JP5140448B2 - 機能性組成物及びその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、高い蓄冷熱機能を有する機能性組成物及びその成形体に関する。
近年、熱エネルギーを蓄える技術、即ち蓄冷熱技術が、昨今のエネルギー問題を解決する技術の一つとして着目されている。
蓄冷熱技術は、太陽熱、地熱等の自然エネルギーや、冷暖房器具からの余熱を有効利用する技術で、例えば、住宅においては、安価な夜間電力を使用して、熱を蓄え、多目的な熱源として利用し、日中の電力消費を抑える技術として利用されている。
このような蓄冷熱技術に用いられる蓄冷熱材としては、顕熱蓄冷熱材、潜熱蓄冷熱材が挙げられ、特に、物質の相変化による潜熱を利用した潜熱蓄冷熱材が多く採用されている。
この潜熱蓄冷熱材は、物質が固体から液体に相変化する時に熱を蓄え、液体から固体に相変化する時に熱を放出するという性質を利用し、蓄冷熱・放冷熱させるもので、一般に、硫酸ナトリウム・10水和塩等の無機水和物系潜熱蓄冷熱材やパラフィン等の有機系潜熱蓄冷熱材が利用されている。これらの潜熱蓄冷熱材は、15℃〜50℃の温度範囲で相変化(固液変化)するものが広く利用されており、その主な利用方法としては、液体状態で潜熱蓄冷熱材を密閉型のラミネートシートやプラスチックケースに封入する方法が一般的である。
しかし、ラミネートシートやプラスチックケースでは、定形サイズに限定され、切断等の加工は、潜熱蓄冷熱材が漏れ出すため不可能である。また、釘打ち等による施工も、潜熱蓄冷熱材が漏れ出すため不可能である。さらに、ラミネートシートやプラスチックケースを垂直に固定した場合、潜熱蓄冷熱材が底部に偏り、有効に潜熱蓄冷熱材が利用できないという問題もある。
したがって、潜熱蓄冷熱材を利用する場合、床暖房用の蓄冷熱材に代表される平置きの用途にのみ使用されているのが実状である。
このような問題に対し、特許文献1では、有機系潜熱蓄冷熱材を包含するマイクロカプセルをバインダを用いて固定化する方法(段落0023)が記載されており、前記問題を解決している。
また、非特許文献1では、n−パラフィン(有機系潜熱蓄冷熱材)を高密度ポリエチレンに含浸させてペレットを作製し、それを石膏ボード内に混入させることで、有機系潜熱蓄冷熱材を固定化する方法が記載されており、同問題を解決している。
特開平10−311693号公報(請求の範囲) 日本建築学会計画系論文集 第540号、23−29、2001年2月
しかしながら、特許文献1や非特許文献1では、潜熱蓄冷熱材自体への効果的な熱伝導が阻害されやすくなり、また、潜熱蓄冷熱材の含有率も低くなることから、十分な蓄冷熱機能が得られ難いという問題があった。
一方、特許文献2では、多孔体に潜熱蓄冷熱材を担持させることにより、前記問題を解決するとともに、十分な蓄冷熱機能を得ようとしている。しかしながら、多孔体に潜熱蓄冷熱材をただ単に担持させるだけでは、場合によっては潜熱蓄冷熱材が漏れ出す恐れがあった。
特開平9−143461号公報
本発明は上記課題を解決するために、鋭意検討をした結果、
特定の有機潜熱蓄冷熱材(I)と、イソシアネート基を含有する化合物(II)、ヒドロキシル基を含有する化合物(III)を含有する組成物が、優れた蓄冷熱機能を有し、かつ、蓄冷熱材の漏れも無く、加工性、施工性、耐久性に優れることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の特徴を有するものである。
1.有機潜熱蓄冷熱材(I)、
1分子内に2以上のイソシアネート基を含有する化合物(II)、
1分子内に2以上のヒドロキシル基を含有する化合物(III)、
を含有し、
前記有機潜熱蓄冷熱材(I)として、パルミチルエポキシド、ステアリルエポキシドから選ばれる1種以上の化合物(I−1)を含む
ことを特徴とする組成物。
2.前記有機潜熱蓄冷熱材(I)の含有量が、組成物全量に対し40重量%以上であることを特徴とする1.に記載の組成物。
3.1.または2.に記載の組成物から製造された成形体。

本発明の組成物によって得られる成形体は、高い蓄冷熱材含有率を有し蓄冷熱機能に優れ、かつ、高い蓄冷熱材含有率を有しているにもかかわらず経時的に蓄冷熱材が漏れることがない。さらに耐久性に優れるとともに、成形体を切断したとしても切断面から潜熱蓄冷熱材が漏れ出すこともなく、また、釘打ち等によっても潜熱蓄冷熱材が漏れだすこともないため、加工性、施工性に優れている。
以下、本発明を、その実施するための最良の形態とともに詳細に説明する。
本発明は、有機潜熱蓄冷熱材(以下、「(I)成分」ともいう。)、1分子内に2以上のイソシアネート基を含有する化合物(以下、「(II)成分」ともいう。)、1分子内に2以上のヒドロキシル基を含有する化合物(以下、「(III)成分」ともいう。)を含有し、前記(I)成分のうち、少なくとも1重量%以上が、1分子内に1つのエポキシ基、及び、炭素数が8以上の直鎖状アルキル基を含有する化合物(以下、「(I−1)成分」ともいう。)である蓄冷熱機能に優れる組成物である。
本発明で用いる(I)成分は、沸点が高く、また、(II)成分および/または(III)成分との相溶性に優れるため、得られた成形体から揮発し難い。そのため、成形体製造時における体積変化(肉痩せ)がほとんど無く、また長期に亘り蓄冷熱機能が持続するため、好ましい。さらに、有機潜熱蓄冷熱材を用いた場合、用途に応じた相変化温度の設定が容易であり、例えば相変化温度の異なる2種以上の有機潜熱蓄冷熱材を混合することで、容易に相変化温度の設定が可能となる。
(I)成分としては、例えば、炭素数8以上36以下(好ましくは炭素数15以上22以下)のアルキル基を含有する脂肪族炭化水素化合物、または、該脂肪族炭化水素化合物の一部がエポキシ基、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基等の官能基によって変性された脂肪族炭化水素化合物、炭素数8以上36以下(好ましくは炭素数15以上22以下)のアルキル基を含有するエステル化合物等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
炭素数8以上36以下のアルキル基を含有する脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、n−デカン(融点−30℃)、n−ウンデカン(融点−25℃)、n−ドデカン(融点−8℃)、n−トリデカン(融点−5℃)、ペンタデカン(融点6℃)、n−テトラデカン(融点8℃)、n−ヘキサデカン(融点17℃)、n−ヘプタデカン(融点22℃)、n−オクタデカン(融点28℃)、n−ノナデカン(融点32℃)、エイコサン(融点36℃)、ドコサン(融点44℃)等が挙げられる。
炭素数8以上36以下のアルキル基を含有する脂肪族炭化水素化合物の一部がヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、カルボニル基等の官能基によって変性された脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、カプリルアルコール(融点7℃)、ラウリルアルコール(融点24℃)、ミリスチルアルコール(融点38℃)、ステアリルアルコール(融点58℃)、カプリル酸(融点17℃)、カプリン酸(融点32℃)、ラウリン酸(融点44℃)、ミリスチン酸(融点50℃)、パルミチン酸(融点63℃)、ステアリン酸(融点70℃)、ミリスチルエポキシド(融点4℃)、パルミチルエポキシド(融点14℃)、ステアリルエポキシド(融点25℃)、ミリスチルアミン(融点−5℃)、パルミチルアミン(融点5℃)、ステアリルアミン(融点25℃)等が挙げられる。
炭素数8以上36以下のアルキル基を含有するエステル化合物としては、例えば、ラウリン酸メチル(融点5℃)、ミリスチン酸メチル(融点19℃)、パルミチン酸メチル(融点30℃)、ステアリン酸メチル(融点38℃)、ステアリン酸ブチル(融点25℃)、アラキジン酸メチル(融点45℃)等が挙げられる。
本発明では、エポキシ基、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基等の官能基によって変性された脂肪族炭化水素化合物を用いることが好ましく、特に、1分子内に1つの官能基を有する化合物を用いることが好ましい。このような官能基で変性された脂肪族炭化水素化合物は、蓄冷熱機能を有するとともに、(II)成分および/または(III)成分との相溶性に優れるため好ましい。1分子内に2つ以上の官能基を有する場合は、蓄冷熱機能、施工性、加工性に劣る場合がある。
また、アルキル基としては直鎖状のものが、蓄冷熱機能に優れる点で好ましい。
本発明は、(I)成分として、少なくとも、1分子内にエポキシ基、及び、炭素数が8以上36以下(好ましくは炭素数15以上22以下)の直鎖状アルキル基を含有する化合物((I−1)成分)を含むことを特徴とするものである。(I−1)成分の含有量は、特に限定されないが、全(I)成分に対して、1重量%以上、さらには2重量%以上100重量%以下、さらには5重量%以上100重量%以下含むことが好ましい。また、全(I)成分のうち、(I−1)成分が100重量%含まれていてもよい。
このような(I−1)成分は、(II)成分および/または(III)成分との相互作用や相溶性に特に優れているため、(I−1)成分を含むことにより、長期に亘り蓄冷熱機能を持続させることができるとともに、耐久性に優れた成形体を得ることができる。また、成形体の透明性、フレキシブル性等を高めることもできる。
特に本発明では、(I−1)成分として、ミリスチルエポキシド(融点4℃)、パルミチルエポキシド(融点14℃)、ステアリルエポキシド(融点25℃)等が好適に使用できる。
1分子内に2以上のイソシアネート基を含有する化合物((II)成分)としては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネ−ト、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエ−テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシネート、4,4´−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト(XDI)、ω,ω´−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジイソシアネート;
等、及びこれらのイソシアネート基含有化合物をアロハネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等によって誘導体化したもの、及びそれらの混合物、及びこれらのイソシアネート基を含有する化合物と上述した共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
本発明では、特に、脂肪族ジイソシアネートを用いることが好ましく、特にHMDI及びその誘導体化したもの等が好ましい。
1分子内に2以上のヒドロキシル基を含有する化合物((III)成分)としては、例えば、
多価アルコール;
ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコールポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンエチレンポリオール、エポキシポリオール、アルキドポリオール、フッ素含有ポリオール、ケイ素含有系ポリオール等のポリオール;
セルロース及び/またはその誘導体、アミロース等の多糖類;
等が挙げられる。
本発明では、特に、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、セルロース及びその誘導体を用いることが好ましく、このようなヒドロキシル基を含有する化合物を用いることにより、緻密な架橋構造を形成するとともに、(I)成分との相溶性が良好で、成形体からの(I)成分の漏れを抑制しやすい点で、好適に使用することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、1,4−テトラメチレンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、トリメチルペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、メタキシレングリコール、パラキシレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2−メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物等が挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
環状エステルの開環重合物において、環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。
本発明では、ポリエステルポリオールとして、特に、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物が好ましく、例えば、多価アルコールとして、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等、多価カルボン酸として、アジピン酸等を用いることが好ましい。
ポリエステルポリオールの製造方法は、常法により行うことができ、必要に応じ、公知の硬化剤、硬化触媒等を用いてもよい。
アクリルポリオールとしては、例えば、一分子中に1個以上のヒドロキシル基を有するアクリル単量体を単独重合または共重合させる、または共重合可能な他の単量体を共重合させることによって得ることができる。
一分子中に1個以上のヒドロキシル基を有するアクリル単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類
グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル類;
上記(メタ)アクリル酸エステル類とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオール類とのモノエーテル類;
(メタ)アクリル酸グリシジルと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等の一塩基酸との付加物;
上記(メタ)アクリル酸エステル類と、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトン等のラクトン類の開環重合により得られる付加物;
等が挙げられ、これらを単独重合または共重合することにより得ることができる。
また、共重合可能な他の単量体としては、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有単量体;
(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノブチル、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、(メタ)アクリル酸−N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N−t−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジエチルアミノプロピル、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、4−〔N,N−ジメチルアミノ〕スチレン、4−〔N,N−ジエチルアミノ〕スチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;
(メタ)アクリル酸グリシジル、ジグリシジルフマレート、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−ε−カプロラクトン変性グリシジル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル等のエポキシ基含有単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタクリレート)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド等のアミド基含有単量体;
(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル等のアルコキシシリル基含有単量体;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有単量体;
ビニルオキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸n一アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸オキチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ドデセニル、(メタ)アクリル酸オタタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−4−tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−フェニルエチル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;
フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量体;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等のその他の単量体;
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
重合方法としては、特に限定されず、公知の塊状重合、懸濁重合、溶液重合、分散重合、乳化重合、酸化還元重合等を用いればよく、必要に応じ、開始剤、連鎖移動剤等またはその他の添加剤等を加えてもよい。例えば、上記のモノマー成分を、公知の過酸化物やアゾ化合物などのラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合することによって得ることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物;環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物等が挙げられる。
環状炭酸エステルの開環重合物において、アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート等が挙げられる。
なお、ポリカーボネートポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
ポリオレフィンポリオールとしては、オレフィンを重合体又は共重合体の骨格(又は主鎖)の成分とし且つ分子内に(特に末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2つ有するポリオールであって、数平均分子量が500以上のものを用いることができる。前記オレフィンとしては、末端に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンなど)であってもよく、また末端以外の部位に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、イソブテンなど)であってもよく、さらにはジエン(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)であってもよい
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のポリアルキレングリコールの他、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体などの単量体成分として複数のアルキレンオキシドを含む(アルキレンオキサイド−他のアルキレンオキサイド)共重合体等が挙げられる。
このようなポリオールの水酸基価は、特に限定されないが、20〜150KOHmg/g(好ましくは25〜120KOHmg/g、さらに好ましくは30〜80KOHmg/g)程度とすればよい。
また、ポリオールの分子量は、特に限定されないが、500〜10000であることが望ましく、さらには1000〜3000であることが望ましい。このような分子量であれば、イソシアネート基を含有する化合物やカルボキシル基を含有する化合物等との組み合わせにより、蓄冷熱材の漏れを抑制できる架橋構造を得ることができる。分子量が小さすぎる場合は、蓄冷熱材が漏れ易くなる恐れがある。分子量が大きすぎる場合は、蓄冷熱材を十分に保持できなくなる恐れがある。
セルロース及び/またはその誘導体としては、セルロース、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロースアセテート、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート、硝酸セルロース等のセルロースエステル類、エチルセルロース、ベンジルセルロース、シアノエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類等が挙げられる。
セルロース及び/またはその誘導体は、ヒドロキシル基を有するものであるが、ヒドロキシル基の一部をアルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)等により、置換されたものが好ましい。
具体的には、置換度が、1.8〜2.8、さらには2.2〜2.6であることが好ましい。なお、置換度とは、セルロースを構成するグリコースユニット中に存在する3つのヒドロキシル基が、アルコキシル基等で置換された割合を意味し、100%置換された場合で置換度は3となる。
置換度をこのような範囲で制御することにより、後述する(I)成分との相互作用を向上させることができ、成形体内に、(I)成分を長期に亘り保持することができる。
置換度が、1.8より小さい場合は、(I)成分との相互作用が低下する場合があり、(I)成分を成形体内に、十分保持できない場合がある。また、2.8より大きい場合は、セルロース中のヒドロキシル基が減少し、十分な強度を有する3次元架橋構造が得られない場合がある。
セルロース及び/またはその誘導体の分子量は、特に限定されないが、1000〜30000であることが望ましく、さらには5000〜20000であることが望ましい。このような分子量であれば、蓄冷熱材の漏れを最も抑制できる架橋構造を得ることができる。分子量が小さすぎる場合は、蓄冷熱材が漏れ易くなる恐れがある。分子量が大きすぎる場合は、蓄冷熱材を十分に保持できなくなる恐れがある。
本発明の組成物は、上記成分の他に、公知の添加剤を混合することもできる。
添加剤としては、例えば、顔料、骨材、粘性調整剤、可塑剤、造膜助剤、緩衝剤、分散剤、架橋剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、防藻剤、湿潤剤、消泡剤、発泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、凍結防止剤、滑剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、繊維類、香料、化学物質吸着剤、熱伝導性物質、光触媒、吸放湿性粉粒体、難燃剤、相溶化剤、界面活性剤等の添加剤を含有することもできる。なお、本発明の効果を損なわない程度に水や溶剤を混合することもできるが、成形体製造前後の体積収縮を抑える目的等で、水や溶剤を混合しないことが好ましい。
粘性調整剤としては、例えば、粘度鉱物、特に、有機処理された層状の粘土鉱物を使用することができる。有機処理された層状の粘土鉱物は、有機処理されたものであるため、有機潜熱蓄冷熱材が該粘土鉱物の層間に入り込みやすく、また有機潜熱蓄冷熱材が該粘土鉱物の層間に保持されやすい構造となっており、このような有機処理された層状の粘土鉱物と有機潜熱蓄冷熱材を混合することにより、結果として、有機潜熱蓄冷熱材の粘度を上昇させ、成形体内に有機潜熱蓄冷熱材を担持し、より保持し続けることができる。
界面活性剤としては、特に限定れないが、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤を用いる場合は、特に、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。
本発明の成形体は、上記組成物から得られるものであって、(II)成分と(III)成分を反応させて得られる硬化体に、(I)成分を担持・保持してなる成形体である。
(II)成分と(III)成分の反応は、温和な条件下で架橋反応が進行しやすく、また、架橋密度等の調節も容易であるため好ましい。
また、(II)成分と(III)成分の混合比率は、特に限定されず、用途に合わせて適宜設定すればよいが、通常NCO/OH比率で0.5〜1.8、好ましくは0.7〜1.5となる範囲内で設定すればよい。
このようなNCO/OH比率の範囲内であることにより、成形体の強度を強靭なものとすることができ、(I)成分の漏れのない均一な緻密な架橋構造を得ることができる。
NCO/OH比率が0.5より小さい場合は、架橋率が低くなり、硬化性、耐久性、強度等において十分な物性を確保することができない場合があり、また(I)成分が漏れ易くなる。NCO/OH比率が1.8よりも大きい場合は、未反応のイソシアネートが残存し、成形体の各種物性に悪影響を与え、成形体が変形しやすくなり、(I)成分が漏れやすくなる。
また、(II)成分と(III)成分の反応では、反応促進剤を用いて硬化反応を迅速に進めることもできる。
反応促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ダイマージアミン、ダイマー酸ポリアミドアミン等のアミン類;
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクテート等の錫カルボン酸塩類;
ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸亜鉛等の金属カルボン酸塩類;
ジブチルチンチオカルボキシレート、ジオクチルチンチオカルボキシレート、トリブチルメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカルボキシレート類;
アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物;
等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
反応促進剤は、(III)成分の固形分100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の比率で混合する。反応促進剤が0.01重量部より少ない場合は、硬化性や強度が不十分となる場合がある。10重量部より多い場合は、耐久性、耐変色性等が低下する傾向となる。
例えば、本発明の成形体の製造方法としては、(I)成分と、(II)成分と(III)成分(必要に応じ、他の添加剤)とを混合し、(II)成分と(III)成分を反応させることを特徴とするものである。
本発明製造方法の具体的な方法としては、例えば(I)成分、(II)成分、(III)成分を混合し、(II)成分と(III)成分を反応させる方法、または、(I)成分、(II)成分(または(III)成分)を混合し、(III)成分(または(II)成分)を添加することにより反応させる方法等が挙げられる。
本発明では、(I)成分中に(I−1)成分を含むことによって、(II)成分および/または(III)成分との相溶性に優れ、簡便に成形体を製造することができる。また、製造された成形体は、(I)成分が成形体中に均一に分散され、長期に亘り蓄冷熱機能が持続するとともに、耐久性に優れた成形体を得ることができる。また、成形体の透明性、フレキシブル性等を高めることもできる。
また、(I)成分中に(I−1)成分を含むことによって、成形体中の(I)成分含有率を高くすることができるため優れた蓄冷熱機能を示し、かつ、高い(I)成分含有率を有しているにもかかわらず経時的に(I)成分が漏れない成形体を製造することができる。
また、得られた成形体は、切断したとしても、切断面から(I)成分が漏れ出すこともなく加工性に優れ、また、釘打ち等による(I)成分の漏れがないため、取り付け施工性に優れている。
(II)成分と(III)成分の反応温度は、(I)成分の相変化温度以上とすることが好ましい。具体的な反応温度は(I)成分の種類によって異なるが、通常20℃〜80℃程度である。(I)成分の相変化温度以上では、(I)成分が(II)成分および/または(III)成分中に相溶しやすく、均一に分散されやすいため、優れた成形体が形成される。また、反応時間は通常0.2〜5時間程度とすればよい。
このとき、反応を促進するため、上記反応促進剤や、熱、光等のエネルギーを与えることができる。
本発明の製造方法により得られる成形体は、シート状、棒状、針状、球状、角状、粉末状等、その形状は特に限定されない。
本発明ではシート状が好ましく、例えば、シート状の成形体は、成形体の片面または両面に各種基材を、使用用途に合わせて積層することもできるし、また、シート成形時に後述する各種基材を予め積層し、成形体を得ることもできる。この際、成形体の形成方法としては、特に限定されず、押出し成形、型枠成形等、または各種基材にスプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で塗付することにより形成することができる。
また、シート状の成形体の厚さは、特に限定されないが、通常0.1〜100mm程度とすればよい。本発明の成形体は、湾曲させたとしても蓄冷熱材の漏れや、変形がおこりにくく、特に、薄い成形体を使用することによって、フレキシブル性に優れる成形体を得ることもできる。
本発明成形体の蓄冷熱材含有率は、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは65重量%以上である。
本発明の成形体は、主として、住宅等の建築物の壁材、天井材、床材、窓材等の内・外装材の材料として好適に使用することができる。さらに、本発明の成形体は、床暖房システム、車輌等の内装材、窓材、機械・機器等の工業製品、熱電変換システム、熱搬送媒体、冷蔵・冷凍庫、浴槽・浴室、クーラーボックス、保温シート、電気製品、OA機器、プラント、タンク、衣類、カーテン、じゅうたん、寝具、日用雑貨等に用いる材料としても適用できる。
本発明の成形体は、使用する用途に合わせて、潜熱蓄冷熱材を適宜設定することができる。例えば、建築物の内・外装材として使用する場合は、潜熱蓄冷熱材の融点が15℃〜30℃付近のものを使用すればよい。この他、車輌等の内装材として用いる場合は潜熱蓄冷熱材の融点が15℃〜30℃付近のものを、冷蔵庫に用いる場合は潜熱蓄冷熱材の融点が−10℃〜5℃付近のものを、冷凍庫に用いる場合は潜熱蓄冷熱材の融点が−30℃〜−10℃付近のものを、それぞれ使用すればよい。
例えば、本発明の成形体と断熱体を積層し、建築物の壁材、天井材、床材等、冷蔵・冷凍庫、浴槽・浴室、クーラーボックス等に適用することにより、外部温度の変化に対し、空間内温度を最適な温度に保つことができ、省エネ化を図ることができる。
このような断熱体としては、例えば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、あるいはこれらの複合体等が挙げられる。また、市販の断熱体を使用してもよい。
断熱体の熱伝導率は、0.1W/(m・K)未満(より好ましくは0.08W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.05W/(m・K)以下)であることが好ましい。
また、熱伝導率が0.1W/(m・K)以上の熱伝導体を積層することもできる。熱伝導体としては、例えば、ガラス板、アクリル樹脂、ビニル樹脂等の樹脂ボードや樹脂シート・樹脂フィルム、銅、アルミニウム、鉄、真鍮、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等の金属板等、あるいは金属材料を含む樹脂ボードまたは樹脂シート・樹脂フィルム等、スレート板、石膏ボード、ALC板、木毛セメント板、合板等が挙げられる。
このような熱伝導体は、夜間や冬季においては、結露等を起こすおそれがあるが、本発明の成形体を積層することにより、熱伝導体の温度変化を緩和し、結露を防止することができる。たとえば、ガラスや金属板に本発明の成形体積層することで、結露防止効果を得ることができる。
また、本発明の成形体は透明性にも優れるため、透明ガラスと積層することにより、結露防止性に優れた透明ガラス板等を得ることもできる。
また、本発明の成形体と、難燃材、準不燃材および不燃材等の防火材とを積層することにより、優れた蓄冷熱機能に加え、防火性を付与することができ、防火性を必要とする部位(例えば、建築物の内装材等)にも適用することができる。
このような防火材としては、例えば、コンクリート板、ガラス板、金属板、木毛セメント板、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板等の平板、金属フィルム、グラスファイバー等のフィルム成形体、発泡性防火材料、難燃材含有材料等が挙げられる。
また、本発明の成形体と発熱体を積層することにより、床暖房システムや、融雪・滑氷屋根材等、浴槽・浴室、保温シート等に適用することができる。
床暖房システムとして適用する場合、発熱体として、例えば、面状発熱体や、温水を利用した配管等を利用することができ、これらの発熱体と本発明の成形体、床材を組み合わせることができる。このような床暖房システムは、公知の方法で、積層・設置することができるが、例えば、発熱体、面状発熱体、床材を積層した床暖房システムは、厚みを抑えることができ、かつ、厚みを抑えたとしても、優れた床暖房効果と省エネ効果を発揮することができ、特にリフォーム等に好適に用いることができる。
また、本発明の成形体は、最適な温度を維持しつづけることができるため、衣類、カーテン、じゅうたん、寝具等に用いられる素材と組み合わせることにより、快適な環境を得ることができる。さらに、南極やシベリア地方等の極寒地域や、火事場等の高温環境下においても、外部温度の影響を抑えることができるため、防寒服や消防服等にも有効である。
このような素材としては、木綿、麻、羊毛、シルク等の天然繊維、ナイロン、テトロン、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ビニロン、レーヨン、アラミド、アゾール等の有機繊維、ガラス、アスベスト等の無機繊維、またはこれらを難燃処理・撥水処理した繊維等が挙げられる。また、金属、樹脂シート・樹脂フィルムやゴム等でもよく、これらのうち、1種または2種以上を複合して用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にするが、本発明はこの実施例に限定されない。
(実施例1)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、ポリイソシアネート以外の成分を混合した。次いで、ポリイソシアネートを加え攪拌した後、厚さ50μmの透明PETフィルムを敷いた250mm×170mm×0.5mmの型枠中に流し込み、標準状態(温度23度、相対湿度50%)で60分硬化させ、脱型して、250mm×170mm×0.5mmの試験体を得た。得られた試験体は、標準状態(温度23度、相対湿度50%)において、透明性を有していた。また、湾曲させても異常がみられず、フレキシブル性にも優れていた。
得られた試験体を用い、次の試験を行った。
(蓄冷熱材漏れ評価試験)
得られた試験体を、10℃または50℃の雰囲気下で72時間放置した後、温度30℃、相対湿度50%RH雰囲気下に移し、試験体からの蓄冷熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れが見られなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
△:漏れが一部見られた
×:漏れが見られた
(耐久性評価試験)
得られた試験体を、10℃の雰囲気下で72時間放置した後、50℃の雰囲気下で72時間放置し、これを1サイクルとして、50サイクル行った後の試験体の外観、および蓄冷熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
5:試験体から蓄冷熱材の漏れがみられず、外観の異常もなかった
4:試験体から蓄冷熱材の漏れがみられず、外観の異常もほとんどなかった
3:試験体から蓄冷熱材の漏れがほとんどみられず、外観の異常もほとんどなかった
2:試験体から蓄冷熱材の漏れがほとんどみられなかったが、外観の変形がみられた
1:試験体から蓄冷熱材の漏れがみられ、また、外観も変形していた
(蓄冷熱物性試験)
DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られた試験体の相変化温度(℃)および潜熱量(kJ/kg)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/min、−20〜60℃の温度領域で測定した。結果は表3に示す。
(加工性試験)
温度30℃、相対湿度50%RH雰囲気下において、得られた試験体をカッターナイフで切断し、切断面からの蓄冷熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
(施工性試験)
温度30℃、相対湿度50%RH雰囲気下において、得られた試験体に釘打ちし、釘打ちによる蓄冷熱材の漏れを観察した。評価は次の通りである。結果は表3に示す。
◎:漏れがみられなかった
○:漏れがほとんどみられなかった
×:漏れがみられた
(実施例2)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量以外は、実施例1と同様の方法で試験体を得た。得られた試験体は、標準状態(温度23度、相対湿度50%)において、透明性を有していた。また、湾曲させても異常がみられず、フレキシブル性にも優れていた。
また、得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例3)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量以外は、実施例1と同様の方法で試験体を得た。得られた試験体は、標準状態(温度23度、相対湿度50%)において、透明性を有していた。また、湾曲させても異常がみられず、フレキシブル性にも優れていた。
また、得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例4)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量以外は、実施例1と同様の方法で試験体を得た。得られた試験体は、標準状態(温度23度、相対湿度50%)において、透明性を有していた。また、湾曲させても異常がみられず、フレキシブル性にも優れていた。
また、得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例5)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量以外は、実施例1と同様の方法で試験体を得た。得られた試験体は、湾曲させても異常がみられず、フレキシブル性にも優れていた。
また、得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例6)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量以外は、実施例1と同様の方法で試験体を得た。得られた試験体は、湾曲させても異常がみられず、フレキシブル性にも優れていた。
また、得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例7)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量以外は、実施例1と同様の方法で試験体を得た。得られた試験体は、湾曲させても異常がみられず、フレキシブル性にも優れていた。
また、得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
(実施例8)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量以外は、実施例1と同様の方法で試験体を得た。得られた試験体は、湾曲させても異常がみられず、フレキシブル性にも優れていた。
また、得られた試験体について、実施例1と同様の試験を行った。結果は表3に示す。
Figure 0005140448
Figure 0005140448
Figure 0005140448
本発明の成形体は、主として、シート状に成形・加工したものを、住宅等の建築物の内壁材、外壁材、天井材、床材、窓材に貼り合わせた内・外装材、車輌等の内装材、窓材として好適に用いられる。さらに、本発明の成形体は、熱電変換システム、冷蔵・冷凍庫、クーラーボックス、保温シート、結露防止材等にも適用できる。

Claims (3)

  1. 有機潜熱蓄冷熱材(I)、
    1分子内に2以上のイソシアネート基を含有する化合物(II)、
    1分子内に2以上のヒドロキシル基を含有する化合物(III)、
    を含有し、
    前記有機潜熱蓄冷熱材(I)として、パルミチルエポキシド、ステアリルエポキシドから選ばれる1種以上の化合物(I−1)を含む
    ことを特徴とする組成物。
  2. 前記有機潜熱蓄冷熱材(I)の含有量が、組成物全量に対し40重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の組成物から製造された成形体。
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