JP5073035B2 - 床暖房構造体 - Google Patents
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Description
床暖房システムは、電熱線や温水管等の熱源で発熱した熱により、室内空間を暖めるもので、特に、電熱線を用いた場合、その発熱には、多くの消費電力を費やすこととなる。
潜熱蓄熱材は、物質が固体から液体に相変化する時に熱を蓄え(蓄熱)、液体から固体に相変化する時に熱を放出(放熱)するという性質を利用し、蓄熱・放熱させるもので、一般に、15℃〜50℃の温度範囲で相変化(固液変化)するものが多い。
1.多孔体(c)に蓄熱材(a)が担持された蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層され、
蓄熱層が、蓄熱材(a)、親水親油バランス(HLB値)が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであることを特徴とする床暖房構造体。
2.多孔体(c)に蓄熱材(a)が担持された蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層され、
蓄熱層が、蓄熱材(a)と、層状粘土鉱物(b)及び/または熱伝導性物質(d)、親水親油バランス(HLB値)が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであることを特徴とする床暖房構造体。
3.蓄熱材(a)100重量部に対し、層状粘土鉱物(b)が0.5〜50重量部混合されたものを用いることを特徴とする2.に記載の床暖房構造体。
4.蓄熱材(a)100重量部に対し、熱伝導性物質(d)が5〜200重量部混合されたものを用いることを特徴とする2.または3.に記載の床暖房構造体。
5.層状粘土鉱物(b)が、有機処理された層状粘土鉱物であることを特徴とする2.から4.のいずれかに記載の床暖房構造体。
6.(c−1)成分がヒドロキシル基を含有する化合物であり、(c−2)成分がイソシアネート基を含有する化合物であることを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の床暖房構造体。
7.蓄熱層中の蓄熱材(a)の含有率が、40重量%以上であることを特徴とする1.から6.のいずれかに記載の床暖房構造体。
8.蓄熱材(a)が、有機潜熱蓄熱材であることを特徴とする1.から7.のいずれかに記載の床暖房構造体。
相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満(好ましくは1以上5以下)の非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
(b)成分と(a)成分を混合することにより、(b)成分の層間に、(a)成分が入り込み、(a)成分が(b)成分の層間に保持されやすい構造となる。
さらに(b)成分が、有機処理された層状粘土鉱物であることが好ましく、このような場合、(a)成分が(b)成分の層間に入り込みやすく、(a)成分が(b)成分の層間により保持されやすい構造となる。
さらに(a)成分として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、(b)成分は、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
また、(a)成分と(b)成分混合時のTI値は、4.0〜9.0程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1〜100μm、さらには5〜50μmであることが好ましい。
ヒドロキシル基含有単量体;
多価アルコール;
ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコールポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンエチレンポリオール、エポキシポリオール、アルキドポリオール、フッ素含有ポリオール、ケイ素含有系ポリオール等のポリオール;
セルロース及び/またはその誘導体、アミロース等の多糖類;
等が挙げられる。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。
ポリエステルポリオールの製造方法は、常法により行うことができ、必要に応じ、公知の硬化剤、硬化触媒等を用いてもよい。
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類
グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル類;
上記(メタ)アクリル酸エステル類とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオール類とのモノエーテル類;
(メタ)アクリル酸グリシジルと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等の一塩基酸との付加物;
上記(メタ)アクリル酸エステル類と、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトン等のラクトン類の開環重合により得られる付加物;
等が挙げられ、これらを単独重合または共重合することにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有単量体;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有単量体;
ビニルオキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等のその他の単量体;
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
具体的には、置換度が、1.8〜2.8、さらには2.2〜2.6であることが好ましい。なお、置換度とは、セルロースを構成するグリコースユニット中に存在する3つのヒドロキシル基が、アルコキシル基等で置換された割合を意味し、100%置換された場合で置換度は3となる。
置換度をこのような範囲で制御することにより、後述する(a)成分との相互作用を向上させることができ、多孔体内に、(a)成分を長期に亘り保持することができる。
置換度が、1.8より小さい場合は、(a)成分との相互作用が低下する場合があり、(a)成分を多孔体内に、十分保持できない場合がある。また、2.8より大きい場合は、セルロース中のヒドロキシル基が減少し、十分な強度を有する3次元架橋構造が得られない場合がある。
等、及びこれらのイソシアネート基含有化合物をアロハネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等によって誘導体化したもの、及びそれらの混合物、及びこれらのイソシアネート基を含有する化合物と上述した共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
共重合可能な他の単量体としては、上述したヒドロキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、エポキシ基含有単量体、アミド基含有単量体、アルコキシシリル基含有単量体、加水分解性シリル基含有単量体、ニトリル基含有単量体、メチロール基含有単量体、オキサゾリン基含有単量体、アクリル酸エステル系単量体、ハロゲン化ビニリデン系単量体、芳香族ビニル系単量体、その他の単量体等が挙げられる。
本発明では特に、100g/eq以上250g/eq未満(好ましくは120g/eq以上230g/eq以下、より好ましくは150g/eq以上200g/eq以下)のエポキシ基を含有する化合物と、エポキシ当量が250g/eq以上400g/eq以下(好ましくは280g/eq以上350g/eq以下)のエポキシ基を含有する化合物を併用することが好ましい。このような2種以上のエポキシ基を含有する化合物を含有することにより、優れた硬化性と可撓性の両立が可能となる。また(a)成分との相溶性を調整することができる。
さらに、本発明エポキシ樹脂は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有することが好ましい。2つ以上有することにより、硬化性と反応速度を向上させることができ、また、架橋密度を高くすることができ、得られる多孔体の強度を高めることができる。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、グアニジン、オレイルアミン等の脂肪族アミノ基含有化合物;
メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ポリシクロヘキシルポリアミン、DBU等の脂環族アミノ基含有化合物;
メタフェニレンジアミン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミノ基含有化合物;
m−キシリレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪芳香族アミノ基含有化合物;
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の水酸基及びアミノ基含有化合物;
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸等の酸無水物類;
ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアミンを反応させて得られるポリアミド、ダイマー酸以外のポリカルボン酸を使ったポリアミド等のポリアミドアミン類;
2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
ポリオキシプロピレン系ジアミン、ポリオキシプロピレン系トリアミン等のポリオキシプロピレン系アミン類;
上記アミン類にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ変性アミン、上記アミン類にホルマリン、フェノール類を反応させて得られるマンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミン、アルジミンといった変性アミン類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの2−エチルヘキサン酸塩等のアミン塩等が挙げられる。
例えば、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を用いる場合は、NCO/OH比率で通常0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.5、さらに好ましくは0.3〜1.3となる範囲内で設定すればよい。
このようなNCO/OH比率の範囲内であることにより、蓄熱層の強度を強靭なものとすることができ、蓄熱材の漏れのない均一な緻密な架橋構造を得ることができる。
NCO/OH比率が0.1より小さい場合は、架橋率が低くなり、硬化性、耐久性、強度等において十分な物性を確保することができない場合があり、また蓄熱材が漏れ易くなる。NCO/OH比率が1.8よりも大きい場合は、未反応のイソシアネートが残存し、蓄熱層の各種物性に悪影響を与え、蓄熱層が変形しやすくなり、蓄熱材が漏れやすくなる。
例えば、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の反応では、反応促進剤として、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ダイマージアミン、ダイマー酸ポリアミドアミン等のアミン類;
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクテート等の錫カルボン酸塩類;
ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸亜鉛等の金属カルボン酸塩類;
ジブチルチンチオカルボキシレート、ジオクチルチンチオカルボキシレート、トリブチルメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカルボキシレート類;
アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物;
等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
さらに多孔体の形成成分を適宜設定することにより、(c)成分との相互作用が働き、(a)成分が外部へ漏れ出すのをより防ぐことができる。
また、多孔体として3次元編目構造型多孔体であれば、その緻密な構造の故、(a)成分が外部へ漏れ出すのをより防ぐことができる。
相溶化剤としては、上述した脂肪酸トリグリセリドや、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満の非イオン性界面活性剤等が挙げられるが、(a)成分と樹脂成分との相溶性には、特に親水親油バランス(HLB)が1以上10未満の非イオン性界面活性剤が好ましい。
さらに、(a)成分が、微細に均一に分散した状態であるため、(a)成分の固液変化に伴う体積変化による蓄熱層自体の形状変化を軽減することもできる。
(e)成分が0.01重量部より少ない場合は、(a)成分と(c−1)成分及び/または(c−2)成分が分離してしまうかまたはクリーミング現象を起こしやすく、効率よくコロイド分散せず、本発明の効果が得られない場合がある。30重量部より多い場合は、得られる蓄熱層の耐水性等の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、粒子径は、光学顕微鏡(BHT−364M、オリンパス光学工業株式会社製)を用いて測定した値である。
さらに、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の混合比率は、特に限定されず、適宜設定すればよいが、NCO/OH比率が、0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.7、さらに好ましくは0.3〜1.6、より好ましくは0.5〜1.5であることによって、より優れた蓄熱層を得ることができる。
面状発熱体としては、例えば、ニクロム線を蛇行させて絶縁体表面に配置したもの、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体等が挙げられる。本発明では、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体を好適に用いることができる。
本発明では、特に、柔軟性を有する樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、合成ゴム等が好ましく用いられる。
導電性粉末の混合量は、特に限定されないが、電気抵抗発熱体の電気抵抗値を1×103Ω・cm以下に調整できるように混合すればよく、樹脂成分の固形分100重量部に対して、10重量部以上300重量部以下(好ましくは30重量部以上100重量部以下)であることが好ましい。
このようなPTC面状発熱体は、PTC特性によって、通電すると素早く昇温し、所定温度に達し、自ら温度を制御、維持することができるため、センサー・コントローラー等を使用しなくてもよい。
床材層の厚さは、通常1〜20mm、好ましくは2〜15mm程度であればよい。
本発明床暖房構造体の形成方法は、特に限定されず、公知の方法により、蓄熱層、面状発熱層、床材層を積層すればよい。
具体的には、上述した製造方法により得られた蓄熱層の上に、面状発熱層、床材層を順に公知の接着剤や接着テープ等で貼着し床暖房パネルを作製し、基材や既存のフローリングの上に公知の接着剤や接着テープを介して積層する方法、また、既存の基材やフローリングの上に直接上述した蓄熱層形成成分((a)成分(及び(b)成分、(d)成分)、樹脂成分((c−1)成分、(c−2)成分等)、(e)成分等)を塗付し蓄熱層を形成し、その上に面状発熱層、床材層を順に積層する方法等が挙げられる。
後者の場合、基材や既存のフローリングに蓄熱層形成成分をスプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより蓄熱層を形成することができる。
また、本発明床暖房構造体は、厚さが5〜50mmと薄くても、優れた蓄熱性能を有するため、消費電力量を抑え、かつ、快適な居住環境を維持することができる。
断熱層を積層することにより、外部の温度変化を緩和するとともに、面状発熱層で発熱した熱を外部に逃し難く、効率良く、床面を暖めることができる。
伝熱層を積層することにより、面状発熱層から発熱した熱が、蓄熱層や床材層に伝わりやすく、効率良く、床面を暖めることができる。
蓄熱層1:表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、蓄熱材A、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物を温度40℃で均一に混合し、反応促進剤を加え、十分攪拌した。攪拌後、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた300mm×180mm×5mmの型枠中に流し込み、脱型して50℃で180分硬化させ、厚さ5mmの蓄熱層1を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
得られた蓄熱層を、10℃または50℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度23℃、相対湿度50%RH(以下、「標準状態」ともいう。)環境下に移し、試験体からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
得られた蓄熱層を、10℃または50℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度30℃、相対湿度50%RH環境下に移し、試験体からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱層の相変化温度(℃)および潜熱量(kJ/kg)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/min、−20〜60℃の温度領域で測定した。結果は表3に示す。
標準状態において、得られた蓄熱層をカッターナイフで切断し、切断面からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
温度30℃、相対湿度50%RHの環境下において、得られた蓄熱層をカッターナイフで切断し、切断面からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
標準状態において、得られた蓄熱層に釘打ちし、釘打ちによる蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
温度30℃、相対湿度50%RHの環境下において、得られた蓄熱層に釘打ちし、釘打ちによる蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
合板(300×180mm、厚さ5mm)の上に、蓄熱層1、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、試験板を作製した。
なお、床材層は合板(300×180mm、厚さ5mm)、面状発熱層はシリコンゴム中にニクロム線を蛇行させたシリコンラバーヒーター(300×180mm、厚さ2mm)を使用した。
図1に示すように、内寸が300×180×200mmとなるように、側面及び上面に厚さ25mmのポリスチレンフォームを設置し、底面には試験板の床材層側が内側となるように設置し、試験体ボックスを作製した。
さらに、床表面温度、床裏面温度、空間温度(ボックス内温度)を測定するため、図1に示すように、床材表面及び裏面の中心、床材表面の中心から高さ100mmの位置にそれぞれ熱電対を設置した。また、図1に示すように、床表面には表面温度を一定にするため、床表面に温度調節器(サーモスタット)を取り付けた。
この試験体ボックスを恒温器の中に設置し、次の実験を行った。
恒温器中の温度を10℃に設定し、15時間放置した。その後恒温器中の温度を10℃に設定したまま、面状発熱層を180分加熱した。なお床表面は、温度調節器(サーモスタット)により、30℃一定になるように設定した。
床暖房性能評価として、面状発熱層の加熱後60分後の各部位の温度を測定した。また、180分加熱した後、加熱を停止し、停止60分後の各部位の温度を測定した。結果は、表4に示した。
蓄熱層1に代わりに蓄熱層2を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
蓄熱層1に代わりに蓄熱層3を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
蓄熱層1に代わりに蓄熱層4を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
蓄熱層1に代わりに蓄熱層5を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
蓄熱層1に代わりに蓄熱層6を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
蓄熱層1に代わりに蓄熱層7を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
蓄熱層1に代わりに蓄熱層8を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
合板(300×180mm、厚さ5mm)の淵に厚さ5mmのバックアップ材を設け、その上に、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、合板と面状発熱層の間に厚さ5mmの空気層が設けられた試験板を作製した。
この試験板を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
合板(300×180mm、厚さ5mm)の上に、5mmのポリウレタンフォームを設けその上に、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、試験板を作製した。
この試験板を用いた以外は、参考例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。
2:面状発熱層
3:床材層
4:合板
5:ポリスチレンフォーム
6:熱電対
7:温度調節器(サーモスタット)
Claims (8)
- 多孔体(c)に蓄熱材(a)が担持された蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層され、
蓄熱層が、蓄熱材(a)、親水親油バランス(HLB値)が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであることを特徴とする床暖房構造体。 - 多孔体(c)に蓄熱材(a)が担持された蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層され、
蓄熱層が、蓄熱材(a)と、層状粘土鉱物(b)及び/または熱伝導性物質(d)、親水親油バランス(HLB値)が10以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(e)、反応性官能基を含有する化合物(c−1)と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物(c−2)を混合し、蓄熱材(a)をコロイド状に分散させ、(c−1)成分と(c−2)成分を反応させて得られるものであることを特徴とする床暖房構造体。 - 蓄熱材(a)100重量部に対し、層状粘土鉱物(b)が0.5〜50重量部混合されたものを用いることを特徴とする請求項2に記載の床暖房構造体。
- 蓄熱材(a)100重量部に対し、熱伝導性物質(d)が5〜200重量部混合されたものを用いることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の床暖房構造体。
- 層状粘土鉱物(b)が、有機処理された層状粘土鉱物であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の床暖房構造体。
- (c−1)成分がヒドロキシル基を含有する化合物であり、(c−2)成分がイソシアネート基を含有する化合物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の床暖房構造体。
- 蓄熱層中の蓄熱材(a)の含有率が、40重量%以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の床暖房構造体。
- 蓄熱材(a)が、有機潜熱蓄熱材であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の床暖房構造体。
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