生じる様になる。さらにポリエステル中の粒子含有量は、0.01〜5重量%を満足するのが好ましく、さらに好ましくは0.01〜3重量%の範囲である。
粒子含有量が0.01重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分になる場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルム表面の平滑性が不十分になる場合がある。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後に粒子の添加を行い、重縮合反応を進める方法を採用する。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは特に限定される訳ではないが、通常、9〜188μm、好ましくは9〜100μmの範囲がよい。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、押出し機を用いて、ダイより押し出された溶融シートを用いて冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法がよい。
この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。
その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。
次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行うが、延伸温度は通常130〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。
そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。
その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、同時二軸延伸を行うことも可能である。同時二軸延伸法としては前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で縦方向(或いは機械方向)および横方向(或いは幅方向)に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。
上述の延伸方式を使用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。「スクリュー方式」はスクリューの溝にクリップを乗せてクリップ間隔を広げていく方式である。「パンタグラフ方式」はパンタグラフを用いてクリップ間隔を広げていく方式である。「リニアモーター方式」はリニアモーター原理を応用し、クリップを個々に制御可能な方式でクリップ間隔を任意に調整することができる利点を有する。
さらに同時二軸延伸に関しては二段階以上に分割して行ってもよく、その場合、延伸場所は一つのテンター内で行ってもよいし、複数のテンターを併用してもよい。同時二軸延伸法としては、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。
また、上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。
それは以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。上述の塗布延伸法にてポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明の離型フィルムの構成に関しては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、シリコーン離型層を塗布する前に、コロナ処理を施す必要がある。コロナ処理とは、処理基材に高周波電源により供給される高周波・高電圧出力を放電電極−処理ロール間に印加することで発生するコロナ放電を照射させることで基材の表面を改質させる技術である。コロナ処理は、ポリエステルフィルムの延伸工程中でフィルム表面を処理してもよいし、延伸後、コロナ処理のみを行ってもよいし、また、離型層形成工程でコーティング工程前に行ってもよい。コロナ処理によるポリエステルフィルムの表面改質は、表面濡れ指数で、47〜65dyn/cmが好ましく、さらに好ましくは、50〜62dyn/cmの範囲にある。
本発明における離型フィルムを構成する離型層について、鋭意検討した結果、コロナ処理したポリエステルフィルム表面に、トルエンで30重量%に希釈した際の粘度が3000mPa・S以下であるフェニル基含有付加反応型シリコーン樹脂を塗布することで密着性が良くなることが分かった。
付加反応型シリコーン樹脂の具体例を挙げると、信越化学工業製X−62−5508,X−62−5039,X−62−5040等が挙げられる。本発明における離型フィルムを構成する離型層の塗布量(Si)(乾燥後)は、通常0.01〜2g/m、好ましくは0.01〜1g/m、さらに好ましくは0.01〜0.5g/mの範囲である。塗布量(Si)(乾燥後)が0.01g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難な場合がある。一方、塗布量(Si)が2g/mを超える場合、塗布層2自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
本発明における離型フィルムを構成する離型層であるが、付加反応型シリコーン樹脂に式(I)のシランカップリング剤を添加させてもよい。
Figure 2009214346
は、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などのようなエポキシ基を含有する有機基、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基のような1価炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、下記式(II)で示される基である。
Figure 2009214346
,RおよびRは、それぞれ独立して、上記したR基と同じエポキシ基含有有機基、R〜Rと同じ1価炭化水素基、アルコキシ基であるがその少なくとも1個はアルコキシ基であるものとされるが、このオルガノシロキサンとして具体的には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシランなどの単量体、およびこれら単量体の加水分解性生物が例示される。
このオルガノシロキサンはエポキシ基含有オレフィンと珪素原子に結合した水素原子を含有するオルガノシランとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノシランを加水分解することによって得ることができるが、この加水分解時に該シランと共加水分解可能なエポキシ基を含有しないシランを10モル%以内の量で併用することは任意とされる。
また、式(I)のnは、0〜10の整数である。n=0は単量体を表している。また、該オルガノシランの添加量については、付加反応型シリコーン樹脂100重量部に対して、0.05〜10重量部好ましい。0.1重量部以下であると、コロナ処理面との密着性が乏しく、10重量部以上であると、離型性能に影響を与える。
本発明において、ポリエステルフィルムにシリコーン離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、バーコート、ダイコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上にシリコーン離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、120〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのがよい。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。
本発明における離型フィルムに関して、シリコーン離型層が設けられていない面には本発明の主旨を損なわない範囲において、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよい。
本発明によれば、シリコーンの脱離を抑制し、安定した剥離力を有する離型フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)表面濡れ指数の測定
JIS−K6768−1977に準じ、濡れ試薬(和光純薬製)を用いて、シリコーン離型層を設ける前に、ポリエステルフィルムの被コート面に試薬を流し、濡れ性を測定した。
(4)シリコーンのトルエン希釈溶液の粘度測定
JIS−Z−8803に準じ、粘度計キャンノン・フェンスケ(SO)(柴田科学製)を用いて、実施例、比較例で塗布する硬化型シリコーン樹脂が30重量%となるトルエン溶液の動粘度を測定し、その結果から粘度を求めた。
(5)付加反応型シリコーン樹脂の化学構造評価
実施例、比較例で使用する付加反応型シリコーン樹脂の重トルエン0.5重量%希釈溶液を作成し、FT−NMR LA400(日本電子製)にて、フェニル基の存在有無を確認した。
(6)離型フィルムの塗膜密着性促進評価(実用特性代用評価)
試料フィルム加工直後からに、恒温恒湿槽中、25℃、50%RH雰囲気下、1ヶ月放置した後に試料フィルムを取り出した。その後直ちに、試料フィルムの離型面を触手により10回擦り、離型層の脱落程度を下記判定基準により判定を行った。
《判定基準》
○:塗膜の脱落が見られない(実用可能なレベル)
△:塗膜が白くなるが脱落はしていない(実用可能なレベル〉
×:塗膜の脱落が確認された(実用困難なレベル)
(7)溶剤処理前後における離型フィルムの剥離力上昇率(ΔF)測定
あらかじめ、RUBBING TESTER(大平理工工業製)を用いて、7cm×5cm角板面にBEMCOT F−1(小津産業製)を取り付け、BEMCOTに4mlのメチルエチルケトンを含浸させて、500gの荷重を角板にかけて(面圧:14.3gf/cm)、200mm/sの速度で、試料フィルムの離型層表面をBEMCOT F−1で100往復捺拭させた。次に試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。(F1)さらに溶剤処理を行なわない以外は同様にして剥離力(F2)を測定した。得られた各剥離力値を用いて、溶剤処理前後における剥離力の変化率(ΔF)を求め、下記判定基準により、耐溶剤剥離力としての判定を行なった。
ΔF(%)=(溶剤処理後の剥離力―溶剤処理前の剥離力)×100/溶剤処理前の剥離力
《判定基準》
○:ΔFが50%未満(実用可能なレベル)
△:ΔFが50%以上、100%未満(実用困難な場合があるレベル〉
×:ΔFが100%以上(実用困難なレベル)
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエチレンテレフタレートA1)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、およびエチレングリコールスラリーとして平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートA1を得た。
実施例1:
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA1を180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金からシート状に押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートにまず、95℃で延伸倍率をMD方向に3.6倍延伸し、テンターに導き、TD方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定し、厚さ38μmのPETフィルムを得た。次に、PETフィルムを20W/min/mでコロナ処理を行い、該コロナ処理面上に下記離型剤組成からなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.11g/mになるように塗設し、150℃、15秒間熱処理した後に離型フィルムを得た。
《離型剤組成》
・シリコーン樹脂(X−62−5508:信越化学製):20重量部
・硬化剤(PL−5000:信越化学製):2重量部
上記の重量部の化合物をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)350重量部で希釈し塗布液を作成した。
実施例2および比較例1〜4:
実施例1において、塗布剤組成を下記表1,2に示す離型剤組成、表2に示すコロナ処理の有無を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
上記実施例および比較例で得られた各離型フィルムの特性を表2に示す。
Figure 2009214346
表1中の略号は、以下のとおりである。
X−62−5508:フェニル基含有付加反応型シリコーン樹脂(粘度1500mPa・s)
KS−847H:フェニル基未含有付加反応型シリコーン樹脂(粘度 12000mPa・s)
KS−774:フェニル基含有付加反応型シリコーン樹脂(粘度12000mPa・s)
PL−5000:硬化剤,PL−50T:硬化剤,X−92−185:エポキシ基含有オルガノシロキサン
Figure 2009214346
本発明の離型フィルムは、例えば、LCD、PDP、有機EL等、表示部材製造用等の光学用途で、安定した剥離力が必要な用途に好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. コロナ処理が施されたポリエステルフィルムの当該処理面に、トルエンで30重量%となるように希釈した状態での粘度が3000mPa・S以下であるフェニル基含有付加反応型シリコーン樹脂を塗布してなることを特徴とする離型ポリエステルフィルム。
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