JP2001131317A - 収縮性帯電防止樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

収縮性帯電防止樹脂フィルム及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001131317A
JP2001131317A JP30981399A JP30981399A JP2001131317A JP 2001131317 A JP2001131317 A JP 2001131317A JP 30981399 A JP30981399 A JP 30981399A JP 30981399 A JP30981399 A JP 30981399A JP 2001131317 A JP2001131317 A JP 2001131317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
film
resin film
shrinkable
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30981399A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Fujii
隆 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CI Kasei Co Ltd
Original Assignee
CI Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CI Kasei Co Ltd filed Critical CI Kasei Co Ltd
Priority to JP30981399A priority Critical patent/JP2001131317A/ja
Publication of JP2001131317A publication Critical patent/JP2001131317A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻取り加工時に帯電防止剤が反対面に転写さ
れることのなく、ヒートシール性や印刷時のインキ密着
性がそこなわれることのない収縮性帯電防止樹脂フィル
ムを提供する。 【解決手段】 上記フィルムは、収縮性樹脂フィルムの
少くとも片面が、一般式 【化1】 (式中、Rは炭素数6〜16のアルキル基、nは1〜4
の整数、Y-はハロゲンイオン、塩素酸イオン、過塩素
酸イオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、
アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又は
アルキルスルホネートイオンを示す)で表わされる帯電
防止剤を含有する被膜で被覆されて成り、これは収縮性
樹脂フィルムの少くとも片面に上記帯電防止剤を含む塗
布液を塗布し、乾燥するか、あるいは未延伸樹脂フィル
ム又は一軸延伸樹脂フィルムの少くとも片面に上記帯電
防止剤を含む塗布液を塗布し、乾燥、延伸することによ
り得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートシール性に
優れ、巻取り後に帯電防止剤が反対面に転写されること
のなく、ヒートシール性や印刷時のインキ密着性がそこ
なわれることのない収縮性帯電防止樹脂フィルムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】収縮性フィルムとしてはポリエステルフ
ィルムや塩化ビニル系樹脂フィルムなどがよく知られ、
これらは包装フィルムやシュリンクラベル等のヒートシ
ール材、印刷フィルムなどとして多用されている。
【0003】しかし、これらポリエステルフィルムや塩
化ビニル系樹脂フィルム等は一般に電気絶縁性が高いた
め、静電気の発生、蓄積を起こし易く、それにより種々
のトラブル、例えば製膜工程や印刷、接着、製袋、包
装、その他二次加工工程でのフィルム同士あるいはフィ
ルムと他の物品との貼り付きやくっつき、例えば装置の
ロールヘの巻き付き、人体への電気ショック、塵埃の付
着等を引き起こし、取扱いが困難となったり、作業能率
が低下したり、印刷ヒゲの発生やフィルム表面の汚れな
ど商品価値の低下をもたらしたりする。このような静電
気に伴うトラブルの防止法として一般にポリエステルや
塩化ビニル系樹脂などの適当な樹脂中に帯電防止剤を練
り込み製膜する方法や、このような樹脂をフィルムに成
形したのち、その表面に帯電防止剤を含む塗布液を塗布
し、乾燥して塗被フィルムを形成させる方法などがあ
る。
【0004】しかしながら、これらの制電法では収縮性
フィルムの巻取り加工時に帯電防止剤が反対面に転写さ
れやすく、ヒートシール性や印刷時のインキ密着性が良
好でなくなる傾向がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情の下、フィルム巻取り加工時に帯電防止剤が反対面
に転写されることのなく、ヒートシール性や印刷時のイ
ンキ密着性がそこなわれることのない収縮性帯電防止樹
脂フィルムを提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記した好
ましい特性を有する収縮性帯電防止樹脂フィルムを開発
するために種々研究を重ねた結果、帯電防止剤に特定の
アンモニウム塩型のものを用い、それを塗布液に含有さ
せて対象樹脂フィルムに塗被することにより、その目的
を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、収縮性樹脂フィルム
の少くとも片面が、一般式
【化4】 (式中、Rは炭素数6〜16のアルキル基、nは1〜4
の整数、Y-はハロゲンイオン、塩素酸イオン、過塩素
酸イオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、
アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又は
アルキルスルホネートイオンを示す)で表わされる帯電
防止剤を含有する被膜で被覆されて成る収縮性帯電防止
樹脂フィルムを提供するものである。
【0008】この収縮性帯電防止樹脂フィルムは、収縮
性樹脂フィルムの少くとも片面に、前記一般式(I)で
表わされる帯電防止剤を含む塗布液を塗布し、乾燥する
か、あるいは未延伸樹脂フィルム又は一軸延伸樹脂フィ
ルムの少くとも片面に、前記一般式(I)で表わされる
帯電防止剤を含む塗布液を塗布し、乾燥、延伸すること
によって製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の収縮性帯電防止樹脂フィ
ルムにおいては、基材に収縮性フィルム、例えば一軸延
伸フィルムや二軸延伸フィルムのような延伸フィルム、
熱収縮性フィルムを用いるのが好ましい。この収縮性フ
ィルムについては従来慣用されているものであれば特に
限定されないが、ポリエステルや塩化ビニル系樹脂を主
材とするものが好ましい。
【0010】このポリエステルとしては特に限定されな
いが、好ましくは芳香族二塩基酸またはそのエステル形
成誘導体とジオールまたはそのエステル形成誘導体とか
ら合成される芳香族系ポリエステルが用いられ、その具
体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リ(1,4‐シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト)、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレンジカルボキシ
レート等が挙げられ、またこれらの共重合体やこれらを
主とする他の樹脂とのブレンド物なども挙げられる。
【0011】また、この芳香族系ポリエステルは、その
固有粘度が0.55〜1.2、中でも0.58〜0.9
0、特に0.60〜0.88の範囲にあるものが好まし
い。固有粘度が0.55未満であると、流動性及び成形
加工性に優れるが、成形品の機械的強度、溶融時の形状
保持性などが低下しフィルムに成形できないし、また
1.2を超えると、流動性や成形加工性が低下する。
【0012】塩化ビニル系樹脂としては特に限定され
ず、例えば、ポリ塩化ビニル;塩化ビニルと共重合可能
な他のコモノマーとの共重合体等が挙げられる。この共
重合体としては、塩化ビニルとエチレンやプロピレンな
どの低級オレフィンとの共重合体、塩化ビニルと重合性
ビニル単量体、例えば酢酸ビニル、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エ
チルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、2‐
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)
アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、スチレンやビ
ニルトルエンなどの芳香族ビニル単量体等との共重合体
等が挙げられる。また、要求される性能に応じて、ニト
リルブタジエンゴム等のゴム系樹脂等を併用することも
できる。
【0013】また、塩化ビニル系樹脂は、その平均重合
度が400〜3000、中でも700〜1800、特に
1000〜1500の範囲にあるものが好ましい。該重
合度が400未満であると、流動性及び成形加工性に優
れるが、成形品の機械的強度、高温使用時における形状
保持性などが低下するし、また3000を超えると、流
動性や成形加工性が低下する。
【0014】その他、前記収縮性フィルムには、他の疎
水性の合成樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、延伸ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポ
リウレタン、これらを主体とする共重合体等も用いるこ
とができる。
【0015】前記収縮性フィルム中には滑り性をよくす
るために、無機または有機の微粒子を少量、例えば0.
001〜5重量%程度含有させることができる。この微
粒子としては、通常0.01〜2.0μmの範囲の平均
粒径を有するものが用いられる。この無機微粒子として
は、シリカ、アルミナ、カオリン、酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、酸化カルシウム、グラファイト、カーボンブ
ラック、酸化亜鉛、炭化珪素、硫酸バリウム等が、また
有機微粒子としては、架橋シリコーン樹脂等のシリコー
ン樹脂、架橋アクリル樹脂等のアクリル樹脂、架橋スチ
レン樹脂等のスチレン樹脂、ベンゾグアナミン、テフロ
ン(登録商標)、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げ
られる。
【0016】また、前記収縮性フィルムには、必要に応
じ、本発明の目的をそこなわない範囲で、慣用の添加
剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料等の着色
剤、可塑剤、有機フィラー、無機フィラー、潤滑剤、ブ
ロッキング防止剤等を配合することができる。
【0017】本発明の収縮性帯電防止樹脂フィルムにお
いて基材の少なくとも片面に塗被された被膜について
は、一般式
【化5】 (式中、Rは炭素数6〜16のアルキル基、nは1〜4
の整数、Y-はハロゲンイオン、塩素酸イオン、過塩素
酸イオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、
アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又は
アルキルスルホネートイオンを示す)で表わされる帯電
防止剤及びバインダーを含有する組成のものが好ましい
が、場合によってはバインダーを使用しないものでもよ
い。
【0018】この一般式(I)で表わされる帯電防止剤
においては、Rのアルキル基の炭素数は6〜16、好ま
しくは8〜12であり、この数が6未満では帯電防止性
が著しく低下するし、また16を超えると樹脂との親和
性、相溶性が低下し、その結果外観が悪くなる。また、
nは1〜4、好ましくは1〜3の整数であり、nが4を
超えると樹脂との親和性、相容性が低下する。
【0019】また、バインダーについては、従来この種
の塗布液用として通常用いられているものであれば使用
可能であり、このようなものとしては、例えばポリエス
テル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系
樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、ポリビニルブチラ
ール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリス
チレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、塩素
化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテル系樹脂等の溶剤又
は水可溶性のバインダー樹脂が挙げられる。バインダー
樹脂は溶剤に溶解して、或いは水系エマルションや水性
分散液等として使用される。
【0020】上記のバインダーの中では、カルボキシル
基等の親水性基を有する水溶性樹脂若しくは水分散性樹
脂、例えば、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン・ア
クリル共重合体樹脂、ポリウレタン、ポリエステルアイ
オノマー等のエマルション、水溶性ポリエステル樹脂、
水分散性ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらのバイ
ンダー樹脂は、それぞれ樹脂フィルムとの密着性を考慮
して選択使用することが望ましい。特にポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステルフィルムに対しては水溶
性若しくは水分散性のポリエステル樹脂、例えば日本合
成化学工業社製のポリエスターWR−961、大日本イ
ンキ化学社製のファインテックスES−675等の市販
品等が好ましい。また、ポリアミド(ナイロン)フィル
ムに対してはスチレン−アクリル共重合体樹脂のエマル
ション、例えば岐阜セラック社のDNC−1、DNC−
2、ジョンソンポリマー社製のジョンクリルJ−62等
の市販品等が好ましい。さらに延伸ポリプロピレンフィ
ルムに対しては塩素化ポリプロピレン樹脂のエマルショ
ン、例えば日本製紙社製のスーパークロンS−661−
3,S−750,S−656等の市販品等が好ましい。
【0021】本発明の収縮性帯電防止樹脂フィルムの厚
みは用途により変わるが、通常5〜160μm、好まし
くは5〜100μmの範囲で選ばれる。このフィルムに
おける被膜の厚さは0.005〜3μm、特に0.01
5〜1μmが好ましい。被膜の厚さが0.005μmよ
りも薄いと帯電防止性が不足することがあり、3μmを
超えると被膜が削れ易くなることがあるため好ましくな
い。
【0022】本発明方法においては、基材の樹脂フィル
ムの少なくとも片面に、前記一般式(I)の帯電防止剤
を含む塗布液を塗布し、加熱乾燥するか、あるいは場合
により加熱乾燥後、さらに延伸することにより、または
加熱乾燥しながら延伸することにより、塗膜が塗被さ
れ、収縮性帯電防止樹脂フィルムが得られる。
【0023】塗布液は前記一般式(I)の帯電防止剤又
は該帯電防止剤とバインダー樹脂、及び必要に応じ用い
られる添加成分を液媒体、好ましくは溶剤に溶解又は分
散させることにより調製するのが好ましい。
【0024】この液媒体には、水を単独で用いてもよい
が、水と水溶性有機溶剤との混合溶剤を用いるのが好ま
しい。この水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、n‐プロピ
ルアルコール、tert‐ブチルアルコール、1,2‐
プロピレンアルコール等のアルコール類、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等の
グリコール類又はその誘導体、アセトン、ジアセトンア
ルコール等のケトン類、その他、水溶性エーテル類、水
溶性エステル類等が好ましいものとして挙げられる。
【0025】必要に応じ用いられる添加成分としては、
例えば、着色剤や、塗布液の樹脂フィルムへの濡れ性を
向上させるための濡れ剤としての界面活性剤や、消泡
剤、架橋剤、触媒等が挙げられる。この界面活性剤とし
てはリン酸エステル系のものが好ましい。
【0026】塗布液の調製に際し、塗布適性や塗膜の乾
燥速度等の観点から、液媒体として水と水溶性有機溶剤
との混合溶剤を使用することが好ましい。しかしなが
ら、水溶性有機溶剤の量が多くなると一般式(I)の帯
電防止剤やバインダー樹脂が析出したり、ゲル化したり
するため、この析出やゲル化は界面活性剤の併用である
程度は防止しうるものの、水と水溶性有機溶剤の混合比
率は重量基準で20:80〜99:1の範囲とするのが
好ましく、中でも45:55〜70:30の範囲とする
のが帯電防止剤及びバインダー樹脂の溶解又は分散安定
性が良好となるので好ましい。
【0027】塗布液の好適組成としては、液媒体100
重量部当り、バインダー樹脂0〜20重量部、好ましく
は0〜10重量部、帯電防止剤0.1〜10重量部、好
ましくは0.25〜5重量部、界面活性剤0〜2重量
部、好ましくは0〜1重量部であるものが挙げられる。
【0028】樹脂フィルムの適当な面に塗布液を塗布す
るには、公知の方法、例えばスプレーコート法、エアー
ナイフコート法、リバーコート法、キスコート法、グラ
ビヤコート法、リバースロールコート法、ダイコート
法、マイヤーバー法、ロールブラッシュ法、バーコート
法、リバースキスコート法、オフセットグラビアコート
法、ドクターブレード法、カーテンコート法、ディッピ
ング法等を単独または組み合わせて適用することができ
る。塗布液の塗布量は、特に限定されることはないが、
本発明においては、極めて少量の塗布量でも十分な帯電
防止性能が得られ、しかも被塗布物である樹脂フィルム
を殆ど着色することがない。このような好ましい塗布量
としては、例えば、固形分として0.005〜0.5g
/m2、好ましくは0.01〜0.1g/m2の範囲であ
る。塗布量が0.005g/m2未満では十分な帯電防
止性が得られないし、また0.5g/m2を超えても、
その厚みの割には性能向上が進まず、経済的に不利であ
るばかりでなく、被塗布物の着色やブロッキングの問題
を生じる。
【0029】塗布液が塗布される樹脂フィルムとして
は、原料樹脂の溶融押出加工等による未延伸フィルム、
あるいは一軸延伸フィルムを用いるのが好ましい。二軸
延伸フィルムは、フィルムが広幅で、かつフィルムの走
行速度が通常速いため均一に塗布しにくいので好ましく
ない。
【0030】さらに詳述すると、塗布液が塗布される基
材の樹脂フィルムには一軸延伸フィルム、特に縦方向の
一軸延伸フィルムを用いるのが塗膜の密着性が強固なも
のになり、かつ効率良く帯電防止性フィルムを製造でき
るため好ましい。このような帯電防止性フィルムの好適
な製造態様としては、例えばポリエステルを溶融し、シ
ート状に押出し急冷して未延伸フィルムとし、この未延
伸フィルムを縦方向に延伸して一軸延伸フィルムとした
後、塗布液を塗布し、乾燥しつつ横方向に延伸し、必要
なら更に縦や横に再延伸した後、熱処理することなどが
挙げられる。
【0031】また、乾燥させる温度は基材の樹脂の種類
や塗布液の種類により変わるが、例えば基材にポリエス
テルを、塗布液の溶剤に水とイソプロパノールのような
低級アルカノールとの混合溶剤を用いた場合では80〜
160℃とすると塗布液を迅速に乾燥させることができ
るため好ましい。この乾燥のための加熱はポリエステル
フィルムを延伸する過程の加熱を兼ねることができる。
【0032】塗布液を塗布する際には、予め樹脂フィル
ムにコロナ放電処理を施すなどして、塗布液の塗布性や
樹脂フィルムと塗膜との密着性を改善することができ
る。またインラインコート後あるいは二軸延伸後の塗膜
層にコロナ放電処理、窒素雰囲気下でのコロナ放電処
理、紫外線照射処理などを施すことによってフィルム表
面の濡れ性や接着性を向上させることができる。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。
【0034】実施例1 塩化ビニル系樹脂(平均重合度=780)100重量
部、可塑剤としてのDOP7.0重量部、安定剤として
のジブチルスズマレイン酸エステル4.0重量部を19
0〜200℃で溶融押出し、40℃の冷却ロールで冷却
して厚さ0.15mmの未延伸フィルムを得た。このフ
ィルムの片面に、帯電防止剤としてのN‐ポリオキシエ
チレン(n=4)‐N‐ラウリル‐N,N‐ジメチルア
ンモニウムクロリド2重量部を溶媒(水/イソプロピル
アルコール=80重量部/20重量部)100重量部に
溶解して調製された塗布液を塗布し、乾燥させ、フィル
ムに対し帯電防止剤が0.04g/m2になるように帯
電防止処理を施して帯電防止樹脂フィルムを形成させ、
これを厚さ0.05mmに延伸後、ロールに巻き取っ
た。得られた帯電防止樹脂フィルムについて、これを巻
き戻して展開し、帯電防止処理を施した面(以下、処理
面という)と、帯電防止処理を施さなかった反対面(以
下、非処理面という)に関し、処理面同士及び非処理面
同士をそれぞれ、テスター社製ヒートシールテスター
(型式TP−701)を用いシール圧力1.96×10
5Pa、シール時間0.3秒の条件下でシール温度を種
々変えてヒートシールした。ヒートシールされたフィル
ムをオートグラフ(AG−100)(商品名、島津製作
所社製、剥離試験器)で幅25mm、角度180°、速
度25mm/minの条件下に剥離させるのに要する力
(kg/25mm幅)を求め、これをヒートシール強さ
とした。その結果を、ヒートシール時の加熱温度とヒー
トシール強さとの関係のグラフ(実線)として非処理面
同士ヒートシールした場合は図1に、また処理面同士ヒ
ートシールした場合は図2にそれぞれ示す。
【0035】比較例1 帯電防止剤及びその用量をN‐オキシエチレン‐N‐ス
テアリル‐N,N‐ジメチルアンモニウムクロリド2重
量部に変えた以外は実施例1と同様にして帯電防止樹脂
フィルムを形成させ、これを延伸後、ロールに巻き取っ
た。得られた帯電防止樹脂フィルムについて、実施例と
同様にしてヒートシールし、またヒートシールされたフ
ィルムを剥離させるのに要する力を求め、これをヒート
シール強さとした。その結果を、ヒートシール時の加熱
温度とヒートシール強さとの関係のグラフ(破線)とし
て非処理面同士ヒートシールした場合は図1に、また処
理面同士ヒートシールした場合は図2にそれぞれ示す。
【0036】これらの図より、ヒートシール性につい
て、非処理面同士、処理面同士いずれの場合も実施例1
のフィルムの方が比較例1のそれよりも優れていること
が分る。また、非処理面同士のヒートシール性の処理面
同士のそれからの乖離についても実施例1のフィルムの
方が比較例1のそれよりも大きく、しかも比較例1の方
はほとんど乖離していないことが分る。これより、ロー
ルに巻き取られた帯電防止樹脂フィルムでは処理面と非
処理面とが接しているため、比較例1のフィルムでは帯
電防止剤が処理面からその反対面の非処理面へ転写さ
れ、処理面とほとんど変わらなくなり、ヒートシール性
が損なわれることが分る。
【0037】実施例2 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを28
0〜300℃で溶融押出して、15℃の冷却ロールで冷
却して未延伸フィルムを得、この未延伸フィルムを周速
の異なる85℃の一対のロール間で縦方向に3.5倍延
伸した後、実施例1と同じ塗布液をキスコート法で塗布
し、70℃の熱風で乾燥し固形分換算で0.05g/m
2付着させ、次いでテンターで98℃で横方向に3.5
倍延伸し、さらに200〜210℃で熱固定し厚さ10
0μmの二軸延伸コーテイング樹脂フィルムを得た。得
られたフィルムの特性を表1に示す。
【0038】実施例3、4 塗布液として実施例2と同じ帯電防止剤及び表1に示す
バインダーを含有するものを用いた以外は実施例2と同
様にして二軸延伸コーテイング樹脂フィルムを得た。得
られたフィルムの特性を表1に示す。
【0039】実施例5 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを28
0〜300℃で溶融押し出して、15℃の冷却ロールで
冷却して未延伸フィルムを得、この未延伸フィルムに、
実施例1の帯電防止剤に代えてそのラウリル基をデシル
基に変えたものを用いた以外は実施例1と同じ塗布液を
キスコート法で塗布し固形分換算で0.05g/m2
着させた。塗布後90℃の余熱ゾーンに通し、100℃
で横方向に3.2倍延伸し、更に周速の異なる85℃の
一対のロール間で縦方向に4.2倍延伸した後、200
〜210℃で熱固定し厚さ7μmの二軸延伸コーテイン
グ樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1
に示す。
【0040】比較例2、3 実施例2の塗布液の組成を表1に示すように変えた以外
は実施例2と同様にして二軸延伸コーテイング樹脂フィ
ルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表中、CPPは塩素化ポリプロピレン、P
URはポリウレタンを示す。なお、塗布液として、実施
例3及び4では帯電防止剤及びバインダー20重量%含
有水性エマルションを水で希釈して水100重量部当り
帯電防止剤が表示用量に、バインダーが0.5重量部と
なるように調製したものが、またその他の各実施例及び
各比較例では溶媒(水/イソプロピルアルコール=80
重量部/20重量部)100重量部に表示用量の帯電防
止剤を溶解して調製したものがそれぞれ用いられる。
【0043】フィルムの特性は次のようにして求めた。 (1)190℃ヒートシール強さ 非処理面同士を、テスター社製ヒートシールテスター
(型式TP−701)を用いシール温度190℃、シー
ル圧力1.96×105Pa、シール時間0.3秒の条
件下でヒートシールした。ヒートシールされたフィルム
をオートグラフ(AG−100)(商品名、島津製作所
社製、剥離試験器)で幅25mm、角度180°、速度
25mm/minの条件下に剥離させるのに要する力
(kg/25mm幅)を求めた。 (2)実用性 ヒートシール強さを、シール温度を180℃に変えた以
外は上記と同様にして求め、以下の評価基準で実用性を
判定した。 ○:0.4以上 ×:0.3未満
【0044】表1より、各比較例のフィルムはヒートシ
ール性に劣り、実用性がないのに対し、実施例のフィル
ムはいずれもヒートシール性に優れ、実用性が高いこと
が分る。
【0045】
【発明の効果】本発明の収縮性帯電防止樹脂フィルム
は、ヒートシール性に優れ、巻取り後に帯電防止剤が反
対面に転写されることのなく、ヒートシール性や印刷時
のインキ密着性がそこなわれることのないという利点を
有する。本発明方法によれば、このような収縮性帯電防
止樹脂フィルムを簡単に効率よく製造することができ
る。また、本発明の収縮性帯電防止樹脂フィルムには、
UVインキ等による印刷層は、例えば末端にアクリル基
を有するポリウレタンオリゴマーや末端にアクリル基を
有するビニルポリマー等に光増感剤、着色剤等を配合し
たインキをベースフィルムの制電性塗膜面に印刷し、紫
外線を照射して硬化させることにより設けることができ
る。また、透明ポリエステルフィルムをベースとした場
合には、得られる透明制電性フィルムは磁気テープ、磁
気ディスク等の磁気記録材料や電子材料、グラフィック
フィルム、製版フィルム、OHPフィルム用に好ましく
用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 収縮性帯電防止樹脂フィルムの非処理面同士
のヒートシール時における加熱温度とヒートシール強さ
との関係を示すグラフ。
【図2】 収縮性帯電防止樹脂フィルムの処理面同士の
ヒートシール時における加熱温度とヒートシール強さと
の関係を示すグラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収縮性樹脂フィルムの少くとも片面が、
    一般式 【化1】 (式中、Rは炭素数6〜16のアルキル基、nは1〜4
    の整数、Y-はハロゲンイオン、塩素酸イオン、過塩素
    酸イオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、
    アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又は
    アルキルスルホネートイオンを示す)で表わされる帯電
    防止剤を含有する被膜で被覆されて成る収縮性帯電防止
    樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 収縮性樹脂フィルムの少くとも片面に、
    一般式 【化2】 (式中、Rは炭素数6〜16のアルキル基、nは1〜4
    の整数、Y-はハロゲンイオン、塩素酸イオン、過塩素
    酸イオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、
    アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又は
    アルキルスルホネートイオンを示す)で表わされる帯電
    防止剤を含む塗布液を塗布し、乾燥することを特徴とす
    る収縮性帯電防止樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 未延伸樹脂フィルム又は一軸延伸樹脂フ
    ィルムの少くとも片面に、一般式 【化3】 (式中、Rは炭素数6〜16のアルキル基、nは1〜4
    の整数、Y-はハロゲンイオン、塩素酸イオン、過塩素
    酸イオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、
    アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又は
    アルキルスルホネートイオンを示す)で表わされる帯電
    防止剤を含む塗布液を塗布し、乾燥、延伸することを特
    徴とする収縮性帯電防止樹脂フィルムの製造方法。
JP30981399A 1999-10-29 1999-10-29 収縮性帯電防止樹脂フィルム及びその製造方法 Pending JP2001131317A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30981399A JP2001131317A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 収縮性帯電防止樹脂フィルム及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30981399A JP2001131317A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 収縮性帯電防止樹脂フィルム及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001131317A true JP2001131317A (ja) 2001-05-15

Family

ID=17997566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30981399A Pending JP2001131317A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 収縮性帯電防止樹脂フィルム及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001131317A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021138110A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 三菱ケミカル株式会社 熱収縮性フィルム、それを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び容器
JP2021138131A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 三菱ケミカル株式会社 熱収縮性フィルム、それを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び容器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021138110A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 三菱ケミカル株式会社 熱収縮性フィルム、それを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び容器
JP2021138131A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 三菱ケミカル株式会社 熱収縮性フィルム、それを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06238806A (ja) 合成ヘクトライト被覆可撓性フィルム
JP2008142916A (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3737740B2 (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
JP2001131317A (ja) 収縮性帯電防止樹脂フィルム及びその製造方法
JP5079181B2 (ja) 印刷性に優れたラベル、シール用ポリオレフィン系フィルム
JP3137874B2 (ja) 積層フイルム
JP2002079617A (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
JP4101602B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3279974B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP4804273B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3272796B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3270205B2 (ja) 易接着性高強度ポリエステルフイルムの製造方法
JP3192442B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3269155B2 (ja) 空洞含有ポリエステルフィルム積層体
JP2001179913A (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JPH09141798A (ja) 積層フイルム
JP3502477B2 (ja) 易接着性白色ポリエステルフィルム
JPH09141804A (ja) 制電性フイルム
JP2002265763A (ja) 再生ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP2002088180A (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
JPH06172563A (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3508026B2 (ja) 表面保護材
JPH0939140A (ja) 写真印画用空洞含有ポリエステル系フィルム
JP2001064598A (ja) 感熱発色層支持体用積層フィルム
JP2001106808A (ja) 易接着性ポリエステルフィルム