JPH11323320A - 潜熱蓄熱材組成物 - Google Patents
潜熱蓄熱材組成物Info
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- JPH11323320A JPH11323320A JP12606998A JP12606998A JPH11323320A JP H11323320 A JPH11323320 A JP H11323320A JP 12606998 A JP12606998 A JP 12606998A JP 12606998 A JP12606998 A JP 12606998A JP H11323320 A JPH11323320 A JP H11323320A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期に亘って融解−凝固のヒートサイクルを
繰り返しても相分離が起こらない硫酸ナトリウム10水
塩潜熱蓄熱材組成物を提供する。 【解決手段】 硫酸ナトリウム10水塩に、相分離防止
材として親水性フュームドシリカと、親水性フュームド
アルミナ又親水性スメクタイトとを配合した潜熱蓄熱材
組成物。
繰り返しても相分離が起こらない硫酸ナトリウム10水
塩潜熱蓄熱材組成物を提供する。 【解決手段】 硫酸ナトリウム10水塩に、相分離防止
材として親水性フュームドシリカと、親水性フュームド
アルミナ又親水性スメクタイトとを配合した潜熱蓄熱材
組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫酸ナトリウム1
0水塩を主材とする潜熱蓄熱材組成物に係り、特に、融
解−凝固のヒートサイクルを繰り返しても相分離が起こ
らず、長期に亘って安定して潜熱を発生させることがで
きる潜熱蓄熱材組成物に関する。
0水塩を主材とする潜熱蓄熱材組成物に係り、特に、融
解−凝固のヒートサイクルを繰り返しても相分離が起こ
らず、長期に亘って安定して潜熱を発生させることがで
きる潜熱蓄熱材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、蓄熱材としては物質の顕熱又
は潜熱を利用するものが知られている。そのうち、潜熱
を利用する蓄熱材は顕熱を利用する蓄熱材より単位重量
及び単位体積当たりの蓄熱量が大きいので、同じ量の熱
を蓄えるのに、顕熱を利用する蓄熱材より少量用いれば
良く、装置を小型化することができるという利点があ
る。また、潜熱を利用する蓄熱材は、顕熱を用いる蓄熱
材と異なり、その物質固有の凝固点(転移点)を持ち、
そこで一定温度で熱を放出する特徴を有する。
は潜熱を利用するものが知られている。そのうち、潜熱
を利用する蓄熱材は顕熱を利用する蓄熱材より単位重量
及び単位体積当たりの蓄熱量が大きいので、同じ量の熱
を蓄えるのに、顕熱を利用する蓄熱材より少量用いれば
良く、装置を小型化することができるという利点があ
る。また、潜熱を利用する蓄熱材は、顕熱を用いる蓄熱
材と異なり、その物質固有の凝固点(転移点)を持ち、
そこで一定温度で熱を放出する特徴を有する。
【0003】従来、潜熱を利用する蓄熱材として、硫酸
ナトリウム10水塩はよく知られている。硫酸ナトリウ
ム無水塩44重量部に対し水を56重量部添加すると硫
酸ナトリウム10水塩になる。この材料は安価で大量入
手が可能であり、別名芒硝と言われ温泉にも含まれる物
質で無毒であり、更に、耐炎性、非腐食性の物質であ
る。また、潜熱量も60cal/gと大きく、融点も3
2℃と暖房用蓄熱材として利用価値の高い材料である。
ナトリウム10水塩はよく知られている。硫酸ナトリウ
ム無水塩44重量部に対し水を56重量部添加すると硫
酸ナトリウム10水塩になる。この材料は安価で大量入
手が可能であり、別名芒硝と言われ温泉にも含まれる物
質で無毒であり、更に、耐炎性、非腐食性の物質であ
る。また、潜熱量も60cal/gと大きく、融点も3
2℃と暖房用蓄熱材として利用価値の高い材料である。
【0004】しかし、この硫酸ナトリウム10水塩を潜
熱蓄熱材として使用する場合、融解−凝固のサイクルを
繰り返すと過冷却現象と相分離現象が生ずる。
熱蓄熱材として使用する場合、融解−凝固のサイクルを
繰り返すと過冷却現象と相分離現象が生ずる。
【0005】過冷却現象は加温し融解した硫酸ナトリウ
ムを凝固点付近まで冷却しても固化発熱しない現象であ
り、これはU.S.P.2,667,664に示されて
いるように、硫酸ナトリウム10水塩100重量部に対
してホウ砂を数重量部添加するのが有効であることがよ
く知られている。
ムを凝固点付近まで冷却しても固化発熱しない現象であ
り、これはU.S.P.2,667,664に示されて
いるように、硫酸ナトリウム10水塩100重量部に対
してホウ砂を数重量部添加するのが有効であることがよ
く知られている。
【0006】もう一つの問題である相分離現象は硫酸ナ
トリウム10水塩を加温したときに非調和融解を起すこ
とに起因し、加温融解時に単一の液相とならず全体の約
30%が硫酸ナトリウムの無水物(Na2SO4)とな
り、約70%がNa2SO4を含む水溶液に分離する。こ
のNa2SO4とNa2SO4を含む水溶液は比重が異なる
ため比重が大きい方のNa2SO4が融解−凝固を繰り返
すうちに次第に沈降してしまう。
トリウム10水塩を加温したときに非調和融解を起すこ
とに起因し、加温融解時に単一の液相とならず全体の約
30%が硫酸ナトリウムの無水物(Na2SO4)とな
り、約70%がNa2SO4を含む水溶液に分離する。こ
のNa2SO4とNa2SO4を含む水溶液は比重が異なる
ため比重が大きい方のNa2SO4が融解−凝固を繰り返
すうちに次第に沈降してしまう。
【0007】従来、このような相分離現象を防止するた
めに、様々な試みが行われてきた。例えば、特開昭53
−34687号公報には、相分離防止材としておがく
ず、パルプ、メチルセルロース、各種粘土等を添加する
ことが、特開昭60−11575号公報にはカルボキシ
メチルセルロースを添加することが、また特開昭60−
58480号公報にはキサンタンガムを添加することが
報告されている。
めに、様々な試みが行われてきた。例えば、特開昭53
−34687号公報には、相分離防止材としておがく
ず、パルプ、メチルセルロース、各種粘土等を添加する
ことが、特開昭60−11575号公報にはカルボキシ
メチルセルロースを添加することが、また特開昭60−
58480号公報にはキサンタンガムを添加することが
報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硫酸ナ
トリウム10水塩の相分離現象については、従来提案さ
れている相分離防止材では、比較的初期の段階において
は相分離防止効果が得られても、長期的には相分離が生
じるようになり、発熱性も低下してしまうことが判明し
た。
トリウム10水塩の相分離現象については、従来提案さ
れている相分離防止材では、比較的初期の段階において
は相分離防止効果が得られても、長期的には相分離が生
じるようになり、発熱性も低下してしまうことが判明し
た。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、長期
に亘って融解−凝固のヒートサイクルを繰り返しても相
分離が起こらない硫酸ナトリウム10水塩潜熱蓄熱材組
成物を提供することを目的とする。
に亘って融解−凝固のヒートサイクルを繰り返しても相
分離が起こらない硫酸ナトリウム10水塩潜熱蓄熱材組
成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の潜熱蓄熱材組成
物は、硫酸ナトリウム10水塩又はその共融物と相分離
防止材とを含む潜熱蓄熱材組成物において、該相分離防
止材として、親水性フュームドシリカと、親水性フュー
ムドアルミナ及び/又は親水性スメクタイトとを含有す
ることを特徴とする。
物は、硫酸ナトリウム10水塩又はその共融物と相分離
防止材とを含む潜熱蓄熱材組成物において、該相分離防
止材として、親水性フュームドシリカと、親水性フュー
ムドアルミナ及び/又は親水性スメクタイトとを含有す
ることを特徴とする。
【0011】即ち、本発明者は、長期の融解−凝固で安
定して発熱する硫酸ナトリウム10水塩潜熱蓄熱材を得
るべく研究を重ねた結果、相分離防止材としてフューム
ドシリカと、フュームドアルミナ又はスメクタイトとを
用いることにより、優れた効果が得られることを見出
し、本発明を完成させた。
定して発熱する硫酸ナトリウム10水塩潜熱蓄熱材を得
るべく研究を重ねた結果、相分離防止材としてフューム
ドシリカと、フュームドアルミナ又はスメクタイトとを
用いることにより、優れた効果が得られることを見出
し、本発明を完成させた。
【0012】本発明において、上記の相分離防止材がど
のように作用して良好な相分離防止作用が得られたのか
は明らかではないが、フュームドシリカとフュームドア
ルミナの混合物の場合、良好な分散性を示した混合比付
近でその混合物が水に対して大きな増粘効果を持つこと
がわかっており、この増粘効果で良好な分散性が得られ
ることが主因であると考えられる。
のように作用して良好な相分離防止作用が得られたのか
は明らかではないが、フュームドシリカとフュームドア
ルミナの混合物の場合、良好な分散性を示した混合比付
近でその混合物が水に対して大きな増粘効果を持つこと
がわかっており、この増粘効果で良好な分散性が得られ
ることが主因であると考えられる。
【0013】また、フュームドシリカとスメクタイトの
混合物の場合には、スメクタイトの持つ膨潤してゾルや
ゲルを形成する性質、及び大きな吸着能やイオン交換
能、有機又は無機物と層間化合物を形成する性質が、分
散性の改善に大きく寄与していると考えられる。ただ
し、スメクタイトのみでは長期の良好な分散性が得られ
なかったことから、スメクタイトとシリカ表面のシラノ
ール基の解離によるマイナス帯電がうまく作用すること
により、硫酸ナトリウムが沈降しにくい状態になるもの
と思われる。
混合物の場合には、スメクタイトの持つ膨潤してゾルや
ゲルを形成する性質、及び大きな吸着能やイオン交換
能、有機又は無機物と層間化合物を形成する性質が、分
散性の改善に大きく寄与していると考えられる。ただ
し、スメクタイトのみでは長期の良好な分散性が得られ
なかったことから、スメクタイトとシリカ表面のシラノ
ール基の解離によるマイナス帯電がうまく作用すること
により、硫酸ナトリウムが沈降しにくい状態になるもの
と思われる。
【0014】本発明において、相分離防止材としてフュ
ームドシリカとフュームドアルミナとを含有する場合、
フュームドシリカとフュームドアルミナの重量比は9
5:5〜70:30であることが好ましく、また、フュ
ームドシリカとフュームドアルミナの合計含有量は硫酸
ナトリウム10水塩又はその共融物100重量部当たり
5〜30重量部であることが好ましい。
ームドシリカとフュームドアルミナとを含有する場合、
フュームドシリカとフュームドアルミナの重量比は9
5:5〜70:30であることが好ましく、また、フュ
ームドシリカとフュームドアルミナの合計含有量は硫酸
ナトリウム10水塩又はその共融物100重量部当たり
5〜30重量部であることが好ましい。
【0015】フュームドシリカ及びフュームドアルミナ
の平均粒径は、好ましくは0.1μm以下である。
の平均粒径は、好ましくは0.1μm以下である。
【0016】また、相分離防止材としてフュームドシリ
カとスメクタイトとを含有する場合、フュームドシリカ
とスメクタイトの重量比は10:90〜90:10であ
ることが好ましく、フュームドシリカとスメクタイトの
合計含有量は硫酸ナトリウム10水塩又はその共融物1
00重量部に対して5〜40重量部であることが好まし
い。
カとスメクタイトとを含有する場合、フュームドシリカ
とスメクタイトの重量比は10:90〜90:10であ
ることが好ましく、フュームドシリカとスメクタイトの
合計含有量は硫酸ナトリウム10水塩又はその共融物1
00重量部に対して5〜40重量部であることが好まし
い。
【0017】本発明の潜熱蓄熱材組成物は、更に過冷却
防止材としてホウ砂(4ホウ酸ナトリウム10水塩)
を、硫酸ナトリウム10水塩又はその共融物100重量
部に対して1〜20重量部含有していても良い。
防止材としてホウ砂(4ホウ酸ナトリウム10水塩)
を、硫酸ナトリウム10水塩又はその共融物100重量
部に対して1〜20重量部含有していても良い。
【0018】本発明の潜熱蓄熱材組成物は、硫酸ナトリ
ウム10水塩100重量部に対して、10重量部以下の
水を含む程度に、わずかに水が過剰な状態であると組成
物の安定化が図れる。
ウム10水塩100重量部に対して、10重量部以下の
水を含む程度に、わずかに水が過剰な状態であると組成
物の安定化が図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
に説明する。
【0020】本発明の潜熱蓄熱材組成物は、融点32℃
の硫酸ナトリウム10水塩(Na2SO4・10H2O)
又はその共融物を主材とし、相分離防止材として、フュ
ームドシリカと、フュームドアルミナ及び/又はスメク
タイトとを含むものである。
の硫酸ナトリウム10水塩(Na2SO4・10H2O)
又はその共融物を主材とし、相分離防止材として、フュ
ームドシリカと、フュームドアルミナ及び/又はスメク
タイトとを含むものである。
【0021】主材の硫酸ナトリウム(Na2SO4)とし
ては、無水塩(Na2SO4)に水を添加して10水塩に
して用いても、最初から10水塩(Na2SO4・10H
2O)に調製されたものを用いても良い。また、10水
塩の組成より水をわずかに小過剰状態にすると更に安定
した組成物にすることができる。この水の添加量は蓄熱
量の低下の問題もあることから硫酸ナトリウム10水塩
100重量部に対して10重量部以下とするのが望まし
い。
ては、無水塩(Na2SO4)に水を添加して10水塩に
して用いても、最初から10水塩(Na2SO4・10H
2O)に調製されたものを用いても良い。また、10水
塩の組成より水をわずかに小過剰状態にすると更に安定
した組成物にすることができる。この水の添加量は蓄熱
量の低下の問題もあることから硫酸ナトリウム10水塩
100重量部に対して10重量部以下とするのが望まし
い。
【0022】相分離防止材として用いられるフュームド
シリカ、フュームドアルミナは、親水性の無水物であっ
て、これらの混合物は極性溶媒に対して所定の混合比で
大きな増粘作用を持つ。フュームドシリカ、フュームド
アルミナは、その一次粒子の平均粒径が0.1μm以
下、好ましくは0.05μm以下の微小径を持つものが
好ましい。粒径の大きいもの、例えば数μmの粒径にな
ると沈降しやすくなり、良好な相分離防止効果が得られ
ない。
シリカ、フュームドアルミナは、親水性の無水物であっ
て、これらの混合物は極性溶媒に対して所定の混合比で
大きな増粘作用を持つ。フュームドシリカ、フュームド
アルミナは、その一次粒子の平均粒径が0.1μm以
下、好ましくは0.05μm以下の微小径を持つものが
好ましい。粒径の大きいもの、例えば数μmの粒径にな
ると沈降しやすくなり、良好な相分離防止効果が得られ
ない。
【0023】また、相分離防止材としてフュームドシリ
カとフュームドアルミナとを含有する場合、フュームド
シリカとフュームドアルミナの重量比は95:5〜7
0:30の範囲にあることが好ましく、より好ましくは
フュームドシリカ:フュームドアルミナ=95:5〜8
0:20の範囲である。重量でフュームドシリカよりフ
ュームドアルミナのほうが多くなると分散性が低下し、
良好な相分離防止効果を得ることができない。
カとフュームドアルミナとを含有する場合、フュームド
シリカとフュームドアルミナの重量比は95:5〜7
0:30の範囲にあることが好ましく、より好ましくは
フュームドシリカ:フュームドアルミナ=95:5〜8
0:20の範囲である。重量でフュームドシリカよりフ
ュームドアルミナのほうが多くなると分散性が低下し、
良好な相分離防止効果を得ることができない。
【0024】更に、フュームドシリカとフュームドアル
ミナの添加量は硫酸ナトリウム10水塩100重量部に
対して合計で5〜30重量部程度が良く、より好ましく
は7〜15重量部程度である。この添加量が少なすぎる
と十分な相分離防止効果が得られないが、多すぎると蓄
熱量の低下を招くため、上記範囲においてなるべく少な
くするのが好ましい。
ミナの添加量は硫酸ナトリウム10水塩100重量部に
対して合計で5〜30重量部程度が良く、より好ましく
は7〜15重量部程度である。この添加量が少なすぎる
と十分な相分離防止効果が得られないが、多すぎると蓄
熱量の低下を招くため、上記範囲においてなるべく少な
くするのが好ましい。
【0025】相分離防止材として用いられる親水性スメ
クタイトは例えば、Na(Mg8Li)Si12O30(O
H)6の化学式で表わされる膨潤性層状粘土鉱物であ
り、水や他の溶媒で膨潤し分散してゾルやゲルを形成す
るものである。スメクタイトもまた、平均粒径0.1μ
m以下の微粒を用いるのが好ましい。
クタイトは例えば、Na(Mg8Li)Si12O30(O
H)6の化学式で表わされる膨潤性層状粘土鉱物であ
り、水や他の溶媒で膨潤し分散してゾルやゲルを形成す
るものである。スメクタイトもまた、平均粒径0.1μ
m以下の微粒を用いるのが好ましい。
【0026】相分離防止材としてフュームドシリカとス
メクタイトとを含有する場合、フュームドシリカとスメ
クタイトの重量比は10:90〜90:10、特に2
0:80〜50:50程度とするのが良い。また、フュ
ームドシリカとスメクタイトの添加量は硫酸ナトリウム
10水塩100重量部に対して合計で5〜40重量部程
度、特に5〜15重量部程度が好ましい。この合計添加
量も上記のフュームドシリカとフュームドアルミナの合
計添加量と同様に相分離効果が発現する範囲でなるべく
少ない方が良い。
メクタイトとを含有する場合、フュームドシリカとスメ
クタイトの重量比は10:90〜90:10、特に2
0:80〜50:50程度とするのが良い。また、フュ
ームドシリカとスメクタイトの添加量は硫酸ナトリウム
10水塩100重量部に対して合計で5〜40重量部程
度、特に5〜15重量部程度が好ましい。この合計添加
量も上記のフュームドシリカとフュームドアルミナの合
計添加量と同様に相分離効果が発現する範囲でなるべく
少ない方が良い。
【0027】なお、相分離防止材としてフュームドシリ
カとフュームドアルミナ及びスメクタイトを併用するこ
とも可能であるが、本発明では、フュームドシリカと、
フュームドアルミナ及びスメクタイトのいずれか一方の
併用で十分な相分離防止効果が得られるため、経済性、
作業性等の面からは、フュームドシリカと、フュームド
アルミナ又はスメクタイトとの併用とするのが好まし
い。
カとフュームドアルミナ及びスメクタイトを併用するこ
とも可能であるが、本発明では、フュームドシリカと、
フュームドアルミナ及びスメクタイトのいずれか一方の
併用で十分な相分離防止効果が得られるため、経済性、
作業性等の面からは、フュームドシリカと、フュームド
アルミナ又はスメクタイトとの併用とするのが好まし
い。
【0028】本発明の潜熱蓄熱材組成物は、更に過冷却
防止材としてホウ砂を含有していても良く、この場合、
ホウ素の含有量は硫酸ナトリウム10水塩100重量部
当り1〜20重量部であることが好ましい本発明の潜熱
蓄熱材組成物はまた、更に必要に応じて、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなどの融点調節剤や各種ペプタイザ、
界面活性剤等を含有していても良い。
防止材としてホウ砂を含有していても良く、この場合、
ホウ素の含有量は硫酸ナトリウム10水塩100重量部
当り1〜20重量部であることが好ましい本発明の潜熱
蓄熱材組成物はまた、更に必要に応じて、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなどの融点調節剤や各種ペプタイザ、
界面活性剤等を含有していても良い。
【0029】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【0030】実施例1〜7、比較例1,2 硫酸ナトリウム無水塩44g、水56g及びホウ砂5g
に、相分離防止材として表1に示す配合比のフュームド
シリカ(平均一次粒径0.012μm)とフュームドア
ルミナ(平均一次粒径0.013μm)の混合物12.
5gを混合し、この混合物を50℃のウオーターバス中
で溶解し、十分に攪拌した。その後、この混合物の一部
約25gを直径18mmのポリプロピレン製試験管に入
れ、シリコン栓で封止した。
に、相分離防止材として表1に示す配合比のフュームド
シリカ(平均一次粒径0.012μm)とフュームドア
ルミナ(平均一次粒径0.013μm)の混合物12.
5gを混合し、この混合物を50℃のウオーターバス中
で溶解し、十分に攪拌した。その後、この混合物の一部
約25gを直径18mmのポリプロピレン製試験管に入
れ、シリコン栓で封止した。
【0031】このようにセットした試料を10℃と50
℃のウオーターバス中に25分ずつ交互に入れる温度サ
イクル試験を100サイクル行い、試料の分散性を観察
した。
℃のウオーターバス中に25分ずつ交互に入れる温度サ
イクル試験を100サイクル行い、試料の分散性を観察
した。
【0032】その結果、フュームドシリカとフュームド
アルミナとを併用したもの(実施例1〜7)、特にこれ
らのうち、フュームドシリカ:フュームドアルミナ=9
5:5〜70:30(重量比)としたもの(実施例2〜
5)は、表1に示すように100サイクルでも相分離が
みられず、良好な均一分散性を示した。
アルミナとを併用したもの(実施例1〜7)、特にこれ
らのうち、フュームドシリカ:フュームドアルミナ=9
5:5〜70:30(重量比)としたもの(実施例2〜
5)は、表1に示すように100サイクルでも相分離が
みられず、良好な均一分散性を示した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例8〜14、比較例3,4 硫酸ナトリウム無水塩44g、水56g及びホウ砂5g
に、相分離防止材として表2に示す配合比のフュームド
シリカ(平均一次粒径0.012μm)とスメクタイト
(平均一次粒径0.05〜0.1μm)の混合物10g
を混合し、この混合物を50℃のウオーターバス中で溶
解し、十分に攪拌した。その後、この混合物の一部約2
5gを直径18mmのポリプロピレン製試験管に入れ、
シリコン栓で封止した。
に、相分離防止材として表2に示す配合比のフュームド
シリカ(平均一次粒径0.012μm)とスメクタイト
(平均一次粒径0.05〜0.1μm)の混合物10g
を混合し、この混合物を50℃のウオーターバス中で溶
解し、十分に攪拌した。その後、この混合物の一部約2
5gを直径18mmのポリプロピレン製試験管に入れ、
シリコン栓で封止した。
【0035】このようにセットした試料を10℃と50
℃のウオーターバス中に25分ずつ交互に入れる温度サ
イクル試験を100サイクル行い、試料の分散性を観察
した。
℃のウオーターバス中に25分ずつ交互に入れる温度サ
イクル試験を100サイクル行い、試料の分散性を観察
した。
【0036】その結果、フュームドシリカとスメクタイ
トとを併用したもの(実施例8〜14)、特にこれらの
うち、フュームドシリカ:スメクタイト=20:80〜
50:50(重量比)としたもの(実施例10〜12)
は、表2に示すように100サイクルでも相分離がみら
れず、良好な均一分散性を示した。
トとを併用したもの(実施例8〜14)、特にこれらの
うち、フュームドシリカ:スメクタイト=20:80〜
50:50(重量比)としたもの(実施例10〜12)
は、表2に示すように100サイクルでも相分離がみら
れず、良好な均一分散性を示した。
【0037】
【表2】
【0038】実施例15 硫酸ナトリウム無水塩44g、水56g、ホウ砂5g、
フュームドシリカ8.6g、フュームドアルミナ1.4
gの混合物を50℃のウオーターバス中で溶解し、十分
に攪拌した。
フュームドシリカ8.6g、フュームドアルミナ1.4
gの混合物を50℃のウオーターバス中で溶解し、十分
に攪拌した。
【0039】その後、その混合物の一部約25gを直径
18mmのポリプロピレン製試験管に入れ、シリコン栓
で封止した。また、シリコン栓の中央に熱電対を通し、
熱電対の先端が試験管の中の蓄熱材配合物のほぼ中央に
位置するようにセットした。
18mmのポリプロピレン製試験管に入れ、シリコン栓
で封止した。また、シリコン栓の中央に熱電対を通し、
熱電対の先端が試験管の中の蓄熱材配合物のほぼ中央に
位置するようにセットした。
【0040】このようにセットした試料を17℃と47
℃の間で一定速度で昇温−降温させる温度サイクル試験
を行った。その際、17℃と47℃では温度を一定時間
保持した。
℃の間で一定速度で昇温−降温させる温度サイクル試験
を行った。その際、17℃と47℃では温度を一定時間
保持した。
【0041】その結果、この試料は2000サイクルで
も相分離がみられず、発熱ピークも1サイクル目と殆ど
変わらず、固化開始温度も約26℃で殆ど変化しなかっ
た。
も相分離がみられず、発熱ピークも1サイクル目と殆ど
変わらず、固化開始温度も約26℃で殆ど変化しなかっ
た。
【0042】なお、このときのヒートサイクルの水温変
化と、1サイクル目及び2000サイクル目の発熱ピー
クを図1に示す。
化と、1サイクル目及び2000サイクル目の発熱ピー
クを図1に示す。
【0043】実施例16 硫酸ナトリウム無水塩44g、水56g、ホウ砂5g、
フュームドシリカ3g、スメクタイト10gの混合物を
50℃のウオーターバス中で溶解し、十分に攪拌したも
のを、実施例15と同様にして試験管にセットして同様
に温度サイクル試験を行った。
フュームドシリカ3g、スメクタイト10gの混合物を
50℃のウオーターバス中で溶解し、十分に攪拌したも
のを、実施例15と同様にして試験管にセットして同様
に温度サイクル試験を行った。
【0044】その結果、この試料も2000サイクルで
も相分離がみられず、発熱ピークも1サイクル目と殆ど
変わらず、固化開始温度も約26℃で殆ど変化しなかっ
た。
も相分離がみられず、発熱ピークも1サイクル目と殆ど
変わらず、固化開始温度も約26℃で殆ど変化しなかっ
た。
【0045】なお、このときのヒートサイクルの水温変
化と、1サイクル目及び2000サイクル目の発熱ピー
クを図2に示す。
化と、1サイクル目及び2000サイクル目の発熱ピー
クを図2に示す。
【0046】比較例5〜8 硫酸ナトリウム無水塩44g、水56g、ホウ砂5g
に、相分離防止材としてカルボキシメチルセルロースナ
トリウム(比較例5)、メチルセルロース(比較例
6)、キサンタンガム(比較例7)、ヒドロキシエチル
セルロース(比較例8)を各々12.5g添加し、実施
例15、16と同様に試料を作成して温度サイクル試験
を行った。
に、相分離防止材としてカルボキシメチルセルロースナ
トリウム(比較例5)、メチルセルロース(比較例
6)、キサンタンガム(比較例7)、ヒドロキシエチル
セルロース(比較例8)を各々12.5g添加し、実施
例15、16と同様に試料を作成して温度サイクル試験
を行った。
【0047】その結果、これらの試料は全て数十〜百数
十サイクルで相分離が生じてしまった。また、その際に
は発熱ピークも大幅に小さくなるか、消滅した。
十サイクルで相分離が生じてしまった。また、その際に
は発熱ピークも大幅に小さくなるか、消滅した。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の潜熱蓄熱材
組成物によれば、融解−凝固のヒートサイクルを多数回
繰り返しても相分離を起こすことなく、長期に亘って安
定して潜熱を放出する、実用上優れた特徴を備える潜熱
蓄熱材組成物が提供される。
組成物によれば、融解−凝固のヒートサイクルを多数回
繰り返しても相分離を起こすことなく、長期に亘って安
定して潜熱を放出する、実用上優れた特徴を備える潜熱
蓄熱材組成物が提供される。
【図1】実施例15におけるヒートサイクルの水温変化
と、1サイクル目及び2000サイクル目の発熱ピーク
を示すグラフである。
と、1サイクル目及び2000サイクル目の発熱ピーク
を示すグラフである。
【図2】実施例16におけるヒートサイクルの水温変化
と、1サイクル目及び2000サイクル目の発熱ピーク
を示すグラフである。
と、1サイクル目及び2000サイクル目の発熱ピーク
を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 硫酸ナトリウム10水塩又はその共融物
と相分離防止材とを含む潜熱蓄熱材組成物において、該
相分離防止材として、親水性フュームドシリカと、親水
性フュームドアルミナ及び/又は親水性スメクタイトと
を含有することを特徴とする潜熱蓄熱材組成物。 - 【請求項2】 相分離防止材としてフュームドシリカと
フュームドアルミナとを含有し、該フュームドシリカと
フュームドアルミナの重量比が95:5〜70:30で
あることを特徴とする請求項1に記載の潜熱蓄熱材組成
物。 - 【請求項3】 前記フュームドシリカとフュームドアル
ミナの合計含有量が硫酸ナトリウム10水塩又はその共
融物100重量部に対して5〜30重量部であることを
特徴とする請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱材組成物。 - 【請求項4】 前記フュームドシリカ及びフュームドア
ルミナの平均粒径が0.1μm以下であることを特徴と
する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の潜熱蓄熱
材組成物。 - 【請求項5】 相分離防止材としてフュームドシリカと
スメクタイトとを含有し、該フュームドシリカとスメク
タイトの重量比が10:90〜90:10であることを
特徴とする請求項1に記載の潜熱蓄熱材組成物。 - 【請求項6】 前記フュームドシリカとスメクタイトの
合計含有量が硫酸ナトリウム10水塩又はその共融物1
00重量部に対して5〜40重量部であることを特徴と
する請求項1又は5に記載の潜熱蓄熱材組成物。 - 【請求項7】 更に過冷却防止材としてホウ砂を、硫酸
ナトリウム10水塩又はその共融物100重量部に対し
て1〜20重量部を含有することを特徴とする請求項1
ないし6のいずれか1項に記載の潜熱蓄熱材組成物。 - 【請求項8】 硫酸ナトリウム10水塩100重量部に
対して水を10重量部以下含有することを特徴とする潜
熱蓄熱材組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12606998A JPH11323320A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 潜熱蓄熱材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12606998A JPH11323320A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 潜熱蓄熱材組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11323320A true JPH11323320A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=14925855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12606998A Pending JPH11323320A (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 潜熱蓄熱材組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11323320A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006046886A (ja) * | 2004-02-04 | 2006-02-16 | Sk Kaken Co Ltd | 床暖房構造体 |
JP2006045492A (ja) * | 2004-02-04 | 2006-02-16 | Sk Kaken Co Ltd | 蓄熱断熱体 |
JP2011033334A (ja) * | 2004-02-04 | 2011-02-17 | Sk Kaken Co Ltd | 床暖房構造体 |
-
1998
- 1998-05-08 JP JP12606998A patent/JPH11323320A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006046886A (ja) * | 2004-02-04 | 2006-02-16 | Sk Kaken Co Ltd | 床暖房構造体 |
JP2006045492A (ja) * | 2004-02-04 | 2006-02-16 | Sk Kaken Co Ltd | 蓄熱断熱体 |
JP2011033334A (ja) * | 2004-02-04 | 2011-02-17 | Sk Kaken Co Ltd | 床暖房構造体 |
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