JP3515613B2 - 耐熱性感熱接着剤及び該接着剤を用いる多層積層体 - Google Patents

耐熱性感熱接着剤及び該接着剤を用いる多層積層体

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JP3515613B2 JP16237394A JP16237394A JP3515613B2 JP 3515613 B2 JP3515613 B2 JP 3515613B2 JP 16237394 A JP16237394 A JP 16237394A JP 16237394 A JP16237394 A JP 16237394A JP 3515613 B2 JP3515613 B2 JP 3515613B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性感熱接着剤及び
該接着剤を用いた多層積層体に関する。詳しくは、日常
利用される広範な種類の基材に対して強固な接着力を有
し且つ耐熱性に優れ、特に、低温熱接着性と高温耐熱ク
リープ性の双方を同時に要求される自動車,車両,船
舶,住居等の内装材料用多層積層体の接着層に使用され
る接着剤として好適な、特定の樹脂組成物からなる感熱
接着剤及び該接着剤を用いてなる多層積層体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種の多層積層体の接着層
に、ホットメルト型接着剤が使用されている。ホットメ
ルト型接着剤は溶剤型の接着剤と異なり、接着時に塗
装,乾燥,エージング等の作業が不要で作業工程が簡単
なこと、また、有機溶剤の使用に伴う労働衛生上の悪影
響や火災の危険性等の問題を生じないことから広範に使
用されている。
【0003】その反面ホットメルト型接着剤は、一般に
溶剤型接着剤に比べて接着強度が不十分であり、特に耐
熱クリープ性に劣る場合が多く、用途によっては接着性
が充分でないという問題が指摘されていた。例えば、自
動車、車両、船舶、住居、その他の建築物等の内装材料
として、室内の居住性や美観を高めるための表皮材と、
機能性を保持し高めるための基板材を積層した多層積層
体が使用されているが、この多層積層体の接着層として
従来使用されているエチレン−アクリル酸エステル−無
水マレイン酸三元共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体または低
融点の共重合ナイロン等のホットメルト型接着剤は、炎
天下の車内温度のような高温(80℃前後)に長時間置
かれると、タレや剥がれを生じ易いという欠点を有す
る。また、接着に際して加熱温度を120℃以上の比較
的高温とすれば接着強度を高めることができるが、この
場合には表皮材の損傷を招きやすいという欠点を有す
る。
【0004】また、ホットメルト型接着剤は、基材(表
皮材及び基板材を含む)の種類によっては充分な接着性
が得られないという問題もあった。例えば、基材の表面
にウレタン塗料が塗布されている場合や、基材が発泡ウ
レタン系の場合または基材が射出成形されたポリプロピ
レンであって表面が平滑な場合等では、充分な接着強度
が得られず、基材層の剥離を生じやすい。このような場
合には、あらかじめ基材の表面にアンカーコート剤を塗
布する等特殊な処理を施すか、またはホットメルト型接
着剤に代えて溶剤型接着剤を使用する等の処置が必要と
なるが、前者は作業工程が複雑になり製造コストの上昇
を招くという欠点を有し、後者は有機溶剤を使用するこ
とによる環境、衛生上の問題を有する。
【0005】また、従来多層積層体を得るための積層接
着方法としては熱プレスや熱ロールを用いる方法の他、
真空圧着による方法も用いられている。熱プレスや熱ロ
ールによる方法では、充分な圧力を得ることができるた
め従来の感熱型接着剤の使用も可能であったが、真空圧
着方法では最大でも760mmHg/cm2 の圧力しか
得られないために、従来のエチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物、エチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体や共重合ナ
イロン等の感熱型接着剤では極めて弱い接着強度しか得
られず、溶剤系の接着剤を用いるほかなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、広範な用途の積層体の接着層として使用で
き、特に自動車等の内装材料の接着層として使用した場
合に、表皮材及び基板材に対して良好な低温接着性と耐
熱クリープ性を同時に満足する接着剤を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン系
多元共重合体と、分子内に水酸基を少なくとも二つ以上
有する多価アルコール化合物及び反応促進剤からなる接
着性樹脂組成物が、広範な基材に対して高い接着力およ
び耐熱クリープ性を有することを見出した。本発明はか
かる知見に基づいて完成したものである。
【0008】即ち、本発明は(1)エチレンとラジカル
重合性酸無水物及びこれ以外のラジカル重合性コモノマ
ーからなる多元共重合体であり、共重合体中のラジカル
重合性酸無水物に由来する単位の割合が0.1重量%以
上で5重量%以下、他のラジカル重合性コモノマーに由
来する単位の割合が10重量%以上で50重量%以下で
あるエチレン系共重合体、 (2)成分(1)中のラジカル重合性酸無水物に由来す
る単位に対し、多価アルコール化合物中の水酸基の単位
のモル比が0.01〜10の範囲の分子内に水酸基を少
なくとも二つ有する多価アルコール化合物、 (3)成分(1)であるエチレン系共重合体100重量
部に対して0.001〜20重量部含む反応促進剤から
なる組成物及び (4)前記組成物100重量部に対して、低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイ
ソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−3−
メチルブテン−1、ポリ−メチルペンテン−1、ポリ
ブタジエンから選ばれた少なくとも1種のポリオレフィ
ン系樹脂を5〜80重量部をを配合したことを特徴とす
る耐熱性感熱接着剤並びに該接着剤を用いる多層積層体
並びに自動車の内装用材料を提供するものである。
【0009】本発明に関わる成分(1)であるエチレン
系共重合体は、エチレン,ラジカル重合性酸無水物及び
該ラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重合性コモノ
マーからなる多元共重合体である。ここで、ラジカル重
合性酸無水物とは、分子中にラジカル重合可能な不飽和
結合と酸無水物基を各々1個以上有し、重合によって酸
無水物基を分子中に導入できるような化合物を意味す
る。酸無水物基は環状のものが好ましい。このような化
合物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水エンディック酸、ドデセニ
ル無水コハク酸,1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無
水物,炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有
するアルカジエニル無水コハク酸等が挙げられる。これ
らは単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いて
も差し支えない。これらのなかでは、無水マレイン酸、
無水イタコン酸が特に好ましい。
【0010】成分(1)であるエチレン系共重合体中の
ラジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合は、0.
1〜5重量%の範囲であることが必要であり、好ましく
は0.5〜4.5重量%の範囲であり、特に好ましいの
は1.0〜3.5重量%の範囲である。ラジカル重合性
酸無水物の割合が0.1重量%未満では、接着性能が不
足して良好な接着強度が得られない上に、充分な架橋密
度が得られないために充分な耐熱クリープ性が得られな
い。また、5重量%を超えると、接着強度の向上効果は
もはや殆ど無く、更には、コストの上昇によって商業的
に製造することが困難となるため好ましくない。
【0011】成分(1)であるエチレン系共重合体を構
成する、ラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重合性
コモノマーとしては、様々な化合物があり、例えば、エ
チレン系不飽和エステル化合物、エチレン系不飽和アミ
ド化合物、エチレン系不飽和酸化合物、エチレン系不飽
和エーテル化合物、エチレン系不飽和炭化水素化合物、
その他の化合物等をあげられる。これらを具体的に記す
と、エチレン系不飽和エステル化合物としては、例え
ば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸ベンジル、フマル酸メチル、
フマル酸エチル、フマル酸プロピル、フマル酸ブチル、
フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチ
ル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸
ジブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレ
イン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレ
イン酸ジブチル等が挙げられる。エチレン系不飽和アミ
ド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、
N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルア
ミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシ
ル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げ
られる。エチレン系不飽和酸化合物としては、例えば
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げら
れる。エチレン系不飽和エーテル化合物としては、例え
ば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクタ
デシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等が挙
げられる。エチレン系不飽和炭化水素化合物としては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ノルボルネ
ン、ブタジエン等が挙げられる。その他の化合物として
は、例えば、(メタ)アクリロニトリル、アクロレイ
ン、クロトンアルデヒド、トリメトキシビニルシラン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルアセトアミド
等が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸ブチルが、特に好ましい化合物として挙げられる。そ
して、これらのモノマーは、単独で、あるいは2種類以
上を併用しても差し支えない。
【0012】成分(1)であるエチレン系共重合体中の
ラジカル重合性コモノマーに由来する単位の割合は、1
0〜50重量%の範囲であり、好ましくは10〜40重
量%の範囲、更に好ましくは12〜35重量%の範囲で
ある。ここで、ラジカル重合性コモノマーの割合が10
重量%未満では、エチレン系共重合体の結晶融点が充分
に低くならず、低温接着性を充分に発揮することができ
ない。また、50重量%を超えると、樹脂の取扱いが困
難になるとともに、製品の耐熱性が低下する。上記の成
分(1)であるエチレン系共重合体の製造方法としては
ラジカル重合、溶液重合等種々の方法を用いることが可
能であるが、一般的には通常の高圧法低密度ポリエチレ
ンの製造設備及びその技術を利用して製造される。成分
(1)であるエチレン系共重合体は、比較的に低温で融
解し、各種基材との物理化学的相互作用、反応性に富ん
でいるために、本発明の樹脂組成物が、低温成形の際に
おいても高い接着力を発揮するのに大きな役割を果た
す。
【0013】本発明に関わる成分(2)の分子内に水酸
基を少なくとも2つ以上有する多価アルコール化合物と
は、2つ以上の水酸基を有する化合物をいい、いわゆる
架橋剤としての作用を有するものである。そのような多
価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコ
ール、グリセリン、1,4ブタンジオール、1,6ヘキ
サンジオール、1,8オクタンジオール、1,10デカ
ンジオール、トリメチロールメタン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
などのアルコール化合物;ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール等のポ
リエチレングリコール;ジグリセリン、トリグリセリ
ン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン;アルビト
ール、ソルビトール、キシロース、アラビノース、グル
コース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、パ
ラチノース、マルトトリオース、マレジトース、ソルビ
タン等の糖類;これらの糖類の脱水縮合物;上記の各種
化合物にエチレンオキサイド叉はプロピレンオキサイド
を付加させたポリオキシアルキレン化合物;上記の各種
化合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;
上記のポリオキシアルケニレン化合物を更にカルボン酸
で部分的にエステル化した化合物;上記の部分的にエス
テル化した化合物に更にエチレンオキシド叉はプロピレ
ンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;
エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルア
ルコール、水酸基を2以上有するポリオレフィン系オリ
ゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート共重合体などの水酸基を2以上有する重合体などを
挙げることができる。多価アルコール化合物の融点は3
00℃以下であることが好ましい。また、これらの多価
アルコール化合物は2種類以上同時に併用しても差し支
えない。
【0014】成分(2)である多価アルコール化合物と
して特に好ましいのは、以下に示す多価アルコールの中
から選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの
化合物は、いわゆる架橋剤としての作用を有することに
加えて、本発明に関わる接着性樹脂組成物に熱安定性を
与え、比較的高温で成形する場合において、成形体にゲ
ル,ブツなどが発生するのを防止する作用を有する。先
ず、下記一般式(I) (R1a C(CH2 OH)b (I) [式中、R1 は水素、炭素原子数1〜12個の鎖状ある
いは環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは0〜
2の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、かつa+b
=4を満足するように選択される。]または下記一般式
(II) CH2 (OH)CH(OH)CH2 O[CH2 CHOHCH2 O]m H(II) [式中、mは0〜10の整数である。]で示される多価
アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
ン化合物、及び下記一般式(III) R2 −COOH (III) [式中、R2 は炭素数2〜25個の鎖状アルキル基、環
状アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示
す。]で示される有機カルボン酸化合物と、前記一般式
(II)で示されるポリグリセリンとを脱水縮合して得ら
れる、分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリ
ンエステルのうち1種以上である。
【0015】上記のポリオキシアルキレン化合物は、一
般式(I)で示されるポリメチロール、叉は(II)で示
されるポリグリセリンに、エチレンオキサイド叉はプロ
ピレンオキサイドを常法で付加反応させることによって
容易に得られる。ここで、一般式(I)で示されるポリ
メチロールとしては、例えば、1,3−ジヒドロキシプ
ロパン;2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプロ
パン;トリメチロールエタン;1,1,1−トリメチロ
ールプロパン;1,1,1−トリメチロールヘキサン;
1,1,1−トリメチロールドデカン;2−シクロヘキ
シル−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパ
ン;2−(p−メチルフェニル)−2−メチロール−
1,3−ジヒドロキシプロパン;ペンタエリスリトール
などが挙げられる。また、一般式(II)で示されるポリ
グリセリンとしては、例えば、グリセリン,ジグリセリ
ン,ヘキサグリセリン,オクタグリセリン,デカグリセ
リンなどが挙げられる。これらの化合物にエチレンオキ
サイド叉はプロピレンオキサイドを付加させて得られる
ポリオキシアルキレン化合物は、通常単一の化合物とし
て得ることは極めて困難であり、一般に複数の異なる構
造の化合物の混合物として得られるが、本発明の目的に
は全く問題なく用いることができる。さらに、一般式
(I)及び/又は(II)で示される多価アルコール化合
物を2種類以上用いて同時にエチレンオキシド又はプロ
ピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合
物を用いても差し支えない。
【0016】一般式(I)又は(II)で示される化合物
へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加量
は、用いる上記の化合物に含まれる水酸基の数に左右さ
れるため、一概には規定することはできないが、少なく
とも上記の化合物1モルに対してエチレンオキシド又は
プロピレンオキシドを2モル以上付加させることが好ま
しい。付加量の上限は、特にないが、一般的に付加量が
一般式(I)又は(II)で示される多価アルコール1モ
ルに対して50モルを超えると、得られたポリオキシア
ルキレン化合物の分子量が大きくなりすぎ、組成物を調
整する際の混合性が低下したり、成形後のブリードなど
の問題が生ずるために好ましくない。
【0017】ポリグリセリンエステルは、一般式(III)
で示される有機カルボン酸叉はその等価体(例えば、ア
ルカリ金属塩,酸ハロゲン化物など)と一般式(II)で
示されるポリグリセリンとを一般に知られている方法
で、脱水縮合する事によって容易に製造する事ができ
る。ここで一般式(III)の有機カルボン酸としては例え
ば酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,ヘキ
サン酸,カプリル酸,カプリン酸,ステアリン酸,オレ
イン酸,ラウリン酸,フェニル酢酸,フェニルプロピオ
ン酸,フェニル酪酸などが挙げられる。使用されるポリ
グリセリンエステル化合物は、分子内に2個以上の水酸
基を有することが必要である。従って、一般式(II)の
ポリグリセリンをエステル化する際の有機カルボン酸の
使用量は、ポリグリセリンに含まれる水酸基の個数を考
慮して決定する必要がある。
【0018】ポリグリセリンエステル化合物としては、
例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ
オレエート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモ
ノカプリレート、グリセリンモノヘキサノエート、グリ
セリンモノフェネチルエステル、グリセリンモノプロピ
オネート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリ
ンジステアレート、ジグリセリンモノオレエート、ジグ
リセリンモノヘキサノエート、ジグリセリンジオクタノ
エート、テトラグリセリンモノステアレート、テトラグ
リセリントリステアレート、テトラグリセリンテトラス
テアレート、テトラグリセリントリヘキサノエート、テ
トラグリセリンモノフェネチルエステル、ヘキサグリセ
リンモノステアレート、ヘキサグリセリンジステアレー
ト、ヘキサグリセリンペンタステアレート、ヘキサグリ
セリントリオレエート、ヘキサグリセリンモノラウレー
ト、ヘキサグリセリンペンタラウレート、デカグリセリ
ンモノステアレート、デカグリセリンオクタステアレー
ト、デカグリセリンペンタオレエート、デカグリセリン
ジラウレート、ペンタデカグリセリンジステアレート、
ペンタデカグリセリンデカオレエート、オクタデカグリ
セリンテトラステアレート等が挙げられる。これらのポ
リグリセリンエステルは二種類以上併用する事もでき
る。
【0019】成分(2)である多価アルコール化合物の
使用量は、成分(1)のエチレン系共重合体中に含まれ
るラジカル重合性酸無水物に由来する単位に対して、多
価アルコール化合物に含まれる水酸基の単位のモル比が
0.01〜10の範囲であることが必要であり、0.0
5〜5の範囲であることが好ましい。このモル比が0.
01未満であると、組成物に架橋構造を効果的な量で導
入するには不十分となる。一方、モル比が10を超える
と、架橋構造を効果的に導入する点において無意味であ
るだけでなく、コスト的に高くなるために好ましくな
い。
【0020】本発明に関する成分(3)である反応促進
剤とは、エチレン系共重合体中に含まれるラジカル重合
性カルボン酸無水物に由来する単位に含まれるカルボニ
ル基を活性化し、水酸基と酸無水物との反応を促進させ
る化合物である。このような反応促進剤としては様々な
ものがあるが、その一例を挙げれば、有機カルボン酸の
金属塩がある。有機カルボン酸の金属塩としては、炭素
数1〜30の脂肪酸の金属塩、例えば、酢酸,酪酸,オ
クタン酸,デカン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パル
ミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,ベヘン酸,オク
テン酸,エルカ酸,エライジン酸,アジピン酸,マロン
酸,コハク酸,グルタル酸,クエン酸,酒石酸,リンゴ
酸,ジグリコール酸などの脂肪族カルボン酸;安息香
酸,クロロ安息香酸,アニス酸,アミノ安息香酸,フタ
ル酸,テレフタル酸,ナフトエ酸,ナフタレンジカルボ
ン酸,ベンゼントリカルボン酸などの芳香族カルボン酸
などと周期表のIA族,IIA族,IIB族, IIIB族の金
属(例えばLi,Na,K,Mg,Ca,Zn,Al
等)との塩が挙げられる。さらに具体例を示せば、酢酸
リチウム,酢酸ナトリウム,酢酸マグネシウム,酢酸ア
ルミニウム,酪酸カリウム,酪酸カルシウム,酪酸亜
鉛,オクタン酸ナトリウム,オクタン酸カルシウム,デ
カン酸カリウム,デカン酸マグネシウム,デカン酸亜
鉛,ラウリン酸リチウム,ラウリン酸ナトリウム,ラウ
リン酸カルシウム,ラウリン酸アルミニウム,ミリスチ
ン酸カリウム,ミリスチン酸ナトリウム,ミリスチン酸
アルミニウム,パルミチン酸ナトリウム,パルミチン酸
亜鉛,パルミチン酸マグネシウム,ステアリン酸ナトリ
ウム,ステアリン酸カリウム,ステアリン酸カルシウ
ム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸ナトリウム,ベヘン
酸ナトリウムなどの脂肪族カルボン酸の金属塩;安息香
酸ナトリウム,安息香酸亜鉛,フタル酸ナトリウム,フ
タル酸アルミニウム,テレフタル酸マグネシウム,ナフ
タレンジカルボン酸カルシウムなどの芳香族カルボン酸
の金属塩が挙げられる。これらのうち、ラウリン酸リチ
ウム,ラウリン酸ナトリウム,ラウリン酸カルシウム,
ラウリン酸アルミニウム,ミリスチン酸カリウム,ミリ
スチン酸ナトリウム,ミリスチン酸アルミニウム,パル
ミチン酸ナトリウム,パルミチン酸亜鉛,パルミチン酸
マグネシウム,ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸
カリウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸亜
鉛,オレイン酸ナトリウムが好適である。
【0021】有機カルボン酸の金属塩の他の例として
は、カルボン酸の金属塩構造を有する重合体がある。こ
のような重合体としては、エチレンとラジカル重合性カ
ルボン酸のIA族,IIA族,IIB族, IIIB族の金属
(例えばLi,Na,K,Mg,Ca,Zn,Al等)
塩とを共重合した構造を有するもの、あるいはエチレン
とラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重
合性カルボン酸及び/またはその誘導体とを多元共重合
した構造を有するものが挙げられる。
【0022】更に、ポリエチレン,ポリプロピレン,エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂
に、該ラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離
の不飽和カルボン酸をグラフト重合し、その後に中和し
ても良い。)をグラフト重合させた構造を有するもの、
ポリオレフィン系重合体にラジカル重合性カルボン酸の
金属塩と他のラジカル重合性カルボン酸及び/またはそ
の誘導体を同時に共グラフト重合した構造を有するもの
が挙げられる。ここで用いられるラジカル重合性カルボ
ン酸及びその誘導体としては、(メタ)アクリル酸,マ
レイン酸,フマル酸,マレイン酸モノメチル,フマル酸
モノメチル,マレイン酸モノエチル,フマル酸モノエチ
ル,マレイン酸モノブチル,フマル酸モノブチル,(メ
タ)アクリル酸メチル,マレイン酸ジメチル,フマル酸
ジメチル,マレイン酸ジエチル,フマル酸ジエチル,マ
レイン酸ジブチル,フマル酸ジブチルなどが挙げられ
る。
【0023】本発明に関わる反応促進剤の他の例として
は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメ
チルエチルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン等の
三級アミン化合物を挙げることができる。また本発明に
関わる反応促進剤の他の例としては、例えばテトラメチ
ルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチル
アンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチ
ルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブ
ロミド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルト
リ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルア
ンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロ
ミド等の四級アンモニウム塩を挙げることができる。更
に、本発明に関わる反応促進剤の別の例としては、例え
ば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム等の金属水酸化物や、塩化カルシウム、臭化カ
ルシウム、塩化マグネシウム等の金属ハロゲン化物、或
いは硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、燐酸カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛、塩素酸カリウム、沃素
酸ナトリウム等のオキソ酸の金属塩、さらにはNaBF4
KPF6、NaPCl6、NaFeCl4 、NaSnCl4 、NaSbF6、NaAsF6
KAsCl6等のルイス酸の金属塩や、パラトル塩スルホン酸
ナトリウム,パラトル塩スルホン酸カリウム、クロロエ
タンスルホン酸アルミニウム、エチルメタンスルホン酸
カルシウム、エチルエタンスルホン酸亜鉛等の有機スル
ホン酸の金属塩を挙げることができる。
【0024】以上に例示した反応促進剤のうち、カルボ
キシル基を含む重合体の金属塩及び有機カルボン酸の金
属塩が好適に用いられる。また上記の各種の反応促進剤
を必要に応じて2種類以上併用することもできる。本発
明に関する反応促進剤の使用量は、エチレン系共重合体
100重量部に対して0.001〜20重量部の範囲と
なることが必要であり、0.01〜15重量部の範囲と
なることが好ましい。この量が0.001重量部未満で
あると、反応が遅くなり過ぎて組成物中に架橋構造を効
果的に導入することが困難となり、20重量部を超える
と反応速度を向上させる点で無意味であるばかりでな
く、経済的にも好ましくない。
【0025】本発明に関わる耐熱性感熱接着剤には、
(1)、(2)及び(3)から成る組成物に、成分
(4)としてポリオレフィン系樹脂を加えて使用するこ
とができる。ここで言うポリオレフィン系樹脂の具体例
としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、
ポリブテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−
メチルペンテン−1、ポリブタジエン等の炭素数2〜1
0の不飽炭化水素モノマーの単独重合体を挙げることが
できる。また、これらの単独共重合体を構成しているモ
ノマー及びその他のオレフィンの中から選ばれる2種以
上のモノマーの共重合体、あるいは、上記の単独共重合
体を構成しているモノマーまたはその他のオレフィンと
酸無水物を有しないその他のラジカル重合性モノマーと
の共重合体、例えば、エチレン−プロピレン;スチレン
−ブタジエン共重合体;エチレン−プロピレン−ジエン
ターポリマー;ブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−
1,4−メチルペンテン−1等をコモノマーとした直鎖
状低密度ポリエチレン;プロピレン−エチレンのブロッ
ク共重合体;エチレンと不飽和カルボン酸あるいはその
誘導体との共重合体(例えばエチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
等)などを挙げることができる。さらに、上記の各樹脂
の混合物等を挙げることができる。
【0026】ここで用いられるポリオレフィン系樹脂
は、前記(1)、(2)および(3)から成る耐熱性感
熱接着剤の希釈用樹脂としての目的の他に、接着後にお
いて高温(80℃以上)での接着強度を求められる用途
においては、先に例示したポリオレフィン系樹脂の中か
ら100℃以上の結晶融点(ここで言う融点とは、DS
C、DTA等の機器で測定される融解ピーク温度を意味
する)を有するものを選ぶことによってその目的を達成
するための補助的役割を果たすことができる。即ち、ポ
リオレフィン樹脂の添加によって、低温接着性を有する
と共に接着後に高温下においてもある程度接着強度を保
つことができるという相反する性能をより効率的に発揮
させることが可能となる。成分(4)であるポリオレフ
ィン系樹脂の使用量は、成分(1)、(2)及び(3)
からなる樹脂組成物の合計100重量部に対して5〜8
0重量部の範囲である。ポリオレフィンの使用量が80
重量部を越えると、本来他基材との接着を発揮し得る成
分(1)の耐熱性感熱接着剤中に含まれる量が少なくな
りすぎ、従って、得られる耐熱性感熱接着剤の接着性が
著しく低下するため好ましくない。5重量部より少ない
場合は、実質的にポリオレフィン系樹脂を混合する意味
がなくなる。
【0027】また本発明に関する耐熱性感熱接着剤に
は、該接着剤の特徴を損なわない範囲で各種の添加剤、
配合剤、充填剤を使用することが可能である。これらを
具体的に示せば、酸化防止剤(耐熱安定剤)、紫外線吸
収剤(光安定剤)、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、滑剤
(スリップ剤、アンチブロッキング剤)、ガラスフィラ
ー等の無機充填剤、有機充填剤、補強剤、着色剤(染
料、顔料)、発泡剤、香料等が挙げられる。
【0028】本発明に関わる耐熱性感熱接着剤を製造法
するには、成分(1)〜(3)及びポリオレフィン系樹
脂或いは必要に応じて用いられる添加剤などを種々の手
段で混合すればよい。混合方法としては通常知られてい
る種々の樹脂の混合方法を用いることができる。例え
ば、ヘンシェルミキサー,タンブラーのような混合機を
用いてドライブレンドしてもよく、バンバリーミキサ
ー,スタティックミキサー,加圧ニーダー,押出機及び
ロールミルのような混合機を用いて溶融混練してもよ
い。この際、予めドライブレンドし、得られる混合物を
溶融混練することによって均一な組成物を得ることがで
きる。また、本発明に関わる耐熱性感熱接着剤を成形す
る際に各成分をペレットあるいは粉体の状態で混合(ド
ライブレンド)し、押出機,射出成形機中でフィルム等
の製造段階を利用して溶融混合することもできる。
【0029】本発明に関わる耐熱性感熱接着剤を用いれ
ば比較的低い処理温度で種々の基材を接着させて多層積
層体を得ることが可能になる。そのような接着可能な基
材としては、例えば、上質紙,クラフト紙,グラシン
紙,和紙,段ボール原紙が挙げられる。本発明に関わる
多層積層体を構成する基材については特に制限はなく,
合成紙,アート紙,コート紙等の各種紙類;木綿,麻,
ポリエステル,ナイロン等による各種織布または不織
布;木板;鉄,アルミニウム,銅,ブリキ等の各種金属
板または箔;ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリエチ
レン,ポリエステル,ナイロン,ポリカーボネート,ア
クリル樹脂,フェノール樹脂,ポリウレタン,スチレン
−ブタジエンブロック共重合体,スチレン−アクリロニ
トリル共重合体等の各種プラスチックを成形した板、成
形品、フィルムまたは発泡体;ガラス繊維,セラミック
等の各種無機物等を挙げることができる。また、これら
の基材は必要に応じて、表面処理、印刷、コーティング
等が施されても差し支えない。
【0030】本発明の多層積層体は、特に、基材として
表皮材及び基板材を使用する自動車等の内装材料(例え
ば、自動車内装用天井材,自動車内装用ドア部材,自動
車内装用ダッシュボード部材,自動車内装用コンソール
ボックス,自動車内装用インスツールパネル部材等)ま
たは、車両、船舶、住居等の内装用材料として好適に使
用することができる。ここで用いられる表皮材、基板材
については特に制限はなく、一般に自動車、車両、船
舶、住居等の内装用材料として使用されている種々の材
料が使用できる。このような表皮材の具体例としては、
ポリエステル不織布,起毛ニット,ファブリック,スウ
ェード調合成皮革,塩化ビニル(塩ビ)レザー,ポリウ
レタンレザー,ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー
あるいはこれらの材料に発泡ウレタン,発泡ポリエチレ
ン,発泡ポリプロピレン等のクッション材を貼合したも
の等が挙げられる。一方基板材の具体例としては、レジ
ンフェルト,レジンウッド,ガラス繊維入りフェノール
樹脂板,段ボール,ポリプロピレンハニカム、ポリスチ
レンフォーム,ガラス繊維強化ポリプロピレン板,AB
S樹脂板,AS樹脂板あるいはこれらに不織布を貼り合
せたもの等が挙げられる。
【0031】本発明に関わる多層積層体を製造するにあ
たっては、種々の成形方法を採用することが可能であ
る。例えば、基板材を所定の温度に加熱し、真空成形機
にセットし、この上にインフレーション成形またはTダ
イス成形によってフィルム化した耐熱性感熱接着剤を置
き、次いで予め所定の温度に加熱した表皮材を重ねて真
空圧着する方法;表皮材及び基板材の間に上記フィルム
を挟み、熱プレスする方法;表皮材に耐熱性感熱接着剤
を押出ラミネート成形によりコーティングした積層材を
基板材に熱プレスまたは熱ロールで加熱圧着する方法;
本発明に関わる耐熱性感熱接着剤を粉砕して粉末にし、
熱プレス上に置いた基板材に振りかけ、その上に表皮材
を熱プレスする方法;さらには、表皮材の接着側に上記
のフィルムを予め熱ロールラミネートしてから、熱プレ
スまたは熱ロールで加熱圧着する方法等が挙げられる。
【0032】本発明の多層積層体を製造する上述のごと
き方法において、加熱温度は、使用する表皮材、基板材
の種類、成形条件、耐熱性感熱接着剤の組成により異な
るので一概に規定できないが、少なくとも耐熱性感熱接
着剤の軟化点以上であって、表皮材及び基板材に影響を
及ぼさない温度以下で適宜選択される。接着層として機
能する本発明に関わる耐熱性感熱接着剤は60〜130
℃程度の比較的低い結晶融点を有しており、また圧着に
おいては0.1〜2.0kg/cm2 程度の比較的低い
圧力において、強力な接着が可能であり、表皮材及び基
板材の素材の風合い、感触等を損なうことなく製造でき
る。
【0033】本発明の多層積層体の各層の厚さは、その
素材、用途、要求される物性等により異なり、特に制限
はないが、本発明に関わる耐熱性感熱接着剤からなる接
着層は10〜200μm、好ましくは20〜100μm
である。ここで10μm未満であると、接着強度が不十
分なものとなり好ましくなく、200μmを超えると熱
伝導性が低下して接着強度が得られず実用的でない。本
発明の多層積層体は、少なくとも上記の二層もしくは三
層からなるものであるが、必要に応じて、さらに、本発
明に関わる耐熱性感熱接着剤からなる接着層を介して、
或いは他の接着剤層を介してあるいは接着剤層を介さず
に、他の材料を積層した積層体であってもよい。以下、
参考例、実施例、及び比較例によって本発明を具体的に
説明する。
【0034】
【実施例】
<参考例1>高圧法低密度ポリエチレン製造プラントの
設備を使用し、重合温度190℃、重合圧力1900K
g/cm2 の条件でエチレン−アクリル酸メチル−無水
マレイン酸3元共重合体であるエチレン系共重合体
(A)を製造した。このエチレン系共重合体のMFR
(JIS−K7210,表1,条件4)は10、メチル
アクリレートに由来する単位の含有量は25重量%、無
水マレイン酸に由来する単位の含有量は1.6重量%で
あった。なおコモノマーの組成は赤外吸収スペクトルに
より決定した。
【0035】<参考例2>高圧法低密度ポリエチレン製
造プラントの設備を使用し、重合温度190℃、重合圧
力1900Kg/cm2 の条件でエチレン−メタアクリ
ル酸メチル−無水イタコン酸3元共重合体であるエチレ
ン系共重合体(B)を製造した。このエチレン系共重合
体のMFR(JIS−K7210,表1,条件4)は2
0、メタクリル酸メチルに由来する単位の含有量は20
重量%、無水イタコン酸に由来する単位の含有量は3.
5重量%であった。なおコモノマーの組成は赤外吸収ス
ペクトルにより決定した。
【0036】<参考例3>高圧法低密度ポリエチレン製
造プラントの設備を使用し、重合温度200℃、重合圧
力1900Kg/cm2 の条件でエチレン−アクリル酸
メチル−無水マレイン酸3元共重合体であるエチレン系
共重合体(C)を製造した。このエチレン系共重合体の
MFR(JIS−K7210,表1,条件4)は8、ア
クリル酸メチルに由来する単位の含有量は18重量%、
無水マレイン酸に由来する単位の含有量は2.5重量%
であった。なおコモノマーの組成は赤外吸収スペクトル
により決定した。
【0037】<参考例4>高圧法低密度ポリエチレン製
造プラントの設備を使用し、重合温度200℃、重合圧
力1800Kg/cm2 の条件でエチレン−アクリル酸
ブチル−無水マレイン酸3元共重合体であるエチレン系
共重合体(D)を製造した。このエチレン系共重合体の
MFR(JIS−K7210,表1,条件4)は8、ア
クリル酸ブチルに由来する単位の含有量は16重量%、
無水マレイン酸に由来する単位の含有量は1.5重量%
であった。なおコモノマーの組成は赤外吸収スペクトル
により決定した。
【0038】<参考例5>高圧法低密度ポリエチレン製
造プラントの設備を使用し、重合温度200℃、重合圧
力1800Kg/cm2 の条件でエチレン−酢酸ビニル
−無水マレイン酸3元共重合体であるエチレン系共重合
体(E)を製造した。このエチレン系共重合体のMFR
(JIS−K7210,表1,条件4)は15、酢酸ビ
ニルに由来する単位の含有量は20重量%、無水マレイ
ン酸に由来する単位の含有量は2.5重量%であった。
なおコモノマーの組成は赤外吸収スペクトルにより決定
した。
【0039】<実施例A> (実施例A1)[参考例] 参考例1のエチレン系共重合体(A)89.5重量%、
多価アルコールとしてトリメチロールプロパン(以下T
MPと略す)を0.5重量%、反応促進剤としてエチレ
ン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含有量10重
量%)のZn塩(メタクリル酸に由来する単位の20モ
ル%を中和)10重量%をヘンシェルミキサーでドライ
ブレンドした後、37mmφ同方向二軸押出機を用い1
90℃で溶融混練し、耐熱性感熱接着剤のペレットを得
た。この配合内容は表1に示した。
【0040】(実施例A2〜A11)[実施例A2〜A
4、A8〜A10は参考例] 成分(1)、成分(2)、成分(3)、成分(4)を使
用して実施例A1と同様に操作し、耐熱性感熱接着剤の
ペレットを得た。その配合内容は表1に示した。
【0041】(比較例A1)成分(3)の反応促進剤を
配合しなかったこと以外は実施例A1と同様に操作し、
接着剤のペレットを得た。その配合内容は表1に示し
た。
【0042】(比較例A2)成分(2)の多価アルコー
ルを配合しなかったこと以外は実施例A1と同様に操作
し、接着剤のペレットを得た。その配合内容は表1に示
した。
【0043】(比較例A3)成分(1)としてエチレン
−メタクリル酸メチル二元共重合体(メタクリル酸メチ
ル含有量=20重量%、MFR=3)を用いたこと以外
は、実施例A1と同様に操作し、接着剤のペレットを得
た。その配合内容は表1に示した。
【0044】(比較例A4及びA5)成分(2)、成分
(3)の配合量を変えたこと以外は実施例A1と同様に
操作し、接着剤のペレットを得た。その配合内容は表1
に示した。
【0045】<実施例B> (実施例B1)[参考例] 実施例A1で得られた耐熱性感熱接着剤を、25mmφ
の押出機を有するT型ダイスつきフィルム成形機で70
μmの厚みで製膜し20cm幅のフィルムを得た。この
フィルムを接着層に用い、実際に自動車用内装材料に使
用されている基材(表皮材料及び基板材)を接着して、
その接着性を試験した。表皮材はポリエチレンテレフタ
レート(PET)系不織布、基板材はレジンフェルト
(RF)を用いた。接着は上板120℃,下板70℃に
設定した熱プレスに、上から表皮材、上記のフィルム、
基板材の順番に挟み、実質面圧2.5Kg/cm
10秒の条件で圧着した。基板材のプレスのサイズは、
10cm×20cmとした。接着後、23℃、相対湿度
50%で24時間状態調節した後、25mm幅の試験片
に切断し、引張試験機を用いて常温(23℃)における
180゜剥離試験(剥離速度200mm/分)を実施し
た。原則として剥離時の接着強度(g/25mm)を測
定したが、剥離前に表皮材または基板材が材料破壊した
場合には、破壊時の強度を測定した。更に、耐熱クリー
プ試験として途中まで剥離した試験片に100gの荷重
を釣り下げ、80℃雰囲気に24時間放置した場合の剥
離距離(mm)を測定し、耐熱性の目安とした。なお、
接着強度の値は、試験片5個の平均値(最大、最小2点
カット)である。また耐熱性は試験片3個の平均値であ
る。結果を表2に示す。
【0046】(実施例B2〜B11)[実施例B2〜B
4,B8〜B11は参考例] 表2に示したように、接着層用耐熱性感熱接着剤、表皮
材及び基板材の種類を変えた以外は実施例B1と同様に
操作した。結果を表2に示す。
【0047】(実施例B12)[参考例] 実施例B3で得られたフィルムを用い、表皮材として
0.2mmのPP系熱可塑性エラストマーを貼った厚さ
2mmの発泡ポリプロピレン(PP系TPO/発泡P
P)、基板材としてガラス繊維強化スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体(ASG)ボードを用い接着性を試験
した。接着は、先ず130℃で加熱したテフロンコート
ロールで表皮とフィルムを挟み、5m/分のスピードで
熱ロールラミネート処理して、これらを貼り合わせた。
次に基板材を70℃に5分間加熱し、表皮は120℃に
加熱し、真空接着法で接着した。結果を表2に示す。
【0048】(実施例B13〜B18)[実施例B1
3、B17〜B18は参考例] 表2に示したように、接着層用耐熱性感熱接着剤,表皮
材及び基板材の種類を変えた以外は実施例B12と同様
に操作した。結果を表2に示す。
【0049】(比較例B1〜B5)比較例A1或いはA
5で得られたペレットから、実施例B1と同様の方法で
フィルムを製造した。このフィルムを接着層として用
い、表2に示したように、表皮材及び基板材の種類を変
え、実施例B1と同様に操作した。結果を表2に示す。
【0050】(比較例B6及びB7)比較例A1、A3
で得られたペレットから、実施例B1と同様の方法でフ
ィルムを製造した。このフィルムを接着層として用い、
表2に示したように、表皮材及び基板材の種類を変え、
実施例B12と同様に操作した。結果を表2に示す。
【0051】上記試験の結果を見ると、実施例B1〜B
11では、基材温度が低くまた面圧も低い条件での熱プ
レス法においても、本発明による耐熱性感熱接着剤を用
いた多層積層体は、優れた接着強度を示すことが判る。
また、実施例B12〜B18では、熱プレス法よりも更
に接着圧力が低く接着時間も短い真空接着法において
も、本発明による耐熱性感熱接着剤を用いた多層積層体
は、実用に耐え得る接着強度、耐熱性を得られることが
判る。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明による耐熱
性感熱接着剤は各種の基材、特に自動車、車両、船舶、
住居等の内装材料として使用される表皮材及び基板材を
比較的低温度、低圧力下の条件で積層することが可能で
あり、しかも高い接着強度を示す。従って該耐熱性感熱
接着剤を接着層に用いた多層積層体は、接着加工性,作
業性に優れ、低温度で処理できるため表皮材の風合いが
損われず、審美性が高いものであるため、自動車、車
両、船舶、住居、その他の建築物等の内装材料として好
適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−79817(JP,A) 特開 平6−182922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 123/08 B32B 7/12 - 7/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エチレンとラジカル重合性酸無水
    物及びこれ以外のラジカル重合性コモノマーからなる多
    元共重合体であり、共重合体中のラジカル重合性酸無水
    物に由来する単位の割合が0.1重量%以上で5重量%
    以下、他のラジカル重合性コモノマーに由来する単位の
    割合が10重量%以上で50重量%以下であるエチレン
    系共重合体、 (2)成分(1)中のラジカル重合性酸無水物に由来す
    る単位に対し、多価アルコール化合物中の水酸基の単位
    のモル比が0.01〜10の範囲の分子内に水酸基を少
    なくとも二つ有する多価アルコール化合物、 (3)成分(1)であるエチレン系共重合体100重量
    部に対して0.001〜20重量部含む反応促進剤から
    なる組成物及び (4)前記組成物100重量部に対して、低密度ポリエ
    チレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイ
    ソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−3−
    メチルブテン−1、ポリ−メチルペンテン−1、ポリ
    ブタジエンから選ばれた少なくとも1種のポリオレフィ
    ン系樹脂を5〜80重量部をを配合したことを特徴とす
    る耐熱性感熱接着剤。
  2. 【請求項2】 成分(2)である多価アルコール化合物
    が、下記一般式(I) (RC(CHOH) ・・・・(I) [式中、R1 は水素、炭素原子数1〜12個の鎖状ある
    いは環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは0〜
    2の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、かつa+b
    =4を満足するように選択される。]または下記一般式
    (II) CH2 (OH)CH(OH)CH2 O[CH2 CHOH
    CH2 O]m H・・・・(II) [式中、mは0〜10の整数である。]で示される多価
    アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
    オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
    ン化合物、及び下記一般式(III) R2 −COOH ・・・・(III) [式中、R2 は炭素数2〜25個の鎖状アルキル基、環
    状アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示
    す。]で示される有機カルボン酸化合物と、前記一般式
    (II)で示されるポリグリセリンとを脱水縮合して得ら
    れる、分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリ
    ンエステルのうち1種以上である請求項1記載の耐熱性
    感熱接着剤。
  3. 【請求項3】 成分(3)の反応促進剤がカルボキシル
    基を含む重合体の金属塩または、有機カルボン酸の金属
    塩である請求項1または2記載の耐熱性感熱接着剤。
  4. 【請求項4】 基材層と接着材層を介して表皮材層とを
    有し、該接着層が請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱
    性感熱接着剤からなる多層積層体。
  5. 【請求項5】基板材層と請求項1ないし4のいずれかに
    記載の接着材層を介して表皮材層とを有する自動車の内
    装用材料。
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