JPH06182922A - 積層体 - Google Patents

積層体

Info

Publication number
JPH06182922A
JPH06182922A JP33989992A JP33989992A JPH06182922A JP H06182922 A JPH06182922 A JP H06182922A JP 33989992 A JP33989992 A JP 33989992A JP 33989992 A JP33989992 A JP 33989992A JP H06182922 A JPH06182922 A JP H06182922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laminate
resin composition
adhesive
base material
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33989992A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Terasawa
武夫 寺沢
Yoshinori Ikenaga
義則 池永
Katsuaki Tsutsumi
克明 堤
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP33989992A priority Critical patent/JPH06182922A/ja
Publication of JPH06182922A publication Critical patent/JPH06182922A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の種類を問わず優れた接着強度を有する
と共に、広い温度範囲でその強力な接着強度を維持し、
耐熱クリープ性に優れ、更に有機溶剤の使用や作業性等
の製造工程上の問題を生じない、広範な分野で幅広く使
用できる積層体を開発すること。 【構成】 基材層及び接着材層を有し、該接着材層が、
(A)エチレンとラジカル重合性酸無水物及びこれ以外
のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体(エ
チレン−無水マレイン酸−アクリル酸メチル三元共重合
体等)及び(B)200℃における粘度が200〜8,0
00センチポイズである共重合ナイロン(ダイマー酸と
ジアミンとの縮重合体等)を主成分とする樹脂組成物か
らなる積層体である。前記の樹脂組成物は、必要に応じ
て(C)ポリオレフィン系樹脂(低密度ポリエチレン
等)及び/又は(D)有機カルボン酸の金属塩(アイオ
ノマー等)を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は積層体に関し、更に詳しくは、基
材の種類を問わず優れた接着強度を有すると共に、広い
温度範囲でその強力な接着強度を維持し、耐熱クリープ
性に優れ、広範な分野で幅広く使用することができる積
層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリオ
レフィン系のホットメルト型接着剤は、接着時に有機溶
剤を使用する必要がなく、また作業工程が簡単なことか
ら、積層体の接着材層として好適に使用することができ
る。このため、この接着剤を使用して製造した積層体が
広範に使用されている。しかし、この接着剤は、基材の
種類によっては接着強度が充分でないため、満足できる
積層体が得られない場合があった。例えば、基材の表面
にウレタン塗料が塗布されている場合、基材が発泡ウレ
タン系の場合又は基材が射出成形されたポリプロピレン
であって表面が平滑な場合等では、この接着剤を使用し
た積層体は基材層の剥離を生じやすい。このような場合
には、あらかじめ基材の表面に特殊な処理を施すか、又
はホットメルト型接着剤に代えて溶剤型接着剤を使用す
る等の処置が必要となるが、前者は作業工程が複雑にな
り製造コストの上昇を招き、後者は有機溶剤の使用によ
り環境、衛生上の悪影響を生じる。上述のように、基材
の種類を問わず良好な接着強度を有し、従って広範な分
野で幅広く使用することができ、しかも作業性,環境問
題等の製造工程上の問題を有しない積層体は、未だ開発
されていないのが実情である。
【0003】また、自動車,車両,船舶,住居その他の
建築物等の内装用材料として、室内の居住性,美観,高
級感等を高めるための表皮材と、機能性を保持し高める
ための基板材を接着した積層体が使用されている。この
積層体は、上記の表皮材と基板材を溶剤型接着剤を用い
て接着することにより製造できるが、溶剤型接着剤は上
述のように、塗装,乾燥,エージング等の作業工程で手
間がかかるうえ、近年環境問題が重視されつつある中
で、有機溶剤による労働衛生及び火災等の危険性の問題
があり、適切な製造方法とは言い難い。一方、上記の内
装用材料を製造するに際して、溶剤型接着剤に代えて、
エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共
重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体又は低融点の共重合ナイロン
等のホットメルト型接着剤も使用されている。しかし、
ホットメルト型接着剤を使用して内装用材料を製造する
場合には、表皮材の美観等を損ねないように、また生産
効率を低下させないように、接着温度及び接着圧力を可
能な限り低く抑える必要がある。このため、これらの接
着剤を使用して得られる内装用材料は、常温での接着強
度及び耐熱クリープ性に欠ける場合が多く、実用上広範
な気候条件にさらされることによって、特に炎天下の車
内温度のような高温下(80℃程度)に長時間置かれる
ことによって、タレや剥がれ等の変形を生じやすいとい
う欠点を有する。更に、これらの欠点を有しないホット
メルト型接着剤もあるが、価格が高価であり、コスト面
からその使用が制限されるという欠点を有する。上述し
たように、自動車,住居等の内装用材料として使用で
き、作業性,環境問題等の製造工程上の問題を有さず、
接着強度、特に低温,低圧で接着した場合の接着強度に
優れ表皮剤の損傷を防止でき、また、良好な耐熱クリー
プ性を示し、更に、コスト面でも満足できる積層体は、
未だ開発されていないのが実情である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記の実情に鑑み、従来の欠点を解消した積層体を開発す
べく鋭意研究を重ねた。その結果、特定のエチレン系多
元共重合体及び共重合ナイロンを主成分とする樹脂組成
物からなる接着材層を介して基材を接着した積層体が、
基材の種類を問わず、また、広い温度範囲において良好
な接着強度を有することを見出した。本発明はかかる知
見に基いて完成したものである。すなわち、本発明は、
基材層及び接着材層を有し、該接着材層が、(A)エチ
レンとラジカル重合性酸無水物及びこれ以外のラジカル
重合性コモノマーからなる多元共重合体であって、該エ
チレン系多元共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由
来する単位の割合が0.1〜5重量%で、これ以外のラジ
カル重合性コモノマーに由来する単位の割合が3〜50
重量%であるエチレン系多元共重合体70〜99重量%
及び(B)200℃における粘度が200〜8,000セ
ンチポイズ(cP)である共重合ナイロン30〜1重量
%を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする積層
体を提供するものである。
【0005】本発明の積層体の接着材層を構成する樹脂
組成物(以下「接着材層用樹脂組成物」という。)は、
上述のように、(A)成分であるエチレン系多元共重合
体及び(B)成分である共重合ナイロンを主成分とする
ものである。この接着材層用樹脂組成物中の(A)成分
であるエチレン系多元共重合体は、エチレン,ラジカル
重合性酸無水物及び前記のラジカル重合性酸無水物以外
のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体であ
る。ここで、ラジカル重合性酸無水物とは、分子中にラ
ジカル重合可能な不飽和結合と酸無水物基を各々1個以
上有し、重合によって酸無水物基を分子中に導入できる
ような化合物を意味する。酸無水物基は環状のものが好
ましい。このような化合物としては、例えば、無水マレ
イン酸,無水イタコン酸,無水エンディック酸,無水シ
トラコン酸,ドデセニル無水コハク酸,1−ブテン−
3,4−ジカルボン酸無水物,炭素数が多くとも18で
ある末端に二重結合を有するアルケニル無水コハク酸,
炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するア
ルカジエニル無水コハク酸等が挙げられる。これらは単
独で、あるいは二種類以上を組み合わせて用いても差し
支えない。これらの中では、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸が特に好ましい。(A)成分中のラジカル重合性
酸無水物に由来する単位の割合は、0.1〜5重量%の範
囲であり、好ましくは0.5〜4.5重量%の範囲、更に好
ましくは1.0〜4.0重量%の範囲である。ここで、ラジ
カル重合性酸無水物の割合が0.1重量%未満では、接着
性能が不足して良好な接着強度が得られない。また、5
重量%を超えると、接着強度の向上効果はもはや殆ど無
く経済的でなくなり、むしろ他の樹脂を混合する場合に
相溶性の低下を招く場合がある。
【0006】ラジカル重合性酸無水物以外のラジカル重
合性コモノマーとしては、様々な化合物があり、例え
ば、エチレン系不飽和エステル化合物,エチレン系不飽
和アミド化合物,エチレン系不飽和酸化合物,エチレン
系不飽和エーテル化合物,その他の化合物等が挙げられ
る。これらを具体的に記すと、エチレン系不飽和エステ
ル化合物としては、例えば、酢酸ビニル,(メタ)アク
リル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)ア
クリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メ
タ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸オクチ
ル,(メタ)アクリル酸ラウリル,(メタ)アクリル酸
ベンジル,フマル酸メチル,フマル酸エチル,フマル酸
プロピル,フマル酸ブチル,フマル酸ジメチル,フマル
酸ジエチル,フマル酸ジプロピル,フマル酸ジブチル,
マレイン酸メチル,マレイン酸エチル,マレイン酸プロ
ピル,マレイン酸ブチル,マレイン酸ジメチル,マレイ
ン酸ジエチル,マレイン酸ジプロピル,マレイン酸ジブ
チル等が挙げられる。エチレン系不飽和アミド化合物と
しては、例えば、(メタ)アクリルアミド,N−メチル
(メタ)アクリルアミド,N−エチル(メタ)アクリル
アミド,N−プロピル(メタ)アクリルアミド,N−ブ
チル(メタ)アクリルアミド,N−ヘキシル(メタ)ア
クリルアミド,N−オクチル(メタ)アクリルアミド;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。エチレ
ン系不飽和酸化合物としては、例えば、(メタ)アクリ
ル酸,フマル酸,マレイン酸等が挙げられる。エチレン
系不飽和エーテル化合物としては、例えば、メチルビニ
ルエーテル,エチルビニルエーテル,プロピルビニルエ
ーテル,ブチルビニルエーテル,オクタデシルビニルエ
ーテル,フェニルビニルエーテル等が挙げられる。その
他の化合物としては、例えば、スチレン,α−メチルス
チレン,ノルボルネン,ブタジエン,(メタ)アクリロ
ニトリル,アクロレイン,クロトンアルデヒド,トリメ
トキシビニルシラン,塩化ビニル,塩化ビニリデン等が
挙げられる。これらの中では、酢酸ビニル,(メタ)ア
クリル酸エステル類(例えば、(メタ)アクリル酸メチ
ル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブ
チル等),(メタ)アクリル酸が特に好ましい化合物と
して挙げられる。そして、これらのコモノマーは、単独
で、あるいは二種以上を併用しても差し支えない。
(A)成分中のラジカル重合性コモノマーに由来する単
位の割合は、3〜50重量%の範囲であり、好ましくは
5〜40重量%の範囲、更に好ましくは10〜35重量
%の範囲である。ここで、ラジカル重合性コモノマーの
割合が3重量%未満では、エチレン系多元共重合体の結
晶融点が充分に低くならず、低温接着性を充分に発揮す
ることができない。また、50重量%を超えると、樹脂
の取扱いが困難になるとともに、製品の耐熱性が低下す
る。
【0007】上記の(A)成分であるエチレン系多元共
重合体を製造するにあたっては、基本的には通常の高圧
法低密度ポリエチレンの製造設備及びその技術を利用す
ることができる。一般的には、塊状重合法により、70
0〜3,000気圧、好ましくは1,000〜2,500気圧
の重合圧力で、また100〜300℃、好ましくは14
0〜290℃、更に好ましくは150〜270℃の重合
温度で、ラジカル重合にて製造される。重合圧力が70
0気圧未満では、重合体の分子量が低くなり、樹脂組成
物の樹脂物性が悪化する。一方、3,000気圧を超える
と、製造コストを高めるだけで、実質的には無意味であ
る。また、重合温度が100℃未満では、重合反応が安
定せず、共重合体への転化率が低下し、経済的に問題が
ある。一方、300℃を超えると、共重合体の分子量が
低下すると同時に暴走反応の危険性が生じる。重合装置
としては、ベッセル型の反応器を用いるのが好ましい。
特に、ラジカル重合性酸無水物は重合安定性が乏しいた
め、高度の反応器内の均一化が必要である。また、必要
に応じて、複数個の反応器を直列又は並列に接続し、多
段重合を行うこともできる。更に、反応器の内部を複数
のゾーンに仕切ることによって、より緻密な温度コント
ロールを行うこともできる。
【0008】エチレン系多元共重合体の製造は、前記の
反応条件にて少なくとも1種のフリーラジカル開始剤の
存在下で行われる。ここで、フリーラジカル開始剤とし
ては、具体的には例えば、酸素;ジ−t−ブチルパーオ
キシド,t−ブチルクミルパーオキシド,ジクミルパー
オキシド等のジアルキルパーオキシド;アセチルパーオ
キシド,i−ブチリルパーオキシド,オクタノイルパー
オキシド等のジアシルパーオキシド;ジ−i−プロピル
パーオキシ−ジカーボネート,ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシ−ジカーボネート等のパーオキシ−ジカーボ
ネート;t−ブチルパーオキシピバレート,t−ブチル
パーオキシラウレート等のパーオキシエステル;メチル
エチルケトンパーオキシド,シクロヘキサノンパーオキ
シド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス−t−ブチ
ルパーオキシシクロヘキサン,2,2−ビス−t−ブチ
ルパーオキシオクタン等のパーオキシケタール;t−ブ
チルヒドロパーオキシド,クメンヒドロパーオキシド等
のヒドロパーオキシド;2,2−アゾ−i−ブチロニト
リル等のアゾ化合物等が挙げられる。また、重合にあた
っては、分子量調節剤として、種々の連鎖移動剤を用い
ることができる。その連鎖移動剤としては、例えば、プ
ロピレン,ブテン,ヘキセン等のオレフィン類、エタ
ン,プロパン,ブタン等のパラフィン類、アセトン,メ
チルエチルケトン,酢酸メチル等のカルボニル化合物、
トルエン,キシレン,エチルベンゼン等の芳香族炭化水
素等が挙げられる。
【0009】このようにして製造されるエチレン系多元
共重合体は、比較的に低温で融解し、各種基材(表皮材
及び基板材を含む。)との物理化学的相互作用、反応性
に富んでいるために、本発明の積層体を低温成形により
製造する場合においても、高い接着強度を確保するのに
大きな役割を果たす。
【0010】接着材層用樹脂組成物中の(B)成分であ
る共重合ナイロンとしては、各種のものを用いることが
できるが、好ましくは炭素数10以上の高級ナイロン
塩,ω−アミノ酸又はラクタムに由来する構造を含むナ
イロンである。具体的には例えば、トール油脂肪酸,大
豆油脂肪酸等の不飽和脂肪酸を加熱重合して得られるダ
イマー酸とエチレンジアミン,ヘキサメチレンジアミ
ン,イソフォロンジアミン,キシリレンジアミン,4,
4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン,p,p’−メ
チレンジアニリン,ピペラジン,トリメチルヘキサメチ
レンジアミン等のジアミンとの縮重合体等が挙げられ、
その他にもナイロン6/66共重合体,ナイロン6/1
2共重合体,ナイロン66/12共重合体,ナイロン6
/66/610共重合体,ナイロン6/66/12共重
合体,ナイロン6/612/12共重合体,ナイロン6
/610/12共重合体,ナイロン6/66/11共重
合体,ナイロン6/66/610/12共重合体等が挙
げられる。この中で特に好ましい共重合ナイロンとして
は、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪酸を加熱重合して得
られるダイマー酸とエチレンジアミン等のジアミンとの
縮重合体,ナイロン6/66/12共重合体,ナイロン
6/612/12共重合体等が挙げられる。そして、こ
れらの共重合ナイロンは、一種のみを単独で用いるだけ
でなく、二種以上を併用することもできる。(B)成分
である共重合ナイロンは、200℃における粘度が20
0〜8,000センチポイズ(cP)の範囲であり、好ま
しくは300〜7,000cPの範囲、更に好ましくは5
00〜6,500cPの範囲である。ここで言う粘度と
は、円筒回転式粘度計で測定した値をいう。この粘度が
200cP未満では、接着材層用樹脂組成物のべたつき
や耐熱性の低下を生じ、一方、8,000cPを超える
と、(A)成分との相溶性又は混合性が低下し、接着材
層用樹脂組成物の製造が困難になる。また、操作性及び
低温接着性の観点から、共重合ナイロンの融点又は軟化
点は180℃以下であることが好ましい。この(B)成
分は、積層体を製造する場合において(A)成分である
エチレン系多元共重合体に基づく接着強度を損なうこと
なく、従来のホットメルト型接着剤では充分な接着強度
が得られなかった基材に対して高い接着強度を獲得する
役割を有する。その詳細な機構は明らかでないが、共重
合ナイロン中のアミド基が基材と親和性を有し、適正な
粘度条件下において、接着材層用樹脂組成物中での
(B)成分の分散及び接着界面への移行が良好に行われ
るためと推定される。
【0011】前記の(A)成分及び(B)成分の配合比
率は、接着材層用樹脂組成物の全量に対して、(A)成
分が70〜99重量%、好ましくは75〜95重量%、
更に好ましくは80〜90重量%であり、一方(B)成
分が30〜1重量%、好ましくは30〜3重量%、更に
好ましくは25〜5重量%である。ここで、(A)成分
が70重量%未満又は(B)成分が30重量%を超える
樹脂組成物は、低温成形時に積層体に良好な接着強度を
与えることができず、またべたつき現象が生じて取扱い
に手間取ることがある。一方、(A)成分が99重量%
を超えるか又は(B)成分が1重量%未満の樹脂組成物
は、広範な基材に対して充分な接着強度を確保できない
ため、基材の種類を問わず良好な接着強度を有する積層
体を提供することができない。なお、上記の(A)成分
及び(B)成分は、それぞれ一種のみを配合するだけで
なく、二種以上を併用しても差し支えない。
【0012】接着材層用樹脂組成物は、上述のように
(A)成分及び(B)成分を配合することによって得ら
れるが、更に必要に応じて(C)ポリオレフィン系樹
脂,(D)有機カルボン酸の金属塩,その他の成分を配
合することができる。ここで(C)成分を構成するポリ
オレフィン系樹脂としては、(A)成分であるエチレン
系多元共重合体を除いて様々なポリオレフィン系重合体
を用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン,
高密度ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリイソプレ
ン,ポリブテン,ポリ−3−メチルブテン−1,ポリ−
4−メチルペンテン−1,ポリブタジエン等の単独重合
体を挙げることができる。また、これらの単独重合体を
構成しているモノマー及びその他のオレフィンの中から
選ばれる二種以上のモノマーの共重合体、或いは、上記
の単独重合体を構成しているモノマー又はその他のオレ
フィンと酸無水物基を有しないその他のラジカル重合性
モノマーとの共重合体、例えば、エチレン−プロピレン
共重合体;ブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1,
4−メチルペンテン−1等をコモノマーとした直鎖状低
密度ポリエチレン;プロピレン−エチレンのブロック共
重合体;エチレン以外のコモノマーの含有割合が10重
量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体又はアルキル
(メタ)アクリレート共重合体等を挙げることができ
る。更に、上記の各樹脂の混合物等を挙げることができ
る。この中で、特に好ましいポリオレフィン系樹脂とし
ては、低密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,エチ
レン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。そして、こ
れらのポリオレフィン系樹脂は、一種のみを単独で用い
るだけでなく二種以上を併用することもできる。
【0013】また(D)成分を構成する有機カルボン酸
の金属塩としては、様々なものを用いることができる
が、具体的には例えば、酢酸ナトリウム,酢酸カルシウ
ム等の低級カルボン酸の金属塩;ステアリン酸ナトリウ
ム,ステアリン酸カルシウム等の高級カルボン酸の金属
塩;一般にアイオノマーと称される高分子カルボン酸の
金属塩等を挙げることができる。この中で、特に好まし
いカルボン酸の金属塩としては、アイオノマー等が挙げ
られる。
【0014】上記の(C)成分及び(D)成分は、接着
材層用樹脂組成物の耐熱性を高めることを目的として配
合される。(A)成分及び(B)成分のみでは接着材層
用樹脂組成物の耐熱性が不足する場合があり、そのよう
な場合には、(A)成分と比べて融点が高い(C)成分
や、(A)成分との相互作用により高温下での接着材層
用樹脂組成物の接着強度を高める(D)成分を配合する
ことが有効である。
【0015】(C)成分及び(D)成分の配合比率は、
基材の種類,製造工程,最終的に製造すべき本発明の積
層体の要求特性等の諸条件に応じて変えることができる
が、一般的には、接着材層用樹脂組成物の接着性を確保
する観点から、接着材層用樹脂組成物の全量に対して、
(C)成分及び(D)成分の合計量を50重量%以下と
するのが好ましい。なお、(C)成分及び(D)成分
は、いずれか一方のみ又は両方を併用して用いることが
でき、更には、(C)成分の二種以上及び/又は(D)
成分の二種以上を併用することもできる。
【0016】前記の(A),(B),(C)及び(D)
成分以外のその他の成分としては、本発明の積層体の特
徴を損なわない範囲で、各種の添加剤,配合剤,充填剤
等を配合することができる。具体的には例えば、酸化防
止剤(耐熱安定剤),紫外線吸収剤(光安定剤),帯電
防止剤,防曇剤,難燃剤,滑剤(スリップ剤,アンチブ
ロッキング剤),ガラスフィラー等の無機充填剤,有機
充填剤,補強剤,着色剤(染料,顔料),発泡剤,架橋
剤,香料等が挙げられる。これらの添加剤等は、接着材
層用樹脂組成物を製造する際に添加してもよいし、
(A)〜(D)の各成分に初めから添加されていてもよ
い。
【0017】接着材層用樹脂組成物は、前記の(A)成
分及び(B)成分を各配合比率に従って混合することに
よって調製される。また、この接着材層用樹脂組成物
は、(A)成分及び(B)成分の他に、必要に応じて
(C)成分,(D)成分又はその他の成分を混合するこ
とによっても調製される。各成分の混合にあたっては、
通常知られている種々の方法を用いることができる。具
体的には例えば、各成分を高温のトルエンのような溶媒
に溶解、再沈させる方法、各成分を溶融状態で混合する
方法、すなわち一般的に用いられている加圧ニーダー,
ロール,バンバリーミキサー,スタティックミキサー,
スクリュー式押出機等を用いる方法等が挙げられる。ま
た、場合によっては、各成分をドライブレンドし成形時
に組成物化することもできる。
【0018】本発明の積層体の基材層を構成する基材と
しては、製造すべき積層体の用途等に応じて、従来から
知られている様々な基材を使用することができる。従っ
て本発明は、広範な分野に接着強度の優れた積層体を提
供することができ、この点が本発明の特徴の一つとなっ
ている。ここで使用可能な基材としては、例えば、上質
紙,クラフト紙,グラシン紙,和紙,ダンボール原紙,
合成紙,アート紙,コート紙等の各種紙類;木綿,麻,
ポリエステル,ナイロン等による各種織布又は不織布;
木板;鉄,アルミニウム,銅,ブリキ等の各種金属板又
は箔;ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリエチレン,
ポリエステル,ナイロン,ポリカーボネート,アクリル
樹脂,フェノール樹脂,ポリウレタン等の各種プラスチ
ックにより形成された板,成形品,フィルム又は発泡
体;ガラス繊維,セラミックス等の各種無機物等を挙げ
ることができる。また、これらの基材は必要に応じて、
表面処理、コーティング、印刷等が施されていても差し
支えない。
【0019】本発明の積層体は、任意に選ばれた一の基
材の片面上又は両面上に接着材層用樹脂組成物を積層す
るか、或いは、任意に選ばれた二以上の基材を接着材層
用樹脂組成物で接着することにより製造できる。製造に
際しては、従来から知られている様々な成形方法を適用
できる。前者の積層体の場合には、例えば、接着材層用
樹脂組成物をインフレーション成形又はTダイ成形等す
ることによって得たフィルムを基材に熱ロールラミネー
ト成形する方法;基材に接着材層用樹脂組成物を押出し
ラミネート成形によってコーティングする方法;接着材
層用樹脂組成物を、粉体接着剤として基材上に振りかけ
て使用する方法等が挙げられる。また、後者の積層体の
場合には、例えば、上記のフィルムを基材間に挟み熱接
着させる方法;熱ロールラミネート成形又は押出しラミ
ネート成形して得た上記の積層体の接着材層側を、更に
他の基材に熱プレス又は熱ロールで加熱圧着する方法等
が挙げられる。ここで前者の積層体は、接着材層が積層
体の表面に存在することから、後者の積層体を製造する
際の中間体として使用されるだけでなく、基材以外の物
品,構造物等、例えば、家具,外壁等に接着可能な積層
体として各種の分野に使用することができる。なお、本
発明の積層体には、接着材層用樹脂組成物を使用しない
接着材層を介して、或いは接着材層を介さずに、更に基
材層を積層することもできる。
【0020】本発明の積層体を製造する際の接着温度及
び接着圧力は、基材の種類,接着材層用樹脂組成物の組
成,成形条件等を考慮し適宜選択できる。接着温度につ
いては、接着材層用樹脂組成物の軟化点以上で、かつ基
材に影響を及ぼさない温度以下の範囲とする必要がある
が、本発明の積層体の接着材層を構成する接着材層用樹
脂組成物は60〜130℃程度の比較的低い融点を有し
ており、接着温度を低く抑えることができる。また接着
圧力についても、本発明の積層体の接着材層を構成する
接着材層用樹脂組成物は0.01〜0.8kg/cm2 程度
の比較的低い圧力で強力な接着が可能である。このため
基材(特に表皮材)の風合い,感触等を損なうことなく
積層体を製造できる。従来このような低温接着性を付与
した場合、例えば80℃前後の高温雰囲気下では接着剤
が融解して流れ出し、著しく接着性能が低下していた。
しかし、本発明による積層体を構成する接着層は、この
ような高温下でも樹脂が融解して流れ出すことはなく、
充分な粘着力を保持している。従って、60〜130℃
の温度で、低圧成形することにより得られた積層体は、
常温で優れた接着性能を有するのみならず、再び80℃
程度の高温下に置かれても実用上問題のない接着力を保
持しており、耐熱クリープ性が良好で広い温度範囲で亀
裂,反り,剥離,クリープ等の変形を殆ど生じない。更
に、このような低温,低圧成形により得られた積層体は
接着強度及び耐熱クリープ性も良好であり、広い温度範
囲で亀裂,反り,剥離,クリープ等の変形を殆ど生じな
い。
【0021】本発明の積層体の各層(基材層及び接着材
層)の厚さは、基材の種類,接着材層用樹脂組成物の組
成,積層体の用途,積層体に要求される物性等の諸条件
に応じて適宜選択できる。接着材層の厚さについては、
一般に、10〜200μmの範囲であり、好ましくは2
0〜100μmの範囲である。ここで、10μm未満で
は充分な接着強度が得られない場合があり、一方、20
0μmを超えると熱伝導性の低下により充分な接着強度
が得られない場合があり、いずれも好ましくなく、実用
的でない。
【0022】本発明の積層体は、上述のように低温,低
圧で製造することができると共に、そのような製造条件
であっても良好な接着強度及び耐熱クリープ性を有す
る。従って本発明の積層体は、基材として表皮材及び基
板材を使用することにより、特に、低温,低圧で接着し
た場合の接着強度及び高温下での耐熱クリープ性が要求
される自動車,住居等の内装用材料として、好適に使用
することができる。この点も本発明の特徴の一つであ
る。ここで、使用可能な表皮材及び基板材に特に制限は
なく、現在一般に自動車,車両,船舶,住居等の内装用
材料に用いられている種々の材料に適用することができ
る。例えば、表皮材としては、ポリエステル不織布,起
毛ニット,ファブリック,スウェード調合成皮革,塩化
ビニル(塩ビ)レザー,ポリウレタンレザー,ポリプロ
ピレン系熱可塑性エラストマーあるいはクッション性を
与えるためにこれらの材料に発泡ウレタン,発泡ポリプ
ロピレン,発泡ポリエチレン,発泡ポリビニリデン等の
発泡体を貼り合わせたもの等が挙げられる。一方、基板
材としては、例えば、レジンフェルト,レジンウッド,
グラスファイバーフェノール,段ボール,ポリプロピレ
ンハニカム,ポリスチレンフォーム,ガラス繊維強化ポ
リプロピレン板あるいはこれらの材料に不織布を貼り合
わせたもの等が挙げられる。
【0023】上記の内装用材料を製造する場合にも、内
装用材料以外の本発明の積層体を製造する場合と同様
に、従来から知られている様々な成形方法を適用でき
る。例えば、基板材を所定の温度に加熱し、真空成形機
にセットし、この上にインフレーション成形又はTダイ
成形等によってフィルム化した接着材層用樹脂組成物を
置き、次いで予め所定の温度に加熱した表皮材を重ねて
真空圧着する方法;表皮材と基板材の間に上記のフィル
ムを挟み、熱プレスする方法;表皮材に接着材層用樹脂
組成物を押出しラミネート成形によってコーティングし
て得た積層体の接着材層側を、更に基板材に熱プレス又
は熱ロールで加熱圧着する方法;接着材層用樹脂組成物
を粉末にし、熱プレス上に置いた基板材に振りかけ、そ
の上に表皮材を熱プレスする方法;更には、表皮材の接
着側に上記のフィルムを予め熱ロールラミネートして得
た積層体を、更に基板材に熱プレス又は熱ロールで加熱
圧着する方法等が挙げられる。
【0024】
【実施例】更に、本発明を参考例,比較参考例,実施例
及び比較例によって、具体的に説明する。なお、参考例
とは、実施例で開示された本発明の積層体に使用された
接着材層用樹脂組成物の製造例であり、一方、比較参考
例とは、比較例で示された積層体に使用された樹脂組成
物の製造例である。 参考例1 エチレン系多元共重合体(A)として、エチレン−無水
マレイン酸−アクリル酸メチル三元共重合体を用いた。
この三元共重合体は、低密度ポリエチレンプラントの設
備を利用し、重合温度200℃,重合圧力1,700kg
/cm2 の条件で、t−ブチルパーオキシピバレートを
開始剤とし、3種のモノマーを共重合することによって
製造した。この三元共重合体のMFR(JIS−K72
10,表1,条件4にて測定。以下、MFRは全てこの
条件を使用。)は14g/10分、無水マレイン酸に由
来する単位の割合は3重量%、アクリル酸メチルに由来
する単位の割合は18重量%であった。一方、共重合ナ
イロン(B)としては、ナイロン(a)(富士化成工業
(株)製トーマイド#1350;トール油脂肪酸等の不
飽和脂肪酸を加熱縮合して得られるダイマー酸とエチレ
ンジアミン等のジアミンとの縮重合体)を用いた。20
0℃における粘度は2,900cP、軟化点は150℃で
あった。上記の2成分の重量比((A)/(B))を9
5/5とし、この(A)成分及び(B)成分の合計量に
対し、添加剤として珪酸マグネシウム0.2重量部、エル
カ酸アミド0.2重量部をタンブラーでドライブレンドし
た後、65mmφ単軸押出機を用い170℃で溶融混練
し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0025】参考例2〜11及び比較参考例1〜4 第1表に示したように、(A)〜(D)の各成分の種類
及び配合比率を変えた以外は参考例1と同様に操作し、
樹脂組成物のペレットを得た。
【0026】
【表1】
【0027】*1 MAh: 無水マレイン酸 *2 IAh: 無水イタコン酸 *3 MA : アクリル酸メチル *4 MMA: メタクリル酸メチル *5 VA : 酢酸ビニル
【0028】
【表2】
【0029】*6 ナイロン(a):富士化成工業
(株)製,トーマイド#1350(トール油脂肪酸等の不飽
和脂肪酸を加熱縮合して得られるダイマー酸とエチレン
ジアミン等のジアミンとの縮重合体) *7 ナイロン(b):富士化成工業(株)製,トーマ
イド#1310(トーマイド#1350と同様にダイマー酸とジ
アミンとの縮重合体) *8 ナイロン(c):富士化成工業(株)製,トーマ
イド#560 (トーマイド#1350と同様にダイマー酸とジ
アミンとの縮重合体) *9 ナイロン(d):ナイロン6/66/12 (共重合組成
重量比=20/40/40) *10 ナイロン(e):ナイロン6/612/12(共重合組成
重量比=25/35/40) *11 ナイロン(f):ナイロン6/12(共重合組成重量
比=30/70)
【0030】
【表3】
【0031】*12 LDPE:低密度ポリエチレン(密
度=0.917g/cc ,MFR(JIS−K7210の表1,条件
4)=8.0g/10 分) *13 EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビ
ニル含量=8重量%,MFR(JIS−K7210の表1,
条件4)=5.0g/10 分) *14 アイオノマー(a):エチレン−メタクリル酸
(20重量%)共重合体のNa塩(メタクリル酸に由来す
る単位の55モル%を中和),MFR(JIS−K7210の
表1,条件4)=3.0g/10 分 *15 アイオノマー(b):エチレン−メタクリル酸
(10重量%)共重合体のZn塩(メタクリル酸に由来す
る単位の20モル%を中和),MFR(JIS−K7210の
表1,条件4)=5.0g/10 分
【0032】実施例1 参考例1で得られたペレットを、インフレーションフィ
ルム成形機で厚さ50μmのフィルムとした。基材は、
表皮材として発泡ウレタン(厚さ2mm)を選び、基板
材としてポリプロピレンの射出成形板(厚さ2mm,ア
ンカーコート剤を塗布)を選んだ。この表皮材と基板材
の間に上記のフィルムを挟んで、120℃,2kg/c
2 ,20秒の条件で熱プレスし、本発明の積層体を得
た。冷却(30℃,4分)後、このサンプルを25mm
幅に切り出し、180°剥離試験を実施し、接着性能を
評価した。更に、途中まで剥離した試験片に100gの
荷重を加え、80℃の雰囲気下で24時間放置した場合
の剥離距離を測定して、耐熱クリープ性の目安とした。
その結果を第2表に示す。
【0033】実施例2〜11 参考例2〜11で得られたペレットを接着材層用樹脂組成
物として使用した以外は実施例1と同様に操作し、本発
明の積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で18
0°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ性を
評価した。その結果を第2表に示す。
【0034】比較例1〜4 比較参考例1〜4で得られたペレットを接着材層用樹脂
組成物の代わりに使用した以外は実施例1と同様に操作
し、積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で18
0°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ性を
評価した。その結果を第2表に示す。
【0035】
【表4】
【0036】実施例12 参考例1で得られたペレットを、実施例1と同様の方法
で厚さ50μmのフィルムとした。基材は、表皮材とし
て厚さ1.2mmのポリエチレンテレフタレート不織布を
選び、基板材として木板(厚さ3mmのベニヤ板)を選
んだ。これらのフィルム及び基材を使用して実施例1と
同様に操作し、本発明の積層体を得た。更に、実施例1
と同様の方法で180°剥離試験を実施し、接着性能及
び耐熱クリープ性を評価した。その結果を第3表に示
す。
【0037】実施例13〜22 参考例2〜11で得られたペレットを接着材層用樹脂組成
物として使用した以外は実施例12と同様に操作し、本発
明の積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で18
0°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ性を
評価した。その結果を第3表に示す。
【0038】比較例5〜8 比較参考例1〜4で得られたペレットを接着材層用樹脂
組成物の代わりに使用した以外は実施例12と同様に操作
し、積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で18
0°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ性を
評価した。その結果を第3表に示す。
【0039】
【表5】
【0040】実施例23 参考例1で得られたペレットを、実施例1と同様の方法
で厚さ50μmのフィルムとした。基材は、表皮材とし
て厚さ2.0mmの発泡ポリプロピレンを選び、基板材と
して厚さ2.0mmのレジンフェルトを選んだ。これらの
フィルム及び基材を使用して実施例1と同様に操作し、
本発明の積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で
180°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ
性を評価した。その結果を第4表に示す。
【0041】実施例24〜33 参考例2〜11で得られたペレットを接着材層用樹脂組成
物として使用した以外は実施例23と同様に操作し、本発
明の積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で18
0°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ性を
評価した。その結果を第4表に示す。
【0042】比較例9〜12 比較参考例1〜4で得られたペレットを接着材層用樹脂
組成物の代わりに使用した以外は実施例23と同様に操作
し、積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で18
0°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ性を
評価した。その結果を第4表に示す。
【0043】
【表6】
【0044】実施例34 参考例1で得られたペレットを、実施例1と同様の方法
で厚さ50μmのフィルムとした。基材は、表皮材とし
て厚さ1.2mmのポリエチレンテレフタレート不織布を
選び、基板材として厚さ3.0mmのグラスファイバーフ
ェノールを選んだ。これらのフィルム及び基材を使用し
て実施例1と同様に操作し、本発明の積層体を得た。更
に、実施例1と同様の方法で180°剥離試験を実施
し、接着性能及び耐熱クリープ性を評価した。その結果
を第5表に示す。
【0045】実施例35〜44 参考例2〜11で得られたペレットを接着材層用樹脂組成
物として使用した以外は実施例34と同様に操作し、本発
明の積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で18
0°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ性を
評価した。その結果を第5表に示す。
【0046】比較例13〜16 比較参考例1〜4で得られたペレットを接着材層用樹脂
組成物の代わりに使用した以外は実施例34と同様に操作
し、積層体を得た。更に、実施例1と同様の方法で18
0°剥離試験を実施し、接着性能及び耐熱クリープ性を
評価した。その結果を第5表に示す。
【0047】
【表7】
【0048】第2表から第5表に示された180°剥離
試験の結果を見ると、実施例1の積層体の場合(第2表
を参照せよ。)、接着界面は全く剥離せず、表皮材であ
る発泡ウレタン自身が材料破壊した。破壊時の強度は1.
5kg/25mm幅だった。本発明の積層体は、種々の
基材(表皮材,基板材)及び接着材層用樹脂組成物を組
み合わせた場合も接着界面は全く剥離せず、基材の材料
破壊が起こり、良好な接着強度を有することが認められ
た(実施例2〜44)。これらの結果から、本発明の積層
体は、従来は充分な接着強度を得ることが困難であった
ウレタン系の基材や表面平滑なポリプロピレンの射出成
形板を含め、基材の種類を問わずに優れた接着強度を有
することがわかる。一方、比較例1〜16のように、本発
明の積層体に使用される接着材層用樹脂組成物を使用し
ない積層体は、広範な基材に対して充分な接着強度を保
持することができず、使用できる範囲が制限される。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の積層体は、基材
の種類を問わずに優れた接着強度を有すると共に、広い
温度範囲でその強力な接着強度を維持し、耐熱クリープ
性にも優れることから、広範な分野で幅広く使用するこ
とができる。しかも、製造時に有機溶剤を使用する必要
がなく、また作業工程が簡単なことから、製造工程上の
問題も生じない。更に、本発明の積層体に使用される接
着材層用樹脂組成物は、従来のホットメルト型接着剤と
同様の方法、設備を用いて製造できることから、比較的
安価かつ容易に製造することができる。従って本発明の
積層体は、各種の分野で有効に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田越 宏孝 大分県大分市大字中ノ洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層及び接着材層を有し、該接着材層
    が、(A)エチレンとラジカル重合性酸無水物及びこれ
    以外のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体
    であって、該エチレン系多元共重合体中のラジカル重合
    性酸無水物に由来する単位の割合が0.1〜5重量%で、
    これ以外のラジカル重合性コモノマーに由来する単位の
    割合が3〜50重量%であるエチレン系多元共重合体7
    0〜99重量%及び(B)200℃における粘度が20
    0〜8,000センチポイズ(cP)である共重合ナイロ
    ン30〜1重量%を含有する樹脂組成物からなることを
    特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 接着材層を構成する樹脂組成物が、更に
    (C)ポリオレフィン系樹脂及び/又は(D)有機カル
    ボン酸の金属塩を含有する請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 少なくとも二層の基材層及び一層の接着
    材層を有し、接着材層を介して基材層を接着した構成で
    ある請求項1又は2記載の積層体。
JP33989992A 1992-12-21 1992-12-21 積層体 Pending JPH06182922A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33989992A JPH06182922A (ja) 1992-12-21 1992-12-21 積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33989992A JPH06182922A (ja) 1992-12-21 1992-12-21 積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06182922A true JPH06182922A (ja) 1994-07-05

Family

ID=18331853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33989992A Pending JPH06182922A (ja) 1992-12-21 1992-12-21 積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06182922A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000023518A1 (fr) * 1998-10-16 2000-04-27 Nitto Boseki Co., Ltd. Article d'interieur en resine
JP2008508403A (ja) * 2004-07-29 2008-03-21 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 高度に官能化されたエチレンコポリマーから誘導された接着剤組成物
JP2008524365A (ja) * 2004-12-16 2008-07-10 アルケマ フランス エチレンコポリマーをベースにした押出し被覆および押出ラミネーションで有用な各種支持体用接着剤組成物
JP2020514139A (ja) * 2017-03-20 2020-05-21 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 金属及びポリアミド組成物を含有する積層体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000023518A1 (fr) * 1998-10-16 2000-04-27 Nitto Boseki Co., Ltd. Article d'interieur en resine
US6380296B1 (en) 1998-10-16 2002-04-30 Nitto Boseki Co., Ltd. Interior resin article
JP2008508403A (ja) * 2004-07-29 2008-03-21 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 高度に官能化されたエチレンコポリマーから誘導された接着剤組成物
JP2008524365A (ja) * 2004-12-16 2008-07-10 アルケマ フランス エチレンコポリマーをベースにした押出し被覆および押出ラミネーションで有用な各種支持体用接着剤組成物
JP2020514139A (ja) * 2017-03-20 2020-05-21 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 金属及びポリアミド組成物を含有する積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9321941B2 (en) Tie-layer adhesives for styrene polymers and articles
JPH07276584A (ja) 積層フィルム
JP3264379B2 (ja) 自動車内装用材料
JPH06182922A (ja) 積層体
JP2846451B2 (ja) 接着性樹脂組成物
JPS6221037B2 (ja)
JP3380580B2 (ja) 積層体
JPH04320440A (ja) 接着性樹脂組成物
JP3296613B2 (ja) 樹脂組成物
JP3086327B2 (ja) 積層体及びその製造方法
JP2007119608A (ja) ラミネート用組成物
JPH06157841A (ja) 樹脂組成物
JP3504377B2 (ja) 感熱接着剤組成物及び該接着剤を用いる多層積層体
JP3095278B2 (ja) 積層材料
JP3170370B2 (ja) 内装用材料
JP3280093B2 (ja) 樹脂組成物
JP3207557B2 (ja) 積層体
JPH04246446A (ja) 接着性樹脂組成物
JP3098594B2 (ja) 糊付芯地積層体等およびその製造方法
JPH07216154A (ja) 接着性樹脂組成物及び多層積層体
JP3524642B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂成形体及びその成形方法
JP3404114B2 (ja) 帯電防止性樹脂組成物及び肉薄成形体
JPH0631848A (ja) 熱接着性積層体及びその製造方法
JPH05286037A (ja) 合板及びその製造方法
JPH08217925A (ja) 感熱接着フィルム及び該接着フィルムを用いる多層積層体