JP3319656B2 - 多層感熱接着フィルム及び該フィルムを用いる多層構造物 - Google Patents

多層感熱接着フィルム及び該フィルムを用いる多層構造物

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JP3319656B2 JP16829494A JP16829494A JP3319656B2 JP 3319656 B2 JP3319656 B2 JP 3319656B2 JP 16829494 A JP16829494 A JP 16829494A JP 16829494 A JP16829494 A JP 16829494A JP 3319656 B2 JP3319656 B2 JP 3319656B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着性、空気遮断性に
優れた感熱接着フィルムに関し、特に自動車等の内装材
に使用される多層構造物の接着層として好適に使用し得
る多層感熱接着フィルム、及び該フィルムを用いる多層
構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の内装材として、表皮材料と構
造材料(基板材)を積層した多層構造物が多く使用され
ている。表皮材と基板材の接着には、作業効率、安全衛
生上等の観点から、従来の溶剤型接着剤に替わり感熱接
着フィルムが使用される例が多くなってきている。これ
らの感熱接着フィルムは接着性樹脂の組成物を原料とし
て製造され、用途に応じて種々のフィルムが開発されて
いる。これらの感熱接着フィルムのうち最も優れたもの
のひとつとして、特開平5−147175に開示されて
いるようなエチレン系共重合体を主成分としたフィルム
が有り、広範な表皮,基板材に対して使用でき、作業効
率、性能等の点で幅広く利用されてきている。
【0003】しかし、用途によっては多層構造物全体の
通気性が問題となる場合があり、この改善が望まれてい
る。具体的には、基板材として例えばレジンフェルト
(以後RFと略記する。裁断した布を糸屑状にほぐしフ
ェノール樹脂等を含浸して硬化した材料)、表皮材料と
して不織布を用いた場合等において、外気、水分、埃等
が多層構造物を通過し室内の内装材の汚れを生じ美観を
損ねるといった問題がある。本来感熱接着フィルムは実
質上通気性のない材料であるが、接着工程で溶融し、且
つ圧力がかかるためにフィルム全面にピンホールを生
じ、空気遮断性が低下するものと推定される。この対策
としては、フィルム厚みを十分に厚くして穴開きを防止
することが考えられるが、この場合作業性が低下し、ま
た材料コストが高くなるために現実の生産工程には適用
しにくい方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術においては
上記のように、作業効率、接着性、耐熱性等の基本性能
を維持したまま、空気遮断性に優れ、より広い範囲での
用途に対しても適用可能な感熱接着フィルム及び接着方
法は確立されていない。この課題を解決することが本発
明の目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のため種々検討した結果、特定のエチレン系共重
合体を主成分とする熱可塑性樹脂組成物と特定の樹脂組
成を有する架橋性樹脂組成物を積層した多層フィルム
が、本発明の目的を満足することを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、両外層が、エチレンと、エ
チレンと共重合可能な不飽和カルボン酸,不飽和カルボ
ン酸アルキルエステル,エポキシ基含有不飽和カルボン
酸エステル,アミノ基含有不飽和カルボン酸エステル,
ビニルエステルから選ばれる1種以上のコモノマーから
なり、コモノマーに由来する単位の割合が1重量%〜5
0重量%である接着性エチレン系共重合体、もしくはエ
チレンとラジカル重合性酸無水物及びこれ以外のラジカ
ル重合性コモノマーからなり、ラジカル重合性酸無水物
に由来する単位の割合が0.1重量%〜20重量%、他
のラジカル重合性コモノマーに由来する単位の割合が3
重量%〜50重量%である接着性エチレン系多元共重合
体を主成分とする熱可塑性樹脂組成物であり、中間層が
(a)エチレンと少なくともラジカル重合性酸無水物を
構成モノマ−として含む共重合体であり、その共重合体
中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合が
0.1〜5重量%であり、その他のラジカル重合性コモ
ノマーに由来する単位を30重量%以下の範囲で含んで
いてもよい架橋性エチレン系共重合体、(b)分子内に
2個以上の水酸基を有する多価アルコ−ル化合物及び
(c)反応促進剤を含有し、(a)成分中のラジカル重
合性酸無水物に由来する単位に対し、(b)成分である
多価アルコ−ル化合物中の水酸基の単位のモル比が0.
01〜10の範囲であり、且つ(c)成分である反応促
進剤が(a)成分である架橋性エチレン系共重合体10
0重量部に対して0.001〜20重量部の範囲である
架橋性樹脂組成物、である3層構造を有する、空気遮断
性の良好な多層感熱接着フィルム及びこの多層感熱接着
フィルムを使用して表皮材と基板材を接着した多層構造
物を開示する。
【0007】以下本発明を具体的に説明する。本発明は
基本的には両外層が接着性エチレン系共重合体もしくは
接着性エチレン系多元共重合体を主成分とする熱可塑性
樹脂組成物、中間層が特定の樹脂組成を有する架橋性樹
脂組成物である2種3層フィルムを提示する。しかし原
理的には両外層は同一の樹脂組成物である必要はなく、
3種3層の多層フィルムも本発明の範囲に含まれる。同
様に4層以上の構成からなる多層フィルムも、本発明の
考え方を逸脱しない範囲である限りにおいて使用し得
る。
【0008】本発明の多層感熱接着フィルムの両外層
は、表皮材、基板材との感熱接着が可能な熱可塑性樹脂
組成物であり、エチレンと、エチレンと共重合可能な不
飽和カルボン酸,不飽和カルボン酸アルキルエステル,
エポキシ基含有不飽和カルボン酸エステル,アミノ基含
有不飽和カルボン酸エステル,ビニルエステルから選ば
れる1種以上のコモノマーからなる接着性エチレン系共
重合体、もしくはエチレンとラジカル重合性酸無水物及
びこれ以外のラジカル重合性コモノマーからなる接着性
エチレン系多元共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂組
成物である。
【0009】ここで、接着性エチレン系共重合体に関わ
るエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸としては、
例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が
挙げられる。エチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸
アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙
げられる。エチレンと共重合可能なエポキシ基含有不飽
和カルボン酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリ
ル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キセンオキシド−4−メタノールエステル、[3,5−
ジメチル−4−グリシジルオキシフェニル]メチル(メ
タ)アクリルアミドエステル等が挙げられる。エチレン
と共重合可能なアミノ基含有不飽和カルボン酸エステル
としては、例えば(メタ)アクリル酸2−アミノエチル
エステル,(メタ)アクリル酸2−アミノプロピルエス
テル等が挙げられる。エチレンと共重合可能なビニルエ
ステルとしては、例えば酢酸ビニルエステル,プロピオ
ン酸ビニルエステル等が挙げられる。その他のエチレン
と共重合可能なコモノマーとしては、例えば、(メタ)
アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド,
N,N−ジメチルメタクリルアミド等の不飽和アミド化
合物や(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステ
ル,(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピルエ
ステル等を使用することもできる。これらのコモノマー
は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いること
もできる。
【0010】本発明に関わる接着性エチレン系共重合体
中に含まれるコモノマーに由来する単位の割合は、1〜
50重量%の範囲、好ましくは5〜30重量%の範囲で
ある。コモノマーに由来する単位の割合が1重量%を下
回っては、実質的に基材への接着ができなくなるために
好ましくない。また、50重量%を越えるて使用して
も、接着性の向上にはもはや効果はなく、また樹脂が柔
軟になりすぎて取扱いが困難になるため好ましくない。
【0011】また、本発明に関わるエチレンとラジカル
重合性酸無水物及びこれ以外のラジカル重合性コモノマ
ーからなる接着性エチレン系多元共重合体の構成成分で
あるラジカル重合性酸無水物とは、分子中にラジカル重
合可能な不飽和結合と酸無水物基を各々1個以上有し、
重合によって酸無水物基を分子中に導入できるような化
合物を言う。酸無水物基は環状のものが好ましい。この
ような化合物としては、例えば、無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水シトラコン酸、無水エンディック酸、
ドデセニル無水コハク酸,1−ブテン−3,4−ジカル
ボン酸無水物,炭素数が多くとも18である末端に二重
結合を有するアルカジエニル無水コハク酸等が挙げられ
る。これらは単独で、あるいは2種類以上を組み合わせ
て用いても差し支えない。これらのなかでは、無水マレ
イン酸、無水イタコン酸が好適に用いられる。
【0012】接着性エチレン系多元共重合体中のラジカ
ル重合性酸無水物に由来する単位の割合は、0.1〜2
0重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量%
の範囲であり、特に好ましいのは1.0〜5重量%の範
囲である。ラジカル重合性酸無水物の割合が0.1重量
%未満では、接着性能が不足して良好な接着強度が得ら
れない。また、20重量%を超えると、接着強度の向上
効果はもはや殆ど無く、経済的にも無意味であるために
好ましくない。
【0013】本発明に関わる接着性エチレン系多元共重
合体を構成する、ラジカル重合性酸無水物以外のラジカ
ル重合性コモノマーとしては、様々な化合物があり、例
えば、エチレン系不飽和エステル化合物、エチレン系不
飽和アミド化合物、エチレン系不飽和酸化合物、エチレ
ン系不飽和エーテル化合物、エチレン系不飽和炭化水素
化合物、その他の化合物等をあげられる。これらを具体
的に記すと、エチレン系不飽和エステル化合物として
は、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、フマル酸
メチル、フマル酸エチル、フマル酸プロピル、フマル酸
ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル
酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、
フマル酸ジブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチ
ル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピ
ル、マレイン酸ジブチル等が挙げられる。エチレン系不
飽和アミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリル
アミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アク
リルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−
ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等
が挙げられる。エチレン系不飽和酸化合物としては、例
えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙
げられる。
【0014】エチレン系不飽和エーテル化合物として
は、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、オクタデシルビニルエーテル、フェニルビニルエー
テル等が挙げられる。エチレン系不飽和炭化水素化合物
としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ノ
ルボルネン、ブタジエン等が挙げられる。その他の化合
物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、アク
ロレイン、クロトンアルデヒド、トリメトキシビニルシ
ラン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルアセト
アミド等が挙げられる。 これらの中では、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチルが、特に好ましい化合
物として挙げられる。また、これらのモノマーは、単独
で、あるいは2種類以上を併用しても差し支えない。
【0015】接着性エチレン系多元共重合体中のラジカ
ル重合性コモノマーに由来する単位の割合は、3重量%
以上50重量%以下の範囲であり、好ましくは5重量%
以上40重量%以下の範囲である。ここで、ラジカル重
合性コモノマーの割合が3重量%未満では、エチレン系
共重合体の結晶融点が充分に低くならず、低温接着性を
充分に発揮することができない。また、50重量%を超
えると、樹脂の取扱いが困難になるとともに、製品の耐
熱性が低下するため好ましくない。
【0016】接着性エチレン系共重合体もしくは接着性
エチレン系多元共重合体(以下両者を同時に言う場合は
接着性共重合体と略す)を製造方法としてはラジカル溶
液重合等種々の方法を用いることが可能であるが、一般
的には通常の高圧法低密度ポリエチレンの製造設備及び
その技術を利用して製造される。
【0017】本接着性元共重合体は各種の基材に対する
低温接着性に優れ、多層構造物を製造するための感熱接
着フィルムの主成分となるが、実用的には更に付加機能
が要求される場合があり、各種の樹脂、添加剤等を必要
に応じて混合した接着性樹脂組成物として利用される。
【0018】本接着性樹脂組成物の混合組成は、使用さ
れる用途、環境等によって多岐に変わりうるので、一概
に規定することはできない。いくつかを例示するなら
ば、耐熱性やフィルムの腰(剛性)が要求される用途に
対しては、エチレン系多元共重合体に低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレンランダム或いはブロックコポリマー、低密度
直鎖状ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂を混合した
熱可塑性樹脂組成物が考えられる。特に接着性エチレン
系多元共重合体において、更に高いレベルの耐熱性が要
求される用途に対しては、有機カルボン酸の金属塩或い
はカルボキシル基を有する重合体の金属塩等を混合した
組成物とし、接着性エチレン系多元共重合体にイオン性
架橋構造を導入して耐熱性を向上させることもできる。
【0019】また、特殊な表皮材、基板材に対して、接
着性共重合体だけによる接着性能では接着力が不足する
場合、接着性能を補強するために、各種の粘着付与剤、
エラストマー、共重合ナイロン、熱可塑性ポリウレタ
ン、低分子量ポリエステル等の材料を混合して接着性樹
脂組成物とすることもできる。更に、通常使用されてい
る各種の添加剤、配合剤、充填剤、例えば酸化防止剤、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、滑剤、ブ
ロッキング防止剤、着色剤、発泡剤等を必要に応じて添
加しても良い。
【0020】本接着性樹脂組成物の主成分はあくまで接
着性エチレン系共重合体もしくは接着性エチレン系多元
共重合体であるから、配合に当たっては本接着性共重合
体の性能を損なわない範囲で配合組成を決定する必要が
ある。目安としては、接着性樹脂組成物中の接着性共重
合体の割合が、50重量%以上とすることができる。
【0021】本発明の多層感熱接着フィルムの中間層
は、(a)成分である架橋性エチレン系共重合体、
(b)成分である多価アルコール化合物及び(c)成分
である反応促進剤からなる、架橋性樹脂組成物であっ
て、本発明の目的である接着時の穴開きを防止するに十
分な耐熱ピンホール性を該接着フィルムに付与するもの
である。(a)成分である架橋性エチレン系共重合体
は、少なくともエチレン及びラジカル重合性酸無水物と
を共重合して得られる共重合体であり、更にラジカル重
合性酸無水物以外のラジカル重合性コモノマーを共重合
した多元共重合体であっても良い。
【0022】ここで用いられるラジカル重合性酸無水物
としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水シトラコン酸、無水エンディック酸、ドデセニル無
水コハク酸,1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水
物,炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有す
るアルカジエニル無水コハク酸等が挙げられる。これら
は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いても
差し支えない。これらのなかでは、無水マレイン酸、無
水イタコン酸が好適に用いられる。
【0023】(a)成分である架橋性エチレン系共重合
体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合
は、0.1〜5重量%の範囲であり、好ましくは0.5
〜4.5重量%の範囲であり、特に好ましいのは1.0
〜3.5重量%の範囲である。ラジカル重合性酸無水物
の割合が0.1重量%未満では、充分な架橋密度が得ら
れないために充分な耐熱性が得られない。また、5重量
%を超えると、架橋密度が高くなりすぎるために成形性
が著しく低下し好ましくない。
【0024】(a)成分である架橋性エチレン系共重合
体を構成する、ラジカル重合性酸無水物以外のラジカル
重合性コモノマーとしては、様々な化合物があり、例え
ば、エチレン系不飽和エステル化合物、エチレン系不飽
和アミド化合物、エチレン系不飽和酸化合物、エチレン
系不飽和エーテル化合物、エチレン系不飽和炭化水素化
合物、その他の化合物等をあげられる。これらを具体的
に記すと、エチレン系不飽和エステル化合物としては、
例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、フマル酸メチ
ル、フマル酸エチル、フマル酸プロピル、フマル酸ブチ
ル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ
メチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマ
ル酸ジブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、
マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、
マレイン酸ジブチル等が挙げられる。エチレン系不飽和
アミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘ
キシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等が挙
げられる。エチレン系不飽和酸化合物としては、例えば
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げら
れる。
【0025】エチレン系不飽和エーテル化合物として
は、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、オクタデシルビニルエーテル、フェニルビニルエー
テル等が挙げられる。エチレン系不飽和炭化水素化合物
としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ノ
ルボルネン、ブタジエン等が挙げられる。その他の化合
物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、アク
ロレイン、クロトンアルデヒド、トリメトキシビニルシ
ラン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルアセト
アミド等が挙げられる。これらの中では、酢酸ビニル
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチルが、特に好ましい化合物
として挙げられる。そして、これらのモノマーは、単独
で、あるいは2種類以上を併用しても差し支えない。
【0026】(a)成分である架橋性エチレン系共重合
体中のラジカル重合性コモノマーに由来する単位の割合
は、30重量%以下である。ここで、ラジカル重合性コ
モノマーの割合が30重量%を超えると、得られる架橋
性樹脂組成物の耐熱性が著しく低下するために好ましく
ない。
【0027】上記の(a)成分である架橋性エチレン系
共重合体を製造方法としてはラジカル溶液重合等種々の
方法を用いることが可能であるが、一般的には通常の高
圧法低密度ポリエチレンの製造設備及びその技術を利用
して製造される。
【0028】本発明に関わる架橋性樹脂組成物の(b)
成分である、分子内に2個以上の水酸基を有する多価ア
ルコール化合物としては、例えば、エチレングリコー
ル、グリセリン、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサ
ンジオール、1,8オクタンジオール、1,10デカン
ジオール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールな
どのアルコール化合物;ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングチコール等のポリ
エチレングリコール;ジグリセリン、トリグリセリン、
テトラグリセリンなどのポリグリセリン;アルビトー
ル、ソルビトール、キシロース、アラビノース、グルコ
ース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、パラ
チノース、マルトトリオース、マレジトース、ソルビタ
ン等の糖類;これらの糖類の脱水縮合物;上記の各種化
合物にエチレンオキサイド叉はプロピレンオキサイドを
付加させたポリオキシアルキレン化合物;上記の各種化
合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;上
記のポリオキシアルケニレン化合物を更にカルボン酸で
部分的にエステル化した化合物;上記の部分的にエステ
ル化した化合物に更にエチレンオキシド叉はプロピレン
オキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;エ
チレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアル
コール、水酸基を2以上有するポリオレフィン系オリゴ
マー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト共重合体などの水酸基を2以上有する重合体などを挙
げることができる。多価アルコール化合物の融点は30
0℃以下であることが好ましい。また、これらの多価ア
ルコール化合物は2種類以上同時に併用しても差し支え
ない。
【0029】(b)成分である多価アルコール化合物と
して特に好ましいのは、以下に示す多価アルコールの中
から選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの
化合物は、いわゆる架橋剤としての作用を有することに
加えて、本発明に関わる架橋性樹脂組成物に成形安定性
を与え、成形する場合において、成形体にゲル,ブツな
どが発生するのを防止する作用を有する。
【0030】先ず、下記一般式(I) (R1a C(CHOH)b (I) [式中、R1 は水素,炭素原子数1〜12個の鎖状ある
いは環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは0〜
2の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、かつa+b
=4を満足するように選択される。]または下記一般式
(II) HO−CH2 CH(OH)CH2 O[CH2 CH(OH)CH2 O]c −H (II) [式中、mは0〜10の整数である。]で示される多価
アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
ン化合物及び下記一般式 (III) R2 −COOH (III) [式中、R2 は炭素数2〜25個の鎖状アルキル基、環
状アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示
す。]で示される有機カルボン酸化合物と、前記一般式
(II)で示されるポリグリセリンとを脱水縮合して得ら
れる、分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリ
ンエステルのうち1種以上である。
【0031】上記のポリオキシアルキレン化合物は、一
般式(I)で示されるポリメチロール、叉は(II)で示
されるポリグリセリンに、エチレンオキサイド叉はプロ
ピレンオキサイドを常法で付加反応させることによって
容易に得られる。ここで、一般式(I)で示されるポリ
メチロールとしては、例えば、1,3−ジヒドロキシプ
ロパン;2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプロ
パン;トリメチローリエタン;1,1,1−トリメチロ
ールプロパン;1,1,1−トリメチロールヘキサン;
1,1,1−トリメチロールドデカン;2−シクロヘキ
シル−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパ
ン;2−(p−メチルフェニル)−2−メチロール−
1、3−ジヒドロキシプロパン;ペンタエリスリトール
などが挙げられる。また、一般式(II)で示されるポリ
グリセリンとしては、例えば、グリセリン,ジグリセリ
ン,ヘキサグリセリン,オクタグリセリン,デカグリセ
リンなどが挙げられる。これらの化合物にエチレンオキ
サイド叉はプロピレンオキサイドを付加させて得られる
ポリオキシアルキレン化合物は、通常単一の化合物とし
て得ることは極めて困難であり、一般に複数の異なる構
造の化合物の混合物として得られるが、本発明の目的に
は全く問題なく用いることができる。さらに、一般式
(I)及び/又は(II)で示される多価アルコール化合
物を2種類以上用いて同時にエチレンオキシド又はプロ
ピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合
物を用いても差し支えない。
【0032】一般式(I)又は(II)で示される化合物
へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加量
は、用いる上記の化合物に含まれる水酸基の数に左右さ
れるため、一概には規定することはできないが、少なく
とも上記の化合物1モルに対してエチレンオキシド又は
プロピレンオキシドを2モル以上付加させることが好ま
しい。付加量の上限は、特にないが、一般的に付加量が
一般式(I)又は(II)で示される多価アルコール1モ
ルに対して50モルを超えると、得られたポリオキシア
ルキレン化合物の分子量が大きくなりすぎ、組成物を調
整する際の混合性が低下したり、成形後のブリードなど
の問題が生ずるために好ましくない。
【0033】ポリグリセリンエステルは、一般式 (III)
で示される有機カルボン酸叉はその等価体(例えば、ア
ルカリ金属塩,酸ハロゲン化物など)と一般式(II)で
示されるポリグリセリンとを一般に知られている方法
で、脱水縮合する事によって容易に製造する事ができ
る。ここで一般式 (III)の有機カルボン酸としては例え
ば酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,ヘキ
サン酸,カプリル酸,カプリン酸,ステアリン酸,オレ
イン酸,ラウリン酸,フェニル酢酸,フェニルプロピオ
ン酸,フェニル酪酸などが挙げられる。使用されるポリ
グリセリンエステル化合物は、分子内に2個以上の水酸
基を有することが必要である。従って、一般式(II)の
ポリグリセリンをエステル化する際の有機カルボン酸の
使用量は、ポリグリセリンに含まれる水酸基の個数を考
慮して決定する必要がある。
【0034】ポリグリセリンエステル化合物としては、
例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ
オレエート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモ
ノカプリレート、グリセリンモノヘキサノエート、グリ
セリンモノフェネチルエステル、グリセリンモノプロピ
オネート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリ
ンジステアレート、ジグリセリンモノオレエート、ジグ
リセリンモノヘキサノエート、ジグリセリンジオクタノ
エート、テトラグリセリンモノステアレート、テトラグ
リセリントリステアレート、テトラグリセリンテトラス
テアレート、テトラグリセリントリヘキサノエート、テ
トラグリセリンモノフェネチルエステル、ヘキサグリセ
リンモノステアレート、ヘキサグリセリンジステアレー
ト、ヘキサグリセリンペンタステアレート、ヘキサグリ
セリントリオレエート、ヘキサグリセリンモノラウレー
ト、ヘキサグリセリンペンタラウレート、デカグリセリ
ンモノステアレート、デカグリセリンオクタステアレー
ト、デカグリセリンペンタオレエート、デカグリセリン
ジラウレート、ペンタデカグリセリンジステアレート、
ペンタデカグリセリンデカオレエート、オクタデカグリ
セリンテトラステアレート等が挙げられる。これらのポ
リグリセリンエステルをは二種類以上併用する事もでき
る。
【0035】(b)成分である多価アルコール化合物の
使用量は、(a)成分である架橋性エチレン系共重合体
中に含まれるラジカル重合性酸無水物に由来する単位に
対して、多価アルコール化合物に含まれる水酸基の単位
のモル比が0.01〜10の範囲であり、0.05〜5
の範囲となることが好ましい。このモル比が0.01未
満であると、組成物に架橋構造を効果的な量で導入する
には不十分となる。一方、モル比が10を超えると、架
橋構造を効果的に導入する点において無意味であるだけ
でなく、コスト的に高くなるために好ましくない。
【0036】本発明に関する架橋性樹脂組成物に含まれ
る(c)成分である反応促進剤とは、エチレン系共重合
体中に含まれるラジカル重合性カルボン酸無水物に由来
する単位に含まれるカルボニル基を活性化し、水酸基と
酸無水物との反応を促進させる化合物である。このよう
な反応促進剤としては様々なものがあるが、その一例を
挙げれば、有機カルボン酸の金属塩がある。有機カルボ
ン酸の金属塩としては、炭素数1〜30の脂肪酸の金属
塩、例えば、酢酸,酪酸,オクタン酸,デカン酸,ラウ
リン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,
オレイン酸,ベヘン酸,オクテン酸,エルカ酸,エライ
ジン酸,アジピン酸,マロン酸,コハク酸,グルタル
酸,クエン酸,酒石酸,リンゴ酸,ジグリコール酸など
の脂肪族カルボン酸;安息香酸,クロロ安息香酸,アニ
ス酸,アミノ安息香酸,フタル酸,テレフタル酸,ナフ
トエ酸,ナフタレンジカルボン酸,ベンゼントリカルボ
ン酸などの芳香族カルボン酸などと周期表のIA族,II
A族,IIB族, IIIB族の金属(例えばLi,Na,
K,Mg,Ca,Zn,Al等)との塩が挙げられる。
さらに具体例を示せば、酢酸リチウム,酢酸ナトリウ
ム,酢酸マグネシウム,酢酸アルミニウム,酪酸カリウ
ム,酪酸カルシウム,酪酸亜鉛,オクタン酸ナトリウ
ム,オクタン酸カルシウム,デカン酸カリウム,デカン
酸マグネシウム,デカン酸亜鉛,ラウリン酸リチウム,
ラウリン酸ナトリウム,ラウリン酸カルシウム,ラウリ
ン酸アルミニウム,ミリスチン酸カリウム,ミリスチン
酸ナトリウム,ミリスチン酸アルミニウム,パルミチン
酸ナトリウム,パルミチン酸亜鉛,パルミチン酸マグネ
シウム,ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸カリウ
ム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,オレ
イン酸ナトリウム,ベヘン酸ナトリウムなどの脂肪族カ
ルボン酸の金属塩;安息香酸ナトリウム,安息香酸亜
鉛,フタル酸ナトリウム,フタル酸アルミニウム,テレ
フタル酸マグネシウム,ナフタレンジカルボン酸カルシ
ウムなどの芳香族カルボン酸の金属塩が挙げられる。こ
れらのうち、ラウリン酸リチウム,ラウリン酸ナトリウ
ム,ラウリン酸カルシウム,ラウリン酸アルミニウム,
ミリスチン酸カリウム,ミリスチン酸ナトリウム,ミリ
スチン酸アルミニウム,パルミチン酸ナトリウム,パル
ミチン酸亜鉛,パルミチン酸マグネシウム,ステアリン
酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,ステアリン酸カ
ルシウム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸ナトリウムが
好適である。
【0037】有機カルボン酸の金属塩の他の例として
は、カルボン酸の金属塩構造を有する重合体がある。こ
のような重合体としては、エチレンとラジカル重合性カ
ルボン酸のIA族,IIA族,IIB族, IIIB族の金属
(例えばLi,Na,K,Mg,Ca,Zn,Al等)
塩とを共重合した構造を有するもの、あるいはエチレン
とラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重
合性カルボン酸及び/またはその誘導体とを多元共重合
した構造を有するものが挙げられる。
【0038】更に、ポリエチレン,ポリプロピレン,エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂
に、該ラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離
の不飽和カルボン酸をグラフト重合し、その後に中和し
ても良い。)をグラフト重合させた構造を有するもの、
ポリオレフィン系重合体にラジカル重合性カルボン酸の
金属塩と他のラジカル重合性カルボン酸及び/またはそ
の誘導体を同時に共グラフト重合した構造を有するもの
が挙げられる。ここで用いられるラジカル重合性カルボ
ン酸及びその誘導体としては、(メタ)アクリル酸,マ
レイン酸,フマル酸,マレイン酸モノメチル,フマル酸
モノメチル,マレイン酸モノエチル,フマル酸モノエチ
ル,マレイン酸モノブチル,フマル酸モノブチル,(メ
タ)アクリル酸メチル,マレイン酸ジメチル,フマル酸
ジメチル,マレイン酸ジエチル,フマル酸ジエチル,マ
レイン酸ジブチル,フマル酸ジブチルなどが挙げられ
る。本発明に関わる反応促進剤の他の例としては、例え
ばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチ
ルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン等の三級アミ
ン化合物を挙げることができる。
【0039】また本発明に関わる反応促進剤の他の例と
しては、例えばテトラメチルアンモニウムテトラフルオ
ロボレート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロ
ホスフェート、テトラメチルアンモニウムブロミド、テ
トラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモ
ニウムヨージド、メチルトリ−n−ブチルアンモニウム
クロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラ
ヘキシルアンモニウムブロミド等の四級アンモニウム塩
を挙げることができる。
【0040】更に、本発明に関わる反応促進剤の別の例
としては、例えば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物や、塩化カル
シウム、臭化カルシウム、塩化マグネシウム等の金属ハ
ロゲン化物、或いは硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、
燐酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛、塩素酸カ
リウム、沃素酸ナトリウム等のオキソ酸の金属塩、さら
にはNaBF4 、KPF6、NaPCl6、NaFeCl4 、NaSnCl4 、NaSb
F6、NaAsF6、KAsCl6等のルイス酸の金属塩や、パラトル
塩スルホン酸ナトリウム,パラトル塩スルホン酸カリウ
ム、クロロエタンスルホン酸アルミニウム、エチルメタ
ンスルホン酸カルシウム、エチルエタンスルホン酸亜鉛
等の有機スルホン酸の金属塩を挙げることができる。
【0041】以上に例示した反応促進剤のうち、カルボ
キシル基を含む重合体の金属塩及び有機カルボン酸の金
属塩が好適に用いられる。また上記の各種の反応促進剤
を必要に応じて2種類以上併用することもできる。
(c)成分である反応促進剤の使用量は、(a)成分で
ある架橋性エチレン系共重合体100重量部に対して
0.001〜20重量部の範囲となることが必要であ
り、0.01〜15重量部の範囲となることが好まし
い。この量が0.001重量部未満であると、反応が遅
くなり過ぎて組成物中に架橋構造を効果的に導入するこ
とが困難となり、20重量部を超えると反応速度を向上
させる点で無意味であるばかりでなく、経済的にも好ま
しくない。
【0042】本発明に関わる架橋性樹脂組成物は、更に
ポリオレフィン系樹脂等の他の樹脂を、該架橋性樹脂組
成物を使用することによる効果が失われない範囲で混合
して用いることも可能である。ここで用いられる他の樹
脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム或
いはブロックコポリマー、低密度直鎖状ポリエチレン等
のポリオレフィン樹脂、ナイロン66等のポリアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹
脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂等が挙げられ
る。これらの他の樹脂の混合量は、一概に規定できない
が多くとも80重量%の範囲であることが望ましい。
【0043】以上述べたような、感熱接着性を有する熱
可塑性樹脂組成物及び耐熱ピンホール性を有する架橋性
樹脂組成物を用いて多層感熱接着フィルムが製造され
る。多層フィルムの製造に当たっては、2種3層の多層
ダイスを用いTダイスつきフィルム成形機或いはインフ
レーションフィルム成形機を使用することで一工程で所
望の多層フィルムが得られるが、場合によっては2種或
いは3種のフィルムを熱ロールラミネーション、ドライ
ラミネーション等の方法によって積層し多層フィルムと
することもできる。更には、2種2層フィルムに本発明
に関わる外層用熱可塑性樹脂組成物を押出ラミネートし
たり、該外層用熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムの
間に本発明に関わる架橋性樹脂組成物を押出しサンドラ
ミネートする方法も可能である。
【0044】多層感熱接着フィルムの各層及びトータル
の厚みは、最終的な多層構造物の用途及び接着条件によ
って大きく変わり得るので一概に規定することはできな
い。一般的な目安を記せば、各層の厚みは10〜75μ
m、トータル厚みとして30〜200μmであるが、む
ろんこの範囲外でも使用することが可能である。フィル
ムの取扱い易さ及び経済的な観点からは、あまり厚いフ
ィルムは好ましくなく、また逆に薄すぎると空気遮断性
が低下するため、適度な厚みのバランスを用途に応じて
考慮する必要がある。
【0045】次に本発明の多層感熱接着フィルムを用い
た多層構造物について説明する。本発明に関わる多層構
造物は表皮材と基板材を該多層感熱接着フィルムを利用
して積層した多層積層物であり、主に自動車内装材とし
て好適に用いられるものである。表皮材の具体例として
は、ポリエステル不織布,ナイロン不織布,各種織布,
起毛ニット,各種合成紙,ファブリック,スウェード調
合成皮革,塩化ビニル(塩ビ)レザー,ポリウレタンレ
ザー,ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーあるいは
これらの材料に発泡ウレタン,発泡ポリエチレン,発泡
ポリプロピレン等のクッション材を貼合したもの等が挙
げられる。基板材の具体例としては、レジンフェルト,
レジンウッド,ガラス繊維強化フェノール樹脂板,段ボ
ール,ポリプロピレンハニカム、ポリスチレンフォー
ム,ガラス繊維強化ポリプロピレン板,ガラス繊維強化
AS樹脂板,ABS樹脂板,AS樹脂板あるいはこれら
に不織布を貼り合せたもの等が挙げられる。これらのう
ち本発明にの効果が最も発揮されるのは、表皮材及び基
板材が通気性を有しており接着フィルムに空気遮断性が
要求される場合であり、具体的には表皮材として各種不
織布,各種織布,各種合成紙等の材料、基板材としてレ
ジンフェルト,レジンウッド,段ボール等が使用される
場合である。
【0046】本発明に関わる多層構造物を製造するにあ
たっては、種々の成形方法を採用することが可能であ
る。例えば、基板材を所定の温度に加熱し、真空成形機
にセットし、この上に多層感熱接着フィルムを置き、次
いで予め所定の温度に加熱した表皮材を重ねて真空圧着
する方法;表皮材に該フィルムを予め熱ロールラミネー
トにより積層仮接着しておき、所定の温度に加熱して真
空成形により基板材と接着する方法;表皮材及び基板材
の間に該フィルムを挟み、熱プレスする方法等が挙げら
れる。本発明による多層構造物は、自動車等の内装材料
として幅広く利用でき、特に表皮外部への水の染みだし
が完全に防止されている点で従来品に比較して大幅に性
能が向上する。以下本発明を参考例、実施例及び比較例
によって具体的に説明する。むろん、本発明は以下に掲
げる実施例によって限定されるものではない。
【0047】
【実施例】接着性エチレン系共重合体もしくは接着性エ
チレン系多元共重合体として、以下の樹脂を用いた。 (A)エチレン−アクリル酸2元共重合体〔MFR(J
IS−K7210,表1,条件4)は12、アクリル酸
に由来する単位の含有量は10重量%〕 (B)エチレン−グリシジルメタクリラート−酢酸ビニ
ル3元共重合体〔MFR(JIS−K7210,表1,
条件4)は8、グリシジルメタクリラートに由来する単
位の含有量は7重量%、酢酸ビニルに由来する単位の含
有量は3重量%〕 (C)エチレン−酢酸ビニル2元共重合体〔MFR(J
IS−K7210,表1,条件4)は15、酢酸ビニル
に由来する単位の含有量は15重量%〕 (D)エチレン−メタクリル酸メチル−無水イタコン酸
3元共重合体〔MFR(JIS−K7210,表1,条
件4)は20、メタクリル酸メチルに由来する単位の含
有量は25重量%、無水イタコン酸に由来する単位の含
有量は3.5重量%〕 (E)エチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸
3元共重合体〔MFR(JIS−K7210,表1,条
件4)は10、メタクリル酸メチルに由来する単位の含
有量は8重量%、無水イタコン酸に由来する単位の含有
量は2.5重量%〕 (F)エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸3
元共重合体〔MFR(JIS−K7210,表1,条件
4)は12、アクリル酸メチルに由来する単位の含有量
は14重量%、無水イタコン酸に由来する単位の含有量
は2.5重量%〕 架橋性樹脂組成物の製造例を、以下の参考例に記す。む
ろん本発明は以下の参考例で限定されるものではない。
【0048】<参考例1>架橋性エチレン系共重合体と
してエチレン−メタクリル酸メチル−無水イタコン酸3
元共重合体〔MFR(JIS−K7210,表1,条件
4)は25、メタクリル酸メチルに由来する単位の含有
量は20重量%、無水イタコン酸に由来する単位の含有
量は3.5重量%〕を97.5重量%、多価アルコール
としてヘキサグリセリンの4モルエチレンオキシド付加
体(以下TMP−POと略す)を2.0重量%、反応促
進剤としてステアリン酸カルシウム0.5重量%をヘン
シェルミキサーでドライブレンドした後、37mmφ同
方向二軸押出機を用い220℃で溶融混練し、架橋性樹
脂組成物(1)のペレットを得た。
【0049】<参考例2>架橋性エチレン系共重合体と
してエチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸3元
共重合体〔MFR(JIS−K7210,表1,条件
4)は8、アクリル酸メチルに由来する単位の含有量は
18重量%、無水マレイン酸に由来する単位の含有量は
2.5重量%〕を93.5重量%、多価アルコールとし
てトリメチロールプロパンの4モルプロピレンオキシド
付加体を1.5重量%、反応促進剤としてエチレン−メ
タクリル酸共重合体(メタクリル酸含有量10重量%)
のZn塩(メタクリル酸に由来する単位の20モル%を
中和)5重量%をヘンシェルミキサーでドライブレンド
した後、37mmφ同方向二軸押出機を用い220℃で
溶融混練し、架橋性樹脂組成物(2)のペレットを得
た。
【0050】<参考例3>架橋性エチレン系共重合体と
してエチレン−無水マレイン酸2元共重合体〔MFR
(JIS−K7210,表1,条件4)は12、無水マ
レイン酸に由来する単位の含有量は2.5重量%〕を9
4.0重量%、多価アルコールとしてデカグリセリンジ
ラウレートを1.0重量%、反応促進剤としてエチレン
−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含有量10重量
%)のZn塩(メタクリル酸に由来する単位の20モル
%を中和)5重量%をヘンシェルミキサーでドライブレ
ンドした後、37mmφ同方向二軸押出機を用い220
℃で溶融混練し、架橋性樹脂組成物(3)のペレットを
得た。
【0051】<実施例A1>2種3層Tダイスを有する
多層Tダイスフィルム成形機を用い、接着性エチレン系
共重合体として2元共重合体(A)を用いこれを両外
層、参考例1の架橋性樹脂組成物(1)を中間層とす
る、両外層の厚み各20μm、中間層の厚み40μm、
トータル厚み80μmの2種3層フィルムを製造した。
成形温度はダイス部で210℃、成形速度は25m/分
であった。各層の構成を表1に示す。
【0052】<実施例A2〜A6>接着性共重合体及び
架橋性樹脂組成物として表1に示すような組成のものを
各々使用し、実施例1と同様の方法で2種3層の多層感
熱接着フィルムを得た。得られた各フィルムの構成を表
1に示す。
【0053】<実施例A7>接着性エチレン系共重合体
として2元共重合体(C)80重量%、低密度ポリエチ
レン〔MFR:10g/10分,密度(JIS−K67
60):0.916g/cc,結晶融点:105℃〕1
5重量%及び粘着付与材〔荒川化学社製石油樹脂アルコ
ンP100:軟化点100℃〕5重量%を、タンブラー
ミキサーでドライブレンドした後、65mmφスクリュ
ーつき単軸押出機を用いて樹脂温度170℃で溶融混合
し、ペレット化した接着性樹脂組成物を得た。次に2種
3層Tダイスを有する多層Tダイスフィルム成形機を用
い、上記接着性樹脂組成物を両外層、参考例1の架橋性
樹脂組成物(1)を中間層とする、両外層の厚み各20
μm、中間層の厚み40μm、トータル厚み80μmの
2種3層フィルムを製造した。成形温度はダイス部で2
10℃、成形速度は20m/分であった。各層の構成を
表1に示す。
【0054】<実施例A8>接着性エチレン系多元共重
合体として3元共重合体(E)80重量%、低密度ポリ
エチレン〔MFR:10g/10分,密度(JIS−K
6760):0.916g/cc,結晶融点:105
℃〕15重量%及び共重合ナイロン〔富士化成工業(
株) 製トーマイド#1350,粘度2900cP(20
0℃),軟化点:150℃〕5重量%を、タンブラーミ
キサーでドライブレンドした後、65mmφスクリュー
つき単軸押出機を用いて樹脂温度170℃で溶融混合
し、ペレット化した熱可塑性樹脂組成物を得た。次に2
種3層Tダイスを有する多層Tダイスフィルム成形機を
用い、上記熱可塑性樹脂組成物を両外層、参考例3の架
橋性樹脂組成物(2)を中間層とする、両外層の厚み各
20μm、中間層の厚み20μm、トータル厚み60μ
mの2種3層フィルムを製造した。成形温度はダイス部
で210℃、成形速度は30m/分であった。各層の構
成を表1に示す。
【0055】<比較例A1>2種3層Tダイスを有する
多層Tダイスフィルム成形機を用い、接着性エチレン系
共重合体として2元共重合体(A)を用いこれを両外
層、直鎖状低密度ポリエチレン〔MFR:4.5g/1
0分,密度(JIS−K6760):0.927g/c
c,ビカット軟化点(JIS−K7121):105
℃〕を中間層とする、両外層の厚み各20μm、中間層
の厚み20μm、トータル厚み60μmの2種3層フィ
ルムを製造した。成形温度はダイス部で200℃、成形
速度は25m/分であった。各層の構成を表1に示す。
【0056】<比較例A2>2種3層Tダイスを有する
多層Tダイスフィルム成形機を用い、接着性エチレン系
共重合体として3元共重合体(D)を用いこれを両外
層、低密度ポリエチレン〔MFR:5.0g/10分,
密度(JIS−K6760):0.921g/cc,ビ
カット軟化点(JIS−K6760):92℃〕を中間
層とする、両外層の厚み各20μm、中間層の厚み40
μm、トータル厚み80μmの2種3層フィルムを製造
した。成形温度はダイス部で200℃、成形速度は25
m/分であった。各層の構成を表1に示す。
【0057】<実施例B1>実施例A1で得られた多層
感熱接着フィルムを用い、表皮材としてポリエステル不
織布、基板材として2mm厚のレジンフェルトを用い、
熱プレス(120℃、20秒、2kg/cm2 の条件)
で熱接着させて多層構造物を製造した。得られた多層構
造物を25mm幅の試験片に切り出し、180℃剥離試
験(試験温度23℃)を実施した。接着界面は全く剥離
せず、基板材が材料破壊した。参考までにその強度は
2.5kg/25mm幅であった。従って、得られた多
層構造物は積層物として十分な接着強度を有している。
次に、空気遮断性を確認するために、得られた多層構造
物の基板材側に赤色インクを5ml垂らし、表皮材側へ
の赤色インクの染み出しを、目視観察した。その結果赤
色インクの染み出しは全く見られず、十分な空気遮断性
を有していることが確認された。以上の結果を表2に示
す。以上の結果から、本発明に関わる多層構造物は実用
上極めて有用な材料であることがわかる。
【0058】<実施例B2〜16>多層感熱接着フィル
ム、表皮、及び基板材をそれぞれ表2に示すものを使用
し、実施例B1と同様の方法で多層構造物を得、接着性
及び空気遮断性の評価を行った。得られた結果を表2に
示す。
【0059】<比較例B1>多層感熱接着フィルムとし
て比較例A1で得られた2種3層フィルムを用いた他は
実施例B1と同様にして多層構造物を得た。接着性は十
分な強度が得られたが、空気遮断性の評価を行った結
果、表皮材側への赤色インクの染み出しが見られ、耐熱
ピンホール性が不十分であることが判った。
【0060】<比較例B2>多層感熱接着フィルムとし
て比較例A2で得られた2種3層フィルムを用いた他は
実施例B1と同様にして多層構造物を得た。接着性は十
分な強度が得られたが、空気遮断性の評価を行った結
果、表皮材側への赤色インクの染み出しが見られ、耐熱
ピンホール性が不十分であることが判った。
【0061】<比較例B3>多層感熱接着フィルムの替
わりに、2元共重合体(A)を成形して得られた厚さ6
0μmの単層フィルムを用いた他は実施例B1と同様に
して多層構造物を得た。接着性は十分な強度が得られた
が、空気遮断性の評価を行った結果、表皮材側への赤色
インクの染み出しが見られ、耐熱ピンホール性が不十分
であることが判った。
【0062】<比較例B4>多層感熱接着フィルムの替
わりに、参考例3の架橋性樹脂組成物(3)を成形して
得られた厚さ60μmの単層フィルムを用いた他は実施
例B1と同様にして多層構造物を得た。実施例B1と同
様にして接着性を評価したが、界面剥離となり良好な多
層構造物が得られなかった。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明の多層感熱接着フィルムは、自動
車内装材料等の多層構造物を製造する際の接着層として
好適であり、接着性能、空気遮断性の点で優れた多層構
造体を与える。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−1877(JP,A) 特開 平7−81008(JP,A) 特開 平5−147175(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C09J 7/00 - 7/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両外層が、エチレンと、エチレンと共重
    合可能な不飽和カルボン酸,不飽和カルボン酸アルキル
    エステル,エポキシ基含有不飽和カルボン酸エステル,
    アミノ基含有不飽和カルボン酸エステル,ビニルエステ
    ルから選ばれる1種以上のコモノマーからなり、コモノ
    マーに由来する単位の割合が1重量%〜50重量%であ
    る接着性エチレン系共重合体を主成分とする熱可塑性樹
    脂組成物であり、中間層が(a)エチレンと少なくとも
    ラジカル重合性酸無水物を構成モノマ−として含む共重
    合体であり、その共重合体中のラジカル重合性酸無水物
    に由来する単位の割合が0.1〜5重量%であり、その
    他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位を30重
    量%以下の範囲で含んでいてもよい架橋性エチレン系共
    重合体、(b)分子内に2個以上の水酸基を有する多価
    アルコ−ル化合物及び(c)反応促進剤を含有し、
    (a)成分中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位
    に対し、(b)成分である多価アルコ−ル化合物中の水
    酸基の単位のモル比が0.01〜10の範囲であり、且
    つ(c)成分である反応促進剤が(a)成分である架橋
    性エチレン系共重合体100重量部に対して0.001
    〜20重量部の範囲である架橋性樹脂組成物である3層
    構造を有する、空気遮断性の良好な多層感熱接着フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 両外層が、エチレンとラジカル重合性酸
    無水物及びこれ以外のラジカル重合性コモノマーからな
    り、ラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合が
    0.1重量%〜20重量%、他のラジカル重合性コモノ
    マーに由来する単位の割合が3重量%〜50重量%であ
    る接着性エチレン系多元共重合体を主成分とする熱可塑
    性樹脂組成物であり、中間層が(a)エチレンと少なく
    ともラジカル重合性酸無水物を構成モノマ−として含む
    共重合体であり、その共重合体中のラジカル重合性酸無
    水物に由来する単位の割合が0.1〜5重量%であり、
    その他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位を3
    0重量%以下の範囲で含んでいてもよい架橋性エチレン
    系共重合体、(b)分子内に2個以上の水酸基を有する
    多価アルコ−ル化合物及び(c)反応促進剤を含有し、
    (a)成分中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位
    に対し、(b)成分である多価アルコ−ル化合物中の水
    酸基の単位のモル比が0.01〜10の範囲であり、且
    つ(c)成分である反応促進剤が(a)成分である架橋
    性エチレン系共重合体100重量部に対して0.001
    〜20重量部の範囲である架橋性樹脂組成物である3層
    構造を有する、空気遮断性の良好な多層感熱接着フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 架橋性樹脂組成物において、(b)成分
    である多価アルコール化合物が、下記一般式(I) (R1a C(CHOH)b (I) 〔式中、R1 は水素、炭素原子数1〜12個の鎖状ある
    いは環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは0〜
    2の整数を表し、bは2〜4の整数を表しかつa+b=
    4を満足するように選択される。〕で表されるポリメチ
    ロール、叉は下記一般式(II) HO−CH2 CH(OH)CH2 O[CH2 CH(OH)CH2 O]c −H (II) 〔式中、cは0〜10の整数である。〕で示されるポリ
    グリセリンに、エチレンオキシド叉はプロピレンオキシ
    ドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレン化合
    物である、請求項1または2記載の多層感熱接着フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 架橋性樹脂組成物において、(c)成分
    である反応促進剤が、カルボキシル基を含む重合体の金
    属塩叉は有機カルボン酸の金属塩である請求項1ないし
    3のいずれかに記載の多層感熱接着フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の多
    層感熱接着フィルムを使用して表皮材と基板材を接着し
    た多層構造物。
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