JP2011119154A - 接続方法及び接続構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた接続信頼性と接着強度を有する接続方法及び接続構造体を提供する。
【解決手段】導電粒子7を含む回路接続材料1を、第一の回路基板上21に第一の回路電極22が形成された第一の回路部材20と、第二の回路基板上31に第二の回路電極32が形成された第二の回路部材30とで、第一及び第二の回路電極を対向させた状態で挟持し、加熱及び加圧して、第一及び第二の回路部材を接合するとともに、導電粒子を介して第一及び第二の回路電極を電気的に接続させる接続方法であって、第一の回路基板の厚さが0.8mm以下、第二の回路電極の厚さが15μm以上であり、加熱及び加圧前の前記回路接続材料の厚みをT(μm)、導電粒子の平均粒子径をR(μm)、前記第一及び第二の回路電極の厚さの総和をH(μm)としたときに、下記式(1)、(2)、及び(3)を満たす接続方法。1.1≦T/R≦4.0(1)0.5≦T/H(2)1≦R≦7(3)
【選択図】図1
【解決手段】導電粒子7を含む回路接続材料1を、第一の回路基板上21に第一の回路電極22が形成された第一の回路部材20と、第二の回路基板上31に第二の回路電極32が形成された第二の回路部材30とで、第一及び第二の回路電極を対向させた状態で挟持し、加熱及び加圧して、第一及び第二の回路部材を接合するとともに、導電粒子を介して第一及び第二の回路電極を電気的に接続させる接続方法であって、第一の回路基板の厚さが0.8mm以下、第二の回路電極の厚さが15μm以上であり、加熱及び加圧前の前記回路接続材料の厚みをT(μm)、導電粒子の平均粒子径をR(μm)、前記第一及び第二の回路電極の厚さの総和をH(μm)としたときに、下記式(1)、(2)、及び(3)を満たす接続方法。1.1≦T/R≦4.0(1)0.5≦T/H(2)1≦R≦7(3)
【選択図】図1
Description
本発明は、接続方法及び接続構造体に関する。
液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)との接続、フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)とTCPとの接続、又はFPCとプリント配線板との接続といった回路部材同士の接続には、接着剤中に導電粒子を分散させた回路接続材料(例えば、異方導電性接着剤)が使用されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
また、最近では半導体シリコンチップを基板に実装する場合、回路部材同士の接続のためにワイヤボンドを使用することなく、半導体シリコンチップをフェイスダウンして基板に直接実装する、いわゆるフリップチップ実装が行われている。このフリップチップ実装においても、回路部材同士の接続には異方導電性接着剤等の回路接続材料が使用されている。
ところで、回路部材に形成された回路の高密度化が進展し、隣接する電極との間隔や電極の幅が狭くなる傾向があり、異方導電性接着剤に含有される導電粒子の粒子径が大きいと電気的接続と隣接回路間の絶縁を同時に確保することが困難となってきた。
また、近年、電子機器の小型化、薄型化に伴い、従来の回路接続時の圧力では(例えば3MPa以上)、接続時に電子機器が破損してしまう恐れが出てきた。
特許文献6〜8では、回路部材に形成された回路の高密度化及び回路自体の薄膜化に対応すべく、異方導電性接着剤の厚みと導電粒子の粒子径との比や、互いに対向する回路電極の電極高さの総和と導電粒子の粒子径との比を特定範囲内の値となるように設定した回路接続方法及び回路接続用接着剤が開示されている。
しかしながら、特許文献6〜8に記載された発明は回路電極の高さが15μm未満の場合を想定しており、回路電極の高さが15μm以上の場合には、接着剤厚みと導電粒子の粒子径との比、及び互いに対向する回路電極の電極高さの総和と導電性子の粒子径との比に着目したのでは十分な効果が得られないことが明らかとなった。
そこで本発明は、回路基板の厚さが薄く、回路電極の厚さが厚い場合であっても、優れた接続信頼性を有し、実用上十分な接着強度を有する接続構造体を得ることができる接続方法並びにその接続構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、回路接続材料の厚みと導電粒子の粒子径との比、及び導電粒子の粒子径に加えて、新たに、回路接続材料の厚みと互いに対向する回路電極の電極厚みの総和との比に着目することによって、接続する回路部材を破損する恐れのない低い圧力で接続(以下、低圧接続という)しても、互いに対向する回路電極間の良好な電気的接続と、隣接する回路電極間の絶縁を同時に得ることができ、優れた接続信頼性を有し、実用上十分な接続強度を有する接続構造体を提供することができる接続方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、導電粒子を含む回路接続材料を、第一の回路基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とで、第一及び第二の回路電極を対向させた状態で挟持し、加熱及び加圧して、第一及び第二の回路部材を接合するとともに、導電粒子を介して第一及び第二の回路電極を電気的に接続させる接続方法であって、第一の回路基板の厚さが0.8mm以下、第二の回路電極の厚さが15μm以上であり、加熱及び加圧前の回路接続材料の厚みをT(μm)、導電粒子の平均粒子径をR(μm)、第一及び第二の回路電極の厚さの総和をH(μm)としたときに、下記式(1)、(2)、及び(3)を満たす接続方法を提供する。
1.1≦T/R≦4.0 (1)
0.5≦T/H (2)
1≦R≦7 (3)
1.1≦T/R≦4.0 (1)
0.5≦T/H (2)
1≦R≦7 (3)
上記本発明に係る回路接続方法によれば、低圧接続においても、互いに対向する回路電極間の電気的接続、及び隣接する回路電極間の絶縁を同時に得ることができ、接続信頼性に優れ、実用上十分な接続強度を有する接続構造体を得ることができる。
また、上記式(2)におけるT/Hが、さらに下記式(4)を満たすことが好ましい。
T/H≦1.5 (4)
T/H≦1.5 (4)
このような条件にすることで、互いに対向する回路電極間の接続信頼性を高い水準に維持しつつ、互いに対向する回路部材間の接続強度を高くすることができる。
また、本発明に係る接続方法においては、第二の回路電極の幅が50〜250μmであり、隣接する第二の回路電極間の距離が50〜300μmであることが好ましい。本発明に係る接続方法によれば、第二の回路電極の幅が50〜250μmであり、隣接する第二の回路電極間の距離が50〜300μmであっても、互いに対向する回路電極間の良好な電気的接続と、隣接する回路電極間の絶縁を同時に得ることができ、かつ良好な接着強度を有する接続構造体を得ることができる。これにより、接続構造体の小型化も可能となる。
また、本発明に係る接続方法においては、第二の回路基板がポリイミド基板を含むことが好ましい。
また、第一の回路基板がガラス製であることが好ましい。厚さ0.8mm以下のガラス製の基板は、対向する回路部材の接合の際高い圧力をかけることが困難であるが、本発明によれば、ガラス製の基板を用いても基板が破損することなく、互いに対向する回路電極間の電気的接続を良好に行うことができる。
また、本発明に係る接続方法においては、回路接続用接着剤がフィルム状であることが好ましい。これにより、第一の回路部材と第二の回路部材との接続を容易に行うことができる。
また、本発明に係る接続方法においては、導電粒子の表面に突起が形成されていることが好ましい。これにより、低圧接続を行っても、互いに対向する回路電極間の接続信頼性に優れた接続構造体を得ることができる。
本発明は、また、第一の回路基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板上に第二の回路電極を有しており、第一及び第二の回路電極が対向するように配置された、第二の回路部材と、第一及び第二の回路部材間に配置され、第一及び第二の接続端子を電気的に接続する、導電粒子を含む回路接続材料と、を備える接続構造体であって、第一及び第二の回路部材は、回路接続材料を第一及び第二の回路部材で挟持させた状態で、加熱及び加圧させて接合されたものであり、第一の回路電極の厚さが15μm以上、第二の回路基板の厚さが0.8mm以下であり、加熱及び加圧前の回路接続材料の厚みをT(μm)、導電粒子の平均粒子径をR(μm)、第一及び第二の回路電極の厚さの総和をH(μm)としたときに、下記式(1)、(2)、及び(3)を満たす接続構造体を提供する。
1.1≦T/R≦4.0 (1)
0.5≦T/H (2)
1≦R≦7 (3)
1.1≦T/R≦4.0 (1)
0.5≦T/H (2)
1≦R≦7 (3)
本発明に係る接続構造体は、互いに対向する回路電極間の電気的接続、及び隣接する回路電極間の絶縁を同時に得ることができ、接続信頼性に優れ、実用上十分な接続強度を有する。
また、上記式(2)におけるT/Hが、さらに下記式(4)を満たすことが好ましい。
T/H≦1.5 (4)
T/H≦1.5 (4)
T/Hが、0.5≦T/H≦1.5を満たすようにして第一の回路部材と第二の回路部材とが接続された接続構造体は、互いに対向する回路電極間の接続信頼性を高い水準に維持しつつ、互いに対向する回路部材間の接続強度を高くすることができる。
本発明によれば、回路基板の厚さが薄く、回路電極の厚さが高い場合であっても、優れた接続信頼性を有し、実用上十分な接着強度を有する接続構造体を得ることができる接続方法並びにその接続構造体を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとする。
図1は、本発明に係る接続方法により得られた接続構造体の一例を示す概略断面図であり、図2は、本実施形態に係る接続方法の工程(a)〜(c)を、各工程における接続構造体の概略断面図の一例を示して説明する図である。以下、接続構造体の回路接続材料として、図3に示すように、接着剤組成物5と、導電粒子7とを含むフィルム状回路接続材料1を使用する場合の接続方法について、図1〜3を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る接続構造体40は、相互に対向する第一の回路部材20及び第二の回路部材30を備えており、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。
第一の回路部材20は、第一の回路基板21と、回路基板21の主面21a上に形成される回路電極(第一の回路電極)22とを備えている。なお、回路基板21の主面21a上には、場合により絶縁層(図示せず)が形成されていてもよい。第一の回路基板21は、厚さが0.8mm以下である。第一の回路基板21の厚さは、0.1mm〜0.8mmであることが好ましく、0.2mm〜0.7mmであることがより好ましい。厚さが0.8mmより厚いと、電子機器の小型化、薄型化の観点で好ましくない。また、厚さが0.1μmより薄いと、破損が生じ易い等の問題が生じるため、好ましくない。第一の回路基板21は、透明基板であることが好ましく、特にガラス製であることが好ましい。第一の回路電極22は、インジウム−錫酸化物又はインジウム−亜鉛酸化物のほか、チタンやクロム、モリブデンや銀といった金属からなる単膜、あるいはこれらの組み合わせからなる複膜であることが好ましい。また、第一の回路電極22の厚さ(H1)は、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。第一の回路部材20としては、具体的には、プリント配線板、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネル等が挙げられる。
一方、第二の回路部材30は、回路基板(第二の回路基板)31と、回路基板31の主面31a上に形成される回路電極(第二の回路電極)32とを備えている。また、回路基板31の主面31a上にも、場合により絶縁層(図示せず)が形成されていてもよい。第二の回路電極32の厚さ(H2)は、15μm以上である。回路形成性の観点から、厚さ(H2)は、18μm以上であることがより好ましく、接続時の樹脂充填性の観点から35μm以下であることが好ましい。第二の回路電極32の幅は、50μm〜250μmであることが好ましく、70μm〜180μmであることがより好ましい。隣接する第二の回路電極32間の距離は50μm〜300μmであることが好ましく、70μm〜250μmであることがより好ましい。第二の回路電極32の幅が上記範囲内であると、回路接続部材10に含まれる導電粒子7が第二の回路電極上に補捉されやすく、対向する回路電極22,32間の電気的接続を良好にすることができ、かつ、電子機器を小型化することができる。また、隣接する第二の回路電極32の間の距離が上記範囲内であると、回路接続部材10に含まれる導電粒子7によって隣接する回路電極の導通が生じる(ショートが発生する)ことがなく、回路電極間の絶縁を維持しながら、電子機器を小型化することができる。また、第二の回路電極32は、銅により形成され、その表面が例えばメッキにより、錫及び金で被覆されていることが好ましい。第二の回路基板31は、ポリイミド基板を含むことが好ましい。第二の回路部材30は、ポリイミド基板を含む第二の回路基板31を備えたフレキシブル配線板(FPC)であることが好ましい。
回路接続材料10は、図3に示すようなフィルム状回路接続材料1に含まれる接着剤組成物5の硬化物(以下、絶縁性樹脂11という)及び導電粒子7を含むものである。フィルム状回路接続材料1は、後にその構成材料及び作製方法を詳述するが、導電粒子7を含む接着剤組成物5をフィルム状に形成してなるものである。導電粒子7は、対向する第一の回路電極22と第二の回路電極32との間のみならず、主面21a,31a同士間にも配置されている。回路部材の接続構造においては、回路電極22,32が、導電粒子7を介して電気的に接続されている。即ち、導電粒子7が回路電極22,32の双方に直接接触している。このため、回路電極22,32の間の接続抵抗が十分に低減され、回路電極22,32間の電流の流れを円滑にすることができ、回路のもつ機能を十分に発揮することができる。
次に、接続構造体40を得るための回路部材20,30の接続方法について説明する。上述のフィルム状回路接続材料1、第一の回路部材20、第二の回路部材30を用意する。次に、図2(a)に示すように、フィルム状回路接続材料10を、第一の回路部材20の回路電極22が形成されている面(第一の回路基板の第一の主面21a)上に乗せる。なお、フィルム状回路接続材料1が支持体(図示せず)上に付着している場合には、フィルム状回路接続材料1側を第一の回路部材20に向けるようにして、第一の回路基板21の第一の主面21a上に載せる。
フィルム状回路接続材料1は、取り扱いが容易であり、被着体へ容易に設置することができ、接続作業を容易に行うことができる。フィルム状回路接続材料1は、2種以上の層からなる多層構成(図示せず)を有していてもよい。
そして、フィルム状回路接続材料1を加熱しながら、図2(a)の矢印A及びB方向に加圧し、フィルム状回路接続材料1を第一の回路部材20に仮接続する(仮接続工程)(図2(b)参照)。このとき、加熱温度は、例えば、フィルム状回路接続材料1中の接着剤組成物5に含まれる熱硬化性樹脂が硬化しない温度、すなわち硬化を開始する温度よりも低い温度とすることができる。これにより、フィルム状回路接続材料1に高い流動性が付与され、後述する本接続工程において、対向する回路電極間の接続抵抗の上昇を防止することができる。
続いて、図2(c)に示すように、第二の回路部材30を、第二の回路基板31上に形成された第二の回路電極32が、第一の回路基板21上に形成された第1の回路電極22と対向するように、第一の回路部材20に向けて、フィルム状回路接続材料1上に載せる。なお、フィルム状回路接続材料1に支持体(図示せず)が付着している場合には、支持体を剥離してから第二の回路部材30をフィルム状回路接続材料1上に載せる。
そして、フィルム状回路接続材料1を加熱しながら、図2(c)の矢印A及びB方向に加圧して、フィルム状回路接続材料1の硬化処理を行い、本接続を行う(本接続工程)。このとき、加熱温度は、例えば、フィルム状回路接続材料1中の接着剤組成物5に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する温度とすることができ、100〜250℃の温度であることが好ましい。加圧する圧力は、厚みが0.8mm以下のガラスに損傷を与えない範囲である必要があり、0.1〜2.5MPaであることが好ましい。これらの加熱及び加圧は、1秒〜60秒間の範囲で行うことが好ましい。具体的には、150〜200℃、2MPaの条件にて、15秒間の加熱及び加圧を行うことにより、回路部材20,30同士を十分に接着させることが可能である。
上記接続方法において、フィルム状回路接続材料1の厚さをT(μm)、導電粒子の平均粒子径をR(μm)、互いに対向する第一の回路電極21の厚さH1(μm)及び第二の回路電極31の高さH2(μm)の総和をH(H1+H2)(μm)とすると、T、R及びHが下記式(1)、(2)及び(3)を満たす。
1.1≦T/R≦4.0 (1)
0.5≦T/H (2)
1≦R≦7 (3)
1.1≦T/R≦4.0 (1)
0.5≦T/H (2)
1≦R≦7 (3)
上記式(1)において、T/Rが4.0より大きい場合には、低圧接続時に十分な導電粒子の扁平が得られず、良好な電気的接続ができなくなり接続抵抗値が高くなる傾向がある。また、T/Rが1.1より小さい場合には十分な接着剤厚みが得られないため接着力が低くなる傾向がある。T/Rは、本接続時に十分な粒子扁平を得る観点から、1.3以上3.9以下であることが好ましく、1.5以上3.8以下であることがより好ましい。 また、上記式(2)において、T/Hが0.5より小さい場合には接続時に接着剤が十分充填されず良好な接続が得られなくなる傾向がある。
また、上記式(3)において、Rが1未満の場合には高温高湿環境下に長時間おかれた場合に接続抵抗が増大する傾向が見られる。Rが7より大きい場合には、対向する回路電極間に導電粒子が捕捉されにくくなるため接続抵抗が高くなる傾向があり、また、隣接する回路電極間で導電粒子が連結してショートが発生する確率が高くなる傾向がある。対向する回路電極間の良好な電気的接続と、隣接する回路電極間の絶縁性確保の観点から、Rは、1.5以上6.5以下であることが好ましく、2以上6以下であることがより好ましく、2以上5.5以下であることがさらに好ましい。
また、上記式(3)において、Rが1未満の場合には高温高湿環境下に長時間おかれた場合に接続抵抗が増大する傾向が見られる。Rが7より大きい場合には、対向する回路電極間に導電粒子が捕捉されにくくなるため接続抵抗が高くなる傾向があり、また、隣接する回路電極間で導電粒子が連結してショートが発生する確率が高くなる傾向がある。対向する回路電極間の良好な電気的接続と、隣接する回路電極間の絶縁性確保の観点から、Rは、1.5以上6.5以下であることが好ましく、2以上6以下であることがより好ましく、2以上5.5以下であることがさらに好ましい。
上記式(2)におけるT/Hは、さらに下記式(4)を満たすことが好ましい。
T/H≦1.5 (4)
T/H≦1.5 (4)
T/Hが0.5以上1.5以下を満たす場合には、互いに対向する回路電極間の接続信頼性を高い水準に維持しつつ、互いに対向する回路部材間の接続強度を高くすることができる。また、T/Hは、十分な接着強度と良好な電気的接続を両立する観点から、0.55以上1.4以下であることがより好ましく、0.6以上1.3以下であることが特に好ましい。
上記接続方法により得られた接続構造体40(図1)において、回路接続材料10に含まれる平均粒子径Rが1μm以上7μm以下である導電粒子7は、対向する回路電極22,32の双方に接触することとなり、回路電極22,32間の接続抵抗を十分に低減することができる。また、上記条件式(1)及び(2)を満たすTを有する厚さフィルム状回路接続材料1の加熱により、接着剤組成物5は硬化して絶縁性樹脂11となり、第一の回路部材20と第二の回路部材30とが回路接続材料10を介して強固に接続される。すなわち、得られた接続構造体40は、第一の回路部材20又は第二の回路部材30に対する回路接続材料10の接着強度を十分に高く、電気的に接続した互いに対向する回路電極22,32間の接続抵抗が十分に低減されている。また、高温高湿環境下に長期間おかれた場合であっても、接着強度の低下及び接続抵抗の増大が十分に抑制される。
ここで、フィルム状回路接続材料1の構成材料及び作製方法について詳述する。フィルム状回路接続材料1は、接着剤組成物5と、導電粒子7とを含む。
導電粒子7は有機高分子化合物からなる核体と、核体の表面上に形成される最外層(金属層)とで構成される。核体は、中核部と、中核部の表面上に形成される核側突起部とで構成されることが好ましい。核体は、中核部の表面に中核部よりも小さな径を有する核側突起部を複数個吸着させることにより形成することができる。金属層の一部は、外側に突出して複数の突起部を形成している。金属層は、導電性を有し、ビッカス硬度が300Hv以上である金属で構成されている。なお、導電粒子の平均粒子径とは、突起部を含めた導電粒子全体の粒子径である。
その突起部の高さは50〜500nmであることが好ましく、75〜300nm以下であることがより好ましい。また、隣接する突起部間の距離が1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。突起部の高さが50nmより低い場合や、隣接する突起部間の距離が1000nmより大きい場合には電気的接続に対する突起の効果が薄れていく傾向があり、突起部の高さが500nmより大きい場合は導電粒子と第一及び第二の回路部材20,30の回路電極部との接触面積が小さくなるため接続抵抗値が高くなる傾向がある。なお、導電粒子の突起部の高さ及び隣接する突起部間の距離は、電子顕微鏡により測定することができる。
フィルム状回路接続材料1が含有する接着剤組成物5としては、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の潜在性硬化剤とを含有する組成物(以下、「第1組成物」という。)、ラジカル重合性物質と、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とを含有する組成物(以下、「第2組成物」)、又は第1組成物と第2組成物との混合組成物が好ましい。
第1組成物が含有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよい。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用してもよい。
第1組成物が含有する潜在性硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させることができるものであればよく、このような潜在性硬化剤としては、アニオン重合性の触媒型硬化剤、カチオン重合性の触媒型硬化剤、重付加型の硬化剤等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用できる。これらのうち、速硬化性において優れ、化学当量的な考慮が不要である点からは、アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤が好ましい。
アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤としては、第3級アミン類、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、オニウム塩(スルホニウム塩、アンモニウム塩等)、アミンイミド、ジアミノマレオニトリル、メラミン及びその誘導体、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらの変成物も使用することができる。重付加型の硬化剤としては、ポリアミン類、ポリメルカプタン、ポリフェノール、酸無水物等が挙げられる。
アニオン重合型の触媒型硬化剤として第3級アミン類やイミダゾール類を配合した場合、エポキシ樹脂は160℃〜200℃程度の中温で数10秒〜数時間程度の加熱により硬化する。このため、可使時間(ポットライフ)が比較的長くなるので好ましい。カチオン重合型の触媒型硬化剤としては、例えば、エネルギー線照射によりエポキシ樹脂を硬化させる感光性オニウム塩(芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が主として用いられる)が好ましい。また、エネルギー線照射以外に加熱によって活性化しエポキシ樹脂を硬化させるものとして、脂肪族スルホニウム塩等がある。この種の硬化剤は、速硬化性という特徴を有することから好ましい。
これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系又はポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜及びケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長できるため好ましい。
第2組成物が含有するラジカル重合性物質は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質である。このようなラジカル重合性物質としては、具体的には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等のオリゴマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性2官能(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性3官能(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルのグリシジル基にエチレングリコールやプロピレングリコールを付加させた化合物に(メタ)アクリロイルオキシ基を導入した化合物等の多官能(メタ)アクリレートを併用してもよい。これらの化合物は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等を併用してもよい。これらの化合物は1種を単独で使用する以外に、必要に応じて複数の化合物を混合して用いてもよい。
また、必要により硬化速度の制御や貯蔵安定性を付与するために、安定化剤を添加することもできる。このような化合物として具体的には、ベンゾキノンやハイドロキノン等のキノン誘導体、4−メトキシフェノールや4−t−ブチルカテコール等のフェノール誘導体、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルや4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のアミノキシル誘導体、テトラメチルピペリジルメタクリレート等のヒンダードアミン誘導体が好ましい。
またさらに、耐熱性の向上の観点から、アクリレート化合物がジシクロペンテニル基、トリシクロデカニル基及びトリアジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有することが好ましい。
上記マレイミド化合物は、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するものである。このようなマレイミド化合物としては、具体的には、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、4,4’−ビニリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、4,4‘−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)へキサン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記シトラコンイミド樹脂は、分子中にシトラコンイミド基を少なくとも1個有するシトラコンイミド化合物を重合させてなるものである。シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記ナジイミド樹脂は、分子中にナジイミド基を少なくとも1個有しているナジイミド化合物を重合してなるものである。ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスナジイミド、N,N’−p−フェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
また、上記ラジカル重合性物質に下記一般式(5)〜(7)で表される分子内に1つ以上のリン酸基を有するビニル化合物を併用することが好ましい。この場合、金属等の無機物表面に対する接着強度が向上するため、回路電極22、32同士の接着に好適である。
[式中、R1は(メタ)アクリロイル基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、w及びxは各々独立に1〜8の整数を示す。なお、式中、R1同士、R2同士、w同士及びx同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
分子内に1つ以上のリン酸基を有するビニル化合物として具体的には、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、2,2’−ジ(メタ)アクリロイロキシジエチルホスフェート、EO変性リン酸ジメタクリレート、リン酸変性エポキシアクリレート、リン酸ビニル等が挙げられる。
リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質として、具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート等がある。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記一般式(5)〜(7)で示されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合するフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
上記ラジカル重合性物質は、アリルアクリレートと併用することもができる。この場合、アリルアクリレートの配合量は、ラジカル重合性物質と、必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
第2組成物が含有する、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とは、加熱により分解して遊離ラジカルを発生する硬化剤である。このような硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。このような硬化剤は、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定される。高反応性とポットライフの向上の観点から、半減期10時間の温度が40℃以上、かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上、かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物がより好ましい。
上記硬化剤の配合量は、接続時間を25秒以下とする場合、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。これにより、充分な反応率を得ることができる。なお、接続時間を限定しない場合の硬化剤の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.05〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。
第2組成物が含有する、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤の具体例としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。また、回路電極22、32の腐食を抑えるという観点から、含有される塩素イオンや有機酸の濃度が5000ppm以下である硬化剤が好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ない硬化剤がより好ましい。このような硬化剤の具体例としては、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられ、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定された硬化剤がより好ましい。なお、上記硬化剤は、適宜混合して用いることができる。
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノデート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとして、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイドとしては、イソブチルパーオキサイド、2,4―ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1―(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
シリルパーオキサイドとしては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化してもよい。マイクロカプセル化した硬化剤は、可使時間が延長されるために好ましい。
本実施形態のフィルム状回路接続材料1には、必要に応じて、フィルム形成材を添加して用いてもよい。フィルム形成材とは、液状物を固形化し構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いを容易とし、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械的特性等を付与するものであり、通常の状態(常温常圧)でフィルムとしての取扱いができるものである。フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着性、相溶性、耐熱性、機械的強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は、2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子化するまで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。フェノキシ樹脂は、例えば2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015モルとをアルカリ金属水酸化物等の触媒の存在下、非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、フェノキシ樹脂としては、樹脂の機械的特性や熱的特性の観点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1とし、アルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下、沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で、反応固形分が50質量%以下の条件で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。
上記2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。2官能フェノール類は、2個のフェノール性水酸基を有するものである。2官能フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類等が挙げられる。フェノキシ樹脂は、ラジカル重合性の官能基や、その他の反応性化合物により変性(例えば、エポキシ変性)されていてもよい。フェノキシ樹脂は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態のフィルム状回路接続材料1は、更に、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びアクリロニトリルのうち少なくとも一つをモノマー成分とした重合体又は共重合体を含んでいてもよい。ここで、応力緩和に優れることから、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用することが好ましい。これらのアクリルゴムの重量平均分子量は、接着剤の凝集力を高める点から20万以上が好ましい。
本実施形態のフィルム状回路接続材料1は、更に、ゴム微粒子、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。
ゴム微粒子は、その平均粒径が、配合する導電粒子の平均粒径の2倍以下であり、且つ室温(25℃)での貯蔵弾性率が導電粒子及び接着剤組成物の室温での貯蔵弾性率の1/2以下であるものであればよい。特に、ゴム微粒子の材質が、シリコーン、アクリルエマルジョン、SBR、NBR、ポリブタジエンゴムである微粒子は、単独で又は2種以上を混合して用いることが好適である。3次元架橋したこれらゴム微粒子は、耐溶剤性が優れており、接着剤組成物中に容易に分散される。
回路接続材料に充填剤を含有させてもよい。これにより、回路電極22、32間の電気特性の接続信頼性等が向上する。充填剤は、その最大径が導電粒子の粒径の1/2以下であれば使用できる。また、導電性を持たない粒子を併用する場合には、導電性を持たない粒子の直径以下であれば使用できる。充填剤の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して5〜60体積部であることが好ましい。配合量が60体積部を超えると、接続信頼性向上効果が飽和する傾向があり、他方、5体積部未満では充填剤添加の効果が不充分となる傾向がある。
上記カップリング剤としては、ビニル基、アクリル基、エポキシ基又はイソシアネート基を含有する化合物が、接着性が向上するので好ましい。
上述のフィルム状回路接続材料1は、熱膨張係数の異なる異種の回路部材20,30の接着剤として好適に用いられる。
フィルム状回路接続材料1は、例えば、上述した接着剤組成物5及び導電粒子7を溶媒に溶解したものを支持体(PET(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)上に塗工装置を用いて塗布し、上記熱硬化性組成物が硬化しない温度で所定時間熱風乾燥することにより作製することができる。また、フィルム状回路接続材料1の厚さTは、対向する回路電極22,32の厚さの総和H(H1+H2)に依存するが、8μm〜30μmとすることが好ましく、10μm〜25μmとすることがより好ましい。厚さTが、30μmよりも厚いと、保管時に接着剤成分の支持体からの染み出しが発生しやすくなる傾向がある。また、8μmよりも薄いと、厚みの面内ばらつきの影響が大きくなるといった問題が生じ易い。
以上本発明の接続方法をその好適な実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明の接続方法及び接続構造体は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、フィルム状回路接続材料1を用いて接続構造体40を製造しているが、フィルム状回路接続材料1に代えて、ペースト状の回路接続材料を用いてもよい。この場合でも、例えば、回路接続材料をトルエン、MEK、酢酸メチル等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液を第一の回路部材20に塗布して乾燥させれば、第一及び第二の回路部材間に介在させることができる。また、接着剤組成物が常温常圧下で液状の場合は回路部材20に塗布後の乾燥工程を省略することができる。この時、回路接続材料の厚みT(μm)は、第一の回路電極22上に形成された回路接続材料の厚みT22と隣接する回路電極22の間の第一の回路基板21の主面21a上に形成された回路接続材料の厚みT21aとの平均厚みにより算出した厚みを意味する。
また、上記実施形態では、第一の回路部材20における第一の回路電極22と、第二の回路部材30における第二の回路電極32とが、全て対向配置されているが、対向配置していない回路電極及び配線が回路部材20,30に含まれていても実施は可能である。但し、第一の回路部材20と第二の回路部材30の良好な電気的接続と各隣接回路電極間の十分な絶縁性とを両立するためには、第一の回路電極22と第二の回路電極32とが、全て対向配置されていることが好ましい。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[導電粒子の作製]
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーに対して重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いて懸濁重合し、分級することにより、目的の粒径を有する導電粒子の核体を得た。得られた各核体を無電解ニッケルメッキすることにより粒径がそれぞれ3μm、5μm、6μm、8μm、10μmの導電粒子を得た。
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーに対して重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いて懸濁重合し、分級することにより、目的の粒径を有する導電粒子の核体を得た。得られた各核体を無電解ニッケルメッキすることにより粒径がそれぞれ3μm、5μm、6μm、8μm、10μmの導電粒子を得た。
[フィルム状回路接続材料の作製]
(回路接続材料1〜8)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、分子内にフルオレン環構造を有するフェノール化合物(4,4’−(9−フルオレニリデン)−ジフェニール)とからフェノキシ樹脂を合成し、この樹脂を質量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%の溶液とした。次に、ゴム成分としてアクリルゴム(ブチルアクリレート40重量部−エチルアクリレート30重量部−アクリロニトリル30重量部−グリシジルメタクリレート3重量部の共重合体、重量平均分子量80万)を用意し、このアクリルゴムを質量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分15質量%の溶液とした。
また、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、ナフタレン型エポキシ樹脂とを、質量比34:49:17で含有する液状の硬化剤含有エポキシ樹脂(エポキシ当量:202)を用意した。
上記材料を固形分質量でフェノキシ樹脂/アクリルゴム/硬化剤含有エポキシ樹脂=20g/30g/50gの割合で配合し、接着剤組成物含有液を作製した。この接着剤組成物含有液に対して粒径3μm、5μm、6μm、8μm、10μmの導電粒子をそれぞれ1.5体積%分散させて回路接続材料含有液を調製した。
そして、この回路接続材料含有液を、片面を表面処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃3分の熱風乾燥により、PETフィルム上に表1に示す厚みのフィルム状回路接続材料1〜8(実施例1〜6、比較例1〜4)を得た。
(回路接続材料1〜8)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、分子内にフルオレン環構造を有するフェノール化合物(4,4’−(9−フルオレニリデン)−ジフェニール)とからフェノキシ樹脂を合成し、この樹脂を質量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%の溶液とした。次に、ゴム成分としてアクリルゴム(ブチルアクリレート40重量部−エチルアクリレート30重量部−アクリロニトリル30重量部−グリシジルメタクリレート3重量部の共重合体、重量平均分子量80万)を用意し、このアクリルゴムを質量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分15質量%の溶液とした。
また、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、ナフタレン型エポキシ樹脂とを、質量比34:49:17で含有する液状の硬化剤含有エポキシ樹脂(エポキシ当量:202)を用意した。
上記材料を固形分質量でフェノキシ樹脂/アクリルゴム/硬化剤含有エポキシ樹脂=20g/30g/50gの割合で配合し、接着剤組成物含有液を作製した。この接着剤組成物含有液に対して粒径3μm、5μm、6μm、8μm、10μmの導電粒子をそれぞれ1.5体積%分散させて回路接続材料含有液を調製した。
そして、この回路接続材料含有液を、片面を表面処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃3分の熱風乾燥により、PETフィルム上に表1に示す厚みのフィルム状回路接続材料1〜8(実施例1〜6、比較例1〜4)を得た。
(回路接続材料9,10)
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製、商品名PKHC、平均重量分子量5,000)50gを、トルエン/酢酸エチル=50/50(質量比)の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%のフェノキシ樹脂溶液とした。
平均重量分子量800のポリカプロラクトンジオール400質量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート131質量部、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.5質量部および重合禁止剤としてのハイドロキノンモノメチルエーテル1.0質量部を攪拌しながら50℃に加熱して混合した。次いで、この混合液に、イソホロンジイソシアネート222質量部を滴下し更に攪拌しながら80℃に昇温してウレタン化反応を行った。イソシアネート基の反応率が99%以上になったことを確認した後、反応温度を下げてウレタンアクリレートを得た。
次いで、上記において調整したフェノキシ樹脂溶液から固形分質量が50g含まれるように量り取ったフェノキシ樹脂溶液と、上記ウレタンアクリレート49gと、リン酸エステル型アクリレート1gと、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としてのt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート5gとを混合して接着剤組成物含有液を得た。この接着剤組成物含有液に対して粒径3μm、5μmの導電粒子をそれぞれ1.5体積%分散させて回路接続材料含有液を調製した。
そして、この回路接続材料含有液を、片面を表面処理した厚み50μmのPETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃3分の熱風乾燥により、PETフィルム上に表1に示す厚みのフィルム状回路接続材料9、10(実施例7,8、比較例5)を得た。
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製、商品名PKHC、平均重量分子量5,000)50gを、トルエン/酢酸エチル=50/50(質量比)の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%のフェノキシ樹脂溶液とした。
平均重量分子量800のポリカプロラクトンジオール400質量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート131質量部、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.5質量部および重合禁止剤としてのハイドロキノンモノメチルエーテル1.0質量部を攪拌しながら50℃に加熱して混合した。次いで、この混合液に、イソホロンジイソシアネート222質量部を滴下し更に攪拌しながら80℃に昇温してウレタン化反応を行った。イソシアネート基の反応率が99%以上になったことを確認した後、反応温度を下げてウレタンアクリレートを得た。
次いで、上記において調整したフェノキシ樹脂溶液から固形分質量が50g含まれるように量り取ったフェノキシ樹脂溶液と、上記ウレタンアクリレート49gと、リン酸エステル型アクリレート1gと、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としてのt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート5gとを混合して接着剤組成物含有液を得た。この接着剤組成物含有液に対して粒径3μm、5μmの導電粒子をそれぞれ1.5体積%分散させて回路接続材料含有液を調製した。
そして、この回路接続材料含有液を、片面を表面処理した厚み50μmのPETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃3分の熱風乾燥により、PETフィルム上に表1に示す厚みのフィルム状回路接続材料9、10(実施例7,8、比較例5)を得た。
[接続体の作製]
上記の回路接続材料1〜9を、1.5mm幅にスリットし、電極として厚み0.2μmのITOが全面に形成されたガラス基板(全厚0.5mm)上に、80℃、5秒、1MPaの条件で、仮接続した。
その後、PETフィルムを剥離し、回路接続材料上に2層FPCを、180℃、15秒、2MPaの条件で本接続した。用いた2層FPCは銅箔回路と基材フィルムの積層に接着剤を使用しない銅箔とポリイミドフィルムとの2層構成であり、隣接電極間の距離は100μmであり、電極幅は50μmであった。電極本数は100本とした。電極は蒸着によって銅回路を作製後、表面にニッケル、金メッキを行うことにより作製した。対向する電極の高さの総和は8.2μm、15.2μm、20.2μm、25.2μmのものをそれぞれ作製した。接続体の作製に用いた回路接続材料、及び、ガラス基板と2層FPCとの組み合わせを表1に示す。
上記の回路接続材料1〜9を、1.5mm幅にスリットし、電極として厚み0.2μmのITOが全面に形成されたガラス基板(全厚0.5mm)上に、80℃、5秒、1MPaの条件で、仮接続した。
その後、PETフィルムを剥離し、回路接続材料上に2層FPCを、180℃、15秒、2MPaの条件で本接続した。用いた2層FPCは銅箔回路と基材フィルムの積層に接着剤を使用しない銅箔とポリイミドフィルムとの2層構成であり、隣接電極間の距離は100μmであり、電極幅は50μmであった。電極本数は100本とした。電極は蒸着によって銅回路を作製後、表面にニッケル、金メッキを行うことにより作製した。対向する電極の高さの総和は8.2μm、15.2μm、20.2μm、25.2μmのものをそれぞれ作製した。接続体の作製に用いた回路接続材料、及び、ガラス基板と2層FPCとの組み合わせを表1に示す。
[特性評価方法]
接続抵抗:株式会社アドバンテスト製マルチメータTR6848を用いて、隣接電極間の抵抗を1mAの定電流で測定した。
接着強度:JlS Z−0237に準拠し、90度ピールで測定した。
信頼性評価:上記接続抵抗に関して、80℃、95%RHの条件で高温高湿試験を行い、240時間後取り出して値を測定した。
ショート確立評価:
これらの測定結果を表2に示した。
接続抵抗:株式会社アドバンテスト製マルチメータTR6848を用いて、隣接電極間の抵抗を1mAの定電流で測定した。
接着強度:JlS Z−0237に準拠し、90度ピールで測定した。
信頼性評価:上記接続抵抗に関して、80℃、95%RHの条件で高温高湿試験を行い、240時間後取り出して値を測定した。
ショート確立評価:
これらの測定結果を表2に示した。
実施例1〜8はいずれも80℃95%RH240時間後に3Ω以下の良好な接続抵抗及び7N/cm以上の良好な接着強度が得られた。一方、T/Hが0.5より小さい比較例1では、接着強度が低くなった。また、T/Rが4.0よりも大きい比較例2、導電粒子の粒子径が8μmである比較例3、導電粒子の粒子径が10μmである比較例4では、接続抵抗が高くなる傾向があり、特に80℃95%RH処理後に接続抵抗が高くなる傾向が見られた。また、電極の高さの総和が8.2μmの2層FPCを用いた比較例5では、導電粒子の粒子径が7μm以下、かつ、T/Rが4.0以下、かつ、T/Hが0.5以上であるにも関わらず接続抵抗が著しく高くなった。
本発明によれば、接続する電子機器を破損する恐れの無い低圧接続においても、対向する回路電極間の電気的接続と、隣接する回路電極間の絶縁を同時に得ることができ、かつ優れた接続信頼性を有し、実用上十分な接続強度を有する接続構造体を提供することができる。
1…フィルム状回路接続材料、5…接着剤組成物、7…導電粒子、10…回路接続材料、11…絶縁性樹脂、20…第一の回路部材、21…第一の回路基板、21a…主面、22…第一の回路電極、30…第二の回路部材、31…第二の回路基板、31a、32a…主面、32…第二の回路電極。
Claims (9)
- 導電粒子を含む回路接続材料を、第一の回路基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とで、前記第一及び第二の回路電極を対向させた状態で挟持し、加熱及び加圧して、前記第一及び第二の回路部材を接合するとともに、前記導電粒子を介して前記第一及び第二の回路電極を電気的に接続させる接続方法であって、
前記第一の回路基板の厚さが0.8mm以下、第二の回路電極の厚さが15μm以上であり、加熱及び加圧前の前記回路接続材料の厚みをT(μm)、前記導電粒子の平均粒子径をR(μm)、前記第一及び第二の回路電極の厚さの総和をH(μm)としたときに、下記式(1)、(2)、及び(3)を満たす接続方法。
1.1≦T/R≦4.0 (1)
0.5≦T/H (2)
1≦R≦7 (3) - 上記式(2)におけるT/Hが、さらに下記式(4)を満たす、請求項1記載の接続方法。
T/H≦1.5 (4) - 前記第二の回路電極の幅が50〜250μmであり、隣接する前記第二の回路電極間の距離が50〜300μmである、請求項1又は2に記載の接続方法。
- 前記第二の回路部材がポリイミド基板を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の接続方法。
- 前記第一の回路基板がガラス製である請求項1〜4のいずれか一項に記載の接続方法。
- 前記回路接続材料がフィルム状である請求項1〜5のいずれか一項に記載の接続方法。
- 前記導電粒子の表面に突起が形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の接続方法。
- 第一の回路基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、
第二の回路基板上に第二の回路電極を有しており、前記第一及び第二の回路電極が対向するように配置された、第二の回路部材と、
前記第一及び第二の回路部材間に配置され、前記第一及び第二の接続端子を電気的に接続する、導電粒子を含む回路接続材料と、を備える接続構造体であって、
前記第一及び第二の回路部材は、前記回路接続材料を前記第一及び第二の回路部材で挟持させた状態で、加熱及び加圧させて接合されたものであり、
前記第二の回路基板の厚さが0.8mm以下、前記第一の回路電極の厚さが15μm以上あり、加熱及び加圧前の前記回路接続材料の厚みをT(μm)、前記導電粒子の平均粒子径をR(μm)、前記第一及び第二の回路電極の厚さの総和をH(μm)としたときに、下記式(1)、(2)、及び(3)を満たす接続構造体。
1.1≦T/R≦4.0 (1)
0.5≦T/H (2)
1≦R≦7 (3) - 上記式(2)におけるT/Hが、さらに下記式(4)を満たす、請求項8記載の接続構造体。
T/H≦1.5 (4)
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2009
- 2009-12-04 JP JP2009276556A patent/JP2011119154A/ja active Pending
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