JP5048926B2 - 蓄熱断熱体 - Google Patents
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Description
1.蓄熱体と断熱体が積層された蓄熱断熱体であって、
蓄熱体が、蓄熱材(a)、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであり、
蓄熱材(a)が、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素、炭素数8〜36の長鎖アルコール、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上の有機潜熱蓄熱材であり、
親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
反応性官能基を含有する化合物(c−1)がヒドロキシル基を含有する化合物、
該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)がイソシアネート基を含有する化合物、
であることを特徴とする蓄熱断熱体。
2.蓄熱体と断熱体が積層された蓄熱断熱体であって、
蓄熱体が、蓄熱材(a)と、層状粘土鉱物(b)及び/または熱伝導性物質(d)、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであり、
蓄熱材(a)が、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素、炭素数8〜36の長鎖アルコール、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上の有機潜熱蓄熱材であり、
親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
反応性官能基を含有する化合物(c−1)がヒドロキシル基を含有する化合物、
該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)がイソシアネート基を含有する化合物、
層状粘土鉱物(b)が、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイト、アロフェン、雲母、タルク、ハロイサイト、セピオライト、膨潤性フッ素雲母、膨潤性合成マイカから選ばれる1種以上、
熱伝導性物質(d)が、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズから選ばれる金属、およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物、または、黒鉛から選ばれる1種または2種以上、
であることを特徴とする蓄熱断熱体。
3.蓄熱材(a)100重量部に対し、層状粘土鉱物(b)が0.5〜50重量部混合されたものを用いることを特徴とする2.に記載の蓄熱断熱体。
4.蓄熱材(a)100重量部に対し、熱伝導性物質(d)が5〜200重量部混合されたものを用いることを特徴とする2.に記載の蓄熱体。
5.層状粘土鉱物(b)が、有機処理された層状粘土鉱物であることを特徴とする2.から4.のいずれかに記載の蓄熱断熱体。
6.蓄熱体中の蓄熱材(a)の含有率が、40重量%以上であることを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の蓄熱断熱体。
7.断熱体の熱伝導率が、0.1W/(m・K)未満であることを特徴とする1.から6.のいずれかに記載の蓄熱断熱体。
8.断熱体が、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック、あるいはこれらの複合体から選ばれるものであることを特徴とする1.から7.のいずれかに記載の蓄熱断熱体。
また、優れた蓄熱性・断熱性を示すため、外気温度の変化に対し空間温度の変動が少なく快適な環境を維持することができ、省エネルギー化を図ることができる。
相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満(好ましくは1以上5以下)の非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
(b)成分と(a)成分を混合することにより、(b)成分の層間に、(a)成分が入り込み、(a)成分が(b)成分の層間に保持されやすい構造となる。
さらに(b)成分が、有機処理された層状粘土鉱物であることが好ましく、このような場合、(a)成分が(b)成分の層間に入り込みやすく、(a)成分が(b)成分の層間により保持されやすい構造となる。
さらに(a)成分として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、(b)成分は、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
また、(a)成分と(b)成分混合時のTI値は、4.0〜9.0程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1〜100μm、さらには5〜50μmであることが好ましい。
ヒドロキシル基含有単量体;
多価アルコール;
ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコールポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンエチレンポリオール、エポキシポリオール、アルキドポリオール、フッ素含有ポリオール、ケイ素含有系ポリオール等のポリオール;
セルロース及び/またはその誘導体、アミロース等の多糖類;
等が挙げられる。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。
ポリエステルポリオールの製造方法は、常法により行うことができ、必要に応じ、公知の硬化剤、硬化触媒等を用いてもよい。
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル類;
上記(メタ)アクリル酸エステル類とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオール類とのモノエーテル類;
(メタ)アクリル酸グリシジルと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等の一塩基酸との付加物;
上記(メタ)アクリル酸エステル類と、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトン等のラクトン類の開環重合により得られる付加物;
等が挙げられ、これらを単独重合または共重合することにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有単量体;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有単量体;
ビニルオキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等のその他の単量体;
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
具体的には、置換度が、1.8〜2.8、さらには2.2〜2.6であることが好ましい。なお、置換度とは、セルロースを構成するグリコースユニット中に存在する3つのヒドロキシル基が、アルコキシル基等で置換された割合を意味し、100%置換された場合で置換度は3となる。
置換度をこのような範囲で制御することにより、後述する(a)成分との相互作用を向上させることができ、多孔体内に、(a)成分を長期に亘り保持することができる。
置換度が、1.8より小さい場合は、(a)成分との相互作用が低下する場合があり、(a)成分を多孔体内に、十分保持できない場合がある。また、2.8より大きい場合は、セルロース中のヒドロキシル基が減少し、十分な強度を有する3次元架橋構造が得られない場合がある。
等、及びこれらのイソシアネート基含有化合物をアロハネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等によって誘導体化したもの、及びそれらの混合物、及びこれらのイソシアネート基を含有する化合物と上述した共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
共重合可能な他の単量体としては、上述したヒドロキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、エポキシ基含有単量体、アミド基含有単量体、アルコキシシリル基含有単量体、加水分解性シリル基含有単量体、ニトリル基含有単量体、メチロール基含有単量体、オキサゾリン基含有単量体、アクリル酸エステル系単量体、ハロゲン化ビニリデン系単量体、芳香族ビニル系単量体、その他の単量体等が挙げられる。
本発明では特に、100g/eq以上250g/eq未満(好ましくは120g/eq以上230g/eq以下、より好ましくは150g/eq以上200g/eq以下)のエポキシ基を含有する化合物と、エポキシ当量が250g/eq以上400g/eq以下(好ましくは280g/eq以上350g/eq以下)のエポキシ基を含有する化合物を併用することが好ましい。このような2種以上のエポキシ基を含有する化合物を含有することにより、優れた硬化性と可撓性の両立が可能となる。また(a)成分との相溶性を調整することができる。
さらに、本発明エポキシ樹脂は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有することが好ましい。2つ以上有することにより、硬化性と反応速度を向上させることができ、また、架橋密度を高くすることができ、得られる多孔体の強度を高めることができる。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、グアニジン、オレイルアミン等の脂肪族アミノ基含有化合物;
メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ポリシクロヘキシルポリアミン、DBU等の脂環族アミノ基含有化合物;
メタフェニレンジアミン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミノ基含有化合物;
m−キシリレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪芳香族アミノ基含有化合物;
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の水酸基及びアミノ基含有化合物;
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸等の酸無水物類;
ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアミンを反応させて得られるポリアミド、ダイマー酸以外のポリカルボン酸を使ったポリアミド等のポリアミドアミン類;
2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
ポリオキシプロピレン系ジアミン、ポリオキシプロピレン系トリアミン等のポリオキシプロピレン系アミン類;
上記アミン類にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ変性アミン、上記アミン類にホルマリン、フェノール類を反応させて得られるマンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミン、アルジミンといった変性アミン類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの2−エチルヘキサン酸塩等のアミン塩等が挙げられる。
例えば、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を用いる場合は、NCO/OH比率で通常0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.5、さらに好ましくは0.3〜1.3となる範囲内で設定すればよい。
このようなNCO/OH比率の範囲内であることにより、蓄熱体の強度を強靭なものとすることができ、蓄熱材の漏れのない均一な緻密な架橋構造を得ることができる。
NCO/OH比率が0.1より小さい場合は、架橋率が低くなり、硬化性、耐久性、強度等において十分な物性を確保することができない場合があり、また蓄熱材が漏れ易くなる。NCO/OH比率が1.8よりも大きい場合は、未反応のイソシアネートが残存し、蓄熱体の各種物性に悪影響を与え、蓄熱体が変形しやすくなり、蓄熱材が漏れやすくなる。
例えば、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の反応では、反応促進剤として、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ダイマージアミン、ダイマー酸ポリアミドアミン等のアミン類;
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクテート等の錫カルボン酸塩類;
ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸亜鉛等の金属カルボン酸塩類;
ジブチルチンチオカルボキシレート、ジオクチルチンチオカルボキシレート、トリブチルメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカルボキシレート類;
アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物;
等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
(i)(a)成分(必要に応じ(b)成分、(d)成分)、(c−1)成分と(c−2)成分を均一に混合し、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて蓄熱体を得る方法、
(ii)(a)成分(必要に応じ(b)成分、(d)成分)と、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(以下、「(e)成分」ともいう。)、(c−1)成分と(c−2)成分を混合し、(a)成分をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて蓄熱体を得る方法、等が挙げられる。
この過程では、相溶状態から非相溶状態の変化に伴うミクロ相分離が起こり、(c−1)成分と(c−2)成分からなる緻密に入り組んだ3次元編目構造型多孔体が形成されるものと思われる。
この3次元編目構造型多孔体に(a)成分(及び(b)成分、(d)成分)が担持された状態となり、蓄熱体が形成される。
さらに多孔体の形成成分を適宜設定することにより、(c)成分との相互作用が働き、(a)成分が外部へ漏れ出すのをより防ぐことができる。
また、多孔体として3次元編目構造型多孔体であれば、その緻密な構造の故、(a)成分が外部へ漏れ出すのをより防ぐことができる。
相溶化剤としては、上述した脂肪酸トリグリセリドや、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満の非イオン性界面活性剤等が挙げられるが、(a)成分と樹脂成分との相溶性には、特に親水親油バランス(HLB)が1以上10未満の非イオン性界面活性剤が好ましい。
さらに、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の混合比率は、特に限定されず、適宜設定すればよいが、NCO/OH比率が、0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.7、さらに好ましくは0.3〜1.6、より好ましくは0.5〜1.5であることによって、より優れた3次元架橋構造を得ることができ、優れた蓄熱体を得ることができる。
さらに、(a)成分が、微細に均一に分散した状態であるため、(a)成分の固液変化に伴う体積変化による蓄熱体自体の形状変化を軽減することもできる。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
(e)成分が0.01重量部より少ない場合は、(a)成分と(c−1)成分及び/または(c−2)成分が分離してしまうかまたはクリーミング現象を起こしやすく、効率よくコロイド分散せず、本発明の効果が得られない場合がある。30重量部より多い場合は、得られる蓄熱体の耐水性等の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、粒子径は、光学顕微鏡(BHT−364M、オリンパス光学工業株式会社製)を用いて測定した値である。
さらに、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の混合比率は、特に限定されず、適宜設定すればよいが、NCO/OH比率が、0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.7、さらに好ましくは0.3〜1.6、より好ましくは0.5〜1.5であることによって、より優れた蓄熱体を得ることができる。
このような断熱体としては、例えば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、あるいはこれらの複合体等が挙げられる。また、市販の断熱体を使用してもよい。
例えば、上述した製造方法により得られた蓄熱体と断熱体を公知の接着剤や接着テープ等で貼着する方法、また断熱体の上に直接上述した蓄熱体形成成分((a)成分(必要に応じ(b)成分、(d)成分)、樹脂成分((c−1)成分、(c−2)成分等)、(e)成分等)を塗付し形成させる方法等が挙げられる。
後者の場合、断熱体に蓄熱体形成成分をスプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより形成することができる。
本発明は、釘打ちによる固定化や、カッター等で切断したとしても、(a)成分が漏れ出すことがない。そのため優れた蓄熱性・断熱性を有し、外気温度の変化に対し空間温度の変動が少なく快適な環境を維持でき、効率良く省エネルギー化を図ることができる。
10.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料としては、例えば、銅、アルミニウム、鉄、真鍮、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等の金属材料からなる鋼板等、あるいはこれらの金属材料を含む塗膜またはシート等が挙げられる。本発明では、特に、アルミニウム板を好適に用いることができる。
熱伝導率体の厚さとしては、特に限定されないが、通常5〜1000μm程度であることが好ましい。
表面材としては、けい酸カルシウムボード、石膏ボード等の無機系ボード、松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、塗り材料、シート材料、壁紙等を用いることができ、これらのうち1種または2種以上を積層して用いることができる。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、ヒドロキシル基含有化合物A、イソシアネート基含有化合物Aを温度23℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した。攪拌後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して厚さ5mmの蓄熱体を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
得られた蓄熱体のPETフィルム面と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×25mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚さ5mm)を接着剤により積層し、試験体を得た。
得られた試験体を、10℃または50℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度23℃、相対湿度50%RH(以下、「標準状態」ともいう。)環境下に移し、試験体からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
得られた試験体を、10℃または50℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度30℃、相対湿度50%RH環境下に移し、試験体からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた試験体の相変化温度(℃)および潜熱量(kJ/kg)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/min、−20〜60℃の温度領域で測定した。結果は表3に示す。
標準状態において、得られた試験体をカッターナイフで切断し、切断面からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
温度30℃、相対湿度50%RHの環境下において、得られた試験体をカッターナイフで切断し、切断面からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
標準状態において、得られた試験体に釘打ちし、釘打ちによる蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
温度30℃、相対湿度50%RHの環境下において、得られた試験体に釘打ちし、釘打ちによる蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
25mmのポリスチレンフォームで作製した外寸330mm×330mm×225mmの簡易ボックス内の4側面に、蓄熱体面がボックス内側になるように試験体を設置し、さらに5mmのけい酸カルシムボードを表面材として設置した。下面には珪酸カルシムボードのみを設置し、上面はポリスチレンフォームのみとした。また、温度測定のため、ボックス内部空間の中心に熱電対を設置した。
この試験体ボックスを恒温器内に設置し、恒温器内の温度を外気温度、試験体ボックス内の温度を室内温度と見立て、次の実験を行った。
冬場の暖房運転を想定し、20℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持し、その後、ボックスの上面を塞ぎ、恒温器内温度を5℃に降温してからの、ボックス内部空間温度変化を経時的に測定した。結果を図1に示す。
また、図1には、実施例1の試験体の替わり(蓄熱断熱体)に、10mmのポリウレタンフォームのみを用いて蓄熱断熱性能評価試験を行った結果も同時に示す(比較例1)。
図1に示すように、蓄熱断熱体を適用した場合には、外気温度の影響を受け難く、ポリウレタンフォームのみ(比較例1)と比較して、室内温度の変動が少なく、蓄熱性・断熱性に優れた結果が得られた。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、有機処理された層状粘土鉱物Aの混合物と、ヒドロキシル基含有化合物A、イソシアネート基含有化合物Aを温度23℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。結果は表3、図2に示す。
粘度は、BH型粘度計による、温度23℃、相対湿度50%RH、20rpmにおける粘度(4回転目の指針値)を測定することにより求められた値である。
TI値は、TI値:BH型粘度計を用い、温度23℃、相対湿度50%RHにおいて、式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材B、蓄熱材C、有機処理された層状粘土鉱物Bの混合物と、ヒドロキシル基含有化合物B、イソシアネート基含有化合物Bを温度35℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、25℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持した以外は、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図3に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、有機処理された層状粘土鉱物Bの混合物と、ヒドロキシル基含有化合物C、イソシアネート基含有化合物Bを温度23℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、25℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持した以外は、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図4に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、有機処理された層状粘土鉱物Bの混合物と、ヒドロキシル基含有化合物C、イソシアネート基含有化合物B、熱伝導性物質を温度23℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図5に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、ヒドロキシル基含有化合物C、イソシアネート基含有化合物B、熱伝導性物質を温度23℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図6に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、蓄熱材B、有機処理された層状粘土鉱物Bの混合物と、ヒドロキシル基含有化合物C、イソシアネート基含有化合物Bを温度35℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、25℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持した以外は、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図7に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、蓄熱材B、相溶化剤A、有機処理された層状粘土鉱物Bの混合物と、ヒドロキシル基含有化合物C、イソシアネート基含有化合物Bを温度35℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、25℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持した以外は、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図8に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、蓄熱材B、相溶化剤B、有機処理された層状粘土鉱物Bの混合物と、ヒドロキシル基含有化合物C、イソシアネート基含有化合物B、熱伝導性物質を温度35℃で均一に混合し、反応促進剤Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図9に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材B、界面活性剤A、ヒドロキシル基含有化合物A、反応促進剤Aを温度35℃で混合し、蓄熱材Bをコロイド状(平均粒子径180μm)に分散させ、次いで、イソシアネート基含有化合物Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、25℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持した以外は、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図10に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材B、界面活性剤A、有機処理された層状粘土鉱物B、ヒドロキシル基含有化合物A、反応促進剤Aを温度35℃で混合し、蓄熱材Bをコロイド状(平均粒子径420μm)に分散させ、次いで、イソシアネート基含有化合物Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、25℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持した以外は、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図11に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、界面活性剤B、有機処理された層状粘土鉱物B、ヒドロキシル基含有化合物C、反応促進剤Aを温度23℃で混合し、蓄熱材Aをコロイド状(平均粒子径500μm)に分散させ、次いで、イソシアネート基含有化合物Bを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図12に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、蓄熱材B、界面活性剤A、有機処理された層状粘土鉱物B、ヒドロキシル基含有化合物A、反応促進剤Aを温度35℃で混合し、蓄熱材A、Bをコロイド状(平均粒子径480μm)に分散させ、次いで、イソシアネート基含有化合物Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、25℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持した以外は、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図13に示す。
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、蓄熱材B、界面活性剤A、相溶化剤A、有機処理された層状粘土鉱物B、ヒドロキシル基含有化合物A、反応促進剤Aを温度35℃で混合し、蓄熱材A、Bをコロイド状(平均粒子径600μm)に分散させ、次いで、イソシアネート基含有化合物Aを加え、十分攪拌した後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して蓄熱体を得た。
得られた蓄熱体と、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)を接着剤で積層し、試験体を得た。
得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験1・2、蓄熱物性試験、加工性試験1・2、施工性試験1・2を行った。結果は表3に示す。
また、冬場の暖房運転を想定し、25℃で設定した恒温器内にボックス上面を開放した状態で、3時間保持した以外は、実施例1と同様の方法で蓄熱断熱性能評価試験を行った。結果は図14に示す。
実施例1で得られた蓄熱断熱体の替わりに、ポリウレタンフォーム(250mm×170mm×5mm、熱伝導率0.03W/(m・K)、厚み5mm)のみを用いて、実施例1と同様の加工性試験、施工性試験、蓄熱断熱性能評価試験を行った。また、実施例2〜8における蓄熱断熱性能評価試験も行った。
結果は、表3、図1〜図14に示す。
表1に示す蓄熱材Aを内包した蓄熱材マイクロカプセル水分散液(固形分50%、蓄熱材含有率40重量%、カプセル成分:メラミン樹脂)35重量部と、水25重量部、焼石膏40重量部を混合したスラリーを250mm×170mm×5mmの型枠中に流し込み、50℃で12時間乾燥し、脱型して試験体を得た。得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験、加工性試験、施工性試験を行った。結果は表3に示す。
表1に示す蓄熱材Aをアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートのシートでラミネートし(250mm×170mm×5mm)、試験体を得た。得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験、加工性試験、施工性試験を行った。結果は表3に示す。
ただし、蓄熱物性試験については、直接測定することが不可能であるため、蓄熱材の物性値から、シートの熱伝導率や重量に基づき換算した。
表1に示す蓄熱材Aをゼラチンでカプセル化したもの(粒径3mm、蓄熱材含有率70%)を250mm×170mm×5mmのポリエチレンテレフタレートのケースに詰め込み、試験体を得た。得られた試験体について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験、加工性試験、施工性試験を行った。結果は表3に示す。
ただし、蓄熱物性試験については、直接測定することが不可能であるため、蓄熱材の物性値から、ゼラチン被膜およびポリエチレンテレフタレートのケースの熱伝導率や重量に基づき換算した。
Claims (8)
- 蓄熱体と断熱体が積層された蓄熱断熱体であって、
蓄熱体が、蓄熱材(a)、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであり、
蓄熱材(a)が、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素、炭素数8〜36の長鎖アルコール、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上の有機潜熱蓄熱材であり、
親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
反応性官能基を含有する化合物(c−1)がヒドロキシル基を含有する化合物、
該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)がイソシアネート基を含有する化合物、
であることを特徴とする蓄熱断熱体。 - 蓄熱体と断熱体が積層された蓄熱断熱体であって、
蓄熱体が、蓄熱材(a)と、層状粘土鉱物(b)及び/または熱伝導性物質(d)、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであり、
蓄熱材(a)が、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素、炭素数8〜36の長鎖アルコール、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上の有機潜熱蓄熱材であり、
親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤(e)が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
反応性官能基を含有する化合物(c−1)がヒドロキシル基を含有する化合物、
該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)がイソシアネート基を含有する化合物、
層状粘土鉱物(b)が、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイト、アロフェン、雲母、タルク、ハロイサイト、セピオライト、膨潤性フッ素雲母、膨潤性合成マイカから選ばれる1種以上、
熱伝導性物質(d)が、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズから選ばれる金属、およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物、または、黒鉛から選ばれる1種または2種以上、
であることを特徴とする蓄熱断熱体。 - 蓄熱材(a)100重量部に対し、層状粘土鉱物(b)が0.5〜50重量部混合されたものを用いることを特徴とする請求項2に記載の蓄熱断熱体。
- 蓄熱材(a)100重量部に対し、熱伝導性物質(d)が5〜200重量部混合されたものを用いることを特徴とする請求項2に記載の蓄熱体。
- 層状粘土鉱物(b)が、有機処理された層状粘土鉱物であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の蓄熱断熱体。
- 蓄熱体中の蓄熱材(a)の含有率が、40重量%以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の蓄熱断熱体。
- 断熱体の熱伝導率が、0.1W/(m・K)未満であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の蓄熱断熱体。
- 断熱体が、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック、あるいはこれらの複合体から選ばれるものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の蓄熱断熱体。
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