JP2006150953A - 蓄熱積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導による空間温度の温度変化を緩和し、優れた保温性を示すことができ、暖冷房等のエネルギー消費を抑えることができる蓄熱積層体を提供する。
【解決手段】本発明の蓄熱積層体は、特定の結晶性ビニルモノマーを重合して得られるカプセル壁に潜熱蓄熱材を内包させた蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層と、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層とが積層されたことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、蓄熱積層体に関する。
一般に、ガラスや樹脂ボード、金属板等は、様々な分野で用いられており、例えば、住宅やオフィス、温室等の窓ガラス、床、壁、天井等として、我々の居住空間等に欠かせないものとなっている。
例えば、住宅やオフィス等では、窓ガラスや壁等により、室内と外界とを仕切り、夏季や日中においては、外界の暖気を遮り、冷房機器等により居住空間内を快適なものとすることができる。また、冬季や夜間においては、外界の冷気を遮り、暖房機器等により居住空間内を快適なものとすることができる。
また、温室等では、ガラス等により、室内と外界とを仕切り、空間内の温度を所望の温度にコントロールすることができる。
しかしながら、住宅やオフィス、温室等において、ガラス等の熱伝導率が高い材料を用いた場合、夏期や日中においては室内の冷気が外界の暖気により暖められやすい。また、冬季や夜間においては室内の暖気が外界の冷気により冷やされやすいため、その分余計に暖冷房エネルギーを使用しなければならない。
このような問題を解決するために、特許文献1では、ガラスに断熱シートを積層することにより、室内の保温性を高めている。
また、特許文献2では、ガラスの間に、空気層、真空層、低放射率層を設けることにより、室内の保温性を高めている。
特開平11−348169号公報 特開2000−87656号公報
上記課題に対し、本発明は、特許文献1、2とは全く異なる思想により解決したもので、熱伝導率の高い熱伝導体層に、特定の蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層を積層することにより、熱伝導による温度変化を緩和し、空間内部の保温性を高めることに成功し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の特徴を含むものである。
下記の特徴を有する蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層と、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層からなる蓄熱積層体。
蓄熱性マイクロカプセル:カプセルに潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、下記の化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成されたもの
(化学式1)
Figure 2006150953
(Rは水素(−H)またはメチル基(−CH)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、Rは炭素数12以上の直鎖アルキル基)
本発明の蓄熱積層体は、熱伝導による空間温度の温度変化を緩和し、優れた保温性を示すことができる。したがって、暖冷房等のエネルギー消費を抑えることができる。
また、冬季や夜間においては、結露等を防止することも可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明の蓄熱積層体は、蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層と、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層からなることを特徴とするものである。
まず、本発明に用いる蓄熱性マイクロカプセルについて詳細に説明する。
本発明に用いる蓄熱性マイクロカプセルは、カプセルに潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成されたものである。
(化学式1)
Figure 2006150953
(Rは水素(−H)またはメチル基(−CH)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、Rは炭素数12以上(好ましくは12以上36以下、さらに好ましくは18以上36以下)の直鎖アルキル基)
このような結晶性ビニルモノマーを用いることにより、後述する潜熱蓄熱材によって、カプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士が融着・凝集されにくい。かつ、ビニル系のモノマーを用いているため、柔軟性があり、カプセルを混練、攪拌する場合、カプセル壁が破砕することなく、潜熱蓄熱材が漏洩することもない。そのため、本発明に用いる蓄熱性マイクロカプセルは、水等の溶媒に分散させて用いる場合は分散安定性に優れ取扱いが容易であり、固形微粉末として使用する場合も取扱いが容易である。
また、炭素数12以上(好ましくは12以上36以下、さらに好ましくは18以上36以下)の直鎖アルキル基を有する結晶性ビニルモノマーを使用しているため、潜熱蓄熱材との相溶性に優れている。そのため、カプセルに高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を示すことができる。また、カプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士が凝集し難いマイクロカプセルを得ることができる。本発明では、特に、炭素数が18以上36以下である場合、上記効果が得られやすく好ましい。
炭素数12未満の直鎖アルキル基を有するビニルモノマーを用いた場合、カプセル壁が可塑化されるおそれがあり、カプセル同士が融着・凝集する場合がある。また、メラミン等のモノマーを用いた場合、柔軟性に劣るおそれがあり、カプセルを混練、攪拌する場合、カプセル壁が破砕し、潜熱蓄熱材が漏洩する場合がある。
結晶性ビニルモノマーとしては、化学式1を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系ビニルモノマー;
ビニルラウリレート、ビニルミリステート、ビニルパルミテート、ビニルステアレート等のビニルエステル系ビニルモノマー;
ラウリルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル系ビニルモノマー;
等が挙げられる。
本発明では、特に、アルキル基の炭素数が12以上(好ましくは12以上36以下、さらに好ましくは18以上36以下)の結晶性ビニルモノマーを用いることが好ましく、例えば、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系ビニルモノマーが好ましい。アルキル基の炭素数が12以上の結晶性ビニルモノマーの含有量としては、本発明の効果を損なわない程度であれば特に限定されないが、カプセル壁を構成するモノマー全量に対し、50重量%以上、さらには70重量%以上、さらには100重量%であることが好ましい。
本発明では、さらに、カプセル壁を構成するモノマーとして、架橋性モノマーを用いることが好ましい。架橋性モノマーを用いることにより、カプセル壁に架橋ネットワークが形成され、カプセル壁がより強靭となり、混錬・攪拌による安定性に優れ、カプセル同士が凝集され難くなる。さらにカプセル壁の結晶化温度以上の領域における安定性を向上させることができる。
架橋性モノマーとしては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、ビニレン基から選ばれる1種以上の不飽和炭化水素基を2個以上有するモノマーが挙げられ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレンジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラブロモピスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
架橋性モノマーとしては、特に、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレンジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリストールテトラアクリレートから選ばれる1種以上を用いることが好ましく、このなかでも特に、ポリエチレングリコールジメタクリレートのエチレンオキサイド付加数が4以上のものが好ましい。
このような架橋性モノマーは、親水性が高く、カプセル粒子表面で効率良く架橋するため、得られたカプセルは優れた貯蔵安定性を示すことができる。疎水性が高い架橋性モノマーを用いた場合、架橋性モノマーがカプセル粒子内部に取りこまれた状態で架橋するため、貯蔵安定性を有するカプセルを得ることは、難しい場合がある。
架橋性モノマーの含有量としては、本発明の効果を損なわない程度であれば特に限定されず、カプセル壁を構成するモノマー全量に対し、0.1重量%以上30重量%以下であることが好ましく、さらには0.3重量%以上20重量%以下、さらには0.5重量%以上重量10%以下であることが好ましい。
さらに本発明では、カプセル壁として、上記結晶性ビニルモノマー、架橋性モノマーのほかに、本発明の効果を損なわない程度で必要に応じ、他のモノマーを共重合することもできる。
このようなモノマーとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの低級アルキル基含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマー;
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ−N−ブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−tブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等などのアミン含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクロイルピロリジン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−N−プロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリルモノマー;
アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリルモノマー;
グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリルモノマー;
ジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、アセトニルアクリレート、ジアセトンメタクリルアミド、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、2ーヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、及びブタンジオールアクリレートアセチルアセテートなどのカルボニル基含有モノマー;
メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;
プロピレン−1,3−ジヒドラジン及びブチレン−1,4−ジヒドラジンなどのヒドラジノ基含有モノマー;
2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;
スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系モノマー;
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル等が挙げられる。
結晶性ビニルモノマーの含有量としては、本発明の効果を損なわないて程度であれば特に限定されず、カプセル壁を構成するモノマー全量に対し、50重量%以上、さらには70重量%上であることが好ましい。
また、本発明では、カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーが含まれていることが好ましい。カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマーの含有量としては、カプセル壁を構成するモノマー全量に対し、0.1重量%以上10重量%以下、さらには0.2重量%以上5重量%以下であることが好ましい。
上記モノマーを重合して得られるカプセル壁の結晶化温度は、25〜90℃、さらには40℃〜90℃、さらには45〜70℃であることが好ましい。このような結晶化温度であれば、実用レベルで本発明の効果が得られるため好ましい。結晶化温度が低すぎると、常温で軟化し、カプセル同士が融着・凝集する場合がある。
なお、結晶化温度は、示差走査熱量計(DSC220CU:セイコーインスツルメンツ株式会社製)にて、昇温速度10℃/分で測定した値である。
本発明に用いる潜熱蓄熱材としては、無機潜熱蓄熱材、有機潜熱蓄熱材等特に限定されないが、本発明では特に、有機潜熱蓄熱材を用いることが好ましい。有機潜熱蓄熱材を用いた場合、結晶性ビニルモノマーとの相溶性に優れるため、カプセル内に高含有量の有機潜熱蓄熱材を内包することができ、用途に応じた相変化温度の設定が容易であり、長期に亘り蓄熱性能が持続するため、好ましい。
また、有機潜熱蓄熱材は、沸点が高く揮発しにくいため、長期に亘り蓄熱性能を持続することができるため、好ましい。さらに、有機潜熱蓄熱材を用いた場合、用途に応じた相変化温度の設定が容易であり、例えば相変化温度の異なる2種以上の有機潜熱蓄熱材を混合することで、容易に相変化温度の設定が可能となる。
有機潜熱蓄熱材としては、例えば、脂肪族炭化水素、長鎖アルコール、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、脂肪酸トリグリセリド等が挙げられ、これらの蓄熱材のうち1種または2種以上を用いることができる。
脂肪族炭化水素としては、例えば、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素を用いることができ、具体的には、n−デカン(融点−30℃)、n−ウンデカン(融点−25℃)、n−ドデカン(融点−8℃)、n−トリデカン(融点−5℃)、n−テトラデカン(融点8℃)、n−ヘキサデカン(融点17℃)、n−ヘプタデカン(融点22℃)、n−オクタデカン(融点28℃)、n−ノナデカン(融点32℃)、エイコサン(融点36℃)、ドコサン(融点44℃)、およびこれらの混合物で構成されるn−パラフィンやパラフィンワックス等が挙げられる。
長鎖アルコールとしては、例えば、炭素数8〜36の長鎖アルコールを用いることができ、具体的には、ラウリルアルコール(融点24℃)、ミリスチルアルコール(融点38℃)等が挙げられる。
長鎖脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸を用いることができ、具体的には、オクタン酸(融点17℃)、デカン酸(融点32℃)、ドデカン酸(融点44℃)、テトラデカン酸(融点50℃)、ヘキサデカン酸(融点63℃)、オクタデカン酸(融点70℃)等の脂肪酸等が挙げられる。
長鎖脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数8〜36の長鎖脂肪酸エステルを用いることができ、具体的には、ラウリン酸メチル(融点5℃)、ミリスチン酸メチル(融点19℃)、パルミチン酸メチル(融点30℃)、ステアリン酸メチル(融点38℃)、ステアリン酸ブチル(融点25℃)、アラキジン酸メチル(融点45℃)等が挙げられる。
脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、ヤシ油、パーム核油等の植物油や、その精製加工品である中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。
本発明では潜熱蓄熱材として、特に、脂肪族炭化水素、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステルが、潜熱量が高く、本発明の結晶性ビニルモノマーとの相溶性により優れ、カプセル内に高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができるため、好ましい。
本発明では、特に、炭素数15〜22の脂肪族炭化水素、炭素数15〜22の長鎖脂肪酸、炭素数15〜22の長鎖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を用いることが好ましく、このような潜熱蓄熱材は、潜熱量が高く、実用温度領域に相変化温度を有するため、様々な用途に使用しやすい。
また、2種以上の有機潜熱蓄熱材を混合して使用する場合は、相溶化剤を用いることが好ましい。相溶化剤を用いることにより、有機潜熱蓄熱材どうしの相溶性をより向上させることができる。
相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
脂肪酸トリグリセリドは、上述したように、有機潜熱蓄熱材としても用いられる物質である。このような脂肪酸トリグリセリドは、特に有機潜熱蓄熱材同士の相溶性を、より向上させることができるとともに、優れた蓄熱性を有するため好ましい。脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、ヤシ油、パーム核油等の植物油や、その精製加工品である中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。
相溶化剤の混合比は、通常潜熱蓄熱材100重量部に対し、0.1重量部から30重量部(好ましくは0.5重量部から10重量部)程度とすればよい。
さらに、潜熱蓄熱材には、粘性調整剤、熱伝導性物質等を混合して用いることができる。
粘性調整剤としては、例えば、粘土鉱物等が挙げられ、特に、有機処理された層状の粘土鉱物を用いることが好ましい。
潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物を混合することにより、有機処理された層状の粘土鉱物の層間に、潜熱蓄熱材が入り込む。有機処理された層状の粘土鉱物は、有機処理されたものであるため、潜熱蓄熱材が有機処理された層状の粘土鉱物の層間に入り込みやすく、また潜熱蓄熱材が有機処理された層状の粘土鉱物の層間に保持されやすい構造となっている。
このような有機処理された層状の粘土鉱物と潜熱蓄熱材を混合することにより、結果として、潜熱蓄熱材の粘度を上昇させ、カプセル内に潜熱蓄熱材を担持し、より保持し続けることができる。
さらに有機処理された層状の粘土鉱物は、潜熱蓄熱材として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
有機処理された層状の粘土鉱物の底面間隔は、13.0〜30.0Å(好ましくは15.0〜26.0Å)程度であることが好ましい。このような範囲であることにより、潜熱蓄熱材が、有機処理された層状の粘土鉱物の層間により入り込みやい。なお、底面間隔はX線回折パターンにおける(001)反射から算出される値である。
潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物混合時の粘度は、0.5〜20.0Pa・s程度とすればよい。なお、粘度は、B型回転粘度計を用い、温度23℃、相対湿度50%RHで測定した値である。
また、潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物混合時のTI値は、4.0〜9.0程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
このような粘度、TI値とすることによって、カプセル内に潜熱蓄熱材が担持されやすく、かつ、カプセル内に潜熱蓄熱材が保持されやすい。
有機処理された層状粘土鉱物としては、例えば、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイト、アロフェン、雲母、タルク、ハロイサイト、セピオライト等が挙げられる。また、膨潤性フッ素雲母、膨潤性合成マイカ等も利用できる。
有機処理としては、例えば、層状粘土鉱物の層間に存在する陽イオンを長鎖アルキルアンモニウムイオン等でイオン交換(インターカレート)すること等が挙げられる。
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
具体的に、有機処理されたモンモリロナイトとしては、
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
有機処理された層状粘土鉱物の混合比は、通常潜熱蓄熱材100重量部に対し、0.5重量部から50重量部(好ましくは1重量部から30重量部、より好ましくは3重量部から15重量部)程度とすればよい。
さらに、潜熱蓄熱材には、熱伝導性物質を混合することもできる。熱伝導性物質を混合することにより、蓄熱性マイクロカプセル内の熱の移動をスムーズにし、潜熱蓄熱材の熱効率性を向上させ、より優れた蓄熱性能を得ることができる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
熱伝導性物質の熱伝導率としては、1W/(m・K)以上、さらには3W/(m・K)以上、さらには5W/(m・K)以上であることが好ましい。このような熱伝導率を有する熱伝導性物質を混合することにより、より効率よく蓄熱材の熱効率性を向上させることができる。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1〜100μm、さらには5〜50μmであることが好ましい。
潜熱蓄熱材と熱伝導性物質の混合比は、通常潜熱蓄熱材100重量部に対し、5重量部から200重量部(好ましくは10重量部から80重量部、より好ましくは20重量部から60重量部)程度とすればよい。
本発明における蓄熱性マイクロカプセルの製造は、特に限定されず、公知の方法で製造すればよい。本発明では、結晶性ビニルモノマー(必要に応じ、架橋性モノマー、他のモノマー)と潜熱蓄熱材等を均一に混合し、重合を行うことによって、潜熱蓄熱材を内包した蓄熱性マイクロカプセルを、簡便に製造することができる。
重合方法としては、エマルション重合、ミニエマルション重合、マイクロエマルション重合、ソープフリーエマルション重合、分散重合、シード重合、シード分散重合、フィード重合、懸濁重合等特に限定されない。
このような重合では、上記結晶性ビニルモノマー(必要に応じ、他のモノマー等)と潜熱蓄熱材と、公知の開始剤、界面活性剤、分散剤、溶媒、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、架橋剤、pH調整剤、連鎖移動剤等を混合して得ることができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等特に限定されず、用いることができる。
例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンイソデシル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリール)硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、
ラウリルトリアルキルアンモニウム塩、ステアリルトリアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、第1級〜第3級アミン塩、ラウリルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、或は、ラウリルアミンアセテート等のカチオン性界面活性剤、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、
カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導体型等の両性界面活性剤等が挙げられる。
開始剤としては、水溶性重合開始剤、油溶性重合開始剤等が挙げられ、特に限定されることなく、使用することができる。
例えば、水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩開始剤等が挙げられる。
例えば、油溶性重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、デカノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、2、2'-アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
また、レドックス開始剤、光重合開始剤、反応性開始剤等を用いることができる。
本発明における蓄熱性マイクロカプセルは、特に、次のような方法で製造することが好ましい。
(i)(1)化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーと、潜熱蓄熱材等とを均一に混合し、該モノマーの重合体の結晶化温度よりも高い温度で、乳化重合を行う工程、
(2)重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する工程、
または、
(ii)(1)化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーと、潜熱蓄熱材等とを混合し、液滴の平均粒子径が0.01μm〜20μmとなるように分散させ、該モノマーの重合体の結晶化温度よりも高い温度で、懸濁重合を行う工程、
(2)重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する工程、
等が挙げられる。
(i)のような製造方法では、まず、(1)結晶性ビニルモノマー(必要により、架橋性モノマー、その他のモノマー)、水溶性重合開始剤、潜熱蓄熱材、界面活性剤、水を混合し、該モノマーの重合体の結晶化温度よりも高い温度で、乳化重合を行う。次に(2)重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却して製造することができる。
具体的には、結晶性ビニルモノマー(必要により、架橋性モノマー、その他のモノマー)を含む全単量体100重量部に対し、水溶性重合開始剤0.01〜10重量部(好ましくは0.1〜5重量部)、潜熱蓄熱材50〜250重量部(好ましくは100〜230重量部)、界面活性剤0.01〜10重量部(好ましくは0.05〜8重量部)、水40〜800重量部(好ましくは80〜400重量部)を均一に混合する。
このような状態で乳化重合することにより、カプセルの平均粒子径が0.01μm〜20μm(好ましくは、0.1〜10μm)であり水分散安定性、長期的な貯蔵安定性に優れ、取扱易いマイクロカプセルを形成することができる。平均粒子径が20μmより大きくなると、マイクロカプセルの水分散安定性が劣ってくる。
さらに重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する。このような温度まで冷却することにより、カプセル壁を形成する重合体が相変化して結晶化するため、混錬・攪拌時の安定性に優れたマイクロカプセルの水分散液体を得ることができる。
マイクロカプセルの水分散液体の固形分としては、20重量%以上80重量%以下、さらには30重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
このような製造方法では、モノマーを重合して得られる重合体がカプセルの最外壁を形成し、そのカプセル内に潜熱蓄熱材が内包された蓄熱性マイクロカプセルを、一般的な乳化重合法で簡便に製造することができる。特に、本発明で用いる結晶性ビニルモノマーが、潜熱蓄熱材との相溶性に優れ、乳化重合前は結晶性ビニルモノマーと潜熱蓄熱材とを均一に混合でき、乳化重合後に得られるカプセルには高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を有するマイクロカプセルを製造することができる。
また、乳化重合の際は、該モノマーを重合して得られる重合体の結晶化温度よりも高い温度で、乳化重合することが好ましい。このような温度で乳化重合することにより、重合時には非晶性の重合体(カプセル壁)を形成し、潜熱蓄熱材がカプセルに内包されやすい。さらに、重合後は、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却することにより、重合体が相変化して結晶化し、カプセルの最外壁であるカプセル壁を形成し、内包された潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのない、蓄熱性マイクロカプセルを得ることができる。
このような相変化機構により、高含有量の潜熱蓄熱材がカプセルに内包されているにもかかわらず、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのない、蓄熱性マイクロカプセルを得ることができる。また、このような蓄熱性マイクロカプセルは、最外壁がモノマーを重合して得られる重合体であれば特に限定されず、カプセル内は、潜熱蓄熱材をコア、重合体をシェルとするコアシェル状でもよいし、潜熱蓄熱材が多数分散したポーラス状でもよいし、あるいはゲル状でもよい。
(ii)のような製造方法では、まず、(1)結晶性ビニルモノマー(必要により、架橋性モノマー、その他のモノマー)、油溶性重合開始剤、潜熱蓄熱材、界面活性剤、水を混合し、該モノマーの重合体の結晶化温度よりも高い温度で、懸濁重合を行う。次に(2)重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却して製造することができる。
具体的には、結晶性ビニルモノマー(必要により、架橋性モノマー、その他のモノマー)を含む全単量体100重量部に対し、油溶性重合開始剤0.01〜10重量部(好ましくは0.1〜5重量部)、潜熱蓄熱材50〜250重量部(好ましくは100〜230重量部)、界面活性剤0.01〜10重量部(好ましくは0.05〜8重量部)、水40〜800重量部(好ましくは80〜400重量部)を混合し、液滴の平均粒子径が0.01μm〜20μm(好ましくは、0.1〜10μm)となるように分散させる。
分散させる方法としては、特に限定されないが、公知の高せん断力を付与する装置等を用いて分散させればよい。
このような状態で懸濁重合することにより、カプセルの平均粒子径が0.01μm〜20μm(好ましくは、0.1〜10μm)であり水分散安定性、長期的な貯蔵安定性に優れ、取扱易いマイクロカプセルを形成することができる。平均粒子径が20μmより大きくなると、マイクロカプセルの水分散安定性が劣ってくる。
なお、マイクロカプセルの粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラック粒度分析計UPA150)を用いて測定した値である。
さらに重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する。このような温度まで冷却することにより、カプセル壁を形成する重合体が相変化して結晶化するため、混錬・攪拌時の安定性に優れたマイクロカプセルの水分散液体を得ることができる。
マイクロカプセルの水分散液体の固形分としては、20重量%以上80重量%以下、さらには30重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
このような製造方法では、結晶性ビニルモノマーが潜熱蓄熱材との相溶性に優れているため、結晶性ビニルモノマーと潜熱蓄熱材が均一に混合でき、懸濁重合後に得られるカプセル内に効果的に潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を有するマイクロカプセルを製造することができる。
また、懸濁重合の際、該モノマーを重合して得られる重合体の結晶化温度よりも高い温度で、懸濁重合することが好ましい。このような温度で懸濁重合することにより、重合時には非晶性の重合体(カプセル壁)を形成し、潜熱蓄熱材がカプセルに内包され易い。さらに、重合後は、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却することにより、重合体が相変化して結晶化し、均一なカプセル壁を形成し、内包された潜熱蓄熱材が漏れ出すことのないマイクロカプセルを得ることができる。このような相変化機構により、高含有量の潜熱蓄熱材がカプセルに内包されているにも関わらず、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのなく、安定性に優れるマイクロカプセルを得ることができる。
(i)、(ii)における(1)の工程では、結晶性ビニルモノマーを用いることにより、潜熱蓄熱材によって、カプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士が融着・凝集しにくい。かつ、ビニル系のモノマーを用いているため、メラミン等よりも柔軟性があり、カプセルを混練、攪拌する場合、カプセル壁が破砕することなく、潜熱蓄熱材が漏洩することもない。そのため、蓄熱性マイクロカプセルは、水等の溶媒に分散させて用いる場合は取扱いが容易であり、固形微粉末として使用する場合も回収が容易であり取扱い易い。
また、炭素数12以上(好ましくは12以上36以下、さらに好ましくは18以上36以下)の直鎖アルキル基を有する結晶性ビニルモノマーを使用しているため、蓄熱材との相溶性に優れている。よって、カプセルに高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を示すことができる。
また、(i)、(ii)における(2)の工程では、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却することを特徴とする。
冷却する方法としては、特に限定されないが、公知の冷却装置や、冷却物質を用いてもよいし、また結晶化温度にもよるが、結晶化温度が室温より高ければ、室温で自然冷却することもできる。
このようにして得られた蓄熱性マイクロカプセルは、蓄熱性マイクロカプセル分散液として使用することもできるし、エマルション液から蓄熱性マイクロカプセルを取り出し、固形微粉末として用いることもできる。
蓄熱性マイクロカプセルを固形微粉末として用いる場合は、第(3)の工程として、重合体の結晶化温度よりも低い温度で、回収することが好ましい。本発明における回収工程とは、分離工程、乾燥工程、分級工程等を含むもので、このような回収工程により固形微粉末のマイクロカプセルが得られるものである。本発明では、重合体の結晶化温度よりも低い温度で回収することにより、重合体が結晶性を維持したまま回収でき、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことがない上に、カプセル壁が破粋することなく、また、カプセル同士の融着・凝集を防止することもできる。そのため、マイクロカプセルを固形微粉末として回収することが容易であり、高収率で固形微粉末を得ることができる。回収工程としては、重合体の結晶化温度よりも低い温度であれば、公知の方法を採用すればよい。
また、得られたマイクロカプセル固形微粉末は、再度、水等の溶媒に分散させて用いることもできる。
本発明に用いる蓄熱性マイクロカプセルは、高含有率で潜熱蓄熱材を内包することが可能である。具体的には、蓄熱性マイクロカプセル全体量に対し、通常30重量%以上、さらには40重量%以上70重量%以下、さらには50重量%以上70重量%以下内包することができる。このような含有量であることにより、優れた蓄熱性を示すこともできる。
かつ、蓄熱性マイクロカプセルは、カプセル壁が結晶性であるため、カプセル内に内包された有機潜熱蓄熱材によってカプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士の融着・凝集を防止することができる。
さらに本発明で用いる結晶性ビニルモノマーから形成されるカプセル壁は、カプセル壁自体が蓄熱性を有している。そのため、潜熱蓄熱材の蓄熱性とカプセル壁の蓄熱性により、より優れた蓄熱性を示すことができる。
潜熱蓄熱材の内包量が30重量%未満の場合、十分な蓄熱性を有するマイクロカプセルが得られにくくなる。また潜熱蓄熱材の内包量が多すぎる場合、カプセル壁の結晶性が低下し、静置時および攪拌時にカプセル同士の凝集が見られ、長期的な貯蔵安定性が得られにくい。
本発明における蓄熱層は、このような蓄熱性マイクロカプセルが含有されているものであれば特に限定されないが、例えば、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤等を混練したスラリーを成型する方法、浸漬法、減圧・加圧注入法等により含浸させる方法、ケーシング・ラミネートする方法、あるいはこれらを組み合わせた方法等で製造することができる。
また、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤等を混練したスラリーを材料に塗付積層する方法や、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤等を混練したスラリーや、蓄熱性マイクロカプセルを水に分散させた水分散体をケースに流し込みケーシングする方法等により製造することもできる。
本発明の蓄熱性マイクロカプセルは、混練、攪拌したとしてもカプセル壁が破砕し難くいため、潜熱蓄熱材が漏れ出すことがなく、簡便に製造することができる。
具体的に、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤等を混練したスラリーを材料に塗付積層する方法では、まず、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤等を、公知の方法で混練・攪拌を行い、蓄熱性マイクロカプセルを分散させる。この際、蓄熱性マイクロカプセルをより均一に分散させるため、せん断速度等を上昇させることができる。本発明の蓄熱性マイクロカプセルは、ある程度せん断速度等を上昇させたとしても、カプセル壁が破砕し難くいため、安定して分散を行うことができる。
また得られたスラリーは、刷毛、ローラー、こて、スプレー等で塗付積層すればよい。この際にも、蓄熱性マイクロカプセルには、せん断応力等の力が加えられるが、カプセル壁が破砕し難く、潜熱蓄熱材が漏れ出すことはない。
結合剤としては、有機結合剤、無機結合剤等が挙げられる。
このような結合剤としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型樹脂、NAD型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂、無溶剤型樹脂等、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機結合剤、
ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色セメント、焼石膏、コロイダルシリカ、水溶性珪酸アルカリ金属塩等の無機結合剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明では、特に有機結合剤を用いることが好ましく、有機結合剤のうち1液タイプ、2液タイプのいずれも使用することができるが、2液タイプがより好ましい。2液タイプを使用することにより、速やかに反応が進行し、高強度の蓄熱層が成型され、かつ、蓄熱性マイクロカプセルが均一に分散した蓄熱層が得られやすいため好ましい。
2液タイプとしては、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とイミド基、ヒドロキシル基とアルデヒド基、エポキシ基とアミノ基、エポキシ基とカルボキシル基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボニル基とヒドラジド基、カルボキシル基とアジリジン基等の架橋反応を利用したもの等が挙げられる。特に、ヒドロキシル基とイソシアネート基の架橋反応を利用したものが、速やかに反応が進行し、かつ、蓄熱性マイクロカプセルがより均一に分散した蓄熱層が得られやすいため好ましい。
蓄熱性マイクロカプセルと結合剤の混合比率は、結合剤の固形分100重量部に対し、0.1重量部〜2000重量部(好ましくは、1重量部〜1500重量部、さらに好ましくは5重量部〜1000重量部)程度である。
また、結合剤の他に、溶剤、着色顔料、骨材、粘性調整剤、造膜助剤、緩衝剤、分散剤、架橋剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、防藻剤、湿潤剤、難燃剤、発泡剤、レベリング剤、沈降防止剤、たれ防止剤、凍結防止剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、繊維類、香料、化学物質吸着剤、光触媒、吸放湿性粉粒体等の各種添加剤を混練することもできる。
このうち、着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、銅クロムブラック、コバルトブラック、銅マンガン鉄ブラック、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料、蓄光顔料、蛍光顔料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
骨材としては、例えば、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも1種以上を好適に使用することができる。
具体的には、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、砂利、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、貝殻、珊瑚、木材、炭、活性炭、コンクリート、モルタル、プラスチック、ゴム等の粉砕物を使用することもできる。これらに着色を施したものも使用することができる。骨材の粒子径は通常0.5μm〜5mm(好ましくは1μm〜3mm)とすればよい。
着色顔料、骨材等を適宜使用することにより、成形体に美観性を付与することができ、例えば、住宅等の建築物の壁材、天井材、床材等の内・外装材の材料として用いる場合に有利である。
着色顔料、骨材等の混合比率は、特に限定されないが、着色顔料は、結合剤(固形分)100重量部に対し、10重量部〜1000重量部、好ましくは30〜800重量部である。骨材は、結合剤(固形分)100重量部に対し、50重量部〜4000重量部、好ましくは100〜2000重量部である。
蓄熱層の成型においては、このようなスラリーを、公知の方法でシート化し蓄熱層を成型してもよいし、あるいは、後述する熱伝導体層の上に塗付積層して蓄熱層を成型してもよい。本発明では、特定のカプセル壁を有する蓄熱性マイクロカプセルを用いているため、成型時に、カプセル壁が破砕することなく、また、カプセル同士の融着・凝集することなく、スラリーに効率よく分散するため、優れた蓄熱性を有する蓄熱層を、簡便に製造することができる。
また、浸漬法、減圧・加圧注入法等により含浸させる方法においては、下記に示す材料に蓄熱性マイクロカプセルを含浸させればよい。
材料としては、例えば、コンクリート、石膏ボード、モルタル、スレート板等の無機材料、
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
また、ケーシング・ラミネートする方法においては、蓄熱性マイクロカプセルを蓄熱層形成材料からなるケースやラミネートフィルムを用いて、蓄熱層を製造すればよい。
例えば、蓄熱性マイクロカプセルを水等の溶媒に分散させたものや蓄熱性マイクロカプセルの固体微粉末、及び、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤を混練したスラリー等をケースに注入したり、ラミネートして得ることができる。
蓄熱層形成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、クロム、タングステン、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、銀、金等からなる金属板、金属箔等の金属材料、
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
蓄熱性マイクロカプセルを用いて蓄熱層を製造する場合、上記に一例を示したが、いずれの場合もカプセル壁が破砕することなく、カプセル壁が潜熱蓄熱材によって可塑化され難く、カプセル同士の融着・凝集が防止できるため、取扱い易く、簡便に蓄熱層を製造することができる。
蓄熱層における蓄熱性マイクロカプセルの含有量としては、蓄熱層の全体量に対し、10重量%以上、さらには20重量%以上70重量%以下であることが好ましい。このような範囲であることにより、優れた蓄熱性を有することができる。
また、蓄熱層の厚さは、特に限定されないが、通常0.5mm〜30mm、さらには1mm〜20mm程度が好ましい。
本発明の蓄熱積層体は、このような蓄熱性マイクロカプセルが含有されていることにより、優れた蓄熱性を有し、熱伝導による空間温度の温度変化を緩和し、優れた保温性を示すことができる。したがって、暖冷房等のエネルギー消費を抑えることができる。また、冬季や夜間においては、結露等を防止することも可能である。
本発明で用いる熱伝導体層は、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上であれば、特に限定されないが、例えば、ガラス板、アクリル樹脂、ビニル樹脂等の樹脂ボードや樹脂シート、銅、アルミニウム、鉄、真鍮、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等の金属板等、あるいは金属材料を含む樹脂ボードまたはシート等、スレート板、石膏ボード、ALC板、木毛セメント板、合板等が挙げられる。
熱伝導体層の厚さは、0.05〜20mm、さらには0.1〜15mm程度が好ましい。
本発明の蓄熱積層体は、特に限定されず、公知の方法により、蓄熱層と熱伝導体層を積層すればよい。
例えば、予め製造しておいた蓄熱層と熱伝導体層を公知の接着剤や接着テープ等で貼着する方法、予め製造しておいた熱伝導体層に蓄熱性マイクロカプセルと結合剤を混練したスラリーを塗付積層する方法等が挙げられる。
スラリーを塗付する場合は、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより形成することができる。
また本発明の蓄熱積層体は、蓄熱層・熱伝導体層の2層からなるものでもよいし、熱伝導体層・蓄熱層・熱伝導体層、蓄熱層・熱伝導体層・蓄熱層等の3層、またはそれ以上の多層構造体でもよい。また、熱伝導体層、蓄熱層は、それぞれ1種でもよいし、2種以上を用いてもよい。3層以上の場合でも、上記積層方法と同様の方法で積層すればよい。
本発明では、さらに保護層を積層することもできる。
保護層を積層する箇所としては、熱伝導体層面に積層することもできるし、蓄熱層面に積層することもできるが、特に蓄熱層面に積層することが好ましい。このような保護層を設けることにより、熱伝導体層及び/または蓄熱層の耐侯性、耐久性を向上させることができる。
保護層としては、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型、無溶剤型等のコーティング液やコーティングフィルムを塗付、貼着したものや、繊維質シートでもよい。
上述したコーティング液を塗付する場合、熱伝導体層及び/または蓄熱層に、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより形成することができる。また、現場にて直接に塗付することも可能である。
また、本発明では、必要に応じ、断熱層を積層することもできる。
積層箇所としては、特に限定されないが、熱伝導体層面に積層することもできるし、蓄熱層面に積層することもできるし、また両面に積層してもよい。また、保護層面に積層してもよい。
断熱層としては、特に限定されないが、熱伝導率が0.1W/(m・K)未満(より好ましくは0.08W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.05W/(m・K)以下)の断熱性を有するものであることが好ましい。熱伝導率が0.1W/(m・K)未満であることにより、優れた断熱性を有する。
このような断熱層としては、例えば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、あるいはこれらの複合体等が挙げられる。また、市販の断熱層を使用してもよい。また、空気層や真空層でもよい。
本発明蓄熱積層体は、例えば、住宅やオフィス等の窓ガラス、床、壁、天井や温室、その他保温施設等の用途に用いることができる。
例えば、住宅やオフィス等の窓ガラスや温室等に用いる場合は、特に限定されるものではないが、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層及び蓄熱層が透明性を有することが好ましい。具体的には、光透過率が、70%以上、さらには80%以上であることが好ましい。
このような熱伝導体層としては、ガラス板、樹脂ボードや樹脂シート等が挙げられる。
なお、光透過率は、JIS K 7105−1981 5.5「光線透過率及び全光線反射率」に規定する測定法Aに準拠し、積分球式光線透過率測定装置(例えば、株式会社島津製作所社製)を用いて測定した全光線透過率の値である。
本発明積層体は、透明性を有することが好ましい様態の一つであるが、透明性を有さない熱伝導体層にも、もちろん適用することができる。このような熱伝導体層としては、すりガラス板や、金属板、金属材料等を含む着色樹脂ボードまたはシート、スレート板、石膏ボード、ALC板、木毛セメント板、合板等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にするが、本発明はこの実施例に限定されない。
(蓄熱性マイクロカプセルの製造)
−蓄熱性マイクロカプセルA−
ステアリルアクリレート40重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部、ステアリン酸メチル(相変化温度38℃、潜熱量230kJ/kg)60重量部を均一に混合し、さらに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、過流酸カリウム1重量部、水100重量部を加えプレ乳化液を作製した。次に、重合槽内を脱気し、窒素雰囲気下、80℃で、3時間乳化重合を行い、2時間熟成した。その後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルA(平均粒径1.4μm)を得た。
この蓄熱性マイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルAを得た。この時、水相からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱性マイクロカプセルAの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/min、−20〜60℃の温度領域で測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルAの相変化温度(℃)は36℃、潜熱量(kJ/kg)は140kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は46℃であった。
なお、平均粒径はマイクロトラック粒度分析計UPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。
−蓄熱性マイクロカプセルB−
ベヘニルアクリレート100重量部、エチレングリコールジメタクリレート5.0重量部、エイコサン150重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部を均一に混合し、さらに、ポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウム塩4重量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル2重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部、イオン交換水250重量部を加え、ホモジナイザー(Heidoph製:ホモジナイザーDIAX900)を用いて攪拌速度15000rpmで攪拌を行い、懸濁液を作製した。
この懸濁液の平均粒子径を電子顕微鏡により観察した結果、平均粒子径は6.0μmであった。
作製した懸濁液を、脱気、窒素雰囲気下にした重合槽に投入し、80℃で3時間懸濁重合を行い、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルB(平均粒子径:6.6μm、固形分50重量%)を得た。
この蓄熱性マイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルBを得た。この時、水相からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、蓄熱性マイクロカプセルAと同様の方法で、得られたマイクロカプセルの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルBの相変化温度(℃)は35℃、潜熱量(kJ/kg)は140kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は60℃であった。
−蓄熱性マイクロカプセルC−
メチルメタクリレート50重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部、ステアリン酸メチル50重量部を均一に混合し、さらに、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部、過流酸アンモニウム1重量部、水100重量部を加え、重合槽で混合し、プレ乳化液を作製した。次に重合槽内を脱気し、窒素雰囲気下、80℃で、3時間重合を行い、2時間熟成した。その後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、水に分散した蓄熱性マイクロカプセルC(平均粒径1.0μm)を得た。
このマイクロカプセルの固形粉末を回収するため、遠心分離機を用いてマイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で10時間乾燥したが、マイクロカプセル同士が凝集したため、100メッシュ以下のサイズの固形粉末として回収することはできなかった。よって、蓄熱層への適用が困難であった。
−蓄熱性マイクロカプセルD−
pHを4に調製した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液を重合槽に投入し、ステアリン酸メチルを攪拌しながら添加し、乳化した。次いで、メラミンに40%ホルムアルデヒド水溶液を加えて調製したメラミン−ホルムアルデヒドの縮合物の水溶液を入れ、重合槽を70℃まで昇温し、重合を開始させた。3時間重合を行った後、重合槽を室温まで冷却して水に分散した蓄熱性マイクロカプセルD(平均粒径3.0μm)を得た。
このマイクロカプセルの固形粉末を回収するため、遠心分離機を用いてマイクロカプセルを水相から分離し、小型粉砕機で粉砕洗浄を行ったが、粉砕時にマイクロカプセルが破砕し、蓄熱材が漏洩した。よって、蓄熱層への適用が困難であった。
(実施例1)
(蓄熱層の製造)
蓄熱性マイクロカプセルA60重量部、下記に示すヒドロキシル基含有化合物33重量部、イソシアネート基含有化合物7重量部を均一に混合し、反応促進剤0.1重量部を加え、十分攪拌した。攪拌後、350mm×350mm×5mmの型枠中に流し込み、35℃で120分硬化させ、型枠から取り外し、厚さ5mmの蓄熱層を得た。攪拌の際、蓄熱性マイクロカプセルAは、カプセル壁が粉砕することなく、簡便に蓄熱層が製造できた。なおNCO/OH比率は1.0であった。
・ヒドロキシル基含有化合物:無溶剤ポリエステルポリオール:2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオールとアジピン酸の重縮合物、水酸基価58mgKOH/g、分子量2000
・イソシアネート基含有化合物:HMDI系ポリイソシアネート(イソシアヌレート型)、NCO%23.0%(固形分100%)
・反応促進剤:ジブチル錫ジラウレート
<蓄熱材漏れ評価試験>
得られた蓄熱層を、10℃または40℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度23℃、湿度50%(以下、「標準状態」ともいう。)環境下に移し、蓄熱層からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表1に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
<蓄熱物性試験>
DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱層の相変化温度(℃)および潜熱量(kJ/kg)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/miN、−20〜60℃の温度領域で測定した。結果は表1に示す。
蓄熱層とガラス板(350mm×350mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)を接着剤により積層し、試験体を得た。
<保温性能評価試験>
図1に示すように、アクリル板(厚さ5mm)とポリスチレンフォーム(厚さ25mm)を接着剤により積層したものを試験体ボックスの側面及び底面とし、アクリル板が内側となるように設置した。さらに、作製した試験体を試験体ボックスの上面とし、蓄熱層面が内側となるように設置し、内寸350mm×350mm×350mmの試験体ボックスを作製した。
なお、試験体表面(蓄熱層面)温度、試験体裏面(ガラス面)温度、空間温度(ボックス内温度)を測定するため、図1に示すように、蓄熱層表面の中心、ガラス表面の中心、試験体ボックスの中心にそれぞれ熱電対を設置した。
熱源として、赤外ランプを用い、試験体ボックス上面温度が50℃一定になるようにした。
保温性能評価として、25℃の雰囲気下で24時間静置した後、赤外ランプを照射し各部位における20分後及び60分後の温度を測定した。結果は表2に示す。
(実施例2)
蓄熱性マイクロカプセルAを蓄熱性マイクロカプセルBに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、蓄熱層を製造した。また、得られた蓄熱層について、実施例1と同様の蓄熱材漏れ評価試験、蓄熱物性試験、保温性能評価試験を行った。結果は表1、表2に示す。
(比較例1)
ガラス板(350mm×350mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)のみ試験体として、実施例1と同様の保温性能評価試験を行った。
結果は表2に示す。
(比較例2)
ガラス板(350mm×350mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)の淵に厚さ3mmのバックアップ材を設け、その上にガラス板(375mm×375mm、熱伝導率0.8W/(m・K)、厚さ3mm)を重ね合わせ、厚さ3mmの空気層が設けられた試験体を得た。
得られた試験体を試験体ボックスの上面とした以外は、実施例1と同様の保温性能評価試験を行った。
結果は表2に示す。
Figure 2006150953
Figure 2006150953
実施例1で使用した試験体ボックスの断面図である。
符号の説明
1:蓄熱層
2:ガラス板
3:アクリル板
4:ポリスチレンフォーム
5:熱電対
6:赤外ランプ

Claims (1)

  1. 下記の特徴を有する蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層と、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体層からなる蓄熱積層体。
    蓄熱性マイクロカプセル:カプセルに潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、下記の化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成されたもの
    (化学式1)
    Figure 2006150953
    (Rは水素(−H)またはメチル基(−CH)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、Rは炭素数12以上の直鎖アルキル基)

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