JP4945881B2 - 回路接続用支持体付接着剤、及びそれを用いた回路接続構造体 - Google Patents
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Description
このようなACFの多くは熱硬化性樹脂を含有する接着剤成分と、必要により配合される導電粒子とを含み、フィルム状に形成されており、主にPET(ポリエチレンテレフタレート)等の支持体に積層した状態で製品化されている。そして使用に際しては、ACFを被接続部材に転写して仮圧着後、支持体を剥離して熱圧着を行い、熱硬化性樹脂を硬化させて部材間の機械的固着を得るとともに、対向する電極間を直接または導電粒子を介して接触させて電気的接続を得る(例えば、特許文献1参照)。
請求項1に記載の発明は、圧着時に接着剤と被着体との界面から接着剤が剥離することを効果的に抑制することのできる支持体付接着剤を提供するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、よりはく離の抑制を飛躍的に向上できる支持体付接着剤を提供するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1、2に記載の発明に加えて、回路電極間に接着剤を介在させる際の作業性を高めた支持体付接着剤を提供するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の発明に加えて、より被着体への密着性を向上させた支持体付接着剤を提供するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の発明に加えて、接着剤の厚み精度が高く、取り扱い易いことから作業性に優れる支持体付き接着剤を提供するものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載の発明に加えて、短時間接着性と接続体の信頼性の高い支持体付接着剤を提供するものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5に記載の発明に加えて、接続体の接着強度の高い支持体付接着剤を提供するものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7に記載の発明に加えて、より安定した接続が得られる支持体付接着剤を提供するものである。
請求項9に記載の発明は、接続体の接着強度の高い支持体付接着剤の製造方法を提供するものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9に記載の支持体付接着剤を用いた回路接続構造体を提供するものである。
請求項2に記載の発明は、支持体(A)の片面に接着剤を配置し、それを芯管に巻いて支持体(A)の他面に接着剤を密着させた巻物状にし、支持体(A)の接着剤を形成していない他面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.2〜0.4μm、最大高さRyで1.5〜3μmの範囲にあり、接着剤として、フェノキシ樹脂を含有するポリマー(a)、(メタ)アクリレートを含有するラジカル重合性化合物(b)、過酸化化合物を含有するラジカル発生剤(c)を含む接着剤、または、フェノキシ樹脂を含有するポリマー(a)、エポキシ樹脂(e)、潜在性硬化剤(f)を含む接着剤を用いることを特徴とする回路接続用支持体付接着剤である。
請求項3に記載の発明は、フィルム(B)の接着剤と接する面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.2〜0.4μm、最大高さRyで1.5〜3μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の回路接続用支持体付接着剤である。
請求項4に記載の発明は、さらに支持体(A)の接着剤を配置する面の算術平均粗さRaが0.1〜1μm、最大高さRyが1〜10μmの範囲である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路接続用支持体付接着剤である。
請求項5に記載の発明は、さらに支持体(A)の接着剤を配置する面の算術平均粗さRaが0.2〜0.4μm、最大高さRyが1.5〜3μmの範囲である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路接続用支持体付接着剤である。
請求項6に記載の発明は、支持体(A)と接着剤とのはく離強度(強度A)と、フィルム(B)と接着剤とのはく離強度(強度B)との間に、
(強度A)>(強度B)
が成立することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の回路接続用支持体付接着剤である。
請求項7に記載の発明は、支持体(A)の接着剤を配置する面と接着剤とのはく離強度(強度A)と、支持体(A)の接着剤を形成していない他面と接着剤とのはく離強度(強度B)との間に、
(強度A)>(強度B)
が成立することを特徴とする請求項2に記載の回路接続用支持体付接着剤である。
請求項8に記載の発明は、支持体(A)上に接着剤を配置し、さらにフィルム(B)を配置してなる支持体付接着剤において、フィルム(B)をはく離した後に、フィルム(B)の表面凹凸が接着剤に転写していることを特徴とする請求項1、請求項3または請求項6に記載の回路接続用支持体付接着剤である。
請求項9に記載の発明は、支持体(A)の片面に接着剤を配置し、それを芯管に巻いて支持体(A)の他面に接着剤を密着させた巻物状の支持体付接着剤において、支持体(A)の接着剤を形成していない他面を接着剤からはく離した後に、支持体(A)の接着剤を形成していない他面の表面凹凸が接着剤に転写していることを特徴とする請求項2または請求項7に記載の回路接続用支持体付接着剤である。
請求項10に記載の発明は、支持体(A)上に接着剤を配置してなる支持体付接着剤において、支持体(A)の厚みが10〜250μmのフィルムであることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の回路接続用支持体付接着剤である。
請求項11に記載の発明は、支持体(A)上に接着剤を配置してなる支持体付接着剤において、さらに導電粒子(d)を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の回路接続用支持体付接着剤である。
本発明の支持体付接着剤を用いることにより、圧着時に接着剤と被着体との界面から接着剤が剥離することを効果的に抑制することができ、密着性、厚み精度、取扱い性、作業性に優れより安定した接続が得られる。また、短時間接着性と接続体の信頼性の高い支持体付接着剤、接続体の接着強度の高い支持体付接着剤を得ることができる。
本発明で用いる支持体(A)は、シート状、フィルム状のものであり、厚み10〜250μmのフィルムが好ましい。また、支持体(A)の接着剤を配置する面の算術平均粗さRa(表面粗さRa)が0.1〜1μmで、かつ、最大高さRy(最大表面粗さRmax)が1〜10μmの範囲であることが好ましい。算術平均粗さRaが、0.2〜0.4μmで、かつ、最大高さRyが1.5〜3μmの範囲であることがより好ましい。支持体の接着剤を配置する面の算術平均粗さRaが1μmを超えて大きい場合、または、最大高さRyが10μmを超える場合、配置される接着剤の厚みの均一性が低下する傾向がある。支持体の接着剤を配置する面の算術平均粗さRaが0.1μm未満の場合、または、最大高さRyが1μm未満より小さい場合、被着体間の機械的固着を行うと、被着体の一部がはく離する傾向がある。
本発明で用いるフィルム(B)は、支持体(A)と同一でもよく、異なっていてもよい。本発明のフィルム(B)が、支持体(A)と異なる場合、フィルム(B)はシート状、フィルム状のものであり、厚み4〜250μmのフィルムが好ましい。
算術平均粗さRa(表面粗さ)、最大高さRy(最大表面粗さ)は表面粗さ計で測定でき、JIS B0601に定義、測定法等がある。
ポリマー(a)として、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらは接着剤にフィルム形成機能を与え、フィルム形成材として知られているものである。フィルム形成材とは、液状物を固形化し、構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の状態でフィルムとしての取扱いができるものである。
ポリマー(a)の中でも接着性、相溶性、耐熱性、機械強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子量まで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。具体的には、2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015とをアルカリ金属水酸化物の存在下において非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、樹脂の機械的特性や熱的特性の点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1としアルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下で沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で反応固形分が50重量部以下で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテルなどがある。2官能フェノール類は2個のフェノール性水酸基を持つもので、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類などが挙げられる。フェノキシ樹脂はラジカル重合性の官能基や、その他の反応性化合物により変性されていてもよい。フェノキシ樹脂は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
アクリレート(メタクリレート)の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンチニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ウレタンアクリレート類、これらのアクリレートに対応するメタクリレート等が挙げられる。これらは単独又は併用して用いることができ、必要によってはハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。また、ジシクロペンチニル基及び/又はトリシクロデカニル基および/またはトリアジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好ましい。
充填剤を含有した場合、接続信頼性等の向上が得られるので好ましい。充填剤の最大径が後述の導電粒子(d)の粒径未満であれば使用でき、5〜60体積部(接着剤樹脂成分100体積部に対して)の範囲が好ましい。60体積部を超えると信頼性向上の効果が飽和することがあり、5体積部未満では添加の効果が少ない。
カップリング剤を用いる場合の添加量は、接着剤のその他の配合の合計100重量部に対して0.5〜30重量部混合することが好ましい。カップリング剤の配合量が0.5重量部より少ない場合、実質的な添加効果が得られない傾向があり、30重量部を超える場合、支持体上に接着剤を形成した際の接着剤層の形成能力が低下し、膜厚精度が低下する傾向がある。
本発明で使用するエポキシ樹脂(e)としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールAやF、AD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂やナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物等を単独にあるいは2種以上を混合して用いることが可能である。これらのエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na+、Cl−等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロンマイグレーション防止のために好ましい。
本発明で用いるフィルム(B)と接着剤とのはく離強度(強度B)とは、フィルム(B)と接着剤との間の90°ピール強度を指す。
本発明において、強度Aと強度Bとの間に(強度A)>(強度B)が成立することが望ましい。強度Aと強度Bとの間に(強度A)≦(強度B)が成立する場合、三層型の支持体付接着剤(原反)の保管時、またはスリット後に巻き取った製品の接着剤層が、支持体の接着剤層が形成されていない面に転写する傾向がある。
これらの回路部材には接続端子が通常は多数(場合によっては単数でもよい)設けられており、前記回路部材の少なくとも1組をそれらの回路部材に設けられた接続端子の少なくとも一部を対向配置し、対向配置した接続端子間に接着剤を介在させ、加熱加圧することで対向配置した接続端子同士を電気的に接続して回路接続構造体(回路板)とする。回路部材の少なくとも1組を加熱加圧することにより、対向配置した接続端子同士は、直接接触により又は接着剤組成物中の導電粒子(d)を介して電気的に接続することができる。
(実験例1)
フィルム(B)の表面粗さの測定
本実施例で用いたフィルム(B)を以下に示した。
フィルム(B)はPETフィルムG2(帝人株式会社製)を用いた。
フィルム(B)の接着剤形成面(ロールフィルムの内面)について株式会社小阪研究所製、表面粗さ測定器SE−2300を用いて、JIS規格(JIS B0601−1994)による測定法に準じて、測定長さ0.8mm、測定速度0.1mm/secで測定した。各フィルム(B)の接着剤形成面の表面粗さを表1に纏めて示した。
[ポリマー(a)の合成]
フェノキシ樹脂(Ph−1)の合成
4,4-(9-フルオレニリデン)-ジフェノール45g、3,3',5,5'-テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル50gをN-メチルピロリジオン1000mlに溶解し、これに炭酸カリウム21gを加え、110℃で攪拌した。3時間攪拌後、多量のメタノールに滴下し、生成した沈殿物をろ取してフェノキシ樹脂(Ph−1)を75g得た。分子量を東ソー株式会社製GPC8020、カラムは東ソー株式会社製TSKgelG3000HXLとTSKgelG4000HXL、流速1.0ml/minで測定した結果、ポリスチレン換算でMn=12,500、Mw=30,300、Mw/Mn=2.42であった。
[ポリマー(a)の合成]
フェノキシ樹脂(Ph−2)の合成
窒素導入管、温度計、冷却管およびメカニカルスターラーを取り付けた2リットルの四つ口フラスコに、テトラブロモビスフェノールA(FG−2000、帝人化成株式会社製商品名)333.83g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−8125、分子蒸留品、エポキシ当量172g/当量,東都化成株式会社製商品名)205.56gおよびN,N−ジメチルアセトアミド1257gを入れ、窒素雰囲気下、均一になるまで撹拌混合した。次に、水酸化リチウム0.94gを添加し、温度を徐々に上げながら120℃で9時間反応させた。反応の追跡は、一定時間ごとに反応溶液の粘度を測定し、粘度が増加しなくなるまで反応を行った。反応終了後、反応溶液を放冷し、これに活性アルミナ(200メッシュ)約420gを加えて一晩放置した。活性アルミナを濾過して、フェノキシ樹脂のN,N−ジメチルアセトアミド溶液を得た。次いで、窒素導入管、温度計、冷却管およびメカニカルスターラーを取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、得られたフェノキシ樹脂のN,N−ジメチルアセトアミド溶液807.62g、末端カルボキシル基含有ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(Hycar CTBNX1009−SP,宇部興産株式会社製商品名)50.88gを入れ、撹拌混合しながら十分に窒素置換した。次に、窒素雰囲気下で撹拌混合し、温度を徐々に上げながら溶剤が還流する状態で8.5時間加熱した。冷却後、多量のメタノールに滴下し、生成した沈殿物をろ取してフェノキシ樹脂(Ph−2)を470g得た。
接着剤組成物(#1)の作製
ポリマー(a)として、フェノキシ樹脂(Ph−1)(Ph−1/トルエン/酢酸エチル=40/30/30重量部)溶液100重量部と、フェノキシ樹脂(Ph−2)(Ph−2/メチルエチルケトン=50/50重量部)溶液20重量部と、ラジカル重合性化合物(b)として、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート(M−215、東亞合成株式会社製商品名)30重量部と、ウレタンアクリレート(NKオリゴUA512、新中村化学工業株式会社製商品名)15重量部、ラジカル発生剤(c)として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂株式会社製商品名)5重量部、導電粒子(d)としてNi/Auめっきポリスチレン粒子(平均粒径4μm)10重量部、さらにシランカップリング剤(SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製商品名)10重量部を混合し接着剤組成物(#1)を作製した。
接着剤組成物(#2)の作製
ポリマー(a)として、フェノキシ樹脂(Ph−1)(Ph−1/トルエン/酢酸エチル=40/30/30重量部)溶液100重量部と、エポキシ樹脂(e)と潜在性硬化剤(f)の混合物としてマイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(HX3941HP、旭化成工業株式会社製商品名、エポキシ当量185)60重量部、導電粒子(d)としてNi/Auめっきポリスチレン粒子(平均粒径4μm)10重量部、その他にシランカップリング剤(SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製商品名)10重量部を混合し接着剤組成物(#2)を作製した。
支持体付き接着剤の作製
実験例4,5の接着剤組成物(#1、#2)を支持体(A)であるPETフィルム(SG−4)上に塗布して70℃、10分間乾燥させて、膜厚25μmの接着剤層を支持体上に形成した。なお、支持体(A)として用いたSG−4(PETフィルム、帝人株式会社製)の接着剤配置面の表面粗さは、Ra=0.23μm、Ry=1.7μmであった。さらに支持体(A)上に形成された接着剤の上にフィルム(B)(G2−1〜G2−10)の内面に配置し、ロール温度60℃、線圧1×104(N/m)、速度1m/分でラミネートした。このようにして支持体付接着剤(SS1〜SS20)を作製した。それぞれのフィルム(B)の接着剤を配置する面の表面粗さ及び最大表面粗さを表2に示した。
バンプ面積50μm×50μm、ピッチ100μm、高さ20μmの金バンプを配置したICチップと厚み0.7mmのガラス上にインジュウム−錫酸化物(ITO)を蒸着により形成したITO基板(表面抵抗、≦20Ω/□)とを、上記接着剤を用い、石英ガラスと加圧ヘッドで挟み、180℃、60MPa(バンプ面積換算)で3秒間加熱加圧して接続した。このとき、支持体付接着剤はあらかじめITO基板上に、フィルム(B)を除去し、支持体付接着剤の接着面を70℃、0.5MPa(バンプ面積換算)で5秒間加熱加圧して貼り付け、その後、支持体を剥離してICチップと接続した。
金めっきバンプ(50μm×50μm、バンプ高さ15μm、スペース10μm)付きICチップ(1.0mm×10mm×0.55mm)と0.7mm厚のガラスとを上述した接着剤組成物(#1、#2)をそれぞれ介在させて、200℃、100MPa(バンプ面積換算)、3秒間で接続した後、ボンドテスタ(Dyge社製)を用いて、せん断接着強度を測定した。5サンプルの平均値を求め、その結果30MPa以上のものを○、それ以下のものを×として評価し、表2に示した。
Claims (11)
- 支持体(A)上に接着剤を配置し、さらにフィルム(B)を加熱加圧して配置してなる三層型の支持体付接着剤において、フィルム(B)の接着剤と接する面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.1〜1μm、最大高さRyで1〜10μmの範囲にあり、接着剤として、フェノキシ樹脂を含有するポリマー(a)、(メタ)アクリレートを含有するラジカル重合性化合物(b)、過酸化化合物を含有するラジカル発生剤(c)を含む接着剤、または、フェノキシ樹脂を含有するポリマー(a)、エポキシ樹脂(e)、潜在性硬化剤(f)を含む接着剤を用いることを特徴とする回路接続用支持体付接着剤。
- 支持体(A)の片面に接着剤を配置し、それを芯管に巻いて支持体(A)の他面に接着剤を密着させた巻物状にし、支持体(A)の接着剤を形成していない他面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.2〜0.4μm、最大高さRyで1.5〜3μmの範囲にあり、接着剤として、フェノキシ樹脂を含有するポリマー(a)、(メタ)アクリレートを含有するラジカル重合性化合物(b)、過酸化化合物を含有するラジカル発生剤(c)を含む接着剤、または、フェノキシ樹脂を含有するポリマー(a)、エポキシ樹脂(e)、潜在性硬化剤(f)を含む接着剤を用いることを特徴とする回路接続用支持体付接着剤。
- フィルム(B)の接着剤と接する面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.2〜0.4μm、最大高さRyで1.5〜3μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の回路接続用支持体付接着剤。
- さらに支持体(A)の接着剤を配置する面の算術平均粗さRaが0.1〜1μm、最大高さRyが1〜10μmの範囲である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路接続用支持体付接着剤。
- さらに支持体(A)の接着剤を配置する面の算術平均粗さRaが0.2〜0.4μm、最大高さRyが1.5〜3μmの範囲である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路接続用支持体付接着剤。
- 支持体(A)と接着剤とのはく離強度(強度A)と、フィルム(B)と接着剤とのはく離強度(強度B)との間に、(強度A)>(強度B)が成立することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の回路接続用支持体付接着剤。
- 支持体(A)の接着剤を配置する面と接着剤とのはく離強度(強度A)と、支持体(A)の接着剤を形成していない他面と接着剤とのはく離強度(強度B)との間に、(強度A)>(強度B)が成立することを特徴とする請求項2に記載の回路接続用支持体付接着剤。
- 支持体(A)上に接着剤を配置し、さらにフィルム(B)を配置してなる支持体付接着剤において、フィルム(B)をはく離した後に、フィルム(B)の表面凹凸が接着剤に転写していることを特徴とする請求項1、請求項3または請求項6に記載の回路接続用支持体付接着剤。
- 支持体(A)の片面に接着剤を配置し、それを芯管に巻いて支持体(A)の他面に接着剤を密着させた巻物状の支持体付接着剤において、支持体(A)の接着剤を形成していない他面を接着剤からはく離した後に、支持体(A)の接着剤を形成していない他面の表面凹凸が接着剤に転写していることを特徴とする請求項2または請求項7に記載の回路接続用支持体付接着剤。
- 支持体(A)上に接着剤を配置してなる支持体付接着剤において、支持体(A)の厚みが10〜250μmのフィルムであることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の回路接続用支持体付接着剤。
- 支持体(A)上に接着剤を配置してなる支持体付接着剤において、さらに導電粒子(d)を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の回路接続用支持体付接着剤。
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