JPH05163319A - 変性プロピレン系重合体組成物、それを用いたシート状物及び成形材料 - Google Patents

変性プロピレン系重合体組成物、それを用いたシート状物及び成形材料

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JPH05163319A
JPH05163319A JP33343891A JP33343891A JPH05163319A JP H05163319 A JPH05163319 A JP H05163319A JP 33343891 A JP33343891 A JP 33343891A JP 33343891 A JP33343891 A JP 33343891A JP H05163319 A JPH05163319 A JP H05163319A
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sheet
propylene
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transparency
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Ou Shibata
欧 柴田
Masashi Kinoshita
正史 木之下
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】印刷性の改良されたプロピレン系重合体を得
る。 【構成】粉末ポリプロピレンに、4−ビニルピリジンと
スチレンとを含浸し、これを溶融押出機に供給して、溶
融混練して、ポリプロピレン鎖に4−ビニルピリジンと
スチレンとがグラフト重合した構造の変性プロピレン系
重合体を得、これを高温高圧の油圧プレスでプレスして
シート状物を製造した(実施例1)。 【効果】印刷性の改良された変性プロピレン系重合体の
シート状物が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷性に優れ、特に食品
包装容器等として有用な透明性、防湿性等に優れた変性
プロピレン系重合体組成物、それを用いたフィルムもし
くはシート及び成形材料に関する。
【0002】
【従来技術】ポリプロピレンは低コストで機械的強度、
耐熱性、耐油性等に優れ且つ透明性等の外観にも優れる
ため各種成形法によりフィルム、繊維、成形品など広範
囲な用途に使用されている。
【0003】しかしながらポリプロピレンは分子構造中
に極性基または反応性のある活性基を有せず、また溶剤
に対しての腐食性が乏しいため印刷性、接着性、塗装性
などの二次加工に関しては問題の多い樹脂である。その
ため印刷等の二次加工を施すためにポリプロピレン成形
品の表面に種々の表面処理を施す手法や他の高分子物質
を添加する手法により、インキ等に対してポリプロピレ
ン成形品の表面の親和性を向上させる試みがなされてい
る。
【0004】代表的な表面処理方法として例えばコロナ
放電処理があるが得られたシートの表面活性の持続性が
十分でなく、使用されるインキも限定される欠点があ
る。また下塗用プライマーを用いる手法はプライマーが
高価である点、工程が増える等の欠点がありコストアッ
プ、生産管理、品質管理面で問題がある。
【0005】またプロピレン系重合体に他の高分子物質
を添加して印刷性を改善する方法としては、例えば溶剤
腐食性のあるポリスチレン等を混合添加する方法、カル
ボン酸変性ポリオレフィンもしくはエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物の様な極性基を含有する樹脂を添加
する方法、ポリプロピレンに無機物の添加により印刷性
を向上させる方法等により印刷性を改良する試みがなさ
れている。
【0006】またポリプロピレンにアクリル酸、無水マ
レイン酸等のビニル単量体をラジカル開始剤の存在下で
溶融混練して印刷性、塗装性を向上させる方法は既に知
られており(例えば特開報昭56−95914)またビ
ニル単量体としてピリジン系ビニル単量体を用いて印刷
性を改良する方法(例えば特開報昭61−12771
4)も考案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら溶剤腐食
性のあるポリスチレンをブレンドする事によりポリプロ
ピレンの印刷性を向上させる方法は、ポリプロピレンと
スチレンは相互に非相溶であり上記の方法では分散が不
十分となり層分離をおこし食品包装材用途にとって必要
とされる透明性はもとより得られた成形品の耐衝撃性な
どの機械的性質は不満足な物となり実用性に問題があ
る。
【0008】プロピレン系重合体に極性基含有樹脂を添
加する方法は、極性基を増やすと非極性のポリマーであ
るプロピレン系重合体との相溶性が低下し成形品の物性
が低下する。特に透明性が低下し不透明になると透明性
の要求される食品容器や文具品などには使用できない。
更に成形品が層剥離する場合もある。従って極性基の導
入量が物性の低下しない範囲というように上限があるた
め印刷性の改良効果に限界があり要求を満足させるまで
に至っていない。無機物を添加する方法は透明性を要す
る用途には使用できない欠点がある。
【0009】またアクリル酸、無水マレイン酸等のビニ
ル単量体をポリプロピレンにラジカル開始剤の存在下で
溶融混練する方法では該ビニル単量体単独では印刷性改
良効果が不十分であり、該ビニル単量体量を増すとラジ
カル開始剤の増量が必要となり、それに伴うポリプロピ
レンの分解により機械的強度の低下が起こり性能上問題
があった。また分解反応を抑えるためラジカル開始剤量
を減量すると反応性ビニル単量体の重合率が低下しやは
り問題がある。
【0010】上述の様に従来方法では印刷性、透明性、
衝撃強度等のポリマー性能上、満足できるものはなかっ
た。そこでポリプロピレンの透明性、機械的強度、耐熱
性、耐油性等の特性を失う事無く印刷性、接着性、塗装
性に優れた組成物が得られれば、従来の煩雑な工程を簡
略化でき生産効率を大きく向上できると期待できる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の従来
法の欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、押出機
中、溶融状態のプロピレン系重合体の存在下、含窒素ビ
ニル単量体及び一官能芳香族ビニル単量体を溶融混練重
合反応を行うと、従来法では透明性が低下するため導入
に問題のあった一官能芳香族ビニル単量体を用いても透
明性を損なうことなく、また含窒素ビニル単量体と芳香
族ビニル単量体と併用することによりポリプロピレンの
分解反応を抑え、印刷性が改善された変性プロピレン系
重合体が得られる事を見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0012】即ち本発明は、プロピレン系重合体と、含
窒素ビニル単量体および一官能性芳香族ビニル単量体と
を溶融混練重合反応する事により得られる変性プロピレ
ン系重合体を必須成分として含有してなる変性プロピレ
ン重合体組成物を提供するものである。以下に本発明を
詳しく説明する。
【0013】本発明における変性プロピレン系重合体の
構造は、プロピレン重合体骨格に含窒素ビニル単量体お
よび一官能性芳香族ビニル単量体のランダムあるいはブ
ロック重合体がグラフトした構造であると推定される。
【0014】本発明で用いるプロピレン系重合体として
は、公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えばプ
ロピレン単独重合体およびプロピレンを主体としたオレ
フィンまたはエチレン性ビニル単量体との共重合体が挙
げられる。プロピレン系重合体としては、プロピレン重
合成分が全重合体重量の75重量%以上であるものが好
ましい。具体的にはアイソタクチックポリプロピレン、
プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン
−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、無水
マレイン酸変性ポリプロピレン等がある。これらのプロ
ピレン系重合体は単独使用でも二種以上を混合して使用
することもできる。またプロピレン系重合体の性質を損
なわない範囲で他の重合体を使用することもできる。
【0015】含窒素ビニル単量体としては、窒素原子を
分子中に有するビニル単量体がいずれも使用できるが、
例えば2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−
ビニル−6−メチルピリジン、2−ビニル−5−エチル
ピリジン、3−ビニル−6−メチルピリジン、3−ヒド
ロキシ−6−ビニルピリジン、2−クロロ−6−ビニル
ピリジン等のビニルピリジン系単量体、ジメチルアミノ
プロピルメタクリルアミド、アクリルアミド、Nーメチ
ロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、
N−オクチルアクリルアミド、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’
−オキシジメチレンビスアクリルアミド、N−2−ヒド
ロキシエチルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量
体、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエ
チルクロライド塩、N−ビニル−2−ピロリドン、1−
ビニルイミダゾール等が挙げられ、これらは単独または
二種以上を混合して用いられる。
【0016】含窒素ビニル単量体としては、ビニルピリ
ジン系単量体又はビニルピロリドンを用いることが望ま
しい。一官能芳香族ビニル単量体としては、ビニル基を
一つのみ有する芳香族ビニル単量体がいずれも使用でき
るが、例えばスチレン、メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルキシレン、エチルビニルベンゼン、イソプロ
ピルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブ
ロモスチレン等が挙げられ、これらは単独または二種以
上を混合して用いる。
【0017】また本発明では含窒素ビニル単量体と一官
能芳香族ビニル単量体とを必須成分としてプロピレン系
重合体を変性すればよいが、それらと共重合可能なビニ
ル単量体を必要に応じて用いてもよい。この際の共重合
可能なビニル単量体としては、例えば酢酸ビニル等のビ
ニルエステル等、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸等のアルキルエステル等、アクリロニトリル等のシア
ン化ビニル等のビニル単量体などが挙げられる。
【0018】変性に際して用いる含窒素ビニル単量体の
添加量は、特に制限されないが通常プロピレン系重合体
重量の20重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%
である。含窒素ビニル単量体の使用割合がこの範囲であ
ると、重合率が高いので未反応モノマーが残留しにく
く、透明性、機械的物性にも優れるものが得られる点で
大変好ましい。また芳香族ビニル単量体の添加量は、特
に制限されるものではないが、プロピレン系重合体重量
の35重量%以下、好ましくは3〜10重量%である。
芳香族ビニル単量体の使用割合がこの範囲であると、プ
ロピレン系重合体本来の性能が発揮できるので好まし
い。
【0019】プロピレン系重合体を上記した単量体で変
性する際には、必要に応じてラジカル開始剤を用いるこ
とができる。ラジカル開始剤としては、プロピレン系重
合体の溶融混練温度で重合を行うために1分間の半減期
を得るための分解温度が130‐250℃であるものが
望ましい。具体例には、t−ブチルパーオクテート、ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサ
ン、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパー
ベンゾエート、ジメチルジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、ジメチル ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン等が挙げられる。該ラジカル開始剤の使用量は、通常
用いる全ビニル単量体100重量部に対して通常0.1
〜10重量部、好ましくは1〜5重量部とするのが良
い。
【0020】ポリプロピレンはポリエチレンと異なりラ
ジカル崩壊性のポリマーであるので変性に際しては安定
剤を用いることが好ましい。但し、安定剤の選択に当た
っては、変性に用いるビニル単量体成分の重合を妨げな
いよう種類及び添加量を考慮する必要がある。
【0021】この際の安定剤としては、例えばペンタエ
リスリチル−テトラキス((ジ−t−ブチル−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート)、オクデシル(ジ−t−
ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオビ
ス(メチル−t−ブチルフェノール)、トリメチル−ト
リス(ジ−t−ブチルヒドロキシベンジル)ベンゼン等
のヒンダードフェノール系安定剤、テトラキス(ジ−t
−ブチルフェニル)ビフェニレンフォスファイト、トリ
ス(ジt−ブチルフェニル)フォスファイト等の燐系安
定剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の
金属石鹸、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等の
制酸吸着剤がある。該安定剤の使用量はプロピレン系重
合体100重量部に対して、通常0.01〜1重量部、
好ましくは0.05〜0.5重量部である。
【0022】プロピレン系重合体の変性に当たっての、
プロピレン系重合体と含窒素ビニル単量体及び一官能芳
香族ビニル単量体の溶融混練重合反応は、公知慣用の方
法や装置がいずれも使用できるが、例えばバンバリーミ
キサー等の密閉容器、一軸押出機、二軸押出機等の連続
的な混練機を用いて行うことができる。造粒等の工業的
な生産を前提とする場合には、押出機を用いることが好
ましい。更に2軸押出機の方が反応物の供給、混練、重
合時間等の管理が容易である。
【0023】実際の変性プロピレン系重合体の製造は、
例えば含窒素ビニル単量体および一官能芳香族ビニル単
量体をプロピレン系重合体に含浸させ、その粉末または
ペレット状のプロピレン系重合体を押出機に供給し加圧
しながら130〜250℃に加熱して溶融混練重合反応
を行えばよい。この様にして得られた変性プロピレン系
重合体組成物は、バルク、ペレット等所望の形態とする
ことができる。例えば重合反応が終了し、ダイから排出
された変性プロピレン系重合体ストランドを冷却し、ペ
レタイザーを用いればペレット化することができる。
【0024】用いる各種ビニル単量体は、液体用フィー
ダーを用いて溶融状態のプロピレン系重合体に添加し重
合を行っても良いが、あらかじめプロピレン系重合体と
混合しビニル単量体をそれに十分含浸させた後、押出機
に供給して溶融反応することが好ましい。ラジカル開始
剤は、あらかじめビニル単量体に溶解して添加しても良
いし、液体用フィーダーを用いてプロピレン系重合体と
ビニル単量体との混合物に添加しても良いが、あらかじ
めビニル単量体に溶解し、それをプロピレン系重合体に
含浸させ添加するのが好ましい。また安定剤は、プロピ
レン系重合体に予めヘンシェルミキサー等を用いて混合
して於く事が好ましい。プロピレン系重合体はエチレン
系重合体と異なりラジカル崩壊性ポリマーであるためラ
ジカル開始剤存在化で溶融加熱すると主鎖の切断により
分子量の低下が起こり易いが、含窒素ビニル単量体およ
び一官能芳香族ビニル単量体、ラジカル開始剤、および
好ましくは安定剤の存在下、溶融状態のプロピレン系重
合体にグラフト反応を行うと分子量の低下させる事無
く、該ビニル単量体を効率良くグラフト反応することが
できる。
【0025】本発明にかかるプロピレン系重合体と含窒
素ビニル単量体および一官能芳香族ビニル単量体より構
成される重合体はそれ自身、印刷性、接着性、塗装性、
透明性、耐熱性、衝撃性、防湿性等に優れた熱可塑樹脂
であるが更に該重合体が極性部および非極性部よりなる
ことから各種ポリマー同士、或いは無機フィラーとの相
溶性向上剤としても優れている。
【0026】必要に応じて所望の添加剤が加えられた本
発明の組成物は、シート状物とすることにより印刷材料
とすることができる。本発明の組成物をシート状物にす
るに際しては、押出成型法、射出成型法、カレンダー加
工法などの通常の加工方法が採用できる。これらの方法
で本発明の組成物から得られたシート状物はそのままで
印刷性に優れた包装材料として使用できるし、それを成
形すれば印刷性に優れた容器を得ることができる。本発
明においてシート状物とは、所謂フィルム、シート、板
を総称してこの様に呼ぶものとし、JISで規定される
通り、厚さ0.1mm以下のものがフイルム、0.1m
mを越えて0.8mmまでのものがシート、0.8mm
よりも厚いものが板である。
【0027】本発明の組成物を所望の形状、例えば、成
形材料、多層積層物等に加工する場合においても、上記
方法が採用できる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例により詳細に説
明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。以下に於いて部および%は特に断りのない限りすべ
て重量基準であるものとする。 実施例1 ドイツ国ブラベンダー社製20mm単軸押出機をバレル
温度200℃(但し、フィーダー部180℃)、ダイス
温度210℃に設定した。ハイポールB200P〔粉末
状ポリプロピレン、三井石油化学工業株式会社製〕96
0部に、イルガノックス1010(チバガイキー社製)
0.5部、ホスファイト168(チバガイキー社製)
0.5部、ステアリン酸カルシウム(安定剤)1部を混
合した。
【0029】次いで4−ビニルピリジン20部、スチレ
ン20部にパーヘキシン25B(日本油脂株式会社製ラ
ジカル開始剤)1.9部を混合した物を、先の粉末ポリ
プロピレン配合物に十分含浸させた。得られた含浸ブレ
ンド物を上記押出機に供給し、40rpmにて溶融混練
してグラフト反応を行った。
【0030】押出生成物のスチレン含量は、反応生成物
の赤外線分光光度計を用いて700cm-1(スチレンに帰
属)と1380cm-1(ポリプロピレンに帰属)との比を
用いて検量線から求め、その結果スチレン含量は1.9
%であった。また生成物のスチレン部分のグラフト化の
有無を判断するために、ポリスチレンのみ溶解するテト
ラヒドロフラン中に該試片を室温で24時間浸漬し、未
反応スチレン部分の残留率を測定したところ59%であ
った。得られた押出物を油圧プレスを用いて190℃、
150気圧の条件で300μm厚のシートとした。得ら
れたシートを後述する試験方法により印刷性および透明
性等の評価を行った。その結果を表1に示した。 実施例2 スチレンの使用量を50部とした以外は、実施例1と同
様な条件で押出成形物を得た。押出生成物のスチレン含
量は、4.8%であった。
【0031】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表1に示した。 実施例3 4−ビニルピリジンの使用量を40部とした以外は、実
施例1と同様な条件で押出成形物を得た。押出生成物の
スチレン含量は、4.7%であった。
【0032】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表1に示した。 実施例4 4−ビニルピリジン20部の代わりに、2−ビニルピリ
ジン20部を用いた以外は、実施例2と同様な条件で押
出成形物を得た。押出生成物のスチレン含量は、4.8
%であった。
【0033】実施例2と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表1に示した。 実施例5 4−ビニルピリジン20部の代わりに、含窒素環状ビニ
ル単量体であるN−ビニル−2−ピロリドン20部を用
い、実施例2と同様な条件で押出成形物を得た。押出生
成物のスチレン含量は、4.9%であった。
【0034】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表1に示した。 実施例6 4−ビニルピリジン20部の代わりに、アクリルアミド
系単量体であるジメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド20部を用い、実施例2と同様な条件で押出成形物を
得た。押出生成物のスチレン含量は、4.7%であっ
た。
【0035】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表1に示した。 実施例7 4−ビニルピリジン20部の代わりに、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル20部を用い、実施例2と同様な条
件で押出成形物を得た。押出生成物のスチレン含量は、
4.6%であった。
【0036】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表1に示した。 比較例1 酸化防止剤を配合したポリプロピレン配合物930部に
ディックスチレンCR3500〔ポリスチレン、大日本
インキ化学工業株式会社製〕70部を用い実施例1と同
様な条件で押出成形物を得た。スチレン部分の残留率
は、7%であった。実施例1と同様にして厚さ300μ
mのシートとし印刷性および透明性等の評価を行った。
その結果を表2に示した。得られたシートは白濁してお
り層状で不均質なものであった。 比較例2 酸化防止剤を配合したポリプロピレン配合物930部
に、ディックスチレンCR3500の50部、アドマー
QF540〔カルボン酸変性ポリプロピレン、三井石油
化学工業株式会社製〕20部を用いた以外は、実施例1
と同様な条件で押出成形物を得た。
【0037】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表2に示した。得られたシートは白濁しており層状
で不均質なものであった。 比較例3 還流装置付き内容量5lのセパラブルフラスコに純水2
800部及び燐酸カルシウム(懸濁剤)35部を加えて
水性媒体とし、これにハイポールB200Pの930部
を攪拌により懸濁させた。別にパーブチルO〔日本油脂
株式会社製重合開始剤)2.1部をスチレン70部に溶
解させ、これを先の懸濁系に添加した。
【0038】この水性懸濁液を窒素雰囲気下で80℃に
昇温して7時間加熱攪拌して重合を完結させた。生成物
を希塩酸水などで洗浄後乾燥した。得られたスチレン変
性ポリプロピレンに実施例1と同量の安定剤を加えて同
じ条件で押出した。スチレン部分の残留率は、25%で
あった。
【0039】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表2に示した。得られたシートは白濁しており層状
で不均質なものであった。 比較例4 4−ビニルピリジン20部、スチレン20部の代わり
に、スチレン70部のみを用い、実施例1と同様な条件
で押出成形物を得た。
【0040】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表2に示した。 比較例5 4−ビニルピリジン20部、スチレン20部の代わり
に、4−ビニルピリジン20部のみを用い、実施例1と
同様な条件で押出成形物を得た。
【0041】実施例1と同様にして厚さ300μmのシ
ートとし印刷性および透明性等の評価を行った。その結
果を表2に示した。実施例、比較例中において用いたメ
ルトインデックスおよびシートの透明性、印刷性評価方
法は次のとおりとする。 (1)透明性の評価方法 評価は実施例1の方法により得られた厚さ300μmシ
ートの光透過率および曇価を東洋精機株式会社製ヘイズ
メーターにより測定した。またシートの外観については
目視により評価した。 (2)シートの印刷性評価方法 実施例1で得られた厚さ300μmシートにRIテスタ
ー(2分割ロール、0.15cc盛り)を用いて酸化重
合型インキ(カルトンQS藍、大日本インキ化学株式会
社製製品)を展色し、室温にて硬化させ印刷性評価試験
シートを得た。印刷性評価はセロテープ剥離試験によっ
てテストを行った。つまり市販のセロテープを先に作成
した印刷性評価試験シートに貼り密着させた後、剥離し
た。セロテープにインキの転写が5%未満の場合を−
◎、30%未満の場合を−○、50%未満の場合を−×
として評価を行った。 (3)メルトインデックス 実施例で得られた押出ペレットを用い230℃、2.1
60Kg荷重でASTMD1238に準じ測定を行い評
価した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の組成物は、溶融状態のプロピレ
ン系重合体に含窒素ビニル単量体および一官能芳香族ビ
ニル単量体を溶融混練重合反応することにより得られる
変性プロピレン系重合体を必須成分として含有している
ので、透明性にも印刷性にも優れるという格別顕著な効
果を奏する。
【0045】従って本発明の変性プロピレン系重合体組
成物は、特に透明性、印刷性等を必要とする、成形材
料、包装材料、容器材料用途として有用で、ことに食品
包装容器等、容器、包装材料として透明性を必要とする
分野に有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン系重合体と、含窒素ビニル単量
    体および一官能性芳香族ビニル単量体とを溶融混練重合
    反応する事により得られる変性プロピレン系重合体を必
    須成分として含有してなる変性プロピレン系重合体組成
    物。
  2. 【請求項2】含窒素ビニル単量体が、ビニルピリジン系
    単量体である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】含窒素ビニル単量体が、ビニルピロリドン
    である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】請求項1の組成物からなるシート状物。
  5. 【請求項5】請求項1の組成物からなる成形材料。
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