JP4325379B2 - 回路接続材料、これを用いたフィルム状回路接続材料、回路部材の接続構造及びその製造方法 - Google Patents

回路接続材料、これを用いたフィルム状回路接続材料、回路部材の接続構造及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回路接続材料、これを用いたフィルム状回路接続材料、回路部材の接続構造及びその製造方法に関する。
従来より、液晶ディスプレイとTCP(Tape Carrier Package)、FPC(Flexible Printed Circuit)とTCP、又はFPCとプリント配線板等の回路部材同士を接続した回路部材の接続構造が知られており、このような回路部材同士の接続には、接着剤中に導電粒子を分散させた回路接続材料(例えば、異方導電性接着剤)が使用されている(例えば特許文献1〜5参照)。
一方、近年の電子機器の小型化、薄型化に伴い回路の高密度化が進んでおり、回路部材における回路電極間の間隔や回路電極の幅が非常に狭くなっており、回路電極間で高い絶縁性を確保することが困難となっている。そこで、回路部材においては、回路電極間で高い絶縁性を確保するため、回路電極間に有機絶縁性物質、二酸化珪素、窒化珪素等からなる絶縁層を設けることが必要とされている。
図7は、回路部材の接続構造の従来例を示す断面図である。図7に示すように、回路部材の接続構造100は、第一の回路部材131と、第二の回路部材141とを備えており、第一の回路部材131と第二の回路部材141は、回路接続部材150によって接続されている。第一の回路部材131は、回路基板132と、回路基板132の一面132a上に隣接して形成された回路電極133および絶縁層134とから構成され、絶縁層134の一部は、回路電極133の縁に乗り上げた形になっている。即ち絶縁層134の一部は、回路基板132の一面132aを基準として回路電極133より厚く形成されている。また第二の回路部材141は、第一の回路部材131と同様の構成であり、回路基板142と、回路基板142の一面142a上に隣接して形成された回路電極143および絶縁層144とから構成され、絶縁層144の一部は回路電極143の縁に乗り上げた形となっている。一方、回路接続部材150においては、例えばベンゾグアナミン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層を形成した導電粒子152が絶縁性物質151中に分散しており、導電粒子152は、対向する回路電極133,143間のみならず、対向する絶縁層134,144間にも存在している。
特開昭59−120436号公報 特開昭60−191228号公報 特開平1−251787号公報 特開平7−90237号公報 特開2001−189171号公報
しかしながら、前述した従来の回路部材の接続構造100は、以下に示す課題を有していた。
即ち図7に示す回路部材の接続構造100においては、対向する回路電極133,143間の接続抵抗が大きくなると共に、電気特性の長期信頼性が不十分であるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、対向する回路電極間の接続抵抗を十分に低減でき、且つ回路部材の接続構造における電気特性の信頼性を長期間にわたって維持させることができる回路接続材料、これを用いたフィルム状回路接続材料、回路部材の接続構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記課題が生じる原因が特に導電粒子にあることを見出した。即ち本発明者等は、導電粒子が、絶縁層同士間に挟まれ、導電粒子が、対向する回路電極133,143の双方に十分に接触できず、その結果、対向する回路電極133,143間の接続抵抗が大きくなることを見出した。そして、本発明者等は、回路部材において絶縁層が回路電極よりも厚く形成されていることを前提とした上で、上記課題を解決すべく更に鋭意研究を重ねた結果、硬化処理により40℃での貯蔵弾性率及び25〜100℃における平均熱膨張係数が特定の範囲となり、且つ、導電粒子の粒径及び粉砕する時の扁平率が特定の範囲にある回路接続材料を用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極及び第一の絶縁層が隣接して形成された第一の回路部材と、第一の回路部材に対向して設けられ、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極及び第二の絶縁層が隣接して形成された第二の回路部材と、第一の回路部材の主面と第二の回路部材の主面との間に設けられ、第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材とを備え、第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において絶縁層の少なくとも一部が主面を基準として回路電極より厚く形成されている回路部材の接続構造における、回路接続部材を形成するための回路接続材料であって、接着剤組成物、及び粒径が10μm以下の導電粒子を含有し、該導電粒子の下記式(1)で示される扁平率Xが、下記式(2)で示されるパラメータD以下であり、硬化処理により40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaとなり、硬化処理により25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃となることが可能であることを特徴とする。
X=100×{(A−R)/A} (1)
D=100×{(A−B)/A} (2)
[式(1)及び(2)中、Aは導電粒子の粒径(μm)を示し、Rは導電粒子を圧縮して粉砕する時の圧力方向に沿った粒径(μm)を示し、Bは回路部材の接続構造において対向する第一及び第二の絶縁層間の最小距離(μm)を示す。]
なお、上記粉砕とは、導電粒子が複数の粒子に分かれることを言う。従って、例えば、導電粒子が2つに割れることも本発明の粉砕に含まれる。
この回路接続材料を、第一及び第二の回路部材の間に介在させ、第一及び第二の回路部材を介して、導電粒子の扁平率XがパラメータD以下となるように加圧すると共に、加熱して硬化処理すると、絶縁層とそれに対向する回路電極との間、又は対向する絶縁層間に導電粒子が挟まれても、導電粒子は粉砕し、その結果、対向する回路電極間の距離を十分に小さくすることができる。このため、対向する回路電極間の接続抵抗を十分に低減することが可能となる。また、対向する絶縁層間に挟まれる導電粒子が粉砕されると共に、回路接続材料の硬化処理により、第一の回路部材と第二の回路部材とが強固に接続されることにより第一の回路電極と第二の回路電極との間の距離の経時的変化が十分に低減される。このため、回路部材の接続構造において、電気特性の信頼性を長期間にわたって維持させることが可能となる。
また本発明は、上記回路接続材料をフィルム状に形成してなることを特徴とするフィルム状回路接続材料である。
このフィルム状回路接続材料はフィルム状であり、取扱いが容易である。このため、このフィルム状回路接続材料によれば、第一の回路部材と第二の回路部材とを接続する際に、それらの間に容易に介在させることができ、第一の回路部材と第二の回路部材との接続作業を容易に行うことができる。
また本発明は、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極及び第一の絶縁層が隣接して形成された第一の回路部材と、第一の回路部材に対向して設けられ、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極及び第二の絶縁層が隣接して形成された第二の回路部材と、第一の回路部材の主面と第二の回路部材の主面との間に設けられ、第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材とを備え、第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において、絶縁層の少なくとも一部が回路基板の主面を基準として回路電極より厚く形成されている回路部材の接続構造であって、回路接続部材が、絶縁性物質と、粒径が10μm以下である導電粒子と、導電粒子の粒径よりも小さい粒径を有する粒子とを含有し、導電粒子の下記式(1)で示される扁平率Xが下記式(2)で示されるパラメータD以下であり、回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaであり且つ25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃であり、第一の回路電極と第二の回路電極とが、導電粒子を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
X=100×{(A−R)/A} (1)
D=100×{(A−B)/A} (2)
[式(1)及び(2)中、Rは導電粒子を圧縮して粉砕する時の圧力方向に沿った粒径(μm)を示し、Bは回路部材の接続構造において対向する第一及び第二の絶縁層間の最小距離(μm)を示す。]
この回路部材の接続構造によれば、第一の回路電極と第二の回路電極とが導電粒子を介して電気的に接続されているため、第一及び第二の回路電極間の接続抵抗が十分に低減される。また、この回路部材の接続構造によれば、回路接続部材が導電粒子より小さい粒径を有する粒子を有し、回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaであり且つ25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃であることにより、電気特性の信頼性を長期間にわたって維持することができる。
また、本発明は、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極及び第一の絶縁層が隣接して形成された第一の回路部材と、第一の回路部材に対向して設けられ、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極及び第二の絶縁層が隣接して形成された第二の回路部材と、第一の回路部材の主面と第二の回路部材の主面との間に設けられ、第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材と、を備え、第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において、絶縁層の少なくとも一部が回路基板の主面を基準として回路電極より厚く形成されている回路部材の接続構造の製造方法であって、第一の回路基板の主面と第二の回路基板の主面との間に上記フィルム状回路接続材料を配置し、第一及び第二の回路部材を介して回路接続材料を加熱及び加圧して第一及び第二の絶縁層間に挟まれた導電粒子を粉砕すると共に硬化処理することにより、第一の回路部材と第二の回路部材とを接続し、第一の回路電極と第二の回路電極とを導電粒子を介して電気的に接続させることを特徴とする。
この回路部材の接続構造の製造方法によれば、上記回路接続材料を、第一の回路部材と第二の回路接続部材との間に配置し、第一及び第二の回路部材を介して、扁平率XがパラメータD以下になるように加圧すると共に、加熱して硬化処理すると、絶縁層とそれに対向する回路電極との間、又は対向する絶縁層間に導電粒子が挟まれても、その導電粒子が、加圧に伴って粉砕し、その結果、対向する回路電極間の距離を十分に小さくして導電粒子を第一及び第二の回路電極に十分に接触させることができる。このため、対向する回路電極間で接続抵抗を十分に低減できる。また、上記製造方法によれば、対向する絶縁層間に挟まれる導電粒子が粉砕されると共に、回路接続材料の硬化処理により、第一の回路部材と第二の回路部材とが強固に接続される。このため、第一の回路電極と第二の回路電極との間の距離の経時的変化を十分に低減でき、電気特性の信頼性を長期間にわたって維持できる回路部材の接続構造を得ることができる。
本発明の回路接続材料、回路部材の接続構造及びその製造方法によれば、対向する回路電極間の接続抵抗を十分に低減することができる。また、回路部材の接続構造において、電気特性の信頼性を長期間にわたって維持させることが可能となる。
また本発明のフィルム状回路接続材料によれば、上記効果に加えて第一の回路部材と第二の回路部材とを接続する際に、それらの間に容易に介在させることができ、第一の回路部材と第二の回路部材との接続作業を容易に行うことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
[回路部材の接続構造の実施形態]
先ず、本発明に係る回路部材の接続構造について説明する。
図1は本発明に係る回路部材の接続構造の第1実施形態を示す概略断面図であり、図2は図1の部分拡大図である。図1及び2に示すように、本実施形態の回路部材の接続構造1は、相互に対向する第一の回路部材30及び第二の回路部材40を備えており、第一の回路部材30と第二の回路部材40との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。
第一の回路部材30は、回路基板(第一の回路基板)31と、回路基板31の主面31a上に形成される回路電極(第一の回路電極)32と、回路基板31の主面31a上に形成される絶縁層(第一の絶縁層)33とを備えている。回路電極32と絶縁層33は、回路基板31上において相互に隣接して形成されている。ここで、絶縁層33の両縁部33aは、回路電極32の縁に乗り上がった状態となっている。即ち、絶縁層33の両縁部33aは、回路基板31の主面31aを基準として回路電極32の中央部よりも厚く形成されている。なお、このとき絶縁層33の縁部33aの厚さは、回路基板31の主面31aから絶縁層33の縁部33aの表面までの距離をいい、この距離が絶縁層33の最大厚さとなる。
一方、第二の回路部材40は、回路基板(第二の回路基板)41と、回路基板41の主面41a上に形成される回路電極(第二の回路電極)42と、回路基板41の主面41a上に形成される絶縁層(第二の絶縁層)43とを備えている。なお、絶縁層43の両縁部43aが、回路電極42の縁に乗り上がっており、回路基板41の主面41aを基準として回路電極42よりも厚く形成されている点については第一の回路部材30の場合と同様である。
そして、第一の回路部材30と第二の回路部材40とが対向した状態では、絶縁層33の縁部33aと絶縁層43の縁部43aとの間の間隔は、回路電極32と回路電極42との間の間隔よりも狭くなっている。
また回路接続部材10においては、それを構成する材料の40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaであり、25℃から100℃までの平均熱膨張係数は30〜200ppm/℃である。また回路接続部材10は、絶縁性物質11、導電粒子12、及び粒子13を含有している。
導電粒子12は、対向する回路電極32と回路電極42との間に配置されている。粒子13は、主として絶縁層33の縁部33aと絶縁層43の縁部43aとの間に配置されている。これは、回路部材30,40同士を回路接続材料を用いて接続する際に、縁部33a,43a間に導電粒子12が存在していると、回路接続材料の加圧に伴い導電粒子12が粉砕して粒子13が生成することに起因する。なお、粒子13は、絶縁層33の縁部33aと絶縁層43の縁部43aとの間のみならず、回路電極32と回路電極42との間、および絶縁層33と絶縁層43との間に配置されることもある。
ここで、導電粒子12は、粒径が10μm以下である。導電粒子12の粒径が10μmを超えると、高密度な回路を有する回路部材への適用が困難となる。なお、導電粒子12の粒径は、好ましくは1μm以上である。導電粒子12の粒径が1μm未満の場合は、導電粒子12が小さすぎて回路電極32,42の双方に接触できなくなり、電気的接続が十分に確保できなくなる傾向にある。
また下記式(1)で示される導電粒子12の扁平率Xは、下記式(2)で示されるパラメータD以下である。
X=100×{(A−R)/A} (1)
D=100×{(A−B)/A} (2)
上記式(1)及び(2)中、Aは導電粒子12の粒径(μm)を示し、Rは導電粒子12を圧縮して粉砕する時の圧力方向に沿った粒径(μm)を示し、Bは、対向する第一及び第二の絶縁層間の最小距離(μm)を示す。なお、導電粒子12を圧縮して粉砕する時の圧力方向に沿った粒径Rは、微少圧縮試験器(Fisher社製、Fisherscope H−100)を用いて測定することができる。
また、粒子13の粒径は、導電粒子12の粒径よりも小さくなっている。これは、粒子13が、導電粒子12を粉砕して得られることに起因する。
更に、回路部材の接続構造1においては、回路電極32,42が、導電粒子12を介して電気的に接続されている。即ち、導電粒子12が回路電極32,42の双方に直接接触している。
この回路部材の接続構造1においては、上述したように、対向する回路電極32と回路電極42とが導電粒子12を介して電気的に接続されている。このため、回路電極32,42間の接続抵抗が十分に低減される。従って、回路電極32,42間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を十分に発揮することができる。また回路接続部材10が上記のように構成されていることで、回路部材30又は40と回路接続部材10との界面の応力緩和により、高い接着強度が実現され、且つその状態を長期間にわたって持続させることが可能となる。即ち、回路電極32,42間の距離の経時的変化が十分に防止され、回路電極32,42間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることが可能となる。
なお、上記回路接続部材10を構成する材料の40℃における貯蔵弾性率が0.5GPa未満の場合は、接着強度が不十分となり、3GPaを超えると、内部応力によって回路電極32,42間の接続抵抗が増大したり、回路接続部材10が回路部材30又は40から剥離したりする。また、上記平均熱膨張係数が30ppm/℃未満の場合は、接着強度が不十分となり、200ppm/℃を超えると、内部応力によって回路電極32,42間の接続抵抗が増大したり、回路接続部材10が回路部材30又は40から剥離したりする。
また、導電粒子12の扁平率XがパラメータDより大きいと、導電粒子12が双方の回路電極32,42に十分に接触されず、回路電極32,42間の接続抵抗が十分に低減されなくなる。
更に、粒子13の弾性反発力が導電粒子12の弾性反発力の1/10を超えた場合も、導電粒子12の扁平率XがパラメータDより大きい場合と同様、導電粒子12が双方の回路電極32,42に十分に接触されず、回路電極32,42間の接続抵抗が十分に低減されなくなる。
上記最小距離Bは、下記式(3)の条件を満たすことが好ましい。
C<B≦(A×0.9) (3)
上記式(3)中、Cは、絶縁層33の最大厚さと回路電極32の厚さとの差D1(μm)、及び絶縁層43の最大厚さと回路電極42の厚さとの差D2(μm)の合計である。
この最小距離Bが(A×0.9)を超えると、導電粒子12が回路電極32,42の双方に接触することが困難となり、回路電極32,42間の接続抵抗を充分に低減することが困難となる傾向がある。他方、最小距離BがC以下であると、回路電極32,42間に挟まれた導電粒子まで粉砕し、回路電極32,42間の十分な電気的接続が達成されなくなる傾向がある。上記最小距離Bは、導電粒子12の粒径Aの20〜80%であることがより好ましい。この場合、導電粒子12は粉砕せずに扁平する。従って、導電粒子12と回路電極32,42との接触面積が大きくなり、回路電極32,42間の接続抵抗が一層低減される。
また、Cは、下記式(4)の条件を満たす。但し、絶縁層33,43の最大膜厚が、回路電極32,42の膜厚よりも小さい場合には差D1,D2の値は0として、取り扱う。
0.05≦C<9 (4)
上記Cの値が9μmを超えると、導電粒子12が回路電極32,42の双方に接触することが困難となり、回路電極32,42間の接続抵抗を充分に低減することが困難となる傾向がある。他方、Cが0.05μm未満の場合には、上記のように回路電極32,42間の接続抵抗の問題は発現しない傾向がある。
また、導電粒子12は、1.961〜6.865GPaの弾性反発力(硬度)を有することが好ましい。導電粒子12の弾性反発力が6.865GPaを超える場合、導電粒子12と回路電極32,42との接触面積が減少して接続抵抗が上昇し、対向する回路電極32,42間の電気的接続が十分に確保できなくなることがある。他方、導電粒子12の弾性反発力が1.961GPa未満の場合は、高温高湿時における回路電極32,42間の間隔の変動に導電粒子12が追随できないため、回路電極32,42間の接続抵抗が十分に低減されなくなることがある。ここで、導電粒子12の弾性反発力は、導電粒子を微少圧縮試験器(Fisher社製、Fisherscope H−100)を用いて、導電粒子をその粒径が所定量減少するように変形させたときの加重P(MPa,Kgf)、導電粒子の半径r(mm)及び圧縮の際の変位Δ(mm)から下記式(6)により求めることができる。
導電粒子の弾性反発力=(3/√2)×P×Δ(-3/2)×r(-1/2) (6)
次に、導電粒子12の構成について詳細に説明する。図3(a)及び(b)は、導電粒子12の種々の形態を示す断面図である。図3(a)に示すように、導電粒子12は、有機高分子からなる核体12aと、この核体12a上に形成された金属層12bとから構成されている。かかる形態の導電粒子12においては、導電粒子12の扁平率Xは核体12aの扁平率にほぼ支配される。そして、核体12aの扁平率は、材料である有機高分子の構造、架橋点間距離、架橋度等に依存する。従って、導電粒子12の粉砕する扁平率Xを上記範囲とするためには、後述する有機高分子の材料、構造等の要素を適宜選択すればよい。
核体12aを構成する有機高分子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。上記有機高分子は、上記の樹脂を構成するモノマーに基づく繰り返し単位のうちの少なくとも2種以上を任意に組合せた構造を有する共重合体でもよい。中でも、ベンゾグアナミン、アクリル酸エステル、ジアリルフタレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンからなる群より選ばれる少なくとも2種以上を共重合させて得られるものが好ましい。
ベンゾグアナミンは、分子中に剛直な構造を有しその架橋点間距離も短いため、共重合体中においてこのような分子に基づくモノマー単位の含有率を高くするほど、硬い核体12a、ひいては硬い導電粒子12が得られる。また有機高分子の架橋度を高くすることによっても、硬い導電粒子12が得られる。
一方、アクリル酸エステル、ジアリルフタレートにおいては、架橋点間距離が長くなるため、共重合体中のこのような分子に基づく繰り返し単位の含有率を高くするほど柔らかい核体12a、ひいては柔らかい導電粒子12が得られる。また、有機高分子の架橋度を低くすることによっても、柔らかい導電粒子12が得られる。
上記のように、核体12aを構成する有機高分子、その架橋点間距離、架橋度を適宜選択することにより、上記扁平率Xを有する導電粒子12を得ることができる。
さらに上記の中でも、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンを共重合させて得られる共重合体がより好ましい。テトラメチロールメタンテトラアクリレートは架橋点間距離が長く、ビニルベンゼン及びスチレンは剛直な分子構造を有する。従って、それらの共重合比を調節することで、得られる核体12aの扁平率Xを容易に調節することができる。
また核体12aは、その中心部が気体や液体で満たされた中空構造であることが好ましい。この理由は次の通りである。すなわち、核体12aが中実構造であると、導電粒子12の破砕により生成される断片は異物となり、この異物が存在すると、接着剤の凝集力が低下し、接着強度を低下するおそれがある。また、異物の存在により、異物となる導電粒子12の断片と接着剤との間に新たに界面が形成され、界面に浸入する水分により接着剤の絶縁性が損なわれるおそれもある。しかし、上記のように核体12aが中空構造であると、異物となる導電粒子12の断片の体積が、核体12aが中実構造である場合に比べて低下するため、接着強度の低下を十分に防止できると共に、接着剤の絶縁性が損なわれるという事態も十分に防止することができる。
核体12aの中心部を満たす液体は、エポキシ樹脂又はアクリレート樹脂であることが好ましい。この場合、導電粒子12の粉砕後に内部のエポキシ樹脂又はアクリレート樹脂が、接着剤組成物であるエポキシ樹脂又はアクリレート樹脂と反応するため、接着剤の均質性が増し、得られる回路部材の接続構造1において、接着剤の接着強度及び回路接続部材10の絶縁性の低下を十分に防止することができる。
核体12a上に形成される金属層12bは、例えば銅、ニッケル、ニッケル合金、銀又は銀合金で構成され、金属層12bは、これら金属を核体12aに対し無電解メッキ法を用いてメッキすることにより形成することができる。ここで、ニッケル合金は、メッキ浴中に配合される添加剤により種々のものがあり、よく知られているのはニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の合金である。なお、銀合金についても同様のものがある。金属層12bの厚さ(メッキ厚み)は、好ましくは50nm〜170nmであり、より好ましくは50nm〜150nmである。厚さが50nm未満では、メッキの欠損(剥がれ)等が発生して接続抵抗が大きくなる傾向があり、170nmを超えると、導電粒子12間で凝結が発生し、隣接する回路電極間で短絡が生じる傾向がある。
また導電粒子12は、図3(b)に示すように金属層12bの上に最外層12cを更に備えてもよい。最外層12cは、金又はパラジウムで構成され、これらは金属層12b上に置換メッキにより形成することができる。この最外層12cを設けることにより、回路電極32,42間において、さらに良好な接続抵抗が達成できる。即ち接続抵抗を十分に低減することができる。最外層12cの厚さは15〜70nmであることが好ましい。厚さが15nm未満の場合にはメッキの欠損により接続抵抗を十分に低減することが困難となる傾向がある。他方、厚さが70nmを超える場合には、良好な接続抵抗は達成できるが、用いるメッキ液量が相乗的に増加するため非常に製造コストが高くなる傾向がある。また、最外層12cを設けた場合、金属層12bの厚さは70〜170nmが好ましい。厚さが70nm未満では、メッキの欠損(剥がれ)等が発生して接続抵抗が大きくなる傾向があり、170nmを超えると、隣接する回路電極間で短絡が生じる傾向がある。
また、上記回路部材の接続構造1においては、上記第一の回路部材30において絶縁層33の縁部33aの厚さと回路電極32の中央部の厚さとの差D1が50〜600nmであり、第二の回路部材40において絶縁層43の縁部43aの厚さと回路電極42の厚さとの差D2が50〜600nmである場合に、対向する回路電極32,42間の接続抵抗の低減効果が特に顕著になる。
絶縁層33,43は、絶縁材料で構成されていれば特に制限されないが、通常は有機絶縁性物質、二酸化珪素又は窒化珪素から構成される。また、回路電極32,42は通常、その全体が金、銀、錫、白金族の金属又はITO(インジウム−錫酸化物)で構成されているが、回路電極32,42は、表面のみを上記物質で構成してもよい。更に回路基板31,41の材質は特に制限されないが、通常は有機絶縁性物質、ガラス又はシリコンである。
上記回路部材の接続構造1においては、第一及び第二の回路部材30,40のそれぞれにおける回路電極32,42の面積が15000μm以下であり、対向する回路電極32,42間における平均導電粒子数が3個以上であることが好ましい。ここで、平均導電粒子数とは、回路電極1つあたりの導電粒子数の平均値をいう。この場合、対向する回路電極32,42間の接続抵抗をより十分に低減することができる。また、平均導電粒子数が6個以上である場合には、さらに良好な接続抵抗を達成できる。これは、対向する回路電極32,42間の接続抵抗が十分に低くなるからである。また回路電極32,42間における平均導電粒子数が3個未満、即ち2個以下の場合には、接続抵抗が高くなりすぎ、電子回路が正常に動作しなくなる虞がある。また平均導電粒子数は、300個以下であることが好ましい。平均導電粒子数が300個を超えると、隣接する回路電極32又は42間に存在する導電粒子12同士が接触し、隣接する回路電極32又は42間の絶縁性を損なう虞がある。
また上記回路部材の接続構造1においては、回路接続部材10のガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましい。ガラス転移温度が60℃未満の場合には、高温下で、接着強度が低下し、接続抵抗が上昇する傾向があり、200℃を超える場合には、回路接続部材10にクラックが発生して、第一又は第二の回路部材30,40との界面応力が大きくなり、接着強度が低下する傾向がある。
第一の回路部材30及び第二の回路部材40の具体例としては、半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板が挙げられる。これらの回路部材には、回路電極(回路端子)が通常は多数(場合によっては単数でもよい)設けられている。また、接続構造の形態としては、ICチップとチップ搭載基板の接続構造、電気回路相互の接続構造の形態もある。特に、回路部材がICチップである場合には、接続構造の製造工程においてバンプを形成しなくても、回路電極間に十分な電気的接続を確保することができるため、接続構造の製造工程においてバンプ形成工程を省略でき、製造コスト及び製造時間を大きく低減することができる。
[回路部材の接続構造の製造方法]
次に、上述した回路部材の接続構造1の製造方法について説明する。
先ず、上述した第一の回路部材30と第二の回路部材40を用意する。
一方、フィルム状に成形してなる回路接続材料(以下、フィルム状回路接続材料と言う)50を用意する(図4参照)。フィルム状回路接続材料50としては、第一の回路部材30及び第二の回路部材40に対して硬化処理により硬化する接着剤組成物51と、上述した導電粒子12とを含有し、且つ硬化処理により40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaとなり、25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃となるものを用いる。フィルム状回路接続材料50の詳細については後述する。フィルム状回路接続材料50の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。フィルム状回路接続材料50の厚さが10μm未満では、回路接続材料が充填不足となる傾向があり、50μmを超えると、回路電極32,42間の接着剤組成物を十分に排除しきれなくなり、回路電極32,42間の導通の確保が困難となる傾向がある。
次に、第一の回路部材30の上に、フィルム状回路接続材料50を載せる。続いて、第二の回路部材40を、フィルム状回路接続材料50の上に載せる。こうして、第一の回路部材30と第二の回路部材40との間に、フィルム状回路接続材料50を配置する。このとき、フィルム状回路接続材料50はフィルム状であり、取扱いが容易である。このため、第一の回路部材30と第二の回路部材40との間にフィルム状回路接続材料50を容易に介在させることができ、第一の回路部材30と第二の回路部材40との接続作業を容易に行うことができる。
次に、第一の回路部材30及び第二の回路部材40を介してフィルム状回路接続材料50を図5の矢印A及びB方向に加熱加圧して硬化処理し(図5参照)、第一及び第二の回路部材30,40の間に回路接続部材10を形成する(図1参照)。
このとき、絶縁層の縁部33a,43aの間に挟まれている導電粒子が絶縁層の縁部33a,43aによって粉砕されるようにフィルム状回路接続材料50を加圧する。
また、硬化処理は、回路接続部材10の40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaとなり且つ25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃となるように行う。硬化処理の際の温度は、一般的な温度で行うことが可能であり、その温度は接着剤組成物により適宜選択される。
上記のようにフィルム状回路接続材料50を加熱加圧して硬化処理すると、フィルム状回路接続材料50中の導電粒子12が、対向する絶縁層43の縁部43aと絶縁層33の縁部33aとの間に挟まれて粉砕するため、回路電極32と回路電極42との間の距離を十分に小さくすることが可能となる。従って、導電粒子12を対向する回路電極32,42の双方に接触させることが可能となり、回路電極32,42間の接続抵抗を十分に低減することができる。
また、フィルム状回路接続材料50の加熱により、回路電極32と回路電極42との間の距離を十分に小さくした状態で接着剤組成物51が硬化し、回路接続部材10の40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaとされ且つ25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃とされることにより、第一の回路部材30と第二の回路部材40とが回路接続部材10を介して強固に接続される。また対向する絶縁層33,43間に挟まれる導電粒子12が粉砕される。このため、高温高湿の環境下においても、回路接続部材10の膨張による回路電極32と回路電極42との間の距離の経時的変化を十分に小さくすることができ、得られる回路部材の接続構造1において、電気特性の信頼性を長期間にわたって維持することができる。
フィルム状回路接続材料に加える圧力は、1〜7MPaとすることが好ましい。圧力が1MPa未満では、対向する絶縁層33,42間に存在する導電粒子12を十分に粉砕できず、回路電極32,42間の接続抵抗を十分に低減できなくなる傾向があり、7MPaを超えると、対向する回路電極32,42間に配置された導電粒子12までもが粉砕し、回路電極32,42間の接続抵抗が増加する傾向がある。
また、このとき、絶縁層33,43間の最小距離、即ち縁部43a,33a間の距離Bが下記式:
C<B≦(A×0.9) (3)
を満たすようにすることが好ましい。
上記式(3)中、Cは、絶縁層33の最大厚さと第一の回路電極32の厚さとの差(μm)、及び絶縁層43の最大厚さと第二の回路電極42の厚さとの差(μm)の合計であり、下記式:
0.05≦C<9 (4)
の条件を満たす。
上記導電粒子12において、核体12aが中空構造である場合には、その中心部、即ち内部空間が気体や液体で満たされていることが好ましい。中空構造の核体12aは粉砕後の残渣が少なく、残渣が回路部材の接続の際に悪影響を及ぼす可能性が低くなる。例えば核体12aの中心部を満たす液体がエポキシ樹脂又はアクリレート樹脂である場合、粉砕後に内部のエポキシ樹脂又はアクリレート樹脂が、接着剤組成物であるエポキシ樹脂又はアクリレート樹脂と反応するため、接着剤の均一性が増し、得られる回路部材の接続構造1において、接着剤の接着強度及び回路接続部材10の絶縁性を十分に維持することができる。
なお、上記実施形態では、フィルム状回路接続材料50を用いて回路部材の接続構造を製造しているが、フィルム状回路接続材料50に代えて、後述する回路接続材料を用いてもよい。この場合でも、回路接続材料を溶媒に溶解させ、その溶液を、第一の回路部材30又は第二の回路部材40のいずれかに塗布し乾燥させれば、第一及び第二の回路部材30,40間に回路接続材料を介在させることができる。
[回路接続材料]
次に、上述したフィルム状回路接続材料50の構成について詳細に説明する。
フィルム状回路接続材料50は、回路接続材料をフィルム状に成形してなるものであり、回路接続材料は、上述した導電粒子12と、接着剤組成物51とを含有し、硬化処理により40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPa(より好ましく0.7〜2GPa)となり且つ25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃となることが可能な材料で構成されている。
硬化処理により40℃における貯蔵弾性率が0.5GPa未満となる回路接続材料では、接着強度が不十分となり、他方、硬化処理により40℃における貯蔵弾性率が3GPaを超える回路接続材料では、内部応力によって回路電極32,42間の接続抵抗が増大したり、回路接続部材10が第一の回路部材30又は第二の回路部材40から剥離したりする。また、硬化処理により上記平均熱膨張係数が30ppm/℃未満となる回路接続材料では、接着強度が不十分となり、硬化処理により上記平均熱膨張係数が200ppm/℃を超える回路接続材料では、内部応力によって回路電極32,42間の接続抵抗が増大したり、回路接続部材10が第一の回路部材30又は第二の回路部材40から剥離したりする。
また回路接続材料は、硬化処理によりガラス転移温度が60〜200℃となるものが好ましく、60〜180℃となるものがより好ましい。硬化処理によってガラス転移温度が60℃未満となる回路接続材料では、回路部材の接続構造1において、高温における接着強度の低下、接続抵抗の上昇が起こる傾向があり、硬化処理によりガラス転移温度が200℃を超える回路接続材料では、高温且つ長時間で硬化させることとなるため、回路接続部材10における内部応力が増大し、クラックが発生することがある。また回路部材30又は40との界面応力が大きくなるため回路接続部材10による接着強度が低下する傾向がある。
回路接続材料中に含まれる接着剤組成物は接着性を有し、第一及び第二の回路部材30,40に対する硬化処理により硬化する。また、接着剤組成物は、硬化処理により40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPa(より好ましく0.7〜2GPa)となり且つ25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃となるものであれば如何なるものでもよいが、このような接着剤組成物としては、一般的に高い接着強度が得られ、耐熱性も比較的高いという理由から、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の潜在性硬化剤とを含有する組成物が好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよい。また、これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂の潜在性硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させることができるものであればよく、このような潜在性硬化剤としては、アニオン重合性の触媒型硬化剤、カチオン重合性の触媒型硬化剤、重付加型の硬化剤等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用できる。これらのうち、速硬化性において優れ、化学当量的な考慮が不要である点からは、アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤が好ましい。
アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤としては、例えば、第3級アミン類、イミダゾール類、ヒドラジド系化合物、三フッ化ホウ素−アミン錯体、オニウム塩(スルホニウム塩、アンモニウム塩等)、アミンイミド、ジアミノマレオニトリル、メラミン及びその誘導体、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらの変成物も用いることが可能である。重付加型の硬化剤としては、ポリアミン類、ポリメルカプタン、ポリフェノール、酸無水物等が挙げられる。
アニオン重合性の触媒型硬化剤として第3級アミン類やイミダゾール類を用いた場合、エポキシ樹脂は160℃〜200℃程度の中温で数10秒〜数時間程度の加熱により硬化する。このために可使時間(ポットライフ)が比較的長いので好ましい。
カチオン重合性の触媒型硬化剤としては、エネルギー線照射によりエポキシ樹脂を硬化させる感光性オニウム塩(芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が主として用いられる)が好ましい。また、エネルギー線照射以外に加熱によって活性化しエポキシ樹脂を硬化させるものとして、脂肪族スルホニウム塩等がある。この種の硬化剤は、速硬化性という特徴を有することから好ましい。
これらの硬化剤を、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜及びケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長できるため好ましい。
また上記接着剤組成物としては、反応が短時間で進行し、回路部材30,40の接続を短時間で行うことができることから、ラジカル重合性物質と、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とを含有する組成物も好ましく用いられる。
上記ラジカル重合性物質は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であり、このようなラジカル重合性物質としては、アクリレート(対応するメタクリレートも含む。以下同じ)化合物、マレイミド化合物、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂等が挙げられる。ラジカル重合性物質はモノマー又はオリゴマーの状態で用いてもよく、また、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。
アクリレート化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要によりハドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類等の重合禁止剤を用いてもよい。また、耐熱性を向上させる点からは、アクリレート化合物がジシクロペンテニル基、トリシクロデカニル基及びトリアジン環からなる群より選ばれる少なくとも1つの置換基を有することが好ましい。
マレイミド化合物は、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するものであり、このようなマレイミド化合物としては、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−4,8−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記シトラコンイミド樹脂は、分子中にシトラコンイミド基を少なくとも1個有するシトラコンイミド化合物を重合させてなるものである。シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記ナジイミド樹脂は、分子中にナジイミド基を少なくとも1個有するナジイミド化合物を重合してなるものである。ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスナジイミド、N,N’−p−フェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記のラジカル重合性物質に下記化学式(I)で示されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質を併用すると、回路電極が金属等の無機物等で構成される場合に、その表面に対する接着強度が向上するので好ましい。
Figure 0004325379
[上記式中、nは1〜3の整数を示す。]
上記リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させることにより得られる。リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質として、具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート等がある。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記化学式(I)で示されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合するフィルム形成材の和100重量部に対し、0.01〜50重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。
上記ラジカル重合性物質は、アリルアクリレートと併用させることもできる。その場合、アリルアクリレートの配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との和100重量部に対し0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤は、加熱により分解して遊離ラジカルを発生する硬化剤であり、このような硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。このような硬化剤は、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定される。これらの中でも、反応性を高め、ポットライフを向上させることが可能となることから、半減期10時間の温度が40℃以上で、かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上で、かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物がより好ましい。
上記硬化剤の配合量は、第一の回路部材30と第二の回路部材40との接続時間を25秒以下とする場合、十分な反応率を得るために、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との和100重量部に対して、2〜10重量部であることが好ましく、4〜8重量部であることがより好ましい。なお、接続時間が限定されない場合の硬化剤の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との和100重量部に対し0.05〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。
より具体的には、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤として、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。また、回路電極32,42の腐食を抑えるという観点からは、硬化剤は、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸の濃度が5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。このような硬化剤は、具体的には、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドから選定され、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定されることがより好ましい。上記硬化剤は、適宜相互に混合して用いることができる。
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとしては、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイドとしては、イソブチルパーオキサイド、2,4―ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1―(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
シリルパーオキサイドとしては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
本実施形態の回路接続材料には、必要に応じて、フィルム形成材を添加して用いてもよい。フィルム形成材とは、液状物を固形化し構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いを容易とし、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械的特性等を付与するものであり、通常の状態(常温常圧)でフィルムとしての取扱いができるものである。フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着性、相溶性、耐熱性、機械的強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は、2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子量まで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。フェノキシ樹脂は、例えば2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015モルとをアルカリ金属水酸化物等の触媒の存在下、非反応性溶媒中40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、フェノキシ樹脂としては、樹脂の機械的特性や熱的特性の点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1とし、アルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒存在下、沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で、反応固形分が50重量部以下の条件で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。
上記2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。上記2官能フェノール類は、2個のフェノール性水酸基を持つものであり、このような2官能フェノール類としては、例えばハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類等が挙げられる。フェノキシ樹脂は、ラジカル重合性の官能基や、エポキシ基、その他の反応性化合物により変性されていてもよい。フェノキシ樹脂は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の回路接続材料は、更に、アクリル酸、アクリル酸エステル及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種をモノマー成分とした重合体又は共重合体を含んでもよい。ここで、応力緩和に優れることから、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用することが好ましい。これらアクリルゴムの分子量(重量平均分子量)は、接着剤の凝集力を高める点から20万以上が好ましい。
本実施形態の回路接続材料には、更に、絶縁性粒子、ゴム微粒子、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。
絶縁性粒子としては、粒径Eが下記式:
E≦B (5)
の条件を満たすことが好ましい。粒径Eが最小距離Bを越えると、回路部材30,40を接続することが困難となる傾向がある。絶縁性粒子を含有させることで、回路接続材料における導電粒子12の分散性を更に向上させることが可能となる。絶縁性粒子としては、具体的には、均一な粒径を得やすいことからシリカからなる粒子、又は、上記核体12a単独で構成される粒子が好ましい。
ゴム微粒子は、その粒径が、配合する導電粒子12の粒径の2倍以下であり、且つ室温(25℃)での弾性率が導電粒子12及び接着剤組成物の室温での弾性率の1/2以下であるものであればよい。特に、ゴム微粒子の材質が、シリコーン、アクリルエマルジョン、SBR、NBR、ポリブタジエンゴムである微粒子は、単独で又は2種以上を混合して用いることが好適である。3次元架橋したこれらゴム微粒子は、耐溶剤性が優れており、接着剤組成物中に容易に分散される。
回路接続材料は、接続信頼性等が向上することから充填剤を含有することが好ましい。充填剤は、その最大径が導電粒子12の粒径未満であれば使用できる。充填剤の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して5〜60体積部であることが好ましい。配合量が60体積部を超えると、接続信頼性向上効果が飽和する傾向があり、他方、5体積部未満では充填剤添加の効果、即ち接続信頼性向上効果が不充分となる傾向がある。
上記カップリング剤としては、ビニル基、アクリル基、エポキシ基又はイソシアネート基を含有する化合物が、接着性が向上するので好ましい。
上記回路接続材料においては、導電粒子12は、上記接着剤組成物100体積部に対して0.1〜30体積部添加することが好ましく、その添加量は用途により使い分けられる。なお、過剰な導電粒子12による隣接回路電極の短絡等を防止するためには、0.1〜10体積部添加することがより好ましい。
なお、フィルム状回路接続材料50は、支持体(PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等)上に塗工装置(図示せず)を用いて上記回路接続材料を塗布し、所定時間熱風乾燥することにより作製することができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、第一の回路部材及び第二の回路部材のいずれにおいても、回路基板の主面を基準として絶縁層の縁部が回路電極よりも厚く形成されているが、図6の第2実施形態に示すように、例えば第二の回路部材40のみにおいて、絶縁層43の縁部43aが回路電極42よりも厚く形成されていればよく、第一の回路部材30においては、絶縁層は形成されていなくても構わない。
また上記実施形態では、絶縁層33において、絶縁層33の縁部33aが回路電極32に乗り上げており、縁部33aの厚さが、絶縁層33の中央部の厚さよりも大きくなっているが、絶縁層33は、このような形態に限定されるものではない。即ち、絶縁層33は、その縁部33aが回路電極32に乗り上げていない形態であって、縁部33aと中央部の厚さが等しい形態であっても構わない。
以下、本発明の内容を、実施例を用いて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(回路部材の作製)
先ず、電極面積100μm×100μm、ピッチ200μmの金電極が40個配置されたICチップを用意した。このICチップ上に電極をマスクしながら、感光性ポリイミド(日立化成社製、商品名PIQ)を3μmの厚さで塗布した。そして、感光性ポリイミドを硬化させることで絶縁層を形成した。絶縁層は、電極中心から3μm厚くなるように形成した。こうして回路電極及び絶縁層を有するICチップ(第一の回路部材)を作製した。
次に、厚み1.1mmのガラス基板を用意し、このガラス基板上に厚み200nmのインジュウム−錫酸化物(ITO)の回路を形成した。次に、回路が形成されたガラス基板のITO回路間に窒化珪素を蒸着して絶縁層を形成した。絶縁層は、ITO回路の中心から600nm厚くなるように形成した。こうして回路電極及び絶縁層を有するガラス基板(第二の回路部材)を作製した。
(導電粒子の作製)
まず、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマー、並びに重合開始剤としてのベンゾイルパーオキサイドを用いて懸濁重合し、得られた重合体を音波ふるい器を用いて分級することで、所定の粒径を有する核体を得た。なお、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーの共重合比は、導電粒子が目的の扁平率Xとなるように調節した。
得られた核体に無電解Niメッキ処理してNiからなる金属層を形成し、さらにAuで置換メッキ処理してAuからなる最外層を形成し、No.1の導電粒子を得た。このとき、Niからなる金属層の厚さは70nmであり、Auからなる最外層の厚さは25nmであり、導電粒子の粒径Aは5μmであった。
こうして得られた導電粒子について、微少圧縮試験器(Fisher社製)を用いて、導電粒子を圧縮して粉砕する時の圧力方向に沿った粒径Rを測定し、このRと上記導電粒子の粒径Aとから、下記式:
X=100×{(A−R)/A} (1)
に基づき導電粒子の扁平率X(%)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0004325379
(回路接続材料の作製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂50g、エポキシ樹脂の潜在性硬化剤としてノバキュア3941HPS(旭チバ株式会社製商品名)50gを混合した。そして、この混合物に接着剤組成物100体積部に対してNo.1の導電粒子を5体積部配合分散させて回路接続材料を得た。なお、上記潜在性硬化剤のノバキュア3941HPSは、イミダゾール変性体を核とし、その表面をポリウレタンで被覆してなる平均粒径5μmのマイクロカプセル型硬化剤を、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂中に分散したマスターバッチ型硬化剤である。
(回路部材の接続)
まずガラス基板の回路電極及び絶縁層上に、上記回路接続材料を貼り付けた。次に、ICチップを、回路電極及び絶縁層を回路接続材料側に向けて、回路接続材料上に配置した。そして、ICチップ及びガラス基板を介して回路接続材料を100℃、5MPaで20秒間加熱加圧した。こうして回路部材の接続構造を得た。このとき、対向する絶縁層同士間の最小距離Bは、表2に示す通りとした。また、この最小距離Bと導電粒子の粒径Aとから、下記式:
D=100×{(A−B)/A} (2)
に基づいてパラメータD(%)を算出した。結果を表2に示す。
(回路接続部材の貯蔵弾性率及び平均熱膨張係数)
回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率は0.5〜0.3GPaの範囲にあり、平均熱膨張係数は30〜200ppm/℃の範囲にあることが確認された。なお、貯蔵弾性率は、Reometric Scientific社製RSE−IIを用いて測定した。平均熱膨張係数は、セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS6000を用いて測定した。
Figure 0004325379
(実施例2)
実施例1の回路接続材料において、さらに最大粒径3.5μmであり且つ平均粒径3μmであるシリカ微粒子を接着剤組成物100体積部に対して3体積部配合した他は、実施例1と同様にして実施例2の回路接続材料を得た。そして、実施例1と同様にしてICチップとガラス基板とを接続し、回路部材の接続構造を得た。このとき、対向する絶縁層同士間の最小距離B及びパラメータD(%)は、表2に示す通りとした。
また回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率及び平均熱膨張係数を実施例1と同様にして測定したところ、回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率は0.5〜0.3GPaの範囲にあり、平均熱膨張係数は30〜200ppm/℃の範囲にあることが確認された。
(実施例3)
実施例1におけるNo.1の導電粒子の代わりにNo.2の導電粒子を用いた他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
上記No.2の導電粒子の製造においては、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーを用いて共重合比を調節し、導電粒子が目的の扁平率Xとなるように核体を製造した。それ以外は、No.1の導電粒子と同様にしてNo.2の導電粒子を製造した。
こうして得られた導電粒子について、実施例1と同様にして粒径R及び扁平率X(%)を算出した。結果を表1に示す。
そして、実施例1と同様にしてICチップとガラス基板とを接続し、回路部材の接続構造を得た。このとき、対向する絶縁層同士間の最小距離B及びパラメータD(%)は、表2に示す通りとした。
また回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率及び平均熱膨張係数を実施例1と同様にして測定したところ、回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率は0.5〜0.3GPaの範囲にあり、平均熱膨張係数は30〜200ppm/℃の範囲にあることが確認された。
(実施例4)
実施例1におけるNo.1の導電粒子の代わりにNo.3の導電粒子を用いた他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
上記No.3の導電粒子の製造においては、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーを用いて共重合比を調節し、導電粒子が目的の扁平率Xとなるように核体を製造した。それ以外は、No.1の導電粒子と同様にしてNo.3の導電粒子を製造した。
こうして得られた導電粒子について、実施例1と同様にして粒径R及び扁平率X(%)を算出した。結果を表1に示す。
そして、実施例1と同様にしてICチップとガラス基板とを接続し、回路部材の接続構造を得た。このとき、対向する絶縁層同士間の最小距離B及びパラメータD(%)は、表2に示す通りとした。
また回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率及び平均熱膨張係数を実施例1と同様にして測定したところ、回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率は0.5〜0.3GPaの範囲にあり、平均熱膨張係数は30〜200ppm/℃の範囲にあることが確認された。
(実施例5)
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製商品名PKHC、平均分子量45,000)50gを、重量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40重量%のフェノキシ樹脂溶液とした。
そして、上記フェノキシ樹脂溶液を用い、固形分重量比でフェノキシ樹脂が10g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が40g、ノバキュア3941HPSが50gとなるように各成分を配合した。更に、この溶液に接着剤組成物100体積部に対して導電粒子No.1を5体積部配合して分散させ、回路接続材料を得た。
次に、この回路接続材料を、片面を表面処理した厚み80μmのPETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃で10分の熱風乾燥により、厚みが20μmのフィルム状回路接続材料を得た。
こうして得られたフィルム状回路接続材料を用い、実施例1と同様にしてICチップとガラス基板とを接続し、回路部材の接続構造を得た。このとき、対向する絶縁層同士間の最小距離B及びパラメータD(%)は、表2に示す通りとした。
また回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率及び平均熱膨張係数を実施例1と同様にして測定したところ、回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率は0.5〜0.3GPaの範囲にあり、平均熱膨張係数は30〜200ppm/℃の範囲にあることが確認された。
(実施例6)
(ウレタンアクリレートの合成)
平均分子量800のポリカプロラクトンジオール400重量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート131重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5重量部、および重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.0重量部を50℃に加熱しながら混合した。次いで、イソホロンジイソシアネート222重量部を滴下し、攪拌しながら80℃に昇温してウレタン化反応を行った。イソシアネート基の反応率が99%以上になったことを確認後、反応温度を下げてウレタンアクリレートを得た。
フェノキシ樹脂50g、上記のようにして得られたウレタンアクリレート49g、リン酸エステル型アクリレート1g、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート5gを混合し、この混合物100体積部に対してNo.1の導電粒子を5体積部配合して分散させ、回路接続材料を得た。こうして得られた回路接続材料を用い、実施例5と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。なお、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネートは、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤として用いた。
上記のようにして得られたフィルム状回路接続材料を用い、実施例1と同様にしてICチップとガラス基板とを接続し、回路部材の接続構造を得た。このとき、対向する絶縁層同士間の最小距離B及びパラメータD(%)は、表2に示す通りとした。
また回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率及び平均熱膨張係数を実施例1と同様にして測定したところ、回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率は0.5〜0.3GPaの範囲にあり、平均熱膨張係数は30〜200ppm/℃の範囲にあることが確認された。
(比較例1)
実施例1におけるNo.1の導電粒子の代わりにNo.4の導電粒子を用いた他は、実施例1と同様にして回路接続材料を得た。
上記No.4の導電粒子の製造においては、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーを用いて共重合比を調節し、導電粒子が目的の扁平率となるように核体を製造した。それ以外は、No.1の導電粒子と同様にしてNo.4の導電粒子を製造した。こうして得られた導電粒子について、実施例1と同様にして粒径R及び扁平率X(%)を算出した。結果を表1に示す。
そして、実施例1と同様にしてICチップとガラス基板とを接続し、回路部材の接続構造を得た。このとき、対向する絶縁層同士間の最小距離B及びパラメータD(%)は、表2に示す通りとした。
また回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率及び平均熱膨張係数を実施例1と同様にして測定したところ、回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率は0.5〜0.3GPaの範囲にあり、平均熱膨張係数は30〜200ppm/℃の範囲にあることが確認された。
(接続抵抗の測定)
上記実施例1〜6及び比較例1に係る回路部材の接続構造について、初期(接続直後)と、80℃、95%RHの高温高湿槽中に1000時間保持(高温高湿処理)した後のそれぞれにおいて、マルチメータを用いて4端子法で回路の抵抗値を測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、抵抗値は、隣接回路間の抵抗40点の平均値と標準偏差を3倍した値との和(x+3σ)で示した。
(回路電極上に存在する導電粒子の計数)
また、回路部材の接続後、上記実施例1〜実施例6及び比較例1に係る回路部材の接続構造について、各回路電極に存在する導電粒子数を顕微鏡による目視にて計数した。回路電極上の導電粒子数は、40個の電極上に存在する導電粒子の平均で示した。結果を表2に示す。
表2に示す結果より、実施例1〜6の回路部材の接続構造については、初期の接続抵抗が十分に低くなっていた。また、高温高湿処理後の接続抵抗も初期の接続抵抗に比べてほとんど上昇が見られなかった。このことから、電気特性の信頼性が長期間にわたって維持されるものと考えられる。
これに対し、比較例1の回路部材の接続構造については、初期において接続抵抗も実施例1〜6の場合よりも著しく高くなっており、高温高湿処理後の接続抵抗も、初期の接続抵抗に比べて顕著に上昇していた。これは、比較例1については、回路接続材料における導電粒子の粉砕する扁平率が95%と高く、第一および第二の回路部材の接続の際に、絶縁層間に挟まれた導電粒子が粉砕せず、回路電極間の導電粒子が十分に回路電極と接触できないために、初期において接続抵抗が高く、高温高湿処理には接続抵抗が大きく上昇したものと考えられる。
本発明に係る回路部材の接続構造の一実施形態を示す概略断面図である。 図1の部分拡大図である。 (a)及び(b)は、図1の導電粒子の種々の形態を示す断面図である。 本発明に係るフィルム状回路接続材料の一実施形態を示す断面図である。 本発明に係る回路部材の接続構造の製造方法の一工程を示す図である。 本発明に係る回路部材の接続構造の他の実施形態を示す断面図である。 従来の回路部材の接続構造の一例を示す断面図である。
符号の説明
1,2…回路部材の接続構造、10…回路接続部材、11…絶縁性物質、12…導電粒子、12a…核体、12b…金属層、12c…最外層、30…第一の回路部材、31…回路基板(第一の回路基板)、31a…主面、32…回路電極(第一の回路電極)、33…絶縁層(第一の絶縁層)、40…第二の回路部材、41…回路基板(第二の回路基板)、41a…主面、42…回路電極(第二の回路電極)、43…絶縁層(第二の絶縁層)、50…フィルム状回路接続材料、51…接着剤組成物、B…第一及び第二の絶縁層間の最小距離。

Claims (25)

  1. 第一の回路基板の主面上に第一の回路電極及び第一の絶縁層が隣接して形成された第一の回路部材と、
    前記第一の回路部材に対向して設けられ、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極及び第二の絶縁層が隣接して形成された第二の回路部材と、
    前記第一の回路部材の主面と前記第二の回路部材の主面との間に設けられ、前記第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材とを備え、前記第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において前記絶縁層の少なくとも一部が前記主面を基準として前記回路電極より厚く形成されている回路部材の接続構造における、前記回路接続部材を形成するための回路接続材料であって、
    接着剤組成物、及び粒径が10μm以下の導電粒子を含有し、該導電粒子の下記式(1)で示される扁平率Xが、下記式(2)で示されるパラメータD以下であり、
    硬化処理により40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaとなり、硬化処理により25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃となることが可能である、
    ことを特徴とする回路接続材料。
    X=100×{(A−R)/A} (1)
    D=100×{(A−B)/A} (2)
    [式(1)及び(2)中、Aは前記導電粒子の粒径(μm)を示し、Rは前記導電粒子を圧縮して粉砕する時の圧力方向に沿った粒径(μm)を示し、Bは前記回路部材の接続構造において対向する前記第一及び第二の絶縁層間の最小距離(μm)を示す。]
  2. 前記最小距離Bが下記式(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の回路接続材料。
    C<B≦(A×0.9) (3)
    [式(3)中、Cは、前記第一の絶縁層の最大厚さと前記第一の回路電極の厚さとの差(μm)、及び前記第二の絶縁層の最大厚さと前記第二の回路電極の厚さとの差(μm)の合計であり、下記式(4)の条件を満たす。但し、第一又は第二の絶縁層の最大膜厚が、第一又は第二の回路電極の膜厚よりも小さい場合には差の値は0とする。]
    0.05≦C<9 (4)
  3. 絶縁性粒子を更に含有し、該絶縁性粒子は、その粒径Eが下記式(5)の条件を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の回路接続材料。
    E≦B (5)
  4. 前記導電粒子が、有機高分子からなる核体と、該核体上に形成された銅、ニッケル、ニッケル合金、銀又は銀合金からなる金属層とを備えており、前記金属層の厚さが50〜170nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路接続材料。
  5. 前記導電粒子が、金又はパラジウムからなる最外層を備えており、前記最外層の厚さが15〜70nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路接続材料。
  6. 前記接着剤組成物が、エポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂の潜在性硬化剤とを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回路接続材料。
  7. 前記接着剤組成物が、ラジカル重合性物質と、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の回路接続材料。
  8. 硬化処理によりガラス転移温度が60〜200℃となることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の回路接続材料。
  9. フィルム形成材を更に含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の回路接続材料。
  10. 前記フィルム形成材がフェノキシ樹脂であることを特徴とする請求項9に記載の回路接続材料。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の回路接続材料をフィルム状に形成してなることを特徴とするフィルム状回路接続材料。
  12. 第一の回路基板の主面上に第一の回路電極及び第一の絶縁層が隣接して形成された第一の回路部材と、
    前記第一の回路部材に対向して設けられ、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極及び第二の絶縁層が隣接して形成された第二の回路部材と、
    前記第一の回路部材の主面と前記第二の回路部材の主面との間に設けられ、前記第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材と、
    を備え、前記第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において、前記絶縁層の少なくとも一部が前記回路基板の主面を基準として前記回路電極より厚く形成されている回路部材の接続構造であって、
    前記回路接続部材が、絶縁性物質と、粒径が10μm以下である導電粒子と、前記導電粒子の粒径よりも小さい粒径を有する粒子とを含有し、
    前記導電粒子の下記式(1)で示される扁平率Xが、下記式(2)で示されるパラメータD以下であり、
    前記回路接続部材の40℃における貯蔵弾性率が0.5〜3GPaであり且つ25℃から100℃までの平均熱膨張係数が30〜200ppm/℃であり、
    前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とが、前記導電粒子を介して電気的に接続されていることを特徴とする回路部材の接続構造。
    X=100×{(A−R)/A} (1)
    D=100×{(A−B)/A} (2)
    [式(1)及び(2)中、Aは導電粒子の粒径(μm)を示し、Rは導電粒子を圧縮して粉砕する時の圧力方向に沿った粒径(μm)を示し、Bは前記回路部材の接続構造において対向する第一及び第二の絶縁層間の最小距離(μm)を示す。]
  13. 前記最小距離Bが下記式(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項12に記載の回路部材の接続構造。
    C<B≦(A×0.9) (3)
    [式(3)中、Cは、前記第一の絶縁層の最大厚さと前記第一の回路電極の厚さとの差(μm)、及び前記第二の絶縁層の最大厚さと前記第二の回路電極の厚さとの差(μm)の合計であり、下記式(4)の条件を満たす。但し、第一又は第二の絶縁層の最大膜厚が、第一又は第二の回路電極の膜厚よりも小さい場合には差の値は0とする。]
    0.05≦C<9 (4)
  14. 前記回路接続部材が、更に、絶縁性粒子を含有し、該絶縁性粒子は、その粒径Eが下記式(5)の条件を満たすことを特徴とする請求項12又は13に記載の回路部材の接続構造。
    E≦B (5)
  15. 前記導電粒子が、有機高分子からなる核体と、該核体上に形成された銅、ニッケル、ニッケル合金、銀又は銀合金からなる金属層とを備えており、前記金属層の厚さが50〜170nmであることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の回路部材の接続構造。
  16. 前記導電粒子が、金又はパラジウムからなる最外層を備えており、前記最外層の厚さが15〜70nmであることを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載の回路部材の接続構造。
  17. 前記絶縁層の少なくとも一部が前記回路基板の主面を基準として前記回路電極より厚く形成されている回路部材において、前記絶縁層の少なくとも一部の厚さと前記回路電極の厚さとの差が50〜600nmであることを特徴とする請求項12〜16のいずれか一項に記載の回路部材の接続構造。
  18. 前記回路接続部材のガラス転移温度が60〜200℃であることを特徴とする請求項12〜17のいずれか一項に記載の回路部材の接続構造。
  19. 前記絶縁層が、有機絶縁性物質、二酸化珪素及び窒化珪素のいずれかから構成されていることを特徴とする請求項12〜18のいずれか一項に記載の回路部材の接続構造。
  20. 前記第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において、前記回路電極の表面積が15000μm以下であり、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極との間における平均導電粒子数が3個以上であることを特徴とする請求項12〜19のいずれか一項に記載の回路部材の接続構造。
  21. 前記第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において、前記回路電極が、金、銀、錫、白金族の金属又はインジウム錫酸化物で構成される表面層を有することを特徴とする請求項12〜20のいずれか一項に記載の回路部材の接続構造。
  22. 前記第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において、前記回路基板が、有機絶縁性物質、ガラス又はシリコンで構成されていることを特徴とする請求項12〜21のいずれか一項に記載の回路部材の接続構造。
  23. 第一の回路基板の主面上に第一の回路電極及び第一の絶縁層が隣接して形成された第一の回路部材と、
    前記第一の回路部材に対向して設けられ、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極及び第二の絶縁層が隣接して形成された第二の回路部材と、
    前記第一の回路部材の主面と前記第二の回路部材の主面との間に設けられ、前記第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材と、
    を備え、前記第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において、前記絶縁層の少なくとも一部が前記回路基板の主面を基準として前記回路電極より厚く形成されている回路部材の接続構造の製造方法であって、
    前記第一の回路基板の主面と前記第二の回路基板の主面との間に請求項11に記載のフィルム状回路接続材料を配置し、
    前記第一及び第二の回路部材を介して前記フィルム状回路接続材料を加熱及び加圧して前記第一及び第二の絶縁層間に挟まれた導電粒子を粉砕すると共に硬化処理することにより、前記第一の回路部材と前記第二の回路部材とを接続し、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを前記導電粒子を介して電気的に接続させることを特徴とする回路部材の接続構造の製造方法。
  24. 前記第一及び第二の絶縁層間の最小距離B(μm)が下記式(3)の条件を満たすように加圧することを特徴とする請求項23に記載の回路部材の接続構造の製造方法。
    C<B≦(A×0.9) (3)
    [式(3)中、Cは、前記第一の絶縁層の最大厚さと前記第一の回路電極の厚さとの差(μm)、及び前記第二の絶縁層の最大厚さと前記第二の回路電極の厚さとの差(μm)の合計であり、下記式(4)の条件を満たす。但し、第一又は第二の絶縁層の最大膜厚が、第一又は第二の回路電極の膜厚よりも小さい場合には差の値は0とする。]
    0.05≦C<9 (4)
  25. 請求項23又は24に記載の製造方法により得られることを特徴とする回路部材の接続構造。
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