JPH06336512A - 塩素化ポリエチレン含有樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化ポリエチレン含有樹脂の製造方法

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JPH06336512A
JPH06336512A JP12700293A JP12700293A JPH06336512A JP H06336512 A JPH06336512 A JP H06336512A JP 12700293 A JP12700293 A JP 12700293A JP 12700293 A JP12700293 A JP 12700293A JP H06336512 A JPH06336512 A JP H06336512A
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vinyl monomer
propylene
melt
polymer
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JP12700293A
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Ou Shibata
欧 柴田
Masashi Kinoshita
正史 木之下
Toshio Niwa
俊夫 丹羽
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】溶融状態の塩素化ポリエチレンとスチレン等の
芳香族ビニル単量体と、好ましくはこれにさらにプロピ
レン系重合体及び/又は芳香族系重合体をラジカル開始
剤の存在下で溶融混練重合反応することを特徴とする塩
素化ポリエチレン含有樹脂の製造方法。 【効果】本発明の樹脂は、塩素化ポリエチレンの有する
難燃性、低温柔軟性等の物性を維持したまま、剛性等の
機械的物性、耐溶剤性、耐透湿性、耐熱性等の諸特性を
付与した樹脂であり、特に自動車部品等へ適用が可能で
あり、非常に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素化ポリエチレン含
有樹脂の製造方法に関し、さらに詳細には、高剛性を有
し、耐溶剤性、低温柔軟性、耐熱性、難燃性等に優れた
塩素化ポリエチレン含有樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化ポリエチレンは、それ自身、難燃
性、低温柔軟性、耐候性、耐熱老化性、耐薬品性等に優
れたエラストマーであるが、そのままでは、剛性、耐熱
性、耐溶剤性が不十分であり、そのままでは限られた用
途でしか使用できない。
【0003】そこで、塩素化ポリエチレンに、懸濁重合
反応によってスチレン等のビニル単量体をグラフト反応
させて剛性等を改良する試みが為されている。しかしな
がらこの反応に従う限りは、ビニル単量体の単独重合体
物も多量に生成してしまい、その改良効果に限界があっ
た。また、反応時間が長い、樹脂乾燥工程が必要である
等の製造工程上の問題もあった。
【0004】そこで、より簡便な手法として、プロピレ
ン系重合体等の樹脂をブレンドもしくは、ラジカル開始
剤と共に共架橋することにより、その欠点を補う試みが
為されている。
【0005】しかしながら、単に塩素化ポリエチレンに
プロピレン系重合体をブレンドしただけでは、その相溶
性の目安となる溶解度パラメーター値(SP値)が異な
るため、完全には相溶せず、得られた樹脂組成物の物性
改良効果はわずかしか認められない。またブレンドする
際にラジカル開始剤を併用し共架橋する試みは、塩素化
ポリエチレンとプロピレン系重合体との限られた配合比
率でしか改良効果を示さない。すなわち、プロピレン系
重合体は、ラジカル崩壊性樹脂であるため、単にラジカ
ル開始剤と共に溶融混練するとプロピレン系重合体主鎖
の分解反応により、物性の低下等が起こるため十分な改
良効果が認められない。それに従い、添加するプロピレ
ン系重合体量が狭い制限された範囲のみでしか使用する
ことができない。また分解反応を抑えるために添加する
ラジカル開始剤の量を減量するとその改良効果は、単な
るブレンドしたものに近いものしか得られない。この様
に従来の手法に従う限りは、十分なる改良効果は得られ
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、塩素化ポリエ
チレンの有する低温柔軟性等の諸物性を維持したまま、
プロピレン系重合体の持つ剛性および耐熱性、耐溶剤性
等の諸物性を有する塩素化ポリエチレン含有樹脂が得ら
れれば、その適用用途が拡大でき、非常に有用である。
本発明が解決しようとする課題は、高い剛性を有し、耐
溶剤性、低温柔軟性、難燃性等を有する塩素化ポリエチ
レン含有樹脂の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
ような発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、
鋭意検討を重ねた結果、溶融状態にある塩素化ポリエチ
レン、芳香族ビニル単量体とをラジカル開始剤とともに
溶融混練重合反応せしめることによって得られる、特定
の塩素化ポリエチレン含有樹脂が、芳香族ビニル単量体
類およびラジカル開始剤の添加効果により、高剛性、低
温柔軟性、耐熱性、耐溶剤性を有することを見い出すに
及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0008】
【構成】本発明は、溶融状態の塩素化ポリエチレン、芳
香族ビニル単量体、好ましくは芳香族ビニル単量体およ
び官能基含有ビニル単量体、好ましくはこれらにさらに
プロピレン系重合体及び/又は芳香族系重合体とをラジ
カル開始剤の存在下で溶融混練重合反応せしめることを
特徴とする塩素化ポリエチレン含有樹脂の製造方法を提
供しようとするものである。以下に、本発明を詳しく説
明する。
【0009】当該塩素化ポリエチレン含有樹脂を調製す
るに当たって使用される塩素化ポリエチレンの塩素含有
率は、10〜50%の一般に用いられるものをいい、非
結晶性のゴム状のものから、適度の結晶性を有するもの
をいう。また必要に応じて他のゴム状物をブレンドした
ものを用いても良い。
【0010】また、反応させる芳香族ビニル単量体とし
て特に代表的なもののみを例示すれば、スチレン、メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、エチル
ビニルベンゼン、イソプロピルスチレン、クロロスチレ
ン、ジクロロスチレン、ブロモスチレンなどであり、こ
れらを単独使用でも2種以上の併用でもよい。中でもス
チレンを用いることが好ましい。芳香族ビニル単量体の
添加量としては、塩素化ポリエチレン含有樹脂に対し3
重量%以上、35重量%以下が好ましい。35重量%を
超えるようになると、どうしても、塩素化ポリエチレン
またはプロピレン系重合体の諸性能が、例えば塩素化ポ
リエチレンに於いては低温柔軟性等が損なわれ易く好ま
しくないし、3重量%未満では、その改良効果がわずか
しか認められないため、あまり好ましくない。
【0011】またこれらの芳香族ビニル単量体に官能基
含有ビニル単量体を併用することもできる。官能基含有
ビニル単量体としては、具体的にはエポキシ基含有ビニ
ル単量体、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含
有ビニル単量体、アミノ基含有ビニル単量体等が挙げら
れる。これらの官能基含有ビニル単量体を併用すること
により、生成物の塗装性、印刷性、接着性を改良向上さ
せることができる。官能基含有ビニル単量体の添加量と
しては、塩素化ポリエチレン含有樹脂に対して10重量
%以下が好ましく、さらに好ましくは1〜5重量%なる
範囲内が適切である。添加するビニル単量体量が上記量
より多い場合には、重合率が低下して、未反応モノマー
量が増すようになるので好ましくないし、しかも、それ
に伴って、機械的物性の低下などが起こるといった問題
が生じる。官能基含有ビニル単量体を芳香族ビニル単量
体と併用する場合は、官能基含有ビニル単量体添加量の
少なくとも同量以上、好ましくは1〜5倍量の芳香族系
ビニル単量体を用いることが好ましい。
【0012】本発明で用いる芳香族ビニル単量体は、本
条件にて反応させることにより、塩素化ポリエチレン、
プロピレン系重合体にグラフト反応あるいは、両樹脂間
の部分架橋反応等の反応が起こり、塩素化ポリエチレン
含有樹脂の剛性、耐熱性等を改良する効果、プロピレン
系重合体の低分子量化を防止する効果、官能基ビニル単
量体の反応率を促進する効果等が認められ、さらには、
塗装性改良効果等をも付与させることができる。
【0013】ラジカル開始剤としては、本発明の特徴で
ある、本溶融混練重合反応が、プロピレン系重合体の溶
融混練温度で重合を行うという処から、1分間の半減期
を得るための分解温度が130〜250℃なる範囲内の
ラジカル開始剤であることが望ましい。こうした特性を
有するラジカル開始剤の具体例を挙げれば、tert−
ブチルパーオクテート、ビス(tert−ブチルパーオ
キシ)トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサノンパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエート、ジ
メチル ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンま
たはジメチル ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
シンなどのラジカル開始剤が、特に代表的なものであ
る。これらの使用量としては、ビニル単量体の総量10
0重量部に対して、通常、0.1〜10重量部なる範囲
内が好ましくは、さらに好ましくは1〜5重量部なる範
囲内が適切である。
【0014】また、本発明において好ましく使用される
プロピレン系重合体とは、プロピレン単独重合体、およ
びプロピレンを主体とする他のオレフィン類またはエチ
レン性ビニル単量体類との共重合体を指称するものであ
る。かかるプロピレン系重合体は、いずれも、プロピレ
ンが75重量%以上含まれることが好ましい。具体的に
は、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン−エ
チレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合
体、プロピレン−ブテン共重合体または無水マレイン酸
変性ポリプロピレンなどが特に代表的なものある。勿
論、これらのプロピレン系重合体を混合して使用するこ
とも出来る。
【0015】また、本発明の目的を逸脱し、本発明の効
果を損なわない範囲内で、そして、当該プロピレン系重
合体の性質を損なわない範囲内で、他の重合体類を使用
することも出来る。
【0016】本発明でプロピレン系重合体の配合割合
は、特に制限されないが、プロピレン系重合体の多い系
では、プロピレン系重合体の衝撃性改良効果が認められ
る。即ち、プロピレン系重合体は、それ自体が低コスト
であって、耐熱性、耐溶剤性、耐透湿性等の物性バラン
スに優れ、また低比重である処から、各種の成形法によ
り、フィルム、シート、成形品などとして、広く使用さ
れているが、低温特性が悪く衝撃物性に劣るといった欠
点を有しており、特に高衝撃強度を必要とする用途に
は、そのままでは使用できなかった。
【0017】そこで、本発明の手法により、プロピレン
系重合体に、塩素化ポリエチレン等のゴム成分を、芳香
族系ビニル単量体およびラジカル開始剤を用いて、部分
架橋させながら溶融混練することによって、衝撃物性の
改良された塩素化ポリエチレン含有樹脂を合成すること
ができる。
【0018】また本発明において、好ましく使用される
芳香族系重合体とは、例えばポリスチレン、アクリロニ
トリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS樹
脂)、アクリロニトリルースチレン共重合体、、スチレ
ンーメチルアクリレート共重合体、ゴム含有ポリスチレ
ン、スチレンーマレイン酸共重合体等が挙げられ、これ
らを単独または混合して用いることができる。
【0019】この芳香族系重合体を併用することによ
り、塩素化ポリエチレンの多い系においては高剛性改
良、芳香族系重合体の多い系においては、衝撃物性改
良、難燃性付与等の改良効果が認められ利用できる。
【0020】その他の添加剤としては、プロピレン系重
合体それ自体が、ポリエチレンとは異なって、ラジカル
崩壊性のポリマーである処からも、安定剤の使用が必要
である。ただし、前掲された如き各種のビニル単量体の
重合を妨げないような、種類および添加量を考慮する必
要がある。
【0021】かかる安定剤として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、ペンタエリスリチル−テトラ
キス(ジ−tert−ブチル−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、オクデシル(ジ−tert−ブチル−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、チオビス(メチル
−tert−ブチルフェノール)またはトリメチル−ト
リス(ジ−tert−ブチルヒドロキシベンジル)ベン
ゼンの如き、各種のヒンダードフェノール系安定剤類;
テトラキス(ジ−t−ブチルフェニル)ビフェニレンフ
ォスファイトまたはトリス(ジt−ブチルフェニル)フ
ォスファイトの如き、各種の燐系安定剤類;ステアリン
酸亜鉛またはステアリン酸カルシウムの如き、各種の金
属石鹸類;あるいは酸化マグネシウムまたはハイドロタ
ルサイトの如き、各種の制酸吸着剤などである。当該安
定剤の使用量としては、プロピレン系重合体の100重
量部に対して、通常、0.01〜1重量部、好ましく
は、0.05〜0.5重量部である。また、安定剤は、
プロピレン系重合体に、前もって、ヘンシェルミキサー
などを用いて混合して置くことが必要である。
【0022】以下、本発明の塩素化ポリエチレン含有樹
脂の製造方法について説明する。塩素化ポリエチレン、
プロピレン系重合体と芳香族ビニル単量体または、芳香
族ビニル単量体および官能基含有ビニル単量体のラジカ
ル開始剤存在下での溶融混練重合反応は、バンバリーミ
キサーの如き各種の密閉容器、あるいは押出機の如き各
種の連続的なる混練機等、一般に用いられる樹脂溶融混
練機等を用いて行なうことが出来る。特に押出機の如
き、連続的なる混練機が好ましく、さらに二軸押出機
は、反応物の供給、混練、反応温度あるいは重合時間な
どの管理制御等の面に於いて優れており、より好まし
い。
【0023】実際の調製は、芳香族ビニル単量体また
は、芳香族ビニル単量体および官能基含有ビニル単量
体、ラジカル開始剤とを含浸させた塩素化ポリエチレ
ン、粉末状プロピレン系重合体混合物を二軸押出機に供
給し、加圧しながら、130〜250℃に加熱して溶融
混練重合反応を行ったのち、ダイから排出されたストラ
ンドを冷却し、ペレタイザーを用いて、ペレットとして
収得する。溶融混練する温度は、ポリマーが溶融するた
めに必要な温度以上、また分解しない温度の選択が必要
である。特にラジカル開始剤の反応開始分解温度と反応
機内滞留時間との関係から適切な反応条件の選択が必要
である。また、これら反応に用いるビニル単量体類は、
液体用フィーダーを用いて、溶融状態にある塩素化ポリ
エチレン、プロピレン系重合体混合物に添加して重合反
応を行ってもよい。ラジカル開始剤についても、液体用
フィーダーを用いて、塩素化ポリエチレン、プロピレン
系重合体混合物にビニル単量体と共に添加してもよい
し、ビニル単量体類に溶解して、予め塩素化ポリエチレ
ン、プロピレン系重合体に含浸させて、添加してもよ
い。
【0024】また、この反応終了後に押出機付帯の吸引
ベント口より2mmHg程度の減圧度で減圧吸引するこ
とが好ましい。これにより少量残存する未反応単量体を
除去できる。
【0025】溶融混練反応せしめ、塩素化ポリエチレン
含有樹脂を得る際に、ビニル単量体類が100%グラフ
ト反応して塩素化ポリエチレン、プロピレン系重合体、
又は芳香族系重合体を変性するとは限らず、ビニル単量
体と塩素化ポリエチレンが反応結合したもの、ビニル単
量体とプロピレン系重合体とが反応結合したもの、ビニ
ル単量体と芳香族系重合体とが反応結合したものの他に
も、ビニル単量体単独重合体、塩素化ポリエチレン、プ
ルピレン系重合体、プロピレン系重合体も副成する。し
たがって、本発明でいう塩素化ポリエチレン含有樹脂
は、これらの非グラフト重合体をも含むものである。
【0026】この様にして得られた樹脂は、顔料、フィ
ラー類、帯電防止剤等を配合して各種成形品として用い
ることができ、射出成形、押出成形、ブロー成形等の一
般に用いられる成形法により成形することができる。
【0027】プロピレン系重合体は、前述したように、
エチレン系重合体と異なって、ラジカル崩壊性ポリマー
であるために、単にラジカル開始剤と溶融混練すると、
主鎖の切断によって、分子量の低下が起こり易いが、こ
の反応を芳香族ビニル単量体存在下で行なうと、分子量
の低下を招来することなく、該ビニル単量体類を、効率
よく、グラフト反応させた塩素化ポリエチレン含有樹脂
が得られる。
【0028】この様にして得られた本発明の塩素化ポリ
エチレン含有樹脂は、高い剛性、優れた低温柔軟性、耐
熱性を有するものであって、耐溶剤性、難燃性、耐衝撃
性等の諸物性をも維持しており幅広い用途に使用でき
る。
【0029】本発明の樹脂は、プロピレン系重合体を含
有せずとも、塩素化ポリエチレンと芳香族系ビニル単量
体とを溶融混練反応を行うことにより得られ、剛性、耐
熱性、耐溶剤性等の面で優れた諸物性を示す。
【0030】またこの様にして得られた樹脂は、非極性
であるオレフィン系部分と極性である塩素部分および芳
香族系樹脂部分とが、共存するため、例えばポリスチレ
ンとポリオレフィンとの相溶化剤といった用途にも使用
することができる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により、
一層、具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの
実施例のみに限定されるものではない。以下において、
部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基準で
あるものとする。
【0032】(実施例1)塩素化ポリエチレン「ダイソ
ラック301A」(大阪曹達(株))70部、後述の安
定剤配合ポリプロピレン15部にスチレン15部を、
「パーヘキシン 25B」(日本油脂(株)製の開始
剤)0.45部を混合したものを、ヘンシェルミキサー
等の混合攪拌機により充分、含浸せしめ、 ドイツ国ブ
ラベンダー社製のプラストミキサーの予めジャケット温
度が200℃となるように設定しておいたジャケット内
に試料を投入し、回転数40rpmの回転速度にて6分
間、溶融混練重合反応を行った。安定剤配合ポリプロピ
レンは、「ハイポール B200P」(三井石油化学社
製の粉末状のポリプロピレン)の100部に、「イルガ
ノックス 1010」(チバガイキー社製品)の0.0
5部、「ホスファイト 168」(チバガイキー社製
品)の0.1部およびステアリン酸カルシウム(安定
剤)の0.05部を予めヘンシェルミキサー等により混
合し調製したものを使用した。
【0033】生成物中のスチレン反応率は、反応生成物
の赤外線分光分析を測定することによって求め、すなわ
ちスチレン含量(含有率)については、700cm
-1(スチレンに帰属)と1380cm-1(ポリプロピレ
ンに帰属)との比に基づく検量線から求めた処、96%
であった。反応生成物を、油圧プレスを用いて、200
℃で、かつ、150気圧なる条件で以て1mm厚のシー
トとした。かくして得られた1mmシートを、後述する
如き試験方法により、引張抗張力として100%モジュ
ラス、耐溶剤性、低温柔軟温度、外観について評価を行
った。それらの結果は、まとめて、表1、表2に示す。
その結果、100%モジュラスおよび耐溶剤性は、比較
例1、比較例2、比較例3に比較して、低温柔軟性を維
持したまま、いずれも高い値が得られた。
【0034】(実施例2)実施例1において安定剤配合
ポリプロピレン15部を用いる代わりに、ポリスチレン
「ディックスチレンCR3500」(大日本インキ化学
工業(株)社製)15部用い、実施例1と同様なる条件
にて溶融混練重合反応を行った。以下実施例1と同様に
して物性評価を行った。その結果、実施例1と同様に、
100%モジュラスおよび耐溶剤性は、比較例1、比較
例3、比較例4に比較して、いずれも高い値が得られ
た。
【0035】(実施例3)塩素化ポリエチレン70部に
スチレン30部、ラジカル開始剤0.9部を、実施例1
と同様なる条件にて溶融混練重合反応を行った。以下実
施例1と同様にして物性評価を行った。その結果、10
0%モジュラスおよび耐溶剤性は、比較例1、比較例
3、比較例4に比較して、低温柔軟性を維持したまま、
いずれも高い値が得られた。
【0036】(比較例1)比較サンプルとして塩素化ポ
リエチレン単独を、実施例1と同様なる条件にて、溶融
混練を行い、以下実施例1と同様にして物性評価を行っ
た。
【0037】(比較例2)塩素化ポリエチレン70部に
安定剤配合ポリプロピレン30部を、実施例1と同様な
る条件にて、溶融混練を行い、以下実施例1と同様にし
て物性評価を行った。その結果、100%モジュラス、
耐溶剤性、低温柔軟性は、実施例1と比較していずれも
劣っていた。
【0038】(比較例3)塩素化ポリエチレン70部に
安定剤配合ポリプロピレン15部、ポリスチレン15部
を、実施例1と同様なる条件にて、溶融混練を行い、以
下実施例1と同様にして物性評価を行った。その結果、
100%モジュラス、耐溶剤性、低温柔軟性は、実施例
1と比較していずれも劣っており、シートは層状剥離が
認められた。
【0039】(比較例4)塩素化ポリエチレン70部に
ポリスチレン30部を、実施例1と同様なる条件にて、
溶融混練を行い、以下実施例1と同様にして物性評価を
行った。その結果、100%モジュラス、耐溶剤性、低
温柔軟性は、実施例2、実施例3と比較していずれも劣
っており、シートは層状剥離が認められた。
【0040】「試験条件」:表1〜2の試験方法は、下
記記載の方法によって行った。 (1)引張試験:各々の1mm厚のプレスシートを3号
ダンベルにて試片を打ち抜き、オートグラフIM−10
0(島津製作所社製)を用いて引張速度50mm/mi
nなる条件にて、100%伸び時に於けるモジュラス
(kg/cm2)について測定し、評価を行った。 (2)耐溶剤性:各々の生成物の耐溶剤性の評価は、テ
トラヒドロフランを抽出溶媒として用い、ソックスレー
抽出法によって、4時間、抽出せしめて、その残留分を
抽出前の重量で除することにより不溶解分率を算出し、
評価した。 (3)低温柔軟温度:JIS K6745に準じて、ク
ラッシュバーク柔軟温度測定試験によって評価した。 (4)外観:各々のプレスシートを引き裂いた時の状態
を目視によって評価した。その時の状態が層剥離してい
るものを「層剥離」とし、分散が良好であるものを、
「良好」と表記した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によって得られる塩素化ポリエチ
レン含有樹脂は、塩素化ポリエチレンの有する難燃性、
低温柔軟性等の物性を維持したまま、剛性等の機械的物
性、耐溶剤性、耐透湿性、耐熱性等の諸特性を塩素化ポ
リエチレンの物性に付与させた樹脂であり、特に自動車
部品等へ適用が可能であり、非常に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融状態の塩素化ポリエチレン(A)と芳
    香族ビニル単量体(B)とをラジカル開始剤の存在下で
    溶融混練重合反応することを特徴とする塩素化ポリエチ
    レン含有樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】溶融状態の塩素化ポリエチレン(A)と芳
    香族ビニル単量体(B)とプロピレン系重合体(C)及
    び/又は芳香族系重合体(D)とをラジカル開始剤の存
    在下で溶融混練重合反応することを特徴とする塩素化ポ
    リエチレン含有樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】芳香族ビニル単量体(B)に官能基含有ビ
    ニル単量体を添加することを特徴とする請求項1又は2
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】芳香族ビニル単量体(B)がスチレンであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の
    製造方法。
JP12700293A 1993-05-28 1993-05-28 塩素化ポリエチレン含有樹脂の製造方法 Pending JPH06336512A (ja)

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JP12700293A Pending JPH06336512A (ja) 1993-05-28 1993-05-28 塩素化ポリエチレン含有樹脂の製造方法

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