JP2551977B2 - 積層体 - Google Patents

積層体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリエステルフィルムで被覆された金属板か
らなる積層体に関するものである。詳しくはポリエステ
ルフィルムが有する優れた表面光沢、表面硬度、意匠
性、防湿性、耐食性等を利用した建材、電化製品ハウジ
ングなどの産業資材として用いて好適な積層体に関する
ものである。
〔従来の技術〕
従来からポリエステルフィルムをラミネート法により
金属板に被覆した積層体は家庭電化製品等の分野で使用
されている。上記ポリエステル樹脂は金属に対する接着
力が小さいため、通常は特殊な表面処理や接着剤又はプ
ライマーの塗布、あるいはホットメルト型の樹脂を配合
して用いることにより接着性を向上させている。しかし
ながら、上記方法によって得られる積層体のポリエステ
ルと金属板との接着性(接着力)は、まだ十分とは言え
ず、この接着性を改良する方法が種々提案されている。
例えば、金属とポリエステル被覆層とを熱接着させるた
めの接着層として アイオノマー樹脂又はエチレン−メタクリル酸共重
合体樹脂を用いる方法(特開昭62−220527)、 エチレン−酢酸ビニル共重合体と変性ポリオレフィ
ン樹脂からなる組成物を用いる方法(特開昭59−6704
8)、 ポリエステルにアイオノマ又は変性ポリオレフィン
樹脂を配合した組成物を用いる方法。
等が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記、の方法では接着層に使用さ
れる樹脂の熱安定性が低いためフィルム成形などの段階
でいわゆるフィッシュアイを生起しやすく著しい場合に
は茶褐色に変色したゲルを生じ、外観を著しく低下さ
せ、又それらの樹脂は融点が低いため体積体の2次加工
などで積層体に熱が加えられた場合に被覆層と金属基材
の接着力が低下するという問題点があった。又、の方
法では2次加工の際の接着力低下という問題はないもの
の接着層の組成物をフィルム成形する際にポリエステル
の融点にあわせて通常200℃以上の高温で成形しなけれ
ばならず、その結果組成物に含まれるアイオノマーや変
性ポリオレフィンが熱劣化しフィッシュアイやゲルを生
じ、外観を著しく低下させるという問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは以上の欠点に鑑み前記の用途に好適な、
とくに具体的には被覆層と金属基材とが強固に接着され
かつ意匠性、外観性にも優れた積層体を得るべく鋭意検
討した結果、積層体を構成する各層の構成や組成を特定
の範囲とすることによりその目的を達成した。
以下詳細に説明する。
本発明で用いられるポリエステルフィルムは、その厚
みが10μから200μの間であることが好ましい。
10μ以下では被覆層が基材の凹凸を拾ってしまいポリ
エステルフィルムの特長である平滑性が出せず又光沢の
深みが出せない等の問題があり、また、取扱いの際にし
わが入り易い。
200μ以上ではフィルムが厚すぎて積層体を絞り加工
するなどの二次加工を行なう際にいろいろな問題が出て
くる。
ポリエステルフィルムの原料についてはとくに制約は
なく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル樹脂が用いられる。
その表面光沢や力学物性、入手のし易さから二軸延伸
されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムで
あることがとくに好ましい。
該ポリエチレンテレフタレートとは、テレフタール酸
およびエチレングリコールからなるホモポリマーおよび
テレフタール酸、エチレングリコールにさらに第三成分
を共重合させたコポリマーの両者を意味する。このよう
なコポリマーは公知であり、第三成分としては通常、イ
ソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸などのオキシカル
ボン酸、プロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコ
ール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレング
リコール等が用いられる。コポリマー中の第三成分の比
率は通常、15モル%以下である。
本発明では上記ポリエステルフィルムの上に特定の組
成及び厚みを有する変性ポリオレフィン組成物からなる
接着層を持つポリオレフィン系フィルムが積層される。
すなわちそのポリオレフィン系フィルムとはエチレン−
αオレフィン共重合体に対し、0.1〜5重量%の不飽和
カルボン酸で変性された変性ポリオレフィン5〜95重量
%と融点が100℃以上のポリオレフィン樹脂95〜5重量
%を含む組成物からなる厚さ0.5〜20μの接着層を金属
基材への接着層として有する厚さ150μ以下のフィルム
である。
変性ポリオレフィンの原料となるエチレン−αオレフ
ィン共重合体はエチレンを主体にプロピレン、ブテン−
1、ヘキサン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン
−1などのα−オレフィンが共重合されたもので一般的
にはその密度が0.94以下のものを言い、本発明ではとく
に密度が0.93以下のもの、更に好ましくは0.925以下の
ものが好適に用いられる。
変性ポリオレフィンは上記のエチレン−αオレフィン
共重合体に不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト
させることにより作られる。
上記不飽和カルボン酸またはその無水物としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無
水イタコン酸などが挙げられ、さらに不飽和カルボン酸
またはその無水物の誘導体としては、例えばモノエポキ
シ化合物と上記酸とのエステル化物、分子内にこれら酸
と反応し得る基を有する重合体と酸の反応生成物などが
挙げられる。特に無水マレイン酸が好適に用いられる。
上記エチレン−αオレフィン共重合体と不飽和カルボ
ン酸又はその無水物とをグラフト反応させる方法として
は溶液法またはスラリー法であってもよいが、経済的に
は溶融混練法であることが好ましい。溶融混練法による
場合には、常法に従い原料エチレン−αオレフィン共重
合体の粉末またはペレットに不飽和カルボン酸またはそ
の無水物及び有機過酸化物、アゾビス化合物のようなラ
ジカル反応開始剤を所定の配合比でヘンシェルミキサー
等でドライブレンドするか、もしくは有機溶媒に不飽和
カルボン酸またはその無水物および開始剤を溶解し、エ
チレン−αオレフィン共重合体の粉末またはペレットに
噴霧し、ヘンシェルミキサー等でブレンドする。この配
合したエチレン−αオレフィン共重合体の粉末もしくは
ペレットを系内を窒素ガス置換された混練機、例えばバ
ンバリーミキサー、ダブルスクリューミキサー等に投入
し、温度120〜300℃、時間0.1〜30分で溶融混練するこ
とにより上記した変性ポリオレフィンが得られる。上記
変性ポリオレフィンにグラフトされている不飽和カルボ
ン酸またはその無水物の量は原料ポリオレフィンに対
し、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の範
囲である。
上記不飽和カルボン酸又はその無水物の変性量が下限
未満では金属基剤の接着性が不十分であり、また上限を
越えた場合には接着力を効果的に付与できないばかりか
グラフトされない不飽和カルボン酸又はその無水物成分
が多くなり却って接着力が低下するという問題点があ
る。
また開始剤を用いても良く、その量はエチレン−αオ
レフィン共重合体に対し0.1重量%以下、好ましくは0.0
01〜0.05重量%の範囲である。上記開始剤として使用さ
れる有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイ
ド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシラウレート、ジクミルパ
ーオキサイド、α,α′−ビス−t−ブチルパーオキシ
−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジ−t−ブ
チルパーオキシヘキシル、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブチルパーオキ
シバレート、オクタノイルパーオキサイド、p−メンタ
ンヒドロパーオキサイド等をあげることができ、またア
ゾビス化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス(2,4,4−トリスメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオ
ニトリル)などがあげられる。
かかる変性ポリオレフィンは融点が100℃以上のポリ
オレフィン樹脂と配合されて接着層を形成する組成物と
される。
ここでポリオレフィン樹脂の融点は100℃以上である
ことが必要で、それ以下では一般に低い融点のポリオレ
フィン樹脂は熱安定性が悪いために前述の様なゲル、フ
ィッシュアイによる外観性の低下を引き起こす他、最終
的に得られる積層体はプレス加工后の表面洗浄などのた
めに加圧熱水処理をされることがあるが、かかる処理に
対する接着力の耐久性が劣るなどの問題がある。
上記ポリオレフィン樹脂としては低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン−1共重合体等のポリオレフィンが好適に使
用される。
かかるポリオレフィン樹脂と配合された変性ポリオレ
フィン組成物から形成される接着層は変性ポリオレフィ
ンとポロリオレフィン樹脂の配合比が5:95乃至95:5の間
であり、かつ接着層の厚みが0.5μ〜20μ、好ましくは
1μ〜15μ、更に好ましくは2μ〜12μである場合にお
いてとくに被覆層と金属基材との接着が強固な積層体と
なる。
このうち接着層の厚みが下限以下であると実質的に厚
みの制御が困難で実用的ではない。
又、変性ポリオレフィン組成物中の変性ポリオレフィ
ンの配合比が5%以下では金属基材に対する接着が得ら
れない。
強固な接着を得るための要点は上記範囲にある組成物
からなる接着層が上記接着層の厚みの上限以下に制御さ
れていることであり、該厚みより厚いと、一般に接着層
の厚みは厚い法が接着性が良いという従来の認識とは逆
に却って接着性が低下する。
又、変性ポリオレフィン組成物中の変性ポリオレフィ
ン配合比が95%以上のものは接着層の厚みを変えても比
較的安定した接着力が出せるものの、その接着力は不充
分なものとなる。
なお、本発明でいう上記のポリオレフィン樹脂の融点
は示差熱分析によって吸熱ピークから求められるもので
ある。該樹脂が2種以上の混合物からなる場合で、吸熱
ピークが多数存在する場合には、主成分に起因する吸熱
ピークをもって、該樹脂の融点とするものである。
また接着層に用いられる樹脂はフィルム成形に際して
フィッシュアイやゲルを生じない様熱に対して安定なも
のである必要があり、前述の様に従来知られているアイ
オノマー樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体等の共重合体はこの要件を満
たさない。
上述した様な変性ポリオレフィン組成物は、それだけ
でも相応の熱安定性のあるものであるが、抗酸化剤など
の添加により安定化されていると更に好ましく、その程
度は后述する条件で測定された酸化反応時間(ORT)が
1分以上、更に好ましくは2分以上となる様に安定化さ
れる。
ここで言うORTとは示差走査熱量計(DSC)で測定され
るものであり、その条件及び定義は以下の通りである。
試 料…原料樹脂をプレス成形することにより0.5mm
±0.1mmのシートを作りそこから5±1mg切り出したもの
を試料とする。
通気量…サンプルセルに1±0.1cc/minの割りあいで
空気を流通させる。
昇 温…常温から255℃まで40℃/minで昇温する。
ORTの定義…昇温完了后からチャート上に酸化反応に
伴う発熱のサーモグラムのピークが現われるまでの時
間。
この様に変性ポリオレフィン樹脂を安定化させるため
に配合される添加剤は公知のいずれのものでもよいが、
一般的にはフェノール系のラジカル補促剤とチオエーテ
ル系やホスファイト系などのパーオキサイド分解剤を併
用するのが効果的である。
該フェノール系のラジカル補促剤としては、たとえ
ば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2,4
−ジメチル−6−第三ブチルフェノール、3−第三ブチ
ル−4−ヒドロキシアニゾール、2,6−ジオクタデシル
−p−クレゾール、2,4−ジメチル−6−イソボニルフ
ェノール、2,6−ジイソボニル−p−クレゾール、n−
オクタデシル−β−(4′−ハイドロオキシ−3′,5,
−ジ−第三ブチルフェノール)プロピオネート、スチレ
ン化フェノール、2,4−ジメチル−6−α−メチルシク
ロヘキシルフェノール、4,4′−ブチリデン−ビス(3
−メチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4′−メチ
レン−ビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2′
−メチレン−ビス(6−第三ブチル−p−クレゾー
ル)、2,2′−メチレン−ビス(6−第三ブチル−4−
エチルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、2,6
−ビス(2′−ハイドロキシ−3′−第三ブチル−5′
−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、トリス
(2−メチル−4−ハイドロオキシ−5−第三ブチルフ
ェニル)ブタン、テトラキス−〔メチレン−(3,5−ジ
−第三ブチル−4−ハイドロオキシ−ハイドロシンナメ
ート)〕メタン、ハイドロキノン−モノベンジルエーテ
ル、4,4′−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾー
ル)、2,2′−チオビス(4−メチル−6−第三ブチル
フェノール)、ビス(2−ハイドロオキシ−3,5−ジ−
第三ブチルフェニル)サルファイド、2,2′−メチレン
ビス(4−メチル−6−α−メチルシクロヘキシルフェ
ノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−
ジ−第三ブチル−4−ハイドロオキシベンジル)ベンゼ
ン、2,4−ビス(4−ハイドロオキシ−3,5−ジ−第三ブ
チルフェノキシ)−6−(n−オクチルチオ)−1,3,5
−トリアジン、6−(4−ハイドイルオキシ−3,5−ジ
−第三ブチルアニリノ)−2,4−ビス(n−オクチルチ
オ)−1,3,5−トリアジン、(4−ハイドロオキシ−3,5
−ジ−第三ブチルベンジル)−ジオクタデシルリン酸エ
ステル、リン−アルキル化フェノール縮合体、テトラキ
ス〔メチレン−3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等があげられ
る。
一方、パーオキサイド分解剤としてはジラウリルチオ
ジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネー
ト、ステアリル・ラウリルチオジプロピオネート、ジラ
ウリルチオジイソブチレート、ジステアリル・エチリデ
ンジチオジグリコレート、ジ−β−ナフチル・エチリデ
ンジチオジグリコレート、トリフェニルホスファイト、
トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルデシル
ホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、トリデ
シルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイ
ト、トリオクタデシルホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイ
ト)、トリス−(2,4−ジ−第3ブチルフェニル)ホス
ファイト、4,4′−ジフェニレンジホスフィン酸テトラ
キス(2,4−ジ−第3ブチルフェニル)、メルカプトベ
ンゾイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、エチ
ル・フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ドデシルメルカ
プタン、チオビス(β−ナフトール)、チオビス(N−
フェニル−β−ナフチルアミン)、フェノチアジン、ト
リアリルホスフィン、4,4′−チオビス(3−メチル−
6−第3−5ブチルフェノール)、テトラメチルチウラ
ムダイサルファイド等が挙げられる。
該添加剤の添加量は上述の要件が満たされる限り制約
はないが、添加量があまり多過ぎるとその分の効果が出
ないばかりか添加剤のブリードなどにより接着性に対し
悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要であり、ふつ
うは樹脂に対して100ppm〜10000ppmの間で添加される。
本発明では上述の様な接着層を有する厚さ150μ以下
のポリオレフィン系フィルムを該接着層が金属基材への
接着面となる様に前述したポリエステルフィルムと積層
される。
ポリオレフィン系フィルムの厚みは150μ以下である
必要があり、150μ以上ではもともとポリオレフィン系
フィルムはポリエステルフィルムに比べて柔かいため金
属基材との積層体とした場合にポリエステルフィルム固
有の表面硬度が相殺されてしまい本発明の目的と合致し
ない。ポリオレフィン系フィルムは変性ポリオレフィン
とポリオレフィン樹脂を含有する組成物からなる接着層
のみで構成されていても良い。
該ポリオレフィン系フィルムが接着層と未変性ポリオ
レフィンからなる層とを含む多層フィルムとなる場合
は、その多層フィルムの成形法は公知のいずれの方法で
もよく、例ば所定厚みの未変性ポリオレフィンフィルム
の上に前述の様な変性ポリオレフィン組成物を押出しラ
ミネートする方法や、共押出し法により一括して多層フ
ィルムを成形する方法などが挙げられる。
未変性ポリオレフィン層を構成するポリオレフィン樹
脂としては前記と同様のポリオレフィン樹脂が用いられ
る。
また多層フィルムとなる場合の未変性ポリオレフィン
層に対して接着層に対してもそうした様に熱安定剤など
の添加剤を配合することができる。
ポリオレフィン系フィルムとポリエステルフィルムを
積層させる方法は公知のいかなる方法でも採用できる
が、一般的な方法としてはポリオレフィン系フィルムに
コロナ処理を施したのちドライラミネート法によりポリ
エステルフィルムと積層させる方法が採用される。
上記コロナ処理量としてはポリオレフィン系フィルム
の接着面の濡れ張力が40〜50dyne/cmの範囲となるよう
に処理するのが良い。また、ドライラミネートする際に
使用するアンカコート剤としてはポリウレタン系、アル
キルチタネート系、ポリエチレンイミン系、イソシアネ
ート系等の公知のアンカーコート剤が用いられる。
また本発明では最終的に得られる積層体に意匠性を付
与すべく、例えばポリオレフィン系フィルムに所望の色
の顔料を配合したりポリエステルフィルムに所望の模様
の裏印刷を予め施しておくなどの策を講じることも可能
である。
以上の様にして作成された積層フィルムは、上述の接
着層を金属基材側として金属基材へ熱ラミネート等によ
り積層される。
熱ラミネートの方法は公知のいずれのものでも良く、
例えば熱プレスによる方法、予熱された金属基材にロー
ルで圧着させる方法などが挙げられるが、とくに強固な
接着を得るには本発明者らが特開昭61−291130で開示し
た方法すなわちラミネートされるべきフィルムと金属基
材とを積層された后接着層の融点以上に加熱し直后に急
冷する方法が採用できる。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定され
るものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜10 1) 変性ポリオレフィンの調製 変性ポリオレフィンA1 密度0.88g/cm3、メルトインデックス(MI)=4g/10分
のエチレン−ブテン1共重合体に対し5000ppmの無水マ
レイン酸を混合し、単軸型スクリュー押出機内で有機過
酸化物を開始剤としてグラフト反応をさせ、調製した。
変性ポリオレフィンA2 密度0.92g/cm3、MI=7g/10分のエチレン−ブテン1共
重合体に対し1500ppmの無水マレイン酸を混合し、A1と
同様に調整した。
2) 接着層に供する変性ポリオレフィン組成物の調製 第1表に示す配合の組成物をバンバリーミキサーを用
いて170℃で混練して調製した。
尚、表中の低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度
ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)とはそれぞれ以下の様な物性のものである。
LDPE…密度=0.922g/cm3、 MI=3.5g/10分、 融点=110℃ LLDPE…密度=0.930g/cm3、 MI=10g/10分、 融点=126℃ EVA…酢酸ビニル含量が10%のエチレン−酢ビ共重合体 MI=3.5g/10分、 融点=96℃ この様にして得られた組成物の酸化反応時間(ORT)
を第1表に示す。
3) 多層フィルムの成形 密度0.922g/cm3、MIが3.5g/10分のLDPEに安定剤とし
てチバーガイギー社製のイルガノックス(商品名)1010
とイルガフォス(商品名)168を各0.03部配合した組成
物の層と変性ポリオレフィンからなる層とを含む厚さ50
μの二層フィルムを接着層の厚みが第2表に示す様にな
る様に共押出インフレーション法によりダイス温度150
℃で成膜した。この二層フィルムの接着層と反対の面に
表面張力が42dyne/cmとなる様にコロナ処理を施したの
ちウレタン系の接着剤を用いて厚さ50μの二軸延伸PET
とドライラミネートした。
4) 金属基剤とのラミネート 200℃に予熱された厚さ0.6mmの亜鉛メッキ鋼板に上述
の様にして作成された多層フィルムをその接着層を鋼板
側にしてロール圧着し、それを再度280℃雰囲気下30秒
間熱処理したのち水冷し積層体とした。
5) 積層体の評価方法 接着性 JIS−K6744に準じてエリクセン試験を行ない井型ノッ
チでの浮上りについて以下のランクで評価した。
ランク A 異常なし B 若干浮上る C 明らかに浮上る D 大きく浮上る E 完全に剥離する 耐熱水性 上記の様にして得た試験片を沸水中30分処理し井型ノ
ッチの浮上りを上記ランクにて評価した。
外観 目視によりとくにフィルム中のフィッシュアイやゲル
に由来する表面の凹凸を少ない順に○△×として評価し
た。
6) 積層体の評価結果 第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の積層体は、表面光沢、表面硬度、防湿性、耐
食性に優れた金属積層体であって、使用するポリエステ
ルフィルムに印刷等を施すことにより意匠的にも好まし
く、建材、電化製品ハウジング等の産業資材として用い
て好適なものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基材にポリエステルフィルムを積層し
    てなる積層体であって、金属基材とポリエステルフィル
    ムとの間に、エチレン−αオレフィン共重合体に0.1〜
    5重量%の不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト
    させた変性ポリオレフィン5〜9.5重量%と融点が100℃
    以上のポリオレフィン樹脂95〜5重量%とを含有する組
    成物からなる0.5〜20μの接着層を有する厚さ150μ以下
    のポリオレフィン系フィルムを接着層を金属基材側とし
    て介在させて積層してなる積層体。
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Cited By (1)

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WO2013184187A1 (en) 2012-06-05 2013-12-12 Dow Global Technologies Llc Films containing functional ethylene-based polymer compositions

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