JP3296613B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3296613B2 JP02689493A JP2689493A JP3296613B2 JP 3296613 B2 JP3296613 B2 JP 3296613B2 JP 02689493 A JP02689493 A JP 02689493A JP 2689493 A JP2689493 A JP 2689493A JP 3296613 B2 JP3296613 B2 JP 3296613B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は樹脂組成物に関し、更に詳しくは
接着性及び耐熱性に優れ、特に、低温,低圧接着時の優
れた接着強度及び高温下での耐熱クリープ性が要求され
る自動車,住居等の内装用材料の接着材層として好適に
使用できると共に、それ以外の各種の分野で使用される
積層体の接着材層としても幅広く使用できるエチレン系
多元共重合体の樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、各種の積層体の接着材層として、ホットメルト型接
着剤が使用されている。この接着剤は溶剤型接着剤と異
なり、接着時に塗装,乾燥,エージング等の作業が不要
で作業工程が簡単なこと、また有機溶剤の使用に伴う労
働衛生上の悪影響や火災の危険性等の問題を生じないこ
とから広範に使用されている。その反面ホットメルト型
接着剤は、一般に溶剤型接着剤に比べて接着強度が低い
ため、耐熱クリープ性に欠ける場合が多く、積層体の用
途によっては接着強度が充分でないという問題がある。
例えば、自動車、車両、船舶、住居、その他の建築物等
の内装用材料として、室内の居住性や美観を高めるため
の表皮材と、機能性を保持し高めるための基板材を接着
した積層体が使用されているが、この積層体の接着層と
して従来使用されているエチレン−アクリル酸エステル
−無水マレイン酸三元共重合体,エチレン−酢酸ビニル
共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体又は
低融点の共重合ナイロン等のホットメルト型接着剤は、
炎天下の車内温度のような高温(80℃前後)に長時間
置かれると、タレや剥がれを生じやすいという欠点を有
する。また、接着温度,接着圧力を比較的高くすれば接
着性を高めることができるが、この場合には表皮剤の損
傷を招きやすいという欠点を有する。一方、これらの欠
点を有しないホットメルト型接着剤もあるが、価格が高
価であり、コスト面からその使用が制限されるという欠
点を有する。また、ホットメルト型接着剤は、基材(表
皮材及び基板材を含む)の種類によっては充分な接着強
度が得られないという問題もある。例えば、基材の表面
にウレタン塗料が塗布されている場合、基材が発泡ウレ
タン系の場合又は基材が射出成形されたポリプロピレン
であって表面が平滑な場合等では、充分な接着性が得ら
れず、基材層の剥離を生じやすい。このような場合に
は、あらかじめ基材の表面に特殊な処理を施すか、又は
ホットメルト型接着剤に代えて溶剤型接着剤を使用する
等の処置が必要となるが、前者は作業工程が複雑になり
製造コストの上昇を招くという欠点を有し、後者は有機
溶剤の使用により環境、衛生上の悪影響を生じるという
欠点を有するため、結局ホットメルト型接着剤を使用す
る利益を得ることができない。上述したように、自動
車,家屋等の内装用材料の接着材層として使用した場合
に、広範な表皮材,基板材に対して良好な耐熱クリープ
性を示し、また表皮剤の損傷を防止できる低温での接着
性を有すると共に、それ以外の各種の分野で使用される
積層体の接着材層として使用した場合にも、広範な基材
に対して良好な接着性を有し、更には作業性,環境問題
等の使用上の問題を有さず、コスト面でも満足できる接
着剤は、未だ開発されていないのが実情である。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の実情に鑑み、従来の欠点を解消した接着剤を開発
すべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定のエチレン系
多元共重合体及び特定のエチレン系二元共重合体を主成
分とする樹脂組成物が、幅広い種類の基材(表皮材及び
基板材を含む)に対して良好な接着性及び耐熱性を有す
ることを見出した。本発明はかかる知見に基いて完成し
たものである。すなわち本発明は、(A)エチレンとラ
ジカル重合性酸無水物及びこれ以外のラジカル重合性コ
モノマーからなるエチレン系多元共重合体であって、該
多元共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単
位の割合が0.1〜5重量%で、これ以外のラジカル重合
性コモノマーに由来する単位の割合が3〜50重量%で
あるエチレン系多元共重合体70〜99重量%及び
(B)エチレンとラジカル重合性酸無水物とからなるエ
チレン系二元共重合体であって、該二元共重合体中のラ
ジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合が0.1〜1
0重量%であるエチレン系二元共重合体30〜1重量%
を含有することを特徴とする樹脂組成物を提供するもの
である。
【0004】本発明の樹脂組成物は、上述のように、
(A)成分であるエチレン系多元共重合体及び(B)成
分であるエチレン系二元共重合体を必須成分とするが、
更に必要に応じて、(C)成分である共重合ナイロン,
(D)成分である有機カルボン酸の金属塩及びその他の
成分の中から選ばれる一以上の成分を含有していてもよ
い。
【0005】本発明の樹脂組成物の(A)成分を構成す
るエチレン系多元共重合体は、エチレン,ラジカル重合
性酸無水物及び前記のラジカル重合性酸無水物以外のラ
ジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体である。
ここで、ラジカル重合性酸無水物とは、分子中にラジカ
ル重合可能な不飽和結合と酸無水物基を各々1個以上有
し、重合によって酸無水物基を分子中に導入できるよう
な化合物を意味する。酸無水物基は環状のものが好まし
い。このような化合物としては、例えば、無水マレイン
酸,無水イタコン酸,無水エンディック酸,無水シトラ
コン酸,ドデセニル無水コハク酸,1−ブテン−3,4
−ジカルボン酸無水物,炭素数が多くとも18である末
端に二重結合を有するアルケニル無水コハク酸,炭素数
が多くとも18である末端に二重結合を有するアルカジ
エニル無水コハク酸等が挙げられる。これらは単独で、
あるいは二種類以上を組み合わせて用いても差し支えな
い。これらの中では、無水マレイン酸、無水イタコン酸
が特に好ましい。(A)成分中のラジカル重合性酸無水
物に由来する単位の割合は、0.1〜5重量%の範囲であ
り、好ましくは0.5〜4.5重量%の範囲、更に好ましく
は1.0〜4.0重量%の範囲である。ここで、ラジカル重
合性酸無水物の割合が0.1重量%未満では、接着性が不
足して良好な接着強度が得られない。また、5重量%を
超えると、エチレン系共重合体の製造が困難となり、実
用的でない。
【0006】ラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重
合性コモノマーとしては、様々な化合物があり、例え
ば、エチレン系不飽和エステル化合物,エチレン系不飽
和アミド化合物,エチレン系不飽和酸化合物,エチレン
系不飽和エーテル化合物,その他の化合物等が挙げられ
る。これらを具体的に記すと、エチレン系不飽和エステ
ル化合物としては、例えば、酢酸ビニル,(メタ)アク
リル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)ア
クリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メ
タ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸オクチ
ル,(メタ)アクリル酸ラウリル,(メタ)アクリル酸
ベンジル,フマル酸メチル,フマル酸エチル,フマル酸
プロピル,フマル酸ブチル,フマル酸ジメチル,フマル
酸ジエチル,フマル酸ジプロピル,フマル酸ジブチル,
マレイン酸メチル,マレイン酸エチル,マレイン酸プロ
ピル,マレイン酸ブチル,マレイン酸ジメチル,マレイ
ン酸ジエチル,マレイン酸ジプロピル,マレイン酸ジブ
チル等が挙げられる。エチレン系不飽和アミド化合物と
しては、例えば、(メタ)アクリルアミド,N−メチル
(メタ)アクリルアミド,N−エチル(メタ)アクリル
アミド,N−プロピル(メタ)アクリルアミド,N−ブ
チル(メタ)アクリルアミド,N−ヘキシル(メタ)ア
クリルアミド,N−オクチル(メタ)アクリルアミド;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。エチレ
ン系不飽和酸化合物としては、例えば、(メタ)アクリ
ル酸,フマル酸,マレイン酸等が挙げられる。エチレン
系不飽和エーテル化合物としては、例えば、メチルビニ
ルエーテル,エチルビニルエーテル,プロピルビニルエ
ーテル,ブチルビニルエーテル,オクタデシルビニルエ
ーテル,フェニルビニルエーテル等が挙げられる。更に
上記の他にも、その他の化合物として、スチレン,α−
メチルスチレン,(メタ)アクリロニトリル,アクロレ
イン,クロトンアルデヒド,トリメトキシビニルシラ
ン,トリエトキシビニルシラン,塩化ビニル,塩化ビニ
リデン,ノルボルネン,ブタジエン等が挙げられる。こ
れらの中では、(メタ)アクリル酸エステル類,(メ
タ)アクリル酸が、特に好ましい化合物として挙げられ
る。そして、これらのコモノマーは、単独で、あるいは
2種以上を併用しても差し支えない。(A)成分中のラ
ジカル重合性コモノマーに由来する単位の割合は、3〜
50重量%の範囲であり、好ましくは4〜45重量%の
範囲、更に好ましくは5〜40重量%の範囲である。こ
こで、ラジカル重合性コモノマーの割合が3重量%未満
では、エチレン系多元共重合体の結晶融点が充分に低く
ならず、本発明の特徴である低温接着性を充分に発揮す
ることができない。また、50重量%を超えると、樹脂
の取扱いが困難になるとともに、製品の耐熱性が低下す
る。
【0007】上記の(A)成分であるエチレン系多元共
重合体を製造するにあたっては、基本的には通常の高圧
法低密度ポリエチレンの製造設備及びその技術を利用す
ることができる。一般的には、塊状重合法により、70
0〜3,000気圧、好ましくは1,000〜2,500気圧
の重合圧力で、また100〜300℃、好ましくは15
0〜270℃の重合温度で、ラジカル重合にて製造され
る。重合圧力が700気圧未満では、重合体の分子量が
低くなり、成形性、樹脂組成物の樹脂物性が悪化する。
一方、3,000気圧を超えると、製造コストを高めるだ
けで、実質的には無意味である。また、重合温度が10
0℃未満では重合反応が安定せず、共重合体への転化率
が低下し、経済的に問題がある。一方、300℃を超え
ると、共重合体の分子量が低下すると同時に暴走反応の
危険性が生じる。重合装置としては、ベッセル型の反応
器を用いるのが好ましい。特に、ラジカル重合性酸無水
物は重合安定性が乏しいため、高度の反応器内の均一化
が必要である。また、必要に応じて、複数個の反応器を
直列又は並列に接続し、多段重合を行うこともできる。
更に、反応器の内部を複数のゾーンに仕切ることによっ
て、より緻密な温度コントロールを行うこともできる。
【0008】エチレン系多元共重合体の製造は、前記の
反応条件にて少なくとも1種のフリーラジカル開始剤の
存在下で行われる。ここで、フリーラジカル開始剤とし
ては、具体的には例えば、酸素;ジ−t−ブチルパーオ
キシド,t−ブチルクミルパーオキシド,ジクミルパー
オキシド等のジアルキルパーオキシド;アセチルパーオ
キシド,i−ブタノイルパーオキシド,オクタノイルパ
ーオキシド等のジアシルパーオキシド;ジ−i−プロピ
ルパーオキシ−ジカーボネート,ジ−2−エチルヘキシ
ルパーオキシ−ジカーボネート等のパーオキシ−ジカー
ボネート;t−ブチルパーオキシピバレート,t−ブチ
ルパーオキシラウレート等のパーオキシエステル;メチ
ルエチルケトンパーオキシド,シクロヘキサノンパーオ
キシド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス−t−ブ
チルパーオキシシクロヘキサン,2,2−ビス−t−ブ
チルパーオキシオクタン等のパーオキシケタール;t−
ブチルヒドロパーオキシド,クメンヒドロパーオキシド
等のヒドロパーオキシド;2,2−アゾ−i−ブチロニ
トリル等のアゾ化合物等が挙げられる。また、重合にあ
たっては、分子量調節剤として、種々の連鎖移動剤を用
いることができる。その連鎖移動剤としては、例えば、
プロピレン,ブテン,ヘキセン等のオレフィン類;エタ
ン,プロパン,ブタン等のパラフィン類;アセトン,メ
チルエチルケトン,酢酸メチル等のカルボニル化合物;
トルエン,キシレン,エチルベンゼン等の芳香族炭化水
素等が挙げられる。
【0009】このようにして製造されるエチレン系多元
共重合体は、比較的に低温で融解し、各種基材(表皮材
及び基板材を含む)との物理化学的相互作用、反応性に
富んでいるために、本発明の樹脂組成物が、低温成形の
際においても高い接着力を発揮するのに大きな役割を果
たす。なお(A)成分は、二種類以上を併用することも
できる。
【0010】本発明の樹脂組成物の(B)成分を構成す
るエチレン系二元共重合体は、エチレンとラジカル重合
性酸無水物からなる二元共重合体である。ここで、ラジ
カル重合性酸無水物としては、例えば、(A)成分を製
造するのに使用できる前記のラジカル重合性酸無水物を
挙げることができる。これらは単独で、あるいは二種類
以上を組み合わせて用いても差し支えない。これらの中
では、無水マレイン酸、無水イタコン酸が特に好まし
い。(B)成分中のラジカル重合性酸無水物に由来する
単位の割合は、0.1〜5重量%の範囲であり、好ましく
は0.5〜4.5重量%の範囲、更に好ましくは1.0〜4.0
重量%の範囲である。ここで、ラジカル重合性酸無水物
の割合が0.1重量%未満では、高い耐熱クリープ性が得
られない。また、5重量%を超えると、得られるエチレ
ン系二元共重合体の柔軟性が著しく低下するうえに、生
産コストが高くなり好ましくない。なお、(B)成分の
MFR値は特に制限を受けないが、本発明の樹脂組成物
を使用して積層体を製造するに際し良好な成形性を確保
する観点から、0.1〜500g/10分とするのが好ま
しい。なお(B)成分は、二種類以上を併用することも
できる。
【0011】(B)成分は、(A)成分を製造するのと
同様の方法で製造でき、例えば、前記した(A)成分の
製造方法を使用して製造することができる。すなわち、
(B)成分を製造するに当たっては、基本的には通常の
高圧法低密度ポリエチレンの製造設備及びその技術を利
用することができ、一般的には塊状重合法により、70
0〜3,000気圧、100〜300℃で、ラジカル重合
にて製造される。重合装置としては、ベッセル型の反応
器を用いるのが好ましい。重合は、少なくとも1種のフ
リーラジカル開始剤の存在下で行われ、分子量調節剤と
して種々の連鎖移動剤を用いることができる。
【0012】このようにして製造されるエチレン系二元
共重合体は100℃以上の融点を持っており、本発明の
樹脂組成物の耐熱クリープ特性を向上させる役割を果た
す。一般に、融点の高い重合体を樹脂組成物に配合すれ
ば、樹脂組成物の耐熱クリープ特性を向上させることが
できるが、一方において、低温成型時の接着力を低下さ
せるという欠点を有している。これに対して、上記二元
共重合体を(A)成分であるエチレン系多元共重合体に
配合した場合には、低温成型時の接着力を低下させるこ
となく、耐熱クリープ特性を向上させることができ、こ
の点が本発明の大きな特徴となっている。その作用機構
は必ずしも明らかでないが、上記二元共重合体が樹脂組
成物全体に対する酸無水物基の含有量低下を抑制するた
めと推定される。即ち本発明の樹脂組成物が低温成型時
に優れた接着力を発揮するに際して、(A)成分である
エチレン系多元共重合体に含まれる多量の酸無水物基と
基材との間の相互作用又は反応が大きな要因となってい
るが、上記二元共重合体にも酸無水物基が含まれている
ために樹脂組成物全体に対する酸無水物基の含有量低下
を抑制することができ、低温成型時の接着力低下を防止
できると推定される。
【0013】本発明の樹脂組成物の(C)成分を構成す
る共重合ナイロンとしては、各種のものを用いることが
できるが、好ましくは炭素数10以上の高級ナイロン
塩,ω−アミノ酸又はラクタムに由来する構造を含むナ
イロンである。具体的には、例えば、ナイロン6/66
共重合体,ナイロン6/12共重合体,ナイロン6/6
6/610共重合体,ナイロン6/66/12共重合
体,ナイロン6/612/12共重合体,ナイロン6/
610/12共重合体,ナイロン6/66/11共重合
体,ナイロン6/66/610/12共重合体等が挙げ
られる。また、上記以外の(C)成分の例としては、ト
ール油脂肪酸,大豆油脂肪酸等の不飽和脂肪酸を加熱縮
合して得られるダイマー酸とエチレンジアミン,ヘキサ
メチレンジアミン,イソホロンジアミン,キシリレンジ
アミン,4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン,
p,p’−メチレンジアニリン,ピペラジン,トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン等のジアミンとの縮重合体等
が挙げられる。この中で特に好ましい共重合ナイロンと
しては、ナイロン6/66/12,ナイロン6/612
/12,トール油脂肪酸等の不飽和脂肪酸を加熱縮合し
て得られるダイマー酸とエチレンジアミン等のジアミン
との縮重合体等が挙げられる。そして、これらの共重合
ナイロンは、一種のみを単独で用いるだけでなく、二種
以上を併用することもできる。
【0014】(C)成分である共重合ナイロンは、20
0℃における粘度が200〜8,000センチポイズ(c
P)の範囲であり、好ましくは300〜7,000cPの
範囲、更に好ましくは500〜6,500cPの範囲であ
る。ここで言う粘度とは、円筒回転式粘度計で測定した
値をいう。この粘度が200cP未満では、樹脂組成物
のべたつきや耐熱性の低下を生じ、一方、8,000cP
を超えると、(A)成分又は(B)成分との相溶性又は
混合性が低下し、樹脂組成物の製造が困難になる。ま
た、操作性及び低温接着時の接着性の観点から、共重合
ナイロンの融点又は軟化点は180℃以下であることが
好ましい。
【0015】上記の(C)成分は、(A)成分又は
(B)成分基づく接着性を損なうことなく、従来の接着
性樹脂では充分な接着強度が得られなかった基材に対し
て高い接着強度を獲得ために、又は、低温接着時の接着
強度を向上させるために配合される。(A)成分及び
(B)成分のみからなる樹脂組成物は、基材の種類や接
着温度によっては接着性が充分でない場合があり、その
ような場合には(C)成分を配合することが有効であ
る。このような(C)成分の作用の詳細な機構は明らか
でないが、共重合ナイロン中のアミド基が基材と親和性
を有し、適正な粘度条件下において、本発明の樹脂組成
物中での(C)成分の分散及び接着界面への移行が良好
に行われるためと推定される。
【0016】本発明の樹脂組成物の(D)成分を構成す
る有機カルボン酸の金属塩とは、有機カルボン酸を金属
で完全に又は部分的に中和した形の化合物をいう。上記
の有機カルボン酸としては様々なものを用いることがで
きるが、例えば、ラウリン酸,ミリスチン酸,ステアリ
ン酸,パルミチン酸,デカノイックアシッド,ペンタデ
カノイックアシッド,エイコサノイックアシッド,ドコ
サノイックアシッド,トリコサノイックアシッド,トリ
アコンタノイックアシッド,スベリン酸,アゼライン
酸,セバシン酸,ヘキサデカンジオイックアシッド等の
炭素数10以上(通常は10〜40)の飽和脂肪酸;オ
レイン酸,エルカ酸,リノレイン酸,リノレニン酸,ア
ラキドン酸等の炭素数10以上(通常は10〜40)の
不飽和脂肪酸;エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合
体等の高分子カルボン酸を挙げることができる。一方、
有機カルボン酸と共に塩を形成する金属は特に制限を受
けないが、好適には周期表IA族,IIA族又はIIB族に
属する金属が用いられる。(D)成分の中で好ましいも
のとしては、ステアリン酸ナトリウム,オレイン酸ナト
リウム,オレイン酸カルシウム,一般にアイオノマーと
称される高分子カルボン酸の金属塩(例えば、エチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体のナトリウム化合物又は
亜鉛化合物による部分的中和物)等が挙げられる。これ
らの(D)成分は、一種のみを単独で用いるだけでな
く、二種以上を併用することもできる。
【0017】上記の(D)成分は、本発明の樹脂組成物
の耐熱性を向上させるために、又は特殊な基材に対する
接着強度を向上させるために配合される。(A)成分及
び(B)成分のみからなる樹脂組成物は、基材の種類や
最終的に得られる積層体の用途等によっては、耐熱性等
が充分でない場合があり、そのような場合には、(A)
成分との相互作用により高温下での樹脂組成物の接着強
度を高める(D)成分を配合することが有効である。
【0018】本発明の樹脂組成物には、前記の(A),
(B),(C)及び(D)の各成分以外にも、本発明の
樹脂組成物の特徴を損なわない範囲で、各種の添加剤,
配合剤,充填剤等を配合することができる。具体的には
例えば、酸化防止剤(耐熱安定剤),紫外線吸収剤(光
安定剤),帯電防止剤,防曇剤,難燃剤,滑剤(スリッ
プ剤,アンチブロッキング剤),ガラスフィラー等の無
機充填剤,有機充填剤,補強剤,着色剤(染料,顔
料),発泡剤,架橋剤,香料等が挙げられる。これらの
添加剤等は、本発明の樹脂組成物を製造する際に添加し
てもよいし、(A),(B),(C)又は(D)成分に
初めから添加されていてもよい。
【0019】本発明の樹脂組成物は、(A)成分及び
(B)成分を一定範囲の比率で配合することによって得
られる。両成分の配合比率は、本発明の樹脂組成物の全
量に対して、(A)成分が70〜99重量%、好ましく
は72〜97重量%、更に好ましくは75〜95重量%
であり、一方(B)成分が30〜1重量%、好ましくは
28〜3重量%、更に好ましくは25〜5重量%であ
る。ここで(A)成分が70重量%未満の場合又は
(B)成分が30重量%を超える場合には、接着強度が
不足する。一方、(A)成分が99重量%を超える場合
又は(B)成分が1重量%未満の場合には、良好な耐熱
クリープ性が得られないため実用に耐えない。(C)成
分及び(D)成分の配合比率は、製造すべき本発明の樹
脂組成物の要求特性に応じて変えることができるが、一
般的には、本発明の樹脂組成物の接着性を確保する観点
から、(C)成分及び(D)成分の合計量が樹脂組成物
の50重量%以下とするのが好ましい。なお、(C)成
分及び(D)成分は、それぞれ二種類以上を併用するこ
ともできる。
【0020】本発明の樹脂組成物は、前記の(A)成分
及び(B)成分を各配合比率に従って混合することによ
って調製される。また、本発明の樹脂組成物は、(A)
成分及び(B)成分の他に、必要に応じて(C)成分,
(D)成分又はその他の成分を混合することによっても
調製される。各成分の混合にあたっては、通常知られて
いる種々の方法を用いることができる。具体的には例え
ば、各成分を高温のトルエンのような溶媒に溶解、再沈
させる方法、各成分を溶融状態で混合する方法、すなわ
ち一般的に用いられている加圧ニーダー,ロール,バン
バリーミキサー,スタティックミキサー,スクリュー式
押出機等を用いる方法等が挙げられる。また、場合によ
っては、各成分をドライブレンドし成形時に組成物化す
ることもできる。
【0021】本発明の樹脂組成物は、積層体の接着材層
として種々の用途、成形方法に適用できる。その成形方
法としては、従来から知られている様々な方法、例え
ば、インフレーション成形又はTダイ成形等によってフ
ィルム化した上記の樹脂組成物を基材間に挟み熱接着さ
せる方法、上記の樹脂組成物を押出しラミネート成形に
よって基材上にコーティングした後、他の基材に熱接着
させる方法、上記の樹脂組成物を粉体接着剤として基材
上に振りかけて使用する方法等が挙げられる。本発明の
樹脂組成物は、広範囲の基材に対して良好な接着性を示
し、この点が本発明の特徴の一つとなっている。そのよ
うな接着可能な基材としては、例えば、上質紙,クラフ
ト紙,グラシン紙,和紙,ダンボール原紙,合成紙,ア
ート紙,コート紙等の各種紙類;木綿,麻,ポリエステ
ル,ナイロン等による各種織布又は不織布;木板;鉄,
アルミニウム,銅,ブリキ等の各種金属板又は箔;ポリ
プロピレン,ポリスチレン,ポリエチレン,ポリエステ
ル,ナイロン,ポリカーボネート,アクリル樹脂,フェ
ノール樹脂,ポリウレタン等の各種プラスチックにより
形成された板,成形品,フィルム又は発泡体;ガラス繊
維,セラミックス等の各種無機物等を挙げることができ
る。また、これらの基材は必要に応じて、表面処理、コ
ーティング、印刷等が施されていても差し支えない。
【0022】本発明の樹脂組成物は、特に、低温接着時
の接着性及び高温下での耐熱クリープ性に優れており、
この相反する性質を両立させた点も本発明の特徴の一つ
となっている。従って本発明の樹脂組成物は、基材とし
て表皮材及び基板材を使用することにより、自動車等の
内装用材料(例えば、天井部材,ドア部材,ダッシュボ
ード部材等)又は住居等の内装用材料の接着材層とし
て、好適に使用することができる。ここで、接着可能な
表皮材及び基板材に特に制限はなく、現在一般に自動
車,車両,船舶,住居等の内装用材料に用いられている
種々の材料に適用することができる。例えば、表皮材と
しては、ポリエステル不織布,起毛ニット,ファブリッ
ク,スウェード調合成皮革,塩化ビニル(塩ビ)レザ
ー,ポリウレタンレザー,ポリプロピレン系熱可塑性エ
ラストマーあるいはクッション性を与えるためにこれら
の材料に発泡ウレタン,発泡ポリプロピレン,発泡ポリ
エチレン,発泡ポリビニリデン等を貼り合わせたもの等
が挙げられる。一方、基板材としては、レジンフェル
ト,ガラス繊維入りフェノール樹脂板,段ボール,ポリ
プロピレンハニカム,ポリスチレンフォームあるいはこ
れらの材料に不織布を貼り合わせたもの等が挙げられ
る。
【0023】本発明の樹脂組成物を使用して自動車等の
内装用材料を製造する場合には、種々の成形方法を採用
することができる。例えば、基板材を所定の温度に加熱
し、真空成形機にセットし、この上にインフレーション
成形又はTダイ成形等によってフィルム化した上記の樹
脂組成物を置き、次いで予め所定の温度に加熱した表皮
材を重ねて真空圧着する方法;表皮材と基板材の間に上
記のフィルムを挟み、熱プレスする方法;表皮材に本発
明の樹脂組成物を押出しラミネート成形によってコーテ
ィングした積層材を、基板材に熱プレス又は熱ロールで
加熱圧着する方法;本発明の樹脂組成物を粉末にし、熱
プレス上に置いた基板材に振りかけ、その上に表皮材を
熱プレスする方法;更には、表皮材の接着側に上記のフ
ィルムを予め熱ロールラミネートしてから、熱プレス又
は熱ロールで加熱圧着する方法等が挙げられる。
【0024】
【実施例】更に、本発明を実施例,比較例,応用例及び
参考例によって、具体的に説明する。 実施例1 エチレン系多元共重合体(A)として、エチレン−無水
マレイン酸−メタクリル酸メチル三元共重合体を用い
た。この三元共重合体(以下「三元共重合体(a)」と
言う。)は高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を
利用し、重合温度200℃,重合圧力1,800kg/c
2 の条件で製造した。この三元共重合体(a)のMF
R(JIS−K7210,表1,条件4、以下MFRは
全てこの条件を使用。)は15g/10分、無水マレイ
ン酸に由来する単位の割合は2.2重量%、メタクリル酸
メチルに由来する単位の割合は16重量%であった。な
お、コモノマーの組成は赤外吸収スペクトルにより決定
した。また、エチレン系二元共重合体(B)としては、
エチレン−無水マレイン酸二元共重合体を用いた。この
二元共重合体(以下「二元共重合体(a)」と言う。)
は高圧法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、
重合温度195℃,重合圧力1,900kg/cm2 の条
件で製造した。この二元共重合体(a)のMFRは10
g/10分、無水マレイン酸に由来する単位の割合は2.
0重量%であった。なお、コモノマーの組成は赤外吸収
スペクトルにより決定した。上記2成分の重量比( (A)
/(B) )を80/20とし、この(A)成分及び(B)の
合計量に対し、添加剤として珪酸マグネシウム0.2重量
%、エルカ酸アミド0.2重量%をタンブラーでドライブ
レンドした後、65mmφ単軸押出機を用い170℃で
溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0025】実施例2 エチレン系多元共重合体(A)として三元共重合体
(a)を使用し、エチレン系二元共重合体(B)として
二元共重合体(a)を使用した。また、共重合ナイロン
(C)として、富士化成工業(株)製トーマイド#13
50を使用した。これは、トール油脂肪酸等の不飽和脂
肪酸を加熱縮合して得られるダイマー酸とエチレンジア
ミン等のジアミンとの縮重合体であり、200℃におけ
る粘度は2,900cP、軟化点は150℃であった。上
記3成分の重量比( (A)/(B)/(C) )を75/15/10
とし、実施例1と同様に操作して樹脂組成物のペレット
を得た。
【0026】実施例3 エチレン系多元共重合体(A)として三元共重合体
(a)を使用し、エチレン系二元共重合体(B)として
二元共重合体(a)を使用し、共重合ナイロン(C)と
して富士化成工業(株)製トーマイド#1350を使用
し、有機カルボン酸の金属塩(D)としてアイオノマー
(a)を使用した。このアイオノマー(a)は、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含有量20重
量%)を、水:メタノール=1:1の溶媒中で50℃,
2時間,酢酸ナトリウムによって処理し、55モル%中
和して製造した。上記4成分の重量比( (A)/(B)/(C)/
(D) )を70/10/10/10とし、実施例1と同様
に操作して樹脂組成物のペレットを得た。
【0027】比較例1 二元共重合体(a)を配合しなかったこと以外は、実施
例1と同様に操作し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0028】比較例2 三元共重合体(a)を配合しなかったこと以外は、実施
例1と同様に操作し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0029】応用例1 実施例1で得られたペレットをインフレーションフィル
ム成形機で厚さ50μmのフィルムにした。このフィル
ムを接着材層として用い、実際に自動車用内装材料に用
いられている表皮材及び基板材を接着し、その接着性を
試験した。表皮材は厚さ0.2mmのポリ塩化ビニルレザ
ーを貼った厚さ2mmの発泡ポリプロピレン(PVCレ
ザー/PPF)を使用し、基板材は厚さ3mmのレジン
フェルト(RF)を使用した。接着は120℃,実質面
圧2kg/cm2 ,20秒の条件で熱プレスして行っ
た。接着後、30℃で4分間冷却し、25mm幅の試験
片に切断し、引張試験機を用いて常温(25℃)におけ
る180°剥離試験を実施した。原則として剥離時の接
着強度(kg/25mm幅)を測定したが、剥離前に表皮材
又は基板材が材料破壊した場合には、破壊時の強度を測
定した。更に、途中まで剥離した試験片に100gの荷
重をつり下げ、80℃雰囲気に24時間放置した場合の
剥離距離(mm)を測定し、耐熱クリープ性の目安とし
た。なお、接着強度の値は試験片5個の平均値(最大、
最小2点カット)、また耐熱クリープ性は試験片3個の
平均値である。結果を第1表に示す。
【0030】応用例2〜3 第1表に示したように、接着材層として応用例1のフィ
ルムを使用し、表皮材及び基板材の種類を変えた以外は
応用例1と同様に操作した。結果を第1表に示す。
【0031】応用例4 接着材層として応用例1で得られたフィルムを用い、表
皮材は厚さ0.2mmのポリ塩化ビニルレザーを貼った厚
さ2mmの発泡ポリプロピレン(PVCレザー/PP
F)を使用し、基板材はアンカーコート剤を塗布した厚
さ2mmのポリプロピレン板(PP)使用した。接着
は、先ず130℃に加熱したテフロンコートロールで表
皮とフィルムを挟み、5m/分のスピードで熱ロールラ
ミネート処理して、これらを貼り合わせた。次に、基板
材を80℃に3分間加熱し、表皮は120℃に加熱し、
真空接着法で接着した。この積層体について応用例1と
同様の方法で接着性を試験した。結果を第1表に示す。
【0032】応用例5 第1表に示したように、接着材層として応用例1のフィ
ルムを使用し、表皮材及び基板材の種類を変えた以外は
応用例1と同様に操作した。結果を第1表に示す。
【0033】応用例6〜7 第1表に示したように、接着材層用樹脂組成物として実
施例2の樹脂組成物を使用し、応用例1と同様に操作し
て接着材層用のフィルムを得た。次いで、表皮材及び基
板材の種類を変え、応用例1と同様に操作し、接着性を
試験した。結果を第1表に示す。
【0034】応用例8〜10 第1表に示したように、接着材層用樹脂組成物として実
施例3の樹脂組成物を使用し、応用例1と同様に操作し
て接着材層用のフィルムを得た。次いで、表皮材及び基
板材の種類を変え、応用例1と同様に操作し、接着性を
試験した。結果を第1表に示す。
【0035】応用例11 第1表に示したように、接着材層として応用例8のフィ
ルムを使用し、表皮材及び基板材の種類を変え、応用例
4と同様の方法で真空接着し、次いで応用例1と同様の
方法で接着性を試験した。結果を第1表に示す。
【0036】応用例12 第1表に示したように、接着材層として応用例8のフィ
ルムを使用し、表皮材及び基板材の種類を変えた以外は
応用例1と同様に操作した。結果を第1表に示す。
【0037】参考例1〜2 比較例1で得られたペレットから、応用例1と同様の方
法でフィルムを製造した。このフィルムを接着材層とし
て用い、第1表に示したように、表皮材及び基板材の種
類を変え、応用例1と同様に操作した。結果を第1表に
示す。
【0038】参考例3〜4 比較例2で得られたペレットから、応用例1と同様の方
法でフィルムを製造した。このフィルムを接着層として
用い、第1表に示したように、表皮材及び基板材の種類
を変え、応用例1と同様に操作した。結果を第1表に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】*1 PVCレザー:厚さ0.2mmのポリ
塩化ビニルレザー *2 PPF:厚さ2mmの発泡ポリプロピレン *3 PET不織布:厚さ2mmのポリエチレンテレフ
タレート系の不織布 *4 SBRコート:スチレンブタジエンゴム系接着剤 *5 PUF:厚さ2mmの発泡ウレタン *6 RF:厚さ3mmのレジンフェルト *7 GFP:厚さ3mmのグラスファイバーフェノー
ル板 *8 PP:アンカーコート剤を塗布した厚さ2mmの
ポリプロピレン板
【0041】
【表2】
【0042】第1表に示された接着性試験の結果を見る
と、実施例1〜3の樹脂組成物を接着材層として使用し
た場合(応用例1〜12)は、常温での接着強度及び耐熱
クリープ性のいずれも良好であった。即ち、本発明の樹
脂組成物は、従来は充分な接着強度が得られなかった発
泡ウレタン系基材やポリプロピレン射出成形板を含む各
種の基材(表皮材及び基板材を含む。)に対して良好な
接着性を示す。また、本発明の樹脂組成物は、塩化ビニ
ルレザー(塩ビレザー)を貼った表皮材を接着する場合
(応用例1,4〜6,8,11,12 )に塩ビレザー特有の
模様をおかすことなく保て、表皮材の損傷を招くことな
く製造できた。更に、接着作業は非常に容易かつ衛生的
であり作業性の点でも良好であった。一方、比較例1の
樹脂組成物の場合(参考例1,2)、接着強度は比較的
良好であったが、耐熱クリープ性が大幅に劣っており、
自動車等の内装用材料として使用するには問題が大き
い。また、比較例2の樹脂組成物の場合(参考例3,
4)には、耐熱クリープ性の測定以前に、接着強度が全
く不充分であり、実用に耐える積層体を得ることができ
なかった。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の樹脂組成物は、
広範な基材に対して良好な接着性を示し、各種の積層体
の接着材層として好適に使用することができる。また、
表皮材を損傷させることなく低温,低圧で接着すること
ができるため、表皮材の風合いを損なわず、審美性に優
れている点、及び、常温から高温に至る広い温度範囲に
おいて高い接着強度を有するため変形等を生じず、耐熱
クリープ性に優れている点から、特に自動車,住居等の
内装用材料として好適に使用することができるものであ
る。しかも、接着時に有機溶剤を使用する必要がなく、
また作業工程が簡単なことから、使用上の問題も生じな
い。更に従来の接着性樹脂と同様の方法、設備を用いて
製造できることから、比較的安価かつ容易に製造するこ
とができる。従って、本発明の樹脂組成物は、自動車,
住居等の内装用材料を始めとする各種の積層体の接着材
層として有効に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田越 宏孝 大分県大分市大字中ノ洲2番地 昭和電 工株式会社大分研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンとラジカル重合性酸無水
    物及びこれ以外のラジカル重合性コモノマーからなるエ
    チレン系多元共重合体であって、該多元共重合体中のラ
    ジカル重合性酸無水物に由来する単位の割合が0.1〜5
    重量%で、これ以外のラジカル重合性コモノマーに由来
    する単位の割合が3〜50重量%であるエチレン系多元
    共重合体70〜99重量%及び(B)エチレンとラジカ
    ル重合性酸無水物とからなるエチレン系二元共重合体で
    あって、該二元共重合体中のラジカル重合性酸無水物に
    由来する単位の割合が0.1〜10重量%であるエチレン
    系二元共重合体30〜1重量%を含有することを特徴と
    する樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (C)200℃における粘度が200〜
    8,000センチポイズ(cP)である共重合ナイロンを
    含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)200℃における粘度が200〜
    8,000センチポイズ(cP)である共重合ナイロン及
    び(D)有機カルボン酸の金属塩を含有する請求項1記
    載の樹脂組成物。
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