JP3207557B2 - 積層体 - Google Patents
積層体Info
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- JP3207557B2 JP3207557B2 JP28007292A JP28007292A JP3207557B2 JP 3207557 B2 JP3207557 B2 JP 3207557B2 JP 28007292 A JP28007292 A JP 28007292A JP 28007292 A JP28007292 A JP 28007292A JP 3207557 B2 JP3207557 B2 JP 3207557B2
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層体に関し、詳しくは
表皮材層と基板層の間に特定の接着材層を積層した積層
体であって比較的低温での接着が可能で接着加工性が高
く、広い温度範囲で接着強度,耐熱クリープ性に優れた
積層体に関する。
表皮材層と基板層の間に特定の接着材層を積層した積層
体であって比較的低温での接着が可能で接着加工性が高
く、広い温度範囲で接着強度,耐熱クリープ性に優れた
積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車,車両,船舶等の内装用材料は、
内部の居住性,審美性,高級感等が要求される。従来、
このような内装用材料としては、内部の見栄え,高級
感,居住性等を重視した表皮材と機能性を保持させるた
めの基板材とを接着接合した積層体が使用されている。
この積層体の積層にあたり、溶剤系接着剤を用いる方法
は作業性が低いうえに、近年環境問題が重視されつつあ
る中で有機溶剤による労働衛生及び危険性(火災等)の
問題があり、適当な方法でない。
内部の居住性,審美性,高級感等が要求される。従来、
このような内装用材料としては、内部の見栄え,高級
感,居住性等を重視した表皮材と機能性を保持させるた
めの基板材とを接着接合した積層体が使用されている。
この積層体の積層にあたり、溶剤系接着剤を用いる方法
は作業性が低いうえに、近年環境問題が重視されつつあ
る中で有機溶剤による労働衛生及び危険性(火災等)の
問題があり、適当な方法でない。
【0003】そのため、表皮材と基板材との接着に感熱
性接着樹脂を使用した積層体が内装用材料として提案さ
れている。このような感熱性接着樹脂としては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸共重合
体,低融点の共重合ナイロン等が用いられている。
性接着樹脂を使用した積層体が内装用材料として提案さ
れている。このような感熱性接着樹脂としては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸共重合
体,低融点の共重合ナイロン等が用いられている。
【0004】感熱性接着樹脂を使用した積層体は、表皮
材と基板材の間に感熱性接着樹脂フィルムをはさんで熱
プレスで加熱圧着する方法、表皮材に感熱性接着樹脂を
押出コーティングした積層材、または表皮材に感熱性接
着樹脂フィルムを熱ロールラミネートした積層材を、基
板材に加熱圧着する方法等で製造される。ここで、内部
の見栄え,高級感,居住性等を重視した表皮材の外観を
損ねないように接着の加熱温度及び圧を可能な限り低く
抑える必要がある。
材と基板材の間に感熱性接着樹脂フィルムをはさんで熱
プレスで加熱圧着する方法、表皮材に感熱性接着樹脂を
押出コーティングした積層材、または表皮材に感熱性接
着樹脂フィルムを熱ロールラミネートした積層材を、基
板材に加熱圧着する方法等で製造される。ここで、内部
の見栄え,高級感,居住性等を重視した表皮材の外観を
損ねないように接着の加熱温度及び圧を可能な限り低く
抑える必要がある。
【0005】このような感熱性接着樹脂を使用した積層
体は積層の作業性は良好であるが、比較的低い加熱温
度,圧力で処理されて得られる積層体の常温での接着強
度は充分満足できるものではない。また、自動車,車
両,船舶等の内装用材料は、使用条件や使用態様が広範
囲であるため酷寒から酷暑の気候にさらされ、特に日光
直射下にあっては、その内装材料表面は80℃を越える
高温になることがあるが、このような場合に、感熱性接
着樹脂を使用した積層体では、接着強度が低下するとと
もに、タレ,剥離等の変形を生じることがある。
体は積層の作業性は良好であるが、比較的低い加熱温
度,圧力で処理されて得られる積層体の常温での接着強
度は充分満足できるものではない。また、自動車,車
両,船舶等の内装用材料は、使用条件や使用態様が広範
囲であるため酷寒から酷暑の気候にさらされ、特に日光
直射下にあっては、その内装材料表面は80℃を越える
高温になることがあるが、このような場合に、感熱性接
着樹脂を使用した積層体では、接着強度が低下するとと
もに、タレ,剥離等の変形を生じることがある。
【0006】そこで、接着強度を向上させるためには接
着の加熱温度を高くする必要があるが、生産効率が低下
するとともに上記の如く外観を損ねるという問題があっ
た。
着の加熱温度を高くする必要があるが、生産効率が低下
するとともに上記の如く外観を損ねるという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、表皮材層
と基板材層を接着材層を介して積層した積層体であっ
て、比較的低い処理温度で積層が可能で、表皮材層の審
美性,高級感等を保持しつつ、広い温度範囲で高い接着
強度,耐熱クリープ性等を有する自動車,車両,船舶等
の内装用材料に好適な積層体は未だ提案されていない。
と基板材層を接着材層を介して積層した積層体であっ
て、比較的低い処理温度で積層が可能で、表皮材層の審
美性,高級感等を保持しつつ、広い温度範囲で高い接着
強度,耐熱クリープ性等を有する自動車,車両,船舶等
の内装用材料に好適な積層体は未だ提案されていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来の問題を解決した表皮材の風合いを損ねず、接着強
度,耐熱クリープ性に優れた積層体を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、接着材層として特定の熱可塑性樹脂組
成物を用いることにより、目的とする積層体が得られる
ことを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成し
たものである。
従来の問題を解決した表皮材の風合いを損ねず、接着強
度,耐熱クリープ性に優れた積層体を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、接着材層として特定の熱可塑性樹脂組
成物を用いることにより、目的とする積層体が得られる
ことを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成し
たものである。
【0009】すなわち、本発明は少なくとも表皮材層及
び基板材層を接着材層を介して積層した積層体におい
て、該接着材層が (A)エチレン,ラジカル重合性酸無水物及びこれ以外
の他のラジカル重合性コモノマーからなるエチレン系多
元共重合体であって、該エチレン系多元共重合体中のラ
ジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合が0.1〜5
重量%、他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位
の割合が3〜50重量%であるエチレン系多元共重合体
(以下、(A)成分と記す)、 (B)エチレン及びラジカル重合性酸無水物からなるエ
チレン系二元共重合体であって、該エチレン系二元共重
合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合
が0.1〜5重量%であるエチレン系二元共重合体(以
下、(B)成分と記す)及び (C)有機カルボン酸の周期律表IA族またはIIA族金
属塩(以下、(C)成分と記す)からなる熱可塑性樹脂
組成物であることを特徴とする積層体を提供するもので
ある。
び基板材層を接着材層を介して積層した積層体におい
て、該接着材層が (A)エチレン,ラジカル重合性酸無水物及びこれ以外
の他のラジカル重合性コモノマーからなるエチレン系多
元共重合体であって、該エチレン系多元共重合体中のラ
ジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合が0.1〜5
重量%、他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位
の割合が3〜50重量%であるエチレン系多元共重合体
(以下、(A)成分と記す)、 (B)エチレン及びラジカル重合性酸無水物からなるエ
チレン系二元共重合体であって、該エチレン系二元共重
合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合
が0.1〜5重量%であるエチレン系二元共重合体(以
下、(B)成分と記す)及び (C)有機カルボン酸の周期律表IA族またはIIA族金
属塩(以下、(C)成分と記す)からなる熱可塑性樹脂
組成物であることを特徴とする積層体を提供するもので
ある。
【0010】本発明の積層体において、表皮材層の材料
としては、特に制限なく内装の目的に応じて種々のもの
が使用できる。具体的には、ポリエステル不織布,起毛
ニット,塩化ビニルレザー,ポリウレタンレザー,ポリ
プロピレン系熱可塑性エラストマー、さらにこれらの材
料に発泡ウレタン,発泡ポリエチレン,発泡ポリプロピ
レン等のクッション材を貼合したもの等が挙げられる。
としては、特に制限なく内装の目的に応じて種々のもの
が使用できる。具体的には、ポリエステル不織布,起毛
ニット,塩化ビニルレザー,ポリウレタンレザー,ポリ
プロピレン系熱可塑性エラストマー、さらにこれらの材
料に発泡ウレタン,発泡ポリエチレン,発泡ポリプロピ
レン等のクッション材を貼合したもの等が挙げられる。
【0011】また、本発明において、基板材層の材料と
しては内装の機能を有するものであれば特に制限なく種
々の材料が使用できる。具体的には、レジンフェルト,
レジンウッド,ガラス繊維含有フェノール樹脂板,段ボ
ール,ポリプロピレンハニカム,ポリスチレンフォー
ム,ガラス繊維強化ポリプロピレン板あるいはこれらに
不織布を貼合したもの、さらにはハードボード,ガラス
強化ウレタン,メタルラス/ポリエチレンフォーム,H
TPSフォーム/HTPSシート,プラスチック/段ボ
ール,RMPマット,プラスチックボード(AESボー
ド,ABSボード,ABSGボード,ASGボード,ポ
リ塩化ビニルボード,ポリプロピレンボード,TPE等
のエラストマー,ABSブレンド半硬質PVC等)及び
これにアンカーコート剤を塗布したもの等が挙げられ
る。
しては内装の機能を有するものであれば特に制限なく種
々の材料が使用できる。具体的には、レジンフェルト,
レジンウッド,ガラス繊維含有フェノール樹脂板,段ボ
ール,ポリプロピレンハニカム,ポリスチレンフォー
ム,ガラス繊維強化ポリプロピレン板あるいはこれらに
不織布を貼合したもの、さらにはハードボード,ガラス
強化ウレタン,メタルラス/ポリエチレンフォーム,H
TPSフォーム/HTPSシート,プラスチック/段ボ
ール,RMPマット,プラスチックボード(AESボー
ド,ABSボード,ABSGボード,ASGボード,ポ
リ塩化ビニルボード,ポリプロピレンボード,TPE等
のエラストマー,ABSブレンド半硬質PVC等)及び
これにアンカーコート剤を塗布したもの等が挙げられ
る。
【0012】本発明の積層体は、上記の表皮材層と基板
層とを熱可塑性樹脂組成物層を接着層としての積層した
ものである。ここで、接着材層は前記(A)成分,
(B)成分及び(C)成分からなる熱可塑性樹脂組成物
の層である。このような樹脂組成物を用いることによっ
て、比較的低温で強度な接着が可能で、表皮材の風合い
等を損ねず、広い温度範囲で接着強度,耐熱クリープ性
に優れた積層体が得られるのである。
層とを熱可塑性樹脂組成物層を接着層としての積層した
ものである。ここで、接着材層は前記(A)成分,
(B)成分及び(C)成分からなる熱可塑性樹脂組成物
の層である。このような樹脂組成物を用いることによっ
て、比較的低温で強度な接着が可能で、表皮材の風合い
等を損ねず、広い温度範囲で接着強度,耐熱クリープ性
に優れた積層体が得られるのである。
【0013】この熱可塑性樹脂組成物において、(A)
成分はエチレン,ラジカル重合性酸無水物及びこれ以外
の他のラジカル重合性コモノマーからなるエチレン系多
元共重合体である。ここで、ラジカル重合性酸無水物と
は、分子中にラジカル重合可能な不飽和結合と酸無水物
基を各々1個以上有し、重合により酸無水物基を分子中
に導入できるような化合物である。
成分はエチレン,ラジカル重合性酸無水物及びこれ以外
の他のラジカル重合性コモノマーからなるエチレン系多
元共重合体である。ここで、ラジカル重合性酸無水物と
は、分子中にラジカル重合可能な不飽和結合と酸無水物
基を各々1個以上有し、重合により酸無水物基を分子中
に導入できるような化合物である。
【0014】このような化合物の具体的な例としては、
無水マレイン酸,無水イタコン酸,無水エンディック
酸,無水シトラコン酸,1−ブテン−3,4−ジカルボ
ン酸無水物,炭素数が多くとも18である末端に二重結
合を有するアルケニル無水コハク酸,炭素数が多くとも
18である末端に二重結合を有するアルカジエニル無水
コハク酸等を挙げることができる。これらは2種類以上
同時に併用しても差し支えない。これらのうち無水マレ
イン酸,無水イタコン酸が特に好ましい。
無水マレイン酸,無水イタコン酸,無水エンディック
酸,無水シトラコン酸,1−ブテン−3,4−ジカルボ
ン酸無水物,炭素数が多くとも18である末端に二重結
合を有するアルケニル無水コハク酸,炭素数が多くとも
18である末端に二重結合を有するアルカジエニル無水
コハク酸等を挙げることができる。これらは2種類以上
同時に併用しても差し支えない。これらのうち無水マレ
イン酸,無水イタコン酸が特に好ましい。
【0015】また、ラジカル重合性酸無水物以外の他の
ラジカル重合性コモノマーとしては、多くの化合物が使
用でき、具体的にはエチレン系不飽和エステル化合物,
エチレン系不飽和アミド化合物,エチレン系不飽和酸化
合物,エチレン系不飽和エーテル化合物,エチレン系不
飽和炭化水素化合物などを挙げることができる。
ラジカル重合性コモノマーとしては、多くの化合物が使
用でき、具体的にはエチレン系不飽和エステル化合物,
エチレン系不飽和アミド化合物,エチレン系不飽和酸化
合物,エチレン系不飽和エーテル化合物,エチレン系不
飽和炭化水素化合物などを挙げることができる。
【0016】これらをさらに具体的に記せば、エチレン
系不飽和エステル化合物としては、酢酸ビニル,(メ
タ)アクリル酸メチル〔(メタ)アクリル酸は、アクリ
ル酸及びメタクリル酸を意味する。以下同様。〕(メ
タ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,
(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸
ラウリル,(メタ)アクリル酸ベンジルなどを例示する
ことができる。
系不飽和エステル化合物としては、酢酸ビニル,(メ
タ)アクリル酸メチル〔(メタ)アクリル酸は、アクリ
ル酸及びメタクリル酸を意味する。以下同様。〕(メ
タ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,
(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸
ラウリル,(メタ)アクリル酸ベンジルなどを例示する
ことができる。
【0017】エチレン系不飽和アミド化合物としては、
(メタ)アクリルアミド,N−メチル(メタ)アクリル
アミド,N−エチル(メタ)アクリルアミド,N−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド,N−ブチル(メタ)アク
リルアミド,N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド,N
−オクチル(メタ)アクリルアミド,N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド;N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド,N−メチル(メタ)アクリル
アミド,N−エチル(メタ)アクリルアミド,N−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド,N−ブチル(メタ)アク
リルアミド,N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド,N
−オクチル(メタ)アクリルアミド,N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド;N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミドなどが挙げられる。
【0018】エチレン系不飽和酸化合物としては、(メ
タ)アクリル酸が挙げられる。エチレン系不飽和エーテ
ル化合物としては、メチルビニルエーテル,エチルビニ
ルエーテル,プロピルビニルエーテル,ブチルビニルエ
ーテル,オクタデシルビニルエーテル,フェニルビニル
エーテルなどが挙げられる。また、エチレン系不飽和炭
化水素化合物及びその他の化合物としては、スチレン,
α−メチルスチレン,アクリロニトリル,メタクリロニ
トリル,アクロレイン,トリメトキシビニルシラン,ト
リエトキシビニルシラン,塩化ビニル,塩化ビニリデン
などが挙げられる。
タ)アクリル酸が挙げられる。エチレン系不飽和エーテ
ル化合物としては、メチルビニルエーテル,エチルビニ
ルエーテル,プロピルビニルエーテル,ブチルビニルエ
ーテル,オクタデシルビニルエーテル,フェニルビニル
エーテルなどが挙げられる。また、エチレン系不飽和炭
化水素化合物及びその他の化合物としては、スチレン,
α−メチルスチレン,アクリロニトリル,メタクリロニ
トリル,アクロレイン,トリメトキシビニルシラン,ト
リエトキシビニルシラン,塩化ビニル,塩化ビニリデン
などが挙げられる。
【0019】これらのうち好ましい化合物としては、
(メタ)アクリル酸エステル類,(メタ)アクリル酸な
どが挙げられ、なかでもメタクリル酸メチル,アクリル
酸メチル,アクリル酸−n−ブチルが好適である。必要
に応じて、これらのコモノマーを2種類以上同時に併用
しても差し支えない。
(メタ)アクリル酸エステル類,(メタ)アクリル酸な
どが挙げられ、なかでもメタクリル酸メチル,アクリル
酸メチル,アクリル酸−n−ブチルが好適である。必要
に応じて、これらのコモノマーを2種類以上同時に併用
しても差し支えない。
【0020】(A)成分においてラジカル重合性酸無水
物に由来する単位の割合は0.1〜5重量%、好ましくは
0.5〜4重量%であり、他のラジカル重合性コモノマー
に由来する単位の割合は3〜50重量%、好ましくは5
〜40重量%である。ラジカル重合性酸無水物に由来す
る単位の割合が0.1重量%未満では接着強度が低いもの
となり、また5重量%を越えると得られる共重合体の柔
軟性が著しく低下するうえに、生産コストが高くなり好
ましくない。また、他のラジカル重合性コモノマーに由
来する単位の割合が3重量%未満では、得られる共重合
体の結晶融点が充分低くならず、低温での接着が困難と
なり、50重量%を越えると樹脂の取り扱いが難しく、
得られる積層体の耐熱性が低下するため実用的でない。
物に由来する単位の割合は0.1〜5重量%、好ましくは
0.5〜4重量%であり、他のラジカル重合性コモノマー
に由来する単位の割合は3〜50重量%、好ましくは5
〜40重量%である。ラジカル重合性酸無水物に由来す
る単位の割合が0.1重量%未満では接着強度が低いもの
となり、また5重量%を越えると得られる共重合体の柔
軟性が著しく低下するうえに、生産コストが高くなり好
ましくない。また、他のラジカル重合性コモノマーに由
来する単位の割合が3重量%未満では、得られる共重合
体の結晶融点が充分低くならず、低温での接着が困難と
なり、50重量%を越えると樹脂の取り扱いが難しく、
得られる積層体の耐熱性が低下するため実用的でない。
【0021】(A)成分は、上記の条件を満たすもので
あれば、特に制限はないが、MFR値(JIS−K72
10、以下同様)が0.1〜50であることがフィルム成
形上好ましい。
あれば、特に制限はないが、MFR値(JIS−K72
10、以下同様)が0.1〜50であることがフィルム成
形上好ましい。
【0022】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の
(B)成分は、エチレン及びラジカル重合性酸無水物か
らなる。ここで、ラジカル重合性酸無水物は上述の
(A)成分のラジカル重合性酸無水物と同様のものであ
る。
(B)成分は、エチレン及びラジカル重合性酸無水物か
らなる。ここで、ラジカル重合性酸無水物は上述の
(A)成分のラジカル重合性酸無水物と同様のものであ
る。
【0023】(B)成分において、ラジカル重合性酸無
水物に由来する単位の割合は、0.1〜5重量%、好まし
くは0.5〜4重量%である。ラジカル重合性酸無水物に
由来する単位の割合が、0.1重量%未満では高い耐熱ク
リープ特性が得られず、5重量%を越えると得られる共
重合体の柔軟性が著しく低下するうえに、生産コストが
高くなり好ましくない。
水物に由来する単位の割合は、0.1〜5重量%、好まし
くは0.5〜4重量%である。ラジカル重合性酸無水物に
由来する単位の割合が、0.1重量%未満では高い耐熱ク
リープ特性が得られず、5重量%を越えると得られる共
重合体の柔軟性が著しく低下するうえに、生産コストが
高くなり好ましくない。
【0024】(B)成分は、上記の条件を満たすもので
あれば、特に制限はないが、MFR値が0.1〜50であ
ることがフィルム成形上好ましい。
あれば、特に制限はないが、MFR値が0.1〜50であ
ることがフィルム成形上好ましい。
【0025】上記のような(A)成分及び(B)成分の
製造に当たっては、基本的には通常の低密度ポリエチレ
ンの製造設備及び技術を利用することができる。一般的
には塊状重合であり、700〜3000気圧の圧力下で
100〜300℃の温度範囲でラジカル重合で製造され
る。好ましい重合圧力、重合温度の範囲としては100
0〜2500気圧、反応器内の平均温度150〜270
℃とすることができる。
製造に当たっては、基本的には通常の低密度ポリエチレ
ンの製造設備及び技術を利用することができる。一般的
には塊状重合であり、700〜3000気圧の圧力下で
100〜300℃の温度範囲でラジカル重合で製造され
る。好ましい重合圧力、重合温度の範囲としては100
0〜2500気圧、反応器内の平均温度150〜270
℃とすることができる。
【0026】700気圧以下では重合体の分子量が低く
なり、成形性や組成物の樹脂物性が悪化する。また、3
000気圧以上の圧力は、実質的に無意味であり、製造
コストを高めるだけである。平均重合温度が100℃以
下では重合反応が安定せず、共重合体への転化率が低下
し、経済的に問題がある。300℃を超えると、共重合
体の分子量が低下すると同時に暴走反応の危険性が生じ
る。
なり、成形性や組成物の樹脂物性が悪化する。また、3
000気圧以上の圧力は、実質的に無意味であり、製造
コストを高めるだけである。平均重合温度が100℃以
下では重合反応が安定せず、共重合体への転化率が低下
し、経済的に問題がある。300℃を超えると、共重合
体の分子量が低下すると同時に暴走反応の危険性が生じ
る。
【0027】製造装置としては、ベッセル型の反応器を
使用することが好ましい。特に、ラジカル重合性酸無水
物は、重合安定性が乏しいため、反応器内の高度の均一
化が必要である。また、必要に応じて、複数個の反応器
を直列又は並列に接続し、多段重合を行うこともでき
る。さらに、反応器の内部を複数のゾーンに仕切ること
により、より緻密な温度制御を行うこともできる。
使用することが好ましい。特に、ラジカル重合性酸無水
物は、重合安定性が乏しいため、反応器内の高度の均一
化が必要である。また、必要に応じて、複数個の反応器
を直列又は並列に接続し、多段重合を行うこともでき
る。さらに、反応器の内部を複数のゾーンに仕切ること
により、より緻密な温度制御を行うこともできる。
【0028】本発明に用いる(A)成分及び(B)成分
の製造は、上記の反応条件で少なくとも1種のフリーラ
ジカル開始剤の存在下で行われる。該フリーラジカル開
始剤としては、例えば、酸素;ジ−t−ブチルパーオキ
シド,t−ブチルクミルパーオキシド,ジクミルパーオ
キシド等のジアルキルパーオキシド;アセチルパーオキ
シド,i−ブチリルパーオキシド,オクタノイルパーオ
キシド等のジアシルパーオキシド;ジ−i−プロピルパ
ーオキシカーボネート,ジ−2−エチルヘキシルパーオ
キシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t−ブ
チルパーオキシピバレート,t−ブチルパーオキシラウ
レート等のパーオキシエステル;メチルエチルケトンパ
ーオキシド,シクロヘキサノンパーオキシド等のケトン
パーオキシド;1,1−ビス−t−ブチルパーオキシシ
クロヘキサン,2,2−ビス−t−ブチルパーオキシオ
クタン等のパーオキシケタール;t−ブチルヒドロパー
オキシド,クメンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオ
キシド;2,2−アゾ−i−ブチロニトリル等のアゾ化
合物などが挙げられる。
の製造は、上記の反応条件で少なくとも1種のフリーラ
ジカル開始剤の存在下で行われる。該フリーラジカル開
始剤としては、例えば、酸素;ジ−t−ブチルパーオキ
シド,t−ブチルクミルパーオキシド,ジクミルパーオ
キシド等のジアルキルパーオキシド;アセチルパーオキ
シド,i−ブチリルパーオキシド,オクタノイルパーオ
キシド等のジアシルパーオキシド;ジ−i−プロピルパ
ーオキシカーボネート,ジ−2−エチルヘキシルパーオ
キシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t−ブ
チルパーオキシピバレート,t−ブチルパーオキシラウ
レート等のパーオキシエステル;メチルエチルケトンパ
ーオキシド,シクロヘキサノンパーオキシド等のケトン
パーオキシド;1,1−ビス−t−ブチルパーオキシシ
クロヘキサン,2,2−ビス−t−ブチルパーオキシオ
クタン等のパーオキシケタール;t−ブチルヒドロパー
オキシド,クメンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオ
キシド;2,2−アゾ−i−ブチロニトリル等のアゾ化
合物などが挙げられる。
【0029】また、重合に当たって、分子量調節剤とし
て、種々の連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移
動剤としては、例えば、プロピレン,ブテン,ヘキセン
等のオレフィン類;エタン,プロパン,ブタン等のパラ
フィン類;アセトン,メチルエチルケトン,酢酸メチル
等のカルボニル化合物;トルエン,キシレン,エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
て、種々の連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移
動剤としては、例えば、プロピレン,ブテン,ヘキセン
等のオレフィン類;エタン,プロパン,ブタン等のパラ
フィン類;アセトン,メチルエチルケトン,酢酸メチル
等のカルボニル化合物;トルエン,キシレン,エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
【0030】このようにして製造された(A)成分及び
(B)成分は、比較的低温で融解し、各種基材との物理
的化学的相互作用,反応性に富んでいるため、種々の表
皮材層,基板材層等と低温成形で高い接着力を発揮す
る。
(B)成分は、比較的低温で融解し、各種基材との物理
的化学的相互作用,反応性に富んでいるため、種々の表
皮材層,基板材層等と低温成形で高い接着力を発揮す
る。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物の(C)成分
は有機カルボン酸の金属塩である。(A)成分及び
(B)成分にさらに(C)成分を配合することによっ
て、高温における接着強度を向上することができる。
は有機カルボン酸の金属塩である。(A)成分及び
(B)成分にさらに(C)成分を配合することによっ
て、高温における接着強度を向上することができる。
【0032】ここで、有機カルボン酸の金属塩として
は、特に制限はないが通常、ラウリン酸,ミリスチル
酸,ステアリン酸,パルミチン酸,オレイン酸,エルカ
酸等の金属塩あるいは、エチレンとアクリル酸,メタク
リル酸等の共重合体の一部または全部を金属化合物で中
和したもの(以下、アイオノマーと記す)等である。金
属は周期律表IA族,IIA族又はIIB族の金属であっ
て、具体的にはリチウム,ナトリウム,マグネシウム,
カリウム,カルシウム,亜鉛等が挙げられる。
は、特に制限はないが通常、ラウリン酸,ミリスチル
酸,ステアリン酸,パルミチン酸,オレイン酸,エルカ
酸等の金属塩あるいは、エチレンとアクリル酸,メタク
リル酸等の共重合体の一部または全部を金属化合物で中
和したもの(以下、アイオノマーと記す)等である。金
属は周期律表IA族,IIA族又はIIB族の金属であっ
て、具体的にはリチウム,ナトリウム,マグネシウム,
カリウム,カルシウム,亜鉛等が挙げられる。
【0033】(C)成分としては、例えばステアリン酸
ナトリウム,パルミチン酸ナトリウム,オレイン酸ナト
リウム,ステアリン酸マグネシウム,パルミチン酸マグ
ネシウム,オレイン酸マグネシウム,エチレン−メタク
リル酸共重合体のナトリウム化合物による部分的中和
物、またはエチレン−アクリル酸共重合体の亜鉛化合物
による部分的中和物等が挙げられ、特にステアリン酸ナ
トリウム,オレイン酸ナトリウム,エチレン−メタクリ
ル酸共重合体のナトリウム化合物による部分的中和物等
が好適である。
ナトリウム,パルミチン酸ナトリウム,オレイン酸ナト
リウム,ステアリン酸マグネシウム,パルミチン酸マグ
ネシウム,オレイン酸マグネシウム,エチレン−メタク
リル酸共重合体のナトリウム化合物による部分的中和
物、またはエチレン−アクリル酸共重合体の亜鉛化合物
による部分的中和物等が挙げられ、特にステアリン酸ナ
トリウム,オレイン酸ナトリウム,エチレン−メタクリ
ル酸共重合体のナトリウム化合物による部分的中和物等
が好適である。
【0034】(C)成分としてアイオノマーを使用する
場合、特に制限はないがMFR値は0.1〜1000であ
ることが好ましい。
場合、特に制限はないがMFR値は0.1〜1000であ
ることが好ましい。
【0035】本発明の接着材層は基本的に上記(A)成
分,(B)成分及び(C)成分からなる熱可塑性樹脂組
成物であり、その配合割合は、積層する表皮材,基板材
の種類、要求される特性等により適宜選択される。通常
(A)成分と(B)成分の重量比が(A)成分/(B)
成分=1/9〜9/1の範囲であって、(C)成分は
(A)成分及び(B)成分の含有される酸無水物の単位
の数が(C)成分に含まれる金属原子の数との比率が酸
無水物の単位の数/金属原子の数=10/1〜2/1の
範囲である。
分,(B)成分及び(C)成分からなる熱可塑性樹脂組
成物であり、その配合割合は、積層する表皮材,基板材
の種類、要求される特性等により適宜選択される。通常
(A)成分と(B)成分の重量比が(A)成分/(B)
成分=1/9〜9/1の範囲であって、(C)成分は
(A)成分及び(B)成分の含有される酸無水物の単位
の数が(C)成分に含まれる金属原子の数との比率が酸
無水物の単位の数/金属原子の数=10/1〜2/1の
範囲である。
【0036】本発明の樹脂組成物には、該組成物の特徴
を損なわない範囲で各種の添加剤,配合剤,充填剤など
を配合することができる。これらを具体的に示せば、酸
化防止剤(耐熱安定剤),紫外線吸収剤(光安定剤),
帯電防止剤,防曇剤,難燃剤,滑剤(スリップ剤,アン
チブロッキング剤),ガラス,フィラー等の無機充填
剤,有機充填剤,補強剤,着色剤(染料,顔料),発泡
剤,香料などが挙げられる。
を損なわない範囲で各種の添加剤,配合剤,充填剤など
を配合することができる。これらを具体的に示せば、酸
化防止剤(耐熱安定剤),紫外線吸収剤(光安定剤),
帯電防止剤,防曇剤,難燃剤,滑剤(スリップ剤,アン
チブロッキング剤),ガラス,フィラー等の無機充填
剤,有機充填剤,補強剤,着色剤(染料,顔料),発泡
剤,香料などが挙げられる。
【0037】さらに、必要に応じてポリオレフィン系樹
脂を配合してもよい。ここで、ポリオレフィン樹脂とし
ては、高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリブテン,ポリイソプレン,ポリ−3−
メチルブテン−1,ポリ−4−メチルペンテン−1,ポ
リブタジエン,ポリスチレン,前記樹脂の構成単位の共
重合体、例えばエチレン−プロピレン共重合体(ブロッ
ク共重合体をも含む),ブテン−1,4−メチルペンテ
ン−1,ヘキセン−1,オクテン−1から選ばれるコモ
ノマーを用いた直鎖状低密度ポリエチレン系共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはこれらの樹脂の
混合物などが挙げられる。
脂を配合してもよい。ここで、ポリオレフィン樹脂とし
ては、高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリブテン,ポリイソプレン,ポリ−3−
メチルブテン−1,ポリ−4−メチルペンテン−1,ポ
リブタジエン,ポリスチレン,前記樹脂の構成単位の共
重合体、例えばエチレン−プロピレン共重合体(ブロッ
ク共重合体をも含む),ブテン−1,4−メチルペンテ
ン−1,ヘキセン−1,オクテン−1から選ばれるコモ
ノマーを用いた直鎖状低密度ポリエチレン系共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはこれらの樹脂の
混合物などが挙げられる。
【0038】また、ポリオレフィン系樹脂を配合する場
合はMFR値が0.1〜1000のものが好適である。M
FR値が0.1未満では樹脂組成物との組成物化が困難に
なるばかりでなく成形性が低下し、1000を超えると
樹脂相互の混合が難しくなり、均一な組成物が得られず
実用的でない。
合はMFR値が0.1〜1000のものが好適である。M
FR値が0.1未満では樹脂組成物との組成物化が困難に
なるばかりでなく成形性が低下し、1000を超えると
樹脂相互の混合が難しくなり、均一な組成物が得られず
実用的でない。
【0039】配合量は、目的,樹脂の種類等により適宜
選択すればよいが、熱可塑性樹脂100重量部に対して
1000重量部以下とすべきである。1000重量部を
超えると耐熱性,機械的強度等が低下し、好ましくな
い。
選択すればよいが、熱可塑性樹脂100重量部に対して
1000重量部以下とすべきである。1000重量部を
超えると耐熱性,機械的強度等が低下し、好ましくな
い。
【0040】本発明の接着材層の樹脂組成物は、通常知
られている種々の方法で製造することができる。その具
体的な方法を例示すれば、各々の成分を高温のトルエン
のような良溶媒に溶解、再沈させる方法、各成分を溶融
状態で混合する方法、即ち、一般に用いられている加圧
ニーダー,ロール,バンバリーミキサー,スタティック
ミキサー,スクリュー式押出機などを用いる方法を挙げ
ることができる。
られている種々の方法で製造することができる。その具
体的な方法を例示すれば、各々の成分を高温のトルエン
のような良溶媒に溶解、再沈させる方法、各成分を溶融
状態で混合する方法、即ち、一般に用いられている加圧
ニーダー,ロール,バンバリーミキサー,スタティック
ミキサー,スクリュー式押出機などを用いる方法を挙げ
ることができる。
【0041】また、場合によっては樹脂組成物の成形時
に各成分をドライブレンドすることもできる。すなわ
ち、各成分をペレット又は粉体の状態で混合し、溶融混
合することもできる。
に各成分をドライブレンドすることもできる。すなわ
ち、各成分をペレット又は粉体の状態で混合し、溶融混
合することもできる。
【0042】本発明の積層体は、少なくとも表皮材層及
び基板材層を上記の接着材層を介してなるものであり、
その製造にあっては種々の方法が可能である。具体的に
は熱可塑性樹脂組成物をインフレーション成形またはT
ダイ成形によってフィルム化した後、表皮材及び基板材
の間に挟み、熱プレスで加熱圧着あるいは真空成形する
方法;表皮材に熱可塑性樹脂組成物を押し出しコーティ
ングした積層材を基板材に熱プレスまたは熱ロールで加
熱圧着する方法;熱可塑性樹脂組成物を粉砕して粉末に
した後、熱プレス上に置いた基板材に振りかけ、その上
に表皮材を熱プレスする方法等が挙げられる。
び基板材層を上記の接着材層を介してなるものであり、
その製造にあっては種々の方法が可能である。具体的に
は熱可塑性樹脂組成物をインフレーション成形またはT
ダイ成形によってフィルム化した後、表皮材及び基板材
の間に挟み、熱プレスで加熱圧着あるいは真空成形する
方法;表皮材に熱可塑性樹脂組成物を押し出しコーティ
ングした積層材を基板材に熱プレスまたは熱ロールで加
熱圧着する方法;熱可塑性樹脂組成物を粉砕して粉末に
した後、熱プレス上に置いた基板材に振りかけ、その上
に表皮材を熱プレスする方法等が挙げられる。
【0043】本発明の積層体を製造する上述の如き方法
において、加熱温度は、使用する表皮材,基板材の種
類,成形条件,接着材等の種類により、接着材層の軟化
点以上であって、表皮材及び基板材に影響を及ぼさない
温度以下で適宜選択できる。本発明の接着層として機能
する熱可塑性樹脂層は60〜120℃程度の比較的低い
融点であり、また圧着においては0.01〜0.8kg/c
m2 程度の比較的低い圧力において、強力な接着が可能
であり、表皮材及び基板材の素材の風合い,感触等を損
なうことなく製造できる。さらに、低い温度で積層が可
能であるが、得られた積層体は広い温度範囲で亀裂,反
り,剥離,クリープ等の変形をほとんど生じない。
において、加熱温度は、使用する表皮材,基板材の種
類,成形条件,接着材等の種類により、接着材層の軟化
点以上であって、表皮材及び基板材に影響を及ぼさない
温度以下で適宜選択できる。本発明の接着層として機能
する熱可塑性樹脂層は60〜120℃程度の比較的低い
融点であり、また圧着においては0.01〜0.8kg/c
m2 程度の比較的低い圧力において、強力な接着が可能
であり、表皮材及び基板材の素材の風合い,感触等を損
なうことなく製造できる。さらに、低い温度で積層が可
能であるが、得られた積層体は広い温度範囲で亀裂,反
り,剥離,クリープ等の変形をほとんど生じない。
【0044】本発明の積層体の各層の厚さは、その素
材,用途,要求される物性等により異なり、特に制限は
ないが、接着材層が10〜200μm、好ましくは20
〜100μmである。ここで、接着材層が10μm未満
であると、接着強度が不充分なものとなり好ましくな
く、200μmを超えると熱伝導性が低下して充分な接
着強度が得られず実用的でない。
材,用途,要求される物性等により異なり、特に制限は
ないが、接着材層が10〜200μm、好ましくは20
〜100μmである。ここで、接着材層が10μm未満
であると、接着強度が不充分なものとなり好ましくな
く、200μmを超えると熱伝導性が低下して充分な接
着強度が得られず実用的でない。
【0045】本発明の積層体は、少なくとも上記の三層
からなるものであるが、必要により、さらに上記熱可塑
性樹脂層を介して、他の接着材層を介してあるいは接着
材層を介さずに、他の層を積層した積層体であってもよ
い。
からなるものであるが、必要により、さらに上記熱可塑
性樹脂層を介して、他の接着材層を介してあるいは接着
材層を介さずに、他の層を積層した積層体であってもよ
い。
【0046】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。
体的に説明する。
【0047】参考例1(エチレン−メタクリル酸メチル
−無水マレイン酸三元共重合体の製造) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度200℃、重合圧力1800kg/cm2 の条件
で、エチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸三
元共重合体を製造した(以下、三元共重合体aとす
る)。この三元共重合体のMFR(JIS−K721
0,表1,条件4、以下同様とする)は15、メタクリ
ル酸メチルに由来する単位の含有量は16重量%、無水
マレイン酸に由来する単位の含有量は2.2重量%であっ
た。なお、コモノマーの組成は赤外線吸収スペクトルに
よって決定した。
−無水マレイン酸三元共重合体の製造) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度200℃、重合圧力1800kg/cm2 の条件
で、エチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸三
元共重合体を製造した(以下、三元共重合体aとす
る)。この三元共重合体のMFR(JIS−K721
0,表1,条件4、以下同様とする)は15、メタクリ
ル酸メチルに由来する単位の含有量は16重量%、無水
マレイン酸に由来する単位の含有量は2.2重量%であっ
た。なお、コモノマーの組成は赤外線吸収スペクトルに
よって決定した。
【0048】参考例2(エチレン−アクリル酸−n−ブ
チル−無水マレイン酸三元共重合体の製造) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度200℃、重合圧力1600kg/cm2 の条件
で、エチレン−アクリル酸−n−ブチル−無水マレイン
酸三元共重合体を製造した(以下、三元共重合体bとす
る)。この三元共重合体のMFRは10、アクリル酸−
n−ブチルに由来する単位の含有量は12重量%、無水
マレイン酸に由来する単位の含有量は1.8重量%であっ
た。なお、コモノマーの組成は赤外線吸収スペクトルに
よって決定した。
チル−無水マレイン酸三元共重合体の製造) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度200℃、重合圧力1600kg/cm2 の条件
で、エチレン−アクリル酸−n−ブチル−無水マレイン
酸三元共重合体を製造した(以下、三元共重合体bとす
る)。この三元共重合体のMFRは10、アクリル酸−
n−ブチルに由来する単位の含有量は12重量%、無水
マレイン酸に由来する単位の含有量は1.8重量%であっ
た。なお、コモノマーの組成は赤外線吸収スペクトルに
よって決定した。
【0049】参考例3(エチレン−アクリル酸メチル−
無水イタコン酸三元共重合体の製造) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度200℃、重合圧力1600kg/cm2 の条件
で、エチレン−アクリル酸メチル−無水イタコン酸三元
共重合体を製造した(以下、三元共重合体cとする)。
この三元共重合体のMFRは10、アクリル酸メチルに
由来する単位の含有量は25重量%、無水イタコン酸に
由来する単位の含有量は1.8重量%であった。なお、コ
モノマーの組成は赤外線吸収スペクトルによって決定し
た。
無水イタコン酸三元共重合体の製造) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度200℃、重合圧力1600kg/cm2 の条件
で、エチレン−アクリル酸メチル−無水イタコン酸三元
共重合体を製造した(以下、三元共重合体cとする)。
この三元共重合体のMFRは10、アクリル酸メチルに
由来する単位の含有量は25重量%、無水イタコン酸に
由来する単位の含有量は1.8重量%であった。なお、コ
モノマーの組成は赤外線吸収スペクトルによって決定し
た。
【0050】参考例4(エチレン−無水マレイン酸二元
共重合体の製造) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度195℃、重合圧力1900kg/cm2 の条件
で、エチレン−無水マレイン酸二元共重合体を製造した
(以下、二元共重合体aとする)。この二元共重合体の
MFRは10、無水マレイン酸に由来する単位の含有量
は2.0重量%であった。
共重合体の製造) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度195℃、重合圧力1900kg/cm2 の条件
で、エチレン−無水マレイン酸二元共重合体を製造した
(以下、二元共重合体aとする)。この二元共重合体の
MFRは10、無水マレイン酸に由来する単位の含有量
は2.0重量%であった。
【0051】参考例5(エチレン−無水イタコン酸二元
共重合体) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度200℃、重合圧力1800kg/cm2 の条件
で、エチレン−無水イタコン酸二元共重合体を製造した
(以下、二元共重合体bとする)。この二元共重合体の
MFRは8、無水イタコン酸に由来する単位の含有量は
1.0重量%であった。
共重合体) 高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重
合温度200℃、重合圧力1800kg/cm2 の条件
で、エチレン−無水イタコン酸二元共重合体を製造した
(以下、二元共重合体bとする)。この二元共重合体の
MFRは8、無水イタコン酸に由来する単位の含有量は
1.0重量%であった。
【0052】参考例6(エチレンとメタクリル酸の共重
合体のナトリウム部分中和物の製造) エチレンとメタクリル酸の共重合体(メタクリル酸の含
量 20重量%)を溶媒(水/メタノール=1/1)中
で50℃,2時間、酢酸ナトリウムによって処理し、5
5%中和し、部分中和物を製造した(以下、アイオノマ
ーaとする)。
合体のナトリウム部分中和物の製造) エチレンとメタクリル酸の共重合体(メタクリル酸の含
量 20重量%)を溶媒(水/メタノール=1/1)中
で50℃,2時間、酢酸ナトリウムによって処理し、5
5%中和し、部分中和物を製造した(以下、アイオノマ
ーaとする)。
【0053】実施例1〜8 参考例1で得られた三元共重合体a 60重量部、参考
例4で得られた二元共重合体a 35重量部及び参考例
6で得られたアイオノマーa 5重量部を配合し、さら
に添加剤としてケイ酸マグネシウム0.1重量部、エルカ
酸アミド0.01重量部を配合してドライブレンドした
後、37mmφの同方向二軸押し出し機を用いて180
℃で溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得
た。次いで、得られた樹脂組成物を、45mmφの押し
出し機を有するインフレーションフィルム成形機で、7
5μmの厚みで製膜し、80cm幅のフィルムを得た。
さらに、上板110℃、下板140℃に設定した熱プレ
スに上から、表1に示す表皮材、上述で得られたフィル
ム、表1に示す基板材の順に挟み、実質面圧2kg/c
m2 で30秒間圧着し、厚み表皮材層2mm,接着材層
75μm,基板材層3mmの積層体を製造した。基板材
のサイズは10cm×20cmとした。接着後、23
℃,相対湿度50%で24時間状態調節し、25mm幅
の試験片に切断し、引張試験機で180度剥離試験(2
3℃)を行い、接着強度を測定した。なお、接着強度の
値は試験片5個の平均値(最大,最小は省いた)であ
る。結果を表1に示す。さらに途中まで剥離した試験片
に100gの荷重を吊り下げ、80℃雰囲気下に24時
間放置した場合の剥離距離を測定し、耐熱クリープ性の
目安とした。耐熱クリープ性は試験片3個の平均値であ
る。結果を表1に示す。いずれの場合も作業性は良好で
あり、接着も良好であった。
例4で得られた二元共重合体a 35重量部及び参考例
6で得られたアイオノマーa 5重量部を配合し、さら
に添加剤としてケイ酸マグネシウム0.1重量部、エルカ
酸アミド0.01重量部を配合してドライブレンドした
後、37mmφの同方向二軸押し出し機を用いて180
℃で溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得
た。次いで、得られた樹脂組成物を、45mmφの押し
出し機を有するインフレーションフィルム成形機で、7
5μmの厚みで製膜し、80cm幅のフィルムを得た。
さらに、上板110℃、下板140℃に設定した熱プレ
スに上から、表1に示す表皮材、上述で得られたフィル
ム、表1に示す基板材の順に挟み、実質面圧2kg/c
m2 で30秒間圧着し、厚み表皮材層2mm,接着材層
75μm,基板材層3mmの積層体を製造した。基板材
のサイズは10cm×20cmとした。接着後、23
℃,相対湿度50%で24時間状態調節し、25mm幅
の試験片に切断し、引張試験機で180度剥離試験(2
3℃)を行い、接着強度を測定した。なお、接着強度の
値は試験片5個の平均値(最大,最小は省いた)であ
る。結果を表1に示す。さらに途中まで剥離した試験片
に100gの荷重を吊り下げ、80℃雰囲気下に24時
間放置した場合の剥離距離を測定し、耐熱クリープ性の
目安とした。耐熱クリープ性は試験片3個の平均値であ
る。結果を表1に示す。いずれの場合も作業性は良好で
あり、接着も良好であった。
【0054】
【表1】
【0055】但し、表1における記号は以下を意味する
ものである(以下、同様である)。 GFP:ガラスフェイバーフェノール PET不織布:ポリエチレンテレフタレート不織布 発泡PE:発泡ポリエチレン 発泡PP:発泡ポリプロピレン PPボード:ポリプロピレンボードにアンカーコート剤
を塗布したもの
ものである(以下、同様である)。 GFP:ガラスフェイバーフェノール PET不織布:ポリエチレンテレフタレート不織布 発泡PE:発泡ポリエチレン 発泡PP:発泡ポリプロピレン PPボード:ポリプロピレンボードにアンカーコート剤
を塗布したもの
【0056】実施例9〜16 実施例1において、参考例6で得られたアイオノマーa
の代わりにステアリン酸ナトリウムを使用し、配合割合
を参考例1で得られた三元共重合体a 60重量部、参
考例4で得られた二元共重合体a 39.5重量部及びス
テアリン酸ナトリウム0.5重量部としたこと及び表2に
示す基板材及び表皮材を使用した以外は実施例1と同様
にして積層体を得た。接着強度及び耐熱クリープ性の評
価は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。いず
れの場合も作業性は良好であり、接着も良好であった。
の代わりにステアリン酸ナトリウムを使用し、配合割合
を参考例1で得られた三元共重合体a 60重量部、参
考例4で得られた二元共重合体a 39.5重量部及びス
テアリン酸ナトリウム0.5重量部としたこと及び表2に
示す基板材及び表皮材を使用した以外は実施例1と同様
にして積層体を得た。接着強度及び耐熱クリープ性の評
価は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。いず
れの場合も作業性は良好であり、接着も良好であった。
【0057】
【表2】
【0058】実施例17〜24 実施例1において、参考例1で得られた三元共重合体a
の代わりに参考例2で得られた三元共重合体bを使用し
たこと及び表3に示す基板材及び表皮材を使用した以外
は実施例1と同様にして積層体を得た。接着強度及び耐
熱クリープ性の評価は実施例1と同様に行った。結果を
表3に示す。いずれの場合も作業性は良好であり、接着
も良好であった。
の代わりに参考例2で得られた三元共重合体bを使用し
たこと及び表3に示す基板材及び表皮材を使用した以外
は実施例1と同様にして積層体を得た。接着強度及び耐
熱クリープ性の評価は実施例1と同様に行った。結果を
表3に示す。いずれの場合も作業性は良好であり、接着
も良好であった。
【0059】
【表3】
【0060】実施例25〜36 実施例1において使用したフィルムを用いて、表皮材と
して厚さ0.2mmの塩化ビニルレザーを貼った表4に示
す各種発泡シートを用意し、発泡シート側に熱ロールラ
ミネート処理してこのフィルムを貼り合わせ、表皮とし
た。なお、このときの熱ロール処理は130℃に加熱し
たテフロンコートロールで、表皮とフィルムをはさみ5
m/分のスピードで行った。さらに、表4に示す厚さ3
mmの基板材を60℃で3分間加熱し、上記で製造した
フィルムを貼り合わせた表皮材を120℃に加熱し、真
空成形法により接着して積層体を得た。接着強度及び耐
熱クリープ性の評価は実施例1と同様に行った。結果を
表4に示す。いずれの場合も作業性は良好であり、接着
も良好であった。
して厚さ0.2mmの塩化ビニルレザーを貼った表4に示
す各種発泡シートを用意し、発泡シート側に熱ロールラ
ミネート処理してこのフィルムを貼り合わせ、表皮とし
た。なお、このときの熱ロール処理は130℃に加熱し
たテフロンコートロールで、表皮とフィルムをはさみ5
m/分のスピードで行った。さらに、表4に示す厚さ3
mmの基板材を60℃で3分間加熱し、上記で製造した
フィルムを貼り合わせた表皮材を120℃に加熱し、真
空成形法により接着して積層体を得た。接着強度及び耐
熱クリープ性の評価は実施例1と同様に行った。結果を
表4に示す。いずれの場合も作業性は良好であり、接着
も良好であった。
【0061】
【表4】
【0062】実施例37〜44 実施例1において、参考例1で得られた三元共重合体a
の代わりに参考例3で得られた三元共重合体cを使用し
たこと及び表5に示す基板材及び表皮材を使用した以外
は実施例1と同様にして積層体を得た。接着強度及び耐
熱クリープ性の評価は実施例1と同様に行った。結果を
表5に示す。いずれの場合も作業性は良好であり、接着
も良好であった。
の代わりに参考例3で得られた三元共重合体cを使用し
たこと及び表5に示す基板材及び表皮材を使用した以外
は実施例1と同様にして積層体を得た。接着強度及び耐
熱クリープ性の評価は実施例1と同様に行った。結果を
表5に示す。いずれの場合も作業性は良好であり、接着
も良好であった。
【0063】
【表5】
【0064】実施例45〜52 実施例1において、参考例1で得られた三元共重合体a
の代わりに参考例3で得られた三元共重合体cを使用し
たこと、参考例4で得られた二元共重合体aの代わりに
参考例5で得られた二元共重合体bを使用したこと、配
合割合を参考例3で得られた三元共重合体c 45重量
部、参考例5で得られた二元共重合体b50重量部及び
参考例6で得られたアイオノマーa 5重量部としたこ
と及び表6に示す基板材及び表皮材を使用した以外は実
施例1と同様にして積層体を得た。接着強度及び耐熱ク
リープ性の評価は実施例1と同様に行った。結果を表6
に示す。いずれの場合も作業性は良好であり、接着も良
好であった。
の代わりに参考例3で得られた三元共重合体cを使用し
たこと、参考例4で得られた二元共重合体aの代わりに
参考例5で得られた二元共重合体bを使用したこと、配
合割合を参考例3で得られた三元共重合体c 45重量
部、参考例5で得られた二元共重合体b50重量部及び
参考例6で得られたアイオノマーa 5重量部としたこ
と及び表6に示す基板材及び表皮材を使用した以外は実
施例1と同様にして積層体を得た。接着強度及び耐熱ク
リープ性の評価は実施例1と同様に行った。結果を表6
に示す。いずれの場合も作業性は良好であり、接着も良
好であった。
【0065】
【表6】
【0066】比較例1〜8 実施例1において、参考例6で得られたアイオノマーa
を配合せず、参考例1で得られた三元共重合体a 70
重量部及び参考例4で得られた二元共重合体a30重量
部としたこと及び表7に示す基板材及び表皮材を使用し
た以外は実施例1と同様にして積層体を得た。接着強度
及び耐熱クリープ性は実施例1と同様に行った。結果を
表7に示す。
を配合せず、参考例1で得られた三元共重合体a 70
重量部及び参考例4で得られた二元共重合体a30重量
部としたこと及び表7に示す基板材及び表皮材を使用し
た以外は実施例1と同様にして積層体を得た。接着強度
及び耐熱クリープ性は実施例1と同様に行った。結果を
表7に示す。
【0067】
【表7】
【0068】比較例9〜16 実施例1において、参考例1で得られた三元共重合体a
を配合せず、参考例4で得られた二元共重合体a 95
重量部及び参考例6で得られたアイオノマーa5重量部
配合したこと及び表8に示す基板材及び表皮材を使用し
た以外は実施例1と同様にして積層体を得た。この積層
体は常温での接着強度が全く不十分であり、耐熱クリー
プ測定を行うまでもなく、変形,剥離が生じ、実用に耐
えうる積層体ではなかった。接着強度及び耐熱クリープ
性は実施例1と同様に行った。結果を表8に示す。
を配合せず、参考例4で得られた二元共重合体a 95
重量部及び参考例6で得られたアイオノマーa5重量部
配合したこと及び表8に示す基板材及び表皮材を使用し
た以外は実施例1と同様にして積層体を得た。この積層
体は常温での接着強度が全く不十分であり、耐熱クリー
プ測定を行うまでもなく、変形,剥離が生じ、実用に耐
えうる積層体ではなかった。接着強度及び耐熱クリープ
性は実施例1と同様に行った。結果を表8に示す。
【0069】
【表8】
【0070】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の積層体は特
定の接着材層を用いることにより比較的低温度の処理で
積層することが可能であり、接着加工性,作業性に優
れ、低温度で処理できるため表皮材の風合い等を損ね
ず、審美性が高く、かつ常温,高温において高い接着強
度を有し、広い温度範囲において、変形等を生じず、優
れた耐熱クリープ性を有するものである。したがって、
本発明の積層体は、自動車,車両,船舶等の内装用材料
等として、好適に利用できる。
定の接着材層を用いることにより比較的低温度の処理で
積層することが可能であり、接着加工性,作業性に優
れ、低温度で処理できるため表皮材の風合い等を損ね
ず、審美性が高く、かつ常温,高温において高い接着強
度を有し、広い温度範囲において、変形等を生じず、優
れた耐熱クリープ性を有するものである。したがって、
本発明の積層体は、自動車,車両,船舶等の内装用材料
等として、好適に利用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23/08 C08L 23/08 (72)発明者 田越 宏孝 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株 式会社大分研究所内 (56)参考文献 特許3128171(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C09J 1/00 - 201/10 B60J 5/00 - 5/14
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも表皮材層及び基板材層を接着
材層を介して積層した積層体において、該接着材層が (A)エチレン,ラジカル重合性酸無水物及びこれ以外
の他のラジカル重合性コモノマーからなるエチレン系多
元共重合体であって、該エチレン系多元共重合体中のラ
ジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合が0.1〜5
重量%、他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位
の割合が3〜50重量%であるエチレン系多元共重合
体, (B)エチレン及びラジカル重合性酸無水物からなるエ
チレン系二元共重合体であって、該エチレン系二元共重
合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合
が0.1〜5重量%であるエチレン系二元共重合体 及び (C)有機カルボン酸の周期律表IA族,IIA族又はII
B族金属塩からなる熱可塑性樹脂組成物であることを特
徴とする積層体(自動車ドア内装材用積層体は除く)。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂組成物が、(A)エチレン
系多元共重合体と(B)エチレン系二元共重合体の重量
比が(A)エチレン系多元共重合体/(B)エチレン系
二元共重合体=1/9〜9/1の範囲であって、(C)
有機カルボン酸金属塩を(A)エチレン系多元共重合体
及び(B)エチレン系二元共重合体に含まれる酸無水物
の単位の数と有機カルボン酸塩の金属原子の数との比率
が、酸無水物の単位の数/有機カルボン酸塩の金属原子
の数=10/1〜1/2となる範囲で配合してなるもの
である請求項1記載の積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28007292A JP3207557B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28007292A JP3207557B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06126882A JPH06126882A (ja) | 1994-05-10 |
JP3207557B2 true JP3207557B2 (ja) | 2001-09-10 |
Family
ID=17619914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28007292A Expired - Fee Related JP3207557B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3207557B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MX368295B (es) | 2012-06-05 | 2019-09-27 | Dow Global Technologies Llc | Peliculas que contienen composiciones de polimero basado en etileno funcional. |
-
1992
- 1992-10-19 JP JP28007292A patent/JP3207557B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06126882A (ja) | 1994-05-10 |
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