JPH05155947A - 改質プロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents

改質プロピレン系重合体の製造方法

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JPH05155947A
JPH05155947A JP32453491A JP32453491A JPH05155947A JP H05155947 A JPH05155947 A JP H05155947A JP 32453491 A JP32453491 A JP 32453491A JP 32453491 A JP32453491 A JP 32453491A JP H05155947 A JPH05155947 A JP H05155947A
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propylene
polymer
based polymer
polypropylene
aromatic vinyl
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JP32453491A
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Masashi Kinoshita
正史 木之下
Osamu Suzuki
治 鈴木
Ou Shibata
欧 柴田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ラジカル開始剤として、1分間の半減基を得
るための分解温度が175℃以上という特定の有機過酸
化物を用いて、ポリプロピレンに代表されるプロピレン
系重合体と、スチレンに代表される芳香族ビニル単量体
とを溶融混練重合反応せしめることから成る、改質プロ
ピレン系重合体の製造方法。 【効果】 本発明の方法に従えば、従来型の、プロピレ
ン系重合体とスチレン系重合体よりなる樹脂組成物に比
べて、とりわけ、透明性、耐熱性、剛性、防湿性ならび
に表面性などに、バランス良く、優れた熱可塑樹脂を提
供することが出来るものであり、しかも、本発明の方法
に従って得られる重合体は、各種のポリマー同志の相溶
性向上剤としても、あるいは、無機フィラー(無機質充
填剤)類との相溶性向上剤としても有用であるなどの数
々のメリットを有するものであって、プラスチック成形
分野に於ける利用価値が極めて大きいものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる改質
プロピレン系重合体の製造方法に関する。さらに詳細に
は、本発明は特定のラジカル重合開始剤を用いることか
ら成る、とりわけ、透明性、機械的強度ならびに成形性
などに優れ、特に、食品包装または容器などの材料とし
て有用なる、剛性ならびに防湿性などに優れる、極めて
有用なる、改質プロピレン系重合体の改良された製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは、それ自体、低コスト
であって、しかも、機械的強度、耐熱性、耐油性ならび
に電気特性などに優れているものである処から、フィル
ム、繊維または成形品などとして、多種の用途に、広く
用いられている。
【0003】しかしながら、ポリプロピレンは、剛性、
シート加工性ならびに表面特性などの点で、他のビニル
重合体、特に、ポリスチレンに比べて劣っている。すな
わち、たとえば、包装容器分野においてポリプロピレン
はポリスチレンと比較すると剛性が低く、シート加工が
やりにくいなどの欠点がある。ところが一方では耐熱
性、耐油性、防湿性の点ではポリスチレンより優れるな
どの長所がある。
【0004】したがって、ポリプロピレンの長所とポリ
スチレンの長所とを、バランス良く、併せ有する成形材
料が得られれば、まさしく、従来に於いては使用が不可
能であったような用途分野へも、その使用が可能となる
ものと期待される。
【0005】そこで、ポリプロピレンにポリスチレンを
ブレンドするとか、あるいは、プロピレン重合体の存在
下で、スチレンを重合するといった試みも、既に、為さ
れては居る。
【0006】すなわち、特開昭59−217742号公
報には、プロピレン系重合体の存在下で、スチレン系単
量体を、水性懸濁系で重合せしめた形の、いわゆる改質
ポリプロピレンが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリプ
ロピレンとポリスチレンは、相互に、非相溶性の間柄の
ものであって、単にブレンドしただけのものでは、これ
らの両樹脂の界面接着が乏しいという処から、ポリスチ
レン部分の分散が不十分となって相分離を起こし、ひい
ては、得られる成形品の透明性が、ならびに、剛性およ
び耐衝撃性などの機械的性質が不満足なものとなって、
実用性に乏しいということである。
【0008】また、プロピレン系重合体の存在下に、ス
チレン系単量体を、水性懸濁系で重合する場合には、ブ
ロック化の防止とか、重合温度の制御とか、さらには、
生成物の乾燥などといった工程の管理が煩雑となるに及
んでは、もはや、汎用ポリマーとしては、工業化する上
で、困難な面が多々あると言わざるを得ない。
【0009】上述のように、従来方法による、プロピレ
ン系重合体へのスチレン系重合体の導入は、ポリマー性
能上からも、あるいは、製造上からも、到底、満足でき
るものではなかった。
【0010】これは、プロピレン系重合体へのポリスチ
レンの分散が不十分であることに起因する。そして、ポ
リスチレンの分散を充分に行うためには、プロピレン系
重合体とポリスチレンとのグラフト重合体の存在が望ま
しいが、ポリプロピレンの高結晶性から派生する数々の
難点、つまり、融点が高いこととか、スチレン系単量体
に溶解しないことなどの難点の存在の故に、上述したよ
うな方法に従う限りは、グラフト重合体が得られ難いた
めであると考えられる。
【0011】そこで、本発明者らは、上述して来た如き
従来法における欠点たる、それぞれ、透明性、機械的強
度ならびに成形性などを解消すべく、鋭意、検討を重ね
た結果、本発明よりも先に、押出機中などの、溶融状態
にあるプロピレン系重合体の存在下で、芳香族系単量体
を重合することによって、諸性質に優れるグラフト重合
体が得られることを、しかも、工業的に容易に製造でき
ることを見い出して、こうした発明について、すでに、
特願平3ー136485号として出願を行っている。
【0012】本発明者らは、さらに検討を進めた結果、
当該グラフト重合体を製造する際に、特定のラジカル開
始剤を選択することによって、はじめて、高い重合率お
よびグラフト率を以て、しかも、優れた諸物性のバラン
ス化が図れることことを見い出すに及んで、ここに、本
発明を完成させるに到った。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、溶
融状態にあるプロピレン系重合体に、芳香族ビニル単量
体を、溶融混練重合反応せしめることによって改質プロ
ピレン系重合体を製造する方法において、ラジカル重合
開始剤の1分間の半減期を得るための分解温度が175
℃以上という特定の有機過酸化物を用いることから成
る、好ましくは、芳香族ビニル単量体が、溶融前のプロ
ピレン系重合体に含浸されていることから成る、改質プ
ロピレン系重合体の製造方法を提供しようとするもので
ある。以下に、本発明を詳しく説明することにする。
【0014】
【構成】本発明の方法を実施するに当たって用いられ
る、上記したプロピレン系重合体とは、プロピレン単独
重合体は勿論のこと、さらには、プロピレンを主体とす
る、他のオレフィン類またはエチレン性不飽和単量体類
との共重合体(いずれも、プロピレンが75重量%以上
の共重合体)を指称するものであり、具体的には、アイ
ソタクチックポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチ
レン共重合体、結晶性プロピレン−ブテン共重合体また
は無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが、特に代表
的なものである。
【0015】これらの各種のプロピレン系重合体を混合
して使用することも出来る。また、当該プロピレン系重
合体の性質を損なわない範囲で、かつ、本発明の目的を
逸脱しない限りにおいて、他の重合体を併用することも
出来る。
【0016】他方、前記した芳香族ビニル単量体として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、スチレ
ン、メチルスチレン、クロルスチレンまたはビニルトル
エンなどであり、これらは単独使用でも2種以上の併用
でも良いことは、言う迄も無い。
【0017】さらに、当該芳香族ビニル単量体と共重合
可能なる少量の他の単量体、たとえば、アクリロニトリ
ルの如き、各種のシアン化ビニル類;酢酸ビニルの如
き、各種のビニルエステル類;あるいはアクリル酸もし
くはメタクリル酸またはそれらのアルキルエステル類な
どを、さらには、マレイン酸を併用しても良い。
【0018】当該芳香族ビニル単量体の添加量として
は、目的とする改質プロピレン系重合体の50重量%以
下が、好ましくは、35〜5重量%なる範囲内が適切で
ある。5重量%未満の場合には、どうしても、剛性など
の改善効果が不十分であるし、一方、50重量%を超え
て余りに多く用いられる場合には、ポリプロピレンの性
能が発揮され難くなるので、いずれの場合も好ましくな
い。
【0019】また、前記したラジカル重合開始剤として
は、本発明の特徴からも、芳香族ビニル単量体に溶解し
易いものであることが必要であるし、加えて、プロピレ
ン系重合体の溶融混練温度で重合反応が行われる処から
も、すなわち、芳香族ビニル単量体の重合率およびグラ
フト率と、グラフトポリマーの物性、特に、剛性とを高
めるという処からも、1分間の半減期を得るための分解
温度(以下、T1/2と略記する。)が175℃以上であ
ること、好ましくは、180〜250℃なる範囲内であ
ることが望ましい。
【0020】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、ジ−tert−ブチルパーオキ
サイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジメ
チル−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ビ
ス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、ジメチル−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン、p−メンタンーハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイドまたはキュメ
ンハイドロパーオキサイドなどである。
【0021】就中、ジアルキル型過酸化物であるビス
(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
またはジメチル−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘ
キシンなどの使用が望ましい。
【0022】また、複数の有機過酸化物を併用しても良
く、併用する場合には、上掲した有機過酸化物以外に
も、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−
ブチルパーオクテート、tert−ブチルパーベンゾエ
ートまたはジクミルパーオキサイドなどをも用いること
ができる。
【0023】当該ラジカル重合開始剤の使用量として
は、芳香族ビニル単量体の100重量部に対して、好ま
しくは、0.1〜10重量部、特に好ましくは、1〜5
重量部なる範囲内が適切である。
【0024】安定剤は、ポリプロピレンが、ポリエチレ
ンに比して、ラジカル崩壊性が大きく異なるために、グ
ラフト重合する上で、添加することが好ましい。ただ
し、芳香族ビニル単量体それ自体の重合を妨げないよう
に、種類および添加量を考慮する必要がある。
【0025】当該安定剤として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス((ジ−tert−ブチル−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート)、オクデシル(ジ−tert−ブチル−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオビス(メチ
ルtert−ブチルフェノール)またはトリメチル−ト
リス(ジt−ブチルヒドロキシベンジル)ベンゼンの如
き、各種のヒンダードフェノール系安定剤類;
【0026】テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ビフェニレンフォスファイトまたはトリス(ジ−t
ert−ブチルフェニル)フォスファイトの如き、各種
の燐系安定剤類;ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸
カルシウムの如き、各種の金属石鹸類;あるいは酸化マ
グネシウムまたはハイドロタルサイトの如き、各種の制
酸吸着剤などである。
【0027】当該安定剤の使用量としては、プロピレン
系重合体の100重量部に対して、通常、0.01〜1
重量部なる範囲内が、好ましくは、0.05〜0.5重
量部なる範囲内が適切である。
【0028】さらに、添加剤類として、たとえば、単量
体類またはラジカル開始剤類の希釈用ないしは脱気用と
して、少量の溶剤類または水を添加しても良い。プロピ
レン系重合体と芳香族ビニルとの溶融混練重合反応は、
バンバリーなどに代表される密閉容器とか、押出機など
に代表される、連続的な混練機などを用いて行なうこと
が出来る。
【0029】就中、押出機の方が、造粒などの、いわゆ
る工業的な生産を考えた場合に好ましいし、さらには、
2軸押出機の方が、反応物の供給や、重合時間の管理な
どが行ない易いことを、念頭に置くべきであろう。
【0030】好ましい製造方法は、粉末状またはペレッ
ト状のプロピレン系重合体を押出機に供給し、加圧しな
がら、150〜250℃に加熱して、結晶性のプロピレ
ン系重合体を溶融せしめるという方法であり、芳香族ビ
ニル単量体と溶融混練重合反応させたのちに、ダイから
排出されるというものである。
【0031】芳香族ビニル単量体は、予め、プロピレン
系重合体と混合して置いてから、押出機に供給しても良
いし、あるいは、液体用フィーダーを用いて、溶融状態
にあるプロピレン系重合体に供給しても良い。
【0032】好ましくは、予め、プロピレン系重合体に
含浸して置くということである。ラジカル重合開始剤
は、予め、芳香族ビニルに溶解して添加して置くことが
望ましいが、液体用フィーダーを用いて、プロピレン系
重合体と芳香族ビニル単量体との混合物に添加しても良
い。
【0033】また、安定剤は、プロピレン系重合体に、
予め、混合して置く必要がある。かくて、押出機の中で
溶融状態にあるプロピレン系重合体と、芳香族ビニル単
量体とは、ラジカル開始剤の存在下に、充分に、接触し
混合されることによって、ここに、プロピレン系重合体
と芳香族ビニル系重合体とのグラフト重合体である、目
的とする改質プロピレン系重合体が得られる。
【0034】プロピレン系重合体は、エチレン重合体と
は異なって、ラジカル崩壊性のポリマーである処から、
単に溶融加熱すると、分子切断が起き易いものではある
が、芳香族ビニル単量体と安定剤との存在下で行うこと
によって、逆に、網状化を防ぎながら、グラフト反応を
起こし易いものとなる。
【0035】かくして得られる生成物は、プロピレン系
重合体と芳香族ビニル系重合体とから成っているが、均
質なるものであって、そのまま、成形品として、あるい
は、ペレットとして取り出すことが出来る。
【0036】このように、本質的に、プロピレン系重合
体と芳香族ビニル系重合体とから成る新規重合体は、そ
れ自身が、耐熱性、剛性、防湿性ならびに表面性などに
優れた熱可塑樹脂であるが、さらに、当該重合体が極性
部分と非極性部分とから構成されるものである処から、
各種のポリマー同志間の相溶性、あるいは、無機フィラ
ー(無機質充填剤)類との相溶性の向上剤としても優れ
ているものである。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により、
一層、具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。以下において、部およ
び%は特に断りの無い限り、すべて重量基準であるもの
とする。
【0038】実施例 1 田辺鉄工(株)製の30mm単軸押出機を、バレル温度
が200℃(ただし、フィーダー部は180℃)で、か
つ、ダイス温度が210℃となるように設定した。
【0039】「ハイポール B200P」[三井石油化
学工業(株)製の、粉末状のポリプロピレン]の880
部に、「イルガノックス 1010」(スイス国チバ・
ガイギー社製品)の0.5部、「フォスファイト 16
8」(チバ・ガイギー社製品)の0.5部およびステア
リン酸カルシウムの1部を混合した。
【0040】次いで、スチレンの120部に「パーヘキ
シン 25B」[日本油脂(株)製品]の5.8部
(0.04モル当量)を混合したものを、先の粉末状ポ
リプロピレン配合物に混合した。
【0041】しかるのち、かくして得られた配合物を押
出機に供給し、毎分20回転なる速度で押出して、ペレ
ットとして取り出した。ここに得られたペレットから、
東芝機械(株)製のIS50AM射出成形機により、樹
脂温度が230℃なる条件で、試片(試験片)を作製し
た。
【0042】この試片について、各種の物性を測定評価
した。別に、押出生成物は、赤外線分光分析により、そ
れぞれ、700cm-1(スチレンに帰属)と1380c
-1(ポリプロピレンに帰属)との比を用いて、検量線
からスチレン含量を測定し、このスチレン含有率の値を
用いて、スチレンの重合率を求めた。
【0043】また、押出生成物中のスチレン部分のグラ
フトの有無を判断をするために、ポリプロピレンは溶解
しないが、ポリスチレンは溶解するというテトラヒドロ
フランに、当該生成物をソックスレー抽出器に入れて、
還流下に抽出して、生成物中のスチレン部分の残留率か
らグラフト率を測定した。
【0044】以上の測定結果を、まとめて、第1表に示
す。重合率は、臭気ならびに採算上製造が可能なる80
%以上であるし、また、剛性率が単独ポリプロピレンよ
り1割以上と高く、したがって、目標としている剛性の
改善効果があったことが知れる。
【0045】透明性も、包装材料として許容できる70
%以上の透過率であったし、熱変形性もまた、電子レン
ジ再加熱用容器として必要なる130℃以上であった。
なお、透湿性に付いては、単独ポリプロピレンとほぼ同
等であり、ポリスチレンよりも遥かに良好であった。
【0046】実施例 2および3 「パーヘキシン 25B」の5.8部(0.04モル当
量)を用いるという代わりに、それぞれ、同モル量の、
まず、実施例2の場合には、ビス(tert−ブチルパ
ーオキシイソプロピル)ベンゼン[化薬ヌーリー(株)
製品;T1/2=183℃]を、次に、実施例2の場合に
は、キュメンハイドロパーオキサイド[日本油脂(株)
製品;T1/2=255℃]を用いるように変更した以外
は、実施例1と同様にして、目的とする、各種の押出生
成物、つまり、改質プロピレン系重合体を得た。
【0047】それぞれの押出生成物についても、実施例
1と同様にして、分析ならびに諸物性の測定を行なっ
た。それらの測定結果を、まとめて、第2表に示す。い
ずれの実施例の場合にも、重合率は80%以上と高く、
剛性もまた、単独ポリプロピレンより1割以上と改善さ
れていた。
【0048】透明性も、包装材料として許容できる70
%以上の透過率であったし、熱変形性もまた、電子レン
ジ再加熱用容器として必要なる130℃以上であった。
【0049】実施例 4 粉末状ポリプロピレン配合物として、「ハイポール B
200P」の760部に、「イルガノックス 101
0」の0.4部、「フォスファイト 168」の0.4
部およびステアリン酸カルシウムの0.8部を混合した
ものに、さらに、スチレンの240部に「パーヘキシン
25B」8.7部(0.06モル当量)を添加混合し
たものを用いるように変更した以外は、実施例1と同様
にして、目的とする押出生成物を得た。
【0050】この押出生成物についても、実施例1と同
様にして、分析ならびに諸物性の測定を行なった。それ
らの測定結果を、まとめて、第2表に示す。重合率が8
0%以上であり、また剛性も、単独ポリプロピレンより
1割以上と大きく改善されていた。
【0051】透明性も、包装材料として許容できる70
%以上の透過率であったし、熱変形性もまた、電子レン
ジ再加熱用容器として必要なる130℃以上であった。
【0052】比較例 1 配合物の押出生成物の代わりに、同量の「ハイポール
B200」[三井石油化学工業(株)製の単独ポリプロ
ピレン]を用いるように変更した以外は、実施例1と同
様にして、対照用の試験片を作製した。
【0053】この押出生成物についても、実施例1と同
様にして、分析ならびに諸物性の測定を行なった。それ
らの測定結果を、まとめて、第2表に示す。透明性と熱
変形性とは良好でこそあるものの、剛性率が低かった。
【0054】
【表1】
【0055】《第1表中の脚注》表中の「PP」は、
「ポリプロピレン」の略号であり、粒子径の単位はミク
ロン(μm)である。
【0056】また、「スチレンの仕込み比率」の単位
は、「%」である。さらに、諸物性の評価法としては、
大略、以下の通りである。 熱変形性…測定は、JIS K−7202に準拠して、
Vicat温度を以て表示し、そのさいの荷重を1kg
として実施した。
【0057】剛性率……測定は、JIS K−7203
に準拠した。 透明性……熱プレスで作製した、300μm厚のシート
を、ヘーズメーターで測定した。
【0058】比較例 2〜6 「パーヘキシン 25B」の5.8部(0.04モル)
の代わりに、それぞれ、同モル当量の、比較例2の場合
には、tert−ブチルパーオキシピバレート[日本油
脂(株)製品;T1/2=110℃]、比較例3の場合に
は、ベンゾイルパーオキサイド(同上社製品;T1/2
130℃)、比較例4の場合には、tert−ブチルパ
ーオクテート(同上社製品;T1/2=135℃)、比較
例5の場合には、ジ−tert−ブチルパーオキシート
リメチルシクロヘキサン(同上社製品;T1/2=15
2)、そして、比較例6の場合には、tert−ブチル
パーオキシベンゾエート(同上社製品;T1/2=170
℃)を用いるように変更した以外は、実施例1と同様に
して、対照用の各種の押出生成物を得た。
【0059】それぞれの押出生成物についても、実施例
1と同様にして、分析ならびに諸物性の測定を行なっ
た。それらの測定結果を、まとめて、第2表に示す。い
ずれの比較例品も、重合率が80%には、およそ遠いも
のばかりであり、また、そのためか、剛性にしても、単
独ポリプロピレンに比して、1割以内の改善効果しか得
られていなかった。
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明に従えば、溶融状態にあるプロピ
レン系重合体の存在下に、芳香族ビニル単量体を、特定
のラジカル重合開始剤を用いて、溶融混練重合反応せし
めることによって、とりわけ、機械的強度ならびに成形
性などに優れ、特に、包装容器用材料として有用なる、
透明性、剛性ならびに防湿性などにも優れる、極めて実
用性の高い熱可塑成形材料を提供することが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態のプロピレン系重合体に、芳香
    族ビニル単量体を溶融混練重合反応せしめることによっ
    て改質プロピレン系重合体を得る方法において、ラジカ
    ル重合開始剤として、1分間の半減期を得るための分解
    温度が175℃以上なる有機過酸化物を用いることを特
    徴とする、改質プロピレン系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記した芳香族ビニル単量体が、溶融前
    のプロピレン系重合体に含浸されているものである、請
    求項1に記載の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100447169C (zh) * 2006-09-27 2008-12-31 浙江大学 一种改性聚丙烯树脂及其制备方法

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CN100447169C (zh) * 2006-09-27 2008-12-31 浙江大学 一种改性聚丙烯树脂及其制备方法

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