JP2015045496A - 構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度センサーを備えずとも温度制御が可能な構造体を提供する。【解決手段】蓄熱体の潜熱蓄熱温度、蓄熱量と発熱体の発熱量を調整することで、温度センサーを用いなくても、床表面温度を一定の温度範囲で保つことができ、かつ、消費電力量を抑えることができる。蓄熱体は、潜熱蓄熱材を含有し、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下であり、発熱体の1時間当たりの発熱量Q(kcal/(m2・h))に対する蓄熱体の蓄熱量P(kcal/m2)の比率「蓄熱量P/発熱量Q」が10%以上60%以下であり、蓄熱量P/発熱量Qが、20%以上45%以下である。【選択図】なし
Description
本発明は、新規な構造体に関する。本構造体は、床暖房等に適用できる。
近年の住宅環境に対する高まりを背景に、床暖房システムを備えた住宅が増加している。
例えば、蓄熱式床暖房システムは、新築だけでなく、リフォーム時の床暖房施工を容易に行うことができるものとして着目されている。
このような蓄熱式床暖房システムは、発熱体により発生した熱を蓄熱体に貯めることができ、発熱体の電源を切った後でも、長期間設定温度に保つことができるため、優れた省エネ効果を有するものとして着目されている。
例えば、蓄熱式床暖房システムは、新築だけでなく、リフォーム時の床暖房施工を容易に行うことができるものとして着目されている。
このような蓄熱式床暖房システムは、発熱体により発生した熱を蓄熱体に貯めることができ、発熱体の電源を切った後でも、長期間設定温度に保つことができるため、優れた省エネ効果を有するものとして着目されている。
このような蓄熱式床暖房の温度制御は、温度センサーにより温度を感知し、発熱体の通電率を制御する方法が一般的である。(例えば、特許文献1、2等)
しかしながら、上記のような床暖房の温度制御では、温度センサーに不具合がある場合、温度制御が不可能となる問題があり、温度センサーを用いなくても温度制御が可能な床暖房の開発が望まれている。
本願発明者は、上記のような問題を解決するために、蓄熱体の潜熱蓄熱温度、蓄熱量と発熱体の発熱量を制御することで、温度センサーを用いなくても、床表面温度を一定の温度範囲で保つことができ、かつ、消費電力量を抑えることができる床暖房用の構造体が得られることを見出し、本願発明の完成に到った。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有するものである。
1.床材、蓄熱体、発熱体を備えた構造体であって、
該蓄熱体は、潜熱蓄熱材を含有し、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下であり、
発熱体の1時間当たりの発熱量Q(kcal/(m2・h))に対する蓄熱体の蓄熱量P(kcal/m2)の比率「蓄熱量P/発熱量Q」が10%以上60%以下であることを特徴とする構造体。
2.蓄熱量P/発熱量Qが、20%以上45%以下であることを特徴とする1.に記載の構造体。
1.床材、蓄熱体、発熱体を備えた構造体であって、
該蓄熱体は、潜熱蓄熱材を含有し、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下であり、
発熱体の1時間当たりの発熱量Q(kcal/(m2・h))に対する蓄熱体の蓄熱量P(kcal/m2)の比率「蓄熱量P/発熱量Q」が10%以上60%以下であることを特徴とする構造体。
2.蓄熱量P/発熱量Qが、20%以上45%以下であることを特徴とする1.に記載の構造体。
本発明によれば、温度センサーを備えずとも床面等の温度制御が可能となる。本発明構造体は、床暖房用として好適である。
1:発熱体
2:蓄熱体
3:床材
4:ポリスチレンフォーム
5:制御装置
6:温度計
2:蓄熱体
3:床材
4:ポリスチレンフォーム
5:制御装置
6:温度計
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の構造体は、床材、蓄熱体、発熱体を備えたものであって、温度を感知する温度センサーを備えずとも床表面温度が制御可能な床暖房として最適な構造体に関するものである。
本発明は、潜熱蓄熱材を含有し、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下である蓄熱体を備えていること、さらに、蓄熱体の蓄熱量をP(kcal/m2)、発熱体の1時間当たりの発熱量をQ(kcal/(m2・h))とした場合に、発熱体の1時間当たりの発熱量Q(kcal/(m2・h))に対する蓄熱体の蓄熱量P(kcal/m2)の比率「蓄熱量P/発熱量Q」が10%以上60%以下となる条件を有することにより、温度センサーを備えずとも床表面温度が制御可能となるものである。
なお、「蓄熱量P/発熱量Q」とは、(蓄熱量P/発熱量Q)×100で求められる値である。
本発明は、潜熱蓄熱材を含有し、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下である蓄熱体を備えていること、さらに、蓄熱体の蓄熱量をP(kcal/m2)、発熱体の1時間当たりの発熱量をQ(kcal/(m2・h))とした場合に、発熱体の1時間当たりの発熱量Q(kcal/(m2・h))に対する蓄熱体の蓄熱量P(kcal/m2)の比率「蓄熱量P/発熱量Q」が10%以上60%以下となる条件を有することにより、温度センサーを備えずとも床表面温度が制御可能となるものである。
なお、「蓄熱量P/発熱量Q」とは、(蓄熱量P/発熱量Q)×100で求められる値である。
本発明の蓄熱体としては、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下(好ましくは32℃以上43℃以下、さらに好ましくは35℃以上40℃以下)である蓄熱体を用いることにより、蓄熱体の蓄熱効果により、床暖房として快適な温度領域にて長時間保つことができ、また、発熱体の通電率を下げ、消費電力量を削減することができる。
例えば、潜熱蓄熱温度が30℃の蓄熱体を用いた場合、後述する発熱体の初期通電時間及び通電率の設定により、床表面温度は30℃から45℃付近にて一定に保つことが可能である。また、潜熱蓄熱温度が45℃の蓄熱体を用いた場合、後述する発熱体の初期通電時間及び通電率の設定により、床表面温度が30℃から45℃付近にて一定に保つことが可能である。
但し、蓄熱体の潜熱蓄熱温度が30℃より低いと45℃付近では温度を一定に保つことが困難となり、45℃より高いと30℃付近では温度を一定に保つことが困難となる。
また、蓄熱体として潜熱蓄熱材を用いず顕熱蓄熱材のみを用いた場合や、蓄熱材自体を用いない場合は、床表面温度を一定の温度領域に保つためには、発熱体の通電率を高くする必要があり消費電力量がかかってしまう。
例えば、潜熱蓄熱温度が30℃の蓄熱体を用いた場合、後述する発熱体の初期通電時間及び通電率の設定により、床表面温度は30℃から45℃付近にて一定に保つことが可能である。また、潜熱蓄熱温度が45℃の蓄熱体を用いた場合、後述する発熱体の初期通電時間及び通電率の設定により、床表面温度が30℃から45℃付近にて一定に保つことが可能である。
但し、蓄熱体の潜熱蓄熱温度が30℃より低いと45℃付近では温度を一定に保つことが困難となり、45℃より高いと30℃付近では温度を一定に保つことが困難となる。
また、蓄熱体として潜熱蓄熱材を用いず顕熱蓄熱材のみを用いた場合や、蓄熱材自体を用いない場合は、床表面温度を一定の温度領域に保つためには、発熱体の通電率を高くする必要があり消費電力量がかかってしまう。
なお発熱体の初期通電時間とは、床暖房起動直後の発熱体の電源をONにしている時間のことである。また通電率とは、初期通電時間の後の発熱体の電源ON‐OFFサイクルのうち、電源をONにしている時間の割合のことである。
本発明では、蓄熱量P/発熱量Qが10%以上60%以下(好ましくは20%以上45%以下)であることを特徴とする。
蓄熱量P/発熱量Qが10%以上60%以下(好ましくは20%以上45%以下)であることは、理論上、発熱体が発熱し始めてから、6分から36分(好ましくは12分から27分)で、蓄熱体に熱が十分蓄熱される計算となる。
実際には、床表面温度が所定の温度に達するには、さらに時間を要することとなるが、通常は既に蓄熱体に蓄えられた熱量があり、所定の温度に達しなくても昇温を体感することができるため、上記示した理論値以下でも床暖房効果が認められることとなり、ユーザーにストレスを感じさせない時間内で、床暖房効果を発揮することができる。
また、蓄熱量P/発熱量Qが10%以上60%以下の領域では、温度センサーを備えずとも、発熱体の初期通電時間と通電率の設定で床表面温度を一定の領域で保つことができる。例えば、床暖房開始直後から所定の温度領域に達するまでは、蓄熱体に温度を蓄えるとともに、床表面へと熱を適度に放熱していき、迅速かつ発熱体に過剰な負荷をかけずに所定の温度領域まで昇温することが可能である。さらに、所定の温度領域に達した後は、蓄熱量P/発熱量Qが10%以上60%以下の領域では、通電率を適宜設定することで、所定の温度領域で一定に保つことが可能である。
蓄熱量P/発熱量Qが10%以上60%以下(好ましくは20%以上45%以下)であることは、理論上、発熱体が発熱し始めてから、6分から36分(好ましくは12分から27分)で、蓄熱体に熱が十分蓄熱される計算となる。
実際には、床表面温度が所定の温度に達するには、さらに時間を要することとなるが、通常は既に蓄熱体に蓄えられた熱量があり、所定の温度に達しなくても昇温を体感することができるため、上記示した理論値以下でも床暖房効果が認められることとなり、ユーザーにストレスを感じさせない時間内で、床暖房効果を発揮することができる。
また、蓄熱量P/発熱量Qが10%以上60%以下の領域では、温度センサーを備えずとも、発熱体の初期通電時間と通電率の設定で床表面温度を一定の領域で保つことができる。例えば、床暖房開始直後から所定の温度領域に達するまでは、蓄熱体に温度を蓄えるとともに、床表面へと熱を適度に放熱していき、迅速かつ発熱体に過剰な負荷をかけずに所定の温度領域まで昇温することが可能である。さらに、所定の温度領域に達した後は、蓄熱量P/発熱量Qが10%以上60%以下の領域では、通電率を適宜設定することで、所定の温度領域で一定に保つことが可能である。
蓄熱量P/発熱量Qが10%よりも小さいと、蓄熱量が小さく、通電率の設定だけでは、床表面を一定の温度に保つことが困難となる。また、蓄熱体に貯めることができる熱量が少なくなりすぎ、発熱体の通電率を高くしなければならず、消費電力量がかかってしまう。
蓄熱量P/発熱量Qが60%よりも大きいと、蓄熱体が熱を蓄えすぎるため、該発熱体の発熱量では、床表面温度を所定の温度まで昇温するためには、時間がかかりすぎてしまう。
蓄熱量P/発熱量Qが60%よりも大きいと、蓄熱体が熱を蓄えすぎるため、該発熱体の発熱量では、床表面温度を所定の温度まで昇温するためには、時間がかかりすぎてしまう。
本発明では蓄熱量P/発熱量Qを10%以上60%以下とすることで、通電率は10%以上45%以下(好ましくは15%以上40%以下)の範囲でも、床表面温度を一定に保つことができる。通電率が45%より高くなれば、床表面温度を一定に保ちやすくなるが、消費電力量がかかり好ましくない。
また、本発明では、このような通電率と、初期通電時間を設定することで、床表面温度をユーザー希望の温度領域に合わせることができる。また通電率を数パターン設定しておくことによって、幅広い環境、ユーザーに対応することが可能である。
本発明では、通電率を変更したとしても、上記条件内では、床表面温度を所定の温度領域で一定に保つことができる。
また、本発明では通電率45%以下という特に通電率が低い領域においても、床表面温度を所定の温度領域で一定に保つことができるため、消費電力量を削減することができる。
また、本発明では、このような通電率と、初期通電時間を設定することで、床表面温度をユーザー希望の温度領域に合わせることができる。また通電率を数パターン設定しておくことによって、幅広い環境、ユーザーに対応することが可能である。
本発明では、通電率を変更したとしても、上記条件内では、床表面温度を所定の温度領域で一定に保つことができる。
また、本発明では通電率45%以下という特に通電率が低い領域においても、床表面温度を所定の温度領域で一定に保つことができるため、消費電力量を削減することができる。
なお、蓄熱体の潜熱蓄熱温度、蓄熱量Pは、示差走査熱量計(DSC220CU:セイコーインスツルメンツ株式会社製)にて、昇温速度1℃/分で測定した値である。具体的に、潜熱蓄熱温度はDSC曲線の吸熱ピーク温度、蓄熱量Pは吸熱ピーク面積から測定した値である。
蓄熱量Pは、具体的には、20kcal/m2以上250kcal/m2以下、さらには30kcal/m2以上200kcal/m2以下程度であることが好ましい。
また、本発明の発熱体の1時間当たりの発熱量Qは、具体的には、50kcal/(m2・h)以上500kcal/m2・h以下、さらには100kcal/(m2・h)以上400kcal/(m2・h)以下程度であることが好ましい。
蓄熱量Pは、具体的には、20kcal/m2以上250kcal/m2以下、さらには30kcal/m2以上200kcal/m2以下程度であることが好ましい。
また、本発明の発熱体の1時間当たりの発熱量Qは、具体的には、50kcal/(m2・h)以上500kcal/m2・h以下、さらには100kcal/(m2・h)以上400kcal/(m2・h)以下程度であることが好ましい。
<床材>
本発明の床材としては、例えば、塩化ビニル、ポリオレフィン等の樹脂タイル及び樹脂シート、一枚板、フローリング材、合板、パーティクルボード、コルクタイル等の木質材料、繊維質材料、磁器タイル等のセラミックス材料、大理石、御影石、テラゾー等の石材料、モルタル等のコンクリート材料、ゴムやリノリウム等の天然樹脂タイル及び天然樹脂シート等を使用することができる。また畳、カーペット、じゅうたん等も床材として使用することができる。本発明では、特に、耐熱性を有するものが、より好ましい。
床材の厚みは、特に限定されないが、1mm以上40mm以下であることが好ましい。
本発明の床材としては、例えば、塩化ビニル、ポリオレフィン等の樹脂タイル及び樹脂シート、一枚板、フローリング材、合板、パーティクルボード、コルクタイル等の木質材料、繊維質材料、磁器タイル等のセラミックス材料、大理石、御影石、テラゾー等の石材料、モルタル等のコンクリート材料、ゴムやリノリウム等の天然樹脂タイル及び天然樹脂シート等を使用することができる。また畳、カーペット、じゅうたん等も床材として使用することができる。本発明では、特に、耐熱性を有するものが、より好ましい。
床材の厚みは、特に限定されないが、1mm以上40mm以下であることが好ましい。
<発熱体>
本発明の発熱体は、特に限定されないが、面状の発熱体を好適に使用することができる。面状発熱体としては、例えば、ニクロム線を蛇行させて絶縁体表面に配置したもの、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体等が挙げられる。
本発明の発熱体は、特に限定されないが、面状の発熱体を好適に使用することができる。面状発熱体としては、例えば、ニクロム線を蛇行させて絶縁体表面に配置したもの、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体等が挙げられる。
電気抵抗発熱体は、特に限定されるものではないが、電気抵抗値が1×103Ω・cm以下(好ましくは、1×102Ω・cm以下)であれば、消費電力低減の点で好ましい。電気抵抗発熱体としては、樹脂成分と導電性粉末を含むものが好ましい。
樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型樹脂、NAD型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂、無溶剤型樹脂等、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等あるいはこれらを複合した樹脂等が挙げられる。
本発明では、特に、柔軟性を有する樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、合成ゴム等が好ましく用いられる。
本発明では、特に、柔軟性を有する樹脂として、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、合成ゴム等が好ましく用いられる。
導電性粉末としては、例えば、グラファイト粉末、鱗片状黒鉛、薄片状黒鉛、カーボンナノチューブ等の炭素粉末、グラファイト化された繊維、グラファイトを担持させた繊維等の炭素繊維、銀、金、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、白金、パラジウム、鉄等の金属微粒子、これらの金属微粒子等の導電性成分を繊維表面に担持させた導電性繊維、また金属微粒子をマイカ、雲母、タルク、酸化チタン等の粉末の表面に担持させた導電性粉末、また、フッ素ドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化スズ、導電性酸化亜鉛等の導電性酸化物等を使用することができる。
電気抵抗発熱体は、上記導電性粉末を上記樹脂中に均一に分散するように混合し、公知の方法で、フィルム状、シート状に形成することにより、製造することができる。
導電性粉末の混合量は、特に限定されないが、電気抵抗発熱体の電気抵抗値を1×103Ω・cm以下に調整できるように混合すればよく、樹脂成分の固形分100重量部に対して、10重量部以上300重量部以下(より好ましくは30重量部以上100重量部以下)であることが好ましい。
導電性粉末の混合量は、特に限定されないが、電気抵抗発熱体の電気抵抗値を1×103Ω・cm以下に調整できるように混合すればよく、樹脂成分の固形分100重量部に対して、10重量部以上300重量部以下(より好ましくは30重量部以上100重量部以下)であることが好ましい。
また、電気抵抗値が1×103Ω・cm以下にできる範囲であれば、樹脂成分以外に、必要に応じて、消泡剤、増粘剤、防腐剤、抗菌剤、変性剤、紫外線吸収剤、硬化剤、硬化触媒、造膜助剤、溶媒等の添加剤を加えることもできる。
電気抵抗発熱体の厚さは、3mm以下であることが好ましい。3mm以下であれば、柔軟性に優れ、また、電気抵抗発熱体に温度ムラが生じにくくなるため、均一な温度に保ちやすい。
電極としては、電気抵抗値が電気抵抗発熱体よりも低いものであれば特に限定されないが、好ましくは、金属微粒子からなる電極および/またはそれら金属微粒子を混合したペーストを用いることができる。金属微粒子としては、特に限定されないが、銀、銅、金、白金等を用いることができる。
電極は、公知の方法で、電気抵抗発熱体に積層することができる。例えば、スプレー、ローラー、刷毛塗り、ディップコーティング、スパッタ、蒸着、スクリーン印刷法、ドクターブレード法等で積層することができる。
PTC面状発熱体は、PTC(Positive Temperature Coefficient;正の温度係数)特性を利用したもので、例えばポリエステルフイルムやPETフイルム等の樹脂フィルムに、PTC特性を示す特殊発熱インクを印刷することにより形成することができる。特殊発熱インクの材料としては、イットリウム、アンチモン、ランタンなどの希土類元素を微量ドープして半導体化したチタン酸バリウム系セラミックが用いられる。
このようなPTC面状発熱体は、自己温度制御機能を有する発熱体として広く用いられ、発熱して温度が高くなるにつれ、電気抵抗が大きくなり、ある温度(最大温度)以上にならないように制御することができる、というものである。このようなPTC面状発熱体を用いることにより、温度センサーを使用しなくても温度制御が可能であるが、制御できる温度は基本的に1点(最大温度)のみである。
本発明では、このようなPTC面状発熱体と蓄熱体を組み合わせることによって、所定の温度で温度制御が可能となるとともに、過剰な温度上昇を抑えることができ、安全面でも優れている。
また、本発明におけるPTC面状発熱体の最大温度は、特に限定されないが、蓄熱体の潜熱蓄熱温度よりも3℃以上20℃以下(好ましくは6℃以上18℃以下、より好ましくは10℃以上15℃以下)高いことが好適である。
具体的に、PTC面状発熱体の最大温度は、36℃以上60℃以下、さらには40℃以上56℃以下、さらには44℃以上52℃以下程度であることが好ましい。
このようなPTC面状発熱体は、自己温度制御機能を有する発熱体として広く用いられ、発熱して温度が高くなるにつれ、電気抵抗が大きくなり、ある温度(最大温度)以上にならないように制御することができる、というものである。このようなPTC面状発熱体を用いることにより、温度センサーを使用しなくても温度制御が可能であるが、制御できる温度は基本的に1点(最大温度)のみである。
本発明では、このようなPTC面状発熱体と蓄熱体を組み合わせることによって、所定の温度で温度制御が可能となるとともに、過剰な温度上昇を抑えることができ、安全面でも優れている。
また、本発明におけるPTC面状発熱体の最大温度は、特に限定されないが、蓄熱体の潜熱蓄熱温度よりも3℃以上20℃以下(好ましくは6℃以上18℃以下、より好ましくは10℃以上15℃以下)高いことが好適である。
具体的に、PTC面状発熱体の最大温度は、36℃以上60℃以下、さらには40℃以上56℃以下、さらには44℃以上52℃以下程度であることが好ましい。
また、このPTC面状発熱体は、前記特殊発熱インクによる印刷方式であるため、薄型に形成でき、従って軽量化及び薄型化を図ることができる。更に、このPTC面状発熱体は、電源を入れてから所定温度になるまでは抵抗値が低く、昇温に要する消費電力を抑えることができ、さらに所定温度に達すると自己制御機能により消費電力を抑えることができるため、効率的に暖房できる。
<蓄熱体>
本発明の蓄熱体は、潜熱蓄熱材を含有し、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下であるものを用いる。
潜熱蓄熱材としては、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下(好ましくは32℃以上43℃以下)の潜熱蓄熱材が、潜熱蓄熱材全量に対し50重量%以上、さらには80重量%以上、さらには100重量%含まれるものが好適である。
このような潜熱蓄熱材は、床暖房用の潜熱蓄熱材として、発熱体からの熱を蓄えやすく、床表面の温度を床暖房として最適な温度に保ちやすいため、好適である。
本発明の蓄熱体は、潜熱蓄熱材を含有し、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下であるものを用いる。
潜熱蓄熱材としては、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下(好ましくは32℃以上43℃以下)の潜熱蓄熱材が、潜熱蓄熱材全量に対し50重量%以上、さらには80重量%以上、さらには100重量%含まれるものが好適である。
このような潜熱蓄熱材は、床暖房用の潜熱蓄熱材として、発熱体からの熱を蓄えやすく、床表面の温度を床暖房として最適な温度に保ちやすいため、好適である。
潜熱蓄熱材としては、無機潜熱蓄熱材、有機潜熱蓄熱材等が挙げられる。
無機潜熱蓄熱材としては、例えば、硫酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム10水和物、リン酸水素ナトリウム12水和物、チオ硫酸ナトリウム5水和物、塩化カルシウム6水和物等の水和塩等が挙げられる。
また、有機潜熱蓄熱材としては、例えば、脂肪族炭化水素、長鎖アルコール、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、脂肪酸トリグリセリド、ポリエーテル化合物等が挙げられる。これらの潜熱蓄熱材のうち1種または2種以上を用いることができる。
本発明では、これらの潜熱蓄熱材のうち、有機潜熱蓄熱材を含むことが好ましい。
なお、潜熱蓄熱材の潜熱蓄熱温度は、相変化温度または融点ともいう。
無機潜熱蓄熱材としては、例えば、硫酸ナトリウム10水和物、炭酸ナトリウム10水和物、リン酸水素ナトリウム12水和物、チオ硫酸ナトリウム5水和物、塩化カルシウム6水和物等の水和塩等が挙げられる。
また、有機潜熱蓄熱材としては、例えば、脂肪族炭化水素、長鎖アルコール、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、脂肪酸トリグリセリド、ポリエーテル化合物等が挙げられる。これらの潜熱蓄熱材のうち1種または2種以上を用いることができる。
本発明では、これらの潜熱蓄熱材のうち、有機潜熱蓄熱材を含むことが好ましい。
なお、潜熱蓄熱材の潜熱蓄熱温度は、相変化温度または融点ともいう。
脂肪族炭化水素としては、例えば、炭素数8以上36以下の脂肪族炭化水素を用いることができ、具体的には、n−テトラデカン(融点8℃)、ペンタデカン(融点10℃)、n−ヘキサデカン(融点17℃)、n−ヘプタデカン(融点22℃)、n−オクタデカン(融点28℃)、n−ノナデカン(融点32℃)、イコサン(融点36℃)、ドコサン(融点44℃)、およびこれらの混合物で構成されるn−パラフィンやパラフィンワックス等が挙げられる。
長鎖アルコールとしては、例えば、炭素数8以上36以下の長鎖アルコールを用いることができ、具体的には、カプリルアルコール(融点7℃)、ラウリルアルコール(融点24℃)、ミリスチルアルコール(融点38℃)、ステアリルアルコール(融点58℃)等が挙げられる。
長鎖脂肪酸としては、例えば、炭素数8以上36以下の長鎖脂肪酸を用いることができ、具体的には、オクタン酸(融点17℃)、デカン酸(融点32℃)、ドデカン酸(融点44℃)、テトラデカン酸(融点50℃)、オクタデカン酸(融点70℃)、ヘキサデカン酸(融点63℃)等の脂肪酸等が挙げられる。
長鎖脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数8以上36以下の長鎖脂肪酸エステルを用いることができ、具体的には、ラウリン酸メチル(融点5℃)、ミリスチン酸メチル(融点19℃)、パルミチン酸メチル(融点30℃)、ステアリン酸メチル(融点38℃)、ステアリン酸ブチル(融点25℃)、アラキジン酸メチル(融点45℃)等が挙げられる。
脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、ヤシ油、パーム核油等の植物油や、その精製加工品である中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。
ポリエーテル化合物としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エチルエチレングリコール等が挙げられる。
特に本発明では、このような有機潜熱蓄熱材のうち、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下である脂肪族炭化水素、長鎖脂肪酸エステルの1種以上を含むことが好ましい。
また、有機潜熱蓄熱材は、2種以上の有機潜熱蓄熱材を用いて用途に応じた潜熱蓄熱温度の設定が容易である。
特に、2種以上の有機潜熱蓄熱材を混合して使用する場合は、相溶化剤を用いることができる。相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満(好ましくは1以上5以下)の非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
特に、2種以上の有機潜熱蓄熱材を混合して使用する場合は、相溶化剤を用いることができる。相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満(好ましくは1以上5以下)の非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
本発明の蓄熱体は、上記潜熱蓄熱材を含み、上記潜熱蓄熱材を担持・保持したものである。例えば、袋・ケース等に潜熱蓄熱材を詰め込んだもの、樹脂マトリックス中に潜熱蓄熱材を担持・保持したもの、樹脂カプセルに潜熱蓄熱材を担持・保持したもの等が挙げられる。
本発明では樹脂マトリックス中に潜熱蓄熱材を担持・保持したものが好適に用いられる。樹脂マトリックス中に潜熱蓄熱材を担持・保持したものは、潜熱蓄熱材の固液変化に伴う状態変化による体積変化に対し柔軟に追従することができ、また、潜熱蓄熱材をより多く担持・保持可能であるため、好適に用いられる。
本発明では樹脂マトリックス中に潜熱蓄熱材を担持・保持したものが好適に用いられる。樹脂マトリックス中に潜熱蓄熱材を担持・保持したものは、潜熱蓄熱材の固液変化に伴う状態変化による体積変化に対し柔軟に追従することができ、また、潜熱蓄熱材をより多く担持・保持可能であるため、好適に用いられる。
樹脂マトリックスとして用いられる樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型、無溶剤型等、または、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
また、樹脂成分のうち、1液タイプ、2液タイプのいずれも使用することができるが、2液タイプのほうが好ましい。
2液タイプとしては、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とイミド基、ヒドロキシル基とアルデヒド基、エポキシ基とアミノ基、エポキシ基とカルボキシル基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボニル基とヒドラジド基、カルボキシル基とアジリジン基等の反応性官能基を有する化合物の組み合わせにより、反応硬化し、蓄熱体を形成するものである。
本発明では、ヒドロキシル基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物の組み合わせが、温和な条件下で反応が進行しやすく、また、潜熱蓄熱材を担持・保持するための、架橋密度等の調節も容易であるため好ましい。
2液タイプとしては、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とイミド基、ヒドロキシル基とアルデヒド基、エポキシ基とアミノ基、エポキシ基とカルボキシル基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボニル基とヒドラジド基、カルボキシル基とアジリジン基等の反応性官能基を有する化合物の組み合わせにより、反応硬化し、蓄熱体を形成するものである。
本発明では、ヒドロキシル基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物の組み合わせが、温和な条件下で反応が進行しやすく、また、潜熱蓄熱材を担持・保持するための、架橋密度等の調節も容易であるため好ましい。
ヒドロキシル基を含有する化合物としては、例えば、ヒドロキシル基含有単量体、多価アルコール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコールポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンエチレンポリオール、エポキシポリオール、アルキドポリオール、フッ素含有ポリオール、ケイ素含有系ポリオール、セルロース及び/またはその誘導体、アミロース等が挙げられる。
ヒドロキシル基を含有する化合物としては、特に、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオールから選ばれる1種以上を用いることが好ましく、このようなヒドロキシル基を含有する化合物を用いることにより、緻密な架橋構造を形成するとともに、潜熱蓄熱材との相溶性が良好で、蓄熱体からの潜熱蓄熱材の漏れを抑制しやすい点で、好適に使用することができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、1,4−テトラメチレンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、トリメチルペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、メタキシレングリコール、パラキシレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2−メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
環状エステルの開環重合物において、環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。
3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。
本発明では、ポリエステルポリオールとして、特に、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物が好ましく、例えば、多価アルコールとして、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等、多価カルボン酸として、アジピン酸等を用いることが好ましい。
ポリエステルポリオールの製造方法は、常法により行うことができ、必要に応じ、公知の硬化剤、硬化触媒等を用いてもよい。
ポリエステルポリオールの製造方法は、常法により行うことができ、必要に応じ、公知の硬化剤、硬化触媒等を用いてもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のポリアルキレングリコールの他、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体などの単量体成分として複数のアルキレンオキシドを含む(アルキレンオキサイド−他のアルキレンオキサイド)共重合体等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、一分子中に1個以上のヒドロキシル基を有するアクリル単量体を単独重合または共重合させる、または共重合可能な他の単量体を共重合させることによって得ることができる。
一分子中に1個以上のヒドロキシル基を有するアクリル単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類
グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル類;
上記(メタ)アクリル酸エステル類とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオール類とのモノエーテル類;
(メタ)アクリル酸グリシジルと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等の一塩基酸との付加物;
上記(メタ)アクリル酸エステル類と、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトン等のラクトン類の開環重合により得られる付加物;
等が挙げられ、これらを単独重合または共重合することにより得ることができる。
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類
グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル類;
上記(メタ)アクリル酸エステル類とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオール類とのモノエーテル類;
(メタ)アクリル酸グリシジルと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等の一塩基酸との付加物;
上記(メタ)アクリル酸エステル類と、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトン等のラクトン類の開環重合により得られる付加物;
等が挙げられ、これらを単独重合または共重合することにより得ることができる。
また、共重合可能な他の単量体としては、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有単量体;
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有単量体;
(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノブチル、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、(メタ)アクリル酸−N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N−t−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジエチルアミノプロピル、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピペリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ピロリジン、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕モルホリン、4−〔N,N−ジメチルアミノ〕スチレン、4−〔N,N−ジエチルアミノ〕スチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;
(メタ)アクリル酸グリシジル、ジグリシジルフマレート、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−ε−カプロラクトン変性グリシジル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル等のエポキシ基含有単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタクリレート)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド等のアミド基含有単量体;
(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル等のアルコキシシリル基含有単量体;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有単量体;
ビニルオキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有単量体;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有単量体;
ビニルオキサゾリン、2−プロペニル2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸n一アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸オキチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ドデセニル、(メタ)アクリル酸オタタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−4−tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−フェニルエチル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシブチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;
フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量体;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等のその他の単量体;
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等のその他の単量体;
等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
重合方法としては、特に限定されず、公知の塊状重合、懸濁重合、溶液重合、分散重合、乳化重合、酸化還元重合等を用いればよく、必要に応じ、開始剤、連鎖移動剤等またはその他の添加剤等を加えてもよい。例えば、上記のモノマー成分を、公知の過酸化物やアゾ化合物などのラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合することによって得ることができる。
ポリオレフィンポリオールとしては、オレフィンを重合体又は共重合体の骨格(又は主鎖)の成分とし且つ分子内に(特に末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2つ有するポリオールであって、数平均分子量が500以上のものを用いることができる。前記オレフィンとしては、末端に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンなど)であってもよく、また末端以外の部位に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、イソブテンなど)であってもよく、さらにはジエン(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)であってもよい
このようなポリオール(ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール等)の水酸基価は、特に限定されないが、20KOHmg/g以上150KOHmg/g以下(好ましくは25KOHmg/g以上120KOHmg/g以下、さらに好ましくは30KOHmg/g以上80KOHmg/g以下)程度とすればよい。
また、ポリオールの分子量は、特に限定されないが、500以上10000以下であることが望ましく、さらには1000以上4000以下であることが望ましい。このような分子量であれば、後述するイソシアネート基を含有する化合物との組み合わせにより、潜熱蓄熱材の漏れを抑制できる架橋構造を得ることができる。
イソシアネート基を含有する化合物としては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネ−ト、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエ−テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシネート、4,4´−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト(XDI)、ω,ω´−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジイソシアネート;
等、及びこれらのイソシアネート基含有化合物をアロハネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等によって誘導体化したもの、及びそれらの混合物、及びこれらのイソシアネート基を含有する化合物と上述した共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
等、及びこれらのイソシアネート基含有化合物をアロハネート化、ビウレット化、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等によって誘導体化したもの、及びそれらの混合物、及びこれらのイソシアネート基を含有する化合物と上述した共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
本発明では、特に、脂肪族ジイソシアネートを用いることが好ましく、特にHMDI及びその誘導体化したもの等が好ましい。
ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を用いる場合は、NCO/OHモル比率で好ましくは0.1以上1.8以下、より好ましくは0.2以上1.5以下、さらに好ましくは0.3以上1.3以下となる範囲内で設定すればよい。
このようなNCO/OHモル比率の範囲内であることにより、蓄熱体の強度を強靭なものとすることができ、潜熱蓄熱材が漏れにくい均一な緻密な架橋構造を得ることができる。
このようなNCO/OHモル比率の範囲内であることにより、蓄熱体の強度を強靭なものとすることができ、潜熱蓄熱材が漏れにくい均一な緻密な架橋構造を得ることができる。
また、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の反応では、反応促進剤として、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ダイマージアミン、ダイマー酸ポリアミドアミン等のアミン類;
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクテート等の錫カルボン酸塩類;
ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸亜鉛等の金属カルボン酸塩類;
ジブチルチンチオカルボキシレート、ジオクチルチンチオカルボキシレート、トリブチルメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカルボキシレート類;
アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物;
等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクテート等の錫カルボン酸塩類;
ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸亜鉛等の金属カルボン酸塩類;
ジブチルチンチオカルボキシレート、ジオクチルチンチオカルボキシレート、トリブチルメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカルボキシレート類;
アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物;
等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
反応促進剤は、ヒドロキシル基を含有する化合物の固形分100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上10重量部以下、より好ましくは0.05重量部以上5重量部以上の比率で混合する。
また、蓄熱体には、潜熱蓄熱材とともに、層状粘土鉱物を混合して用いることが好ましい。
層状粘土鉱物と潜熱蓄熱材を混合することにより、層状粘土鉱物の層間に、潜熱蓄熱材が入り込み、潜熱蓄熱材が層状粘土鉱物の層間に保持されやすい構造となる。
さらに層状粘土鉱物が、有機処理された層状粘土鉱物であることが好ましく、このような場合、潜熱蓄熱材が層状粘土鉱物の層間に入り込みやすく、潜熱蓄熱材が層状粘土鉱物の層間により保持されやすい構造となる。
層状粘土鉱物と潜熱蓄熱材を混合することにより、層状粘土鉱物の層間に、潜熱蓄熱材が入り込み、潜熱蓄熱材が層状粘土鉱物の層間に保持されやすい構造となる。
さらに層状粘土鉱物が、有機処理された層状粘土鉱物であることが好ましく、このような場合、潜熱蓄熱材が層状粘土鉱物の層間に入り込みやすく、潜熱蓄熱材が層状粘土鉱物の層間により保持されやすい構造となる。
このような層状粘土鉱物と潜熱蓄熱材を混合することにより、結果として、潜熱蓄熱材の粘度を上昇させ、蓄熱体内に潜熱蓄熱材が、より安定して担持される。そのため、潜熱蓄熱材が蓄熱体外部へ漏れ出すのを防ぎ、蓄熱性に優れ、加工性、施工性に優れた蓄熱体を得ることができる。
さらに潜熱蓄熱材として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、層状粘土鉱物は、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
さらに潜熱蓄熱材として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、層状粘土鉱物は、有機潜熱蓄熱材とほとんど反応することがなく、有機潜熱蓄熱材の融点やその他の各種物性に影響を与えないため、蓄熱材としての性能を効率よく発揮することができ、相変化温度(融点)の設定が容易であるため、好ましい。
潜熱蓄熱材と層状粘土鉱物混合時の粘度は、0.5Pa・s以上20.0Pa・s以下程度とすればよい。なお、粘度は、温度23℃、相対湿度50%RHで、B型回転粘度計で測定した値である。
また、潜熱蓄熱材と層状粘土鉱物混合時のTI値は、4.0以上9.0以下程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度d(Pa・s:4回転目の指針値))
また、潜熱蓄熱材と層状粘土鉱物混合時のTI値は、4.0以上9.0以下程度とすればよい。なお、TI値は、B型回転粘度計を用い、下記式1により求められる値である。
TI値=η1/η2 (式1)
(但し、η1:2rpmにおける粘度(Pa・s:2回転目の指針値)、η2:20rpmにおける粘度d(Pa・s:4回転目の指針値))
このような粘度、TI値とすることによって、蓄熱体の製造時においては蓄熱体内に潜熱蓄熱材が安定して担持されやすく、かつ、蓄熱体の製造後においては蓄熱体内に潜熱蓄熱材が長期に亘って保持されやすい。そのため、潜熱蓄熱材が蓄熱体外部へ漏れ出すのを防ぎ、より蓄熱性に優れ、より加工性、施工性に優れた蓄熱層を得ることができる。
層状粘土鉱物としては、例えば、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイト、アロフェン、雲母、タルク、ハロイサイト、セピオライト等が挙げられる。また、膨潤性フッ素雲母、膨潤性合成マイカ等も利用できる。
また、有機処理としては、例えば、層状粘土鉱物の層間に存在する陽イオンを長鎖アルキルアンモニウムイオン等でイオン交換(インターカレート)すること等が挙げられる。
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
具体的に、有機処理されたモンモリロナイトとしては、
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
潜熱蓄熱材と層状粘土鉱物の混合比は、潜熱蓄熱材100重量部に対し、層状粘土鉱物を好ましくは0.5重量部以上50重量部以下(より好ましくは1重量部以上30重量部以下、さらに好ましくは3重量部以上15重量部以下)程度とすればよい。
さらに本発明では、潜熱蓄熱材に、熱伝導性物質を混合することもできる。熱伝導性物質を混合することにより、蓄熱体内の熱の移動をスムーズにし、潜熱蓄熱材の熱効率性を向上させ、より優れた蓄熱性能を得ることができる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
熱伝導性物質としては、例えば、銅、鉄、亜鉛、ベリリウム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、モブリデン、タングステン、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の金属およびそれらの合金、あるいはこれらの金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属リン化物等の金属化合物、また、鱗状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、繊維状黒鉛等の黒鉛等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。
熱伝導性物質の熱伝導率としては、1W/(m・K)以上、さらには3W/(m・K)以上、さらには5W/(m・K)以上であることが好ましい。このような熱伝導率を有する熱伝導性物質を混合することにより、より効率よく潜熱蓄熱材の熱効率性を向上させることができる。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1μm以上100μm以下、さらには5μm以上50μm以下であることが好ましい。
また、熱伝導性物質は、微粒子として用いることが好ましく、平均粒子径は、1μm以上100μm以下、さらには5μm以上50μm以下であることが好ましい。
潜熱蓄熱材と熱伝導性物質の混合比は、潜熱蓄熱材100重量部に対し、熱伝導性物質を好ましくは5重量部以上200重量部以下(より好ましくは10重量部以上80重量部以下、さらに好ましくは20重量部以上60重量部以下)程度とすればよい。
蓄熱体の製造は、上記成分を用いて、公知の方法で製造すればよい。
本発明では、蓄熱体製造時に予め潜熱蓄熱材(必要に応じその他の成分)を混合しておき担持する方法が好ましく、このような方法では、蓄熱体から潜熱蓄熱材が漏れることを、よりいっそう防ぐことができ好ましい。
具体的には、潜熱蓄熱材及び樹脂成分を用いる場合では、まず潜熱蓄熱材及び樹脂成分を混合し、次いで樹脂成分を硬化させることにより、潜熱蓄熱材を蓄熱体に担持させることができる。
例えば、潜熱蓄熱材(必要に応じその他の成分)と、樹脂成分としてヒドロキシル基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物を混合し、反応・硬化させて蓄熱体を得る方法、
また、潜熱蓄熱材(必要に応じその他の成分)と、樹脂成分としてヒドロキシル基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物、親水親油バランス(HLB値)が10以上の界面活性剤を混合し、潜熱蓄熱材を樹脂成分中にコロイド状に分散させ、樹脂成分を反応・硬化させて蓄熱体を得る方法、等が挙げられる。
本発明では、親水親油バランス(HLB値)が好ましくは10以上(好ましくは10超20以下、より好ましくは11以上19以下、さらに好ましくは12以上18以下、最も好ましくは13以上17以下)の界面活性剤を混合することにより、樹脂成分中に潜熱蓄熱材をコロイド状に分散させることができ、このような状態で樹脂成分を反応・硬化させることが可能であり、得られた蓄熱体中に、潜熱蓄熱材が微細に粒子状に分散した形態を生み出すことができる。このような形態では、潜熱蓄熱材の固液変化に伴う体積変化により、蓄熱体自体の形状変化を軽減することができ、また、潜熱蓄熱材を担持・保持しやすく、蓄熱体から潜熱蓄熱材が漏れ出すことを軽減することができる。
また、潜熱蓄熱材(必要に応じその他の成分)と、樹脂成分としてヒドロキシル基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物、親水親油バランス(HLB値)が10以上の界面活性剤を混合し、潜熱蓄熱材を樹脂成分中にコロイド状に分散させ、樹脂成分を反応・硬化させて蓄熱体を得る方法、等が挙げられる。
本発明では、親水親油バランス(HLB値)が好ましくは10以上(好ましくは10超20以下、より好ましくは11以上19以下、さらに好ましくは12以上18以下、最も好ましくは13以上17以下)の界面活性剤を混合することにより、樹脂成分中に潜熱蓄熱材をコロイド状に分散させることができ、このような状態で樹脂成分を反応・硬化させることが可能であり、得られた蓄熱体中に、潜熱蓄熱材が微細に粒子状に分散した形態を生み出すことができる。このような形態では、潜熱蓄熱材の固液変化に伴う体積変化により、蓄熱体自体の形状変化を軽減することができ、また、潜熱蓄熱材を担持・保持しやすく、蓄熱体から潜熱蓄熱材が漏れ出すことを軽減することができる。
親水親油バランス(HLB値)が10以上の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
親水親油バランス(HLB値)が10以上の界面活性剤と潜熱蓄熱材の混合比は、潜熱蓄熱材、樹脂成分により適宜設定すればよいが、通常潜熱蓄熱材100重量部に対し、好ましくは0.01重量部から30重量部(より好ましくは0.1重量部から20重量部)程度とすればよい。
なお、親水親油バランス(HLB値)が10以上の界面活性剤を用いて得られる、潜熱蓄熱材のコロイド状、粒子状の粒子径は、好ましくは10μm以上1000μm以下(より好ましくは50μm以上900μm以下、さらに好ましくは100μm以上800μm以下、最も好ましくは200μm以上700μm以下)程度である。
なお、粒子径は、光学顕微鏡(BHT−364M、オリンパス光学工業株式会社製)を用いて測定した値である。
なお、粒子径は、光学顕微鏡(BHT−364M、オリンパス光学工業株式会社製)を用いて測定した値である。
また、反応・硬化温度としては、系内の温度が潜熱蓄熱材の融点以上であることが好ましく、好ましくは20℃以上80℃以下程度である。
また、反応時間は、好ましくは0.2時間以上5時間以下程度とすればよい。
また、反応時間は、好ましくは0.2時間以上5時間以下程度とすればよい。
本発明における蓄熱体は、上記成分の他に、顔料、骨材、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、発泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、滑剤、脱水剤、艶消し剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有することもできる。
本発明蓄熱体の潜熱蓄熱材含有率は、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは65重量%以上である
また、本発明蓄熱体の厚みは、特に限定されないが、1mm以上10mm以下(さらには2mm以上7mm以下)であることが好ましい。このような厚みとすることにより、床暖房として快適な温度領域にて長時間保つことができ、また、発熱体の通電率を下げ、消費電力量を削減することができる。
<床暖房構造体>
本発明の床暖房構造体は、床材、蓄熱体、発熱体とが備えられたものであれば特に限定されないが、床表面側から、床材、蓄熱体、発熱体の順に積層されたもの、または、床材、発熱体、蓄熱体の順に積層されたもの等が挙げられる。本発明では特に、床表面側から、床材、蓄熱体、発熱体の順に積層された床暖房構造体が好ましく、このような構造体の場合、所定の温度領域でより長時間一定に保つことができる。なお、発熱体には初期通電時間、通電率を制御する制御装置が接続されている。
積層方法としては、特に限定されないが、例えば、予め床材、蓄熱体、発熱体からなる床暖房パネルを作製しておき、基材(コンクリート、モルタル等)や既存のフローリングの上に積層する方法、また、基材や既存のフローリングの上に、発熱体、蓄熱体、床材を積層する方法等が挙げられる。なお、積層には、公知の接着剤、接着テープを用いることができる。
本発明の床暖房構造体は、床材、蓄熱体、発熱体とが備えられたものであれば特に限定されないが、床表面側から、床材、蓄熱体、発熱体の順に積層されたもの、または、床材、発熱体、蓄熱体の順に積層されたもの等が挙げられる。本発明では特に、床表面側から、床材、蓄熱体、発熱体の順に積層された床暖房構造体が好ましく、このような構造体の場合、所定の温度領域でより長時間一定に保つことができる。なお、発熱体には初期通電時間、通電率を制御する制御装置が接続されている。
積層方法としては、特に限定されないが、例えば、予め床材、蓄熱体、発熱体からなる床暖房パネルを作製しておき、基材(コンクリート、モルタル等)や既存のフローリングの上に積層する方法、また、基材や既存のフローリングの上に、発熱体、蓄熱体、床材を積層する方法等が挙げられる。なお、積層には、公知の接着剤、接着テープを用いることができる。
本発明の床暖房構造体は、必要に応じ、断熱層や、均熱層、耐熱層等を積層することもできる。
<断熱層>
本発明では特に、断熱層を積層することにより、外部の温度変化を緩和するとともに、発熱体で発熱した熱を外部に逃し難く、効率良く、床面を暖めることができる。
断熱層を積層する箇所としては、基材や既存のフローリングと、本発明構造体との間に積層することが好ましい。
断熱層としては、特に限定されないが、熱伝導率が0.1W/(m・K)未満(より好ましくは0.08W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.05W/(m・K)以下)の断熱性を有するものであることが好ましい。熱伝導率が0.1W/(m・K)未満であることにより、優れた断熱性を有する。
このような断熱層としては、例えば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、あるいはこれらの複合体等が挙げられる。また、市販の断熱層を使用してもよい。
断熱層の厚さは、通常1mm以上30mm以下であることが好ましい。
本発明では特に、断熱層を積層することにより、外部の温度変化を緩和するとともに、発熱体で発熱した熱を外部に逃し難く、効率良く、床面を暖めることができる。
断熱層を積層する箇所としては、基材や既存のフローリングと、本発明構造体との間に積層することが好ましい。
断熱層としては、特に限定されないが、熱伝導率が0.1W/(m・K)未満(より好ましくは0.08W/(m・K)以下、さらに好ましくは0.05W/(m・K)以下)の断熱性を有するものであることが好ましい。熱伝導率が0.1W/(m・K)未満であることにより、優れた断熱性を有する。
このような断熱層としては、例えば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、あるいはこれらの複合体等が挙げられる。また、市販の断熱層を使用してもよい。
断熱層の厚さは、通常1mm以上30mm以下であることが好ましい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にするが、本発明はこの実施例に限定されない。
(蓄熱体)
・蓄熱体1(厚み3mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量75kcal/m2)
下記に示す蓄熱材A78重量部、ポリオールA16重量部、界面活性剤A3重量部を混合し、さらにイソシアネートA4重量部、反応促進剤A0.1重量部を混合攪拌し、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた300mm×180mm×5mmの型枠中に流し込み、脱型して50℃で180分硬化させ、厚さ3mmの蓄熱体1を得た。
・蓄熱体2(厚み3mm、蓄熱潜熱温度26.7℃、蓄熱量53kcal/m2)
蓄熱材Aの代わりに蓄熱材Cを用いた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体2を作製した。
・蓄熱体3(厚み3mm、蓄熱潜熱温度42.2℃、蓄熱量85kcal/m2)
蓄熱材Aの代わりに蓄熱材Dを用いた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体3を作製した。
・蓄熱体4(厚み3mm、蓄熱潜熱温度33.1℃、蓄熱量71kcal/m2)
蓄熱材Aの代わりに蓄熱材Aと蓄熱材B(80:20(重量比))の混合物を用いた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体4を作製した。
・蓄熱体5(厚み0.5mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量13kcal/m2)
厚みを0.5mmに変えた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体5を作製した。
・蓄熱体6(厚み1.5mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量38kcal/m2)
厚みを1.5mmに変えた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体6を作製した。
・蓄熱体7(厚み5mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量118kcal/m2)
厚みを5mmに変えた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体7を作製した。
・蓄熱体8(厚み8mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量180kcal/m2)
厚みを8mmに変えた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体8を作製した。
・蓄熱体1(厚み3mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量75kcal/m2)
下記に示す蓄熱材A78重量部、ポリオールA16重量部、界面活性剤A3重量部を混合し、さらにイソシアネートA4重量部、反応促進剤A0.1重量部を混合攪拌し、50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を敷いた300mm×180mm×5mmの型枠中に流し込み、脱型して50℃で180分硬化させ、厚さ3mmの蓄熱体1を得た。
・蓄熱体2(厚み3mm、蓄熱潜熱温度26.7℃、蓄熱量53kcal/m2)
蓄熱材Aの代わりに蓄熱材Cを用いた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体2を作製した。
・蓄熱体3(厚み3mm、蓄熱潜熱温度42.2℃、蓄熱量85kcal/m2)
蓄熱材Aの代わりに蓄熱材Dを用いた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体3を作製した。
・蓄熱体4(厚み3mm、蓄熱潜熱温度33.1℃、蓄熱量71kcal/m2)
蓄熱材Aの代わりに蓄熱材Aと蓄熱材B(80:20(重量比))の混合物を用いた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体4を作製した。
・蓄熱体5(厚み0.5mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量13kcal/m2)
厚みを0.5mmに変えた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体5を作製した。
・蓄熱体6(厚み1.5mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量38kcal/m2)
厚みを1.5mmに変えた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体6を作製した。
・蓄熱体7(厚み5mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量118kcal/m2)
厚みを5mmに変えた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体7を作製した。
・蓄熱体8(厚み8mm、蓄熱潜熱温度36.5℃、蓄熱量180kcal/m2)
厚みを8mmに変えた以外は、蓄熱体1と同様の方法で蓄熱体8を作製した。
・ポリオールA(無溶剤ポリエステルポリオール:2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオールとアジピン酸の重縮合物、水酸基価60mgKOH/g、分子量2000)
・イソシアネートA(HMDI系ポリイソシアネート(イソシアヌレート型)、NCO%17.0%(固形分100%))
・界面活性剤A(ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(HLB=15.6))
・反応促進剤A:ジブチル錫ジラウレート
・蓄熱材A:ステアリン酸メチル(融点38℃)
・蓄熱材B:パルミチン酸メチル(融点30℃)
・蓄熱材C:n−オクタデカン(融点28℃)
・蓄熱材D:ドデカン酸(融点44℃)
・イソシアネートA(HMDI系ポリイソシアネート(イソシアヌレート型)、NCO%17.0%(固形分100%))
・界面活性剤A(ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(HLB=15.6))
・反応促進剤A:ジブチル錫ジラウレート
・蓄熱材A:ステアリン酸メチル(融点38℃)
・蓄熱材B:パルミチン酸メチル(融点30℃)
・蓄熱材C:n−オクタデカン(融点28℃)
・蓄熱材D:ドデカン酸(融点44℃)
(発熱体)
発熱体1:PTC面状発熱体(厚み:1mm、発熱量240kcal/(m2・h)、最大温度48℃)
発熱体2:PTC面状発熱体(厚み:1mm、発熱量190kcal/(m2・h)、最大温度38℃)
発熱体3:PTC面状発熱体(厚み:1mm、発熱量270kcal/(m2・h)、最大温度55℃)
発熱体1:PTC面状発熱体(厚み:1mm、発熱量240kcal/(m2・h)、最大温度48℃)
発熱体2:PTC面状発熱体(厚み:1mm、発熱量190kcal/(m2・h)、最大温度38℃)
発熱体3:PTC面状発熱体(厚み:1mm、発熱量270kcal/(m2・h)、最大温度55℃)
(床材)
床材1:フローリング材(厚み10mm)
床材1:フローリング材(厚み10mm)
(床暖房性能試験)
上記に示す蓄熱体、発熱体、床材を用いて、表1に示す組み合わせにて、ポリスチレンフォーム(600×600mm、厚さ25mm)の上に、蓄熱体を貼り合わせ、さらにその上に発熱体を重ね合わせ、さらにその上に床材を積層して試験体を得、床暖房構造体を作製したもの(試験例1〜13)、ポリスチレンフォーム(600×600mm、厚さ25mm)の上に、発熱体を重ね合わせ、その上に蓄熱体を貼り合わせ、さらにその上に床材を積層して試験体を得、床暖房構造体を作製したもの(試験例14〜17)を使用し次の試験を行った。
床暖房性能試験では、図1((a):試験例1〜13、(b):試験例14〜17)に示すように、内寸が600×600×600mmとなるように、側面及び上面に厚さ20mmのポリスチレンフォームを設置し、底面には床暖房構造体の床材側が内側となるように設置し、試験体ボックスを作製した。
さらに、発熱体は、予め初期通電時間と通電率が制御できるように制御装置を接続し、床表面には温度計を設置し、発熱体の電源をONにして床暖房を稼動させた。
床暖房性能試験では、試験体ボックスを20℃雰囲気下に設置し、予め設定した初期通電時間、通電率にて稼動させた時の床表面温度を経時で測定し、評価した。結果は表1に示す。
その結果、本発明規定内では、初期通電時間、通電率を制御することで、温度センサーを備えなくても、所定の温度領域で保たれる結果となった。また、初期通電時間、通電率を変化させることにより、床表面温度を希望の温度にコントロールできることがわかった。さらに、通電率30%という低い通電率でも、所定の温度領域で保たれることがわかった。また、試験例1は、試験例10と比べて、同じ初期通電時間、通電率であるにも拘らず、床表面温度はより高い温度で維持することができた。
一方、潜熱蓄熱温度が低い蓄熱体を用いた試験例6は、時間の経過とともに床表面温度が低下し、一定の温度で保つことができなかった。
また、蓄熱量P/発熱量Qが小さい試験例9は、時間の経過とともに床表面温度が低下し、一定の温度で保つことができなかった。
なお、試験例9において、通電率30%から、50%に変えて試験した試験例13では、床表面温度を所定の温度にてある程度一定に保つことができたが、通電率50%と消費電力量がかかる結果となった。
また、蓄熱量P/発熱量Qが本発明の規定より大きい試験例12は、1時間経過後も床表面温度が所定の温度に到達しなかった。
上記に示す蓄熱体、発熱体、床材を用いて、表1に示す組み合わせにて、ポリスチレンフォーム(600×600mm、厚さ25mm)の上に、蓄熱体を貼り合わせ、さらにその上に発熱体を重ね合わせ、さらにその上に床材を積層して試験体を得、床暖房構造体を作製したもの(試験例1〜13)、ポリスチレンフォーム(600×600mm、厚さ25mm)の上に、発熱体を重ね合わせ、その上に蓄熱体を貼り合わせ、さらにその上に床材を積層して試験体を得、床暖房構造体を作製したもの(試験例14〜17)を使用し次の試験を行った。
床暖房性能試験では、図1((a):試験例1〜13、(b):試験例14〜17)に示すように、内寸が600×600×600mmとなるように、側面及び上面に厚さ20mmのポリスチレンフォームを設置し、底面には床暖房構造体の床材側が内側となるように設置し、試験体ボックスを作製した。
さらに、発熱体は、予め初期通電時間と通電率が制御できるように制御装置を接続し、床表面には温度計を設置し、発熱体の電源をONにして床暖房を稼動させた。
床暖房性能試験では、試験体ボックスを20℃雰囲気下に設置し、予め設定した初期通電時間、通電率にて稼動させた時の床表面温度を経時で測定し、評価した。結果は表1に示す。
その結果、本発明規定内では、初期通電時間、通電率を制御することで、温度センサーを備えなくても、所定の温度領域で保たれる結果となった。また、初期通電時間、通電率を変化させることにより、床表面温度を希望の温度にコントロールできることがわかった。さらに、通電率30%という低い通電率でも、所定の温度領域で保たれることがわかった。また、試験例1は、試験例10と比べて、同じ初期通電時間、通電率であるにも拘らず、床表面温度はより高い温度で維持することができた。
一方、潜熱蓄熱温度が低い蓄熱体を用いた試験例6は、時間の経過とともに床表面温度が低下し、一定の温度で保つことができなかった。
また、蓄熱量P/発熱量Qが小さい試験例9は、時間の経過とともに床表面温度が低下し、一定の温度で保つことができなかった。
なお、試験例9において、通電率30%から、50%に変えて試験した試験例13では、床表面温度を所定の温度にてある程度一定に保つことができたが、通電率50%と消費電力量がかかる結果となった。
また、蓄熱量P/発熱量Qが本発明の規定より大きい試験例12は、1時間経過後も床表面温度が所定の温度に到達しなかった。
Claims (2)
- 床材、蓄熱体、発熱体を備えた構造体であって、
該蓄熱体は、潜熱蓄熱材を含有し、潜熱蓄熱温度が30℃以上45℃以下であり、
発熱体の1時間当たりの発熱量Q(kcal/(m2・h))に対する蓄熱体の蓄熱量P(kcal/m2)の比率「蓄熱量P/発熱量Q」が10%以上60%以下であることを特徴とする構造体。 - 蓄熱量P/発熱量Qが、20%以上45%以下であることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
Priority Applications (1)
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JP2014154736A JP2015045496A (ja) | 2013-07-30 | 2014-07-30 | 構造体 |
Applications Claiming Priority (3)
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2014
- 2014-07-30 JP JP2014154736A patent/JP2015045496A/ja active Pending
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