JP4597628B2 - 床暖房構造体 - Google Patents
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Description
床暖房システムは、電熱線や温水管等の熱源で発熱した熱により、室内空間を暖めるもので、特に、電熱線を用いた場合、その発熱には、多くの消費電力を費やすこととなる。
また、メラミン−ホルムアルデヒド膜材の製造には、ホルムアルデヒド等の物質を使用するため、環境に対し好ましいものでもない。
特許文献2では、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン誘導体等の熱可塑性樹脂を主成分とするカプセル壁に、相転移自在な有機化合物(潜熱蓄熱材)を内包した蓄熱用マイクロカプセルが開示されている。カプセル壁に用いられている熱可塑性樹脂としては、メチル(メタ)アクリレート等の炭素数10以下の(メタ)アクリルモノマーが用いられている。(段落0008記載)
しかし、このようなポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン誘導体等の熱可塑性樹脂を用いた場合、得られたカプセル壁は、潜熱蓄熱材によって可塑化され易く、マイクロカプセル同士が融着・凝集するという問題があった。したがって、このような蓄熱用マイクロカプセルを、特許文献1のような蓄熱シートへ適用する場合、その製造過程において、マイクロカプセル同士が融着・凝集し、優れた蓄熱性を有する蓄熱シートを得ることは困難な場合があった。
下記の蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層されたことを特徴とする床暖房構造体。
蓄熱性マイクロカプセル:カプセルに有機潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ビニルラウリレート、ビニルミリステート、ビニルパルミテート、ビニルステアレート、ラウリルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルから選ばれる1種以上の結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成されたもの
(化学式1)
(R1は水素(−H)またはメチル基(−CH3)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、R2は炭素数12から36の直鎖アルキル基)
(R1は水素(−H)またはメチル基(−CH3)、Xはエステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)またはアミド結合(−CONH−)、R2は炭素数12から36(好ましくは炭素数が12から30、さらに好ましくは炭素数が14から22)の直鎖アルキル基)
また、炭素数12〜36(好ましくは炭素数が12から30、さらに好ましくは炭素数が14から22)の直鎖アルキル基を有する結晶性ビニルモノマーを使用しているため、潜熱蓄熱材との相溶性に優れている。よって、カプセルに高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を示すことができる。
ビニルラウリレート、ビニルミリステート、ビニルパルミテート、ビニルステアレート等のビニルエステル系ビニルモノマー;
ラウリルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル系ビニルモノマー;
等が挙げられる。
このようなモノマーとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、N−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの低級アルキル基含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマー;
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ−N−ブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−tブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等などのアミン含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクロイルピロリジン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−N−プロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリルモノマー;
アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリルモノマー;
グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリルモノマー;
ジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、アセトニルアクリレート、ジアセトンメタクリルアミド、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、2ーヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、及びブタンジオールアクリレートアセチルアセテートなどのカルボニル基含有モノマー;
メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;
プロピレン−1,3−ジヒドラジン及びブチレン−1,4−ジヒドラジンなどのヒドラジノ基含有モノマー;
2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどのジ(メタ)アクリルモノマー;
スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系モノマー;
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル等が挙げられる。
相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物を混合することにより、有機処理された層状の粘土鉱物の層間に、潜熱蓄熱材が入り込む。有機処理された層状の粘土鉱物は、有機処理されたものであるため、潜熱蓄熱材が有機処理された層状の粘土鉱物の層間に入り込みやすく、また潜熱蓄熱材が有機処理された層状の粘土鉱物の層間に保持されやすい構造となっている。
このような有機処理された層状の粘土鉱物と潜熱蓄熱材を混合することにより、結果として、潜熱蓄熱材の粘度を上昇させ、カプセル内に潜熱蓄熱材を担持し、より保持し続けることができる。
さらに有機処理された層状の粘土鉱物は、潜熱蓄熱材として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
また、潜熱蓄熱材と有機処理された層状の粘土鉱物混合時のTI値は、4.0〜9.0程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度(Pa・s:4回転目の指針値))
有機処理としては、例えば、層状粘土鉱物の層間に存在する陽イオンを長鎖アルキルアンモニウムイオン等でイオン交換(インターカレート)すること等が挙げられる。
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1〜100μm、さらには5〜50μmであることが好ましい。
このような重合では、上記結晶性ビニルモノマー(必要に応じ、他のモノマー等)と潜熱蓄熱材と、公知の開始剤、乳化剤、分散剤、溶媒、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、架橋剤、pH調整剤、連鎖移動剤等を混合して得ることができる。
例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリール)硫酸エステル塩等のアニオン性乳化剤、
ラウリルトリアルキルアンモニウム塩、ステアリルトリアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、第1級〜第3級アミン塩、ラウリルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、或は、ラウリルアミンアセテート等のカチオン性界面活性剤、
炭素数1〜20のアルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、炭素数1〜20のアルキルフェノール、炭素数1〜20のアルキルナフトール、ポリオキシエチレン(プロピレン)グリコール、脂肪族アミンなどのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物等のノニオン性界面活性剤、
カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導体型等の両性界面活性剤等が挙げられる。
(1)化学式1で示される結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーと、潜熱蓄熱材等とを均一に混合し、該モノマーの重合体の結晶化温度よりも高い温度で、乳化重合を行う工程、
(2)重合後、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却する工程、を含むことが好ましい。
また、乳化重合の際、該モノマーを重合して得られる重合体の結晶化温度よりも高い温度で、乳化重合することが必須である。このような温度で乳化重合することにより、重合時には非晶性の重合体(カプセル壁)を形成し、潜熱蓄熱材がカプセルに内包されやすい。さらに、重合後は、該重合体の結晶化温度よりも低い温度まで冷却することにより、重合体が相変化して結晶化し、カプセルの最外壁であるカプセル壁を形成し、内包された潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのない、蓄熱性マイクロカプセルを得ることができる。
このような相変化機構により、高含有量の潜熱蓄熱材がカプセルに内包されているにもかかわらず、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことのない、蓄熱性マイクロカプセルを得ることができる。また、このような蓄熱性マイクロカプセルは、最外壁がモノマーを重合して得られる重合体であれば特に限定されず、カプセル内は、潜熱蓄熱材をコア、重合体をシェルとするコアシェル状でもよいし、潜熱蓄熱材が多数分散したポーラス状でもよいし、あるいはゲル状でもよい。
また、炭素数12〜36の直鎖アルキル基を有する結晶性ビニルモノマーを使用しているため、蓄熱材との相溶性に優れている。よって、カプセルに高含有量の潜熱蓄熱材を内包することができ、優れた蓄熱性を示すことができる。
冷却する方法としては、特に限定されないが、公知の冷却装置や、冷却物質を用いてもよいし、また結晶化温度にもよるが、結晶化温度が室温より高ければ、室温で自然冷却することもできる。
蓄熱性マイクロカプセルを固形微粉末として用いる場合は、第(3)の工程として、重合体の結晶化温度よりも低い温度で、回収することが好ましい。本発明における回収工程とは、分離工程、乾燥工程、分級工程等を含むもので、このような回収工程により固形微粉末のマイクロカプセルが得られるものである。本発明では、重合体の結晶化温度よりも低い温度で回収することにより、重合体が結晶性を維持したまま回収でき、潜熱蓄熱材がカプセルから漏れ出すことがない上に、カプセル壁が破粋することなく、また、カプセル同士の融着・凝集を防止することもできる。そのため、マイクロカプセルを固形微粉末として回収することが容易であり、高収率で固形微粉末を得ることができる。回収工程としては、重合体の結晶化温度よりも低い温度であれば、公知の方法を採用すればよい。
また、得られたマイクロカプセル固形微粉末は、再度、水等の溶媒に分散させて用いることもできる。
かつ、蓄熱性マイクロカプセルは、カプセル壁が結晶性であるため、カプセル内に内包された有機潜熱蓄熱材によってカプセル壁が可塑化され難く、カプセル同士の融着・凝集を防止することができる。
さらに本発明で用いる結晶性ビニルモノマーから形成されるカプセル壁は、カプセル壁自体が蓄熱性を有している。そのため、潜熱蓄熱材の蓄熱性とカプセル壁の蓄熱性により、より優れた蓄熱性を示すことができる。
このような結合剤としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型樹脂、NAD型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂、無溶剤型樹脂等、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機結合剤、
ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色セメント、焼石膏、コロイダルシリカ、水溶性珪酸アルカリ金属塩等の無機結合剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
材料としては、例えば、コンクリート、石膏ボード、モルタル、スレート板等の無機材料、
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
例えば、蓄熱性マイクロカプセルを水等の溶媒に分散させたものや蓄熱性マイクロカプセルの固体微粉末、及び、蓄熱性マイクロカプセルと結合剤を混練したスラリー等をケースに注入したり、ラミネートして得ることができる。
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
面状発熱体としては、例えば、ニクロム線を蛇行させて絶縁体表面に配置したもの、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体等が挙げられる。本発明では、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体を好適に用いることができる。
本発明では、特に、柔軟性を有する樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、合成ゴム等が好ましく用いられる。
導電性粉末の混合量は、特に限定されないが、電気抵抗発熱体の電気抵抗値を1×103Ω・cm以下に調整できるように混合すればよく、樹脂成分の固形分100重量部に対して、10重量部以上300重量部以下(好ましくは30重量部以上100重量部以下)であることが好ましい。
ETフイルム等の樹脂フィルムに、PTC特性を示す特殊発熱インクを印刷することにより形成することができる。特殊発熱インクの材料としては、イットリウム、アンチモン、ランタンなどの希土類元素を微量ドープして半導体化したチタン酸バリウム系セラミックが用いられる。
このようなPTC面状発熱体は、PTC特性によって、通電すると素早く昇温し、所定温度に達し、自ら温度を制御、維持することができるため、センサー・コントローラー等を使用しなくてもよい。
床材層の厚さは、通常1〜20mm、好ましくは2〜15mm程度であればよい。
本発明の床暖房構造体の形成方法は、特に限定されず、公知の方法により、蓄熱層、面状発熱層、床材層を積層すればよい。
具体的には、上述した製造方法により得られた蓄熱層の上に、面状発熱層、床材層を順に公知の接着剤や接着テープ等で貼着し床暖房パネルを作製し、基材や既存のフローリングの上に公知の接着剤や接着テープを介して積層する方法、また、既存の基材やフローリングの上に直接上述した蓄熱層形成成分を塗付し蓄熱層を形成し、その上に面状発熱層、床材層を順に積層する方法等が挙げられる。
後者の場合、基材や既存のフローリングに蓄熱層形成成分をスプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより蓄熱層を形成することができる。
また、本発明床暖房構造体は、厚さが5〜50mmと薄くても、優れた蓄熱性能を有するため、消費電力量を抑え、かつ、快適な居住環境を維持することができる。
断熱層を積層することにより、外部の温度変化を緩和するとともに、面状発熱層で発熱した熱を外部に逃し難く、効率良く、床面を暖めることができる。
伝熱層を積層することにより、面状発熱層から発熱した熱が、蓄熱層や床材層に伝わりやすく、効率良く、床面を暖めることができる。
(蓄熱性マイクロカプセルA)
ステアリルアクリレート40重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部、パルミチン酸メチル(相変化温度30.0℃、潜熱量200kJ/kg)60重量部を均一に混合し、さらに、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部、過流酸アンモニウム1重量部、水100重量部を加え、重合槽で混合し、プレ乳化液を作製した。次に重合槽内を脱気し、窒素雰囲気下、80℃で、3時間乳化重合を行った。重合後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、蓄熱性マイクロカプセルA(平均粒径1.8μm)を得た。
このマイクロカプセルを水層から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で3時間乾燥し、分級(100メッシュ)を行い、固形粉末状の蓄熱性マイクロカプセルAを得た。この時、水層からの分離が簡便であり、粉砕時にはマイクロカプセルから蓄熱材が漏れ出すことがなく、得られたマイクロカプセルは、ほぼ100メッシュ以下のサイズで回収できた。
さらに、DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱性マイクロカプセルAの相変化温度(℃)、潜熱量(kJ/kg)、カプセル壁の結晶化温度(℃)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/min、−20〜60℃の温度領域で測定した。
測定の結果、蓄熱性マイクロカプセルAの相変化温度(℃)は29℃、潜熱量(kJ/kg)は142kJ/kg、カプセル壁の結晶化温度(℃)は46℃であった。
なお、平均粒径はマイクロトラック粒度分析計UPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。
メチルメタクリレート50重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部、パルミチン酸メチル50重量部を均一に混合し、さらに、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部、過流酸アンモニウム1重量部、水100重量部を加え、重合槽で混合し、プレ乳化液を作製した。次に重合槽内を脱気し、窒素雰囲気下、80℃で、3時間重合を行った。重合後、重合槽を室温(25℃)まで冷却し、蓄熱性マイクロカプセルB(平均粒径1.0μm)を得た。
このマイクロカプセルの固形粉末を回収するため、遠心分離機を用いてマイクロカプセルを水層から分離し、小型粉砕機で解砕洗浄し、35℃の乾燥器中で10時間乾燥したが、マイクロカプセル同士が凝集したため、100メッシュ以下のサイズの固形粉末として回収することはできなかった。よって、蓄熱層への適用が困難であった。
pHを4に調製した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液を重合槽に投入し、パルミチン酸メチルを攪拌しながら添加し、乳化した。次いで、メラミンに40%ホルムアルデヒド水溶液を加えて調製したメラミン−ホルムアルデヒドの縮合物の水溶液を入れ、重合槽を70℃まで昇温し、重合を開始させた。3時間重合を行った後、重合槽を室温まで冷却して蓄熱性マイクロカプセルC(平均粒径3.0μm)を得た。
このマイクロカプセルの固形粉末を回収するため、遠心分離機を用いてマイクロカプセルを水層から分離し、小型粉砕機で粉砕洗浄を行ったが、粉砕時にマイクロカプセルが破砕し、蓄熱材が漏洩した。よって、蓄熱層への適用が困難であった。
(蓄熱層1)
蓄熱性マイクロカプセルA60重量部、下記に示すヒドロキシル基含有化合物33重量部、イソシアネート基含有化合物7重量部を均一に混合し、反応促進剤0.1重量部を加え、十分攪拌した。攪拌後、300mm×180mm×5mmの型枠中に流し込み、35℃で120分硬化させ、厚さ5mmの蓄熱層1を得た。この際、蓄熱性マイクロカプセルAは、カプセル壁が粉砕することなく、簡便に蓄熱層が製造できた。なおNCO/OH比率は1.0であった。
・ヒドロキシル基含有化合物:無溶剤ポリエステルポリオール:2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオールとアジピン酸の重縮合物、水酸基価58mgKOH/g、分子量2000
・イソシアネート基含有化合物:HMDI系ポリイソシアネート(イソシアヌレート型)、NCO%23.0%(固形分100%)
・反応促進剤:ジブチル錫ジラウレート
得られた蓄熱層を、10℃または40℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度23℃、湿度50%(以下、「標準状態」ともいう。)環境下に移し、試験体からの蓄熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表1に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた蓄熱層の相変化温度(℃)および潜熱量(kJ/kg)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/miN、−20〜60℃の温度領域で測定した。結果は表1に示す。
合板(300×180mm、厚さ5mm)の上に、蓄熱層1、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、試験板を作製した。
なお、床材層は合板(300×180mm、厚さ5mm)、面状発熱層はシリコンゴム中にニクロム線を蛇行させたシリコンラバーヒーター(300×180mm、厚さ2mm)を使用した。
図1に示すように、内寸が300×180×200mmとなるように、側面及び上面に厚さ25mmのポリスチレンフォームを設置し、底面には試験板の床材層側が内側となるように設置し、試験体ボックスを作製した。
さらに、床表面温度、床裏面温度、空間温度(ボックス内温度)を測定するため、図1に示すように、床材表面及び裏面の中心、床材表面の中心から高さ100mmの位置にそれぞれ熱電対を設置した。また、図1に示すように、床表面には表面温度を一定にするため、床表面に温度調節器(サーモスタット)を取り付けた。
この試験体ボックスを恒温器の中に設置し、次の実験を行った。
恒温器中の温度を10℃に設定し、15時間放置した。その後恒温器中の温度を10℃に設定したまま、面状発熱層を180分加熱した。なお床表面は、温度調節器(サーモスタット)により、30℃一定になるように設定した。
床暖房性能評価として、面状発熱層加熱後、60分後の各部位の温度を測定した。また、180分加熱した後、加熱を停止し、停止60分後の各部位の温度を測定した。結果は、表2に示した。
合板(300×180mm、厚さ5mm)の淵に厚さ5mmのバックアップ材を設け、その上に、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、合板と面状発熱層の間に厚さ5mmの空気層が設けられた試験板を作製した。
この試験板を用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果は表2に示す。
合板(300×180mm、厚さ5mm)の上に、5mmのポリウレタンフォームを設けその上に、面状発熱層、床材層を順に重ね合わせ、試験板を作製した。
この試験板を用いた以外は、実施例1と同様の方法で試験を行った。結果は表2に示す。
2:面状発熱層
3:床材層
4:合板
5:ポリスチレンフォーム
6:熱電対
7:温度調節器(サーモスタット)
Claims (1)
- 下記の蓄熱性マイクロカプセルを含有する蓄熱層、面状発熱層、床材層が積層されたことを特徴とする床暖房構造体。
蓄熱性マイクロカプセル:カプセルに有機潜熱蓄熱材が内包されており、該カプセルのカプセル壁が、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ビニルラウリレート、ビニルミリステート、ビニルパルミテート、ビニルステアレート、ラウリルビニルエーテル、ミリスチルビニルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルから選ばれる1種以上の結晶性ビニルモノマーを主成分とするモノマーを重合して得られる重合体から形成されたもの
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