JP3095278B2 - 積層材料 - Google Patents

積層材料

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JP3095278B2
JP3095278B2 JP3020992A JP3020992A JP3095278B2 JP 3095278 B2 JP3095278 B2 JP 3095278B2 JP 3020992 A JP3020992 A JP 3020992A JP 3020992 A JP3020992 A JP 3020992A JP 3095278 B2 JP3095278 B2 JP 3095278B2
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ethylene
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伸太郎 稲沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度の接着が容易で耐
熱性があり、リサイクル性に優れた積層材料、特に自動
車内装用材料として使用するに好適な積層材料に関す
る。
【0002】自動車は世界各国に輸出され、酷寒から酷
暑の気候にさらされ、またその使用態様も広範にわた
り、特に日光直射下にあってはその内部は外気温に比し
極めて高温になることは良く知られている。そして車内
は居住性、見栄え(審美性)を良くするため種々の複合
材料が内装材として用いられているが、自動車用内装材
としての機能を有しながら、廃車あるいは不良品となっ
たときのリサイクル性の優れた内装用材料が求められて
いる。
【0003】
【従来の技術】積層材料、特に自動車の内装用材料に
は、室内の美観を重視した表皮材と必要な機能を重視し
た基板材を接着接合した多層積層体が使用されている。
該多層積層体を製造するに当たり、溶剤系接着剤での接
合は、作業に手間がかかるうえ、近年環境問題が重視さ
れつつある中で、有機溶剤による労働衛生及び危険性
(火災等)の問題があり、不適当な作業方法である。
【0004】この問題を回避するため、表皮材と基板材
の接着に感熱性接着樹脂を使用することがしばしば行わ
れている。具体的な方法としては、表皮材と基板材の間
に感熱接着フィルムを挟んで熱プレスで加熱圧着する方
法や、表皮材に感熱性接着樹脂を押出しコーティングし
た積層材または表皮剤に感熱接着樹脂のフィルムを熱ロ
ールラミした積層材を基板材に加熱圧着する等の方法、
さらにはこれらの表皮剤を真空成形する方法が採られて
いる。
【0005】これらの多層積層体は居住性、審美性を高
めるための表皮材と、機能性を保持させるための基板材
とを熱可塑性樹脂で接着する手段が取られるが、感熱性
接着樹脂に対しては表皮材として使用する織布、発泡体
などが影響を受けないように接着時の温度はできるだけ
低温であって、低い圧力で、短時間で接着可能であるこ
と、各種材質の表皮材、基板材に対しても強い接着力を
有すること、コストが低いこと、更に高温クリープ特性
が良いことなどが要求されている。特に低温接着性の良
いことと、高温クリープ特性が良いことの通常相反する
要求(一般に低温接着性が良いものは高温クリープ特性
は劣化する。)がある。
【0006】さらにリサイクルの際には、これらの内装
材をできるだけ簡単に解体分離し、リサイクル可能なも
のと不可能なものの分離、あるいはそれぞれを別々に有
利な廃棄方法に適用するための分離をする必要がある
が、従来耐熱性のある高温クリープ特性の優れたナイロ
ン系の樹脂や硬化型の接着剤が使用されているため、剥
離、分解が困難であり、それぞれの材料を分離し、選択
的にこれを処理することは行われていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はできるだけ低
温で、低い圧着力で接着が可能であって、広範な種類の
被着物に対して強い常温の接着力、高温耐クリープ性が
あり、フィルムとしてブロッキング性がなく、加工性、
作業性、経済性に優れた熱可塑性樹脂であって、更に接
着力としては通常の使用温度においては充分強力であり
ながらリサイクル処理の温度においては簡単に剥離でき
る(易剥離性のある)積層材料の開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点の解決のため種々検討した結果、特定のポリオレフィ
ン系樹脂組成物を接着層とした、表皮材、熱可塑性樹
脂、基板材からなる多層積層体が積層材料として広範に
利用できる好適な材料であることを見出した。
【0009】即ち、本発明は少なくとも表皮材料、熱可
塑性樹脂、基板材からなる多層構造物において、該熱可
塑性樹脂が以下の(1)及び(2)からなるポリオレフ
ィン系樹脂組成物であることを特徴とする積層材料。 (1)エチレンとラジカル重合体酸無水物及びこれ以外
のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体であ
り、共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単
位の割合が0.1重量%以上で5重量%以下、他のラジ
カル重合体コモノマーに由来する単位の割合が3重量%
以上で50重量%以下であるエチレン系共重合体10〜
90重量%及び (2)融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂90
〜10重量% を開発することにより上記の課題を解決した。
【0010】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
に関わる表皮材、基板材については特に制限はなく、現
在一般に積層材料、特に自動車用内装用積層材料として
使用されている種々の材料が使用できる。
【0011】このような表皮材の具体例としては、ポリ
エステル不織布、起毛ニット、塩ビレザー、ポリウレタ
ンレザー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、あ
るいはこれらの材料に発泡ウレタン、発泡ポリエチレ
ン、発泡ポリプロピレン等のクッション材を貼合したも
の等、種々の材料が挙げられる。
【0012】基板材の具体例としては、レジンフェル
ト、ガラス繊維入りフェノール樹脂板、段ボール、ポリ
プロピレンハニカム、ポリスチレンフォーム、ガラス繊
維強化ポリプロピレン板あるいはこれらに不織布を貼合
した材料等が挙げられる。
【0013】本発明に関わるポリオレフィン系樹脂組成
物は2成分よりなるが、その一つはエチレンとラジカル
重合性酸無水物及びラジカル重合性コモノマーからなる
多元共重合体であり、本樹脂を用いることによって表皮
材及び基板材との接着性が発現される。ここでいうラジ
カル重合性酸無水物とは、分子中にラジカル重合可能な
不飽和結合と酸無水物基を各々1個以上有し、重合によ
り酸無水物基を分子中に導入できるような化合物を示
す。化合物の具体的な例としては、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン
酸、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、炭素数
が多くとも18である末端に二重結合を有するアルケニ
ル無水コハク酸、炭素数が多くとも18である末端に二
重結合を有するアルカジエニル無水コハク酸等を挙げる
ことができる。これらは2種類以上同時に併用しても差
し支えない。このうち無水マレイン酸、無水イタコン酸
が特に好ましい。
【0014】ラジカル重合性コモノマーとしては多くの
化合物が使用でき、具体的にはエチレン系不飽和エステ
ル化合物、エチレン系不飽和アミド化合物、エチレン系
不飽和酸化合物、エチレン系不飽和エーテル化合物、エ
チレン系不飽和炭化水素化合物等を挙げることができ
る。これらを具体的に記せば、エチレン系不飽和エステ
ル化合物としては、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル等を
例示する事ができる。エチレン系不飽和アミド化合物と
しては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、
N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルア
ミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル
(メタ)アクリルアミド等を例示することができる。エ
チレン系不飽和酸化合物としては(メタ)アクリル酸を
例示することができる。エチレン系不飽和エーテル化合
物としてはメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクタデシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテ
ル、等を例示することができる。エチレン系不飽和炭化
水素化合物及びその他の化合物としてはスチレン、α−
メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクロレイン、トリメトキシビニルシラン、トリエ
トキシビニルシラン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、等
を挙げることができる。このうち特に好ましい化合物と
しては、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アク
リル酸等を挙げることができる。必要に応じてこれらの
コモノマーを2種類以上同時に併用しても差し支えな
い。
【0015】本エチレン系共重合体中のラジカル重合性
酸無水物及び他のラジカル重合性コモノマーに由来する
単位の割合は、ラジカル重合性酸無水物が0.1〜5重
量%、ラジカル重合性コモノマーが3〜50重量%の範
囲でなければならない。
【0016】ラジカル重合性酸無水物の割合が0.1重
量%未満では接着性能が不足して良好な多層積層体が製
造できない。該割合が5重量%を越えるとエチレン系共
重合体とポリオレフィン系樹脂の相溶性が悪化し製品の
性能が低下する。他のラジカル重合性コモノマーの割合
が3重量%未満ではエチレン系共重合体の結晶融点が十
分低くならず、本発明の特徴の一つである低温接着性が
発揮できない。また50重量%を越えると、樹脂の取扱
いが困難になるとともに積層材料、特に自動車内装用材
料に求められる耐熱性が低下する。
【0017】本エチレン系共重合体の製造にあたって
は、基本的には通常の低密度ポリエチレンの製造設備お
よび技術を利用することができる。一般的には塊状重合
であり、700〜3000気圧の圧力下で100から3
00℃の温度範囲にてラジカル重合にて製造される。好
ましい重合圧力、重合温度の範囲としては1000〜2
500気圧、反応器内の平均温度が150〜270℃と
することができる。
【0018】本発明で用いるエチレン系共重合体の製造
は、上記の反応条件にて少なくとも1種のフリーラジカ
ル開始剤の存在下で行なわれる。該フリーラジカル開始
剤の例として、酸素;ジ−t−ブチルパーオキシド、t
−ブチルクミルパーオキシドジクミルパーオキシド、等
のジアルキルパーオキシド;アセチルパーオキシド、i
−ブチルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド、等
のジアシルパーオキシド、ジ−i−プロピルパーオキシ
カーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカー
ボネート、等のパーオキシカーボネート;t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、等のパーオキシエステル;メチルエチルケトンパー
オキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、等のケトン
パーオキシド;1,1−ビス−t−ブチルパーオキシシ
クロヘキサン、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシオ
クタン、等のパーオキシケタール;t−ブチルヒドロパ
ーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、等のヒドロパ
ーオキシド;2,2−アゾ−i−ブチロニトリル、等の
アゾ化合物、等が挙げられる。
【0019】また重合にあたって、分子量調節剤として
種々の連鎖移動剤を使用することが可能である。連鎖移
動剤の例としては、プロピレン、ブテン、ヘキセン等の
オレフィン類、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィ
ン類、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル等の
カルボニル化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。
【0020】このように製造された、上記条件を満たす
エチレン系共重合体は、比較的低温で融解し各種基材と
の物理化学的相互作用、反応性に富んでいるため、本発
明のポリオレフィン系樹脂組成物が低温成形でも高い接
着力を発揮するのに大きな役割を果たす。
【0021】熱可塑性樹脂の第2成分としてのポリオレ
フィン系樹脂の対象としては、高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、
ポリブテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−
メチルペンテン−1、ポリブタジエン、および前記樹脂
の構成単位の共重合体、例えばエチレン−プロピレン共
重合体、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1等をコモノマーとした直鎖状低密
度ポリエチレン、プロピレン−エチレンのブロック共重
合体、またはこれらの樹脂の混合物等がある。
【0022】そして本発明において利用できるポリオレ
フィン系樹脂は、このうち融点が100℃以上のもので
ある必要があり、好ましくは100〜160℃、特に好
ましくは120〜150℃のものである。ここで言う融
点とは、DSC、DTA等の機器で測定される融解ピー
ク温度を意味する。ポリオレフィン系樹脂をエチレン系
共重合体に混合するのは積層材料、特に自動車内装用材
料に要求される高温使用時における接着力保持(耐熱ク
リープ特性の向上)が目的であるが、融点が100℃未
満ではこの効果が不足する。
【0023】以上の2成分を混合することにより本発明
に関わるポリオレフィン系樹脂組成物が製造されるが、
混合にあたっては通常知られている種々の方法を用いる
ことができる。その具体的方法を例示すれば、各々の成
分を高温のトルエンのような良溶媒に溶解、再沈させる
方法、各成分を溶融状態で混合する方法、すなわち一般
に用いられている加圧ニーダー、ロール、バンバリーミ
キサー、スタティックミキサー、スクリュー式押出機等
を用いる方法を挙げることができる。
【0024】また、場合によっては樹脂組成物の成形時
に各成分をドライブレンドすることも可能である。すな
わち、各成分をペレット、粉体の状態で混合し、フィル
ム等の製造段階における押出機等による混練り作用を利
用して溶融混合することが可能である。
【0025】本発明に関わるポリオレフィン系樹脂の組
成物には、該組成物の特徴を損なわない範囲で各種の添
加剤、配合剤、充填剤を使用することが可能である。こ
れらを具体的に示せば、酸化防止剤(耐熱安定剤)、紫
外線吸収剤(光安定剤)、帯電防止剤、防曇剤、難燃
剤、滑剤(スリップ剤、アンチブロッキング剤)、ガラ
スフィラー等の無機充填剤、有機充填剤、補強剤、着色
剤(染料、顔料)、発泡剤、香料等が挙げられる。
【0026】ポリオレフィン系樹脂組成物の製造にあた
って、2成分の混合比率は最終的に必要とされる要求に
応じて変わってくるので一概には規定できない。一般的
にはエチレン系共重合体とポリオレフィン系樹脂の比率
を1/9〜9/1の範囲として組成物を製造するのが適
当である。
【0027】このようにして得られたポリオレフィン系
樹脂組成物は、比較的低温の熱プレスで表皮材の外観を
損なうことなく表皮材及び基板材に強力に接着するとと
もに高温での接着強度保持の点で優れている。
【0028】また不良品等の再利用、廃棄にあたり接着
された表皮材料をはぎやすいことが要求される場合は、
本発明の組成物を利用した自動車の天井、ドアトリム、
インストルメントパネル、コンソールボックス等の内装
用材料が上記2成分を混合して得られるポリオレフィン
系樹脂組成物のうち、ポリオレフィン系樹脂として融点
が120〜150℃の直鎖状ポリエチレン、ポリプロピ
レン系材料等を使用して得たポリオレフィン系樹脂組成
物を使用することが好ましい。該組成物は自動車内で予
想される高温での接着保持性が優れる上に、140℃よ
り高温にした場合驚くことに著しく接着強度が低下す
る。このことは成形不良品等を剥離し、各積層部材ごと
に分別及び再生する上で非常に有意義である。
【0029】本ポリオレフィン系樹脂組成物を利用して
積層材料、特に自動車内装用材料を製造するにあたって
は、種々の成形方法が利用可能である。一般的な例を示
せば、ポリオレフィン系樹脂組成物をインフレ成形また
はTダイ成形によってフィルム化した後、表皮材及び基
板材に挟み熱プレスで加熱圧着する方法やこれを真空成
形する方法、表皮材にポリオレフィン系樹脂組成物を押
出しコーティングした積層材を基板材に熱プレスまたは
熱ロールで加熱圧着する方法、更には、ポリオレフィン
系樹脂組成物を粉砕して粉末にしたのち熱プレス上に置
いた基板材に振りかけ、その上に表皮材を熱プレスする
方法等も使用可能である。
【0030】以上によって得られた多層積層体は過酷な
環境条件下で使用でき、外観を重要視する用途に適して
おり、例えば具体的には自動車内装天井部材、自動車内
装ドア部材、自動車内装ダッシュボード部材等の自動車
内装用積層材料はもちろん、他の汽車等の車両、船舶、
航空機、プレファブ住宅などの内装用積層材料として好
適に使用される。
【0031】
【作用】本発明の積層材料、特に自動車内装用積層材料
は次の要求に応えることができる。 高級感のある表皮材を含む複合材に使用しても、そ
の素材の風合い、感触を損なわないこと。 酷寒、酷暑、特に炎天下においても複合材が亀裂、
反り、剥離、クリープによる変形などを起こさないこ
と。 コストが安く生産工程においては低温、低圧、短時
間での接着が可能であり、各種の素材に対して常温接着
強度、高温耐クリープ性に優れていること。 リサイクル処理温度においては接着強度が著しく低
下し、各構成部材への剥離が容易であること。
【0032】これらの要求の中でも強度の高い低温接着
性と高温における耐クリープ性とは相反する要求であっ
て、通常の接着性樹脂においては低温接着性が良い時は
高温クリープ特性が悪く、高温クリープ特性が良い時は
低温接着性が低下するとされていた。
【0033】また高温クリープ特性の良いことと、リサ
イクル処理温度における接着強度が著しく低下する要望
も相反する要望であるが、本発明ポリオレフィン系樹脂
組成物はこの要求に対してもこれを克服し、積層材料、
特に自動車内装用積層材料の要求に応えたものである。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0034】
【実施例】
(実施例1)エチレン系共重合体として、エチレン−メ
タクリル酸メチル−無水マレイン酸3元共重合体を利用
した。共重合体は高圧法低密度ポリエチレンプラントの
設備を利用し、重合温度240℃、重合圧力1900K
g/cm2 の条件で製造した。この共重合体のMFR
(JIS−K7210,190℃、荷重2.16Kg/
cm2 、以下MFRは温度を除いてすべてこの条件)は
15、メタクリル酸メチルに由来する単位の含量は16
重量%、無水マレイン酸に由来する単位は2.2重量%
であった。なお、エチレン以外のコモノマーの組成は赤
外吸収スペクトルにより決定した。
【0035】ポリオレフィン系樹脂として、エチレン−
ポリプロピレン共重合体である昭和電工(株)製シヨウ
アロマーFD433(MFR(230℃)=9.0、密
度=0.894g/cc、融点(DSC法)=135
℃)を使用した。以上の2成分を、共重合体、ポリプロ
ピレン樹脂を40/60の比率でドライブレンドした
後、37mmφ同方向二軸押出機で190℃で溶融混練
りし、樹脂組成物のペレットを得た。
【0036】次に該樹脂組成物を、45mmφの押出機
を有するインフレーションフィルム成形機で70μmの
厚みで製膜し開封することにより80cm幅のフィルム
を得た。
【0037】このフィルム及び表1に記載した表皮材、
基板材の組み合わせを用いて接着テストを行った。接着
は210℃に設定した熱プレスで構造材料を無荷重で加
熱した後、25℃の冷却プレスに移し、接着フィルム、
表皮材料の順に積層し、実質面圧10Kg/cm2 で4
0秒間圧着した。加圧の際、積層板の仕上がり厚みを調
整する目的及び表皮材料の損傷を抑える目的で適当な厚
みのスペーサーを使用した。でき上がりの積層板のサイ
ズは10cm×20cmである。
【0038】接着後23℃、相対湿度50%で24時間
状態調節した後、25mm幅の試験片に切断し、引張試
験機で180゜剥離試験(23℃)を行い接着強度を測
定した。
【0039】更に途中まで剥離した試験片に100gの
荷重を吊り下げ、80℃雰囲気に48時間放置した場合
の剥離距離を測定し耐熱クリープ性の目安とした。更
に、80℃、100℃、110℃、120℃、140℃
の雰囲気で各々5分間放置した後に剥離試験を行い接着
強度の値を得た。なお接着強度の値は試験片5個の平均
値(最大、最小2点カット)、耐熱クリープ性は試験片
3個の平均値である。
【0040】以下に種々の基材で接着試験を実施した結
果を示す。接着試験の作業性は非常に良好であった。
【0041】
【表1】 *GFPP:ガラス繊維強化ポリプロピレン板 *GFP :ガラス繊維強化フェノール樹脂板
【0042】
【表2】
【0043】以上の例で明らかなように、これらの多層
積層体は、製造作業が非常に容易かつ衛生的に行えるう
え、常温での接着強度、高温での耐熱クリープに優れる
ため積層材料、特に自動車内装用積層材料として幅広く
使用できる。その上、140℃より高温にした場合に著
しく接着強度が低下するため、成形不良品等を剥離し、
各積層部材ごとに分別及び再生するうえで非常に適して
いる。
【0044】(実施例2)実施例1においてポリプロピ
レンを使用するの代わりに線状ポリエチレン樹脂である
昭和電工(株)製シヨウレックス108FF−1(MF
R(190℃)=1.0、密度=0.920g/cc、
融点(DSC法)=120℃)を70重量%使用した。
即ち、共重合体、線状ポリエチレンの比率を30/70
として樹脂組成物を製造した。実施例1と同様な評価を
行ったところ、作業性は非常に良好で、接着強度、耐熱
クリープに関しても以下の値を得た。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】これらの多層積層体は、製造作業が非常に
容易かつ衛生的に行えるうえ、常温での接着強度、高温
での耐熱クリープに優れるため、積層材料、特に自動車
用内装用材料として幅広く使用できる。また、140℃
より高温にした場合著しく接着強度が低下したため、成
形不良品を剥離し、各積層部材ごとに分別及び再生する
上で非常に適している。
【0048】(実施例3)実施例1においてエチレン系
共重合体として、エチレン−アクリル酸n−ブチル−無
水マレイン酸3元共重合体を利用した。共重合体は高圧
法低密度ポリエチレンプラントの設備を利用し、重合温
度240℃、重合圧力1900Kg/cm2 の条件で製
造した。共重合体のMFRは10、アクリル酸n−ブチ
ルに由来する単位の含量は12重量%、無水マレイン酸
に由来する単位は1.8重量%であった。なお、コモノ
マーの組成は赤外吸収スペクトルにより決定した。この
共重合体を用い、実施例1と同様な実験を行った。作業
性は非常に良好で、接着強度、耐熱クリープに関しても
以下の値を得た。
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】これらの多層積層体は、製造作業が非常に
容易かつ衛生的に行えるうえ、常温での接着強度、高温
での耐熱クリープに優れるため積層材料、特に自動車内
装用材料として幅広く使用できる。
【0052】(比較例1)実施例1においてポリプロピ
レンを使用しないで共重合体のみを使用した。接着強
度、耐熱クリープについて以下の値を得た。
【0053】
【表7】 接着強度は比較的良好であったが、耐熱クリープ性が大
幅に低下し、積層材料、特に自動車内装用積層材料とし
て使用するには問題が大きい。
【0054】(比較例2)実施例1の共重合体におい
て、無水マレイン酸を使用せず、エチレン−メタクリル
酸メチル二元共重合体を利用した。耐熱クリープ測定以
前に接着強度が全く不十分であり、実用に耐えるような
多層構造物は得られなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明に関わる多層構造物は製造方法が
非常に容易であり、常温、高温での接着強度に優れるた
め積層材料、特に自動車用内装用材料として好適に使用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 克明 大分県大分市大字中ノ洲2昭和電工株式 会社大分工場内 (56)参考文献 特開 平2−86673(JP,A) 特開 平3−190727(JP,A) 実開 昭57−62026(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B60R 13/00 - 13/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表皮材料、熱可塑性樹脂、基
    板材からなる多層構造物であって、該熱可塑性樹脂が以
    下の(1)及び(2)からなるポリオレフィン系樹脂組
    成物であることを特徴とする積層材料。 (1)エチレンとラジカル重合体酸無水物及びこれ以外
    のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体であ
    り、共重合体中のラジカル重合性酸無水物に由来する単
    位の割合が0.1重量%以上で5重量%以下、他のラジ
    カル重合体コモノマーに由来する単位の割合が3重量%
    以上で50重量%以下であるエチレン系共重合体10〜
    90重量%及び (2)融点が100℃以上のポリオレフィン系樹脂90
    〜10重量%
  2. 【請求項2】 融点が100℃以上のポリオレフィン系
    樹脂が、ポリプロピレンおよびポリエチレンから選ばれ
    た請求項1記載の積層材料。
  3. 【請求項3】 融点が100℃以上のポリオレフィン系
    樹脂が、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン
    −1、ヘキセン−1、オクテン−1から選ばれるコモノ
    マーを用いた直鎖状低密度ポリエチレン及び/またはエ
    チレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
    ン−1、オクテン−1から選ばれるコモノマーを用いた
    プロピレン系共重合体である請求項1に記載の積層材
    料。
  4. 【請求項4】 直鎖状低密度ポリエチレンまたはプロピ
    レン共重合体の融点が120〜150℃であり、140
    ℃以上の高温下での接着強度が120℃での接着強度に
    対して1/3以下になる熱可塑性樹脂である請求項3に
    記載の積層材料。
  5. 【請求項5】 積層材料が自動車内装用材料である請求
    項1〜4記載の積層材料。
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