JP2021075636A - 水系導電性ゲル状組成物、および積層体 - Google Patents

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【課題】本発明は、高い導電性を保持した状態で、かつ長期で構造体からの電気信号を受け取ることができる水系導電性ゲル状組成物を提供することを目的とする。【解決手段】水溶性エポキシ化合物(A)と分岐構造を有する水溶性アミン硬化剤(B)とが架橋してなる水系導電性ゲル状組成物であって、さらにイオン解離性の塩(C)を含有することを特徴とする水系導電性ゲル状組成物を用いること、さらに好ましくは該水系導電性ゲル状組成物の導電率が、0.1mS/m以上であることにより、上記課題は解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、構造体、例えば銀材やステンレス材、コンクリート材、生体等に貼り付けることにより構造体から得られる電気信号を長期で簡便に受け取ることが可能な水系導電性ゲル状組成物に関する。
近年、情報化技術が飛躍的に進歩しているなかで、情報をより正確に、長期的に、省電力で獲得することが可能なデバイスの開発が国内外で精力的に行われている。特にセンサー技術の躍進はすさまじく、センサーをありとあらゆる場所に張り巡らせることで従来は取り扱いにくかった情報や現場の熟練技に依存せざるを得なかった情報を精度よく長期的に獲得でき、またセンサーの貼付固定技術向上により簡便に情報を得ることが可能となる。
そのような背景の中、導電材料同士を長期で導通させたまま高精度で計測することが可能なイオン導電性ゲル状組成物が求められるようになってきている。しかし、水を分散媒として用いた水系ゲルを電極として用いた場合、揮発性が高く水分量が経時で低下してしまうため、長期計測中に水分が抜けて正確な計測が行えないといった問題が生じる。
構造体から得られる電気信号を正確に受け取るには、長期で安定したイオン導電性を確保するといった措置が必要になる。
エレクトロニクス分野の技術的な進歩の中で、電子材料のモジュール化が進められており、このような分野でイオン導電性ゲルは必要不可欠である。ところが、高いイオン導電性を有し、かつ長期使用が可能である導電性ゲル状組成物は実現されていないのが現状である。
特開2000−95630号公報 特開2012−197343号公報
本発明の目的は、高い導電性を保持した状態で、長期で構造体からの電気信号を受け取ることができる水系導電性ゲル状組成物を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す水系導電性ゲル状組成物により長期でイオン導電性を保持ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水溶性エポキシ系化合物(A)と分岐構造を有する水溶性アミン硬化剤(B)とが架橋してなる水系導電性ゲル状組成物であって、さらにイオン解離性の塩(C)を含有することを特徴とする水系導電性ゲル状組成物に関する。
また、本発明は、水系導電性ゲル状組成物の導電率が0.1mS/m以上であることを特徴とする前記の水系導電性ゲル状組成物に関する。
また、本発明は、水系導電性ゲル状組成物の水分量が、組成物全体に対して20%以上、80%以下であって、イオン解離性の塩(C)の含有率が、組成物全体に対して5重量%以上、30重量%以下であることを特徴とする前記の水系導電性ゲル状組成物に関する。
また、本発明は、前記水溶性エポキシ系化合物(A)が、1分子内に2つ以上の反応基を有するエポキシ化合物を含み、かつ前記水溶性アミン硬化剤(B)が、1000以上の分子量を有すアミン硬化剤を含むことを特徴とする前記の水系導電性ゲル状組成物に関する。
また、本発明は、イオン解離性の塩(C)が硫酸銅、塩化カルシウムを含むことを特徴とする前記の水系導電性ゲル状組成物に関する。
また、本発明は、基材、前記の水系導電性ゲル状組成物の順で積層されてなることを特徴とする積層体に関する。
本発明により、高い導電性と水分保持性を発現する水系導電性ゲル状組成物を提供することができる。
は、本発明の積層体の構成例を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の水系導電性ゲル状組成物は、イオン解離性の塩(C)と水溶性エポキシ化合物(A)と水溶性アミン硬化剤(B)を含むことを特徴とする。
<イオン解離性の塩(C)>
本発明で用いられるイオン解離性の塩としては、1、2または3価の金属塩、例えば、銅、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、銀、亜鉛、マンガン、シリコン、バナジウム、チタン、スカンジウム、カルシウム、スカンジウム、金、モリブデン、パラジウム、ルテニウム、ルビジウム、イットリニウム、セレン、カリウム、アルミニウム、ナトリウム、リチウムの塩が挙げられ、これらを構成するイオンは例えば、水酸化物イオン、ホウ酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、硫酸イオン、過硫酸イオン、酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオンなどが挙げられるが、水と混ぜた際にイオン化する塩が好ましく、例えば、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、水酸化銅、クエン酸銅、硝酸銅、水酸化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化鉄、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸コバルト、酢酸コバルト、塩化コバルト、酢酸マンガン、塩化マンガン、塩化クロムなどの遷移金属を含む塩、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、等の典型金属元素を含む塩等が挙げられるが、水溶性の金属塩であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明のイオン解離性の塩は、配位が容易な2価以上の金属イオンになることが可能な金属を含む塩であることが好ましい。上記のような金属を含む塩であれば、水中に溶けた金属イオンが、水溶性アミン硬化剤が持つ塩基性によって配位架橋されることにより強固で長期安定性の高いゲル構造を構築することが可能となるからである。
また、水中に溶けだした金属イオンがイオン導電性を向上させるためのキャリアとしても機能することから高濃度であることが好ましく、あらかじめ飽和水溶液として調整したものを用いることがより好ましい。
金属塩種の中では、高い電位安定性を有するため硫酸銅が好ましく、また、単体でも高い水分保持性を有するため塩化カルシウムも好適に用いることができる。
イオン解離性の塩の含有量は、後述のアミン硬化剤との架橋性およびイオン導電性の観点から、組成物全体に対して5質量%〜30質量%であることが好ましく、10質量%〜20質量%がより好ましい。
<水溶性エポキシ化合物(A)>
本発明で用いられる水溶性エポキシ化合物は、水に溶解させることが可能であり、分子内にグリシジル基を2つ以上、含有することが好ましい。また、分子内にグリシジル基を3つ以上含んでいるエポキシ化合物であることが、ゲル組成物における水分保持性および後述のアミン硬化剤との架橋性の観点から好適である。例えば、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテルがあり、市販品としてモビテクス301(荒川化学工業社製)、モビテクス302(荒川化学工業社製)、モビテクス305(荒川化学工業社製)、トーマイドTXH−674−B(T&K TOKA製)、トーマイドTXS−53−C(T&K TOKA社製)、トーマイドFXI−919(T&K TOKA社製)、トーマイドFXH−935(T&K TOKA社製)、W2801(三菱ケミカル製)、W2821R70(三菱ケミカル製)、W3435R67(三菱ケミカル製)、W8735R70(三菱ケミカル社製)、W1155R55(三菱ケミカル社製)、デナコールEX−810(ナガセケムテックス社製)、デナコールEX−313(ナガセケムテックス社製)、デナコールEX−512(ナガセケムテックス社製)、デナコールEX−614(ナガセケムテックス社製)、デナコールEX−201(ナガセケムテックス社製)、などが挙げられる。このようなエポキシ化合物は、単独で使用してもよく、それらの混合物として使用してもよい。
水溶性エポキシ系化合物のエポキシ当量は、水分保持性の観点から、10g/eq以上2000g/eq以下が好ましく、より好ましくは50g/eq以上500g/eq以下であり、さらに好ましくは100g/eq以上300g/eq以下である。
水溶性エポキシ系化合物の含有量は、水分保持性の観点から、組成物全体に対して0.5質量%〜30質量%であることが好ましく、1.0質量%〜10質量%がより好ましい。
<水溶性アミン硬化剤(B)>
本発明で用いられる水溶性アミン硬化剤は、水に溶解させることが可能であり、分子内に少なくとも第1級、第2級、第3級のいずれか1種のアミノ基を含有し、さらに分子内に分岐構造を持つことを特徴とする。上記のようなアミン硬化剤を用いることで、強固で高い水分保持性を持つゲル状組成物を形成することが可能となる。上記に該当する化合物群としてエチレンイミンを重合して得られる分岐構造を有するポリエチレンイミンが挙げられるが、上記で説明した水溶性エポキシ化合物と反応して硬化するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、エポミンSP−003(日本触媒製)、エポミンSP−006(日本触媒製)エポミンSP−012(日本触媒製)、エポミンSP−018(日本触媒製)、エポミンSP−200(日本触媒製)、エポミンHM−2000(日本触媒製)、エポミンP−1000(日本触媒製)、エポミンP−3000(日本触媒製)、ポリサイエンス社製の分岐ポリエチレンイミン、などが挙げられる。水溶性アミン硬化剤は、単独で使用しても良く、それらの混合物として使用しても良い。
水溶性アミン硬化剤の分子量は、ゲルの水分保持性および、前述のエポキシ化合物および金属イオンとの架橋性の観点から1000以上200000以下が好ましく、より好ましくは10000以上180000以下であり、さらに好ましくは70000以上150000以下である。
また、水溶性アミン硬化剤のアミン価は、ゲルの水分保持性および、前述のエポキシ化合物および金属イオンとの架橋性の観点から0.5mmol/g以上50mmol/g以下が好ましく、より好ましくは5mmol/g以上30mmol/g以下であり、さらに好ましくは10mmol/g以上25mmol/g以下である。
<その他の成分>
本発明の水系導電性ゲル状組成物には、必要に応じて、上記必須成分以外にも、例えば、分散剤や、消泡剤、有機溶剤、その他の助剤など各種添加剤を適宜配合することができる。
本発明の水系導電性ゲル状組成物においては、水分量は、例えば、組成物全体に対して20質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
<水系導電性ゲル状組成物>
本発明の水系導電性ゲル状組成物は、上記、イオン解離性の塩、水溶性エポキシ系化合物、分岐構造を有する水溶性アミン硬化剤、を必須成分とし、水溶性エポキシ系化合物と水溶性アミン硬化剤とが3次元的に架橋することによって水を主分散媒としたゲル構造を形成する。さらにイオン解離性の塩が水中に溶けだすことによって生じる金属イオンに水溶性アミン硬化剤中に含まれるアミンが配位することによってさらに強固なゲルを形成することが可能となる。更に必要に応じて、その他の成分を配合後、均一に分散・反応することで製造することができる。
<積層体>
本発明の積層体は、基材の片面に水系導電性ゲル状組成物を塗布または印刷することによる水系導電性ゲル状組成物層を有しており、シート型ゲル電極として利用することができる。さらに水系導電性ゲル状組成物側の面を構造体に貼りつけることにより構造体の電気信号を受け取ることが可能となる。
水系導電性ゲル状組成物の塗工・印刷方法は、特に限定されることはない。塗工方法としてはスロットスプレー塗工法、オメガ塗工法、スパイラル塗工法、コントロールシーム塗工法、スロットスプレー塗工法、ドット塗工法、ホットメルトアプリケーター塗工法、ホットメルトコーター塗工法、ブレードコート塗工法、ディップ塗工法、グラビアコート塗工法、カーテンスプレー塗工法、ビード塗工法、ホットメルトロールコータースピンコート塗工法が挙げられ、印刷方法としてはインクジェット印刷法、スプレー印刷法、ロールコート印刷法、ドクターロール印刷法、ドクターブレード印刷法、カーテンコート印刷法、スリットコート印刷法、スクリーン印刷法、反転印刷法、プッシュコート印刷法、スリットコーター印刷法等を挙げることができる。水系導電性ゲル状組成物の厚みは、100〜5000μmが好ましいがこれに限定されるものではない。
<基材>
基材は、樹脂、紙、金属、無機物からなる群より選ばれる。例えば、樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポオリノルボルネン等のポリオレフィン系樹脂などの樹脂から形成される樹脂シートが挙げられる。
金属としては、金、銀、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、ニッケル、クロム、スズ、白金、鉛等の金属または合金から形成される金属シートが挙げられるがこれに限定されるものではない。また、上記の樹脂シートに金属や炭素等の導電体が積層した積層体であってもよく、樹脂が導電体で覆われた複合構造体であってもよい。また、これらの基材は水系導電性ゲル状組成物の一部を覆えばよく、基材の形状はシート状以外にも円筒状、円板状、線状、棒状、球状、直方体状などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
<構造体>
構造体は、銀、ステンレス、銅、鉄、アルミ、コンクリート、モルタル、スレート、木材、セラミック、ガラス、コルク、紙、鉱物、非鉄金属、ポリマー、人間の皮膚等が挙げられるが特に限定されることはない。
<その他の利用>
本発明の水系導電性ゲル状組成物は、例えば、トンネルや洞道、橋梁、プラント施設などのコンクリート構造体表面に設置し構造体の劣化検査用の電極材料として適用することができ、本発明の水系導電性ゲル状組成物は、例えば、人体の皮膚表面に設置し生体信号検知用の電極材料として適用することができる。上記の電極材料として適用する際は電気配線を直接導電ゲルに接続し、計測器を通して電気信号を受け取るのも良いし、導電性の基材に電気配線を接続し、計測器で電気信号を受け取るのも良い。
本発明の水系導電性ゲル状組成物は、上記の積層体とは別に例えば、はけやローラー、エアスプレーなどの塗装方法により上記の構造体に直接塗装し、構造体に強固に密着させることができる。
<導電率>
水系導電性ゲル状組成物を構成するにあたり導電率を0.1mS/m以上の値とすることが好ましい。この理由は、水系導電性組成物の導電率がかかる範囲内の値であれば、構造体に貼り付ける導電シートとした場合に構造体からの電気信号を受け取ることが可能な好適な導電性を付与することができるためである。したがって、水系導電性ゲル状組成物の導電率は0.1mS/m以上の値とすることが好ましい。水系導電性ゲル状組成物の導電率は、より好ましくは1.0mS/m以上であり、さらに好ましくは、1S/m以上500S/m未満である。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なおイオン解離性の塩(C)については全て飽和水溶液として用いた。
実施例で使用した化合物などを以下に示す。
<水溶性エポキシ化合物(A)>
・EX−810(ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量:113g/eq、2官能)
・EX−512(ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量:168g/eq、4官能以上)
・EX−313(ナガセケムテックス(株)製、エポキシ当量:141g/eq、2〜3官能)
<水溶性アミン化合物(B)>
・エポミンSP200(日本触媒製、アミン価:18mmol/g、分子量Mn10000、分枝ポリエチレンイミン)
・エポミンP1000(日本触媒製、アミン価:18mmol/g、分子量Mn70000、分枝ポリエチレンイミン)
・エポミンP3000(日本触媒製、アミン価:18mmol/g、分子量Mn100000、分枝ポリエチレンイミン)
P−1000、P−3000については、真空乾燥機を用いて、80℃、減圧下で4時間乾燥したものを用いた。
<イオン解離性の塩(C)>
・硫酸銅(CuSO
・塩化カルシウム(CaCl
硫酸銅は24wt%になるように水に溶かした飽和硫酸銅水溶液として用いた。
塩化カルシウムは25wt%になるように水に溶かした飽和塩化カルシウム水溶液を用いた。
エポキシ化合物およびアミン系硬化剤からなるゲル状組成物を以下に示すように作製した。表1に実施例1〜8および比較例1〜2の物性等についてまとめた。評価方法は、以下のとおりである。
(水分保持性)
水分保持性の判定を目的とした、経時水分量変化の評価方法については、硬化したゲル状組成物6.0gをメンタム皿に入れ、配合量から計算して得られた初期のゲル状組成物全体に対する水分量(wt%)を基準として、組成物全体の重量変化量をゲル状組成物全体に含まれる水分量の変化として換算した。室温で10日間経過時の水分量の変化が20%未満であった場合は◎、40%未満20%以上だった場合は〇、40%以上の場合は×として評価した。
(導電率)
導電率は、組成物をφ1.5cmの円板状に成形し、インピーダンスアナライザ(Solartron Analytical社製 1260A)を用いて組成物の導電率の測定を行った。2段階で評価を行った。1.0 mS/m以上であった場合は◎、0.1mS/m以上1.0mS/m未満だった場合は〇、0.1mS/m未満の場合は×として評価した。
[実施例1]
サンプル管に、エポミンSP200を6.0gおよびEX−512を0.6g仕込み、さらに飽和硫酸銅水溶液を5.26g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失って5時間以内にゲル状組成物となることを確認した。
[実施例2]
サンプル管に、エポミンSP200を6.0gおよびEX−810を0.6g仕込み、さらに飽和硫酸銅水溶液を4g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失ってゲル状組成物となることを確認した。
[実施例3]
サンプル管に、エポミンP1000を6.0gおよびEX−512を0.6g仕込み、さらに飽和硫酸銅水溶液を5.26g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失ってゲル状組成物となることを確認した。
[実施例4]
サンプル管に、エポミンP1000を4.0gおよびEX−512を0.12g仕込み、さらに飽和塩化カルシウム水溶液を8.0g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失ってゲル状組成物となることを確認した。
[実施例5]
サンプル管に、エポミンSP200を6.0gおよびEX−512を0.6g仕込み、さらに飽和硫酸銅水溶液を3.26g、飽和塩化カルシウム水溶液を2.0g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失って5時間以内にゲル状組成物となることを確認した。
[実施例6]
サンプル管に、エポミンSP200を6.0gおよびEX−512を0.6g仕込み、さらに飽和塩化カルシウム水溶液を5.26g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失って5時間以内にゲル状組成物となることを確認した。
[実地例7]
サンプル管に、エポミンP3000を2.0gおよびEX−313を0.2g仕込み、さらに飽和硫酸銅水溶液を8g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失ってゲル状組成物となることを確認した。
[実地例8]
サンプル管に、エポミンP1000を8.0gおよびEX−512を0.6g仕込み、さらに飽和硫酸銅水溶液を50g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失ってゲル状組成物となることを確認した。
[比較例1]
サンプル管に、エチレンジアミンを8.0gおよびEX−512を0.8g仕込み、さらに飽和硫酸銅水溶液を4.20g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。
[比較例2]
サンプル管に、エポミンSP200を6.0gおよびEX−512を0.6g仕込み、さらにイオン交換水を4g加え、室温で1分間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。この時目視によってサンプルが完全に流動性を失ってゲル状組成物となることを確認した。
実施例および比較例で用いたゲル状導電性組成物の水分およびイオン解離性の塩の導電性組成物全体における組成率と、ゲル状導電性組成物の評価結果を表1に示す。
表1
Figure 2021075636
1 基材
2 水系導電性ゲル状組成物
3 構造体
10 積層体

Claims (6)

  1. 水溶性エポキシ化合物(A)と分岐構造を有する水溶性アミン硬化剤(B)とが架橋してなる水系導電性ゲル状組成物であって、さらにイオン解離性の塩(C)を含有することを特徴とする水系導電性ゲル状組成物。
  2. 水系導電性ゲル状組成物の導電率が、0.1mS/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の水系導電性ゲル状組成物。
  3. 水系導電性ゲル状組成物の水分量が、組成物全体に対して20%質量以上、80%質量以下であって、イオン解離性の塩(C)の含有率が、組成物全体に対して5質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の水系導電性ゲル状組成物。
  4. 前記水溶性エポキシ化合物(A)が、1分子内に2つ以上の反応基を有するエポキシ化合物を含み、かつ前記水溶性アミン硬化剤(B)が、1000以上の分子量を有するアミン硬化剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水系導電性ゲル状組成物。
  5. イオン解離性の塩(C)が、硫酸銅、または塩化カルシウムを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水系導電性ゲル状組成物。
  6. 基材、請求項1〜5のいずれかに記載の水系導電性ゲル状組成物の順で積層されてなることを特徴とする積層体。
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