JPH0718034A - 変性プロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents

変性プロピレン系重合体の製造方法

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JPH0718034A
JPH0718034A JP16096993A JP16096993A JPH0718034A JP H0718034 A JPH0718034 A JP H0718034A JP 16096993 A JP16096993 A JP 16096993A JP 16096993 A JP16096993 A JP 16096993A JP H0718034 A JPH0718034 A JP H0718034A
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JP
Japan
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vinyl monomer
propylene
based polymer
modified propylene
polymer
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JP16096993A
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English (en)
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Toshio Niwa
俊夫 丹羽
Masashi Kinoshita
正史 木之下
Ou Shibata
欧 柴田
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】溶融状態のプロピレン系重合体の存在下、ビニ
ル単量体を溶融混練重合反応することにより得られる変
性プロピレン系重合体の製造方法において、ビニル単量
体として、芳香族ビニル単量体又は/及び官能基含有ビ
ニル単量体を用いて、ラジカル重合開始剤として1分子
中に3個以上の過酸化結合を有する有機過酸化物を用い
ることを特徴とする変性プロピレン系重合体の製造方
法。 【効果】本発明に係わる変性プロピレン系重合体は、耐
衝撃性に優れ剛性が高く、又、メルトフローインデック
スが低く、殆ど臭気を有していないため、包装・容器材
料、自動車部品、電化製品、工業用品、土木建築材料、
電線被覆材料等に於いて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変性プロピレン系重合
体の製造方法に関し、更に詳しくは耐衝撃性、剛性、成
形性に優れ、かつ成形物が殆ど臭気を有さない変性プロ
ピレン系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは、安価な樹脂であり、
かつ機械的強度、耐熱性、耐油性、耐薬品性等に優れる
ところから、各種成形品やフィルム等として広く使用さ
れている。しかしポリプロピレンは、例えば包装容器用
途においては、ポリスチレンと比較するとシート加工
性、表面特性に劣る等の欠点を有している。その反面、
耐熱性、耐薬品性、耐油性、防湿性等は、ポリスチレン
より優れる等の長所を有している。それゆえポリプロピ
レンの長所とポリスチレンの長所をバランスよく併せ持
つ成形材料ができれば、ポリプロピレンの用途分野を飛
躍的に拡大することができる。そこでポリプロピレンに
ポリスチレンをブレンドしたり、プロピレン系重合体の
存在下でスチレンを重合することが試みられている。例
えば、特開昭59−217742号公報にはプロピレン
系重合体の存在下、スチレン系単量体を水性懸濁重合し
た改質ポリプロピレンが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリプ
ロピレンとポリスチレンは互いに非相溶性であり、単に
両者をブレンドしただけでは両者の界面接着力が乏しい
ため、ポリスチレンの分散不良による相分離を起こす。
従って単純ブレンドにより得られる成形品の透明性、剛
性、耐衝撃性等の機械的性質は著しく低く、実用に供す
ることはできない。また、プロピレン系共重合体の存在
下、スチレン系単量体を水性懸濁系で重合する方法にお
いても、ブロック化防止、重合温度の制御、生成物の乾
燥等、工程が非常に複雑となるため、事実上汎用ポリマ
ーとしては工業化する上で困難な点があった。
【0004】上述のように従来の技術によるプロピレン
系重合体へのスチレン系重合体の導入は、そのポリマー
の性能上或いは製造上満足できるものではない。これは
プロピレン系重合体へのポリスチレンの分散が不十分で
あることに起因している。ポリスチレンの分散を十分に
行うためにはプロピレン系重合体とポリスチレンのグラ
フトポリマーの存在が望ましいが、ポリプロピレンの高
結晶性に由来する高融点、スチレン系単量体にポリプロ
ピレンは溶解しないこと等から上述の方法ではグラフト
共重合体を得ることは極めて困難である。
【0005】すなわち、本発明が解決しようとする課題
は、耐衝撃性、剛性、成形性に優れた変性プロピレン系
重合体を製造する方法を提供することである。本発明者
らは前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、先
に押出機中等において、溶融状態のプロピレン系重合体
の存在下でビニル系単量体を溶融混練重合することによ
り、諸性質に優れたグラフト重合体が得られ、かつ工業
的に容易に製造できることを見い出した(特願平3−1
36485)。
【0006】本発明者らが先に見い出した溶融混練重合
によるグラフト共重合体は、諸性質に優れているが耐衝
撃性や成形性等に更なる改良の余地が残されている。ポ
リプロピレンはそれ自身がラジカル崩壊性ポリマーであ
るので、ラジカル開始剤を用いるとプロピレン系重合体
の分解反応が起きる。本発明者らは、先の溶融混練重合
法において、ビニル単量体のうち芳香族ビニル単量体、
特にスチレンがプロピレン系重合体の分解反応を防ぐ効
果をもたらすことを見い出した。
【0007】しかし、ラジカル開始剤を使用する限り、
得られたグラフト重合体のある程度の分子量低下は避け
られないのが現状である。ブロー成形や押出成形等の用
途によっては、このようなグラフト重合体の分子量低下
(すなわちメルトフローインデックスの上昇)によるド
ローダウン(垂れ下がり)が問題となる場合がある。ま
た、耐衝撃性はポリスチレンよりは優れているがポリプ
ロピレンと同程度である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、更なる改
良をするべく鋭意研究を重ねた結果、該グラフト重合体
を製造するに際して特定のラジカル開始剤を用いること
によって、耐衝撃性が著しく良好で、メルトフローイン
デックスの上昇が少なく、高い剛性率を有する変性プロ
ピレン系重合体が得られること見い出した。更に、かか
る特定のラジカル重合開始剤を用いた変性プロピレン系
重合体の成形物は殆ど臭気を有していないという驚くべ
き事実をも見いだし、本発明に到達したのである。
【0009】即ち、本発明は、溶融状態のプロピレン系
重合体の存在下、ビニル単量体を溶融混練重合反応する
ことにより得られる変性プロピレン系重合体の製造方法
において、ラジカル開始剤として1分子中に3個以上の
過酸化結合を有する有機過酸化物を用いることを特徴と
する変性プロピレン系重合体の製造方法であり、好まし
くは下記一般式(I)
【0010】
【化2】 (但しR1又はR2又はR5又はR6は、炭素数1〜5のア
ルキル基を示し、R3又はR4は、炭素数1〜3のアルキ
ル基を示す)で表される有機過酸化物を用いることを特
徴とする変性プロピレン系重合体の製造方法を提供する
ものであり、特に好ましくは一般式(I)で表される有
機過酸化物が、2,2−ビス−(4,4−ジターシャリ
ーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンであっ
て、ビニル単量体が芳香族ビニル単量体又は/及び官能
基含有ビニル単量体であり、好ましくはビニル単量体が
スチレンであることを特徴とするものである。
【0011】(構成)本発明に使用されるプロピレン系
重合体とは、プロピレン単独重合体およびプロピレンと
他のオレフィン類またはエチレン性ビニル単量体類との
共重合体を指し、共重合体中のプロピレン含有量が75
%以上であることが好ましい。具体的にはホモポリプロ
ピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−
エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合
体等を例示することができる。かかるプロピレン系共重
合体は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用
いることもできる。
【0012】本発明に使用されるビニル単量体とは、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらのアルキ
ルエステル、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸
等のカルボキシル基含有ビニル単量体、シアン化ビニ
ル、酢酸ビニル等のビニルエステル、グリシジルメタク
リレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジル
エーテル、メタクリルグリシジルエーテル等のエポキシ
基含有ビニル単量体、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、3
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニル
トリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のシリル基含
有ビニル単量体、スチレン、メチルスチレン、ビニルス
チレン、ビニルキシレン、エチルビニルベンゼン、イソ
プロピルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、ブロモスチレン等の芳香族ビニル単量体等を挙げる
ことができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類
以上を混合して用いることもできるが、芳香族ビニル単
量体及び官能基含有ビニル単量体が好ましい。更に官能
基含有ビニル単量体の中でも、カルボキシル基含有ビニ
ル単量体、エポキシ基含有ビニル単量体が特に好まし
く、芳香族ビニル単量体の中でもスチレンを用いるのが
特に好ましい。
【0013】本発明に使用されるビニル単量体の添加量
は、プロピレン系重合体の50重量%以下が好ましく、
さらに好ましくは5〜35重量%である。50重量%を
超えて用いると、プロピレン系重合体としての性質が損
なわれ易くなリ、5重量%未満では充分な変性の効果が
得られない。
【0014】本発明に使用されるラジカル開始剤は、1
分子中に3個以上の過酸化結合を有する有機過酸化物で
あり、好ましくは過酸化結合を3〜6個のもので、特に
過酸化結合を4個有する化合物である。
【0015】過酸化結合を3個有する有機過酸化物とし
ては、例えばトリス−(ターシャリーブチルパーオキ
シ)トリアジン、(1−ターシャリーブチルパーオキシ
−3,5−ジターシャリーアミルパーオキシ)トリアジ
ン、(1,3−ジターシャリーブチルパーオキシ−5−
ターシャリーアミルパーオキシ)トリアジン、トリス−
(ターシャリーアミルパーオキシ)トリアジン等が挙げ
られる。さらに、4個の過酸化結合を有する有機過酸化
物としては、下記一般式(I)
【0016】
【化3】 (但しR1又はR2又はR5又はR6は、炭素数1〜5のア
ルキル基を示し、R3又はR4は、炭素数1〜3のアルキ
ル基を示す)で表されるもので、具体的には、2,2−
ビス−(4,4−ジターシャリーアミルパーオキシシク
ロヘキシル)プロパン、1,1−ビス−(4,4−ジタ
ーシャリーアミルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ン、2,2−ビス−(3,3−ジターシャリーアミルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス−
(3,3−ジターシャリーアミルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン、2,2−ビス−(4,4−ジターシャ
リーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,
1−ビス−(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシ
シクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス−(3,3−
ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロ
パン、1,1−ビス−(3,3−ジターシャリーブチル
パーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス−
(4,4−ジターシャリーアミルパーオキシシクロヘキ
シル)ブタン、1,1−ビス−(4,4−ジターシャリ
ーアミルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−
ビス−(3,3−ジターシャリーアミルパーオキシシク
ロヘキシル)ブタン、1,1−ビス−(3,3−ジター
シャリーアミルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、
2,2−ビス−(4,4−ジターシャリーブチルパーオ
キシシクロヘキシル)ブタン、1,1−ビス−(4,4
−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)ブ
タン、2,2−ビス−(3,3−ジターシャリーブチル
パーオキシシクロヘキシル)ブタン、1,1−ビス−
(3,3−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキ
シル)ブタン等を挙げることができる。更に2,2−ビ
ス−(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロ
ヘキシル)プロパンを用いるのが特に好ましい。これら
有機過酸化物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を
混合して用いることもできる。
【0017】該ラジカル開始剤の添加量は、本発明で用
いるビニル単量体に対して通常0.1〜10重量%が好
ましく、さらに好ましくは1〜6重量%である。該ラジ
カル開始剤は工業的純品をそのまま用いても良いし、溶
剤や水、稀釈剤で稀釈したものを用いても良い。
【0018】また、プロピレン系重合体は、ラジカル崩
壊性ポリマーであるため安定剤が必要であり、本発明に
用いるビニル単量体の重合を妨げないような種類および
添加量を考慮する必要がある。かかる安定剤のうち代表
的なものとしては、ペンタエリスリチル−テトラキス
(ジターシャリーブチルヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、オクタデシル(ジターシャリーブチルヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、チオビス(メチル−ター
シャリーブチルフェノール)、トリメチル−トリス(ジ
ターシャリーブチルヒドロキシベンジル)ベンゼンのよ
うなヒンダートフェノール系安定剤、テトラキス(ジタ
ーシャリーブチルフェニル)ビフェニレンフォスファイ
ト、トリス(ジターシャリーブチルフェニル)フォスフ
ァイトのような燐系安定剤、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウムのような金属石鹸、酸化マグネシウ
ム、ハイドロタルサイトのような受酸剤等を挙げること
ができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上
を混合して用いることもできる。かかる安定剤の添加量
はプロピレン系重合体に対し通常0.01〜1重量%、
好ましくは0.05〜0.6重量%である。
【0019】更に、ビニル単量体の稀釈又は脱気用に少
量の溶剤や水を添加することもできる。
【0020】本発明のプロピレン系重合体とビニル単量
体の溶融混練重合反応は、バンバリーミキサー、加圧型
ニーダー、万能混合機のような密閉式混合機、押出機の
ような連続的な混練機等を用いて行なうことができる。
密閉式混合機は少量生産に適しているが、押出機のほう
が造粒等工業的な生産に適しており、特に、二軸押出機
は原料の供給や反応時間の管理が容易である。
【0021】密閉式混合機を用いる製造方法は、例え
ば、粉末又はペレット状のプロピレン系重合体にビニル
単量体を含浸させておき混合機に投入する。ラジカル開
始剤は、予めビニル単量体に溶解しておくことが好まし
いが、直接プロピレン系重合体又はプロピレン系重合体
とビニル単量体との混合物に添加することもできる。安
定剤は予めプロピレン系重合体に混合しておく必要があ
る。そして、混練は、通常160〜250℃の温度で行
い、混練時間は通常2〜15分間である。混練終了後、
得られた変性プロピレン系重合体を混合機より取り出
し、適当な形状に切断する。
【0022】押出機を用いる製造方法は、例えば、粉末
又はペレット状のプロピレン系重合体を押出機に供給
し、加圧しながら160℃〜250℃に加熱して結晶性
のプロピレン系重合体を溶融させ、ビニル単量体と溶融
混練重合反応させた後、ダイより変性プロピレン系重合
体を排出させる。ビニル単量体は、予めプロピレン系重
合体と混合して押出機に供給しても良いし、液体用フィ
ーダーを用いて溶融状態のプロピレン系重合体に供給し
ても良い。好ましくは、ビニル単量体を予めプロピレン
系重合体に含浸しておく。ラジカル開始剤は、予めビニ
ル単量体に溶解しておくことが好ましいが、液体用フィ
ーダーを用いて、プロピレン系重合体とビニル単量体と
の混合物に添加しても良い。安定剤は予めプロピレン系
重合体に混合しておく必要がある。
【0023】本発明により得られた変性プロピレン系重
合体が、優れた耐衝撃性、高い剛性率と低いメルトフロ
ーインデックスを有している理由として、本発明者らは
本発明に使用するラジカル開始剤が、1分子中に3個以
上の過酸化結合を有し、分子量が大きく、かつ揮散し難
く、架橋効率が大きいためと推測している。
【0024】また、本発明により得られた変性プロピレ
ン系重合体の成形物が殆ど臭気を有していないのは、し
ばしば臭気の原因となるラジカル開始剤からの分解生成
物が、低分子化合物であり揮散し易く成形物に残留しに
くいためと考えられる。
【0025】本発明により得られた変性プロピレン系重
合体は、そのまま成形品或いはペレットして取り出すこ
とができ、それ自身が機械的性質、表面性等に優れた熱
可塑性樹脂であるが、更に該重合体が極性部分と非極性
部分からなるため、各種ポリマー同志或いは各種フィラ
ーとの相溶性向上剤としても優れている。
【0026】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例によりさらに
具体的に説明する。ただし、以下の実施例及び比較例は
本発明を何ら制限するものではない。
【0027】(実施例1)ポリプロピレンパウダー「ハ
イポールB200P」(三井石油化学工業社製)930
重量部に「イルガノックス1010」(チバガイギー社
製安定剤)0.48重量部、「ホスファイト168」
(チバガイギー社製安定剤)0.95重量部およびステ
アリン酸カルシウム0.48重量部を加えてヘンシェル
ミキサーによって混合した。このポリプロピレン配合物
を以下、『安定剤配合PP』と称する。『安定剤配合P
P』900重量部にビニル単量体としてスチレン100
重量部と2,2−ビス−(4,4−ジターシャリーブチ
ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 5.9重量部
を加えてヘンシェルミキサーで充分混合含浸させた。ド
イツ国ブラベンダー社製ブラベンダープラストグラフの
ローラーミキサーをミキサー部の温度が180℃になる
ように設定した。
【0028】『安定剤配合PP』、スチレン及び該ラジ
カル開始剤の混合物33重量部を該ミキサーに供給し、
回転数40rpmにて6分間混練を行った。得られた溶
融混練物は赤外線分光分析を用いて700cm-1(スチ
レンに帰属)と1380cm -1(ポリプロピレンに帰
属)との比を用いて検量線からスチレン含量を測定し、
その値を用いてスチレンの重合率を求めた。溶融混練物
中のスチレン部分のグラフトの有無を判断するため、ポ
リプロピレンは溶解しないがポリスチレンは溶解するテ
トラヒドロフランに該溶融混練物を加熱還流下でソック
スレー抽出して、溶融混練物中のスチレン部分の残留率
からグラフト率を測定した。
【0029】又、該溶融混練物は、油圧プレスを用いて
190℃でかつ150kg/cm2の条件下で成形し、
厚さ1mmの試片を得た。その際、成形物の臭気の有無
を確認した。該試片の透明性を1mm厚のままヘーズメ
ーターで測定した。
【0030】また、該試片の粘弾性を「レオメトリック
ス RSA11」(レオメトリックス社製)を用いて、
6.28ラジアン/秒なる条件下で室温より200℃ま
で測定し、剛性率として30℃における動的弾性率を求
めた。試片は落錘衝撃試験機を用いて、23℃における
耐衝撃性を評価した。耐衝撃性は、質量500gの重錘
を試片に落下させて試片が割れる最低高さを、落錘衝撃
強度として求めた。更に該試片を用いて230℃、21
60g荷重下でASTM D1238に準拠しメルトフ
ローインデックスを測定した。以上の測定結果を表1に
示した。
【0031】(実施例2)実施例1においてブラベンダ
ープラストグラフのローラーミキサーをミキサー部の温
度が185℃になるように設定した以外は、実施例1と
同様の操作を行った。そして実施例1と同様にして物性
評価を行い、結果は表1に示した。
【0032】(実施例3)実施例1においてスチレン1
00重量部をスチレン60重量部及びグリシジルメタク
リレート40重量部とした以外は、実施例1と同様の操
作を行った。そして実施例1と同様にして物性評価を行
い、結果は表1に示した。
【0033】(実施例4)実施例1においてスチレン1
00重量部をスチレン60重量部及びメタクリル酸40
重量部とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
そして実施例1と同様にして物性評価を行い、結果は表
1に示した。
【0034】(比較例1)実施例1において2,2−ビ
ス−(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロ
ヘキシル)プロパン 5.9重量部を加える代わりに、
同モル量(3.0重量部)のパーヘキシン2.5B
(2,5−ジメチル−2,5−ジ[ターシャリーブチル
パーオキシ]ヘキシン−3、過酸化結合2個、日本油脂
社製ラジカル開始剤)を加えた以外は、実施例1と同様
の操作を行った。そして実施例1と同様にして物性評価
を行い、結果は、表2に示した。成形物には特有の臭気
があり衝撃強度が低く、メルトフローインデックスも高
かった。
【0035】(比較例2)実施例1において2,2−ビ
ス−(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロ
ヘキシル)プロパン 5.9重量部を加える代わりに、
同モル量(2.3重量部)のパーブチルO(ターシャリ
ーブチルパーオキシオクトエート、過酸化結合1個、日
本油脂社製ラジカル開始剤)を加えた以外は実施例1と
同様の操作を行った。そして実施例1と同様にして物性
評価を行い、結果は表2に示した。成形物には特有の臭
気があり、剛性率が低く透明性に劣り、メルトフローイ
ンデックスも高かった。
【0036】(比較例3)実施例1において『安定剤配
合PP』のみを用い、スチレン及びラジカル開始剤は添
加しないで、ブラベンダープラストグラフのローラーミ
キサーをミキサー部の温度が185℃になるように設定
した以外は実施例1と同様の操作を行った。そして実施
例1と同様にして物性評価を行い、結果は表2に示し
た。メルトフローインデックスは低いが、衝撃強度、剛
性率共に低かった。
【0037】(比較例4)実施例1において『安定剤配
合PP』及びスチレンのみを用い、ラジカル開始剤は添
加しないで、ブラベンダープラストグラフのローラーミ
キサーをミキサー部の温度が185℃になるように設定
した以外は実施例1と同様の操作を行った。そして実施
例1と同様にして物性評価を行い、結果は表2に示し
た。剛性が著しく低く不透明で、衝撃強度が低く成形物
の臭気も強かった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】 表1、表2の結果より、本発明の変性プロピレン系重合
体は、耐衝撃性に優れ、剛性が高く、なおかつメルトフ
ローインデックスが低く、殆ど臭気を有していないもの
であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、耐衝撃性に優れ、剛性
が高く、メルトフローインデックスが低く、かつ殆ど臭
気のない変性プロピレン系重合体の提供を可能とする。
特に、得られた変性プロピレン系重合体は、メルトフロ
ーインデックスが低いため、従来ドローダウン(垂れ下
がり)が問題となっていたブロー成形や押出成形に利用
することができる。更には高剛性、耐衝撃性を必要とす
る自動車部品、電化製品、工業用品、土木建築材料、電
線被覆材料、包装・容器材料等の用途において広く利用
することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融状態のプロピレン系重合体の存在下、
    ビニル単量体を溶融混練重合反応することにより得られ
    る変性プロピレン系重合体の製造方法において、ラジカ
    ル開始剤として1分子中に3個以上の過酸化結合を有す
    る有機過酸化物を用いることを特徴とする変性プロピレ
    ン系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】ビニル単量体が、芳香族ビニル単量体又は
    /及び官能基含有ビニル単量であることを特徴とする請
    求項1記載の変性プロピレン系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】有機過酸化物が3〜6個の過酸化結合を有
    するものであることを特徴とする請求項1記載の変性プ
    ロピレン系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】官能基含有ビニル単量体が、カルボキシル
    基含有ビニル単量体又はエポキシ基含有ビニル単量体で
    あることを特徴とする請求項2記載の変性プロピレン系
    重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】1分子中に3個以上の過酸化結合を有する
    有機過酸化物が下記一般式(I) 【化1】 (但しR1又はR2又はR5又はR6は、炭素数1〜5のア
    ルキル基を示し、R3又はR4は、炭素数1〜3のアルキ
    ル基を示す)で表される化合物であることを特徴とする
    請求項1記載の変性プロピレン系重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】一般式(I)で表される有機過酸化物が、
    2,2−ビス−(4,4−ジターシャリーブチルパーオ
    キシシクロヘキシル)プロパンであることを特徴とする
    請求項5記載の変性プロピレン系重合体の製造方法。
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