JP2006105493A - 床暖房構造体 - Google Patents

床暖房構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2006105493A
JP2006105493A JP2004293369A JP2004293369A JP2006105493A JP 2006105493 A JP2006105493 A JP 2006105493A JP 2004293369 A JP2004293369 A JP 2004293369A JP 2004293369 A JP2004293369 A JP 2004293369A JP 2006105493 A JP2006105493 A JP 2006105493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
layer
resin
latent heat
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004293369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4597628B2 (ja
Inventor
Ryotaro Amano
良太郎 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SK Kaken Co Ltd
Original Assignee
SK Kaken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SK Kaken Co Ltd filed Critical SK Kaken Co Ltd
Priority to JP2004293369A priority Critical patent/JP4597628B2/ja
Publication of JP2006105493A publication Critical patent/JP2006105493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4597628B2 publication Critical patent/JP4597628B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Central Heating Systems (AREA)

Abstract

【課題】加工性、施工性に優れるとともに、優れた蓄熱性能を有し、消費電力量を抑え、かつ、快適な居住環境を維持できる床暖房構造体を提供する。
【解決手段】本発明の床暖房構造体は、特定の結晶性ビニルモノマーを重合して得られるカプセル壁に潜熱蓄熱材を内包させた蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層されたことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、住宅等における床暖房用として用いられる床暖房構造体に関する。
近年の住宅環境に対する高まりを背景に、電熱線や温水管等の熱源を床に設置した床暖房システムを供えた住宅が急増している。
床暖房システムは、電熱線や温水管等の熱源で発熱した熱により、室内空間を暖めるもので、特に、電熱線を用いた場合、その発熱には、多くの消費電力を費やすこととなる。
このような問題の解決法の一つとして、蓄熱材を床暖房システムに導入した蓄熱式床暖房システムがある。
蓄熱材は、顕熱蓄熱材、潜熱蓄熱材に分類されるが、蓄熱式床暖房システムにおいては、特に、物質の相変化による潜熱を利用した潜熱蓄熱材が多く採用されている。
このような潜熱蓄熱材を床暖房システムに導入した場合、例えば、安価な夜間電力を使用して熱を蓄え日中徐々に放熱することにより電力消費を抑えることができる。また、一旦暖まると温度を一定に長時間保つことができるため、電力消費を抑えるとともに、快適な居住環境を維持することが可能となる。
潜熱蓄熱材を利用した床暖房システムとして、例えば、特許文献1では、蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含有する蓄熱シートを利用することが記載されている。特許文献1では、マイクロカプセルとして、カプセル壁にメラミン−ホルムアルデヒド膜材を用いたマイクロカプセルが開示されている。(実施例1記載。)
しかしカプセル壁に用いられているメラミン−ホルムアルデヒド膜材は、硬い性質を有する反面、脆いという性質を有する。したがって、カプセルを混練、攪拌した場合、カプセル壁が破砕しやすく、潜熱蓄熱材が漏洩しやすいという問題があった。
また、メラミン−ホルムアルデヒド膜材の製造には、ホルムアルデヒド等の物質を使用するため、環境に対し好ましいものでもない。
特開2003−74883号公報
また、蓄熱材をマイクロカプセル化する方法としては、特許文献2等が挙げられる。
特許文献2では、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン誘導体等の熱可塑性樹脂を主成分とするカプセル壁に、相転移自在な有機化合物(潜熱蓄熱材)を内包した蓄熱用マイクロカプセルが開示されている。カプセル壁に用いられている熱可塑性樹脂としては、メチル(メタ)アクリレート等の炭素数10以下の(メタ)アクリルモノマーが用いられている。(段落0008記載)
しかし、このようなポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン誘導体等の熱可塑性樹脂を用いた場合、得られたカプセル壁は、潜熱蓄熱材によって可塑化され易く、マイクロカプセル同士が融着・凝集するという問題があった。したがって、このような蓄熱用マイクロカプセルを、特許文献1のような蓄熱シートへ適用する場合、その製造過程において、マイクロカプセル同士が融着・凝集し、優れた蓄熱性を有する蓄熱シートを得ることは困難な場合があった。
特開2001−181611号公報
本発明は上記課題を解決するために、鋭意検討をした結果、特定の蓄熱性マイクロカプセルを用いることによって、カプセル壁が破砕することなく、しかも、カプセル同士の融着・凝集が防止できるため、蓄熱層の製造が簡便であり、このような蓄熱層と、面状発熱層、床材層を積層することにより、優れた蓄熱性能を有し、消費電力量を抑え、かつ、快適な居住環境を維持できる床暖房構造体が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の特徴を含むものである。
下記の蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層されたことを特徴とする床暖房構造体。
蓄熱性マイクロカプセル:カプセルに潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、下記の化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成されたもの
(化学式1)
Figure 2006105493
(Rは水素(−H)またはメチル基(−CH)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、Rは炭素数12から36の直鎖アルキル基)
本発明の床暖房構造体は、優れた蓄熱性を示し、消費電力量を抑え、省エネルギー化を図ることができ、かつ、快適な居住環境を維持できる。
以下、本発明を、実施するための最良の形態とともに詳細に説明する。
本発明は、蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層された床暖房構造体に関するものである。
本発明における蓄熱層は、カプセルに潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、下記の化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成された蓄熱性マイクロカプセルを含有するものである。
(化学式1)
Figure 2006105493
(Rは水素(−H)またはメチル基(−CH)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、Rは炭素数12から36の直鎖アルキル基)
本発明における蓄熱層は、このような蓄熱性マイクロカプセルが含有されていることにより、優れた蓄熱性を有するものである。
本発明に用いる蓄熱性マイクロカプセルについて詳細に説明する。
本発明に用いる蓄熱性マイクロカプセルは、カプセルに潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成されたものである。
(化学式1)
Figure 2006105493
(Rは水素(−H)またはメチル基(−CH)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、Rは炭素数12から36(好ましくは炭素数が12から30、さらに好ましくは炭素数が14から22)の直鎖アルキル基)
このような結晶性ビニルモノマーを用いることにより、後述する潜熱蓄熱材によって、カプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士が融着・凝集されにくい。かつ、ビニル系のモノマーを用いているため、柔軟性があり、カプセルを混練、攪拌する場合、カプセル壁が破砕することなく、潜熱蓄熱材が漏洩することもない。そのため、本発明に用いる蓄熱性マイクロカプセルは、水等の溶媒に分散させて用いる場合は分散安定性に優れ取扱いが容易であり、固形微粉末として使用する場合も取扱いが容易である。
また、炭素数12〜36(好ましくは炭素数が12から30、さらに好ましくは炭素数が14から22)の直鎖アルキル基を有する結晶性ビニルモノマーを使用しているため、潜熱蓄熱材との相溶性に優れている。よって、カプセルに高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を示すことができる。
結晶性ビニルモノマーとしては、化学式1を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系ビニルモノマー;
ビニルラウリレート、ビニルミリステート、ビニルパルミテート、ビニルステアレート等のビニルエステル系ビニルモノマー;
ラウリルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル系ビニルモノマー;
等が挙げられる。
本発明カプセル壁は、上記結晶性ビニルモノマーを含んでいれば、本発明の効果を損なわない程度で必要に応じ、他のモノマーを共重合することもできる。
このようなモノマーとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの低級アルキル基含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマー;
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ−N−ブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−tブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等などのアミン含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクロイルピロリジン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−N−プロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリルモノマー;
アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリルモノマー;
グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリルモノマー;
ジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、アセトニルアクリレート、ジアセトンメタクリルアミド、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、2ーヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、及びブタンジオールアクリレートアセチルアセテートなどのカルボニル基含有モノマー;
メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;
プロピレン−1,3−ジヒドラジン及びブチレン−1,4−ジヒドラジンなどのヒドラジノ基含有モノマー;
2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどのジ(メタ)アクリルモノマー;
スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系モノマー;
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル等が挙げられる。
結晶性ビニルモノマーの含有量としては、本発明の効果を損なわないて程度であれば特に限定されず、カプセル壁を構成するモノマー全量に対し、50重量%以上、さらには70重量%以上であることが好ましい。
上記モノマーを重合して得られるカプセル壁の結晶化温度は、25〜90℃、さらには30〜70℃であることが好ましい。このような結晶化温度であれば、実用レベルで本発明の効果が得られるため好ましい。結晶化温度が低すぎると、常温で軟化し、カプセル同士が融着・凝集する場合がある。
なお、結晶化温度は、示差走査熱量計(DSC220CU:セイコーインスツルメンツ株式会社製)にて、昇温速度10℃/分で測定した値である。
本発明に用いる潜熱蓄熱材としては、無機潜熱蓄熱材、有機潜熱蓄熱材等特に限定されないが、本発明では特に、有機潜熱蓄熱材を用いることが好ましい。
本発明では、特に有機潜熱蓄熱材を好適に用いることができ、有機潜熱蓄熱材を用いた場合、結晶性ビニルモノマーとの相溶性に優れるため、カプセル内に高含有量の有機潜熱蓄熱材を内包することができ、用途に応じた相変化温度の設定が容易であり、長期に亘り蓄熱性能が持続するため、好ましい。
また、有機潜熱蓄熱材は、沸点が高く揮発しにくいため、蓄熱層形成時における肉痩せがほとんど無く、また長期に亘り蓄熱性能が持続するため、好ましい。さらに、有機潜熱蓄熱材を用いた場合、用途に応じた相変化温度の設定が容易であり、例えば相変化温度の異なる2種以上の有機潜熱蓄熱材を混合することで、容易に相変化温度の設定が可能となる。
有機潜熱蓄熱材としては、例えば、脂肪族炭化水素、長鎖アルコール、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、脂肪酸トリグリセリド等が挙げられ、これらの蓄熱材のうち1種または2種以上を用いることができる。
脂肪族炭化水素としては、例えば、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素を用いることができ、具体的には、N−デカン(融点−30℃)、N−ウンデカン(融点−25℃)、n−ドデカン(融点−8℃)、n−トリデカン(融点−5℃)、n−テトラデカン(融点8℃)、N−ヘキサデカン(融点17℃)、N−ヘプタデカン(融点22℃)、N−オクタデカン(融点28℃)、N−ノナデカン(融点32℃)、イコサン(融点36℃)、ドコサン(融点44℃)、およびこれらの混合物で構成されるN−パラフィンやパラフィンワックス等が挙げられる。
長鎖アルコールとしては、例えば、炭素数8〜36の長鎖アルコールを用いることができ、具体的には、ラウリルアルコール(融点24℃)、ミリスチルアルコール(融点38℃)等が挙げられる。
長鎖脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸を用いることができ、具体的には、オクタン酸(融点17℃)、デカン酸(融点32℃)、ドデカン酸(融点44℃)、テトラデカン酸(融点50℃)、ヘキサデカン酸(融点63℃)、オクタデカン酸(融点70℃)等の脂肪酸等が挙げられる。
長鎖脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸エステルを用いることができ、具体的には、ラウリン酸メチル(融点5℃)、ミリスチン酸メチル(融点19℃)、パルミチン酸メチル(融点30℃)、ステアリン酸メチル(融点38℃)、ステアリン酸ブチル(融点25℃)、アラキジン酸メチル(融点45℃)等が挙げられる。
脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、ヤシ油、パーム核油等の植物油や、その精製加工品である中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。
本発明では潜熱蓄熱材として、特に、脂肪族炭化水素、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステルが、潜熱量が高く、本発明の結晶性ビニルモノマーとの相溶性により優れ、カプセル内に高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができるため、好ましい。
本発明では、特に、炭素数15〜22の脂肪族炭化水素、炭素数15〜22の長鎖脂肪酸、炭素数15〜22の長鎖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を用いることが好ましく、このような潜熱蓄熱材は、潜熱量が高く、実用温度領域に相変化温度を有するため、様々な用途に使用しやすい。
また、2種以上の有機潜熱蓄熱材を混合して使用する場合は、相溶化剤を用いることが好ましい。相溶化剤を用いることにより、有機潜熱蓄熱材どうしの相溶性をより向上させることができる。
相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
脂肪酸トリグリセリドは、上述したように、有機潜熱蓄熱材としても用いられる物質である。このような脂肪酸トリグリセリドは、特に有機潜熱蓄熱材同士の相溶性を、より向上させることができるとともに、優れた蓄熱性を有するため好ましい。脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、ヤシ油、パーム核油等の植物油や、その精製加工品である中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。
相溶化剤の混合比は、通常潜熱蓄熱材100重量部に対し、0.1重量部から30重量部(好ましくは0.5重量部から10重量部)程度とすればよい。
さらに、潜熱蓄熱材には、粘性調整剤、熱伝導性物質等を混合して用いることができる。
粘性調整剤としては、例えば、粘土鉱物等が挙げられ、特に、有機処理された層状の粘土鉱物を用いることが好ましい。
潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物を混合することにより、有機処理された層状の粘土鉱物の層間に、潜熱蓄熱材が入り込む。有機処理された層状の粘土鉱物は、有機処理されたものであるため、潜熱蓄熱材が有機処理された層状の粘土鉱物の層間に入り込みやすく、また潜熱蓄熱材が有機処理された層状の粘土鉱物の層間に保持されやすい構造となっている。
このような有機処理された層状の粘土鉱物と潜熱蓄熱材を混合することにより、結果として、潜熱蓄熱材の粘度を上昇させ、カプセル内に潜熱蓄熱材を担持し、より保持し続けることができる。
さらに有機処理された層状の粘土鉱物は、潜熱蓄熱材として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
有機処理された層状の粘土鉱物の底面間隔は、13.0〜30.0Å(好ましくは15.0〜26.0Å)程度であることが好ましい。このような範囲であることにより、潜熱蓄熱材が、有機処理された層状の粘土鉱物の層間により入り込みやい。なお、底面間隔はX線回折パターンにおける(001)反射から算出される値である。
潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物混合時の粘度は、0.5〜20.0Pa・s程度とすればよい。なお、粘度は、B型回転粘度計を用い、温度23℃、相対湿度50%RHで測定した値である。
また、潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物混合時のTI値は、4.0〜9.0程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
このような粘度、TI値とすることによって、カプセル内に潜熱蓄熱材が担持されやすく、かつ、カプセル内に潜熱蓄熱材が保持されやすい。
有機処理された層状粘土鉱物としては、例えば、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイト、アロフェン、雲母、タルク、ハロイサイト、セピオライト等が挙げられる。また、膨潤性フッ素雲母、膨潤性合成マイカ等も利用できる。
有機処理としては、例えば、層状粘土鉱物の層間に存在する陽イオンを長鎖アルキルアンモニウムイオン等でイオン交換(インターカレート)すること等が挙げられる。
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
具体的に、有機処理されたモンモリロナイトとしては、
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
有機処理された層状粘土鉱物の混合比は、通常潜熱蓄熱材100重量部に対し、0.5重量部から50重量部(好ましくは1重量部から30重量部、より好ましくは3重量部から15重量部)程度とすればよい。
さらに、潜熱蓄熱材には、熱伝導性物質を混合することもできる。熱伝導性物質を混合することにより、蓄熱性マイクロカプセル内の熱の移動をスムーズにし、潜熱蓄熱材の熱効率性を向上させ、より優れた蓄熱性能を得ることができる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
熱伝導性物質の熱伝導率としては、1W/(m・K)以上、さらには3W/(m・K)以上、さらには5W/(m・K)以上であることが好ましい。このような熱伝導率を有する熱伝導性物質を混合することにより、より効率よく蓄熱材の熱効率性を向上させることができる。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1〜100μm、さらには5〜50μmであることが好ましい。
潜熱蓄熱材と熱伝導性物質の混合比は、通常潜熱蓄熱材100重量部に対し、5重量部から200重量部(好ましくは10重量部から80重量部、より好ましくは20重量部から60重量部)程度とすればよい。
本発明における蓄熱性マイクロカプセルの製造は、特に限定されず、公知の方法で製造すればよい。本発明では、結晶性ビニルモノマー(必要に応じ、他のモノマー)と潜熱蓄熱材等を均一に混合し、重合を行うことによって、潜熱蓄熱材を内包した蓄熱性マイクロカプセルを、簡便に製造することができる。
重合方法としては、エマルション重合、ミニエマルション重合、マイクロエマルション重合、ソープフリーエマルション重合、分散重合、シード重合、シード分散重合、フィード重合、懸濁重合等特に限定されない。
このような重合では、上記結晶性ビニルモノマー(必要に応じ、他のモノマー等)と潜熱蓄熱材と、公知の開始剤、乳化剤、分散剤、溶媒、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、架橋剤、pH調整剤、連鎖移動剤等を混合して得ることができる。
乳化剤としては、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、両イオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤等特に限定されず、用いることができる。
例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリール)硫酸エステル塩等のアニオン性乳化剤、
ラウリルトリアルキルアンモニウム塩、ステアリルトリアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、第1級〜第3級アミン塩、ラウリルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、或は、ラウリルアミンアセテート等のカチオン性界面活性剤、
炭素数1〜20のアルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、炭素数1〜20のアルキルフェノール、炭素数1〜20のアルキルナフトール、ポリオキシエチレン(プロピレン)グリコール、脂肪族アミンなどのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物等のノニオン性界面活性剤、
カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導体型等の両性界面活性剤等が挙げられる。
開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩開始剤、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド等の有機過酸化系開始剤、過酸化水素、レドックス開始剤、光重合開始剤、反応性開始剤等を用いることができる。
本発明における蓄熱性マイクロカプセルの製造方法としては、特に、
(1)化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーと、潜熱蓄熱材等とを均一に混合し、該モノマーの重合体の結晶化温度よりも高い温度で、乳化重合を行う工程、
(2)重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する工程、を含むことが好ましい。
このような製造方法では、モノマーを重合して得られる重合体がカプセルの最外壁を形成し、そのカプセル内に潜熱蓄熱材が内包された蓄熱性マイクロカプセルを、一般的な乳化重合法で簡便に製造できることが特徴である。特に、結晶性ビニルモノマーが、潜熱蓄熱材との相溶性に優れ、乳化重合前は結晶性ビニルモノマーと潜熱蓄熱材とを均一に混合でき、乳化重合後に得られるカプセルには高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を有するマイクロカプセルを製造することができる。
また、乳化重合の際、該モノマーを重合して得られる重合体の結晶化温度よりも高い温度で、乳化重合することが必須である。このような温度で乳化重合することにより、重合時には非晶性の重合体(カプセル壁)を形成し、潜熱蓄熱材がカプセルに内包されやすい。さらに、重合後は、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却することにより、重合体が相変化して結晶化し、カプセルの最外壁であるカプセル壁を形成し、内包された潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのない、蓄熱性マイクロカプセルを得ることができる。
このような相変化機構により、高含有量の潜熱蓄熱材がカプセルに内包されているにもかかわらず、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのない、蓄熱性マイクロカプセルを得ることができる。また、このような蓄熱性マイクロカプセルは、最外壁がモノマーを重合して得られる重合体であれば特に限定されず、カプセル内は、潜熱蓄熱材をコア、重合体をシェルとするコアシェル状でもよいし、潜熱蓄熱材が多数分散したポーラス状でもよいし、あるいはゲル状でもよい。
具体的に、第(1)の工程では、結晶性ビニルモノマーを用いることにより、潜熱蓄熱材によって、カプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士が融着・凝集しにくい。かつ、ビニル系のモノマーを用いているため、メラミン等よりも柔軟性があり、カプセルを混練、攪拌する場合、カプセル壁が破砕することなく、潜熱蓄熱材が漏洩することもない。そのため、蓄熱性マイクロカプセルは、水等の溶媒に分散させて用いる場合は取扱いが容易であり、固形微粉末として使用する場合も回収が容易であり取扱い易い。
また、炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する結晶性ビニルモノマーを使用しているため、蓄熱材との相溶性に優れている。よって、カプセルに高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を示すことができる。
また、第(2)の工程では、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却することを特徴とする。このような温度まで冷却することにより、最外壁であるカプセル壁を形成する重合体が相変化して結晶化し、内包された潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのない、蓄熱性マイクロカプセルを得ることができる。
冷却する方法としては、特に限定されないが、公知の冷却装置や、冷却物質を用いてもよいし、また結晶化温度にもよるが、結晶化温度が室温より高ければ、室温で自然冷却することもできる。
このようにして得られた蓄熱性マイクロカプセルは、蓄熱性マイクロカプセル分散液として使用することもできるし、エマルション液から蓄熱性マイクロカプセルを取り出し、固形微粉末として用いることもできる。
蓄熱性マイクロカプセルを固形微粉末として用いる場合は、第(3)の工程として、重合体の結晶化温度よりも低い温度で、回収することが好ましい。本発明における回収工程とは、分離工程、乾燥工程、分級工程等を含むもので、このような回収工程により固形微粉末のマイクロカプセルが得られるものである。本発明では、重合体の結晶化温度よりも低い温度で回収することにより、重合体が結晶性を維持したまま回収でき、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことがない上に、カプセル壁が破粋することなく、また、カプセル同士の融着・凝集を防止することもできる。そのため、マイクロカプセルを固形微粉末として回収することが容易であり、高収率で固形微粉末を得ることができる。回収工程としては、重合体の結晶化温度よりも低い温度であれば、公知の方法を採用すればよい。
また、得られたマイクロカプセル固形微粉末は、再度、水等の溶媒に分散させて用いることもできる。
本発明に用いる蓄熱性マイクロカプセルは、高含有率で蓄熱材を内包することが可能である。具体的には、蓄熱性マイクロカプセル全体量に対し、通常30重量%以上、さらには50重量%以上内包することができる。このような含有量であることにより、優れた蓄熱性を示すこともできる。
かつ、蓄熱性マイクロカプセルは、カプセル壁が結晶性であるため、カプセル内に内包された有機潜熱蓄熱材によってカプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士の融着・凝集を防止することができる。
さらに本発明で用いる結晶性ビニルモノマーから形成されるカプセル壁は、カプセル壁自体が蓄熱性を有している。そのため、潜熱蓄熱材の蓄熱性とカプセル壁の蓄熱性により、より優れた蓄熱性を示すことができる。
本発明における蓄熱層は、このような蓄熱性マイクロカプセルが含有されているものであれば特に限定されないが、例えば、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤を混練したスラリーを成型する方法、浸漬法、減圧・加圧注入法等により含浸させる方法、ケーシング・ラミネートする方法、あるいはこれらを組み合わせた方法等で製造することができる。
例えば、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤を混練したスラリーを成型する方法においては、結合剤として、公知のものを使用して成型すればよい。
このような結合剤としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型樹脂、NAD型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂、無溶剤型樹脂等、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機結合剤、
ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色セメント、焼石膏、コロイダルシリカ、水溶性珪酸アルカリ金属塩等の無機結合剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明では、特に有機結合剤を用いることが好ましく、有機結合剤のうち1液タイプ、2液タイプのいずれも使用することができるが、2液タイプがより好ましい。2液タイプを使用することにより、速やかに反応が進行し、高強度の蓄熱層が成型され、かつ、蓄熱性マイクロカプセルが均一に分散した蓄熱層が得られやすいため好ましい。
2液タイプとしては、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とイミド基、ヒドロキシル基とアルデヒド基、エポキシ基とアミノ基、エポキシ基とカルボキシル基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボニル基とヒドラジド基、カルボキシル基とアジリジン基等の架橋反応を利用したもの等が挙げられる。特に、ヒドロキシル基とイソシアネート基の架橋反応を利用したものが、速やかに反応が進行し、かつ、蓄熱性マイクロカプセルがより均一に分散した蓄熱層が得られやすいため好ましい。
また、スラリーには、結合剤の他に、溶剤、顔料、骨材、粘性調整剤、緩衝剤、分散剤、消泡剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、難燃剤、レベリング剤、沈降防止剤、たれ防止剤、脱水剤等の各種添加剤を混練することもできる。
蓄熱層の成型においては、このようなスラリーを、公知の方法でシート化し蓄熱層を成型してもよいし、あるいは、面状発熱層等の上に塗付積層して蓄熱層を成型してもよい。本発明では、特定のカプセル壁を有する蓄熱性マイクロカプセルを用いているため、成型時に、カプセル壁が破砕することなく、また、カプセル同士の融着・凝集することなく、スラリーに効率よく分散するため、優れた蓄熱性を有する蓄熱層を、簡便に製造することができる。
また、浸漬法、減圧・加圧注入法等により含浸させる方法においては、下記に示す材料に蓄熱性マイクロカプセルを含浸させればよい。
材料としては、例えば、コンクリート、石膏ボード、モルタル、スレート板等の無機材料、
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
また、ケーシング・ラミネートする方法においては、蓄熱性マイクロカプセルを蓄熱層形成材料からなるケースやラミネートフィルムを用いて、蓄熱層を製造すればよい。
例えば、蓄熱性マイクロカプセルを水等の溶媒に分散させたものや蓄熱性マイクロカプセルの固体微粉末、及び、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤を混練したスラリー等をケースに注入したり、ラミネートして得ることができる。
蓄熱層形成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、クロム、タングステン、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、銀、金等からなる金属板、金属箔等の金属材料、
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明では、特定のカプセル壁を有する蓄熱性マイクロカプセルを用いているため、カプセル壁が破砕することなく、また、カプセル同士が融着・凝集することがないため、水等の溶媒に分散させて用いる場合でも、固体微粉末として用いる場合も、スラリーとして用いる場合も、優れた蓄熱性を有する蓄熱層を、簡便に製造することができる。
蓄熱性マイクロカプセルを用いて蓄熱層を製造する場合、上記に一例を示したが、いずれの場合もカプセル壁が破砕することなく、カプセル壁が潜熱蓄熱材によって可塑化され難く、カプセル同士の融着・凝集が防止できるため、取扱い易く、簡便に蓄熱層を製造することができる。
蓄熱層における蓄熱性マイクロカプセルの含有量としては、蓄熱層の全体量に対し、10重量%以上、さらには20重量%以上70重量%以下であることが好ましい。このような範囲であることにより、優れた蓄熱性を有することができる。
また、蓄熱層の厚さは、特に限定されないが、通常0.5mm〜30mm、さらには1mm〜20mm程度が好ましい。
本発明における面状発熱層は、特に限定されず、公知の面状発熱体を使用すればよい。
面状発熱体としては、例えば、ニクロム線を蛇行させて絶縁体表面に配置したもの、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体等が挙げられる。本発明では、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体を好適に用いることができる。
電気抵抗発熱体は、電気抵抗値が1×10Ω・cm以下(好ましくは、1×102Ω・cm以下)であれば、特に限定されるものではないが、樹脂成分と導電性粉末からなるものが好ましい。電気抵抗発熱体の電気抵抗値が1×10Ω・cmより大きい場合は、消費電力量が大きくなるため好ましくない。
樹脂成分としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルシリコン樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、合成ゴム等、あるいはこれらを複合した樹脂等が挙げられる。
本発明では、特に、柔軟性を有する樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、合成ゴム等が好ましく用いられる。
導電性粉末としては、グラファイト粉末、鱗片状黒鉛、薄片状黒鉛、カーボンナノチューブ等の炭素粉末、グラファイト化された繊維、グラファイトを担持させた繊維等の炭素繊維、銀、金、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、白金、パラジウム、鉄等の金属微粒子、これらの金属微粒子等の導電性成分を繊維表面に担持させた導電性繊維、また金属微粒子をマイカ、雲母、タルク、酸化チタン等の粉末の表面に担持させた導電性粉末、また、フッ素ドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化スズ、導電性酸化亜鉛等の導電性酸化物等を使用することができる。
電気抵抗発熱体は、上記導電性粉末を上記樹脂中に均一に分散するように混合し、公知の方法で、フィルム状、シート状に成形することにより、製造することができる。
導電性粉末の混合量は、特に限定されないが、電気抵抗発熱体の電気抵抗値を1×10Ω・cm以下に調整できるように混合すればよく、樹脂成分の固形分100重量部に対して、10重量部以上300重量部以下(好ましくは30重量部以上100重量部以下)であることが好ましい。
また、電気抵抗値が1×10Ω・cm以下にできる範囲であれば、樹脂成分以外に、必要に応じて、消泡剤、増粘剤、防腐剤、抗菌剤、変性剤、紫外線吸収剤、硬化剤、硬化触媒、増膜助剤、溶媒等の添加剤を加えることもできる。
電気抵抗発熱体の厚さは、3mm以下であることが好ましい。3mmより厚くなると、柔軟性が低下し、また、電気抵抗発熱体に温度ムラが生じやすくなるため、均一な温度に成り難くなる場合がある。
電極としては、電気抵抗値が電気抵抗発熱体よりも低いものであれば特に限定されないが、好ましくは、金属微粒子からなる電極および/またはそれら金属微粒子を混合したペーストを用いることができる。金属微粒子としては、特に限定されないが、銀、銅、金、白金等を用いることができる。
電極は、公知の方法で、電気抵抗発熱体に積層することができる。例えば、スプレー、ローラー、刷毛塗り、ディップコーティング、スパッタ、蒸着、スクリーン印刷法、ドクターブレード法等で積層することができる。
PTC面状発熱体は、PTC(Positive Temperature Coefficient;正の温度係数)特性を利用したもので、例えばポリエステルフイルムやP
ETフイルム等の樹脂フィルムに、PTC特性を示す特殊発熱インクを印刷することにより形成することができる。特殊発熱インクの材料としては、イットリウム、アンチモン、ランタンなどの希土類元素を微量ドープして半導体化したチタン酸バリウム系セラミックが用いられる。
このようなPTC面状発熱体は、PTC特性によって、通電すると素早く昇温し、所定温度に達し、自ら温度を制御、維持することができるため、センサー・コントローラー等を使用しなくてもよい。
また、このPTC面状発熱体は、前記特殊発熱インクによる印刷方式であるため、薄型に形成でき、従って軽量化及び薄型化を図ることができる。更に、このPTC面状発熱体は、電源を入れてから所定温度になるまでは抵抗値が低く、昇温に要する消費電力を抑えることができ、さらに所定温度に達すると自己制御機能により消費電力を抑えることができるため、効率的に暖房できる。
本発明における床材層としては、塩化ビニル、ポリオレフィン等の樹脂タイル及び樹脂シート、一枚板、合板、パーティクルボード等の木質材料、繊維質材料、磁器タイル等のセラミックス材料、大理石、御影石、テラゾー等の石材料、モルタル等のコンクリート材料、ゴムやリノリウム等の天然樹脂タイル及び天然樹脂シート等を使用することができる。また畳、カーペット、じゅうたん、フローリング材等も床材層として使用することができる。本発明では、特に、耐熱性を有するものが、より好ましい。
床材層の厚さは、通常1〜20mm、好ましくは2〜15mm程度であればよい。
本発明の床暖房構造体は、新築やリフォーム等いずれの場合においても使用することができる。
本発明の床暖房構造体の形成方法は、特に限定されず、公知の方法により、蓄熱層、面状発熱層、床材層を積層すればよい。
積層方法としては、例えば、予め、蓄熱層、面状発熱層、床材層からなる床暖房パネルを作製しておき、基材(コンクリート、モルタル等)や既存のフローリングの上に積層する方法、基材や既存のフローリングの上に、蓄熱層、面状発熱層、床材層を順に積層する方法等が挙げられる。
具体的には、上述した製造方法により得られた蓄熱層の上に、面状発熱層、床材層を順に公知の接着剤や接着テープ等で貼着し床暖房パネルを作製し、基材や既存のフローリングの上に公知の接着剤や接着テープを介して積層する方法、また、既存の基材やフローリングの上に直接上述した蓄熱層形成成分を塗付し蓄熱層を形成し、その上に面状発熱層、床材層を順に積層する方法等が挙げられる。
後者の場合、基材や既存のフローリングに蓄熱層形成成分をスプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより蓄熱層を形成することができる。
床暖房構造体の厚さは、特に限定されないが、本発明では特に5〜50mm、好ましくは10〜40mm程度であることが好ましい。5〜50mm程度と薄膜化、軽量化することにより、簡便に施工することができ、特にリフォームにおいては、施工後、居住空間が圧迫されることがなく快適な居住空間を維持することができる。
また、本発明床暖房構造体は、厚さが5〜50mmと薄くても、優れた蓄熱性能を有するため、消費電力量を抑え、かつ、快適な居住環境を維持することができる。
本発明では、さらに断熱層を積層することもできる。
断熱層を積層することにより、外部の温度変化を緩和するとともに、面状発熱層で発熱した熱を外部に逃し難く、効率良く、床面を暖めることができる。
断熱層を積層する箇所としては、特に限定されないが、基材や既存のフローリングと蓄熱層の間が好ましい。また、新たに断熱層を積層することもできるが、既に存在する断熱層を用いてもよい。
断熱層としては、特に限定されないが、熱伝導率が0.1W/(m・K)未満(より好ましくは0.08W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.05W/(m・K)以下)の断熱性を有するものであることが好ましい。熱伝導率が0.1W/(m・K)未満であることにより、優れた断熱性を有する。
このような断熱層としては、例えば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、あるいはこれらの複合体等が挙げられる。また、市販の断熱層を使用してもよい。
断熱層の厚さは、通常1mm以上30mm以下であることが好ましい。
さらに本発明では、伝熱層を積層することもできる。伝熱層を積層する箇所としては、特に限定されないが、蓄熱層と面状発熱層の間、面状発熱層と床材層の間が好ましい。
伝熱層を積層することにより、面状発熱層から発熱した熱が、蓄熱層や床材層に伝わりやすく、効率良く、床面を暖めることができる。
伝熱層としては、例えば、銅、アルミニウム、鉄、真鍮、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等の金属材料からなる鋼板等、あるいはこれらの金属材料を含む塗膜またはシート等が挙げられる。本発明では、特に、アルミニウム板を好適に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にするが、本発明はこの実施例に限定されない。
(蓄熱性マイクロカプセルの製造)
(蓄熱性マイクロカプセルA)
ステアリルアクリレート40重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部、パルミチン酸メチル(相変化温度30.0℃、潜熱量200kJ/kg)60重量部を均一に混合し、さらに、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部、過流酸アンモニウム1重量部、水100重量部を加え、重合槽で混合し、プレ乳化液を作製した。次に重合槽内を脱気し、窒素雰囲気下、80℃で、3時間乳化重合を行った。重合後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、蓄熱性マイクロカプセルA(平均粒径1.8μm)を得た。
このマイクロカプセルを水層から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルAを得た。この時、水層からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱性マイクロカプセルAの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/min、−20〜60℃の温度領域で測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルAの相変化温度(℃)は29℃、潜熱量(kJ/kg)は142kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は46℃であった。
なお、平均粒径はマイクロトラック粒度分析計UPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。
(蓄熱性マイクロカプセルB)
メチルメタクリレート50重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部、パルミチン酸メチル50重量部を均一に混合し、さらに、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部、過流酸アンモニウム1重量部、水100重量部を加え、重合槽で混合し、プレ乳化液を作製した。次に重合槽内を脱気し、窒素雰囲気下、80℃で、3時間重合を行った。重合後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、蓄熱性マイクロカプセルB(平均粒径1.0μm)を得た。
このマイクロカプセルの固形粉末を回収するため、遠心分離機を用いてマイクロカプセルを水層から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で10時間乾燥したが、マイクロカプセル同士が凝集したため、100メッシュ以下のサイズの固形粉末として回収することはできなかった。よって、蓄熱層への適用が困難であった。
(蓄熱性マイクロカプセルC)
pHを4に調製した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液を重合槽に投入し、パルミチン酸メチルを攪拌しながら添加し、乳化した。次いで、メラミンに40%ホルムアルデヒド水溶液を加えて調製したメラミン−ホルムアルデヒドの縮合物の水溶液を入れ、重合槽を70℃まで昇温し、重合を開始させた。3時間重合を行った後、重合槽を室温まで冷却して蓄熱性マイクロカプセルC(平均粒径3.0μm)を得た。
このマイクロカプセルの固形粉末を回収するため、遠心分離機を用いてマイクロカプセルを水層から分離し、小型粉砕機で粉砕洗浄を行ったが、粉砕時にマイクロカプセルが破砕し、蓄熱材が漏洩した。よって、蓄熱層への適用が困難であった。
(蓄熱層の製造)
(蓄熱層1)
蓄熱性マイクロカプセルA60重量部、下記に示すヒドロキシル基含有化合物33重量部、イソシアネート基含有化合物7重量部を均一に混合し、反応促進剤0.1重量部を加え、十分攪拌した。攪拌後、300mm×180mm×5mmの型枠中に流し込み、35℃で120分硬化させ、厚さ5mmの蓄熱層1を得た。この際、蓄熱性マイクロカプセルAは、カプセル壁が粉砕することなく、簡便に蓄熱層が製造できた。なおNCO/OH比率は1.0であった。
・ヒドロキシル基含有化合物:無溶剤ポリエステルポリオール:2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオールとアジピン酸の重縮合物、水酸基価58mgKOH/g、分子量2000
・イソシアネート基含有化合物:HMDI系ポリイソシアネート(イソシアヌレート型)、NCO%23.0%(固形分100%)
・反応促進剤:ジブチル錫ジラウレート
(蓄熱材漏れ評価試験)
得られた蓄熱層を、10℃または40℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度23℃、湿度50%(以下、「標準状態」ともいう。)環境下に移し、試験体からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表1に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
(蓄熱物性試験)
DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱層の相変化温度(℃)および潜熱量(kJ/kg)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/miN、−20〜60℃の温度領域で測定した。結果は表1に示す。
(実施例1)
合板(300×180mm、厚さ5mm)の上に、蓄熱層1、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、試験板を作製した。
なお、床材層は合板(300×180mm、厚さ5mm)、面状発熱層はシリコンゴム中にニクロム線を蛇行させたシリコンラバーヒーター(300×180mm、厚さ2mm)を使用した。
図1に示すように、内寸が300×180×200mmとなるように、側面及び上面に厚さ25mmのポリスチレンフォームを設置し、底面には試験板の床材層側が内側となるように設置し、試験体ボックスを作製した。
さらに、床表面温度、床裏面温度、空間温度(ボックス内温度)を測定するため、図1に示すように、床材表面及び裏面の中心、床材表面の中心から高さ100mmの位置にそれぞれ熱電対を設置した。また、図1に示すように、床表面には表面温度を一定にするため、床表面に温度調節器(サーモスタット)を取り付けた。
この試験体ボックスを恒温器の中に設置し、次の実験を行った。
恒温器中の温度を10℃に設定し、15時間放置した。その後恒温器中の温度を10℃に設定したまま、面状発熱層を180分加熱した。なお床表面は、温度調節器(サーモスタット)により、30℃一定になるように設定した。
床暖房性能評価として、面状発熱層加熱後、60分後の各部位の温度を測定した。また、180分加熱した後、加熱を停止し、停止60分後の各部位の温度を測定した。結果は、表2に示した。
(比較例1)
合板(300×180mm、厚さ5mm)の淵に厚さ5mmのバックアップ材を設け、その上に、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、合板と面状発熱層の間に厚さ5mmの空気層が設けられた試験板を作製した。
この試験板を用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果は表2に示す。
(比較例2)
合板(300×180mm、厚さ5mm)の上に、5mmのポリウレタンフォームを設けその上に、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、試験板を作製した。
この試験板を用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果は表2に示す。
Figure 2006105493
Figure 2006105493
実施例1で使用した試験体ボックスの断面図である。
符号の説明
1:蓄熱層1
2:面状発熱層
3:床材層
4:合板
5:ポリスチレンフォーム
6:熱電対
7:温度調節器(サーモスタット)

Claims (1)

  1. 下記の蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層されたことを特徴とする床暖房構造体。
    蓄熱性マイクロカプセル:カプセルに潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、下記の化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成されたもの
    (化学式1)
    Figure 2006105493
    (Rは水素(−H)またはメチル基(−CH)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、Rは炭素数12から36の直鎖アルキル基)

JP2004293369A 2004-10-06 2004-10-06 床暖房構造体 Expired - Fee Related JP4597628B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004293369A JP4597628B2 (ja) 2004-10-06 2004-10-06 床暖房構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004293369A JP4597628B2 (ja) 2004-10-06 2004-10-06 床暖房構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006105493A true JP2006105493A (ja) 2006-04-20
JP4597628B2 JP4597628B2 (ja) 2010-12-15

Family

ID=36375451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004293369A Expired - Fee Related JP4597628B2 (ja) 2004-10-06 2004-10-06 床暖房構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4597628B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006150953A (ja) * 2004-11-02 2006-06-15 Sk Kaken Co Ltd 蓄熱積層体
JP2008025178A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Sho Bond Constr Co Ltd コンクリート構造体曲げ補強構造
JP2008170098A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Sk Kaken Co Ltd 床暖房構造体
JP2009079115A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Achilles Corp 蓄熱性ウレタン系樹脂シート状成形体
JP2009133590A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Toyota Central R&D Labs Inc 蓄熱装置及びその製造方法
JP2009133589A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Toyota Central R&D Labs Inc 蓄熱装置及びその製造方法
JP2010236783A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Bekku Kk 床暖房構造体
JP2011137626A (ja) * 2009-12-02 2011-07-14 Bekku Kk 床暖房構造体
JP2013257108A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 F Consultant:Kk 床構造体
CN109971080A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 洛阳尖端技术研究院 一种蓄热聚苯乙烯泡沫及其制备方法和应用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181611A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Sekisui Chem Co Ltd 蓄熱用マイクロカプセル
JP2003074883A (ja) * 2001-08-30 2003-03-12 Mitsubishi Paper Mills Ltd 蓄熱式床暖房方法
JP2003221578A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Sekisui Chem Co Ltd 蓄熱用マイクロカプセル及びその製造方法
JP2004203978A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Sekisui Chem Co Ltd 蓄熱マイクロカプセル
JP2004244513A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Mitsubishi Paper Mills Ltd 蓄熱材マイクロカプセルおよびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181611A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Sekisui Chem Co Ltd 蓄熱用マイクロカプセル
JP2003074883A (ja) * 2001-08-30 2003-03-12 Mitsubishi Paper Mills Ltd 蓄熱式床暖房方法
JP2003221578A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Sekisui Chem Co Ltd 蓄熱用マイクロカプセル及びその製造方法
JP2004203978A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Sekisui Chem Co Ltd 蓄熱マイクロカプセル
JP2004244513A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Mitsubishi Paper Mills Ltd 蓄熱材マイクロカプセルおよびその製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006150953A (ja) * 2004-11-02 2006-06-15 Sk Kaken Co Ltd 蓄熱積層体
JP4637719B2 (ja) * 2004-11-02 2011-02-23 エスケー化研株式会社 蓄熱積層体
JP2008025178A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Sho Bond Constr Co Ltd コンクリート構造体曲げ補強構造
JP2008170098A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Sk Kaken Co Ltd 床暖房構造体
JP2009079115A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Achilles Corp 蓄熱性ウレタン系樹脂シート状成形体
JP2009133590A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Toyota Central R&D Labs Inc 蓄熱装置及びその製造方法
JP2009133589A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Toyota Central R&D Labs Inc 蓄熱装置及びその製造方法
JP2010236783A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Bekku Kk 床暖房構造体
JP2011137626A (ja) * 2009-12-02 2011-07-14 Bekku Kk 床暖房構造体
JP2013257108A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 F Consultant:Kk 床構造体
CN109971080A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 洛阳尖端技术研究院 一种蓄热聚苯乙烯泡沫及其制备方法和应用
CN109971080B (zh) * 2017-12-27 2022-09-13 洛阳尖端技术研究院 一种蓄热聚苯乙烯泡沫及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4597628B2 (ja) 2010-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4810189B2 (ja) 蓄熱断熱体
JP5048926B2 (ja) 蓄熱断熱体
Jeong et al. Performance evaluation of the microencapsulated PCM for wood-based flooring application
KR101219897B1 (ko) 축열체 형성용 조성물, 축열체 및 축열체의 제조 방법
JP4597628B2 (ja) 床暖房構造体
JP4846415B2 (ja) マイクロカプセル及びその製造方法
JP4793804B2 (ja) 床暖房構造体
JP4790305B2 (ja) マイクロカプセル及びその製造方法
JP4637719B2 (ja) 蓄熱積層体
JP5719578B2 (ja) 床暖房構造体
JP4846210B2 (ja) 蓄熱体
JP5140293B2 (ja) 蓄熱組成物
JP5232400B2 (ja) 床暖房構造体及びその施工方法
JP5073035B2 (ja) 床暖房構造体
JP2008170098A (ja) 床暖房構造体
JP4656959B2 (ja) 床暖房構造体
JP5478925B2 (ja) 床暖房構造体
JP6012215B2 (ja) 積層体
JP2005289043A (ja) 制振性積層体
JP5086600B2 (ja) 蓄熱材組成物、蓄熱体及び蓄熱積層体
JP5992736B2 (ja) 床構造体
JP4914572B2 (ja) 蓄熱積層体
JP6084477B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた成形体
JP2006152529A (ja) 衣類
JP2012184437A (ja) 保温材及びその蓄熱方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100903

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100922

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees