JP4914572B2 - 蓄熱積層体 - Google Patents
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Description
また、温室等では、ガラス等により、室内と外界とを仕切り、空間内の温度を所望の温度にコントロールすることができる。
また、特許文献2では、ガラスの間に、空気層、真空層、低放射率層を設けることにより、室内の保温性を高めている。
1.熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層と、蓄熱層からなり、
蓄熱層が、蓄熱材(a)、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであり、
非イオン性界面活性剤(e)が、親水親油バランス(HLB値)が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする蓄熱積層体。
2.熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層と、蓄熱層と、保護層からなり、
蓄熱層が、蓄熱材(a)、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであり
非イオン性界面活性剤(e)が、親水親油バランス(HLB値)が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする蓄熱積層体。
3.蓄熱層中の蓄熱材(a)の含有率が、40重量%以上であることを特徴とする1.または2.に記載の蓄熱積層体。
4.蓄熱材(a)が、有機潜熱蓄熱材であることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の蓄熱積層体。
5.蓄熱材(a)が、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素、炭素数8〜36の長鎖アルコール、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸エステルであり、非イオン性界面活性剤(e)が、炭素数8〜36の長鎖アルキル基を有するものであることを特徴とする1.から4.のいずれかに記載の蓄熱積層体。
6.反応性官能基を含有する化合物(c−1)がヒドロキシル基を含有する化合物であり、該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)がイソシアネート基を含有する化合物であることを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の蓄熱積層体。
また、冬季や夜間においては、結露等を防止することも可能である。
熱伝導体層の厚さは、0.05〜20mm、さらには0.1〜15mm程度が好ましい。
相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満(好ましくは1以上5以下)の非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
(b)成分と(a)成分を混合することにより、(b)成分の層間に、(a)成分が入り込み、(a)成分が(b)成分の層間に保持されやすい構造となる。
さらに(b)成分が、有機処理された層状粘土鉱物であることが好ましく、このような場合、(a)成分が(b)成分の層間に入り込みやすく、(a)成分が(b)成分の層間により保持されやすい構造となる。
さらに(a)成分として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、(b)成分は、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
また、(a)成分と(b)成分混合時のTI値は、4.0〜9.0程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1〜100μm、さらには5〜50μmであることが好ましい。
ヒドロキシル基含有単量体;
多価アルコール;
ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコールポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンエチレンポリオール、エポキシポリオール、アルキドポリオール、フッ素含有ポリオール、ケイ素含有系ポリオール等のポリオール;
セルロース及び/またはその誘導体、アミロース等の多糖類;
等が挙げられる。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。
ポリエステルポリオールの製造方法は、常法により行うことができ、必要に応じ、公知の硬化剤、硬化触媒等を用いてもよい。
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類
グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル類;
上記(メタ)アクリル酸エステル類とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオール類とのモノエーテル類;
(メタ)アクリル酸グリシジルと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等の一塩基酸との付加物;
上記(メタ)アクリル酸エステル類と、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトン等のラクトン類の開環重合により得られる付加物;
等が挙げられ、これらを単独重合または共重合することにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有単量体;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有単量体;
ビニルオキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等のその他の単量体;
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
具体的には、置換度が、1.8〜2.8、さらには2.2〜2.6であることが好ましい。なお、置換度とは、セルロースを構成するグリコースユニット中に存在する3つのヒドロキシル基が、アルコキシル基等で置換された割合を意味し、100%置換された場合で置換度は3となる。
置換度をこのような範囲で制御することにより、後述する(a)成分との相互作用を向上させることができ、多孔体内に、(a)成分を長期に亘り保持することができる。
置換度が、1.8より小さい場合は、(a)成分との相互作用が低下する場合があり、(a)成分を多孔体内に、十分保持できない場合がある。また、2.8より大きい場合は、セルロース中のヒドロキシル基が減少し、十分な強度を有する3次元架橋構造が得られない場合がある。
等、及びこれらのイソシアネート基含有化合物をアロハネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等によって誘導体化したもの、及びそれらの混合物、及びこれらのイソシアネート基を含有する化合物と上述した共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
共重合可能な他の単量体としては、上述したヒドロキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、エポキシ基含有単量体、アミド基含有単量体、アルコキシシリル基含有単量体、加水分解性シリル基含有単量体、ニトリル基含有単量体、メチロール基含有単量体、オキサゾリン基含有単量体、アクリル酸エステル系単量体、ハロゲン化ビニリデン系単量体、芳香族ビニル系単量体、その他の単量体等が挙げられる。
本発明では特に、100g/eq以上250g/eq未満(好ましくは120g/eq以上230g/eq以下、より好ましくは150g/eq以上200g/eq以下)のエポキシ基を含有する化合物と、エポキシ当量が250g/eq以上400g/eq以下(好ましくは280g/eq以上350g/eq以下)のエポキシ基を含有する化合物を併用することが好ましい。このような2種以上のエポキシ基を含有する化合物を含有することにより、優れた硬化性と可撓性の両立が可能となる。また(a)成分との相溶性を調整することができる。
さらに、本発明エポキシ樹脂は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有することが好ましい。2つ以上有することにより、硬化性と反応速度を向上させることができ、また、架橋密度を高くすることができ、得られる多孔体の強度を高めることができる。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、グアニジン、オレイルアミン等の脂肪族アミノ基含有化合物;
メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ポリシクロヘキシルポリアミン、DBU等の脂環族アミノ基含有化合物;
メタフェニレンジアミン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミノ基含有化合物;
m−キシリレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪芳香族アミノ基含有化合物;
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の水酸基及びアミノ基含有化合物;
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸等の酸無水物類;
ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアミンを反応させて得られるポリアミド、ダイマー酸以外のポリカルボン酸を使ったポリアミド等のポリアミドアミン類;
2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
ポリオキシプロピレン系ジアミン、ポリオキシプロピレン系トリアミン等のポリオキシプロピレン系アミン類;
上記アミン類にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ変性アミン、上記アミン類にホルマリン、フェノール類を反応させて得られるマンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミン、アルジミンといった変性アミン類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの2−エチルヘキサン酸塩等のアミン塩等が挙げられる。
例えば、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を用いる場合は、NCO/OH比率で通常0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.5、さらに好ましくは0.3〜1.3となる範囲内で設定すればよい。
このようなNCO/OH比率の範囲内であることにより、蓄熱層の強度を強靭なものとすることができ、蓄熱材の漏れのない均一な緻密な架橋構造を得ることができる。
NCO/OH比率が0.1より小さい場合は、架橋率が低くなり、硬化性、耐久性、強度等において十分な物性を確保することができない場合があり、また蓄熱材が漏れ易くなる。NCO/OH比率が1.8よりも大きい場合は、未反応のイソシアネートが残存し、蓄熱層の各種物性に悪影響を与え、蓄熱層が変形しやすくなり、蓄熱材が漏れやすくなる。
例えば、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の反応では、反応促進剤として、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ダイマージアミン、ダイマー酸ポリアミドアミン等のアミン類;
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクテート等の錫カルボン酸塩類;
ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸亜鉛等の金属カルボン酸塩類;
ジブチルチンチオカルボキシレート、ジオクチルチンチオカルボキシレート、トリブチルメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカルボキシレート類;
アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物;
等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
(i)(a)成分(必要に応じ(b)成分、(d)成分)、(c−1)成分と(c−2)成分を均一に混合し、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて蓄熱層を得る方法、
(ii)(a)成分(必要に応じ(b)成分、(d)成分)と、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(以下、「(e)成分」ともいう。)、(c−1)成分と(c−2)成分を混合し、(a)成分をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて蓄熱層を得る方法、等が挙げられる。
この過程では、相溶状態から非相溶状態の変化に伴うミクロ相分離が起こり、(c−1)成分と(c−2)成分からなる緻密に入り組んだ3次元編目構造型多孔体が形成されるものと思われる。
この3次元編目構造型多孔体に(a)成分(及び(b)成分、(d)成分)が担持された状態となり、蓄熱層が形成される。
さらに多孔体の形成成分を適宜設定することにより、(c)成分との相互作用が働き、(a)成分が外部へ漏れ出すのをより防ぐことができる。
また、多孔体として3次元編目構造型多孔体であれば、その緻密な構造の故、(a)成分が外部へ漏れ出すのをより防ぐことができる。
相溶化剤としては、上述した脂肪酸トリグリセリドや、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満の非イオン性界面活性剤等が挙げられるが、(a)成分と樹脂成分との相溶性には、特に親水親油バランス(HLB)が1以上10未満の非イオン性界面活性剤が好ましい。
さらに、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の混合比率は、特に限定されず、適宜設定すればよいが、NCO/OH比率が、0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.7、さらに好ましくは0.3〜1.6、より好ましくは0.5〜1.5であることによって、より優れた3次元架橋構造を得ることができ、優れた蓄熱層を得ることができる。
さらに、(a)成分が、微細に均一に分散した状態であるため、(a)成分の固液変化に伴う体積変化による蓄熱層自体の形状変化を軽減することもできる。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
(e)成分が0.01重量部より少ない場合は、(a)成分と(c−1)成分及び/または(c−2)成分が分離してしまうかまたはクリーミング現象を起こしやすく、効率よくコロイド分散せず、本発明の効果が得られない場合がある。30重量部より多い場合は、得られる蓄熱層の耐水性等の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、粒子径は、光学顕微鏡(BHT−364M、オリンパス光学工業株式会社製)を用いて測定した値である。
さらに、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の混合比率は、特に限定されず、適宜設定すればよいが、NCO/OH比率が、0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.7、さらに好ましくは0.3〜1.6、より好ましくは0.5〜1.5であることによって、より優れた蓄熱層を得ることができる。
例えば、予め蓄熱層を作製しておき、熱伝導体層の片面または両面に公知の接着剤や接着テープ等で貼着する方法、また、熱伝導体層の片面または両面に直接上述した蓄熱層形成成分((a)成分(必要に応じ(b)成分、(d)成分)、樹脂成分((c−1)成分、(c−2)成分等)、(e)成分等)を塗付し蓄熱層を形成させる方法等が挙げられる。
後者の場合、熱伝導体層に蓄熱層形成成分をスプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより形成することができる。また、現場にて直接熱伝導体層に塗付することも可能である。
保護層を積層する箇所としては、熱伝導体層面に積層することもできるし、蓄熱層面に積層することもできるが、特に蓄熱層面に積層することが好ましい。このような保護層を設けることにより、熱伝導体及び/または蓄熱層の耐侯性、耐久性を向上させることができる。
積層箇所としては、特に限定されないが、熱伝導体層面に積層することもできるし、蓄熱層面に積層することもできるし、また両面に積層してもよい。また、保護層面に積層してもよい。
例えば、住宅やオフィス等の窓ガラスや温室等に用いる場合は、特に限定されるものではないが、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層及び蓄熱層が透明性を有することが好ましい。具体的には、光透過率が、70%以上、さらには80%以上であることが好ましい。
このような熱伝導体層としては、ガラス板、樹脂ボードや樹脂シート等が挙げられる。
まず下記の方法にて、蓄熱層1を製造した。
蓄熱層1:表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物を温度40℃で均一に混合し、反応促進剤を加え、十分攪拌した。攪拌後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた350mm×350mm×3mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して厚さ3mmの蓄熱層1を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
次に、得られた蓄熱層1のPETフィルム面と、ガラス板(375mm×375mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)を接着剤により積層し、試験体を得た。
図1に示すように、アクリル板(厚さ5mm)とポリスチレンフォーム(厚さ25mm)を接着剤により積層したものを試験体ボックスの側面及び底面とし、アクリル板が内側となるように設置した。さらに、作製した試験体を試験体ボックスの上面とし、蓄熱層1面が内側となるように設置し、内寸350mm×350mm×350mmの試験体ボックスを作製した。
なお、試験体表面(蓄熱層1面)温度、試験体裏面(ガラス面)温度、空間温度(ボックス内温度)を測定するため、図1に示すように、蓄熱層1表面の中心、ガラス表面の中心、試験体ボックスの中心にそれぞれ熱電対を設置した。
熱源として、赤外ランプを用い、試験体ボックス上面温度が50℃一定になるようにした。
保温性能評価として、25℃の雰囲気下で24時間静置した後、赤外ランプを照射し各部位における20分後及び60分後の温度を測定した。結果は表3に示す。
また、保温性能評価試験後、作製した試験体は透明であり、光透過率をJIS K 7105−1981 5.5「光線透過率及び全光線反射率」に規定する測定法Aに準拠し、積分球式光線透過率測定装置(株式会社島津製作所社製)を用いて測定した結果、ほぼ100%に近い値であった。
蓄熱層1の両面に、ガラス板(375mm×375mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)を接着剤により積層し、試験体を得た。
得られた試験体を試験体ボックスの上面とした以外は、実施例1と同様の保温性能評価試験を行った。
結果は表3に示す。なお得られた試験体は透明であった。
ガラス板(375mm×375mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)に、表1に示す原料を用い、表2に示す配合量(蓄熱層1)にて、蓄熱材、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物を温度40℃で均一に混合し、反応促進剤を加え、十分攪拌した後、スプレーで、塗付厚が3mmとなるように塗付し、5時間養生した。なおNCO/OH比率は1.0であった。
得られた試験体を用いて、実施例1と同様の保温性能評価試験を行った。
結果は表3に示す。なお得られた試験体は透明であった。
蓄熱層1の替わりに、下記の方法で製造した蓄熱層2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、保温性能評価試験を行った。結果は表3に示す。
蓄熱層2:表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、有機処理された層状粘土鉱物の混合物と、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物を温度40℃で均一に混合し、反応促進剤を加え、十分攪拌した。攪拌後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた350mm×350mm×3mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して厚さ3mmの蓄熱層2を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
蓄熱層1の替わりに、下記の方法で製造した蓄熱層3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、保温性能評価試験を行った。結果は表3に示す。
蓄熱層3:表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、蓄熱材B、相溶化剤、有機処理された層状粘土鉱物の混合物と、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物を温度40℃で均一に混合し、反応促進剤を加え、十分攪拌した。攪拌後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた350mm×350mm×3mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して厚さ3mmの蓄熱層3を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
蓄熱層1の替わりに、下記の方法で製造した蓄熱層4を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、保温性能評価試験を行った。結果は表3に示す。
蓄熱層4:表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、界面活性剤の混合物と、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物を温度40℃で混合し、蓄熱材Aをコロイド状(平均粒子径190μm)に分散させ、反応促進剤を加え、十分攪拌した。攪拌後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた350mm×350mm×3mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して厚さ3mmの蓄熱層4を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
蓄熱層1の替わりに、下記の方法で製造した蓄熱層5を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製し、保温性能評価試験を行った。結果は表3に示す。
蓄熱層5:表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、界面活性剤、有機処理された層状粘土鉱物の混合物と、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物を温度40℃で混合し、蓄熱材Aをコロイド状(平均粒子径460μm)に分散させ、反応促進剤を加え、十分攪拌した。攪拌後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた350mm×350mm×3mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して厚さ3mmの蓄熱層5を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
ガラス板(375mm×375mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)のみ試験体として、実施例1と同様の試験を行った。
ガラス板(375mm×375mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)の淵に厚さ3mmのバックアップ材を設け、その上にガラス板(375mm×375mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)を重ね合わせ、厚さ3mmの空気層が設けられた試験体を得た。
得られた試験体を試験体ボックスの上面とした以外は、実施例1と同様の保温性能評価試験を行った。
結果は表3に示す。
2:ガラス板
3:アクリル板
4:ポリスチレンフォーム
5:熱電対
6:赤外ランプ
Claims (6)
- 熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層と、蓄熱層からなり、
蓄熱層が、蓄熱材(a)、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであり、
非イオン性界面活性剤(e)が、親水親油バランス(HLB値)が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする蓄熱積層体。 - 熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層と、蓄熱層と、保護層からなり、
蓄熱層が、蓄熱材(a)、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであり
非イオン性界面活性剤(e)が、親水親油バランス(HLB値)が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする蓄熱積層体。 - 蓄熱層中の蓄熱材(a)の含有率が、40重量%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄熱積層体。
- 蓄熱材(a)が、有機潜熱蓄熱材であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の蓄熱積層体。
- 蓄熱材(a)が、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素、炭素数8〜36の長鎖アルコール、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸エステルであり、非イオン性界面活性剤(e)が、炭素数8〜36の長鎖アルキル基を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の蓄熱積層体。
- 反応性官能基を含有する化合物(c−1)がヒドロキシル基を含有する化合物であり、該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)がイソシアネート基を含有する化合物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の蓄熱積層体。
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