JPWO2006134880A1 - 積層フィルム及びその製造方法、積層フィルム用支持体の選別方法、並びに積層フィルム用支持体の評価方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムが形成されてなる積層フィルムであって、上記支持体は、その表面の残留接着率C5が80%以上である積層フィルムを提供する。
Description
本発明は、積層フィルム及びその製造方法、積層フィルム用支持体の選別方法、並びに積層フィルム用支持体の評価方法に関する。
半導体及び液晶ディスプレイなどの精密電子機器の分野において、電子材料を基板等に固定し、回路接続を行うために、各種の接着剤が使用されている。これらの分野では半導体チップや回路の高密度化及び高精密化が進んでいるため、それらを接着・固定する接着剤にも高い接着力及び信頼性が求められている。
例えば、液晶ディスプレイとTCP(Tape Carrier Package)との接続、FPC(Flexible Printed Circuit)とTCPとの接続又はFPCとプリント配線板との接続には、接着剤中に導電性粒子を分散させた異方導電性接着剤が使用されている。これは、回路接続をより確実に行うことを意図している。また、半導体シリコンチップを基板に実装する場合、従来のワイヤーボンドに代わり、半導体シリコンチップをフェイスダウンで基板に直接実装するいわゆるフリップチップ実装が行われている。この場合でも、異方導電性接着剤の適用が開始されている。
上述の接着剤として電子材料用の接着フィルムを用いる場合、使用前の接着フィルムは、通常、その主面の少なくとも片側に支持体を備えて、積層フィルムを構成している。支持体は、その表面上に設けられた接着フィルムを容易に除去できるように、上記表面を剥離処理剤により被覆されているものが多い。また、この剥離処理剤は、被着物を支持体から剥がしやすくするため、剥離処理剤の成分の一部や、剥離処理剤の成分に含まれる低分子量成分が意図的に被着物側に転写されるように設計されている。それにより、支持体からの被着物の軽剥離を実現しているが、そのことを原因として、接着フィルムの表面に剥離処理剤の一部が移行してしまう。このような剥離処理剤の一部(異物)は、実装後の接続信頼性の低下を引き起こすことがある。
代表的な剥離処理剤として、シリコーン樹脂製の剥離処理剤が広く知られている。この剥離処理剤で被覆された支持体を用いた積層フィルムは、その剥離処理剤が接着フィルム側に特に容易に移行する(例えば、特許文献1、2参照)。そこで、特許文献3に記載のように、シリコーン樹脂を含まない支持体(剥離フィルム)を採用する対策が考えられる。
特開2001−123130号公報
特開2002−331614号公報
特開2001−171033号公報
しかしながら、シリコーン樹脂を含まない支持体であっても、先に述べたのと同様に、剥離処理剤成分の一部や、剥離処理剤成分に含まれる低分子量成分を転写することによって軽剥離を実現している。したがって、そのような支持体を用いた場合でも、接続信頼性の低下を引き起こす。
そこで、本発明は、支持体の表面上に接着フィルムを積層してなる積層フィルムであって、上記接着フィルムが十分な接続信頼性を有する積層フィルム及びその製造方法、積層フィルム用支持体の選別方法、並びに積層フィルム用支持体の評価方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムが形成されてなる積層フィルムであって、上記支持体は、その表面の残留接着率C5が80%以上である積層フィルムを提供する。
ここで、支持体表面の「残留接着率C5」は下記のようにして導出される数値である。すなわち、まず、標準試料である粘着テープ(31Bテープ)と所定の金属板との間の剥離強度を測定し、これを基準剥離強度Aとする。次いで、上記粘着テープを測定対象である支持体に貼り付けてから剥離し、同じく所定の金属板との間の剥離強度を測定する手順を5回繰り返し、5回目の剥離強度をB5とする。上述の剥離強度A及びB5から、下記式(1)で表される残留接着率C5を導出する。
C5=B5/A×100 (1)
上述の特許文献2にも「残留接着率」という用語が記載されている。しかし、特許文献2に記載の「残留接着率」は、本発明で規定する残留接着率C5に対して測定方法が同一ではない。また、特許文献2では、測定する剥離強度が1回目であるという点においても、本発明とは異なっている。このことは後述するように重要な意味を持つ。
これについて、図1〜3を参照しながら、より詳細に説明する。
C5=B5/A×100 (1)
上述の特許文献2にも「残留接着率」という用語が記載されている。しかし、特許文献2に記載の「残留接着率」は、本発明で規定する残留接着率C5に対して測定方法が同一ではない。また、特許文献2では、測定する剥離強度が1回目であるという点においても、本発明とは異なっている。このことは後述するように重要な意味を持つ。
これについて、図1〜3を参照しながら、より詳細に説明する。
[1]まず、積層フィルムを構成する支持体8、幅25mmのアクリルフォーム両面接合テープ4、ガラス板3、幅10mmの31Bテープ2(日東電工社製)、及びステンレス綱(SUS)板1を準備する。次に、ガラス板3の表面を、トルエン、アセトン、メタノール等の各種溶剤を使用して洗浄し、その表面上に付着した有機成分及び無機成分を除去する。続いて、洗浄後のガラス板3の表面に、長さ60mmに切り出したアクリルフォーム両面接合テープ4を、質量2kgのゴムロールを用いて貼り付ける。
[2]次いで、アクリルフォーム両面接合テープ4の剥離基材を剥離して接着面を露出させる。更に、アクリルフォーム両面接合テープ4の上記接着面の中央部上に、20mm×55mmの矩形膜状に切り出した支持体8を、その片方の主面全体が載るようにして配置する。
[3]次に、支持体8の表面に、新しく長さ70mmに切り出した31Bテープ2を、質量2kgのゴムロールを用いて、シワが入らないように貼り付けて、図1(a)の模式正面図、及び図2の模式平面図に示すように構成する。続いて、支持体8の表面に貼り付けられた31Bテープ2について、引張り試験機により、図1(b)の模式正面図に示すようにして50mm/minの引っ張り速度で180°剥離を行う。こうして剥離された31Bテープ6を得る。
[4]残留接着率C5のみを測定する場合は、上記(3)の操作を5回繰り返す。この際、支持体8の表面に貼り付ける31Bテープ2は、都度新しく切り出したものを用いる。
[5]次いで、ステンレス綱板1の表面を、トルエン、アセトン、メタノール等の各種溶剤を使用して洗浄し、その表面上に付着した有機成分及び無機成分を除去する。更に、5回目の上記[3]の操作で得られた31Bテープ6を、洗浄後のステンレス綱板1の表面に、質量2kgのゴムロールを用いて、シワが入らないように貼り付けて、図1(c)の模式正面図に示すように構成する。
[6]続いて、ステンレス綱板1に貼り付けられた31Bテープ6について、引張り試験機により、図1(d)の模式正面図に示すようにして50mm/minの引っ張り速度で180°剥離を行う。この時の剥離強度B5を測定し記録する。
[7]上述の[1]〜[6]の操作とは別に、31Bテープ2及びステンレス綱板1を準備する。更に、ステンレス綱板1の表面を、トルエン、アセトン、メタノール等の各種溶剤を使用して洗浄し、その表面上に付着した有機成分及び無機成分を除去する。続いて、長さ70mmに切り出した31Bテープ2を、洗浄後のステンレス綱板1の表面に、質量2kgのゴムロールを用いて、シワが入らないように貼り付けて、図3(a)の模式正面図に示すように構成する。
[8]その後、ステンレス綱板1に貼り付けられた31Bテープ2について、引張り試験機により、図3(b)の模式正面図に示すようにして50mm/minの引っ張り速度で180°剥離を行う。この時の剥離強度Aを測定し記録する。
[9]上述のようにして得られた剥離強度A及びB5から、上記式(1)により、残留接着率C5を導出する。
なお、残留接着率C5は、上記[3]の操作を5回繰り返した後に得られる数値であるが、上記[3]の操作を1回行う毎に、次いで、上記[5]及び[6]の操作を行って、剥離強度を測定してもよい。この場合、上記[3]の操作をn回繰り返した後に、[6]の操作により得られる剥離強度をBnとすると、対応する残留接着率Cnは、下記式(2)で表される。
Cn=Bn/A×100 (2)
Cn=Bn/A×100 (2)
本発明の積層フィルムが、十分な接続信頼性を有する要因は下記のとおりと考えられる。ただし、要因はこれに限定されない。
本発明で規定する残留接着率C5が80%以上である支持体とは、剥離処理剤の転写のみによらない軽剥離設計であることを意味する。すなわち、従来のシリコーン樹脂系の剥離処理剤では、上述のとおり、剥離処理剤成分の一部や、剥離処理剤成分に含まれる低分子量成分を転写することによって軽剥離を実現している。このような剥離処理剤は、上記剥離試験を何度繰り返しても、剥離処理剤成分の一部や、剥離処理剤成分に含まれる低分子量成分が剥がれ落ちる。そのため、残留接着率C5は低い数値のままである。一方、軽剥離が剥離処理剤の転写のみによらない剥離処理剤では、剥離試験が1回目、2回目のうちは、同じように剥離処理剤の一部が転写したり、剥離処理剤成分に含まれる低分子量成分が剥がれ落ちたりする。したがって、1回目、2回目における残留接着率は低い数値を表す。ところが、剥離試験を5回まで繰り返すことにより、そのような転写及び剥がれ落ちは完了するため、残留接着率C5は80%以上となる。このような残留接着率C5を示す支持体は、実装時における接着フィルムへの異物の移行を抑制されているため、接着フィルムの接続信頼性を十分に高めることができると推測される。
本発明に係る接着剤組成物は、導電性粒子を含むことが好ましい。これにより、同一基板上の回路電極同士の絶縁状態を維持しつつ、回路部材同士をより安定して電気的に接続できる。
本発明は、支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムが形成されてなる積層フィルムの、支持体を選別する積層フィルム用支持体の選別方法であって、支持体の表面の残留接着率C5が80%以上である支持体を選別する方法を提供する。この支持体の選別方法によれば、選別された支持体の表面上に接着フィルムを積層してなる積層フィルムを用いて、回路電極同士等を接続する際、その支持体から剥離して回路電極等に挟まれる接着フィルムが、回路電極同士等の接続信頼性を十分に保持することができる。
本発明は、表面の残留接着率C5が80%以上である支持体を選別する工程と、選別工程において選別された支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムを形成する工程とを有する積層フィルムの製造方法を提供する。また、本発明は、表面の残留接着率C5が80%以上となるように支持体を形成する工程と、その支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムを形成する工程とを有する積層フィルムの製造方法を提供する。これら製造方法によると、得られる積層フィルムを用いて回路電極同士等を接続する際、支持体から剥離して回路電極等に挟まれる接着フィルムが、回路電極同士等の接続信頼性を十分に保持することができる。
本発明は、標準試料である粘着テープと所定の金属板との剥離強度を測定し、これを基準剥離強度Aとする工程と、上記粘着テープを測定対象である積層フィルム用支持体に貼り付けてから剥離し、上記所定の金属板との間の剥離強度を測定する手順を5回繰り返し、5回目の剥離強度をB5とする工程と、上述の剥離強度A及びB5から、下記式(1)で表される残留接着率C5を導出する工程とを有する積層フィルム用支持体の評価方法を提供する。
C5=B5/A×100 (1)
C5=B5/A×100 (1)
この評価方法によると、支持体から剥離した後の接着フィルムが十分な接続信頼性を有するか否かについて、十分適切に判断することが可能となる。
本発明によると、支持体の表面上に接着フィルムを積層してなる積層フィルムであって、上記接着フィルムが十分な接続信頼性を有する積層フィルムを提供することができる。
1…ステンレス綱(SUS)板、2、6…31Bテープ、3…ガラス板、4…アクリルフォーム両面接合テープ、7…導電性粒子、8…支持体、10…回路接続部材、11…絶縁性物質、20…第1の回路部材、21…第1の回路基板、22…第1の回路電極、30…第2の回路部材、31…第2の回路基板、32…第2の回路電極、40…半導体素子接続部材、50…半導体素子、60…基板、61…回路パターン、70…封止材、80…半導体装置。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリロキシ基」とは「アクリロキシ基」及びそれに対応する「メタクリロキシ基」を意味する。
本発明の好適な実施形態に係る積層フィルムは、支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムが形成されてなる積層フィルムであって、上記支持体は表面の残留接着率C5が80%以上であるものである。
支持体は、その表面の残留接着率C5が80%以上であれば特に限定されない。
支持体の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンイソフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリアミドフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、合成ゴム系フィルム、液晶ポリマーフィルムが挙げられる。これらは必要に応じて、フィルム表面にコロナ放電処理、アンカーコート処理、帯電防止処理などが施されていてもよい。
支持体は、80%以上の残留接着率C5を有すると同時に、その表面上に形成された接着フィルムを容易に剥離除去できるように、その表面に剥離処理剤をコーティングしてなるものであってもよい。剥離処理剤としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーンと有機系樹脂との共重合体、アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、長鎖アルキル基を有する樹脂、フルオロアルキル基を有する樹脂、セラック樹脂が挙げられる。これらの中で、剥離処理剤の支持体から接着フィルムへの移行をより有効に防止する観点から、シリコーン樹脂を主成分とする剥離処理剤以外の剥離処理剤が好ましい。
支持体の厚みは特に制限されるものではない。ただし、積層フィルムの保管や使用時の利便性などを考慮すると、支持体の厚みは4〜200μmであると好ましい。さらには、積層フィルムの材料コストや生産性を考慮すると、支持体の厚みは15〜75μmであることがより好ましい。
支持体は、上述の本発明に係る積層フィルム用支持体の評価方法により評価され、本発明に係る積層フィルム用支持体の選別方法により選択されたものが採用されると好ましい。支持体の選別方法では、例えば、材質や製法の異なる複数種の支持体を準備し、それらの支持体のうち、表面の残留接着率C5が80%以上であるもののみを選択し、表面の残留接着率C5が80%未満の支持体を除去する。このようにして選択された支持体のみを採用して積層フィルムを作製すると、接着フィルムの接続信頼性が向上し、この接着フィルムを用いて形成された回路の接続構造や半導体装置の歩留まりが十分に高くなる。
支持体の残留接着率C5を80%以上にするためには、例えば、支持体表面に低分子量成分を極力存在させず、高分子量成分を優先的に存在させたり、剥離性処理剤成分の分子の一部が脱落し難くなるように制御したりする手法が挙げられる。高分子量成分としては、例えばアミノアルキッド樹脂が挙げられる。
接着フィルムとしては、例えば、接着剤組成物をフィルム状に成形してなるものであればよい。接着剤組成物は、好適には、回路電極間等の電子材料間の接続状態を保持するための重合性樹脂成分等の重合性化合物、その重合性化合物を硬化させるための硬化剤である重合開始剤、並びに、接着剤組成物にフィルム形成性を付与するためのフィルム形成成分を含むことが好ましい。
重合性化合物は、積層フィルムを用いる際の環境に応じて設定される温度範囲で硬化可能な熱硬化性化合物、あるいは積層フィルムを用いる際の環境に応じて用いられる光の照射により硬化可能な光硬化性化合物などの硬化性化合物であればよい。硬化性化合物としては、低温速硬化性に有利なラジカル重合性化合物が好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカルにより重合する官能基を有する化合物である。ラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、シトラコンイミド化合物、ナジイミド化合物が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。また、ラジカル重合性化合物は、モノマー、又はオリゴマーのいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーとを混合して使用してもよい。
(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エテレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートトリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。上記(メタ)アクリレート化合物をラジカル重合させることで、(メタ)アクリル樹脂が得られる。
マレイミド化合物は、マレイミド基を分子内に少なくとも1つ有する化合物である。マレイミド化合物としては、例えば、フェニルマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
シトラコンイミド化合物は、シトラコンイミド基を分子内に少なくとも1つ有する化合物である。シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ナジイミド化合物は、ナジイミド基を分子内に少なくとも1つ有する化合物である。ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスナジイミド、N,N’−p−フェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
重合開始剤は、上記重合性化合物による重合反応を開始可能な化合物であればよく、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を用いる場合、重合開始剤としてラジカル重合開始剤を用いればよい。
ラジカル重合開始剤は、光照射及び/又は加熱によりラジカルを発生する化合物であれば特に制限はない。かかるラジカル重合開始剤としては、150〜750nmの光照射及び/又は80〜200℃の加熱によりラジカルを発生する化合物が好ましく、具体的には、過酸化物、アゾ化合物等が好ましい。これらは、目的とする接続温度、接続時間、保存安定性等を考慮し選択される。
過酸化物としては、高反応性と保存安定性の点から、有機過酸化物が好ましい。同様の観点から、有機過酸化物の中では、半減期10時間の温度が40℃以上、かつ半減期1分の温度が200℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が50℃以上、かつ半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が特に好ましい。なお、接続時間を10秒以下とする場合、十分な反応率を得るためのラジカル重合開始剤の配合量は、接着剤組成物の固形分全量を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%が特に好ましい。
有機過酸化物としては、具体的には、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドが挙げられる。これらの中でも、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドは、開始剤中の塩素イオンや有機酸の濃度が5000ppm以下であり、加熱分解後に発生する有機酸が少なく、回路部材の回路電極等、金属部材の腐食をより抑えることができるため特に好ましい。
ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートが挙げられる。
パーオキシエステルとしては、例えば、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート,n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレートが挙げられる。
パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカンが挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイドが挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドが挙げられる。
シリルパーオキサイドとしては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイドが挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。
さらには、これらのラジカル重合開始剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
また、接着フィルムが回路接続材料に使用される場合には、回路部材の回路電極の腐食を抑えるため、ラジカル重合開始剤中に含有される塩素イオンや有機酸の濃度は5000ppm以下であることが好ましい。さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないラジカル重合開始剤がより好ましい。また、接着フィルムの硬化後の安定性が向上することから、室温(25℃)及び常圧下で24時間の開放放置後に20質量%以上の質量保持率を有することが好ましい。
また、必要に応じて、接着剤組成物は、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン等のラジカル重合禁止剤を硬化性が損なわれない範囲で含有してもよい。
接着剤組成物は、ラジカル重合性化合物以外の熱硬化性樹脂を、重合性化合物として含んでもよい。このような熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよい。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、上記エポキシ樹脂の硬化剤としては、通常のエポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものが使用できる。具体的には、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ジシアンジアミド等が挙げられる。さらに、硬化促進剤として通常使用されている3級アミン類、有機リン系化合物を適宜使用してもよい。
また、エポキシ樹脂を反応させる方法として、上記硬化剤を使用する以外に、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等を使用して、カチオン重合させてもよい。
フィルム形成成分は、接着フィルムのフィルム形成性をより良好にする成分であり、接着性、及び/又は硬化時の応力緩和性を向上させることもできる。フィルム形成成分としては、フィルム形成性の高分子が挙げられる。フィルム形成性の高分子としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂が挙げられる。
フィルム形成成分は、その重量平均分子量が10000〜10000000であると好ましい。また、これらの高分子をラジカル重合性の官能基で変性したものも用いることができる。これにより、接着フィルムの耐熱性が向上する。
フィルム形成成分の接着剤組成物中の配合割合は、接着剤組成物の総量に対して2〜80質量%であると好ましく、5〜70質量%であるとより好ましく、10〜60質量%であると特に好ましい。フィルム形成成分の配合割合が2質量%未満であると、応力緩和性や接着性が低下する傾向にあり、80質量%を超えると、流動性が低下する傾向にある。
本発明の接着剤組成物は導電性粒子を含有すると好ましい。これにより、接着フィルムを回路電極等の接続に用いた場合、更に優れた接続信頼性を有することが可能となり、異方導電性を示すようにもなる。導電性粒子は、電気的接続が可能となるような導電性を有していれば特に限定されない。導電性粒子としては、例えば、Au、Ag、Ni、Cu、Co及びはんだなどの合金を含む金属粒子、並びにカーボンが挙げられる。また、導電性粒子が、非導電性のガラス、セラミックス、プラスチックなどの核となる粒子を、上記金属等の導電性物質を含む膜、あるいは上記金属等の導電性物質を含む粒子で被覆した多層のものであってもよい。被覆する膜の厚さは、より確実な導電性を得るために、10nm以上であることが好ましい。
かかる多層の導電性粒子、あるいは熱溶融性の金属粒子を導電性粒子として用いた場合、その導電性粒子は加熱加圧により変形する変形性を有する。そのため、かかる導電性粒子を含有する接着剤組成物を用いて、回路間を接続する際、回路と導電性粒子との接触面積が増加し、複数の電極間の厚みのばらつきを吸収できるので、信頼性向上の観点から好ましい。
また、導電性粒子の表面を更に樹脂膜などで被覆した微粒子は、微粒子間の接触に起因する短絡を一層抑制することができる。したがって、電極回路間の絶縁性が向上することから、適宜これを単独又は導電性粒子と混合して接着剤組成物に配合してもよい。
接着剤組成物中の導電性粒子の含有割合は、0.1〜30体積%であると好ましく、0.1〜20体積%であるとより好ましく、0.1〜10体積%であると特に好ましい。導電性粒子の含有割合が0.1体積部未満であると、接着剤組成物の硬化物が導電性に劣る傾向があり、30体積部を超えると接着剤組成物を回路間接続に用いた場合に、絶縁させたい回路間の短絡が発生しやすくなる傾向がある。また、同様の観点から、導電性粒子の含有割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5〜30質量部であっても好ましい。
なお、導電性粒子の含有割合は、23℃における硬化前の接着剤組成物中の各成分の体積に基づいて決定される。各成分の体積は、比重を利用して質量から体積に換算してもよい。また、メスシリンダー等にその成分を溶解したり膨潤させたりせず、その成分をよく濡らす適当な溶媒(水、アルコール等)を入れた容器に、その成分を投入し増加した体積をその体積として求めることもできる。
また、本発明の接着剤組成物は、接着フィルムの接着性を更に改善する目的で、カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤としては、例えばトリメトキシシランメタクリレート、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシランが挙げられる。
本発明に係る接着剤組成物には、その他、必要に応じて、充填剤、軟化剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤、カップリング剤などを、本発明の課題を解決できる範囲で添加してもよい。
本発明に係る接着フィルムは、電子材料用の接着フィルムとして好適に用いられる。
本発明の好適な実施形態に係る積層フィルムの製造方法は、表面の残留接着率C5が80%以上である支持体を選別する第1工程と、選別工程において選別された支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムを形成する第2工程とを有するものである。第1工程において、表面の残留接着率C5が80%以上である支持体を選別する方法は、上述の支持体の選別方法を採用すればよい。
第2工程において、接着剤組成物を含有する接着フィルムを支持体上に形成する方法としては、例えば下記の方法が挙げられる。まず、上述の各成分を混合して得られる接着剤組成物に必要により溶剤等を加えるなどして得られる溶液を、支持体上に塗布して塗膜を形成する。次いで、溶剤の除去などを経て、塗膜を固体又は半固体状にして、接着フィルムが得られる。あるいは、接着剤組成物を加熱して流動性を確保した後に溶剤を加えて溶液を得、その溶液を上述と同様に処理して、接着フィルムを形成してもよい。
本発明の積層フィルムは、支持体、及びその表面上に形成された接着フィルムの2層からなる積層フィルムであってもよい。あるいは、支持体の表面上に、組成及び/又は製法が互いに同一又は異なる2層以上の接着フィルムを設けてなる積層フィルムであってもよい。この場合、積層フィルムは、上述のようにして支持体の表面上に形成された接着フィルムの支持体とは反対側の表面上に、更に接着フィルムを上述のようにして形成することによって得られる。あるいは、積層フィルムは、別々の支持体の表面上に形成された接着フィルムを、ラミネーター等を用いて互いに重ね合わせることによっても得られる。
次に、本発明の積層フィルムを用いた回路部材の接続構造の製造方法について好適な実施形態を説明する。図4は、この製造方法によって得られる回路部材の接続構造の一実施形態を示す概略断面図である。図4に示すように、この回路部材の接続構造は、相互に対向する第一の回路部材20及び第二の回路部材30を備えており、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。
第一の回路部材20は、回路基板(第一の回路基板)21と、回路基板21の主面21a上に形成される回路電極(第一の回路電極)22とを備えている。一方、第二の回路部材30は、回路基板(第二の回路基板)31と、回路基板31の主面31a上に形成される回路電極(第二の回路電極)32とを備えている。なお、回路基板21、31としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機物、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルスルホン等の有機物、これら無機物や有機物を複合化した材料(例えばガラス/ポリエポキシ樹脂)からなるものが挙げられる。
第一及び第二の回路部材20、30としては、電気的接続を必要とする電極が形成されているものであれば特に制限はない。具体的には、液晶ディスプレイに用いられているITO等で電極が形成されているガラス基板又はプラスチック基板、プリント配線板、セラミック配線板、フレキシブル配線板が挙げられ、これらは必要に応じて組み合わせて使用される。
回路接続部材10は、絶縁性物質11及び導電性粒子7を含有している。導電性粒子7は、対向する回路電極22と回路電極32との間のみならず、主面21a、31a同士間にも配置されている。回路部材の接続構造においては、回路電極22、32が、導電性粒子7を介して電気的に接続されている。すなわち、導電性粒子7が回路電極22、32の双方に直接接触している。
ここで、導電性粒子7は、上述の接着剤組成物に含有されてもよい導電性粒子に相当する。
この回路部材の接続構造においては、上述したように、対向する回路電極22と回路電極32とが導電性粒子7を介して電気的に接続されている。このため、回路電極22、32間の接続抵抗が十分に低減される。したがって、回路電極22、32間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を十分に発揮することができる。なお、回路接続部材10が導電性粒子7を含有していない場合には、回路電極22と回路電極32とが直接接触することで、電気的に接続される。
回路接続部材10は後述するように、上記接着フィルムの硬化物により構成されている。したがって、回路部材20又は30に対する回路接続部材10の接続信頼性が十分に高くなる。
本発明に係る回路部材の接続構造の製造方法では、まず、上述した第一の回路部材20と、フィルム状回路接続材料40を用意する(図5(a)参照)。フィルム状回路接続材料40は、上述の接着フィルムであり、用意された段階では、本発明に係る支持体1の表面上に形成されて積層フィルム100をなしている。また、ここでのフィルム状回路接続材料40は、導電性粒子7を含有している。フィルム状回路接続材料40は、通常は巻芯に巻回されている状態から引き出されて、必要な長さに切断される。
次に、フィルム状回路接続材料40を第一の回路部材20の回路電極22が形成されている面上に載せる。この際、フィルム状回路接続材料40は支持体1上に設けられているので、フィルム状回路接続材料40側を第一の回路部材20に向けるようにして、第一の回路部材20上に載せる。回路接続材料がフィルム状であることにより、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間にフィルム状回路接続材料40を容易に介在させることができ、第一の回路部材20と第二の回路部材30との接続作業を容易に行うことができる。
そして、図5(a)の矢印A及びB方向に加圧し、フィルム状回路接続材料40を第一の回路部材20に仮固定(仮接続)する。このとき、加熱しながら加圧してもよい。ただし、加熱温度はフィルム状回路接続材料40中の接着剤組成物が硬化しない温度とする。
次に、フィルム状回路接続材料40から支持体1を剥離する(図5(b)参照)。この際、支持体1は本発明に係る支持体であるため、支持体1からフィルム状回路接続材料40への剥離処理剤の移行など、支持体1とフィルム状回路接続材料40とが積層されていたことに起因する接続信頼性の低下要因を十分に抑制することができる。
続いて、フィルム状回路接続材料40に活性光線を照射する。次いで、図5(c)に示すように、第二の回路部材30を、第二の回路電極を第一の回路部材20に向けるようにしてフィルム状回路接続材料40上に載せる。
そして、フィルム状回路接続材料40を加熱しながら、図5(c)の矢印A及びB方向に第一及び第二の回路部材20、30を介して加圧する。このときの加熱温度は、本発明の接着剤組成物が硬化可能な温度とする。こうして、フィルム状回路接続材料40が硬化処理され、本接続が行われ、図4に示すような回路部材の接続構造が得られる。なお、接続の条件は、使用する用途、接着剤組成物、回路部材によって適宜選択される。
例えば、加熱温度は、90〜250℃、圧力は、一般的には被着体に対して0.1〜10MPa、加熱及び加圧に要する時間(接続時間)は1秒〜10分であることが好ましい。
また、加熱及び加圧する装置は特に限定されないが、生産性や利便性を考慮すると、ヒーターが内蔵された加圧ヘッドを備える加圧加熱装置であると好ましい。
上述のようにして、回路部材の接続構造を製造すると、得られる回路部材の接続構造において、接続信頼性が向上するので、回路部材の接続構造の歩留まりが十分に高くなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明の別の実施形態に係る積層フィルムの製造方法は、表面の残留接着率C5が80%以上となるように支持体を形成する工程と、その支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムを形成する工程とを有するものである。支持体を形成する工程においては、上述の支持体の選別方法によって選択された、表面の残留接着率C5が80%以上である支持体と実質的に同一の組成及び製法で、支持体を形成すればよい。
また、回路部材の接続構造の製造方法において、加熱及び加圧による硬化処理の後に、更に光、超音波及び/又は電磁波を用いた硬化処理を行ってもよい。
さらには、本発明の別の実施形態において、接着フィルムが、半導体装置における半導体素子と回路パターンとを接続する半導体接続部材の材料として用いられてもよい。
図6は、この半導体装置の一実施形態を示す概略断面図である。図6に示すように、本実施形態の半導体装置80は、半導体素子50と、半導体の支持部材となる基板60とを備えており、半導体素子50及び基板60の間には、これらを電気的に接続する半導体素子接続部材40が設けられている。また、半導体素子接続部材40は基板60の主面60a上に積層され、半導体素子50は更にその半導体素子接続部材40上に積層されている。
基板60は回路パターン61を備えており、回路パターン61は、基板60の主面60a上で半導体接続部材40を介して又は直接に半導体素子50と電気的に接続されている。そして、これらが封止材70により封止され、半導体装置80が形成される。
半導体素子50の材料としては特に制限されないが、シリコン、ゲルマニウムの4族の半導体素子、GaAs、InP、GaP、InGaAsなどのIII−V族化合物半導体素子、HgTe、HgCdTe、CdMnTe等のII−VI族化合物半導体素子、そして、CuInSe(CIS)などの種々のものを用いることができる。
半導体素子接続部材40は、絶縁性物質11及び導電性粒子7を含有しており、本発明の接着フィルムの硬化物である。導電性粒子7は、半導体素子50と回路パターン61との間のみならず、半導体素子50と主面60aとの間にも配置されている。本実施形態の半導体装置80においては、半導体素子50と回路パターン61とが、導電性粒子7を介して電気的に接続されている。このため、半導体素子50及び回路パターン61間の接続抵抗が十分に低減される。したがって、半導体素子50及び回路パターン61間の電流の流れを円滑にすることができ、半導体の有する機能を十分に発揮することができる。また、この導電性粒子7を上述した配合割合とすることによって電気的な接続の異方性を示すことも可能である。
半導体素子接続部材40は、本発明に係る接着フィルムの硬化物により構成されていることから、半導体素子50及び回路パターン61間の接続信頼性が向上すると共に、半導体装置80の歩留まりも十分に高くなる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[支持体の準備]
基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と表記する。)フィルムを準備した。それとは別に、アミノアルキッド樹脂(日立化成ポリマー社製、商品名「TA31−209」)と酸性触媒(日立化成ポリマー社製、商品名「ドライヤー900」)とを、固形分の質量比で100:1〜100:5の割合で混合し、更に溶剤で希釈して溶液を得た。得られた溶液を、上記PETフィルムの片面にコーティングして、更に溶媒を揮発させることにより、#1〜#6の支持体用基材を作製した。また、支持体用基材#7として帝人社製、商品名「AH3」、支持体用基材#8として、帝人社製、商品名「UH2」を準備した。
基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と表記する。)フィルムを準備した。それとは別に、アミノアルキッド樹脂(日立化成ポリマー社製、商品名「TA31−209」)と酸性触媒(日立化成ポリマー社製、商品名「ドライヤー900」)とを、固形分の質量比で100:1〜100:5の割合で混合し、更に溶剤で希釈して溶液を得た。得られた溶液を、上記PETフィルムの片面にコーティングして、更に溶媒を揮発させることにより、#1〜#6の支持体用基材を作製した。また、支持体用基材#7として帝人社製、商品名「AH3」、支持体用基材#8として、帝人社製、商品名「UH2」を準備した。
支持体用基材#1〜8の厚みを測定した。また、支持体用基材#1〜8表面の残留接着率C5を、上述のようにして測定した。結果を表1に示す。
(実施例1)
まず、固形分の重量で、フィルム形成成分のフルオレン−ビフェニル型フェノキシ樹脂40g、同じくビスフェノールA型フェノキシ樹脂10g、重合性化合物のトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート10g、同じくウレタンアクリレート10g、カップリング剤のトリメトキシシランメタクリレート10g、並びに、重合開始剤のn−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート3gを配合した。そこに、更に導電性粒子を40g配合分散させて、第1の接着剤組成物を得た。導電性粒子は、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層及び厚み0.04μmの金層をこの順で形成させて、更にその表面にポリビニルアルコールからなる層を形成させて得られた。この導電性粒子の平均粒径は4μmであった。
まず、固形分の重量で、フィルム形成成分のフルオレン−ビフェニル型フェノキシ樹脂40g、同じくビスフェノールA型フェノキシ樹脂10g、重合性化合物のトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート10g、同じくウレタンアクリレート10g、カップリング剤のトリメトキシシランメタクリレート10g、並びに、重合開始剤のn−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート3gを配合した。そこに、更に導電性粒子を40g配合分散させて、第1の接着剤組成物を得た。導電性粒子は、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層及び厚み0.04μmの金層をこの順で形成させて、更にその表面にポリビニルアルコールからなる層を形成させて得られた。この導電性粒子の平均粒径は4μmであった。
次に、支持体用基材#1の表面上に、塗工装置を用いて、上記第1の接着剤組成物を塗布して塗膜を得た。その塗膜を70℃で5分間熱風により乾燥し、接着フィルムの厚さが25μmである第1の中間積層体を得た。
次いで、固形分の重量で、フィルム形成成分のフルオレン−ビフェニル型フェノキシ樹脂40g、同じくビスフェノールA型フェノキシ樹脂10g、重合性化合物のトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート10g、同じくウレタンアクリレート10g、カップリング剤のトリメトキシシランメタクリレート10g、並びに、重合開始剤のn−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート3gを配合して第2の接着剤組成物を得た
続いて、支持体用基材#2の表面上に、塗工装置を用いて、上記第2の接着剤組成物を塗布して塗膜を得た。その塗膜を70℃で5分間熱風により乾燥し、接着フィルムの厚さが25μmである第2の中間積層体を得た。
第1の中間積層体及び第2の中間積層体を、互いの接着フィルムが重ね合い、それぞれの支持体用基材でそれら接着フィルムを挟むようにして、ラミネーターを用いて、40℃、0.5mm/min、無加圧の条件で貼り合わせ、積層フィルムを得た。
(実施例2)
支持体用基材#1に代えて支持体用基材#3を用い、支持体用基材#2に代えて支持体用基材#4を用いた以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
支持体用基材#1に代えて支持体用基材#3を用い、支持体用基材#2に代えて支持体用基材#4を用いた以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(実施例3)
支持体用基材#1に代えて支持体用基材#5を用い、支持体用基材#2に代えて支持体用基材#6を用いた以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
支持体用基材#1に代えて支持体用基材#5を用い、支持体用基材#2に代えて支持体用基材#6を用いた以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(実施例4)
まず、固形分の重量で、フィルム形成成分のフルオレン−ビフェニル型フェノキシ樹脂10g、同じくビスフェノールA型フェノキシ樹脂30g、重合性化合物のフェノールノボラック型エポキシ樹脂20g、カップリング剤のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5g、並びに、硬化剤のイミダゾール系硬化剤40gを配合した。そこに、更に実施例1で用いたものと同様に導電性粒子を40g配合分散させて、第1の接着剤組成物を得た。
まず、固形分の重量で、フィルム形成成分のフルオレン−ビフェニル型フェノキシ樹脂10g、同じくビスフェノールA型フェノキシ樹脂30g、重合性化合物のフェノールノボラック型エポキシ樹脂20g、カップリング剤のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5g、並びに、硬化剤のイミダゾール系硬化剤40gを配合した。そこに、更に実施例1で用いたものと同様に導電性粒子を40g配合分散させて、第1の接着剤組成物を得た。
次に、支持体用基材#1の表面上に、塗工装置を用いて、上記第1の接着剤組成物を塗布して塗膜を得た。その塗膜を70℃で5分間熱風により乾燥し、接着フィルムの厚さが12μmである第1の中間積層体を得た。
次いで、固形分の重量で、フィルム形成成分のフルオレン−ビフェニル型フェノキシ樹脂10g、同じくビスフェノールA型フェノキシ樹脂30g、重合性化合物のフェノールノボラック型エポキシ樹脂20g、カップリング剤のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5g、並びに、硬化剤のイミダゾール系硬化剤40gを配合して第2の接着剤組成物を得た
続いて、支持体用基材#2の表面上に、塗工装置を用いて、上記第2の接着剤組成物を塗布して塗膜を得た。その塗膜を70℃で5分間熱風により乾燥し、接着フィルムの厚さが13μmである第2の中間積層体を得た。
第1の中間積層体及び第2の中間積層体を、互いの接着フィルムが重ね合い、それぞれの支持体用基材でそれら接着フィルムを挟むようにして、ラミネーターを用いて、40℃、0.5mm/min、無加圧の条件で貼り合わせ、積層フィルムを得た。
(比較例1)
支持体用基材#1に代えて支持体用基材#7を用い、支持体用基材#2に代えて支持体用基材#8を用いた以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
支持体用基材#1に代えて支持体用基材#7を用い、支持体用基材#2に代えて支持体用基材#8を用いた以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(比較例2)
支持体用基材#1に代えて支持体用基材#7を用い、支持体用基材#2に代えて支持体用基材#8を用いた以外は実施例4と同様にして、積層フィルムを得た。
支持体用基材#1に代えて支持体用基材#7を用い、支持体用基材#2に代えて支持体用基材#8を用いた以外は実施例4と同様にして、積層フィルムを得た。
[接続抵抗測定用サンプルの作製]
回路電極としてインジウム−錫酸化物(以下、「ITO」と表記する。)からなる回路(ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み250nm(2500Åμm)がガラス基板(コーニング社製、商品名「#1737」、28mm×32mm×0.7mm)上に形成された回路部材を準備した。次に、実施例1で作製した積層フィルムを2.5mm×20mmに切り出した。続いて、この積層フィルムにおける支持体用基材#2を剥離し、それにより露出した接着フィルムが上述の回路部材の上記回路形成側の主面と相対するようにして、積層フィルムを貼り付けた。貼り付けの条件は、加熱温度90℃、加圧圧力1MPa(貼り付け面積当たり)、3秒間とした。
回路電極としてインジウム−錫酸化物(以下、「ITO」と表記する。)からなる回路(ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み250nm(2500Åμm)がガラス基板(コーニング社製、商品名「#1737」、28mm×32mm×0.7mm)上に形成された回路部材を準備した。次に、実施例1で作製した積層フィルムを2.5mm×20mmに切り出した。続いて、この積層フィルムにおける支持体用基材#2を剥離し、それにより露出した接着フィルムが上述の回路部材の上記回路形成側の主面と相対するようにして、積層フィルムを貼り付けた。貼り付けの条件は、加熱温度90℃、加圧圧力1MPa(貼り付け面積当たり)、3秒間とした。
次に、チップサイズが1.7mm×17mm×0.55mm、バンプ面積が50μm×50μm、バンプ高さが15μm、バンプ数が358個の金バンプ電極を配置したICチップを準備した。続いて、上記回路部材に貼り付けた積層フィルムの支持体用基材#1を剥離した。次いで、支持体用基材#1の剥離により露出した接着フィルムと、ICチップの金バンプ電極側とが対向し、かつICチップ及び上記回路部材の電極同士が接続できるように位置合わせを行いながら、積層フィルム付き回路部材とICチップとを重ね合わせた。そして、加圧加熱ヘッドを備える加圧加熱装置を用いて、それらをICチップ側からの加熱加圧により圧着して、実施例1に係る接続抵抗測定用サンプルを得た。加熱加圧の条件は、接続温度200℃、加圧圧力80MPa(バンプの総面積当たり)、3秒間とした。
また、実施例2〜4、比較例1、2の積層フィルムをそれぞれ用いて、上述と同様にして、それぞれ実施例2〜4、比較例1、2に係る接続抵抗測定用サンプルを得た。
[接続抵抗の測定]
得られた接続抵抗測定用サンプルについて、回路部材における電極回路とICチップにおけるバンプ電極との間の電気抵抗値(接続抵抗)を、4端子測定法によりデジタルマルチメータを用いて測定した。測定電流は1mAとした。測定は、接続抵抗測定用サンプル作製直後(初期)、並びに、そのサンプルを熱サイクル条件に曝した後(サイクル後)で行った。なお、熱サイクルはESPEC社製冷熱衝撃試験装置(商品名「TSA−41L−A)を使用した。また、熱サイクル条件は、−40℃で15分間の保持と100℃で15分間の保持とを1000回繰り返す条件とした。結果を表2に示す。
得られた接続抵抗測定用サンプルについて、回路部材における電極回路とICチップにおけるバンプ電極との間の電気抵抗値(接続抵抗)を、4端子測定法によりデジタルマルチメータを用いて測定した。測定電流は1mAとした。測定は、接続抵抗測定用サンプル作製直後(初期)、並びに、そのサンプルを熱サイクル条件に曝した後(サイクル後)で行った。なお、熱サイクルはESPEC社製冷熱衝撃試験装置(商品名「TSA−41L−A)を使用した。また、熱サイクル条件は、−40℃で15分間の保持と100℃で15分間の保持とを1000回繰り返す条件とした。結果を表2に示す。
本発明によると、支持体の表面上に接着フィルムを積層してなる積層フィルムであって、上記接着フィルムが十分な接続信頼性を有する積層フィルムを提供することができる。
Claims (6)
- 支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムが形成されてなる積層フィルムであって、前記支持体は、前記表面の残留接着率C5が80%以上である、積層フィルム。
- 前記接着剤組成物は導電性粒子を含む、請求項1記載の積層フィルム。
- 支持体の表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムが形成されてなる積層フィルムの、前記支持体を選別する積層フィルム用支持体の選別方法であって、
前記表面の残留接着率C5が80%以上である前記支持体を選別する方法。 - 表面の残留接着率C5が80%以上である支持体を選別する工程と、
前記選別工程において選別された前記支持体の前記表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムを形成する工程と、を有する、積層フィルムの製造方法。 - 表面の残留接着率C5が80%以上となるように支持体を形成する工程と、
前記支持体の前記表面上に、接着剤組成物を含有する接着フィルムを形成する工程と、を有する、積層フィルムの製造方法。 - 標準試料である粘着テープと所定の金属板との剥離強度を測定し、これを基準剥離強度Aとする工程と、前記粘着テープを測定対象である積層フィルム用支持体に貼り付けてから剥離し、前記所定の金属板との間の剥離強度を測定する手順を5回繰り返し、5回目の剥離強度をB5とする工程と、前記剥離強度A及びB5から、下記式(1)で表される残留接着率C5を導出する工程と、を有する積層フィルム用支持体の評価方法。
C5=B5/A×100 (1)
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