JP2005336467A - 熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法および熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法および熱可塑性樹脂フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 溶融熱転写印刷およびオフセット印刷適性を有し、しかも印刷物が優れた耐水性を有する熱可塑性樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの表面を酸化処理した後、不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)をカチオン性界面活性剤等の分散剤(b)に分散させた水性分散液[(a)/(b)=100/1〜100/30;平均粒子径が5μm以下]と窒素含有アクリルポリマーを含む表面処理剤を塗布し、延伸する。
【選択図】 なし

Description

本発明は熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法に関する。より詳細には、オフセット印刷適性や溶融熱転写プリンター適性が良好で、かつ印刷物の耐水性および帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを提供することができる表面処理方法に関するものである。
従来、屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品用容器に貼着されるラベルとしては、該ステッカーやラベル用紙であるコート紙の耐水性が乏しいので、それを補強するために、該コート紙の表面をさらにポリエステルフィルムで被覆したコート紙が用いられていた。近年、ポリエステルフィルム被覆コート紙に代替する有望な素材として、耐水性が良好な熱可塑性樹脂フィルム、なかでもポリオレフィン系合成紙が注目されている(例えば、特許文献1〜5)。
しかし、この様なポリオレフィン系合成紙は、その原料であるポリオレフィンが無極性であることから、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の印刷適性や溶融熱転写プリンターや昇華熱転写プリンター等のプリンター適性は必ずしも満足すべきものではない。このため、適当な表面処理を施してから使用するのが一般的である。例えば、延伸前のポリオレフィンフィルムの表面にコロナ放電等の酸化処理を施し、さらに表面に塗被液を塗布した後に延伸し、場合によりさらに表面にコロナ放電等の酸化処理を施す方法が知られている。具体的には、縦延伸したフィルムに30〜100W・分/m2のコロナ放電処理を行い、処理面にエチレン含量が20〜45モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体の塗液をコ―ティングし、乾燥後テンターで横方向に延伸し、さらに30〜100W・分/m2のコロナ放電処理を行うことを特徴とする積層樹脂フィルムの製造方法が提案されている(特許文献6)。しかしながら、製造される積層樹脂フィルムは溶融熱転写適性およびオフセット印刷適性が不足しており、改善が望まれている。
印刷適性を改善する別の方法として、例えば特定量のエチレンと易接着性付与官能基含有エチレン性不飽和化合物との共重合体を含む接着層を重合体フィルム上に形成することにより、凸版印刷適性に優れた易接着性フィルムを製造する方法も知られている(特許文献7、8)。しかし、この方法により製造される易接着性フィルムも、オフセット印刷への印刷適性および溶融熱転写適性がともに不十分であり、改善が望まれている。
さらに別の方法として、不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)を、非イオン性界面活性剤、非イオン性水溶性高分子、カチオン性界面活性剤、およびカチオン性水溶性高分子からなる群より選択される少なくとも一種を分散剤(b)として用いて、水中に分散させた樹脂水性分散液であって、(a)/(b)の固形分あたりの重量の比率が100/1〜100/30であり、平均粒子径が5μm以下である樹脂水性分散液を、熱可塑性樹脂フィルム上に塗工し、乾燥させることにより熱転写用画像受容フィルムを製造する方法も提案されている(特許文献9)。しかし、製造される熱転写画像受容フィルムも、溶融熱転写適性は良好であるが、帯電防止性やオフセット印刷適性に問題があり、改善の余地が残されていた。
この方法の改良技術として、上記樹脂水性分散液にポリエチレンイミン系樹脂、さらに架橋剤、帯電防止性ポリマーを添加した塗工液を熱可塑性樹脂フィルム上に塗工し、乾燥させることにより印刷および熱転写画像受容フィルムを製造する方法も提案されている(特許文献10)。しかし、製造されるフィルムは溶融熱転写適性、帯電防止性は良好であるが、オフセット印刷において印刷物の耐水性に問題があり、なお改善の余地が残されていた。
また、上記樹脂水性分散液を延伸前の酸化処理済み熱可塑性樹脂フィルムに塗工し、延伸することにより熱可塑性樹脂フィルムを製造する方法も提案されている(特許文献11)。しかし、製造される熱可塑性樹脂フィルムは溶融熱転写適性、オフセット印刷時の印刷物耐水性は良好であるが、帯電防止性に問題があった。
特公昭46−40794号公報 特公昭49−1782号公報 特開昭56−118437号公報 特開昭57−12642号公報 特開昭57−56224号公報 特開平7−266417号公報 特開平11−323267号公報 特開平11−342565号公報 特開2001−219661号公報 特開2002−113959号公報 特開2003−73490号公報
本発明は、溶融熱転写適性、オフセット印刷適性、および印刷物耐水性に優れ、さらに帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的は、
[1] 熱可塑性樹脂フィルムの表面を酸化処理する第1工程、
[2] 酸化処理した熱可塑性樹脂フィルムの表面に、下記成分(A)および成分(B)を含有する表面処理剤を塗布する第2工程、および
[3] 表面処理剤を塗布した熱可塑性樹脂フィルムを延伸する第3工程、
を含むことを特徴とする本発明の熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法により達成された。
成分(A):
不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)を、非イオン性界面活性剤、非イオン性水溶性高分子、カチオン性界面活性剤およびカチオン性水溶性高分子からなる群より選択される少なくとも一種を分散剤(b)として用いて、水中に分散させた水性分散液であって、(a)/(b)の固形分あたりの重量の比率が100/1〜100/30であり、平均粒子径が5μm以下である樹脂水性分散液
成分(B):
下記一般式(A)からなるモノマーを共重合した構造を有する窒素含有アクリル系ポリマー
Figure 2005336467
[上式中、Aは−O−もしくは−NH−を表し、R1は水素原子若しくはメチル基を表し、R2は炭素数が1〜18のアルキレン基若しくは−CH2−CH(OH)−CH2−を表し、R3およびR4は同一であっても異なっていても良く、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R3およびR4が結合する窒素原子は四級アンモニウム塩になっていてもよい。]
本発明により、溶融熱転写印刷において高温・高湿環境下におけるインクの転写性、密着性および耐水密着性に優れ、かつオフセット印刷においてインクの転移性、密着性および耐水性に優れ、加えて帯電防止性能を有する熱可塑性樹脂フィルムを提供することができる。
発明の実施の形態
以下において、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法について詳細に説明する。本発明の熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法は、上記の第1工程、第2工程、および第3工程を含むことを特徴とする。そこで、以下においてこれらの工程を順に説明し、最後に製造される熱可塑性樹脂フィルムの特徴に言及する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
第1工程
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法の第1工程は、熱可塑性樹脂フィルムの表面を酸化処理する工程である。
(1) 熱可塑性樹脂フィルム
第1工程に使用する熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性を示す樹脂であればその種類は特に制限されない。例えば、高密度ポリエチレンや中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、本発明の効果をより一層発揮するためには非極性のポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。さらにポリオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が、耐薬品性、コストの面などの点から好ましい。かかるプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体であって、アイソタクティックないしはシンジオタクティックおよび種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレンを挙げることができる。また、プロピレンを主成分とし、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとともに共重合させた共重合体も挙げることができる。この共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。プロピレン単独重合体を用いる場合は、延伸性を良好にするために、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のプロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂を2〜25重量%配合することが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムは、単層構造であっても、基材層(i)と表面層(ii)の2層構造であっても、基材層(i)の表裏面に表面層(ii)が存在する3層構造であっても、基材層(i)と表面層(ii)間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造であっても良い。また、無機微細粉末や有機フィラーを含有しているものであっても、含有していないものであってもよい。
熱可塑性樹脂フィルムが無機微細粉末を含有する単層構造のポリオレフィン系樹脂フィルムである場合は、通常ポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%と無機微細粉末60〜0.5重量%を含有し、好ましくはポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と無機微細粉末50〜3重量%を含有する。熱可塑性樹脂フィルムが多層構造であって基材層(i)および表面層(ii)が無機微細粉末を含有する場合は、通常基材層(i)がポリオレフィン系樹脂40〜100重量%と無機微細粉末60〜0重量%を含有し、表面層(ii)がポリオレフィン系樹脂25〜100重量%と無機微細粉末75〜0重量%を含有し、好ましくは基材層(i)がポリオレフィン系樹脂50〜97重量%と無機微細粉末50〜3重量%を含有し、表面層(ii)がポリオレフィン系樹脂30〜97重量%と無機微細粉末70〜3重量%を含有する。単層構造の熱可塑性樹脂フィルム、または多層構造の基材層(i)に含まれる無機微細粉末が60重量%以下であれば、縦延伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィルムが破断しにくい。また、表面層(ii)に含まれる無機微細粉末が75重量%以下であれば、横延伸後の表面層(ii)が十分な表面強度を有するため紙剥けが起こりにくい。
無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等が挙げられる。無機微細粉末の平均粒径は好ましくは0.01〜15μm、より好ましくは0.2〜7μmである。平均粒径が0.01μm以上であれば熱可塑性樹脂との混合時に分級や凝集等のトラブルを回避することができ、15μm以下であれば着色斑が生じにくい。
有機フィラーとしては、例えば熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである場合には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィンの重合体等のポリオレフィン樹脂の融点よりは高い融点(例えば、170〜300℃)ないしはガラス転移温度(例えば、170℃〜280℃)を有するものを好ましく用いることができる。
熱可塑性樹脂フィルムには、さらに必要により、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等が配合されていてもよい。具体的には、安定剤として、立体障害フェノール系やリン系、アミン系等を0.001〜1重量%、光安定剤として、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などを0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤、例えば、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合してもよい。
第1工程で用いる熱可塑性樹脂フィルムの成形方法は特に限定されず、従来公知の種々の方法を使用することができる。具体例としては、スクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物のキャスト成形またはカレンダー成形後の溶剤やオイルの除去、熱可塑性樹脂の溶液からの成形と溶媒除去などを挙げることができる。
第1工程で用いる熱可塑性樹脂フィルムは、延伸されたものであっても、延伸されていないものであってもよいが、第3工程において延伸することが可能なものであることが必要である。延伸には公知の種々の方法が使用できるが、具体例としてはロールの周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸などを挙げることができる。熱可塑性樹脂フィルムが2層以上の構造を有する場合は、すべての層が延伸されていてもよいし、一部の層のみが延伸されていてもよい。
熱可塑性樹脂フィルムが無機微細粉末を含有する単層のポリオレフィン系樹脂フィルムである場合は、例えば、ポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%と無機微細粉末60〜0.5重量%を含有する樹脂組成物より成る樹脂フィルムをポリオレフィン系樹脂の融点より低い温度、好ましくは3〜60℃低い温度で一軸方向、または二軸方向に延伸することにより、フィルム表面に微細な亀裂を有し、フィルム内部に微細な空孔(ボイド)を有する微多孔性の延伸樹脂フィルムが得られる。また、熱可塑性樹脂フィルムが多層構造である場合は、例えば、ポリオレフィン系樹脂40〜100重量%と無機微細粉末60〜0重量%を含有する基材層(i)をポリオレフィン系樹脂の融点より低い温度、好ましくは3〜60℃低い温度で縦方向に延伸し、次いでポリオレフィン系樹脂25〜100重量%と無機微細粉末75〜0重量%を含有する樹脂組成物より成る表面層(ii)を基材層(i)の少なくとも片面に積層して表面処理に使用することができる。
上記フィルムの中でより好ましいのは、焼成クレイ、重質ないしは軽質の炭酸カルシウム、酸化チタンおよびタルク等の微細粉末を5〜60重量%含有するポリオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸して、この微細無機粉末粒子を中心として表面に無数の亀裂を生じさせて半透明或いは不透明化したものや、その表面にさらに上記微細粉末を含有する樹脂組成物を積層形成したフィルムや、特公平1−60411号、特開昭61−3748号の各公報等に記載されているような表面層に無機微細粉末を実質的に含有しないポリオレフィン樹脂フィルム層を形成した積層体である合成紙の製造に用いられる延伸前の原反シートや逐次二軸延伸の縦延伸後シート等を挙げることができる。
第1工程で用いる熱可塑性樹脂フィルムの肉厚は、延伸倍率と延伸後に必要とされるフィルムの厚さに応じて適宜選択することができる。一般に20〜4000μm、好ましくは100〜3000μmの範囲のものが用いられる。
(2) 酸化処理
第1工程で行う酸化処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも一種の処理方法を採用することが好ましい。より好ましくはコロナ処理、フレーム処理である。
コロナ処理の場合の処理量は、好ましくは600〜12, 000J/m2(10〜200W・分/m2)、より好ましくは1,200〜9,000J/m2(20〜150W・分/m2)である。600J/m2(10W・分/m2)以上であれば、コロナ放電処理の効果を十分に得ることができ、その後の表面処理剤の塗工時にはじきを効果的に防ぐことができる。また、12, 000J/m2(200W・分/m2)超では処理の効果が頭打ちとなるので12, 000J/m2(200W・分/m2)以下で十分である。
フレーム処理の場合の処理量は、好ましくは8,000〜200,000J/m2、より好ましくは20,000〜100,000J/m2である。8,000J/m2以上であれば、コロナ放電処理の効果を十分に得ることができ、その後の表面処理剤の塗工時にはじきを効果的に防ぐことができる。また、200,000J/m2超では処理の効果が頭打ちとなるので200,000J/m2以下で十分である。
第2工程
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法の第2工程は、酸化処理した熱可塑性樹脂フィルムの表面に、成分(A)および成分(B)を含有する表面処理剤を塗布する工程である。第2工程で用いる表面処理剤には、少なくとも成分(A)および成分(B)を必須成分として含有し、さらに成分(C)および成分(D)などを含有してもよい。以下、各成分について詳細に説明する。
(1) 成分(A)
成分(A)は、不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)を、非イオン性界面活性剤、非イオン性水溶性高分子、カチオン性界面活性剤およびカチオン性水溶性高分子からなる群より選択される少なくとも一種を分散剤(b)として用いて、水中に分散させた水性分散液であって、(a)/(b)の固形分あたりの重量の比率が100/1〜100/30であり、平均粒子径が5μm以下である樹脂水性分散液である。
不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)が、基材との密着性と溶融熱転写性の改善に寄与すると考えられる。また、非イオン性界面活性剤、非イオン性水溶性高分子、カチオン性界面活性剤、およびカチオン性水溶性高分子からなる群より選択される少なくとも一種からなる分散剤(b)が、熱可塑性樹脂フィルムとの密着性を向上させると考えられる。
上記成分(A)において、不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)として、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸グラフト(メタ)アクリル酸エステル−エチレン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトエチレン−プロピレン共重合体、無水マレイン酸グラフトエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸グラフトエチレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸グラフトプロピレン−ブテン共重合体を例示することができる。
これらのなかで、融点または軟化点が130℃以下のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、無水マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸グラフト(メタ)アクリル酸エステル−エチレン共重合体、無水マレイン酸グラフトエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸グラフトエチレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸グラフトプロピレン−ブテン共重合体がインクの受理性の点から特に好ましい。
上記不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体を水中に分散させる分散剤(b)には、非イオン性界面活性剤、非イオン性水溶性高分子、カチオン性界面活性剤、およびカチオン性水溶性高分子からなる群より選択される少なくとも一種を用いる。これらはオレフィン系共重合体(a)を分散させる成分として用いても、分散剤自体の影響として印刷適性を阻害することが少なく好ましいものである。
分散剤として通常広く使用されているポリスルホン酸系ナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤は、充分なインク密着性が得られずオフセット印刷性を低下させる傾向があるために好ましくない。また上記不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体においてカルボン酸をアンモニウム塩やアルキルアミン塩とすることで水中への分散性を持たせた水性分散液も、オフセット印刷適性が不十分であり好ましくない。これらは分散剤の極性が高すぎるためと推定される。
分散剤(b)として用いることができる非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等を例示することができる。
また、非イオン性水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、およびそれらの変性物、ヒドロキシエチルセルローズ等を例示することができる。
カチオン性界面活性剤としては、ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド等を例示することができる。
さらに、カチオン性水溶性高分子としては、四級アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を有するポリマー、窒素含有(メタ)アクリルポリマー、四級アンモニウム塩構造の窒素を有する(メタ)アクリル系ポリマーを例示することができる。
これらのなかで、熱可塑性樹脂フィルムへの密着性およびオフセット印刷適性等の観点から、窒素含有(メタ)アクリルポリマー、あるいは、四級アンモニウム塩構造の窒素を有する(メタ)アクリル系ポリマー等のカチオン性水溶性高分子を用いることが特に好ましい。
不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)を、分散剤(b)を用いて水中に分散させるには、(a)/(b)の固形分あたりの重量の比率が100/1〜100/30である必要がある。この範囲を逸脱して分散剤の使用量が少なくなると、不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体を水中に分散させることができない。また逆に、分散剤の使用量が多くなると、余剰の分散剤の影響が顕著となり、熱可塑性樹脂フィルム支持体に対する密着性を阻害し、充分なインク密着性が得られずオフセット印刷性を低下させる傾向にある。また高温高湿下における溶融熱転写インク密着不良の改善効果に悪影響をおよぼす。(a)/(b)の固形分あたりの重量の比率は100/1〜100/20であることがより好ましく、100/5〜100/20であることがさらに好ましく、100/5〜100/15であることが特に好ましい。
本発明における成分(A)を水性溶媒中に分散させて得た樹脂粒子の平均粒子径は5μm以下であることが必要である。5μmを超えると、水性分散液の静置安定性が悪くなるばかりでなく、熱可塑性樹脂フィルムの支持体に対する密着性も悪くなる。本発明の成分(A)より構成される樹脂粒子の平均粒子径は5μm以下であり、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。
分散剤(b)を用いて、不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)を水中に分散させるには、例えば、芳香族炭化水素系溶剤に該オレフィン系共重合体を加熱溶解し、分散剤(b)を混合攪拌し、引き続き水を添加しながら相転換せしめた後、芳香族炭化水素系溶剤を留去して水性分散液を得る方法、あるいは、特公昭62−29447号公報に開示されているように、該オレフィン系共重合体を二軸押出機のホッパーに供給し、加熱溶融させた状態に分散剤(b)の水溶液を添加して溶融混練し、引き続き水を添加して分散液を得る方法等が挙げられる。これらのなかで、分散剤(b)が、窒素含有(メタ)アクリルポリマー、あるいは、四級アンモニウム塩構造の窒素を有する(メタ)アクリル系ポリマー等のカチオン性水溶性高分子である場合は、得られる水性分散液中の樹脂粒子の平均粒子径の観点から、二軸押出機を用いることが好ましい。また二軸押出機を用いる方法はオレフィン共重合体(a)がより低極性、高分子量でも水性分散液を形成でき、表面処理剤と支持体フィルムへの密着性をより高めることができるので好ましい。
このようにして得られる成分(A)の固形物の融点は、通常60〜150℃であり、好ましくは70〜140℃、より好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは90〜120℃である。
(2) 成分(B)
成分(B)は、下記一般式(A)で表されるモノマーを共重合した構造を有する窒素含有アクリル系ポリマーである。成分(B)を使用することで、表面処理剤を塗工後の熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止性を付与することができる。
成分(B)を使用せずに成分(A)のオレフィン共重合体分散液のみを塗工した場合、帯電防止性能は得られない。例えば、オフセット印刷の様に印刷用紙をシート(枚葉)形態で供給する場合は、印刷用紙の帯電のしやすさは給排紙トラブル等の原因となり問題であるため、帯電防止性が求められる。また、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等のように印刷用紙をロール形態で印刷する物であっても、印刷後に断裁や打ち抜きした物が、帯電により揃えが悪くなる傾向や、ブロッキングする傾向があるので、印刷する物であれば通常、帯電防止性が求められる。このため、本発明では成分(A)とともに成分(B)を使用する。
Figure 2005336467
上式において、Aは−O−もしくは−NH−を表し、R1は水素原子若しくはメチル基を表し、R2は炭素数が1〜18のアルキレン基若しくは−CH2−CH(OH)−CH2−を表し、R3およびR4は同一であっても異なっていても良く、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R3およびR4が結合する窒素原子は四級アンモニウム塩になっていてもよい。
2のアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6であり、さらに好ましくは1〜3である。また、アルキレン基は直鎖であっても分枝状であってもよい。R3およびR4として好ましいのはメチル基である。
一般式(A)で表されるモノマーを共重合して得られる窒素含有アクリル系ポリマーには、一般式(A)の−NR34に由来する基が存在する。この基は四級アンモニウム塩にすると帯電防止性が向上するため好ましい。四級化剤としては、例えばアルキルハライド、ジメチル硫酸、モノクロロ酢酸エステル等のカチオン化剤を挙げることができる。
成分(B)は水溶性もしくは水分散性であることが必要であるが、過度に水溶性であることは望ましくない。従って、窒素含有アクリルポリマーは、疎水性単量体との共重合体であることが望ましい。疎水性モノマーとしては、スチレンまたはその核ないし側鎖置換体、アクリルないしメタクリル酸エステル、ハロゲン化ビニルを例示することができる。
成分(B)として特に好ましいものは、下記の3種のモノマーの共重合体である。
一般式(A)で表される窒素含有モノマー 20〜40重量%
下記の一般式(B)で表されるモノマー 60〜80重量%
他の疎水性ビニルモノマー 0〜20重量%
成分(B)として最も好適なものは、下記の3種のモノマーを共重合させた第四級アンモニウム塩型共重合体である(特開平6−25447号公報)。
下記の一般式(B)で表されるモノマー 30〜70重量%
下記の一般式(C)で表されるモノマー 30〜70重量%
他の疎水性ビニルモノマー 0〜40重量%
Figure 2005336467
[式中、R5は水素原子またはメチル基を表し、R6は炭素数が1〜22のアルキル基、炭素数が7〜22のアラルキル基、若しくは炭素数5〜22のシクロアルキル基を表す。]
一般式(B)のR6のアルキル基の炭素数は好ましくは1〜18であり、より好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜5である。アルキル基は直鎖であっても分枝状であってもよい。R6のアラルキル基の炭素数は好ましくは7〜18であり、より好ましくは7〜14であり、さらに好ましくは7〜10である。R6のシクロアルキル基の炭素数は好ましくは5〜14であり、より好ましくは5〜10であり、さらに好ましくは5〜6である。
一般式(B)で表される疎水性モノマー単位としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
Figure 2005336467
[式中、Aは−O−または−NH−を表し、R7は水素原子またはメチル基を表し、R8は炭素数が2〜4のアルキレン基または−CH2−CH(OH)−CH2−を表し、R9、R10、R11およびR12は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R13は炭素数が1〜10アルキル基または炭素数が7〜10のアラルキル基を表し、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。]
一般式(C)のR13のアルキル基の炭素数は好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜5であり、さらに好ましくは1〜3である。アルキル基は直鎖であっても分枝状であってもよい。Xとして好ましいのは塩素原子である。
一般式(C)で表されるモノマーは、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、および、これらのメタクリレート相当物、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、およびこれらのメタクリレート相当物等の第三級アミン含有モノマーを、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの下記一般式(D)で表されるカチオン化剤で変性することによって得ることができる。
Figure 2005336467
[式中、R14およびR15は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R16は炭素数が1〜10アルキル基または炭素数が7〜10のアラルキル基を表し、nは1〜3の整数で、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。]
一般式(D)のR16のアルキル基の炭素数は好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜5であり、さらに好ましくは1〜3である。アルキル基は直鎖であっても分枝状であってもよい。Xとして好ましいのは塩素原子である。
4級アンモニウム基を有する成分(B)のポリマーは、一般式(C)で表されるモノマーのように4級アンモニウム化されたモノマーを共重合させることにより得ることができるが、一般式(A)で表されるように3級アミンを含有するモノマーを共重合させてポリマーとした後にカチオン化剤を用いて4級アンモニウム化することにより得ることもできる。
上記の一般式(A)、(B)、(C)で表されるモノマー以外にも、必要に応じて共重合可能なモノマーを用いることができる。例えば、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等の疎水性モノマーやビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド等の親水性モノマーを挙げることができる。
成分(B)の含窒素アクリル系ポリマーを得るための重合方法としては、ラジカル開始剤を用いた塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公知の重合方法を挙げることができる。これらの中で好ましい重合方法は溶液重合であり、該重合は各モノマーを溶媒に溶解し、ラジカル重合開始剤を添加して窒素気流下において加熱攪拌することにより実施される。溶媒は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類等が好ましく、また、これらの溶媒を混合使用して実施してもよい。重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ化合物が好適に用いられる。モノマー濃度は通常10〜60重量%であり、重合開始剤の濃度はモノマーに対して通常0.1〜10重量%である。
第四級アンモニウム塩型共重合体の分子量は、重合温度、重合開始剤の種類および量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件により任意のレベルとすることができる。一般には得られる重合体の分子量は1,000〜1,000,000であるが、中でも1,000〜500, 000の範囲が好ましい。
こうして得られた成分(B)の含窒素アクリル系ポリマーは、熱可塑性樹脂フィルム上に単独で塗布、乾燥して皮膜化しても、熱可塑性樹脂フィルムとの充分な密着性は得られないのが通常である。そして親水性が良いために耐水性は殆ど得られない。しかしながら本発明では成分(A)が支持体であるフィルムに対して充分な密着性を示すものであり、同時に成分(B)とのポリマー同士の絡み合い効果のためか、成分(B)を熱可塑性樹脂フィルム上に固定化する効果も示す。その結果、本発明によれば、密着性のみならず安定した帯電防止性と耐水性を具備する熱可塑性樹脂フィルムが得られる。
(3) 成分(C)
成分(C)は、ポリイミン系重合体またはポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物である。成分(C)を表面処理剤に添加することにより、親水性成分である帯電防止剤等の添加により低下傾向となる印刷インクとの耐水密着性をより向上することができる。
成分(C)としては、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)およびポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、またはこれらのアルキル変性体、シクロアルキル変性体、アリール変性体、アリル変性体、アラルキル変性体、アルキラル変性体、ベンジル変性体、シクロペンチル変性体、もしくは脂肪族環状炭化水素変性体、ないしはこれらの水酸化物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、数種類を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(E)で表されるポリイミン系重合体を使用することが好ましい。ここで、ポリエチレンイミンの重合度は任意のものが使用されるが、好ましくは20〜3,000のものである。
Figure 2005336467
上式中、R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の範囲の直鎖または分岐状のアルキル基、脂環式構造を有するアルキル基、またはアリール基であり、R19は水素原子、炭素数1〜20の範囲のアルキル基、アリル基、脂環式構造を有するアルキル基、アリール基、またはこれらの水酸化物であり、mは2〜6の範囲の整数であり、nは20〜3000の範囲の整数である。n個の構造単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(E)のR17およびR18のアルキル基の炭素数は好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜4であり、さらに好ましくは1〜2である。R19のアルキル基の炭素数は好ましくは1〜18であり、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜4である。これらのアルキル基は直鎖であっても分枝状であってもよい。R17、R18およびR19のアリール基の炭素数は好ましくは4〜10であり、より好ましくは5〜10であり、さらに好ましくは6〜8である。R17、R18およびR19の脂環式構造を有するアルキル基の炭素数は好ましくは5〜14であり、より好ましくは5〜10であり、さらに好ましくは6〜8である。mの好ましい範囲は2〜3である。また、nの好ましい範囲は100〜10000であり、より好ましい範囲は500〜5000である。
(4) 成分(D)
成分(D)は、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂、ホルマリン系樹脂、およびオキサゾリン系樹脂からなる水溶性樹脂の群より選択される1種または2種以上の架橋剤である。本発明で用いる表面処理剤に、成分(D)を加えると印刷インクとの耐水密着性をさらに改良することができる。成分(D)としては、特にビスフェノールA−エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂が好ましく、最も好ましくは、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物、あるいは単官能乃至多官能のグリシジルエーテル、グリシジルエステル類が挙げられる。
(5) 表面処理剤の調製および適用
本発明で用いる表面処理剤は、成分(A)、成分(B)、および必要に応じて成分(C)、成分(D)、その他の成分を混合することにより調製することができる。混合方法は特に制限されない。本発明で用いる表面処理剤は成分(A)100重量部に対し、成分(B)〜成分(D)を下記の割合で混合することが好ましい。
成分(B) 好ましくは1〜25重量部、より好ましくは2〜15重量部
成分(C) 好ましくは0〜25重量部、より好ましくは2〜15重量部
成分(D) 好ましくは0〜25重量部、より好ましくは2〜15重量部
本発明で用いる表面処理剤には、必要に応じて消泡剤、濡れ剤、アンチブロッキング剤等の助剤を溶融熱転写適性およびオフセット印刷適性を損なわない範囲で添加しても構わない。
本発明で用いる表面処理剤は、フィルム伸度が好ましくは100%以上であり、より好ましくは120〜500%であり、さらに好ましくは130〜400%である。フィルム伸度が100%以上であれば、表面処理剤を適用した後に形成される皮膜が熱可塑性樹脂フィルムの延伸に十分に追随できるため、皮膜にクラックが発生してフィルムのインク密着が大きく低下する事態を回避することができる。
上記表面改質剤の各成分は、そのままで、或いは水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に希釈溶解させてから用いる。中でも水溶液の形態で用いるのが好ましい。溶液濃度は通常0.05〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%程度である。0.05量%以上であれば、水分の乾燥工程や乾燥の時間を程よい長さに設定することができる。また、60重量%以下であれば、塗工斑の発生をより抑えることができる。
塗工方法としては、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等を適宜採用することができる。また、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て余分な水や親水性溶剤を除去したりすることができる。
塗工量は乾燥後の固形分として通常0.005〜10g/m2、好ましくは0.01〜1g/m2、より好ましくは0.01〜0.6g/m2である。0.005g/m2以上であれば改善効果が十分に出やすく、10g/m2超では効果が飽和する。
第3工程
第3工程は、表面処理剤を塗布した熱可塑性樹脂フィルムを延伸する工程である。第3工程は、第2工程において塗布した表面処理剤を乾燥させた後に行ってもよいし、乾燥と同時に行ってもよい。好ましいのは乾燥と同時に行う場合である。そうすることにより、基材と表面処理剤が強固に固着されると予測され、結果として印字物の耐水性が上昇するものと考えられる。
表面処理剤の乾燥温度は、上記成分(A)の融点より好ましくは20℃以上高い温度であり、より好ましくは30〜100℃高い温度であり、さらに好ましくは50〜80℃高い温度である。20℃以上であれば表面処理剤はフィルム上に充分に融着し、熱可塑性樹脂フィルムと表面改質剤との密着性が低下しにくいため好ましい。
延伸には、従来公知の種々の方法を使用することができる。非結晶樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下のそれぞれの熱可塑性樹脂に好適な公知の温度範囲で行うことができる。具体的な延伸方法としては、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸などが挙げられる。
延伸方向は、熱可塑性樹脂フィルムの使用目的や使用態様などを考慮して適宜決定することができる。例えば、縦延伸した熱可塑性樹脂より成る基材層(i)の少なくとも片面に熱可塑性樹脂より成る表面層(ii)を積層した多層樹脂フィルムを用いて本発明の第1工程および第2工程を実施した場合は、第3工程において熱可塑性樹脂フィルムを横延伸することができる。このような態様を採用することにより、フィルム強度と柔軟性を両立させたフィルムを製造することができるという利点がある。また、無延伸の熱可塑性樹脂フィルムを第3工程で縦1軸延伸してもよい。
延伸温度は使用する熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)のときは110〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)のときは104〜115℃が好ましく、延伸プロセスや条件により適宜選択される。
延伸倍率は特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例を挙げると、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンないしはその共重合体を使用し一方向に延伸する場合は通常約1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸する場合には面積倍率で通常1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用し一方向に延伸する場合は通常1.2〜10倍、好ましくは2〜5倍であり、二軸延伸する場合には面積倍率で通常1.5〜20倍、好ましくは4〜12倍である。さらに、必要に応じて高温での熱処理が施される。また、延伸速度は20〜350m/分であることが好ましい。
本発明における表面処理剤のフィルムの伸度とは、熱可塑性樹脂フィルム上に設けられた表面処理剤が、フィルムの延伸に伴い、同時に延伸されたときの伸度であり、通常は熱可塑性樹脂フィルムの延伸倍率を%換算したものに等しい。本発明における表面処理剤のフィルムの伸度は通常100%以上であり、100%を超えて大きいことが好ましい。熱可塑性樹脂としてポリプロピレンないしはその共重合体を使用し一方向に延伸する場合は通常約120〜1200%、好ましくは200〜1000%であり、二軸延伸する場合には面積倍率で通常150〜6000%、好ましくは1000〜5000%である。その他の熱可塑性樹脂を使用し一方向に延伸する場合は通常120〜1000%、好ましくは200〜500%であり、二軸延伸する場合には面積倍率で通常150〜2000%、好ましくは400〜1200%である。
熱可塑性樹脂フィルムが、無機微細粉末ないしは有機フィラーを含有する場合、フィルム表面には微細な亀裂が生じ、フィルム内部には微細な空孔が生じる。
延伸後の熱可塑性樹脂フィルムの肉厚は、通常20〜500μm、好ましくは35〜300μmである。
また延伸後の熱可塑性樹脂フィルムの表面固有抵抗値は、1x1012Ω/□以下であることが帯電防止性能の点から好ましい。1x1012Ω/□を超える場合は、オフセット印刷時に基材が帯電するため給排紙性が大きく低下する。
延伸後の熱可塑性樹脂フィルムは、次式で示される空孔率が10〜60%であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましく、20〜40%であることがさらに好ましい。密度は0. 650〜1. 20g/cm3であることが好ましく、0.65〜1.10g/cm3であることがより好ましく、0.70〜0.95g/cm3であることがさらに好ましい。不透明度は75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ベック平滑度は50〜25,000秒であることが好ましく、50〜15,000秒であることがより好ましく、100〜5,000秒であることがさらに好ましい。
Figure 2005336467
また本発明ではフィルムの帯電防止等の目的で、延伸後のフィルムに対して再度第1工程の表面酸化処理を行っても構わない。また、必要に応じて表面に特定の機能を有する層を積層したり、特定の形状に切断したりする工程を付加しても構わない。
本発明にしたがって表面処理を施した熱可塑性樹脂フィルムは、溶融熱転写印刷を行ったときに、高温・高湿環境下において優れたインクの転写性、密着性および耐水密着性を示すという特徴を有している。また、オフセット印刷を行ったときに、優れたインクの転移性、密着性および耐水性を示すという特徴も有している。さらに、本発明にしたがって表面処理を施した熱可塑性樹脂フィルムは帯電防止性能も優れているという特徴を有する。このように、簡便な表面処理を行うことによって、オフセット印刷適性や溶融熱転写プリンター適性が良好な熱可塑性樹脂フィルムを製造することができる点で、本発明の有用性は極めて高い。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<製造例>
後述する実施例および比較例で用いた表面処理剤の成分の製造法を以下に記載する。
成分(A)
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート62.9重量部、ブチルメタクリレート71重量部、ラウリルメタクリレート25.4重量部およびイソプロピルアルコール200重量部を攪拌機、環流冷却器、温度計、滴下ロートを装置した4つ口フラスコ内に仕込み、窒素ガス置換後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.9重量部を重合開始剤として添加し、80℃にて4時間重合反応を行った。次いで、酢酸24重量部で中和した後、イソプロピルアルコールを留去しながら、水を添加し、最終的に固形分35%の粘調なカチオン性の分散剤の水溶液(b)を得た。
同方向かみ合い型二軸押出機(池貝社製、商品名PCM45φ)に、エチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量10%、MFR35g/10分)(a)を100重量部/時間の割合で連続的に供給した。また、同押出機の第一の注入口より、上記分散剤の水溶液(b)を22.9重量部/時間(分散剤としての固形分としては8重量部/時間)の割合で連続的に供給した。さらに、押出機の第二の注入口から、水を70重量部/時間の割合で連続的に供給しながら加熱温度(シリンダー温度)130℃で連続的に押出し、乳白色の樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液を250メッシュのステンレス製金網でろ過後、固形分が45%になるように水を追加した。
この樹脂水性分散液の平均粒子径をレーザー式粒度分布測定装置(島津社製、SALD−2000)で測定したところ0.74μmであった。また、得られた水性分散液中の水を蒸発・固化させた後、得られた固形物の融点を示差操作熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、DSC−6200)で測定したところ94℃であった。
成分(B−1)
環流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管、および攪拌装置を取り付けた四つ口フラスコに、ジメチルアミノエチルメタクリレート35重量部、エチルメタアクリレート20重量部、シクロヘキシルメタアクリレート20重量部、ステアリルメタアクリレート25重量部、エチルアルコール150重量部と、アゾビスイソブチロニトリル1重量部を添加し、窒素気流下に80℃の温度で6時間重合反応を行った。次いで、系内に水を滴下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形分30%の含窒素型アクリル系ポリマーを得た。
成分(B−2)
環流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管、および攪拌装置を取り付けた四つ口フラスコに、ジメチルアミノエチルメタクリレート35重量部、エチルメタアクリレート20重量部、シクロヘキシルメタアクリレート20重量部、ステアリルメタアクリレート25重量部、エチルアルコール150重量部と、アゾビスイソブチロニトリル1重量部を添加し、窒素気流下に80℃の温度で6時間重合反応を行った。さらに、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドの60重量%エチルアルコール溶液70重量部を加え、さらに80℃の温度で15時間反応させた後、水を滴下しながらエチルアルコールを留去し、最終固形分30%の第4級アンモニウム塩型アクリルポリマーを得た。この共重合体は、次の式(F)で示される基を分子鎖内に含むアクリル酸アルキルエステル系重合体である。
Figure 2005336467
成分(C−1)
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、ポリエチレンイミン(日本触媒(株)社製、商品名エポミンP−1000、重合度1600)の25重量%水溶液100重量部、グリシドール10重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部を入れて窒素気流下で攪拌し、80℃の温度で16時間変性反応を行ってグリシドール変性ポリエチレンイミン水溶液を得た。このものを乾燥した後、赤外分光分析、1H−核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)、および13C−核磁気共鳴分光分析(13C−NMR)を行うことにより、グリシドールのエポキシ基がポリエチレンイミンの窒素に付加した構造を有する生成物であること、およびポリエチレンイミンの窒素の23%がグリシドールと反応した生成物であることを確認した。
成分(C−2)
攪拌機、環流冷却器、温度計および窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、ポリエチレンイミン(日本触媒(株)社製、商品名エポミンP−1000、重合度1600)の25重量%水溶液100重量部、n−ブチルクロライド10重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル10重量部を入れて窒素気流下で攪拌し、80℃の温度で20時間変性反応を行って20重量%のブチル変性ポリエチレンイミン水溶液を得た。
成分(D−1)
ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(日本PMC(株)社製、商品名WS−570、固形分12.5重量%)
以下の実施例および比較例では、上記各成分を表1に記載される組成となるように混合して表面処理剤を調製し、使用した。なお、表1に記載される各表面処理剤のフィルム伸度は以下の手順で測定したものである。
表面処理剤をテフロン製パッド(テフロン:登録商標)に乾燥後のフィルム厚みが1.5mmになるように注ぎ入れ、室温下で7日間乾燥させた。フィルムをダンベル3号形に打ち抜いた後、JIS K−6251の手順に準拠した測定方法にて、オートグラフ(島津製作所製、商品名AGS−5kND)にて引張速度500m/minでフィルム伸度を300%を上限として測定した。フィルム伸度は以下の式にて計算される。
フィルム伸度(%)=(L1−L0)÷ L0 ×100
L1:切断時の標線間距離(mm)
L0:切断前の標線間距離(mm)
<実施例1>
(1) 樹脂シートの作製
メルトフローレート(MFR)0.8g/10分のポリプロピレン85重量%に、平均粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム15重量%を配合した組成物(c')を、240℃に設定した押し出し機にて混練した後、シート状に押し出し、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。なお、上記のシート状に押し出した組成物および以下の押出や積層に使用する組成物には、使用するポリプロピレンと炭酸カルシウムの合計量100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部、フェノール系安定剤であるイルガノックス1010(チバガイキー社製、商品名)0.05重量部、リン系安定剤であるウエストン618(ボーグワーナー(株)製、商品名)0.05重量部を配合した。このシートを140℃の温度に加熱して、縦方向に5倍延伸した。
MFRが4.0g/10分のポリプロピレン50重量%とマレイン酸変性ポリプロピレン5重量%と平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%とを混合した組成物(a')を250℃に設定した押し出し機により溶融混練したものと、MFRが4.0g/10分のポリプロピレン55重量%と平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%を混合した組成物(b')を250℃に設定した別の押し出し機で溶融混練したものをダイ内で積層し、この積層物を(a')が外側となるように上記にて得られた縦5倍延伸シートの両面に共押し出しして5層積層物(a'/b'/c'/b'/a')を得た(以下、「P1」と略記する。)。
(2) 酸化処理
上記5層積層物(P1)の一面にコロナ放電処理機(春日電気(株)製、商品名HFS400F)を用いてコロナ放電処理を行った。コロナ放電処理に際して、トリータロールにはシリコーン被覆ロールを用い、アルミ電極とロールとのギャップを2mmとし、ライン速度は約30m/分、印加エネルギー密度は100W・分/m2とした。
(3) 表面処理剤の塗布
ついで、上記のコロナ放電処理を行った表面に、表1に記載される組成を有する表面処理剤を、延伸後の乾燥塗工量が約0.15g/m2になるようにバーコーターにより塗布した。
(4) 延伸
塗布した表面処理剤が完全に乾燥する前に、テンターオーブンにて155℃に加熱した後、横方向に8.5倍の延伸を行って、厚さ110μmの5層積層フィルム(各層の厚さ6μm/23μm/52μm/23μm/6μm)を得た。このフィルムの空孔率は25%であった。また本発明では表面処理剤の乾燥は延伸と同時に完了するものとする。
<実施例2>
表面処理剤の成分(B)を(B−2)に変更し、表1に示すように配合比を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作によりフィルムを作製した。
<実施例3>
表面処理剤に成分(C)である(C−1)を添加し、表1に示すように配合比を変更したこと以外は、実施例2と同様の操作によりフィルムを作製した。
<実施例4>
表面処理剤の成分(C)を(C−2)に変更したこと以外は、実施例3と同様の操作にてフィルムを作製した。
<実施例5>
表面処理剤に成分(D)である以下の(D−1)を添加し、表1に示すように配合比を変更したこと以外は、実施例4と同様の操作によりフィルムを作製した。
<実施例6>
酸化処理を行うために用いたコロナ処理に代わり、フリンバーナー社(FLYNN BURNER社)製フリンF3000ダイレクトフレームプラズマ処理機を用いて、燃焼ガスにプロパンを使用し、ライン速度40m/分、印加エネルギー37, 700J/m2にてフレーム処理を行った点以外は、実施例5と同様の操作によりフィルムを作製した。
<実施例7>
表面処理剤の成分(A)を調製する際、分散剤(b)を上記製造例に記載したものから市販の非イオン性の界面活性剤(水溶性高分子)(クラレ(株)社製、商品名ポバールPVA117)の水溶液に変更したこと以外は、上記製造例と同様の操作により乳白色の樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液を100メッシュのステンレス製金網でろ過後、固形分が45%になるように水を追加した。
この樹脂水性分散液の平均粒子径をレーザー式粒度分布測定装置で測定したところ3μmであった。また、得られた水性分散液中の水を蒸発・固化させた後、得られた固形物の融点を示差操作熱量計で測定したところ93℃であった。
表面処理剤の成分(A)を上記のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にてフィルムを作製した。
<実施例8>
表面処理剤の成分(A)を調製する際、分散剤の水溶液(b)を71.5重量部/時間(分散剤としての固形分としては25重量部/時間)の割合で連続的に供給したこと以外は、製造例と同様の操作により乳白色の樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液を250メッシュのステンレス製金網でろ過後、固形分が45%になるように水を追加した。
この樹脂水性分散液の平均粒子径をレーザー式粒度分布測定装置で測定したところ0.7μmであった。また、得られた水性分散液中の水を蒸発・固化させた後、得られた固形物の融点を示差操作熱量計で測定したところ94℃であった。
表面処理剤の成分(A)を上記のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にてフィルムを作製した。
<比較例1>
延伸前にコロナ放電処理を行わず、表1に記載される組成の表面処理剤を塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作によりフィルムを作製した。しかし、表面処理剤の塗布時にはじきが発生し均質な表面処理を施したフィルムが得られなかったため、後の評価は中止した。
<比較例2>
表面処理剤の塗工を行わないこと以外は、実施例1と同様の操作によりフィルムを作製した。
<比較例3>
表面処理剤の成分(A)を調製する際、分散剤(b)にポリスルホン酸ナトリウム系乳化剤を用い、オートクレーブ(200℃、5気圧)中で重合体(a)を分散させ、乳白色の樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液を250メッシュのステンレス製金網でろ過後、固形分が45%になるように水を追加した。
この樹脂水性分散液の平均粒子径をレーザー式粒度分布測定装置で測定したところ1μmであった。また、得られた水性分散液中の水を蒸発・固化させた後、得られた固形物の融点を示差操作熱量計で測定したところ93℃であった。
表面処理剤の成分(A)を上記のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にてフィルムを作製した。
<比較例4>
表面処理剤の成分(A)を調製する際、分散剤の水溶液(b)を1.4重量部/時間(分散剤としての固形分としては0.5重量部/時間)の割合で連続的に供給したこと以外は、上記製造例と同様の操作を行った。しかし、オレフィン共重合体を水中に均質に分散させることができず、同条件では分散液を調製することができなかった。
<比較例5>
表面処理剤の成分(A)を調製する際、分散剤の水溶液(b)を100重量部/時間(分散剤としての固形分としては35重量部/時間)の割合で連続的に供給したこと以外は、上記製造例と同様の操作により乳白色の樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液を250メッシュのステンレス製金網でろ過後、固形分が45%になるように水を追加した。
この樹脂水性分散液の平均粒子径をレーザー式粒度分布測定装置で測定したところ0.7μmであった。また、得られた水性分散液中の水を蒸発・固化させた後、得られた固形物の融点を示差操作熱量計で測定したところ94℃であった。
表面処理剤の成分(A)を上記のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にてフィルムを作製した。
<比較例6>
表面処理剤の成分(A)を調製する際の、二軸押出機へのエチレン−メタクリル酸共重合体(a)、分散剤の水溶液(b)、および水の供給量を全て同じ割合で低減し、同時に二軸押出機の回転数を減少させて押出機の吐出量を低下させた以外は、上記製造例と同様にして乳白色の樹脂水性分散液を得た。この樹脂水性分散液を100メッシュのステンレス製金網でろ過後、固形分が45%になるように水を追加した。
この樹脂水性分散液の平均粒子径をレーザー式粒度分布測定装置で測定したところ7μmであった。この樹脂水性分散液は静置安定性が悪く、ろ過時に目詰まりを起こしやすく、1日〜数日で層分離してしまう非常に扱いづらいものであった。得られた水性分散液中の水を蒸発・固化させた後、得られた固形物の融点を示差操作熱量計で測定したところ94℃であった。
表面処理剤の成分(A)を上記のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にてフィルムを作製した。
<比較例7>
成分(A)のみからなる表面処理剤を使用したこと以外は、実施例1と同様の操作によりフィルムを作製した。
<比較例8>
実施例1の5層積層物(P1)を酸化処理および表面処理剤の塗布を行わずに実施例1と同様な方法で延伸処理した。得られた5層積層フィルムに対して実施例1と同様な方法で酸化処理および表面処理剤の塗布を行った後、60℃で乾燥することにより厚さ110μmの5層積層フィルム(各層の厚さ6μm/23μm/52μm/23μm/6μm)を作製した。
<試験例>
実施例1〜6および比較例1〜4の各フィルムについて、溶融熱転写適性、オフセット印刷適性、帯電防止性を以下の手順にしたがって評価した。
溶融熱転写適性
印画にはバーコードプリンター((株)テック社製、商品名B−30−S5)と溶融型樹脂性インクリボン((株)リコー社製、商品名B110C)を用いた。
(1) インク転写性評価
フィルムの片面に、35℃、相対湿度85%の条件下でバーコードの印刷を行い、インク転写性を下記の5段階で評価した。
5:良好(鮮明な画像が得られる)
4:可 (バーコード印刷等に若干のかすれが見られるが、実用レベルを維持している。)
3:不可(バーコード印刷等に線切れが生じる)
2:不可(印刷文字の読み取りが困難)
1:不可(ほぼインクが転写されない)
(2) インク密着性評価
画像受容フィルムの片面に、23℃、相対湿度50%の条件下でバーコードの印刷を行った。その印字物を35℃、相対湿度85%の条件下で2時間以上状態調節した後、その面にセロファンテープ(登録商標)を貼り付け、十分密着させた後にゆっくりセロファンテープを剥離してインク密着性を下記の5段階で評価した。
5:良好(全くインクが剥離しない)
4:可 (僅かな部分のインクが剥離したが、実用レベルを維持している)
3:不可(剥離部分が25%未満であった)
2:不可(剥離部分が25%〜75%であった)
1:不可(剥離部分が75%超であった)
オフセット印刷適性
評価には印刷機((株)明製作所社製、商品名RI−III型印刷適性試験機)と印刷インク((株)T&K TOKA社製、商品名ベストキュアー161(墨))を用いた。
(1) インク転移性
フィルムを23℃、相対湿度50%の雰囲気下で3日間保管した後、フィルムの塗布面にインクを1.5g/m2 の厚さとなるように印刷し、印刷面の光反射濃度を光反射濃度計((株)コルモーゲン社製、商品名マクベス濃度計)にて測定した。
(2) インク密着性
フィルムを23℃、相対湿度50%の雰囲気下で3日間保管した後、フィルムの塗布面にインクを1.5g/m2の厚さとなるように印刷し、1灯のメタルハライド灯(アイグラフィック(株)製、80W/cm)の下10cmのところを10m/分の速度で1回通過させて照射した。その後、密着強度測定機(熊谷理機工業(株)社製、商品名インターナルボンドテスター)にて密着強度を測定した。この密着強度の測定原理は、印刷面にセロファンテープを貼り、その貼付面にアルミアングルを貼り付け、反対面も同じく所定のホルダーにセットし、90度の角度よりハンマーを振り下ろしてアルミアングルに衝撃を加えその際の剥離エネルギーを測定するものである。ここでは、密着強度が1.2kg・cm以上であるものを合格と判定した。
(3) 耐水性評価
フィルムを23℃、相対湿度50%の雰囲気下で3日間保管した後、フィルムの塗布面にインクを1.5g/m2の厚さとなるように印刷し、1灯のメタルハライド灯(アイグラフィック(株)製、80W/cm)の下10cmのところを10m/分の速度で1回通過させて照射した。その後、印刷物を23℃の水中に3時間浸漬した後、水中にて印刷面同士を折り曲げつつ印刷面同士を30秒間に30回擦り合わせることで印刷面の水中での擦過性を評価した。評価基準は以下の通りである。
5:良好(全くインクが剥離しない)
4:可 (僅かな部分のインクが剥離したが、実用レベルを維持している)
3:不可(剥離部分が25%未満であった)
2:不可(剥離部分が25%〜75%であった)
1:不可(剥離部分が75%超であった)
帯電防止性
フィルムを23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2時間以上状態調節した後、フィルムの塗布面の表面抵抗率(JIS K−6911)を絶縁計(東亜電波工業(株)社製、商品名DSM−8103)にて測定し表面固有抵抗値とした。表面固有抵抗値が1x1012Ω/□以下のものを帯電防止性能が良好と判定した。
実施例1〜8および比較例1〜8のフィルムの評価結果を以下の表に示す。なお、比較例1のフィルムについては、表面処理剤の塗工時にはじきが発生したので評価は行わなかった。
Figure 2005336467
本発明にしたがって表面処理を施した熱可塑性樹脂フィルムは、溶融熱転写印刷において高温・高湿環境下におけるインクの転写性、密着性および耐水密着性に優れ、かつオフセット印刷においてインクの転移性、密着性および耐水性に優れ、加えて帯電防止性能を有する。このため、本発明の表面処理方法は、溶融熱転写印刷やオフセット印刷用の熱可塑性樹脂フィルムの製造に広く用いることができ、産業上の利用可能性が高い。

Claims (16)

  1. [1] 熱可塑性樹脂フィルムの表面を酸化処理する第1工程、
    [2] 酸化処理した熱可塑性樹脂フィルムの表面に、下記成分(A)および成分(B)を含有する表面処理剤を塗布する第2工程、および
    [3] 表面処理剤を塗布した熱可塑性樹脂フィルムを延伸する第3工程、を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの表面処理方法。
    成分(A)
    不飽和カルボン酸またはその無水物が結合したオレフィン共重合体(a)を、非イオン性界面活性剤、非イオン性水溶性高分子、カチオン性界面活性剤およびカチオン性水溶性高分子からなる群より選択される少なくとも一種を分散剤(b)として用いて、水中に分散させた水性分散液であって、(a)/(b)の固形分あたりの重量の比率が100/1〜100/30であり、平均粒子径が5μm以下である樹脂水性分散液
    成分(B)
    下記一般式(A)で表されるモノマーを共重合した構造を有する窒素含有アクリル系ポリマー
    Figure 2005336467
    [上式中、Aは−O−もしくは−NH−を表し、R1は水素原子若しくはメチル基を表し、R2は炭素数が1〜18のアルキレン基若しくは−CH2−CH(OH)−CH2−を表し、R3およびR4は同一であっても異なっていても良く、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R3およびR4が結合する窒素原子は四級アンモニウム塩になっていてもよい。]
  2. 前記成分(B)として、一般式(A)のR3およびR4が結合する窒素原子が四級アンモニウム塩になっているモノマーを共重合した構造を有する窒素含有アクリル系ポリマーを用いることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記表面処理剤が下記成分(C)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理方法。
    成分(C)
    ポリイミン系重合体またはポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物
  4. 前記成分(C)が下記一般式(E)で表される構造を有することを特徴とする請求項3に記載の表面処理方法。
    Figure 2005336467

    (上式中、R17およびR18はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10の範囲の直鎖または分岐状のアルキル基、脂環式構造を有するアルキル基、またはアリール基であり、R19は水素原子、炭素数1〜20の範囲のアルキル基、アリル基、脂環式構造を有するアルキル基、アリール基、またはこれらの水酸化物であり、mは2〜6の範囲の整数であり、nは20〜3000の範囲の整数である。n個の構造単位は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  5. 前記表面処理剤が下記成分(D)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処理方法。
    成分(D)
    水溶性のエポキシ系樹脂、水溶性のイソシアネート系樹脂、水溶性のホルマリン系樹脂、水溶性のオキサゾリン系樹脂、およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物からなる群より選択される1種または2種以上の架橋剤成分
  6. 前記第1工程で用いる熱可塑性樹脂フィルムが、縦延伸した熱可塑性樹脂より成る基材層(i)の少なくとも片面に熱可塑性樹脂より成る表面層(ii)を積層した多層樹脂フィルムであって、かつ、前記第3工程において熱可塑性樹脂フィルムを横延伸することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  7. 前記第1工程で用いる熱可塑性樹脂フィルムが、熱可塑性樹脂より成る基材層(i)の少なくとも片面に熱可塑性樹脂より成る表面層(ii)を積層した多層樹脂フィルムであって、かつ、前記第3工程において熱可塑性樹脂フィルムを縦延伸することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  8. 前記第1工程で用いる熱可塑性樹脂フィルムが、熱可塑性樹脂40〜100重量%および無機微細粉末60〜0重量%を含有する基材層(i)と、熱可塑性樹脂25〜100重量%および無機微細粉末75〜0重量%を含有する表面層(ii)とからなる多層樹脂フィルムであることを特徴とする請求項6または7に記載の表面処理方法。
  9. 第3工程後に得られる熱可塑性樹脂フィルムの次式で示される空孔率が10〜60%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の表面処理方法。
    Figure 2005336467
  10. 第1工程で用いる熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  11. 第1工程で用いるポリオレフィン系樹脂がプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項10に記載の表面処理方法。
  12. 前記酸化処理が、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、およびオゾン処理からなる群より選択される少なくとも一種の処理であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  13. 前記表面処理剤のフィルム伸度が100%以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  14. 第3工程で得られる熱可塑性樹脂フィルムの表面固有抵抗値が1x1012Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  15. 第2工程で塗布した表面処理剤の乾燥温度が、前記成分(A)の固形物の融点より20℃以上高いことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の表面処理方法を用いて得られたことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
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