JP3243297B2 - エチレン系共重合体組成物及び肉薄成形物 - Google Patents

エチレン系共重合体組成物及び肉薄成形物

Info

Publication number
JP3243297B2
JP3243297B2 JP27214892A JP27214892A JP3243297B2 JP 3243297 B2 JP3243297 B2 JP 3243297B2 JP 27214892 A JP27214892 A JP 27214892A JP 27214892 A JP27214892 A JP 27214892A JP 3243297 B2 JP3243297 B2 JP 3243297B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
weight
radical polymerizable
copolymer
inorganic filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27214892A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06122790A (ja
Inventor
孝司 長岡
宏孝 田越
克明 堤
伸太郎 稲沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP27214892A priority Critical patent/JP3243297B2/ja
Publication of JPH06122790A publication Critical patent/JPH06122790A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3243297B2 publication Critical patent/JP3243297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なエチレン系共重
合体組成物及び肉薄成形物に関し、詳しくは、ブロッキ
ング性が改善された透明かつ柔軟で高周波シール性に優
れた肉薄成形物用材料及びこれを用いた肉薄成形物に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
らポリオレフィン系の柔軟材料の1つとして、エチレン
−アルキル(メタ)アクリレート共重合体,エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合体が広く使用
されている。このエチレン系共重合体は、共重合モノマ
ーの共重合率を高くすることによって、柔軟性、透明性
及び高周波シール性等の優れた物性を発現させることが
できるが、一方では、本来的に樹脂成形物同士がブロッ
キングしやすいという欠点を有することが知られてい
る。すなわちブロッキング性は、シートあるいはフィル
ム等の肉薄成形物を成形し巻取られた状態の原反を剥離
困難にするもので、成形から2次加工あるいは連続印刷
等の各作業を行なう際に著しい障害となるばかりでな
く、加工製品を使用する際にもフィルム製袋の開封性が
悪い、シート成形品が互着するなどの不都合を生じさせ
る。
【0003】このようなブロッキングを防止する方法と
しては、シリカ,タルク等の無機フィラーを少量添加し
成形物表面を粗す方法、又は成形物にポリエチレンワッ
クス,コーンスターチ,炭酸カルシウム等の粉体を振り
かける方法等が知られている。しかしながら、ブロッキ
ング防止剤としてシリカを添加した場合には、樹脂が持
つ透明性を損なうという問題があった。また、ポリエチ
レンワックス,コーンスターチ,炭酸カルシウム等の粉
体を振りかけた場合には、その振りかけ工程において粉
塵等により作業環境が悪くなる上に、長時間の使用にお
いては、粉末が取り除かれブロッキング防止効果が減衰
するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、
エチレンと一定のコモノマーを重合させて得たエチレン
系共重合体に、一定の光学的特性を有する無機フィラー
を添加した場合に、耐ブロッキング性と透明性のバラン
スに優れ、かつ柔軟性及び高周波シール性の点でも良好
な組成物が得られることを見いだした。本発明は、かか
る知見に基づいて完成したものである。すなわち本発明
は、(A)エチレン,(B)ラジカル重合性の酸無水
物,及び(C)ラジカル重合性の酸無水物以外のラジカ
ル重合性コモノマーからなる共重合体であって、共重合
体の全重量に基づいて、ラジカル重合性の酸無水物に由
来する単位の割合が0.1〜5重量%、及びラジカル重合
性の酸無水物以外のラジカル重合性コモノマーに由来す
る単位の割合が10〜50重量%であるエチレン系共重
合体100重量部に対して、(D)Mg ,Al ,Ca 及
びSi の少なくとも一種の元素を含み、前記のエチレン
系共重合体との屈折率の差(絶対値)が0.02未満であ
る無機フィラーを0.1〜10重量部含有してなることを
特徴とするエチレン系共重合体組成物を提供する。また
本発明は、上記のエチレン系共重合体組成物からなる肉
薄成形物をも提供する。
【0005】本発明で用いられるエチレン系共重合体と
は、(A)エチレン,(B)ラジカル重合性の酸無水
物,及び(C)前記(B)成分以外のラジカル重合性コ
モノマーからなる多元共重合体である。ここで(B)成
分であるラジカル重合性の酸無水物とは、分子中にラジ
カル重合可能な不飽和結合と酸無水物基を各々1個以上
有し、重合により酸無水物基を分子内に導入できるよう
な化合物をいう。そのような化合物としては様々なもの
を用いることができるが、無水マレイン酸;無水イタコ
ン酸;無水エンディック酸;無水シトラコン酸;1−ブ
テン−3,4−ジカルボン酸無水物;炭素数が18以下
でかつ末端に二重結合を有するアルケニル基で置換され
た無水コハク酸;炭素数が18以下でかつ末端に二重結
合を有するアルカジエニル基で置換された無水コハク酸
等を挙げることができる。これらは、2種類以上同時に
用いても差し支えない。このうち特に好ましいのは、無
水マレイン酸,無水イタコン酸である。
【0006】(C)成分であるラジカル重合性コモノマ
ーとしては、(B)成分であるラジカル重合性の酸無水
物以外のものであれば、様々な化合物を用いることがで
きる。そのような化合物としては、例えばエチレン系不
飽和エステル化合物,エチレン系不飽和アミド化合物,
エチレン系不飽和酸化合物,エチレン系不飽和エーテル
化合物及びエチレン系不飽和炭化水素化合物等を挙げる
ことができる。これらを具体的に記せば、エチレン系不
飽和エステル化合物としては、酢酸ビニル;(メタ)ア
クリル酸メチル;メタアクリル酸エチル;(メタ)アク
リル酸プロピル;(メタ)アクリル酸ブチル;(メタ)
アクリル酸ヘキシル;(メタ)アクリル酸オクチル;
(メタ)アクリル酸ラウリル;(メタ)アクリル酸ベン
ジル等を例示することができる。エチレン系不飽和アミ
ド化合物としては、(メタ)アクリルアミド;N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド;N−エチル(メタ)アクリ
ルアミド;N−プロピル(メタ)アクリルアミド;N−
ブチル(メタ)アクリルアミド;N−ヘキシル(メタ)
アクリルアミド;N−オクチル(メタ)アクリルアミ
ド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド;N,N
−ジエチル(メタ)アクリルアミド等を例示することが
できる。エチレン系不飽和酸化合物としては(メタ)ア
クリル酸を例示することができる。エチレン系不飽和エ
ーテル化合物としてはメチルビニルエーテル;エチルビ
ニルエーテル;プロピルビニルエーテル;ブチルビニル
エーテル;オクタデシルビニルエーテル;フェニルビニ
ルエーテル等を例示することができる。エチレン系不飽
和炭化水素化合物及びその他の化合物としてはスチレ
ン;α−メチルスチレン;アクリロニトリル;メタクリ
ロニトリル;アクロレイン;トリメトキシビニルシラ
ン;トリエトキシビニルシラン;塩化ビニル;塩化ビニ
リデン等を例示することができる。このうち好ましいも
のは、(メタ)アクリル酸エステル類,(メタ)アクリ
ル酸であり、特に好ましいものは、(メタ)アクリル酸
エステル類である。なお必要に応じて、これらのコモノ
マーを2種類以上同時に用いても差し支えない。
【0007】上記のエチレン系共重合体中の、(B)ラ
ジカル重合性の酸無水物に由来する単位の割合は、この
共重合体の全重量に基づいて、0.1〜5重量%の範囲に
あることが必要である。この割合が0.1重量%未満で
は、エチレン系共重合体と無機フィラーとの親和性が不
足し、透明性が良好なフィルムやシート等の肉薄成形物
を製造することができない。一方、この割合が5重量%
を超えると、経済性や成形性の低下を招いて商業的生産
が困難となり、実用上意味がない。また上記のエチレン
系共重合体中の、(C)前記(B)成分以外のラジカル
重合性コモノマーに由来する単位の割合は、この共重合
体の全重量に基づいて、10〜50重量%の範囲にある
ことが必要である。この割合が10重量%未満では、フ
ィルムやシート等の成形物の十分な柔軟性あるいは透明
性が得られない上に、高周波シール性が不足する。一
方、この割合が50重量%を超えると、得られた本発明
の組成物の取扱いが困難となる上に、製品の強度が低下
する。
【0008】上記のエチレン系共重合体の製造方法につ
いて特に制限はなく、従来からラジカル重合反応に用い
られている各種の方法を適用することができる。そのよ
うな製造方法としては例えば、通常の低密度ポリエチレ
ンの製造設備及び技術を利用した方法を挙げることがで
きる。一般的には塊状重合であり、圧力は700〜30
00気圧、好ましくは1000〜2500気圧の条件下
で、また平均重合温度は100〜300℃、好ましくは
150〜270℃の条件下で製造される。ここで、70
0気圧未満では重合体の分子量が低くなり、成形性、組
成物の樹脂物性が悪化することがある。一方、3000
気圧を超えると実質的に無意味であり、製造コストを高
めるだけで好ましくない。また、平均重合温度が100
℃未満では重合反応が安定せず、共重合体への転化率が
低下し、経済的な問題を生じやすい。一方、300℃を
超えると共重合体の分子量の低下や暴走反応を起こす場
合がある。製造する装置としてはベッセル型の反応器を
使用することが望ましい。特にラジカル重合性の酸無水
物は重合安定性が乏しいため、高度の反応器内の均一化
が必要である。また必要に応じて複数個の反応器を直列
又は並列に接続し多段重合を行なうことも可能である。
さらに反応器の内部を複数のゾーンに仕切ることによ
り、より緻密な温度コントロールを行なうことも可能で
ある。
【0009】上記のエチレン系共重合体の製造は、少な
くとも1種のフリーラジカル開始剤の存在下で行なわれ
る。このようなフリーラジカル開始剤としては種々のも
のを用いることができるが、例えば、酸素;ジ−t−ブ
チルパーオキシド,t−ブチルクミルパーオキシド,ジ
クミルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;アセ
チルパーオキシド,i−ブチリルパーオキシド,オクタ
ノイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;ジ−i
−プロピルパーオキシカーボネート,ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネ
ート;t−ブチルパーオキシピバレート,t−ブチルパ
ーオキシラウレート等のパーオキシエステル;メチルエ
チルケトンパーオキシド,シクロヘキサノンパーオキシ
ド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス−t−ブチル
パーオキシシクロヘキサン,2,2−ビス−t−ブチル
パーオキシオクタン等のパーオキシケタール;t−ブチ
ルヒドロパーオキシド,クメンヒドロパーオキシド等の
ヒドロパーオキシド;2,2−アゾ−i−ブチロニトリ
ル等のアゾ化合物などを挙げることができる。
【0010】また重合にあたって、分子量調節剤として
種々の連鎖移動剤を用いることもできる。このような連
鎖移動剤としては、例えばプロピレン,ブテン,ヘキセ
ン等のオレフィン類,エタン,プロパン,ブタン等のパ
ラフィン類,アセトン,メチルエチルケトン,酢酸メチ
ル等のカルボニル化合物,トルエン,キシレン,エチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素などを挙げることができ
る。なお本発明においては、このようにして得られたエ
チレン系共重合体を、2種類以上同時に用いても差し支
えない。
【0011】本発明の(D)成分として用いられる無機
フィラーは、Mg ,Al ,Ca 及びSi のうち少なくと
も1種を含む無機化合物である。この(D)成分は、い
わゆるブロッキング防止剤である。代表例としては、水
酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム,水酸化カルシ
ウム等の金属水酸化物、合成珪酸アルミニウム,珪酸マ
グネシウム,合成珪酸カルシウム等の珪酸塩類、酸化ア
ルミニウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛等の金属酸化
物、塩基性炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム等の炭酸
塩類、カオリンクレー,セリサイト,ロウ石クレー,ド
ロマイト粉,マイカ,ベントナイト,焼成クレー,群青
等の天然珪酸アルミニウム粉砕品等を挙げることができ
る。このうち好ましいものは、合成珪酸アルミニウム,
珪酸マグネシウム,合成珪酸カルシウムであり、特に好
ましいものは、合成珪酸アルミニウムである。合成珪酸
アルミニウムとしては、含水珪酸アルミニウム、焼成珪
酸アルミニウム等が使用できる。含水珪酸アルミニウム
としては、通常灼熱減量が10〜20重量%でAl2
3 ,SiO2 以外の成分としてナトリウム,カルシウ
ム,マグネシウム等の酸化物が17重量%以下のものが
用いられる。焼成珪酸アルミニウムとしては、通常灼熱
減量が5重量%以下で、Al2 3 ,SiO2以外の成
分としてナトリウム,カルシウム,マグネシウム等の酸
化物が17重量%以下のものが用いられる。また、上記
無機フィラーを2種類以上併用しても差し支えない。
(D)成分である無機フィラーの屈折率nD fは、前記
エチレン系共重合体の屈折率nD cとの差(絶対値)
が、0.02未満(nD c−0.02<nD f<nDc+0.
02)の範囲にあることが必要である。このうち好適な
のは、上記の屈折率の差が0.015未満の範囲であり、
特に好適なのは、0.005未満の範囲である。無機フィ
ラーの屈折率がこの範囲を外れると透明性が著しく損な
われる。上記の無機フィラーの粒径は、特に制限を受け
ないが、成形物表面の光学的性質を低下させず微細な凹
凸を形成するために、0.5〜10μm程度のものを用い
るのが好ましい。また粒子形状についても特に制限を受
けることなく、球形、不定形、立方体、直方体、針状等
あらゆる形状のものが使用できるが、特に好ましいの
は、球形である。なお、これらの無機フィラーは、2種
類以上の平均粒径のものや粒子形状のものを同時に併用
しても差し支えない。(D)成分である無機フィラーの
配合量は、エチレン系共重合体100重量部に対して0.
1〜10重量部、好ましくは0.3〜3重量部、さらに好
ましくは0.7〜2.5重量部の範囲にあることが必要であ
る。この配合量が0.1重量部未満では、ブロッキング防
止効果が低く、一方、10重量部を超えると成形物の外
観や光学的特性が低下する。
【0012】本発明のエチレン系共重合体組成物は、上
記の(A)成分,(B)成分及び(C)成分からなるエ
チレン系共重合体と(D)成分である無機フィラーを、
従来から知られている方法で混合することによって得る
ことができる。その具体的方法として例えば、一般に用
いられる加圧ニーダー,バンバリーミキサー,スタティ
ックミキサー,スクリュー式押出機等を用いて、溶融状
態で混合する方法を挙げることができる。また、上記の
組成物を成形する際に、各成分を溶融混合することも可
能である。すなわち、(A)成分,(B)成分及び
(C)成分からなるエチレン系共重合体の樹脂ペレット
又は粉体と、(D)成分である無機フィラーの粉体又は
この無機フィラーを高濃度に含有した樹脂(マスターバ
ッチ)を混合(ドライブレンド)し、成形機内で溶融混
練しながら肉薄成形物を製造することが可能である。
【0013】さらに本発明の組成物には、本発明の特徴
を損なわない範囲で各種の添加剤を配合することができ
る。そのような配合剤としては、滑剤(スリップ剤),
帯電防止剤,紫外線吸収剤,酸化防止剤,防曇剤,難燃
剤,ガラスフィラー等の無機充填剤,有機充填剤,補強
剤,染料,発泡剤,香料等を挙げることができる。特
に、スリップ剤を併用すると効果的にブロッキングを防
止することができる。なお、これらの添加剤は、(D)
成分である無機フィラーと同時に、又は異なる段階で配
合することができ、前記したエチレン系共重合体の重合
段階で配合することもできる。
【0014】本発明の肉薄成形物は、このようにして得
られたエチレン系共重合体組成物を従来から知られてい
る方法で成形することによって得ることができる。その
ような成形方法としては例えば、(共)押出成形法,射
出成形法,熱プレス成形法等を挙げることができる。成
形する際の成形温度は、通常のエチレン系共重合体を成
形する温度条件、すなわち100〜200℃の範囲とす
ることができる。本発明の肉薄成形物の厚みは、製品の
使用形態に応じて自由に選択できるが、一般的にはフィ
ルムでは0.01〜0.15mm、シートでは0.15〜2m
mとするのが好ましい。また本発明の肉薄成形物、特に
シートの場合はその表面は、成形時又は成形後にマット
ロール加工,エンボス加工等を施すことにより、表面を
粗面化したり立体的な模様を付したりすることができ
る。
【0015】さらに本発明の肉薄成形物は、必要に応じ
て種々の基材と積層することができる。ここで基材の種
類、状態、形状等は、特に制限を受けるものではない
が、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチ
レン,ポリエステル,ポリカーボネート,ナイロン,エ
チレン−ビニルアルコール共重合体,ポリ塩化ビニリデ
ン等の熱可塑性樹脂のシート又はフィルム,フェノール
樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬
化性樹脂のシート又はフィルム,鉄,アルミニウム等の
金属箔,ケント紙,コート紙等の紙,発泡ポリプロピレ
ン,発泡ポリエチレン,発泡ポリウレタン,ポリスチレ
ンフォーム等の発泡シート,レジンボード,レジンフェ
ルト,ガラス入りフェノール樹脂板,ガラス強化ポリプ
ロピレン板,ブラスチック製段ボール,紙製段ボール,
ポリプロピレンハニカム,木製合板等の木材,石膏ボー
ド,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステル,ナ
イロン等の熱可塑性樹脂を用いた不織布,木綿不織布等
を挙げることができる。積層方法についても特に制限を
うけることなく、従来から知られている方法を適用する
ことができる。そのような積層方法としては、例えば、
共押出成形法,押出ラミネート法,接着剤や感熱接着樹
脂フィルムを用いる接合方法等を挙げることができる。
【0016】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定され
るものではない。なお、肉薄成形物の透明性、ブロッキ
ング強度、柔軟性、高周波シール性、シート外観、及び
色相は、下記の方法にて評価した。 透明性:ヘイズ(曇り価、%)をJIS−K7105
の方法により測定した。 ブロッキング強度(g/100cm2 ):ブロッキン
グしている2枚のシートを地面に水平な2枚の板に貼合
わせて引っ張り試験器上下に剥す際の強度を測定した。 柔軟性:スティフネス(g/cm2 )をASTM D
747の方法で評価した。 高周波シール性:シール圧力2kg/cm2 ,電流値
0.35Amp,シール時間2秒の条件でシールを行う。
この場合、シール強度が1.5kg/15mm巾以上であ
るものが好ましい。 シート外観,色相:肉眼によって評価した。この場
合、透明性がよく、シート表面のザラツキがなく、フィ
ラーの分散状態等が良いものが実用上好ましい。
【0017】実施例1 エチレン系共重合体として、エチレン−メチルアクリレ
ート−無水マレイン酸3元共重合体を使用した。共重合
体は、高圧法低密度ポリエチレンプラント設備を使用
し、重合温度240℃、重合圧力1900Kg/cm2
の条件で製造した。この共重合体のMFR(JIS−K
7210,190℃,荷重2.16Kg。以下MFRは、
すべてこの条件で測定した。)は、10g/10分、メ
チルアクリレートに由来する単位の含量は16重量%、
無水マレイン酸に由来する単位の含有量は2.5重量%で
あった。なお、エチレン以外の組成は赤外吸収スペクト
ルにより決定した。また、得られたエチレン系共重合体
の屈折率は、1.499であった。このエチレン系共重合
体にアンチブロッキング剤として第1表に示すものを所
定量ドライブレンドした後、37mm径の同方向2軸押
出機で170℃で溶融混練し樹脂組成物のペレットを得
た。次に、この樹脂組成物を90mm径の押出機を有す
るTダイ成形機(ダイ幅=1350mm,ダイリップ幅
=2mm)で、成形温度150℃で200μmの厚みの
シートを成形した。得られたシートの評価結果を第2表
に示す。第2表から屈折率の差の絶対値が0.02未満の
無機フィラーとエチレン系共重合体を組み合わせたシー
トは、透明性とブロッキング防止効果が共に優れること
がわかる。また、外観、高周波シール性、柔軟性が良好
であった。
【0018】実施例2〜6 エチレン系共重合体として、第1表に示す配合量からな
るエチレン−メチルアクリレート−無水マレイン酸3元
共重合体を用い、第1表に示す無機フィラーを使用し、
実施例1と同様の方法でシートを成形し評価した。結果
を第2表に示す。実施例1と同様に良好な結果が得られ
た。
【0019】実施例7 エチレン系共重合体としてメチルメタアクリレートの含
有量が15重量%、無水マレイン酸の含有量が2.5重量
%、MFR(190℃)=15g/10分、屈折率=1.
509のエチレン−メチルメタアクリレート−無水マレ
イン酸を用い、第1表に示す無機フィラーを使用し、実
施例1と同様の方法でシートを成形し評価した。結果を
第2表に示す。実施例1と同様に良好な結果が得られ
た。
【0020】実施例8 エチレン系共重合体としてブチルアクリレート含量が1
8重量%、無水マレイン酸含量が1.3重量%、MFR
(190℃)=7.0g/10分、屈折率=1.493のエ
チレン−ブチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体
を用い、第1表に示す無機フィラーを使用し、実施例1
と同様の方法でシートを成形し評価した。結果を第2表
に示す。実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0021】実施例9 エチレン系共重合体として、メチルアクリレート含量が
18重量%、無水イタコン酸含量が1.5重量%、MFR
(190℃)=8.0g/10分、屈折率=1.492のエ
チレン−メチルアクリレート−無水イタコン酸共重合体
を用い、第1表に示す無機フィラーを使用し、実施例1
と同様の方法でシートを成形し評価した。結果を第2表
に示す。実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0022】比較例1〜5 第1表に示す無機フィラーを使用し、実施例1と同じエ
チレン系共重合体を使用し、実施例1と同様の方法でシ
ートを成形し評価した。結果を第2表に示す。第2表か
ら明らかなように、屈折率の差の絶対値が0.02以上の
無機フィラーとエチレン系共重合体の組合せでは、ブロ
ッキング防止効果、外観、高周波シール性、柔軟性が得
られても透明性が発現しない。
【0023】比較例6 第1表に示す無機フィラーを使用し、実施例1と同じエ
チレン系共重合体を使用し、実施例1と同様の方法でシ
ートを成形し評価した。結果を第2表に示す。第2表か
ら明らかなように、屈折率の差の絶対値が0.02未満の
無機フィラーとエチレン系共重合体の組合せであって
も、無機フィラーの添加量が0.1重量部未満であると充
分なブロッキング防止効果が得られない。
【0024】比較例7 第1表に示す無機フィラーを使用し、実施例1と同じエ
チレン系共重合体を使用し、実施例1と同様の方法でシ
ートを成形し評価した。結果を第2表に示す。第2表か
ら明らかなように、屈折率の差の絶対値が0.02未満の
無機フィラーとエチレン系共重合体の組合せであって
も、無機フィラーの添加量が10重量部を超えると良好
な透明性が得られない上に、シートの外観が悪化する。
【0025】比較例8 エチレン系共重合体としてメチルメタアクリレートの含
有量が8重量%、無水マレイン酸の含有量が2.5重量
%、MFR(190℃)=8g/10分、屈折率=1.5
05のエチレン−メチルメタアクリレート−無水マレイ
ン酸を用い、第1表に示す無機フィラーを使用し実施例
1と同様の方法でシートを成形し評価した。結果を第2
表に示す。第2表から明らかなように、メチルメタアク
リレートの重合率が10重量%未満であると良好な高周
波シール性が得られない。
【0026】比較例9 エチレン系共重合体のかわりにメチルアクリレートの含
有量が18重量%、MFR(190℃)=7g/10
分、屈折率=1.493のエチレン−メチルメタアクリレ
ートを用い、第1表に示す無機フィラーを使用し実施例
1と同様の方法でシート評価した。結果を第2表に示
す。第2表から明らかなように、ラジカル重合性酸無水
物を含有していない場合は無機フィラーの分散性が不十
分であり、良好な透明性が発現されない。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の組成物及び肉薄
成形物は、エチレン系共重合体が従来獲得していた透明
性、柔軟性、及び高周波シール性を損なうことなく耐ブ
ロッキング性を向上させたものであって、肉薄成形物の
2次加工における作業性の改善や加工製品の性能を改善
することができる。従って、例えば包装用フィルム,積
層用フィルム,デスクマット,テーブルカバー,手帳カ
バー,自動車,車両,船舶等の内装用表皮材料等用シー
トとして好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲沢 伸太郎 大分県大分市大字中ノ洲2番地 昭和電 工株式会社大分研究所内 (56)参考文献 特開 平6−80838(JP,A) 昭和電工株式会社商品カタログ「接着 性樹脂 アドテックス」 「プラスチックフィルム・レジン材料 総覧」1993年 136−137頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08K 3/00 - 13/08 C08J 5/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン、(B)ラジカル重合性
    の酸無水物、及び(C)ラジカル重合性の酸無水物以外
    のラジカル重合性コモノマー(エチルアクリレートを除
    く)からなる共重合体であって、共重合体の全重量に基
    づいて、ラジカル重合性の酸無水物に由来する単位の割
    合が0.1〜5重量%、及びラジカル重合性の酸無水物
    以外のラジカル重合性コモノマーに由来する単位の割合
    が10〜50重量%であるエチレン系共重合体100重
    量部に対して、(D)Mg,Al,Ca及びSiの少な
    くとも一種の元素を含み、前記のエチレン系共重合体と
    の屈折率の差(絶対値)が0.02未満である無機フィ
    ラーを0.1〜10重量部含有してなることを特徴とす
    るエチレン系共重合体組成物。
  2. 【請求項2】 (D)成分である無機フィラーが珪酸ア
    ルミニウムである請求項1記載のエチレン系共重合体組
    成物。
  3. 【請求項3】 (D)成分である無機フィラーが球形で
    ある請求項1記載のエチレン系共重合体組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分であるラジカル重合性の酸無
    水物が無水マレイン酸であり、かつ(C)成分であるラ
    ジカル重合性の酸無水物以外のラジカル重合性コモノマ
    ーがアクリル酸エステル類及び/又はメタアクリル酸エ
    ステル類である請求項1記載のエチレン系共重合体組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載のエチレン
    系共重合体組成物からなる肉薄成形物。
JP27214892A 1992-10-12 1992-10-12 エチレン系共重合体組成物及び肉薄成形物 Expired - Fee Related JP3243297B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27214892A JP3243297B2 (ja) 1992-10-12 1992-10-12 エチレン系共重合体組成物及び肉薄成形物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27214892A JP3243297B2 (ja) 1992-10-12 1992-10-12 エチレン系共重合体組成物及び肉薄成形物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06122790A JPH06122790A (ja) 1994-05-06
JP3243297B2 true JP3243297B2 (ja) 2002-01-07

Family

ID=17509759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27214892A Expired - Fee Related JP3243297B2 (ja) 1992-10-12 1992-10-12 エチレン系共重合体組成物及び肉薄成形物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3243297B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5527386A (en) * 1993-10-28 1996-06-18 Manfred R. Kuehnle Composite media with selectable radiation-transmission properties

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「プラスチックフィルム・レジン材料総覧」1993年 136−137頁
昭和電工株式会社商品カタログ「接着性樹脂 アドテックス」

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06122790A (ja) 1994-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0168805B1 (en) Novel multi-layer articles
JPS59135142A (ja) セルロ−ス質充填剤を充填したエチレン共重合体から製造した木材類似製品
EP0657502A1 (en) Thermoplastic composition containing compatibilizer
US20120219813A1 (en) Films Containing Blends of Polyolefins and Polyolefin/Polystyrene Interpolymer Particles
JP3264379B2 (ja) 自動車内装用材料
JP3243297B2 (ja) エチレン系共重合体組成物及び肉薄成形物
US5296554A (en) Adhesive resin composition
JPH07258478A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JP2003113266A (ja) 発泡用樹脂組成物及び発泡体
KR100598240B1 (ko) 폴리올레핀계 열접착성 수지조성물
JP2921178B2 (ja) 変性プロピレン重合体組成物、それを用いる成形材料、及びフィルムもしくはシート
WO2000012620A1 (fr) Composition de resine et objet moule avec cette resine
JPS62177047A (ja) 樹脂組成物
JP3095278B2 (ja) 積層材料
JP3086327B2 (ja) 積層体及びその製造方法
JP3207557B2 (ja) 積層体
JPH04246446A (ja) 接着性樹脂組成物
JP3170370B2 (ja) 内装用材料
JP3262653B2 (ja) 高周波シールが可能な積層体及びその製造方法
JP3404114B2 (ja) 帯電防止性樹脂組成物及び肉薄成形体
JPH06182922A (ja) 積層体
KR840001975B1 (ko) 소음제거판 제조에 유용한 조성물
JP3280093B2 (ja) 樹脂組成物
JPS6131445A (ja) 樹脂組成物
JP3128171B2 (ja) 自動車ドア内装材用積層体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071019

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091019

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees