JP2011054988A - 回路接続材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成でき、回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる回路接続材料を提供する。
【解決手段】第1の回路基板31の主面31a上に第1の回路電極32が形成された第1の回路部材30と、第1の回路部材30に対向して配置され、第2の回路基板41の主面41a上に第2の回路電極42が形成された第2の回路部材40と、を電気的に接続するための回路接続材料であって、前記第1及び第2の回路電極の厚みが50nm以上であり、接着剤組成物と表面側に複数の突起部14を備えた導電粒子12とを含有し、前記導電粒子の最外層が、ニッケル又はニッケル合金であり、前記導電粒子の前記突起部の高さが50〜500nmである、回路接続材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路接続材料に関する。
液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)との接続、フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)とTCPとの接続、又はFPCとプリント配線板との接続といった回路部材同士の接続には、接着剤中に導電粒子を分散させた回路接続材料(例えば、異方導電性接着剤)が使用されている。また、最近では半導体シリコンチップを基板に実装する場合、回路部材同士の接続のためにワイヤボンドを使用することなく、半導体シリコンチップをフェイスダウンして基板に直接実装する、いわゆるフリップチップ実装が行われている。このフリップチップ実装においても、回路部材同士の接続には異方導電性接着剤等の回路接続材料が使用されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開昭59−120436号公報 特開昭60−191228号公報 特開平1−251787号公報 特開平7−90237号公報 特開2001−189171号公報 特開2005−166438号公報
ところで、近年、電子機器の小型化、薄型化に伴い、回路部材に形成された回路の高密度化が進展し、隣接する電極間の間隔や電極の幅が非常に狭くなる傾向がある。回路電極の形成は、回路の元となる金属を基板全面に形成し、回路電極を形成すべき部分にレジストを塗布、硬化し、それ以外の部分を酸若しくは塩基でエッチングするという工程で行われるが、上述した高密度化された回路の場合には、基板全面に形成した金属の凹凸が大きいと凹部と凸部でエッチング時間が異なるために、精密なエッチングを行えず、隣接回路間のショートや断線が発生するという問題がある。このため、高密度回路の電極表面では凹凸が小さいこと、すなわち電極表面が平坦であることが望まれている。
しかし、このような相対向する平坦な回路電極同士を、前述した従来の回路接続材料を用いて接続した場合には、回路接続材料中に含まれる導電粒子と平坦電極との間に接着剤樹脂が残り、相対向する回路電極間において十分な電気的接続及び長期信頼性を確保できないという問題があった。そこで、このような問題を解消することを目的として、貯蔵弾性率及び平均熱膨張係数が特定の範囲となることが可能で、かつ、表面側に複数の突起部を備えた、最外層が金(Au)である導電粒子を有する回路接続材料を、相対向する回路電極同士の接続に用いることが提案されている(特許文献6)。
この回路接続材料を用いて接続した回路接続構造体は、相対向する回路電極間において十分な電気的接続及び長期信頼性を確保できるものの、対向する回路電極同士間のさらに良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性をさらに高めることが求められている。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる回路接続構造体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記課題の生じる原因が特に回路接続部材を形成する回路接続材料に含まれる導電粒子の最外層の材質、及び回路接続構造体における回路電極の厚みにあることを見出した。すなわち、従来の回路接続材料に含まれる導電粒子の最外層はAuの金属膜であり、回路接続時に導電粒子と平坦電極との間の接着剤組成物を突起で貫通しても、Auは比較的軟らかい金属であるため、回路電極に対しては導電粒子の最外層が変形してしまい、導電粒子が回路電極にくい込みにくくなる。また、対向する回路電極の厚みが薄すぎると、回路接続部材の圧着時に回路接続材料中に含まれる導電粒子表面の突起部が回路電極を貫通し回路基板と接触してしまう恐れがあり、そのため回路電極と導電粒子との接触面積が減少し、接続抵抗が上昇してしまう。そして、本発明者等は、上記課題を解決すべくさらに鋭意研究を重ねた結果、導電粒子の最外層の材質をAuよりも硬い金属に変更し、かつ対向する回路電極の厚みを一定値以上とすることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の回路接続構造体は、第1の回路基板の主面上に第1の回路電極が形成された第1の回路部材と、第1の回路部材に対向して配置され、第2の回路基板の主面上に第2の回路電極が形成された第2の回路部材と、第1の回路部材の主面と第2の回路部材の主面との間に設けられ、第1及び第2の回路電極を電気的に接続する回路接続部材と、を備える回路接続構造体において、第1及び第2の回路電極の厚みが50nm以上であり、回路接続部材が、接着剤組成物と、表面側に複数の突起部を備えた導電粒子とを含有する回路接続材料を硬化処理して得られるものであり、導電粒子の最外層が、ニッケル又はニッケル合金であることを特徴とする。
この回路接続構造体によれば、導電粒子の最外層がAuでありかつ第1及び第2の回路電極の少なくとも一方の厚みが50nm未満である場合に比べて、導電粒子を介して対向する第1及び第2の回路電極がさらに良好に電気的接続されると共に、回路電極間の電気特性の長期信頼性をさらに高めることが可能となる。すなわち、導電粒子と第1又は第2の回路電極との間に接着剤組成物の硬化物が入り込んでいても、導電粒子の表面側に複数の突起部が設けられることで、その導電粒子により接着剤組成物の硬化物に加えられる圧力が、突起部が無い導電粒子に比べて十分に大きくなるため、導電粒子の突起部が接着剤組成物の硬化物を容易に貫通でき、またある程度回路電極に食い込むことにより導電粒子と回路電極との接触面積を増加させることが可能となる。また、導電粒子の最外層であるニッケル(Ni)またはニッケル合金はAuよりも硬いため、導電粒子の最外層が第1及び第2の回路電極に対してより食い込み易くなり、導電粒子と回路電極との接触面積を増加させることができ、それによって、より良好な電気的接続及び電気特性の長期信頼性を得ることが可能となる。さらに、第1及び第2の回路電極の厚みが50nm以上であることで、導電粒子の突起部がさらに第1又は第2の回路電極を貫通し接触面積を減少させることを防止できる。このため、回路電極同士間の良好な電気的接続が得ることができる。そして、導電粒子を介した第1及び第2の回路電極の間の良好な電気的接続状態は、接着剤組成物の硬化物によって長期間にわたって保持されることによって、電気特性の長期信頼性を十分に高めることが可能となる。
上記回路接続構造体においては、上記第1又は第2の回路電極のいずれかの少なくとも最外層がインジウム−錫酸化物(以下、ITO)又はインジウム−亜鉛酸化物(以下、IZO)を含むことが好ましい。このように回路電極がITO又はIZOからなる最外層を有することで、Au、Ag、Sn、Pt族の金属、Al又はCr等からなる最外層を有する電極に比べて、下地金属の酸化を防げるという利点がある。
また上記回路接続構造体においては、導電粒子の突起部の高さが50〜500nmであり、隣接する突起部間の距離が1000nm以下であることが好ましい。導電粒子の突起部の高さ及び隣接する突起部間の距離が上記範囲内にあることで、導電粒子の突起部がより容易に接着剤組成物の硬化物を貫通することができ、より良好な電気的接続及び電気特性の長期信頼性を得ることが可能となる。
本発明の回路接続材料によれば、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる。
本発明に係る回路接続構造体の一実施形態を示す断面図である。 (a)は、本発明に係る回路接続構造体における回路接続部材に含まれる導電粒子の一例を示す断面図であり、(b)は、本発明に係る回路接続構造体における回路接続部材に含まれる導電粒子の他の例を示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。また、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[回路接続構造体]
まず、本発明に係る回路接続構造体の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る回路接続構造体の第1実施形態を示す概略断面図である。本実施形態の回路接続構造体1は、相互に対向する第1の回路部材30及び第2の回路部材40を備えており、第1の回路部材30と第2の回路部材40との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。回路接続部材10は、接着剤組成物と、表面側に複数の突起部14を備えた導電粒子12とを含む回路接続材料を硬化処理して得られるものである。従って、回路接続部材10は、絶縁性物質11と導電粒子12とを含有している。ここで、絶縁性物質11は接着剤組成物の硬化物から構成されている。
第1の回路部材30は、回路基板(第1の回路基板)31と、回路基板31の主面31a上に形成される回路電極(第1の回路電極)32とを備えている。第2の回路部材40は、回路基板41と、回路基板41の主面41a上に形成される回路電極(第1の回路電極)42とを備えている。
回路基板31、41において、回路電極32、42の表面は平坦になっていることが好ましい。なお、本発明において「回路電極の表面が平坦」とは、回路電極の表面の凹凸が20nm以下であることをいう。
ここで、回路電極32,42の厚みは50nm以上である。回路電極32,42の厚みを50nm以上とすることで、第1の回路部材30と第2の回路部材40とで回路接続材料を加圧するに際し、回路接続材料中の導電粒子12の表面側にある突起部14が回路電極32,42を貫通し回路基板31,41と接触することが十分に防止される。その結果、回路電極32,42の厚みが50nm未満の場合に比べて、回路電極32,42と導電粒子12との接触面積が増加し、接続抵抗がより低下することとなる。
また回路電極32,42の厚みは製造コスト等の点から、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下である。
回路電極32,42の材質として、Au、Ag、Sn、Pt族の金属又はITO、IZO、Al、Crが挙げられるが、特に回路電極32,42の材質がITO又はIZOの場合に、電気的接続が顕著に良好となる。また、回路電極32,42は、全体が上記材質で構成されていてもよいし、最外層のみが上記材質で構成されていてもよい。
回路基板31,41の材質は特に制限されないが、通常は有機絶縁性物質、ガラス又はシリコンである。
第1の回路部材30及び第2の回路部材40の具体例としては、半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板が挙げられる。これらの回路部材30,40には通常、回路電極(回路端子)32,42が多数(場合によっては単数でもよい)設けられている。また、回路接続構造体の形態としては、ICチップとチップ搭載基板との接続構造体、電気回路相互の接続構造体の形態もある。
また、第1の回路部材30において、第1の回路電極32と回路基板31との間に絶縁層がさらに設けられてもよいし、第2の回路部材40において、第2の回路電極42と回路基板41との間に絶縁層がさらに設けられてもよい。絶縁層は、絶縁材料で構成されていれば特に制限されないが、通常は有機絶縁性物質、二酸化珪素又は窒化珪素から構成される。
そして、この回路接続構造体1においては、対向する回路電極32と回路電極42とが、導電粒子12を介して電気的に接続されている。即ち、導電粒子12が、回路電極32,42の双方に直接接触している。具体的には、導電粒子12の突起部14が、絶縁性物質11を貫通して第1回路電極32、第2の回路電極42に接触している。
このため、回路電極32,42間の接続抵抗が十分に低減され、回路電極32,42間の良好な電気的接続が可能となる。従って、回路電極32,42間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を十分に発揮することができる。
導電粒子12の複数の突起部14のうち一部の突起部14は、回路電極32又は回路電極42に食い込んでいることが好ましい。この場合、導電粒子12の突起部14と回路電極32,42との接触面積がより増加し、接続抵抗をより低減させることができる。
回路接続構造体1において、第1の回路電極32,第2の回路電極42の少なくとも一方の表面積は15000μm2以下であり、且つ、第1の回路電極32と第2の回路電極42との間における平均導電粒子数が3個以上であることが好ましい。ここで、平均導電粒子数とは、回路電極1つあたりの導電粒子数の平均値を言う。この場合、対向する回路電極32,42間の接続抵抗をより十分に低減することができる。また、平均導電粒子数が6個以上である場合には、さらに良好な接続抵抗を達成できる。これは、対向する回路電極32,42間の接続抵抗が十分に低くなるからである。また回路電極32,42間における平均導電粒子数が2個以下の場合には、接続抵抗が高くなりすぎ、電子回路が正常に動作しなくなる虞がある。
以下、回路接続部材10について詳細に説明する。回路接続部材10は、フィルム状となっており、上述したように、表面側に突起部14を有する導電粒子12と、接着剤組成物とを含有する回路接続材料を硬化処理することによって得られるものである。
(導電粒子)
まず、導電粒子12の構成について詳細に説明する。導電粒子12は、導電性を有する粒子(本体部)と、この粒子の表面上に形成された複数の突起部14とから構成されている。ここで、複数の突起部14は、導電性を有する金属で構成されている。図2の(a)は、本発明に係る回路接続構造体における回路接続部材に含まれる導電粒子の一例を示す断面図であり、(b)は、導電粒子の他の例を示す断面図である。
図2の(a)に示す導電粒子12は、核体21と、核体21の表面上に形成される金属層22とで構成される。核体21は、中核部21aと、中核部21aの表面上に形成される突起部21bとで構成され、金属層22は、その表面側に、複数の突起部14を有している。金属層22は核体21を覆っており、突起部21bに対応する位置で突出し、その突出している部分が突起部14となっている。
核体21は、有機高分子化合物からなることが好ましい。この場合、核体21は、金属からなる核体に比べて、コストが低い上、熱膨張や圧着接合時の寸法変化に対して弾性変形範囲が広いため、回路接続材料として、より適している。
核体21の中核部21aを構成する有機高分子化合物としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂又はこれらの共重合体が挙げられ、これらを架橋したものを使用してもよい。なお、核体21の中核部21aの平均粒径は、用途などに応じて適宜設計可能であるが、1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmであることがより好ましく、3〜5μmであることが更に好ましい。平均粒径が1μm未満であると粒子の二次凝集が生じ、隣接する回路との絶縁性が不十分となる傾向がある。他方、平均粒径が10μmを越えると、その大きさに起因して隣接する回路との絶縁性が不十分となる傾向がある。
核体21の突起部21bを構成する有機高分子化合物としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂又はこれらの共重合体が挙げられ、これらを架橋したものを使用してもよい。突起部21bを構成する有機高分子化合物は、中核部21aを構成する有機高分子化合物と同一であっても異なっていてもよい。
核体21は、中核部21aの表面に中核部21aよりも小さな径を有する突起部21bを複数個吸着させることにより形成することができる。突起部21bを中核部21aの表面に吸着させる方法としては、例えば、双方もしくは一方の粒子をシラン、アルミ、チタン等の各種カップリング剤及び接着剤の希釈溶液で表面処理後に両者を混合し付着させる方法等が挙げられる。
金属層22の材質としては、Ni又はNi合金であり、ニッケル合金としては、例えば、Ni−B、Ni−W、Ni−B、Ni−W−Co、Ni−Fe及びNi−Cr等が挙げられる。硬くて回路電極32,42に食い込み易いことから、Niが好ましい。金属層22は、これらの金属を核体21に対して無電解メッキ法を用いてメッキすることにより形成することができる。無電解メッキ法は、大きくバッチ方式と連続滴下方式とに分けられるが、いずれの方式を用いても金属層22を形成することができる。
金属層22の厚み(メッキの厚み)は50〜170nmであることが好ましく、より好ましくは50〜150nmである。金属層22の厚みをこのような範囲とすることで、回路電極32,42間の接続抵抗をより一層低減させることができる。金属層22の厚みが50nm未満ではメッキの欠損等が発生する傾向があり、170nmを超えると導電粒子間で凝結が発生して隣接する回路電極間で短絡が生じるおそれがある。また、本発明における導電性粒子12は、部分的に核体21が露出している場合がある。この場合、接続信頼性の点からは核体21の表面積に対する金属層22の被覆率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
導電粒子12の突起部14の高さHは50〜500nmであることが好ましく、100〜300nmであることがより好ましい。また、隣接する突起部14間の距離Sは1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。
また、隣接する突起部14間の距離Sは、導電粒子12と回路電極32,42との間に接着剤組成物が入り込まず、十分に導電粒子12と回路電極32,42とを十分に接触させるためには、50nm以上であることが望ましい。なお、導電粒子12の突起部14の高さH及び隣接する突起部14間の距離Sは、電子顕微鏡により測定することができる。
なお、導電粒子12は、図2(b)に示すように、核体21が中核部21aのみで構成されていてもよい。言い換えると、図2の(a)に示す導電粒子12において突起部21bは設けられていなくてもよい。図2の(b)に示す導電粒子12は、核体21の表面を金属メッキし、核体21の表面上に金属層22を形成することにより得ることができる。
ここで、突起部14を形成させるためのメッキ方法について説明する。例えば、突起部14は、メッキ反応の途中で、最初に使用したメッキ液よりも濃度の高いメッキ液を追加することでメッキ液濃度を不均一にすることにより形成することができる。また、メッキ液のpHを調節すること、例えば、ニッケルメッキ液のpHを6とすることでこぶ状の金属層、即ち突起部14を有する金属層22を得ることができる(望月ら、表面技術、Vol.48,No.4、429〜432頁、1997)。また、メッキ浴の安定性に寄与する錯化剤として、グリシンを用いた場合、平滑な金属層(皮膜)ができるのに対して、酒石酸やDL−リンゴ酸を用いた場合、こぶ状の皮膜、即ち突起部14を有する金属層22を得ることができる(荻原ら、非晶質めっき、Vol.36、第35〜37頁、1994;荻原ら、回路実装学会誌、Vol.10,No.3、148〜152頁、1995)。
金属層22は、単一の金属の層からなるものであってもよく、複数の金属の層からなるものであってもよい。
(接着剤組成物)
次に、上記接着剤組成物について詳細に説明する。接着剤組成物は、絶縁性及び接着性を有する。接着剤組成物としては、(1)エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の潜在性硬化剤とを含有する組成物、(2)ラジカル重合性物質と、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とを含有する組成物、又は(1)と(2)との混合組成物が好ましい。
まず、(1)のエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の潜在性硬化剤とを含有する組成物について説明する。上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよい。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂の潜在性硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させることができるものであればよく、このような潜在性硬化剤としては、アニオン重合性の触媒型硬化剤、カチオン重合性の触媒型硬化剤、重付加型の硬化剤等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用できる。これらのうち、速硬化性において優れ、化学当量的な考慮が不要である点からは、アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤が好ましい。
アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ジアミノマレオニトリル、メラミン及びその誘導体、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらの変成物も使用することができる。重付加型の硬化剤としては、ポリアミン類、ポリメルカプタン、ポリフェノール、酸無水物等が挙げられる。
アニオン重合型の触媒型硬化剤として第3級アミン類やイミダゾール類を配合した場合、エポキシ樹脂は160℃〜200℃程度の中温で数10秒〜数時間程度の加熱により硬化する。このため、可使時間(ポットライフ)が比較的長くなるので好ましい。
カチオン重合型の触媒型硬化剤としては、例えば、エネルギー線照射によりエポキシ樹脂を硬化させる感光性オニウム塩(芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が主として用いられる)が好ましい。また、エネルギー線照射以外に加熱によって活性化しエポキシ樹脂を硬化させるものとして、脂肪族スルホニウム塩等がある。この種の硬化剤は、速硬化性という特徴を有することから好ましい。
これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系又はポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜及びケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長できるため好ましい。
次いで、(2)のラジカル重合性物質と、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とを含有する組成物について説明する。
ラジカル重合性物質は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質である。このようなラジカル重合性物質としては、アクリレート(対応するメタクリレートも含む。以下同じ。)化合物、アクリロキシ(対応するメタアクリロキシも含む。以下同じ。)化合物、マレイミド化合物、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂等が挙げられる。ラジカル重合性物質は、モノマー又はオリゴマーの状態で用いてもよく、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。
上記アクリレート化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要によりハドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。またさらに、耐熱性の向上の観点から、アクリレート化合物がジシクロペンテニル基、トリシクロデカニル基及びトリアジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有することが好ましい。
上記マレイミド化合物は、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するものである。このようなマレイミド化合物としては、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−4,8−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記シトラコンイミド樹脂は、分子中にシトラコンイミド基を少なくとも1個有するシトラコンイミド化合物を重合させてなるものである。シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記ナジイミド樹脂は、分子中にナジイミド基を少なくとも1個有しているナジイミド化合物を重合してなるものである。ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスナジイミド、N,N’−p−フェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
また、上記ラジカル重合性物質に下記化学式(I)で示されるリン酸エステル構造体を有するラジカル重合性物質を併用することが好ましい。この場合、金属等の無機物表面に対する接着強度が向上するため、回路接続材料は、回路電極同士の接着に好適である。
Figure 2011054988

[上記式中、nは1〜3の整数を示す。]
上記のリン酸エステル構造体を有するラジカル重合性物質は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応させることにより得られる。リン酸エステル構造体を有するラジカル重合性物質として、具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート等がある。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記化学式(I)で示されるリン酸エステル構造体を有するラジカル重合性物質の配合量は、ラジカル重合性物質と、必要により配合するフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.01から50質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
上記ラジカル重合性物質は、アリルアクリレートと併用することもができる。この場合、アリルアクリレートの配合量は、ラジカル重合性物質と、必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤は、加熱により分解して遊離ラジカルを発生する硬化剤である。このような硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。このような硬化剤は、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定される。高反応性とポットライフの向上の観点から、半減期10時間の温度が40℃以上、かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上、かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物がより好ましい。
上記硬化剤の配合量は、接続時間を25秒以下とする場合、充分な反応率を得るためにラジカル重合性物質と、必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、2〜10質量部程度であることが好ましく、4〜8質量部がより好ましい。なお、接続時間を限定しない場合の硬化剤の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.05〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤として、より具体的には、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルパーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。また、回路電極32、42の腐食を抑えるという観点から、硬化剤は、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸の濃度が5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。このような硬化剤として、具体的には、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられ、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定されることがより好ましい。なお、上記硬化剤は、適宜混合して用いることができる。
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノデート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとして、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイドとしては、イソブチルパーオキサイド、2,4―ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1―(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
シリルパーオキサイドとしては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化してもよい。マイクロカプセル化した硬化剤は、可使時間が延長されるために好ましい。
接着剤組成物には、必要に応じて、フィルム形成材を添加して用いてもよい。フィルム形成材とは、液状物を固形化し構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いを容易とし、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械的特性等を付与するものであり、通常の状態(常温常圧)でフィルムとしての取扱いができるものである。フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着性、相溶性、耐熱性、機械的強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は、2官能フェノール類とエピハロヒドリンとを高分子化するまで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類とを重付加させることにより得られる樹脂である。フェノキシ樹脂は、例えば2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015モルとをアルカリ金属水酸化物等の触媒の存在下、非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、フェノキシ樹脂としては、樹脂の機械的特性や熱的特性の観点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1とし、アルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下、沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で、反応固形分が50質量部以下の条件で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。
上記2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。2官能フェノール類は、2個のフェノール性水酸基を有するものである。2官能フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類等が挙げられる。フェノキシ樹脂は、ラジカル重合性の官能基や、その他の反応性化合物により変性(例えば、エポキシ変性)されていてもよい。フェノキシ樹脂は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
接着剤組成物は、更に、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びアクリロニトリルのうち少なくとも一つをモノマー成分とした重合体又は共重合体を含んでいてもよい。ここで、応力緩和に優れることから、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用することが好ましい。これらのアクリルゴムの重量平均分子量は、接着剤の凝集力を高める点から20万以上が好ましい。
導電粒子12の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して0.1〜30体積部であることが好ましく、その配合量は用途により使い分けることができる。過剰な導電粒子12による回路電極32,42間の短絡等を防止する観点から、導電粒子12の配合量は0.1〜10体積部であることがより好ましい。
接着剤組成物には、更に、ゴム微粒子、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。
上記ゴム微粒子は、配合する導電粒子12の平均粒径の2倍以下の平均粒径を有し、且つ導電粒子12及び接着剤組成物の室温(25℃)での貯蔵弾性率の1/2以下の貯蔵弾性率を有するものであればよい。特に、ゴム微粒子の材質が、シリコーン、アクリルエマルジョン、SBR、NBR、ポリブタジエンゴムである微粒子は、単独で又は2種以上を混合して用いることが好適である。3次元架橋したこれらゴム微粒子は、耐溶剤性が優れており、接着剤組成物中に容易に分散される。
接着剤組成物に上記充填剤を含有させる場合、接続信頼性等が向上するため好ましい。充填剤は、その最大径が導電粒子12の粒径の1/2以下であれば使用できる。充填剤粒径が導電粒子よりも大きい場合、導電粒子の偏平化を阻害する恐れがある。また、導電性を持たない粒子を併用する場合には、充填剤が、導電性を持たない粒子の直径以下であれば使用できる。充填剤の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して5〜60体積部であることが好ましい。配合量が60体積部を超えると、接続信頼性向上効果が飽和する傾向があり、他方、5体積部未満では充填剤添加の効果が不充分となる傾向がある。
上記カップリング剤としては、ビニル基、アクリル基、エポキシ基又はイソシアネート基を含有する化合物が、接着性が向上するので好ましい。
なお、フィルム状の回路接続材料は、支持体(PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等)上に塗工装置(図示せず)を用いて上記回路接続材料を塗布し、所定時間熱風乾燥することにより作製することができる。
[回路接続構造体の製造方法]
次に、上述した回路接続構造体1の製造方法について説明する。
先ず、上述した第1の回路電極32を有する第1の回路部材30と、第2の回路電極42を有する第2の回路部材40と、回路接続材料とを準備する。回路接続材料としては、例えば、フィルム状に成形した回路接続材料(以下、フィルム状回路接続材料と言う。)を準備する。フィルム状回路接続材料は、上記接着剤組成物と、導電粒子12とを含有するものである。フィルム状回路接続材料の厚みは、10〜50μmであることが好ましい。
次に、第1の回路部材30の上に、フィルム状回路接続材料を載置する。そして、第2の回路部材40を、第1の回路電極32と第2の回路電極42とが相対向するようにフィルム状回路接続材料の上に載せる。これにより、第1の回路部材30と第2の回路部材40との間にフィルム状回路接続材料を介在させることが可能となる。このとき、フィルム状回路接続材料はフィルム状であり、取扱いが容易である。このため、このフィルム状回路接続材料によれば、第1の回路部材30と第2の回路部材40とを接続する際に、それらの間に容易に介在させることができ、第1の回路部材30と第2の回路部材40との接続作業を容易に行うことができる。
次に、第1の回路部材30及び第2の回路部材40を介してフィルム状回路接続材料を加熱しながら加圧して硬化処理を施し、第1及び第2の回路部材30,40の間に回路接続部材10を形成する。硬化処理は、一般的な方法により行うことが可能であり、その方法は接着剤組成物により適宜選択される。このとき、回路接続材料中の導電粒子12の最外層がNiである場合、NiはAuよりも硬いため、第1又は第2の回路電極32、42に対しては最外層がAuである導電粒子よりも突起部14がより深く食い込むこととなり、導電粒子12と回路電極32,42との接触面積が増加する。また、第1及び第2の回路電極32、42の厚みを50nm以上とすることにより、導電粒子12の突起部14が第1又は第2の回路電極32、42を貫通し接触面積が減少するのを防止できる。そして、回路接続材料が硬化処理されることにより接着剤組成物が硬化し、第1の回路部材30及び第2の回路部材40に対する高い接着強度が実現され、導電粒子12と第1及び第2回路電極32,42とがしっかりと接触した状態が長期間にわたって保持される。
従って、第1及び/又は第2の回路電極32,42の表面における凹凸の有無に拘わらず、対向する第1及び第2回路電極32,42間の接続抵抗を充分に低減することができ、第1回路電極32と第2回路電極42との良好な電気的接続を達成できると共に第1及び第2回路電極32,42間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる。
なお、上記実施形態では、フィルム状回路接続材料を用いて回路接続構造体1を製造しているが、フィルム状回路接続材料に代えて、フィルム状に形成される前の回路接続材料を用いてもよい。この場合でも、回路接続材料を溶媒に溶解させ、その溶液を、第1の回路部材30又は第2の回路部材40のいずれかに塗布し乾燥させれば、第1及び第2の回路部材30、40間に介在させることができる。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(導電粒子の作製)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーの混合比を変えて、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いて懸濁重合し、得られた重合体を分級することで約5μmの粒径を有する核体を得た。
得られた核体の表面に対して無電解Niメッキ処理を施し、均一な厚み100nmのNi層(金属層)を有する導電粒子No.1を得た。
また、導電粒子No.1においてAuを25nmの厚みだけ置換メッキすることにより、均一な厚みを有するAu層を形成し、導電粒子No.3を得た。
さらに、導電粒子No.2においてAuを置換メッキすることにより、複数の突起部を有するAu層を形成し、導電粒子No.4を得た。
上記各導電粒子No.1〜4を、電子顕微鏡(日立製作所製、S−800)を用いて観察し、突起部の平均高さと隣接する突起部間の平均距離を計測した。結果を表1に示す。
Figure 2011054988
(回路接続材料Aの作製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、分子内にフルオレン環構造体を有するフェノール化合物(4,4’−(9−フルオレニリデン)−ジフェニール)とからフェノキシ樹脂を合成し、この樹脂を質量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%の溶液とした。
次に、ゴム成分としてアクリルゴム(ブチルアクリレート40重量部−エチルアクリレート30重量部−アクリロニトリル30重量部−グリシジルメタクリレート3重量部の共重合体、重量平均分子量80万)を用意し、このアクリルゴムを質量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分15質量%の溶液とした。
また、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、ナフタレン型エポキシ樹脂とを、質量比34:49:17で含有する液状の硬化剤含有エポキシ樹脂(エポキシ当量:202)を用意した。
上記材料を固形分質量でフェノキシ樹脂/アクリルゴム/硬化剤含有エポキシ樹脂=20g/30g/50gの割合で配合し、接着剤組成物含有液(エポキシ系)を作製した。この接着剤組成物含有液100質量部に対して導電粒子No.2を5質量部分散させて回路接続材料含有液を調製した。
そして、この回路接続材料含有液を、片面を表面処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃3分の熱風乾燥により、PETフィルム上に厚みが20μmのフィルム状回路接続材料Aを得た。
(回路接続材料Bの作製)
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製、商品名PKHC、平均重量分子量5,000)50gを、トルエン/酢酸エチル=50/50(質量比)の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%のフェノキシ樹脂溶液とした。平均重量分子量800のポリカプロラクトンジオール400質量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート131質量部、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.5質量部及び重合禁止剤としてのハイドロキノンモノメチルエーテル1.0質量部を攪拌しながら50℃に加熱して混合した。
次いで、この混合液に、イソホロンジイソシアネート222質量部を滴下し更に攪拌しながら80℃に昇温してウレタン化反応を行った。イソシアネート基の反応率が99%以上になったことを確認した後、反応温度を下げてウレタンアクリレートを得た。
次いで、上記において調整したフェノキシ樹脂溶液から固形分質量が50g含まれるように量り取ったフェノキシ樹脂溶液と、上記ウレタンアクリレート49gと、リン酸エステル型アクリレート1gと、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としてのt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート5gとを混合して接着剤組成物含有液(アクリル系)を得た。そして、この接着剤組成物含有液100質量部に対して導電粒子No.2を5質量部分散させて回路接続材料含有液を調製した。
そして、この回路接続材料含有液を、片面を表面処理した厚み50μmのPETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃3分の熱風乾燥により、PETフィルム上に厚みが20μmのフィルム状回路接続材料Bを得た。
(回路接続材料Cの作製)
前記回路接続材料Aにおける導電粒子No.2の代わりに導電粒子No.1を用いた他は、回路接続材料Aと同様の方法により回路接続材料Cを得た。
(回路接続材料Dの作製)
前記回路接続材料Aにおける導電粒子No.2の代わりに導電粒子No.3を用いた他は、回路接続材料Aと同様の方法により回路接続材料Dを得た。
(回路接続材料Eの作製)
前記回路接続材料Aにおける導電粒子No.2の代わりに導電粒子No.4を用いた他は、回路接続材料Aと同様の方法により回路接続材料Eを得た。
(実施例1)
第1の回路部材として、ポリイミドフィルム(厚み38μm)と、SnめっきCu箔(厚み8μm)からなる2層構造体を有するフレキシブル回路板(以下、FPC)を準備した。このFPCの回路については、ライン幅18μm、ピッチ50μmとした。
次に、第2の回路部材として、表面上にITO回路電極(厚み:50nm、表面抵抗<20Ω)を備えるガラス基板(厚み1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、第2の回路部材上に所定のサイズ(1.5×30mm)に裁断した回路接続材料Aを貼付け、70℃、1.0MPaで5秒間加熱、加圧を行い仮接続した。次いで、PETフィルムを剥離した後、FPCと第2の回路部材とでフィルム状回路接続材料を挟むようにFPCを配置し、FPCの回路と第2の回路部材の回路の位置合わせを行った。次いで、180℃、3MPa、15秒の条件でFPC上方から加熱、加圧を行いFPCと第2の回路部材とを本接続した。こうして、実施例1の回路接続構造体を得た。
(実施例2)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として、表面上にIZO回路電極(厚み:50nm、表面抵抗<20Ω)を備えるガラス基板(厚み1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Aの仮接続、本接続を行い、実施例2の回路接続構造体を得た。
(実施例3)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として表面上にITO(最外層、厚み:50nm)/Cr(厚み:200nm)の2層構成の回路電極(表面抵抗<20Ω))を備えるガラス基板(厚み1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Aの仮接続、本接続を行い、実施例3の回路部材構造体を得た。
(実施例4)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として表面上にITO(最外層、厚み:50nm)/Ti(厚み:100nm)/Al(厚み:200nm)/Ti(厚み:100nm)の4層構成の回路電極(表面抵抗<20Ω)を備えるガラス基板(厚み1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Aの仮接続、本接続を行い、実施例4の回路接続構造体を得た。
(実施例5)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として表面上にAl回路電極(厚み:200nm、表面抵抗<5Ω)を備えるガラス基板(厚み1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Aの仮接続、本接続を行い、実施例5の回路接続構造体を得た。
(実施例6)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(厚み:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、第2の回路部材上に所定のサイズ(1.5×30mm)に裁断した回路接続材料Bを貼付け、70℃、1.0MPaで3秒間加熱、加圧を行い仮接続した。次いで、PETフィルムを剥離した後、FPCと第2の回路部材とでフィルム状回路接続材料を挟むようにFPCを配置し、FPCの回路と第2の回路部材の回路の位置合わせを行った。次いで、170℃、3MPa、10秒の条件でFPC上方から加熱、加圧を行いFPCと第2の回路部材とを本接続した。こうして、実施例6の回路接続構造体を得た。
(実施例7)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として、実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例6の接続方法と同様に回路接続材料Bの仮接続、本接続を行い、実施例7の回路接続構造体を得た。
(実施例8)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例3と同様のITO/Cr回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例6の接続方法と同様に回路接続材料Bの仮接続、本接続を行い、実施例8の回路接続構造体を得た。
(実施例9)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例4と同様のITO/Ti/Al/Ti回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例6の接続方法と同様に回路接続材料Bの仮接続、本接続を行い、実施例9の回路接続構造体を得た。
(実施例10)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例5と同様のAl回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例6の接続方法と同様に回路接続材料Bの仮接続、本接続を行い、実施例10の回路接続構造体を得た。
(比較例1)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として表面上にITO回路電極(厚み:25nm、表面抵抗<40Ω)を備えるガラス基板(厚み1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Aの仮接続、本接続を行い、比較例1の回路接続構造体を得た。
(比較例2)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として比較例1と同様のITO回路電極(厚み:25nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例6の接続方法と同様に回路接続材料Bの仮接続、本接続を行い、比較例2の回路接続構造体を得た。
(比較例3)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(厚み:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Cの仮接続、本接続を行い、比較例3の回路接続構造体を得た。
(比較例4)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Cの仮接続、本接続を行い、比較例4の回路接続構造体を得た。
(比較例5)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例3と同様のITO/Cr回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Cの仮接続、本接続を行い、比較例5の回路接続構造体を得た。
(比較例6)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例4と同様のITO/Ti/Al/Ti回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Cの仮接続、本接続を行い、比較例6の回路接続構造体を得た。
(比較例7)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として比較例1と同様のITO回路電極(厚み:25nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Cの仮接続、本接続を行い、比較例7の回路接続構造体を得た。
(比較例8)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例5と同様のAl回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Cの仮接続、本接続を行い、比較例8の回路接続構造体を得た。
(比較例9)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(厚み:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Dの仮接続、本接続を行い、比較例9の回路接続構造体を得た。
(比較例10)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Dの仮接続、本接続を行い、比較例10の回路接続構造体を得た。
(比較例11)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例3と同様のITO/Cr回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Dの仮接続、本接続を行い、比較例11の回路接続構造体を得た。
(比較例12)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例4と同様のITO/Ti/Al/Ti回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Dの仮接続、本接続を行い、比較例12の回路接続構造体を得た。
(比較例13)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として比較例1と同様のITO回路電極(厚み:25nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Dの仮接続、本接続を行い、比較例13の回路接続構造体を得た。
(比較例14)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例5と同様のAl回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Dの仮接続、本接続を行い、比較例14の回路接続構造体を得た。
(比較例15)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(厚み:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Eの仮接続、本接続を行い、比較例15の回路接続構造体を得た。
(比較例16)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として、実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Eの仮接続、本接続を行い、比較例16の回路接続構造体を得た。
(比較例17)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として、実施例3と同様のITO/Cr回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Eの仮接続、本接続を行い、比較例17の回路接続構造体を得た。
(比較例18)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として、実施例4と同様のITO/Ti/Al/Ti回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Eの仮接続、本接続を行い、比較例18の回路接続構造体を得た。
(比較例19)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として比較例1と同様のITO回路電極(厚み:25nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料Eの仮接続、本接続を行い、比較例19の回路接続構造体を得た。
(回路電極上に存在する導電粒子数)
微分干渉顕微鏡を用いて、上記回路接続構造体における各回路電極上に存在する導電粒子数を目視にて計数(n=38)した。その結果、実施例1〜15、比較例1〜15の回路電極上の平均粒子数は31〜38個の範囲内であり、回路接続材料や接続部材の違いによる導電粒子数の極端な増減は見られなかった。
(接続抵抗の測定)
上記のようにして得られた実施例1〜10及び比較例1〜15の回路接続構造体について、FPCの回路電極と、第2の回路部材の回路電極との間の接続抵抗値を、マルチメータを用いて測定した。接続抵抗値は、初期(接続直後)と、80℃、95%RHの高温高湿槽中に250時間保持(高温高湿処理)した後に測定した。接続抵抗値の測定結果及び抵抗変化率を表2に示す。表2において、接続抵抗値は、隣接回路間の抵抗37点の平均値xと標準偏差σを3倍した値3σとの和(x+3σ)で示している。また、抵抗増加率は初期抵抗値から高温高湿処理後抵抗値の増加量を百分率で示しており、具体的には下記式:((処理後抵抗値−初期抵抗値)/初期抵抗値)×100で算出した。接続信頼性の改善効果の判断として、抵抗増加率10%未満を改善効果有り、10%以上15%未満を従来品レベル、15%以上を改善効果無し(NG)とした。
Figure 2011054988
表2に示す結果より、突起部を備えかつ最外層がニッケルである導電粒子を含有する回路接続材料を使用して接続した場合、回路接続材料を構成する接着性組成物の種類にかかわらず、第1及び第2の回路電極の厚みが共に50nm以上である回路接続構造体(実施例1〜10)は、第2の回路電極の厚みが50nm未満(比較例1及び2)である場合に比べて、初期抵抗値及び高温高湿処理後の抵抗増加率のいずれの値も低減され、接続信頼性が改善されたことが分かった。
また、突起部を備えた導電粒子を含有する回路接続材料を使用して接続した回路接続構造体(実施例1〜10)は、突起部を有しない導電粒子を用いた場合(比較例3〜14)に比べて、初期抵抗値及び高温高湿処理後の抵抗増加率のいずれの値も低減され、接続信頼性が改善されたことが分かった。
さらに、最外層がニッケルである導電粒子を含有する回路接続材料を使用して接続した回路接続構造体(実施例1〜5)は、最外層がAuである導電粒子を用いた場合(比較例15〜19)に比べて、初期抵抗値及び高温高湿処理後の抵抗増加率のいずれの値も低減され、接続信頼性が改善されたことが分かった。
表2から、第1及び第2の回路電極の厚みが共に50nm以上であり、かつ、突起部を有し最外層がニッケルである導電粒子を含有した回路接続材料を用いて接続された回路接続構造体は、初期抵抗値及び抵抗増加率を低減させる効果があり、上記要件を満たさない回路接続材料を用いて接続された回路接続構造体に比べて、より良好な電気的接続及び電気特性の長期信頼性を達成できることが分かった。
以上より、本発明の回路接続材料によれば、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができることが確認された。
1…回路接続構造体、10…回路接続部材、11…絶縁性物質、12…導電粒子、14…突起部、21…核体、21a…中核部、21b…核体の突起部、22…金属層、30…第1の回路部材、31…第1の回路基板、31a…第1の回路基板の主面、32…第1の回路電極、40…第2の回路部材、41…第2の回路基板、41a…第2の回路基板の主面、42…第2の回路電極、H…突起部14の高さ、S…隣接する突起部14間の距離。

Claims (2)

  1. 第1の回路基板の主面上に第1の回路電極が形成された第1の回路部材と、
    前記第1の回路部材に対向して配置され、第2の回路基板の主面上に第2の回路電極が形成された第2の回路部材と、
    を電気的に接続するための回路接続材料であって、
    前記第1及び第2の回路電極の厚みが50nm以上であり、
    接着剤組成物と表面側に複数の突起部を備えた導電粒子とを含有し、
    前記導電粒子の最外層が、ニッケル又はニッケル合金であり、
    前記導電粒子の前記突起部の高さが50〜500nmである、回路接続材料。
  2. 前記第1又は第2の回路電極の厚みが1000nm以下である、請求項1に記載の回路接続材料。
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