JP3504377B2 - 感熱接着剤組成物及び該接着剤を用いる多層積層体 - Google Patents

感熱接着剤組成物及び該接着剤を用いる多層積層体

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JP3504377B2 JP10147095A JP10147095A JP3504377B2 JP 3504377 B2 JP3504377 B2 JP 3504377B2 JP 10147095 A JP10147095 A JP 10147095A JP 10147095 A JP10147095 A JP 10147095A JP 3504377 B2 JP3504377 B2 JP 3504377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱接着剤及び該接着
剤を用いた多層積層体に関する。詳しくは、日常利用さ
れる広範な種類の基材に対して強固な接着力を有し且つ
耐熱性に優れ、特に、低温熱接着性と高温耐熱クリープ
性の双方を同時に要求される自動車,車両,船舶,住居
等の内装材料用多層積層体の接着層に使用される接着剤
として好適な、特定の樹脂組成物からなる感熱接着剤及
び該接着剤を用いてなる多層積層体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種の多層積層体の接着層
に、ホットメルト型接着剤が使用されている。ホットメ
ルト型接着剤は溶剤型の接着剤と異なり、接着時に塗
装,乾燥,エージング等の作業が不要で作業工程が簡単
なこと、また、有機溶剤の使用に伴う労働衛生上の悪影
響や火災の危険性等の問題を生じないことから広範に使
用されている。その反面ホットメルト型接着剤は、一般
に溶剤型接着剤に比べて接着強度が不十分であり、特に
耐熱クリープ性に劣る場合が多いという問題が指摘さ
れ、使用される用途が限定されていた。例えば、自動
車,車両,船舶,住居,その他の建築物等の内装材料と
して、室内の居住性や美観を高めるための表皮材と、機
能性を保持し高めるための基板材を積層した多層積層体
が使用されているが、この多層積層体の接着層として従
来使用されているエチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル−無水マレイン酸共重合体(例えば、特公昭62−1
2946,特開昭57−80469,特開平5−147
175),エチレン−酢酸ビニル共重合体(例えば、特
公昭56−2112,特開昭57−158276,特公
昭62−21835,特公昭62−14592,特公平
1−18955),エチレン−酢酸ビニル共重合体の部
分鹸化物(例えば、特公昭60−31350),エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体(例えば、特公昭58
−17514,特公昭63−50366,特公昭56−
54350)または低融点の共重合ナイロン(例えば、
特公昭56ー41671,特公昭57−8838,特公
昭61−7234,特公昭55−4352,特開昭55
−65280,特開昭55−54374,特開昭56−
41672)等のホットメルト型接着剤は、炎天下の車
内温度のような高温(80℃前後)に長時間置かれる
と、タレや剥がれを生じ易いという欠点を有する。
【0003】ホットメルト接着剤に耐熱性を付与するた
めに、従来から(疑似)架橋構造を導入した架橋性ホッ
トメルト接着剤が提案されている。例えば、エチレン系
酸無水物含有共重合体をベースとする樹脂と酸無水物基
と反応し得る多官能化合物(例えばエポキシ樹脂)を反
応触媒の存在下で反応させ架橋構造を導入する方法(例
えば、特表昭63−503549,特公平3−6936
5),エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物をポ
リイソシアネート化合物,有機過酸化物等で架橋する方
法(例えば、特開昭58−217575,特開昭56−
165074),低融点のポリアミドを多官能酸無水物
等で架橋する方法(例えば、特開昭61−14347
7)等がある。しかしながら、これらの従来の方法で
は、低温接着での接着強度や耐熱接着性が充分ではなか
った。接着に際して加熱温度を120℃以上の比較的高
温とすれば接着強度を高めることができるが、この場合
には表皮材の損傷を招きやすいという欠点を有する。ま
た、架橋反応は、架橋性ホットメルト接着剤を構成する
各成分を混合すると同時に進行するためフィルム成形や
接着工程の直前に混合を行う必要がある。その際の熱安
定性が低く混合物がフィルム成形機内に滞留し架橋生成
物がいわゆるゲル・ブツとなって発生し、成形フィルム
の外観を悪化させる等の問題があった。
【0004】また、従来多層積層体を得るための積層接
着方法としては熱プレスや熱ロールを用いる方法の他、
真空圧着による方法も用いられている。熱プレスや熱ロ
ールによる方法では、充分な圧力を得ることができるた
め従来の感熱型接着剤の使用も可能であったが、真空圧
着方法では最大でも760mmHg/cm2 の圧力しか
得られないために、従来のエチレン−酢酸ビニル共重合
体,エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物,エチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体や共重合ナ
イロン等の感熱型接着剤では極めて弱い接着強度しか得
られず、溶剤系の接着剤を用いるほかなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、広範な
用途の積層体の接着層として使用でき、特に自動車等の
内装材料の接着層として使用した場合に、表皮材及び基
板材に対して良好な低温接着性と耐熱クリープ性を同時
に満足する接着剤は、未だ開発されていないのが実情で
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記の実情に鑑み、従来技術の欠点を解消した接着剤を開
発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定のエチレン
系多元共重合体と、分子内に水酸基を少なくとも二つ以
上有する多価アルコール化合物、反応促進剤及び粘着付
与剤からなる接着性樹脂組成物が、広範な基材に対して
高い接着力および耐熱クリープ性を有することを見出し
た。本発明はかかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0007】 すなわち、本発明は(1)エチレンとラ
ジカル重合性酸無水物及びラジカル重合性酸無水物以外
のラジカル重合性コモノマーからなるエチレン系共重合
体であり、エチレン系共重合体中のラジカル重合性酸無
水物に由来する単位の割合が0.1重量%以上で5重量
%以下、ラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重合性
コモノマーに由来する単位の割合が10〜50重量%で
あるエチレン系共重合体、 (2)分子内に水酸基を少なくとも二つ有する多価アル
コール化合物、 (3)反応促進剤、 (4)軟化点が80〜200℃である粘着付与剤からな
り、成分(1)であるエチレン系共重合体中のラジカル
重合性酸無水物に由来する単位に対し、成分(2)であ
る多価アルコール化合物中の水酸基の単位のモル比が
0.01〜10の範囲であり、かつ成分(3)である反
応促進剤が成分(1)であるエチレン系共重合体100
重量部に対して0.001〜20重量部の範囲であり、
かつ成分(4)である粘着付与剤が成分(1)であるエ
チレン系共重合体100重量部に対して1〜80重量部
の範囲である感熱接着剤組成物及び該組成物を用いる多
層積層体によって課題を解決する方法を提供するもので
ある。
【0008】本発明の感熱接着剤組成物に関わる成分
(1)であるエチレン系共重合体は、エチレン,ラジカ
ル重合性酸無水物及び該ラジカル重合性酸無水物以外の
ラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体であ
る。ここで、ラジカル重合性酸無水物とは、分子中にラ
ジカル重合可能な不飽和結合と酸無水物基を各々1個以
上有し、重合によって酸無水物基を分子中に導入できる
ような化合物を意味する。酸無水物基は環状のものが好
ましい。このような化合物としては、例えば、無水マレ
イン酸,無水イタコン酸,無水シトラコン酸,無水エン
ディック酸,ドデセニル無水コハク酸,1−ブテン−
3,4−ジカルボン酸無水物,炭素数が多くとも18で
ある末端に二重結合を有するアルカジエニル無水コハク
酸等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種類以
上を組み合わせて用いても差し支えない。これらのなか
では、無水マレイン酸,無水イタコン酸が特に好まし
い。
【0009】成分(1)であるエチレン系共重合体を構
成するラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合
は、0.1〜5重量%の範囲であることが必要であり、
好ましくは0.5〜4.5重量%の範囲であり、特に好
ましいのは1.0〜3.5重量%の範囲である。ラジカ
ル重合性酸無水物の割合が0.1重量%未満では、接着
性能が不足して良好な接着強度が得られない上に、充分
な架橋密度が得られないために充分な耐熱クリープ性が
得られない。また、5重量%を超えると、接着強度の向
上効果はもはや殆ど無く、更には、コストの上昇によっ
て商業的に製造することが困難となるため好ましくな
い。
【0010】成分(1)であるエチレン系共重合体を構
成する、ラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重合性
コモノマーとしては、様々な化合物があり、例えば、エ
チレン系不飽和エステル化合物,エチレン系不飽和アミ
ド化合物,エチレン系不飽和酸化合物,エチレン系不飽
和エーテル化合物,エチレン系不飽和炭化水素化合物,
その他の化合物等をあげられる。これらを具体的に記す
と、エチレン系不飽和エステル化合物としては、例え
ば、酢酸ビニル,(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)
アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メ
タ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸ヘキシル,
(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ラウ
リル,(メタ)アクリル酸ベンジル,フマル酸メチル,
フマル酸エチル,フマル酸プロピル,フマル酸ブチル,
フマル酸ジメチル,フマル酸ジエチル,フマル酸ジプロ
ピル,フマル酸ジブチル,マレイン酸メチル,マレイン
酸エチル,マレイン酸プロピル,マレイン酸ブチル,マ
レイン酸ジメチル,マレイン酸ジエチル,マレイン酸ジ
プロピル,マレイン酸ジブチル等が挙げられる。エチレ
ン系不飽和アミド化合物としては、例えば、(メタ)ア
クリルアミド,N−メチル(メタ)アクリルアミド,N
−エチル(メタ)アクリルアミド,N−プロピル(メ
タ)アクリルアミド,N−ブチル(メタ)アクリルアミ
ド,N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド,N−オクチ
ル(メタ)アクリルアミド,N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド,N,N−ジエチル(メタ)アクリルア
ミド等が挙げられる。エチレン系不飽和酸化合物として
は、例えば(メタ)アクリル酸,マレイン酸,フマル酸
等が挙げられる。エチレン系不飽和エーテル化合物とし
ては、例えば、メチルビニルエーテル,エチルビニルエ
ーテル,プロピルビニルエーテル,ブチルビニルエーテ
ル,オクタデシルビニルエーテル,フェニルビニルエー
テル等が挙げられる。エチレン系不飽和炭化水素化合物
としては、例えば、スチレン,α−メチルスチレン,ノ
ルボルネン,ブタジエン等が挙げられる。その他の化合
物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル,アク
ロレイン,クロトンアルデヒド,トリメトキシビニルシ
ラン,塩化ビニル,塩化ビニリデン,N−ビニルアセト
アミド等が挙げられる。 これらの中では、(メタ)ア
クリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)
アクリル酸ブチルが、特に好ましい化合物として挙げら
れる。そして、これらのモノマーは、単独で、あるいは
2種類以上を併用しても差し支えない。
【0011】成分(1)であるエチレン系共重合体中の
ラジカル重合性コモノマーに由来する単位の割合は、1
0〜50重量%の範囲であり、好ましくは10〜40重
量%の範囲、更に好ましくは12〜35重量%の範囲で
ある。ここで、ラジカル重合性コモノマーの割合が10
重量%未満では、エチレン系共重合体の結晶融点が充分
に低くならず、低温接着性を充分に発揮することができ
ない。また、50重量%を超えると、樹脂の取扱いが困
難になるとともに、製品の耐熱性が低下する。
【0012】上記の成分(1)であるエチレン系共重合
体の製造方法としてはラジカル溶液重合等種々の方法を
用いることが可能であるが、一般的には通常の高圧法低
密度ポリエチレンの製造設備及びその技術を利用して製
造される。成分(1)であるエチレン系共重合体は、比
較的に低温で融解し、各種基材との物理化学的相互作
用、反応性に富んでいるために、本発明の樹脂組成物
が、低温での接着の際においても高い接着力を発揮する
のに大きな役割を果たす。
【0013】本発明の感熱接着剤組成物に関わる成分
(2)である、分子内に水酸基を少なくとも2つ以上有
する多価アルコール化合物とは、2つ以上の水酸基を有
する化合物をいい、いわゆる架橋剤としての作用を有す
るものである。そのような多価アルコール化合物として
は、例えば、エチレングリコール、グリセリン、1,4
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,10−デカンジオール、トリメ
チロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールなどのアルコール化
合物;ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール等のポリエチレングリコ
ール;ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリ
ンなどのポリグリセリン;アルビトール、ソルビトー
ル、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクト
ース、ソルボース、フルクトース、パラチノース、マル
トトリオース、マレジトース、ソルビタン等の糖類;こ
れらの糖類の脱水縮合物;上記の各種化合物にエチレン
オキサイド叉はプロピレンオキサイドを付加させたポリ
オキシアルキレン化合物;上記の各種化合物をカルボン
酸で部分的にエステル化した化合物;上記のポリオキシ
アルケニレン化合物を更にカルボン酸で部分的にエステ
ル化した化合物;上記の部分的にエステル化した化合物
に更にエチレンオキシド叉はプロピレンオキシドを付加
させたポリオキシアルキレン化合物;エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の鹸化物,ポリビニルアルコール,水酸基
を2以上有するポリオレフィン系オリゴマー,エチレン
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体など
の水酸基を2以上有する重合体などを挙げることができ
る。多価アルコール化合物の融点は300℃以下である
ことが好ましい。また、これらの多価アルコール化合物
は2種類以上同時に併用しても差し支えない。
【0014】成分(2)である多価アルコール化合物と
して特に好ましいのは、以下に示す多価アルコールの中
から選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの
化合物は、いわゆる架橋剤としての作用を有することに
加えて、本発明に関わる感熱接着剤組成物に熱安定性を
与え、比較的高温で成形する場合において、成形体にゲ
ル,ブツなどが発生するのを防止する作用を有する。先
ず、下記一般式(I) (R1a C(CH2 0H)b (I) [式中、R1 は水素または炭素原子数1〜12個の鎖状
あるいは環状アルキル基またはアラルキル基を表し、a
は0〜2の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、かつ
a+b=4を満足するように選択される。]または下記
一般式(II) CH2 (OH)CH(OH)CH2 O[CH2 CHOHCH2 O]m H (II) [式中、mは0〜10の整数である。]で示される多価
アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
ン化合物または下記一般式 (III) R2 −COOH (III) [式中、R2 は炭素数2〜25個の鎖状アルキル基、環
状アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示
す。]で示される有機カルボン酸化合物と、前記一般式
(II)で示されるポリグリセリンとを脱水縮合して得ら
れる、分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリ
ンエステルのうち1種以上である
【0015】上記のポリオキシアルキレン化合物は、一
般式(I)で示されるポリメチロール、または(II)で
示されるポリグリセリンに、エチレンオキサイド叉はプ
ロピレンオキサイドを常法で付加反応させることによっ
て容易に得られる。ここで、一般式(I)で示されるポ
リメチロールとしては、例えば、1,3−ジヒドロキシ
プロパン;2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプ
ロパン;トリメチロールエタン;1,1,1−トリメチ
ロールプロパン;1,1,1−トリメチロールヘキサ
ン;1,1,1−トリメチロールドデカン;2−シクロ
ヘキシル−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロ
パン;2−(p−メチルフェニル)−2−メチロール−
1,3−ジヒドロキシプロパン;ペンタエリスリトール
などが挙げられる。また、一般式(II)で示されるポリ
グリセリンとしては、例えば、グリセリン,ジグリセリ
ン,ヘキサグリセリン,オクタグリセリン,デカグリセ
リンなどが挙げられる。これらの化合物にエチレンオキ
サイド叉はプロピレンオキサイドを付加させて得られる
ポリオキシアルキレン化合物は、通常単一の化合物とし
て得ることは極めて困難であり、一般に複数の異なる構
造の化合物の混合物として得られるが、本発明の目的に
は全く問題なく用いることができる。さらに、一般式
(I)及び/または(II)で示される多価アルコール化
合物を2種類以上用いて同時にエチレンオキシドまたは
プロピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン
化合物を用いても差し支えない。
【0016】一般式(I)または(II)で示される化合
物へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加
量は、用いる上記の化合物に含まれる水酸基の数に左右
されるため、一概には規定することはできないが、少な
くとも上記の化合物1モルに対してエチレンオキシドま
たはプロピレンオキシドを2モル以上付加させることが
好ましい。付加量の上限は、特にないが、一般的に付加
量が一般式(I)または(II)で示される多価アルコー
ル1モルに対して50モルを超えると、得られたポリオ
キシアルキレン化合物の分子量が大きくなりすぎ、組成
物を調整する際の混合性が低下したり、成形後のブリー
ドなどの問題が生ずるために好ましくない。
【0017】ポリグリセリンエステルは、一般式 (III)
で示される有機カルボン酸またはその等価体(例えば、
アルカリ金属塩,酸ハロゲン化物など)と一般式(II)
で示されるポリグリセリンとを一般に知られている方法
で、脱水縮合する事によって容易に製造する事ができ
る。ここで一般式 (III)の有機カルボン酸としては例え
ば酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,ヘキ
サン酸,カプリル酸,カプリン酸,ステアリン酸,オレ
イン酸,ラウリン酸,フェニル酢酸,フェニルプロピオ
ン酸,フェニル酪酸などが挙げられる。使用されるポリ
グリセリンエステル化合物は、分子内に2個以上の水酸
基を有することが必要である。従って、一般式(II)の
ポリグリセリンをエステル化する際の有機カルボン酸の
使用量は、ポリグリセリンに含まれる水酸基の個数を考
慮して決定する必要がある。
【0018】ポリグリセリンエステル化合物としては、
例えば、グリセリンモノステアレート,グリセリンモノ
オレエート,グリセリンモノラウレート,グリセリンモ
ノカプリレート,グリセリンモノヘキサノエート,グリ
セリンモノフェネチルエステル,グリセリンモノプロピ
オネート,ジグリセリンモノステアレート,ジグリセリ
ンジステアレート,ジグリセリンモノオレエート,ジグ
リセリンモノヘキサノエート,ジグリセリンジオクタノ
エート,テトラグリセリンモノステアレート,テトラグ
リセリントリステアレート,テトラグリセリンテトラス
テアレート,テトラグリセリントリヘキサノエート,テ
トラグリセリンモノフェネチルエステル,ヘキサグリセ
リンモノステアレート,ヘキサグリセリンジステアレー
ト,ヘキサグリセリンペンタステアレート,ヘキサグリ
セリントリオレエート,ヘキサグリセリンモノラウレー
ト,ヘキサグリセリンペンタラウレート,デカグリセリ
ンモノステアレート,デカグリセリンオクタステアレー
ト,デカグリセリンペンタオレエート,デカグリセリン
ジラウレート,ペンタデカグリセリンジステアレート,
ペンタデカグリセリンデカオレエート,オクタデカグリ
セリンテトラステアレート等が挙げられる。これらのポ
リグリセリンエステルは二種類以上併用する事もでき
る。
【0019】成分(2)である多価アルコール化合物の
使用量は、成分(1)のエチレン系共重合体中に含まれ
るラジカル重合性酸無水物に由来する単位に対して、多
価アルコール化合物に含まれる水酸基の単位のモル比が
0.01〜10の範囲となることが必要であり、0.0
5〜5の範囲となることが好ましい。このモル比が0.
01未満であると、組成物に架橋構造を効果的な量で導
入するには不十分となる。一方、モル比が10を超える
と、架橋構造を効果的に導入する点において無意味であ
るだけでなく、コスト的に高くなるために好ましくな
い。
【0020】本発明の感熱接着剤組成物に関わる成分
(3)である反応促進剤とは、エチレン系共重合体中に
含まれるラジカル重合性カルボン酸無水物に由来する単
位に含まれるカルボニル基を活性化し、水酸基と酸無水
物との反応を促進させる化合物である。このような反応
促進剤としては様々なものがあるが、その一例を挙げれ
ば、有機カルボン酸の金属塩がある。有機カルボン酸の
金属塩としては、炭素数1〜30の脂肪酸の金属塩、例
えば、酢酸,酪酸,オクタン酸,デカン酸,ラウリン
酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレ
イン酸,ベヘン酸,オクテン酸,エルカ酸,エライジン
酸,アジピン酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,ク
エン酸,酒石酸,リンゴ酸,ジグリコール酸などの脂肪
族カルボン酸;安息香酸,クロロ安息香酸,アニス酸,
アミノ安息香酸,フタル酸,テレフタル酸,ナフトエ
酸,ナフタレンジカルボン酸,ベンゼントリカルボン酸
などの芳香族カルボン酸などと周期表のIA族,IIA
族,IIB族, IIIB族の金属(例えばLi,Na,K,
Mg,Ca,Zn,Al等)との塩が挙げられる。さら
に具体例を示せば、酢酸リチウム,酢酸ナトリウム,酢
酸マグネシウム,酢酸アルミニウム,酪酸カリウム,酪
酸カルシウム,酪酸亜鉛,オクタン酸ナトリウム,オク
タン酸カルシウム,デカン酸カリウム,デカン酸マグネ
シウム,デカン酸亜鉛,ラウリン酸リチウム,ラウリン
酸ナトリウム,ラウリン酸カルシウム,ラウリン酸アル
ミニウム,ミリスチン酸カリウム,ミリスチン酸ナトリ
ウム,ミリスチン酸アルミニウム,パルミチン酸ナトリ
ウム,パルミチン酸亜鉛,パルミチン酸マグネシウム,
ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,ステ
アリン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸ナ
トリウム,ベヘン酸ナトリウムなどの脂肪族カルボン酸
の金属塩;安息香酸ナトリウム,安息香酸亜鉛,フタル
酸ナトリウム,フタル酸アルミニウム,テレフタル酸マ
グネシウム,ナフタレンジカルボン酸カルシウムなどの
芳香族カルボン酸の金属塩が挙げられる。これらのう
ち、ラウリン酸リチウム,ラウリン酸ナトリウム,ラウ
リン酸カルシウム,ラウリン酸アルミニウム,ミリスチ
ン酸カリウム,ミリスチン酸ナトリウム,ミリスチン酸
アルミニウム,パルミチン酸ナトリウム,パルミチン酸
亜鉛,パルミチン酸マグネシウム,ステアリン酸ナトリ
ウム,ステアリン酸カリウム,ステアリン酸カルシウ
ム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸ナトリウムが好適で
ある。
【0021】有機カルボン酸の金属塩の他の例として
は、カルボン酸の金属塩構造を有する重合体がある。こ
のような重合体としては、エチレンとラジカル重合性カ
ルボン酸のIA族,IIA族,IIB族, IIIB族の金属
(例えばLi,Na,K,Mg,Ca,Zn,Al等)
塩とを共重合した構造を有するもの、あるいはエチレン
とラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重
合性カルボン酸及び/またはその誘導体とを多元共重合
した構造を有するものが挙げられる。
【0022】更に、ポリエチレン,ポリプロピレン,エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂
に、該ラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離
の不飽和カルボン酸をグラフト重合し、その後に中和し
ても良い。)をグラフト重合させた構造を有するもの、
ポリオレフィン系重合体にラジカル重合性カルボン酸の
金属塩と他のラジカル重合性カルボン酸及び/またはそ
の誘導体を同時に共グラフト重合した構造を有するもの
が挙げられる。ここで用いられるラジカル重合性カルボ
ン酸及びその誘導体としては、(メタ)アクリル酸,マ
レイン酸,フマル酸,マレイン酸モノメチル,フマル酸
モノメチル,マレイン酸モノエチル,フマル酸モノエチ
ル,マレイン酸モノブチル,フマル酸モノブチル,(メ
タ)アクリル酸メチル,マレイン酸ジメチル,フマル酸
ジメチル,マレイン酸ジエチル,フマル酸ジエチル,マ
レイン酸ジブチル,フマル酸ジブチルなどが挙げられ
る。本発明に関わる反応促進剤の他の例としては、例え
ばトリメチルアミン,トリエチルアミン,ジメチルエチ
ルアミン,ジエチルシクロヘキシルアミン等の三級アミ
ン化合物を挙げることができる。
【0023】また本発明に関わる反応促進剤の他の例と
しては、例えばテトラメチルアンモニウムテトラフルオ
ロボレート,テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロ
ホスフェート,テトラメチルアンモニウムブロミド,テ
トラエチルアンモニウムブロミド,テトラエチルアンモ
ニウムヨージド,メチルトリ−n−ブチルアンモニウム
クロリド,テトラブチルアンモニウムブロミド,テトラ
ヘキシルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩
を挙げることができる。更に、本発明に関わる反応促進
剤の別の例としては、例えば水酸化カルシウム,水酸化
マグネシウム,水酸化アルミニウム等の金属水酸化物
や、塩化カルシウム,臭化カルシウム,塩化マグネシウ
ム等の金属ハロゲン化物、或いは硝酸ナトリウム,硝酸
カルシウム,燐酸カルシウム,炭酸ナトリウム,炭酸カ
ルシウム,炭酸マグネシウム,硫酸ナトリウム,硫酸亜
鉛,塩素酸カリウム,沃素酸ナトリウム等のオキソ酸の
金属塩、さらにはNaBF4 ,KPF6,NaPCl6,NaFeCl4 ,Na
SnCl4 ,NaSbF6,NaAsF6,KAsCl6等のルイス酸の金属塩
や、パラトル塩スルホン酸ナトリウム,パラトル塩スル
ホン酸カリウム,クロロエタンスルホン酸アルミニウ
ム,エチルメタンスルホン酸カルシウム,エチルエタン
スルホン酸亜鉛等の有機スルホン酸の金属塩を挙げるこ
とができる。
【0024】以上に例示した反応促進剤のうち、カルボ
キシル基を含む重合体の金属塩及び有機カルボン酸の金
属塩が好適に用いられる。また上記の各種の反応促進剤
を必要に応じて2種類以上併用することもできる。本発
明に関する反応促進剤の使用量は、エチレン系共重合体
100重量部に対して0.001〜20重量部の範囲と
なることが必要であり、0.01〜15重量部の範囲と
なることが好ましい。この量が0.001重量部未満で
あると、反応が遅くなり過ぎて組成物中に架橋構造を効
果的に導入することが困難となり、20重量部を超える
と反応速度を向上させる点で無意味であるばかりでな
く、経済的にも好ましくない。
【0025】本発明の感熱接着剤組成物に関わる成分
(4)の粘着付与剤とは、被着体に対する粘着性を付与
し低温、低圧力下での接着性を向上させる作用を有する
化合物である。そのような粘着付与剤の具体例を示せ
ば、脂肪族炭化水素系樹脂,脂環式炭化水素系樹脂,芳
香族炭化水素系樹脂,ポリテルペン系樹脂,ロジン類,
スチレン系樹脂等を挙げることができる。これらを具体
的に示すと、脂肪族炭化水素系樹脂としては、ブテン−
1,イソブチレン等の炭素数が4または5であるモノオ
レフィンの単独重合体,共重合体及びこれらのモノオレ
フィンを主成分とする共重合体;ブタジエン,1,3−
ペンタジエン等の炭素数が4または5であるジオレフィ
ンの単独重合体,共重合体及びこれらのジオレフィンを
主成分とする共重合体等が挙げられる。脂環式炭化水素
系樹脂としては、C4 〜C5 留分中のジエン成分を環化
二量体化した後重合させた樹脂,下記の芳香族炭化水素
系樹脂を核内水素添加した樹脂等が挙げられる。芳香族
炭化水素系樹脂としては、スチレン,ビニルトルエン,
インデン,α−メチルスチレン等の炭素数8〜9である
ビニル芳香族炭化水素の単独重合体,共重合体(ビニル
トルエン−メチルスチレン等)及びこれらのビニル芳香
族炭化水素を主成分とする共重合体(スチレン−オレフ
ィン共重合体等)等が挙げられる。ポリテルペン樹脂と
しては、α−ピネン重合体,β−ピネン重合体,ジペン
テン重合体,テルペン−フェノール重合体,α−ピネン
−フェノール共重合体等が挙げられる。ロジン類として
はロジン,重合ロジン,水素添加ロジン,ロジングリセ
リンエステル及びその水素添加物または重合物等が挙げ
られる。これらの中テルペンフェノール樹脂,水添石油
樹脂が好ましい。これらは単独で用いるだけでなく、二
種類以上を併用しても差し支えない。
【0026】成分(4)の粘着付与剤の軟化点(ここで
言う軟化点とは環球法によって測定されたものを言う)
は80〜200℃のものが好ましい。特に120〜18
0℃が好ましい。粘着付与剤の軟化点が80℃未満であ
ると感熱接着剤の耐熱性が不充分となり、200℃を越
えると接着性が不足するため好ましくない。成分(4)
の使用量は成分(1)のエチレン系共重合体100重量
部に対して1〜80重量部であることが必要であり、好
ましくは、3〜60重量部である。この量が1重量部よ
り少ないと実質的に添加する意味がなくなり、接着性能
の向上効果がなくなるため好ましくない。また、80重
量部を越えると、耐熱性が低下する上に、感熱接着剤組
成物の粘着性が強すぎて取扱いが困難となるため好まし
くない。
【0027】本発明に関わる感熱接着剤組成物には、成
分(1),成分(2),成分(3)及び成分(4)から
成る組成物に、成分(5)としてポリオレフィン系樹脂
を加えて使用することができる。ここで言うポリオレフ
ィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン,高
密度ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリイソプレン,
ポリイソブチレン,ポリブテン,ポリ−3−メチルブテ
ン−1,ポリ−4−メチルペンテン−1,ポリブタジエ
ン等の炭素数2〜10の不飽炭化水素モノマーの単独重
合体を挙げることができる。また、これらの単独共重合
体を構成しているモノマー及びその他のオレフィンの中
から選ばれる2種以上のモノマーの共重合体、あるい
は、上記の単独共重合体を構成しているモノマーまたは
その他のオレフィンと酸無水物を有しないその他のラジ
カル重合性モノマーとの共重合体、例えば、エチレン−
プロピレン;スチレン−ブタジエン共重合体;エチレン
−プロピレン−ジエンターポリマー;ブテン−1,ヘキ
セン−1,オクテン−1,4−メチルペンテン−1等を
コモノマーとした直鎖状低密度ポリエチレン;プロピレ
ン−エチレンのブロック共重合体;エチレンと不飽和カ
ルボン酸あるいはその誘導体との共重合体(例えばエチ
レン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体等)などを挙げることができる。
さらに、上記の各樹脂の混合物等を挙げることができ
る。ここで用いられるポリオレフィン系樹脂は、前記成
分(1),成分(2),成分(3)及び成分(4)から
成る感熱接着剤の希釈用樹脂としての目的の他に、接着
後において高温(80℃以上)での接着強度を求められ
る用途においては、先に例示したポリオレフィン系樹脂
の中から100℃以上の結晶融点(ここで言う融点と
は、DSC、DTA等の機器で測定される融解ピーク温
度を意味する)を有するものを選ぶことによってその目
的を達成するための補助的役割を果たすことができる。
即ち、ポリオレフィン樹脂の添加によって、低温接着性
を有すると共に接着後に高温下においてもある程度接着
強度を保つことができるという相反する性能をより効率
的に発揮させることが可能となる。
【0028】成分(5)であるポリオレフィン系樹脂の
使用量は、成分(1),成分(2),成分(3)及び成
分(4)からなる樹脂組成物の合計100重量部に対し
て5〜80重量部の範囲である。ポリオレフィンの使用
量が80重量部を越えると、本来他基材との接着を発揮
し得る成分(1)の感熱接着剤中に含まれる量が少なく
なりすぎ、従って、得られる感熱接着剤の接着性が著し
く低下するため好ましくない。5重量部より少ない場合
は、実質的にポリオレフィン系樹脂を混合する意味がな
くなる。
【0029】また本発明の感熱接着剤組成物には、該組
成物の特徴を損なわない範囲で各種の添加剤,配合剤,
充填剤を使用することが可能である。これらを具体的に
示せば、酸化防止剤(耐熱安定剤),紫外線吸収剤(光
安定剤),帯電防止剤,防曇剤,難燃剤,滑剤(スリッ
プ剤,アンチブロッキング剤),ガラスフィラー等の無
機充填剤,有機充填剤,補強剤,着色剤(染料,顔
料),発泡剤,香料等が挙げられる。
【0030】本発明に関わる感熱接着剤を製造するに
は、成分(1),成分(2),成分(3),成分
(4),成分(5)或いは必要に応じて用いられる添加
剤などを種々の手段で混合すればよい。混合方法として
は通常知られている種々の樹脂の混合方法を用いること
ができる。例えば、ヘンシェルミキサー,タンブラーの
ような混合機を用いてドライブレンドしてもよく、バン
バリーミキサー,スタティックミキサー,加圧ニーダ
ー,押出機及びロールミルのような混合機を用いて溶融
混練してもよい。この際、予めドライブレンドし、得ら
れる混合物を溶融混練することによって均一な組成物を
得ることができる。また、本発明に関わる感熱接着剤を
フィルム等に成形する段階を利用し、各成分をペレット
あるいは粉体の状態で混合(ドライブレンド)し、押出
機,射出成形機中で溶融混合することもできる。
【0031】本発明に関わる感熱接着フィルムは、従来
から知られている方法で成形することによって得ること
ができる。そのような成形方法としては、(共)押出成
形法、インフレーション成形法、熱プレス成形法等を挙
げることができる。また、感熱接着フィルムを表皮材ま
たは基板材に直接押出ラミネーション法により積層する
ことも可能である。成形する際の温度条件は140〜2
80℃の範囲が好ましい。本発明に関わる感熱接着フィ
ルムの厚みは10〜150μmであることが必要であ
り、より好ましくは20〜100μmである。ここで1
0μm未満であると、接着強度が不十分なものとなり好
ましくなく、150μmを超えると熱伝導性が低下して
充分な接着強度が得られず、コストが高くなるため実用
的でない。
【0032】本発明に関わる感熱接着剤を用いれば比較
的低い処理温度で種々の基材を接着させて多層積層体を
得ることが可能になる。そのような接着可能な基材とし
ては、例えば、上質紙,クラフト紙,グラシン紙,和
紙,段ボール原紙が挙げられる。本発明に関わる多層積
層体を構成する基材については特に制限はなく,合成
紙,アート紙,コート紙等の各種紙類;木綿,麻,ポリ
エステル,ナイロン等による各種織布または不織布;木
板;鉄,アルミニウム,銅,ブリキ等の各種金属板また
は箔;ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリエチレン,
ポリエステル,ナイロン,ポリカーボネート,アクリル
樹脂,フェノール樹脂,ポリウレタン,スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(SBS樹脂),スチレン−ア
クリロニトリル共重合体(AS樹脂),アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等の
各種プラスチックを成形した板,成形品,フィルムまた
は発泡体;ガラス繊維,セラミック等の各種無機物等を
挙げることができる。また、これらの基材は必要に応じ
て、表面処理、印刷、コーティング等が施されても差し
支えない。
【0033】本発明の多層積層体は、特に、基材として
表皮材及び基板材を使用する自動車等の内装材料(例え
ば、自動車内装用天井材,自動車内装用ドア部材,自動
車内装用ダッシュボード部材,自動車内装用コンソール
ボックス,自動車内装用インスツールパネル部材等)ま
たは、車両,船舶、住居等の内装用材料として好適に使
用することができる。ここで用いられる表皮材、基板材
については特に制限はなく、一般に自動車、車両、船
舶、住居等の内装用材料として使用されている種々の材
料が使用できる。このような表皮材の具体例としては、
ポリエステル不織布,起毛ニット,ファブリック,スウ
ェード調合成皮革,塩化ビニル(塩ビ)レザー,ポリウ
レタンレザー,ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー
あるいはこれらの材料に発泡ウレタン,発泡ポリエチレ
ン,発泡ポリプロピレン等のクッション材を貼合したも
の等が挙げられる。
【0034】一方基板材の具体例としては、レジンフェ
ルト,レジンウッド,ガラス繊維入りフェノール樹脂
板,段ボール,ポリプロピレンハニカム,ポリスチレン
フォーム,ガラス繊維強化ポリプロピレン板,ABS樹
脂板,AS樹脂板あるいはこれらに不織布を貼り合せた
もの等が挙げられる。
【0035】本発明に関わる多層積層体を製造するにあ
たっては、種々の成形方法を採用することが可能であ
る。例えば、基板材を所定の温度に加熱し、真空成形機
にセットし、この上にインフレーション成形またはTダ
イス成形によってフィルム化した感熱接着剤を置き、次
いで予め所定の温度に加熱した表皮材を重ねて真空圧着
する方法;表皮材及び基板材の間に上記フィルムを挟
み、熱プレスする方法;表皮材に感熱接着剤を押出ラミ
ネート成形によりコーティングした積層材を基板材に熱
プレスまたは熱ロールで加熱圧着する方法;本発明に関
わる感熱接着剤を粉砕して粉末にし、熱プレス上に置い
た基板材に振りかけ、その上に表皮材を熱プレスする方
法;さらには、表皮材の接着側に上記のフィルムを予め
熱ロールラミネートしてから、熱プレスまたは熱ロール
で加熱圧着する方法等が挙げられる。本発明の多層積層
体を製造する上述のごとき方法において、加熱温度は、
使用する表皮材、基板材の種類、成形条件、感熱接着剤
の組成により異なるので一概に規定できないが、少なく
とも感熱接着剤の軟化点以上であって、表皮材及び基板
材に影響を及ぼさない温度以下で適宜選択される。接着
層として機能する本発明に関わる感熱接着剤は60〜1
30℃程度の比較的低い結晶融点を有しており、また圧
着においては0.1〜2.0kg/cm2 程度の比較的
低い圧力において、強力な接着が可能であり、表皮材及
び基板材の素材の風合い、感触等を損なうことなく製造
できる。
【0036】本発明の多層積層体の各層の厚さは、その
素材、用途、要求される物性等により異なり、特に制限
はないが、本発明に関わる感熱接着剤からなる接着層は
10〜150μm、好ましくは20〜100μmであ
る。ここで10μm未満であると、接着強度が不十分な
ものとなり好ましくなく、150μmを超えると熱伝導
性が低下して接着強度が得られず実用的でない。本発明
の多層積層体は、少なくとも上記の二層もしくは三層か
らなるものであるが、必要に応じて、さらに、本発明に
関わる感熱接着剤からなる接着層を介して、或いは他の
接着剤層を介してあるいは接着剤層を介さずに、他の材
料を積層した積層体であってもよい。以下、参考例、実
施例、及び比較例によって本発明を具体的に説明する。
【0037】
【実施例】エチレン系共重合体として次に挙げるものを
使用した。 <エチレン系共重合体(A)> エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸3元共重合体: MFR(JIS−K7210,表1,条件4) 10g/10分 メチルアクリレートに由来する単位の含有量 25重量% 無水マレイン酸に由来する単位の含有量 1.6重量% <エチレン系共重合体(B)> エチレン−メタアクリル酸メチル−無水イタコン酸3元共重合体: MFR(JIS−K7210,表1,条件4) 20g/10分 メタクリル酸メチルに由来する単位の含有量 20重量% 無水イタコン酸に由来する単位の含有量 3.5重量% <エチレン系共重合体(C)> エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸3元共重合体: MFR(JIS−K7210,表1,条件4) 8g/10分 アクリル酸メチルに由来する単位の含有量 18重量% 無水マレイン酸に由来する単位の含有量 2.5重量% <エチレン系共重合体(D)> エチレン−アクリル酸ブチル−無水マレイン酸3元共重合体: MFR(JIS−K7210,表1,条件4) 8g/10分 アクリル酸ブチルに由来する単位の含有量 16重量% 無水マレイン酸に由来する単位の含有量 1.5重量% <エチレン系共重合体(E)> エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸3元共重合体 MFR(JIS−K7210,表1,条件4) 15g/10分 酢酸ビニルに由来する単位の含有量 20重量% 無水マレイン酸に由来する単位の含有量 2.5重量%
【0038】<実施例A> (実施例A1)成分(1)であるエチレン系共重合体
(A)100重量部に対して成分(2)である多価アル
コールとしてトリメチロールプロパン(以下TMPと略
す)を0.5重量部、成分(3)である反応促進剤とし
てエチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含有
量10重量%)のZn塩(メタクリル酸に由来する単位
の10モル%を中和)10重量部、成分(4)である粘
着付与剤として荒川化学(株) 製水添石油樹脂アルコン
P−125(軟化点=125℃)10重量部をヘンシェ
ルミキサーでドライブレンドした後、37mmφ同方向
二軸押出機を用い170℃で溶融混練し、感熱接着剤組
成物のペレットを得た。この配合内容を表1に示した。
【0039】(実施例A2〜A11)成分(1)、成分
(2)、成分(3)、成分(4)、成分(5)をかえて
実施例A1と同様に操作し、感熱接着剤組成物のペレッ
トを得た。その配合内容を表1に示した。
【0040】(比較例A1)成分(3)の反応促進剤を
配合しなかったこと以外は実施例A1と同様に操作し、
感熱接着剤組成物のペレットを得た。その配合内容を表
1に示した。
【0041】(比較例A2)成分(2)の多価アルコー
ルを配合しなかったこと以外は実施例A1と同様に操作
し、感熱接着剤組成物のペレットを得た。その配合内容
を表1に示した。
【0042】(比較例A3)成分(1)のエチレン系共
重合体としてエチレン−メタクリル酸メチル二元共重合
体(メタクリル酸メチル含有量=20重量%、MFR=
3)を用いたこと以外は、実施例A1と同様に操作し、
感熱接着剤組成物のペレットを得た。その配合内容を表
1に示した。
【0043】(比較例A4)成分(2)の多価アルコー
ルとしてTMPを使用し配合量10重量部(OH/酸無
水物基のモル比=13.71)として実施例A1と同様
に操作し、感熱接着剤組成物のペレットを得た。その配
合内容を表1に示した。
【0044】(比較例A5)成分(1)のエチレン系共
重合体(A)100重量部に対して成分(4)の粘着付
与剤の配合量を100重量部とした以外は実施例A1と
同様に操作し、感熱接着剤組成物のペレットを得た。そ
の配合内容を表1に示した。
【0045】(比較例A6)成分(4)の粘着付与剤と
して荒川化学社製アルコンP−70(軟化点=70℃)
の水添石油樹脂を使用した以外は実施例A1と同様に操
作し、感熱接着剤組成物のペレットを得た。その配合内
容を表1に示した。
【0046】<実施例B> (実施例B1)実施例A1で得られた感熱接着剤組成物
を、25mmφの押出機を有するT型ダイスつきフィル
ム成形機で70μmの厚みで製膜し20cm幅の感熱接
着フィルムを得た。この感熱接着フィルムを接着層に用
い、実際に自動車用内装材料に使用されている基材(表
皮材料及び基板材)を接着して、その接着性を試験し
た。表皮材はポリエチレンテレフタレート(PET)系
不織布、基板材はレジンフェルト(RF)を用いた。接
着は上板120℃,下板70℃に設定した熱プレスに、
上から表皮材、上記のフィルム、基板材の順番に挟み、
実質面圧2.5Kg/cm2 ,20秒の条件で圧着し
た。基板材のプレスのサイズは、10cm×20cmと
した。接着後、23℃、相対湿度50%で24時間状態
調節した後、25mm幅の試験片に切断し、引張試験機
を用いて常温(23℃)における180゜剥離試験(剥
離速度200mm/分)を実施した。原則として剥離時
の接着強度(g/25mm)を測定したが、剥離時に表
皮材または基板材が材料破壊した場合には、破壊時の強
度を測定した。更に、耐熱クリープ試験として途中まで
剥離した試験片に基材に対して90度の剥離角度になる
ように表皮材に100gの荷重を釣り下げ、80℃の雰
囲気に24時間放置した場合の剥離距離(mm)を測定
し、耐熱性の目安とした。なお、接着強度の値は、試験
片5個の平均値(最大、最小2点カット)である。また
耐熱性は試験片3個の平均値である。これらの試験結果
を表2に示す。
【0047】(実施例B2〜B11)第2表に示したよ
うに、感熱接着剤組成物、表皮材及び基板材の種類を変
えた以外は実施例B1と同様に操作した。また実施例B
1と同様の試験を行い評価した。それらの試験結果を表
2に示す。
【0048】(実施例B12)実施例A1で得られた感
熱接着フィルムを用い、表皮材として0.2mmのポリ
プロピレン系熱可塑性エラストマーを貼った厚さ2mm
の発泡ポリプロピレン(PP系TPO/発泡PP)、基
板材としてガラス繊維強化スチレン−アクリロニトリル
共重合体(ASG)ボードを用い接着性を試験した。先
ず130℃で加熱したテフロンコートロールで表皮とフ
ィルムを挟み、5m/分のスピードで熱ロールラミネー
ト処理して、これらを貼り合わせた積層表皮を用意し
た。この積層表皮を接着層側を下にして真空成形機にセ
ットし、上下300℃に設定したセラミックヒーターの
間で20秒間加熱した。その直後、真空成形機の型上に
70℃のーブンで加熱した基材を置き、表皮と積層し7
00mmHgの減圧度(真空度:60Torr)で15
秒間真空圧着させた。真空圧着直前の積層表皮の温度は
120℃であった。また、実施例B1と同様の方法で試
験し接着性能を評価した。その結果を表2に示す。
【0049】(実施例B13〜B18)表2に示したよ
うに、感熱接着剤組成物,表皮材及び基板材の種類を変
えた以外は実施例B12と同様に操作した。また、実施
例B1と同様の方法で試験を行い評価した。その結果を
表2に示す。
【0050】(比較例B1〜B6)比較例A1〜A6で
得られたペレットから、実施例B1と同様の方法でフィ
ルムを製造した。このフィルムを接着層として用い、表
2に示したように、表皮材及び基板材の種類を変え、実
施例B1と同様に操作した。また、実施例B1と同様の
方法で試験し接着性能を評価した。その結果を表2に示
す。
【0051】(比較例B7)実施例A2で得られたペレ
ットから、実施例B1と同様の方法で5μmのフィルム
を製造した。このフィルムを接着層として用い、表2に
示したように、表皮材及び基板材の種類を変え、実施例
B1と同様に操作した。また、実施例B1と同様の方法
で試験し接着性能を評価した。その結果を表2に示す。
【0052】(比較例B8)実施例A2で得られたペレ
ットから、実施例B1と同様の方法で300μmのフィ
ルムを製造した。このフィルムを接着層として用い、表
2に示したように、表皮材及び基板材の種類を変え、実
施例B12と同様に操作した。また、実施例B1と同様
の方法で試験し接着性能を評価した。その結果を表2に
示す。
【0053】(比較例B9)比較例A1で得られたペレ
ットから、実施例B1と同様の方法でフィルムを製造し
た。このフィルムを接着層として用い、表2に示したよ
うに、表皮材及び基板材の種類を変え、実施例B12と
同様に操作した。また、実施例B1と同様の方法で試験
し接着性能を評価した。その結果を表2に示す。
【0054】上記試験の結果を見ると、実施例B1〜B
11では、基材温度が低くまた面圧も低い条件での熱プ
レス法においても、本発明による感熱接着剤を用いた多
層積層体は、優れた接着強度を示すことが判る。また、
実施例B11〜B18では、熱プレス法よりも更に接着
圧力が低く接着時間も短い真空接着法においても、本発
明による感熱接着剤を用いた多層積層体は、実用に耐え
得る接着強度、耐熱性を得られることが判る。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明による感熱
接着剤組成物は各種の基材、特に自動車,車両,船舶,
住居等の内装材料として使用される表皮材及び基板材を
比較的低温度、低圧力下の条件で積層することが可能で
あり、しかも高い接着強度を示す。従って該感熱接着剤
を接着層に用いた多層積層体は、接着加工性,作業性に
優れ、低温度で処理できるため表皮材の風合いが損われ
ず、審美性が高いものであるため、自動車,車両,船
舶,住居,その他の建築物等の内装材料として好適に使
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 27/08 B32B 27/08 27/12 27/12 27/32 27/32 Z C09J 7/00 C09J 7/00 7/02 7/02 (72)発明者 田越 宏孝 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 平6−79817(JP,A) 特開 昭57−57769(JP,A) 特開 昭57−80469(JP,A) 特公 昭62−12946(JP,B1) 特表 昭63−503549(JP,A) 深田 寛,ホットメルト接着の実際, 高分子刊行会,1987年 3月20日,第87 頁の「2)軟化点」欄 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 123/08 B32B 5/18 - 5/20 B32B 7/12 - 7/14 B32B 27/00 - 27/42 C09J 7/00 - 7/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エチレンとラジカル重合性酸無水
    物及びラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重合性コ
    モノマーからなるエチレン系共重合体であり、エチレン
    系共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位
    の割合が0.1重量%以上で5重量%以下、ラジカル重
    合性酸無水物以外のラジカル重合性コモノマーに由来す
    る単位の割合が10重量%以上で50重量%以下である
    エチレン系共重合体、 (2)分子内に水酸基を少なくとも二つ有する多価アル
    コール化合物、 (3)反応促進剤及び、 (4)軟化点が80〜200℃である粘着付与剤からな
    り、成分(1)であるエチレン系共重合体中のラジカル
    重合性酸無水物に由来する単位に対し、成分(2)であ
    る多価アルコール化合物中の水酸基の単位のモル比が
    0.01〜10の範囲であり、かつ成分(3)である反
    応促進剤が成分(1)であるエチレン系共重合体100
    重量部にたいして0.001〜20重量部の範囲であ
    り、かつ成分(4)である粘着付与剤が成分(1)であ
    るエチレン系共重合体100重量部にたいして1〜80
    重量部の範囲である感熱接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 成分(2)である多価アルコール化合物
    が、下記一般式(I) (R1aC(CH2OH)b(I) [式中、R1 は水素または炭素原子数1〜12個の鎖状
    あるいは環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは
    0〜2の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、かつa
    +b=4を満足するように選択される。]または下記一
    般式(II) CH2(OH)CH(OH)CH2O[CH2CHOHC
    2O]mH (II) [式中、mは0〜10の整数である。]で示される多価
    アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
    オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
    ン化合物、または下記一般式 (III)R2−COOH (II
    I)[式中、R2は炭素数2〜25個の鎖状アルキル基、
    環状アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示
    す。]で示される有機カルボン酸化合物と、前記一般式
    (II)で示されるポリグリセリンとを脱水縮合して得ら
    れる、分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリ
    ンエステルのうち1種以上である請求項1記載の感熱接
    着剤組成物。
  3. 【請求項3】 成分(3)の反応促進剤がカルボキシル
    基を含む重合体の金属塩または、有機カルボン酸の金属
    塩である請求項1或いは2記載の感熱接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 成分(4)の粘着付与剤がテルペン樹
    脂,テルペンフェノール樹脂,水添石油樹脂から選ばれ
    る少なくとも1種の樹脂である請求項1〜の何れかに
    記載の感熱接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜の何れかに記載の組成物1
    00重量部に対して、ポリオレフィン系樹脂(5)を5
    〜80重量部含む感熱接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜の何れかに記載の感熱接着
    剤組成物からなる感熱接着フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれかに記載の感熱接
    着剤組成物を使用したフィルムであってその厚みが10
    μm以上150μm以下であることを特徴とする感熱接
    着フィルム。
  8. 【請求項8】 基材層及び接着層を有し、接着層が請求
    項1〜の何れかに記載の感熱接着剤組成物からなる多
    層積層体。
  9. 【請求項9】 基材層及び接着層を有し、接着層が請求
    或いはに記載の感熱接着フィルムからなる多層積
    層体。
  10. 【請求項10】 基材層がレジンフェルト,レジンウッ
    ド,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
    板,アクリロニトリル−スチレン共重合体板,ポリプロ
    ピレン樹脂板,段ボール,ガラス繊維強化ポリプロピレ
    ン板,ポリエステル系不織布,起毛ニット,発泡ウレタ
    ン,発泡ポリプロピレン,発泡ポリエチレンから選ばれ
    る少なくとも1種である請求項或いは記載の多層積
    層体。
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深田 寛,ホットメルト接着の実際,高分子刊行会,1987年 3月20日,第87頁の「2)軟化点」欄

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