JP2921178B2 - 変性プロピレン重合体組成物、それを用いる成形材料、及びフィルムもしくはシート - Google Patents

変性プロピレン重合体組成物、それを用いる成形材料、及びフィルムもしくはシート

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JP2921178B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷性、透明性、塗装
性に優れた変性プロピレン系重合体組成物、それを用い
た成形材料及びフィルムもしくはシートに関する。
【0002】
【従来技術】ポリプロピレンは、低コストで機械的強
度、耐熱性、耐油性等に優れ且つ透明性等の外観にも優
れるため各種成形法によりフィルム、繊維、成形品など
広範囲な用途に使用されている。しかしながらポリプロ
ピレンは分子構造中に極性基または反応性のある活性基
を有せずまた溶剤に対しての腐食性が乏しいため印刷
性、接着性、塗装性などの二次加工に関しては問題の多
い樹脂である。そのため印刷等の二次加工を施すために
ポリプロピレン成形品の表面に種々の表面処理を施す手
法や他の高分子物質を添加する手法により、インキ等に
対してポリプロピレン成形品の表面の親和性を向上させ
る試みがなされている。代表的な表面処理方法として例
えばコロナ放電処理(例えば特開昭53‐71182号
公報)があるが得られたシートの表面活性の持続性が十
分でなく、使用されるインキも限定される欠点がある。
また下塗用プライマーを用いる手法はプライマーが高価
である点、工程が増える等の欠点がありコストアップ、
生産管理、品質管理面で問題がある。またプロピレン系
樹脂に他の高分子物質を添加する方法としては例えば、
溶剤腐食性のあるポリスチレン等を混合添加する方法
(例えば特公平1−24409号公報)、カルボン酸変
性ポリオレフィンもしくはエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物の様な極性基を含有する樹脂を添加する方法
(例えば特開昭63‐337号公報)、ポリプロピレン
に無機物を添加して印刷性を向上させる方法(例えば特
開昭63‐43938号公報)、またポリプロピレンに
カルボン酸基を導入しポリプロピレン樹脂自身を改質す
る方法(例えば特公昭51‐10264号公報)等によ
り印刷性を改良する試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら溶剤腐食
性のあるポリスチレンをブレンドする事によりポリプロ
ピレンの印刷性を向上させる方法は、ポリプロピレンと
スチレンは相互に非相溶であり上記の方法では分散が不
十分となり層分離をおこし食品容器・包装材用途にとっ
て必要とされる透明性はもとより得られた成形品の剛
性、耐衝撃性などの機械的性質は不満足な物となり実用
性に問題がある。またポリプロピレンにカルボン酸基の
みの導入で印刷性を向上させるには限界がある。プロピ
レン系樹脂に極性基含有樹脂を添加する方法は、極性基
を増やすと非極性のポリマーであるプロピレン系樹脂と
の相溶性が低下し成形品の物性が低下する。特に透明性
が低下し不透明になると透明性の要求される食品容器や
文具品などには使用できない。更に成形品が層剥離する
場合もある。従って極性基の導入量が物性の低下しない
範囲というように上限があるため印刷性の改良効果に限
界があり要求を満足させるまでに至っていない。また無
機物を添加する方法は、透明性を必要とする用途には使
用できない欠点がある。
【0004】上述の様に従来方法では印刷性、透明性等
のポリマー性能上満足できるものはなかった。そこでポ
リプロピレンの透明性、機械的強度、耐熱性、耐油性等
の特性を失う事無く印刷性、接着性、塗装性に優れたポ
リプロピレンが得られれば、従来の煩雑な工程を簡略化
でき生産効率を大きく向上できると期待できる。
【0005】本発明者らは、上述の従来法の欠点を解決
すべく鋭意研究を重ねた結果、溶融状態のプロピレン系
重合体の存在下、芳香族ビニル単量体および極性官能基
含有ビニル単量体を溶融混練重合することにより印刷性
および透明性に優れたグラフト重合体が得られる事を見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、無定形
のエチレン−プロピレン共重合体を含まない粉末状プロ
ピレン系重合体に、50重量%以下の芳香族ビニル単量
体および20重量%以下の極性官能基含有ビニル単量体
を、芳香族ビニル単量体が極性官能基含有ビニル単量体
の少なくとも同モル量以上で予備混合し、ラジカル開始
剤の存在下に溶融混練重合反応して得られることを特徴
とする変性プロピレン系重合体組成物、好ましくは芳香
族ビニル単量体の添加量が、プロピレン系重合体の5〜
35重量%、極性官能基含有ビニル単量体の添加量が、
プロピレン系重合体の0.1〜10重量%であること、
好ましくは溶融混練重合反応する極性官能基含有ビニル
単量体が、エポキシ基含有ビニル単量体あるいは水酸基
含有ビニル単量体であること、この印刷性、透明性に優
れる該組成物を用いた成形材料、フィルム、シートを提
供するものである。
【0007】本発明を詳しく説明する。
【0008】 (構成) 本発明のプロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体
およびプロピレンを主体とする他のオレフィンまたはエ
チレン性ビニル単量体との共重合体(何れもプロピレン
75重量%以上の共重合体)であり、具体的にはアイソ
タクチックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重
合体、プロピレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸変
性ポリプロピレン等がある。これらのプロピレン系重合
体を混合して使用することもできるが、無定形のエチレ
ン−プロピレン共重合体は含まない。また、本発明の
ロピレン系重合体の性質を損なわない範囲で他の重合体
を使用することもできる。
【0009】芳香族ビニル単量体としては、例えば、ス
チレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシ
レン、エチルビニルベンゼン、イソプロピルスチレン、
クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン等
が挙げられ、単独または混合して用いられる。
【0010】更に、芳香族ビニル単量体と併用される極
性官能基含有ビニル単量体としては、共重合可能なエポ
キシ基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、カ
ルボン酸基含有ビニル単量体、アミノ基含有ビニル単量
体、アミド含有ビニル単量体、ニトリル含有ビニル単量
体等が挙げられる。好ましくは、エポキシ基含有ビニル
単量体あるいは水酸基含有ビニル単量体である。
【0011】エポキシ基含有ビニル単量体としては、例
えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジ
ルエーテル等が挙げられ単独または混合して用いられ
る。特にグリシジルメタクリレートが好ましい。
【0012】水酸基含有ビニル単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2
−ヒドロキシブチルメタクリレート等が挙げられ単独ま
たは混合して用いられる。
【0013】カルボン酸基含有ビニル単量体とは、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸等及びそれらのアルキルエステルが挙げら、これ
らの単独または混合物を適用して用いられる。
【0014】アミノ基含有ビニル単量体としては、例え
ば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート等が挙げられ単独または混合
して用いられる。
【0015】アミド基含有ビニル単量体としては、例え
ば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロー
ルアミド、N−エチルアクリルアミド等が挙げられ単独
または混合して用いられる。
【0016】ニトリル含有ビニル単量体としては、アク
リロニトリル、フマロニトリル等が挙げられ単独または
混合して用いられる。該芳香族ビニル単量体の添加量
は、プロピレン系重合体の50重量%以下好ましくは5
〜35重量%である。50重量%を越えるとポリプロピ
レンの性能が損なわれ好ましくない。
【0017】また、極性官能基含有ビニル単量体の添加
量は、プロピレン系重合体の20重量%以下、好ましく
は0.1〜10重量%である。20重量%を越えると
成物の網状化等が起こる場合があり好ましくない。
た、芳香族ビニル単量体は、変性プロピレン系重合体の
低分子量化を防止する効果および印刷性改良効果の双方
を有するため、官能基含有ビニル単量体の添加量の少な
くとも同モル量以上、好ましくは1〜5モル倍量以上添
加することが好ましい。
【0018】ラジカル開始剤としては本発明の特徴から
芳香族ビニル単量体に溶解しやすく、また本反応がプロ
ピレン系重合体の溶融混練温度で重合を行うために1分
間の半減期を得るための分解温度が130〜250℃で
あることが望ましい。具体例を挙げれば、t−ブチルパ
ーオクテート、ビス(t−ブチルパーオキシ)トリメチ
ルシクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルパーベンゾエート、ジメチル ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ジメチル ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン等が挙げられる。該有機過酸化物の
使用量は、該ビニル単量体100重量部に対して通常
0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部とするの
が良い。
【0019】その他の添加剤として、ポリプロピレン
は、ポリエチレンと異なりラジカル崩壊性のポリマーで
あるので安定剤が必要である。但し、芳香族ビニル単量
体の重合を妨げないよう種類及び添加量を考慮する必要
がある。例えば、ペンタエリスリチル‐テトラキス
((ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート)、オクデシル(ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、チオビス(メチル t−ブチル
フェノール)、トリメチル−トリス(ジt−ブチルヒド
ロキシベンジル)ベンゼン等のヒンダードフェノール系
安定剤、テトラキス(ジ−t−ブチルフェニル)ビフェ
ニレンフォスファイト、トリス(ジt−ブチルフェニ
ル)フォスファイト等の燐系安定剤、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、酸化マグネ
シウム、ハイドロタルサイト等の制酸吸着剤がある。該
安定剤の使用量はプロピレン系重合体100重量部に対
して通常0.01から1重量部、好ましくは0.05から
0.5重量部である。
【0020】プロピレン系重合体と芳香族ビニル単量体
および極性官能基含有ビニル単量体との溶融混練重合反
応は、バンバリーミキサー等の密閉容器、押出機等の連
続的な混練機を用いてできる。押出機の方が、造粒等工
業的な生産を考えた場合好ましい。更に、2軸押出機の
方が、反応物の供給、混練、重合時間等の管理が容易で
ある。
【0021】製造方法としては、粉末状プロピレン系重
合体を押出機に供給し加圧しながら130〜250℃に
加熱して結晶性プロピレン系重合体を溶融させ、芳香族
ビニル単量体および極性官能基含有ビニル単量体を溶融
混練重合反応後、ダイから排出されたストランドを冷却
し、ペレタイザーを用いてペレットとする。
【0022】ビニル単量体は、あらかじめプロピレン系
重合体と混合した後、押出機に供給しても良いし、液体
用フィーダーを用いて溶融状態のプロピレン系重合体に
供給しても良い。
【0023】ラジカル開始剤は、あらかじめビニル単量
体に溶解して添加しても良いし液体用フィーダーを用い
てプロピレン系重合体とビニル単量体との混合物に添加
しても良い。また安定剤はプロピレン系重合体に予めヘ
ンシェルミキサー等を用いて混合して於く事が必要であ
る。
【0024】プロピレン系重合体は、エチレン系重合体
と異なりラジカル崩壊性ポリマーであるため単に溶融加
熱すると主鎖の切断により分子量の低下が起こり易い。
しかし、本発明は、溶融混練反応を行うことにより、好
ましくは安定剤の存在下で反応することで分子量の低下
することなく芳香族ビニル単量体および極性官能基含有
ビニル単量体を効率良くグラフト反応することができ
る。よって、本発明は、該ビニル単量体に由来する重合
体が1重量%程度と少ないものである。
【0025】本発明の新規変性プロピレン系重合体は、
それ自身、印刷性、塗装性、透明性、耐熱性、剛性、防
湿性等に優れた熱可塑樹脂であるが、更に、該重合体が
極性部および非極性部よりなることから各種ポリマー同
士、或いは無機フィラーとの相溶性向上剤としても用い
ることができる。
【0026】この様にして得られた変性プロピレン系樹
脂組成物またはその配合物は、成形材料として所望の形
状、例えば、容器、包装材、工業部品等の成形物、フィ
ルム、シート、多層積層物等に加工することができる。
その方法は、押出成形法、射出成形法、カレンダー加工
法など通常の加工法を用いることができる。こうした方
法により印刷性および透明性に優れたフィルム、シート
もしくは容器、包装材、成形品等の成形材料とすること
ができる。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例により詳細に説
明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。以下に於いて部および%は特に断りのない限りすべ
て重量基準であるものとする。
【0028】(実施例1)ブラベンダー社(ドイツ)製
20mm単軸押出機をバレル温度200℃(但しフィー
ダー部180℃)、ダイス温度210℃に設定した。粉
末状のポリプロピレン(ハイポールB200P、三井石
油化学社製)930部にイルガノックス1010(チバ
ガイキー社製安定剤)0.5部、ホスファイト168
(チバガイキー社製安定剤)0.5部、ステアリン酸カ
ルシウム(安定剤)1部を混合した。スチレン50部、
グリシジルメタクリレート20部にパーヘキシン25B
(日本油脂社製)2.1部を混合した物を先の粉末ポリ
プロピレン配合物にドライブレンドした。得られたドラ
イブレンド物を押出機に供給し40rpmにて溶融混練
してグラフト反応を行った。押出生成物のスチレン含量
は生成物の赤外線分光分析を用いて700cm-1(スチレ
ンに帰属)と1380cm-1(ポリプロピレンに帰属)と
の比を用いて検量線からスチレン含量が4.8%であっ
た。即ち、本発明組成物は、添加したスチレンの96%
を有するものであった。得られた押出物を油圧プレスを
用いて190℃、150気圧の条件で300μm厚のシ
ートとした。得られたシートを後述する試験方法により
印刷性および透明性等の評価を行った。
【0029】(実施例2)実施例1に於いて極性官能基
含有ビニル単量体としてグリシジルメタクリレート20
部を用いる代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト20部を用い、実施例1と同様な条件で押出成形物を
得た。押出生成物のスチレン含量は実施例1同様な手法
により求め4.7%であった。実施例1と同様にして厚
さ300μmのシートとし印刷性および透明性等の評価
を行った。
【0030】(比較例1)実施例1に於いて酸化防止剤
を配合したポリプロピレン配合物930部にポリスチレ
ン(ディックスチレンCR3500、大日本インキ化学
社製品)70部を用い実施例1と同様な条件で押出成形
物を得た。実施例1と同様にして厚さ300μmのシー
トとし印刷性および透明性等の評価を行った。得られた
シートは白濁しており層状で不均質なものであった。
【0031】(比較例2)実施例1に於いて酸化防止剤
を配合したポリプロピレン配合物930部にポリスチレ
ン(ディックスチレンCR3500、大日本インキ化学
社製)50部、カルボン酸変性ポリプロピレン(アドマ
ーQF540、三井石油化学社製)20部を用いた実施
例1と同様な条件で押出成形物を得た。実施例1と同様
にして厚さ300μmのシートとし印刷性および透明性
等の評価を行った。得られたシートは白濁しており層状
で不均質なものであった。
【0032】(比較例3)還流装置付き内容量5lのセ
パラブルフラスコに純水2800部及び懸濁剤として燐
酸カルシウム35部を加えて水性媒体とし、これに粉末
ポリプロピレン(ハイポールB200P、三井石油化学
社製)930部を攪拌により懸濁させた。別に重合開始
剤としてパーブチルO(日本油脂社製)2.1部をスチ
レン70部に溶解させ、これを先の懸濁系に添加した。
この水性懸濁液を窒素雰囲気下で80℃に昇温して7時
間加熱攪拌して重合を完結させた。生成物を希塩酸水な
どで洗浄後乾燥した。得られたスチレン変性ポリプロピ
レンに実施例1と同量の安定剤を加えて同じ条件で押出
した。実施例1と同様にして厚さ300μmのシートと
し印刷性および透明性等の評価を行った。
【0033】得られたシートは、白濁しており層状で不
均質なものであった。(比較例4) 粉末状のポリプロピレンを950部、無水マレイン酸を
50部用い、かつスチレンとグリシジルメタクリレート
とを用いない他は実施例1と同様にして厚さ300μm
のシートを作製し、印刷性および透明性等の評価を行っ
た。 (比較例5) 粉末状のポリプロピレンを950部、スチレンを50部
用い、かつグリシジルメタクリレートを用いない他は実
施例1と同様にして厚さ300μmのシートを作製し、
印刷性および透明性等の評価を行った。 (比較例6) 粉末状のポリプロピレンを950部、グリシジルメタク
リレートを50部用い、かつスチレンを用いない他は実
施例1と同様にして厚さ300μmのシートを作製し、
印刷性および透明性等の評価を行った。 (比較例7) 粉末状のポリプロピレンを950部、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートを50部用い、かつスチレンとグリ
シジルメタクリレートとを用いない他は実施例1と同様
にして厚さ300μmのシートを作製し、印刷性および
透明性等の評価を行った。 実施例、比較例中において作
成したシートの透明性および印刷性評価方法は次のとお
りとする。実施例1〜2及び比較例1〜3の評価結果を
表1に示した。また、比較例4〜7の評価結果を表2に
示した。 (1)透明性の評価方法 評価は実施例1の方法により得られた厚さ300μmシ
ートの光透過率および曇価をヘイズメーター(東洋精機
社製)により測定した。またシートの外観については目
視により評価した。 (2)シートの印刷性評価方法 実施例1で得られた厚さ300μmシートにRIテスタ
ー(2分割ロール、0.15cc盛り)を用いて酸化重
合型インキ(カルトンQS藍、大日本インキ化学製品)
を展色し、室温にて硬化させ印刷性評価試験シートを得
た。印刷性評価はセロハンテープ剥離試験によってテス
トを行った。つまり市販のセロハンテープを先に作成し
た印刷性評価試験シートに貼り密着させた後、剥離し
た。セロハンテープにインキの転写が5%未満の場合を
−◎、30%未満の場合を−○、50%未満の場合を−
△、すべて剥離した場合を−×として評価を行った。(3)メルトインデックスの測定方法 得られた押し出しペレットを用いて、温度が230℃で
荷重が2.16kgなる条件でASTM D−1238
に準じて評価した。
【0034】
【表1】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明は、溶融状態のプロピレン系重合
体に芳香族ビニル単量体および極性官能基含有ビニル単
量体(エポキシ基含有ビニル単量体あるいは水酸基含有
ビニル単量体)を併用し溶融混練重合反応することによ
り、ブレンドし法では透明性が低下するため導入に問題
のあった芳香族ビニル単量体を用いても透明性を損なう
ことなく、印刷性、透明性、塗装性に優れるものであ
る。特に透明性、印刷性等を必要とする、成形材料、包
装材料、容器材料用途として有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 255/02 C08J 5/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無定形のエチレン−プロピレン共重合体
    を含まない粉末状プロピレン系重合体に、50重量%以
    下の芳香族ビニル単量体および20重量%以下の極性官
    能基含有ビニル単量体を、芳香族ビニル単量体が極性官
    能基含有ビニル単量体の少なくとも同モル量以上で予備
    混合し、ラジカル開始剤の存在下に溶融混練重合反応
    て得られることを特徴とする変性プロピレン系重合体組
    成物。
  2. 【請求項2】 芳香族ビニル単量体の添加量が、プロピ
    レン系重合体の5〜35重量%、極性官能基含有ビニル
    単量体の添加量が、プロピレン系重合体の0.1〜10
    重量%であることを特徴とする請求項1記載の変性プロ
    ピレン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】 溶融混練重合反応する極性官能基含有ビ
    ニル単量体が、エポキシ基含有ビニル単量体あるいは水
    酸基含有ビニル単量体であることを特徴とする請求項1
    記載の変性プロピレン系重合体組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の変性プロピ
    レン系重合体組成物からなることを特徴とする成形材
    料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか記載の変性プロピ
    レン系重合体組成物からなることを特徴とするフィル
  6. 【請求項6】 請求項1〜3いずれか記載の変性プロピ
    レン系重合体組成物からなることを特徴とするシー
    。」
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